JP2000210060A - 固形ル―およびその製造法 - Google Patents

固形ル―およびその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱攪拌時に油の分離が起こらず、褐変が生
ぜず、色調、クリーム感、風味およびまろやかさに優れ
ており、表面の光沢、艶などを長期間に亙って維持でき
る固形ルーおよびその製造法を提供する。 【解決手段】 油脂含量が35〜80重量%であり、油
脂として構成脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂
肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4〜8で、且つト
リグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計
が44〜68である油脂を必須成分とするO/Wクリー
ム状組成物を、小麦粉若しくは澱粉、油脂、および調味
料などと加熱混合して固形ルーを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固形ルーおよびその
製造法に関するものであり、さらに詳しくは、カレー、
ハヤシ、シチューなどに用いられる固形油脂食品である
固形ルーおよびこの固形ルーを効率的に製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】カレー、ハヤシ、シチューなどに用いる
固形ルーは、家庭用にも業務用にも簡単に利用でき便利
であるので大量に消費されている。このような固形ルー
は、流通ルートで過酷な条件にさらされることから、長
期間に亙って表面の光沢、艶を維持できるものが要求さ
れており、種々の技術が提案されている。例えば、特開
昭61−40745号公報には、ポリグリセリン1モル
に対して、平均4モル以上の脂肪酸でエステル化された
ポリグリセリン脂肪酸エステルが0.02〜5重量%を
含み、さらに油脂分が25重量%以上であり、固体脂含
有率が20℃の時には30%以上である油性固形物が、
特開平7−39351号公報には、ソルビタン脂肪酸エ
ステルやレシチンなどのHLB値が2〜10の乳化剤を
0.05〜10重量%を含有させた固形油脂食品が、ま
た、特開昭58−198245号公報には、構成脂肪酸
としてベヘン酸を20〜60%含有する製菓用油脂のグ
レイニング防止剤が、夫々開示されている。さらに上記
従来技術に加えて、油脂の種類を限定したり、油脂の融
点を高くする方法、油脂の添加量を多くする方法などの
様々な方法が試みられている。
【0003】また、特開平9−224571号公報には
脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数との差が5以上で、そ
の構成している脂肪酸の炭素数の合計が40以上であ
り、且つその脂肪酸が飽和脂肪酸のみで構成されている
トリアシルグリセリンを5〜98重量%含む油脂組成物
を10〜50重量%含む固形ルーが開示されている。
【0004】一方、小麦粉、油脂を含むルウ原料を加熱
攪拌した後、20〜35%の油脂を含み、且つ特定量の
無脂乳固形分、カゼインナトリウム、リゾレシチン、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ルを含む水中油型乳化クリームを添加、攪拌混合する、
レトルトに強い高粘性ホワイトソースの製造方法(特開
平9−222号公報)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の固形ル
ーは、粉末乃至乾燥物のみを原料として用い、これらを
混合して製造されているので、製品中に原料粒子が残
り、舌触りがざらざらするなどクリーム感に乏しく、含
水のルー(例えばレトルト品など)に比べて、風味およ
びまろやかさに劣る傾向があり、特にこの傾向はシチュ
ー類においてより顕著であった。
【0006】粉末乃至乾燥物のみを原料とする際の上記
問題を避けるために、含水の原料、例えば生クリームを
用いて固形ルーを得ようとすると、加熱攪拌による水分
低下などで油脂の分離が起こり、また褐変が著しくて良
好な製品を得ることができなかった。前記特開平9−2
22号公報に開示されているレトルトに強い高粘性ホワ
イトソースの製造方法においては、油脂含量が35%を
越えると、加熱攪拌による油の分離が起こりやすくなる
ことが示されている。かかる技術を固形ルーの製造に用
いると、加熱攪拌時の水分低下などで油の分離が起こ
り、外観不良、風味劣化などの原因となるため、固形ル
ーの製造に使用することはできない。
【0007】本発明の第1の目的は、加熱攪拌時の水分
低下などで油の分離が起こらず、褐変が生ぜず、色調、
クリーム感、風味およびまろやかさに優れており、表面
の光沢、艶などを長期間に亙って維持でき、クリーミー
なカレー、ハヤシ、シチューなどを容易に作ることがで
きる固形ルーを提供することであり、本発明の第2の目
的は、そのような固形ルーを容易に効率的に製造する方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、構成脂肪酸組成中
1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭
素数の差が特定の範囲にあり、且つトリグリセリドを実
質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が特定の範囲にあ
る油脂を必須成分とするO/Wクリーム状組成物を用い
ると油脂を35重量%を越えて含んでいても加熱時に褐
変が生ぜず、また固形ルーの製造時に加熱攪拌時の水分
低下などで油の分離が起こらず、色調、クリーム感、風
味およびまろやかさに優れており、表面の光沢、艶など
を長期間に亙って維持できる固形ルーを得ることができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の請求項1の発明は、油
脂含量が35〜80重量%であり、油脂として構成脂肪
酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数
と最小炭素数の差が4〜8で、且つトリグリセリドを実
質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が44〜68であ
る油脂を必須成分とするO/Wクリーム状組成物を含む
ことを特徴とする固形ルーである。
【0010】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
の固形ルーにおいて、前記最大炭素数と最小炭素数の差
が6以下であることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載の固形ルーにおいて、油脂が、パーム
硬化油と菜種硬化油の混合物であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項4の発明は、油脂含量が3
5〜80重量%であり、油脂として構成脂肪酸組成中1
重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素
数の差が4以上で、且つトリグリセリドを実質的に構成
する脂肪酸の炭素数の合計が44〜68である油脂を必
須成分とするO/Wクリーム状組成物を、小麦粉若しく
は澱粉、油脂、および調味料などと加熱混合することを
特徴とする固形ルーの製造法である。
【0013】本発明の請求項5の発明は、請求項4記載
の固形ルーの製造法において、小麦粉若しくは澱粉と油
脂を品温が約80〜130℃に達するまで充分に加熱混
合後、混合しながら品温が約60〜125℃程度になっ
たところで、砂糖、塩、グルタミン酸ソーダなどの調味
料、香辛料、その他を順次添加して攪拌混合し、次いで
前記O/Wクリーム状組成物を添加して攪拌混合するこ
とを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。O/Wクリーム状組成物に用いる油脂の飽
和脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン
酸、ベヘン酸などが例示でき、一般的な硬化油脂や、
1,2,3−飽和型トリグリセリドすなわち、極度硬化
油脂や分別高融点油脂に由来する油脂を原料の一部に用
いることができる。またO/Wクリーム状組成物に用い
る油脂を構成する脂肪酸は、飽和・不飽和ともに、直
鎖、分岐脂肪酸のいずれでもよいが、トリグリセリドを
実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が、44〜6
8、好ましくは48〜68、より好ましくは48〜66
がよい。。
【0015】本発明において飽和脂肪酸の最大炭素数と
最小炭素数の差が4未満の例えば、硬化大豆油を用いる
と、加熱攪拌時に油分離が起きる恐れがあり、逆に8を
越えるとワキシーになり易くいずれも好ましくない。
【0016】飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差
が4〜8の範囲にあっても、トリグリセリドを実質的に
構成する脂肪酸の炭素数の合計が44未満であるよう
な、例えばラウリン系油脂(硬化ヤシ油)やMCT(中
鎖脂肪酸トリグリセリド)などを用いると加熱攪拌時に
油分離が起きるので好ましくなく、逆に68を超えると
ワキシーになりやすく好ましくない。
【0017】本発明で用いる油相中の油脂の融点は特に
限定されないが、約35〜50℃が好ましく、より好ま
しくは約40〜45℃である。35℃未満では、店頭な
どにおいて固形ルーが軟化することが懸念され、逆に5
0℃を超えると使用時に固形ルーが溶けにくい、ワキシ
ーな食感となるなどいずれも好ましくない。
【0018】本発明で用いる油脂は、具体的には例え
ば、炭素数18以上の飽和脂肪酸を主として含有する油
脂と、炭素数16以下の飽和脂肪酸を主として含有する
油脂を混合して得られる、あるいはその後、エステル交
換を行うことにより得ることができる。また、必要に応
じて分別、硬化、精製などの各処理を行うことによって
も得ることができる。上記油脂を製造時の炭素数18以
上の飽和脂肪酸を主として含有する油脂と炭素数16以
下の飽和脂肪酸を主として含有する油脂を混合する比率
は、混合またはエステル交換した後のトリグリセリドを
実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が44〜68と
なる比率でなければならい。
【0019】上記炭素数18以上の飽和脂肪酸を主とし
て含有する油脂としては、例えば大豆油、菜種油、綿実
油、米油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、牛
脂、豚脂、鶏脂、魚油などが例示できる。さらには、こ
れらの油脂の硬化油または分別油を硬化した油脂を用い
ることができる。また、炭素数が16以下の飽和脂肪酸
を主として含有する油脂としては、パーム油、ヤシ油、
パーム核油、さらには、これらの分別油などを硬化した
油脂を用いることができる。これらの中でもパーム硬化
油と菜種硬化油の混合物は安定性など各種特性に優れる
上、入手しやすく経済的であるので好ましく使用でき
る。
【0020】本発明で用いるO/Wクリーム状組成物は
加熱攪拌により乳化破壊や褐変を起こさない安定なクリ
ーム状組成物であり、上記油脂を組成物全体に対して3
5〜80重量%、好ましくは50〜80重量%含む。上
記油脂が組成物全体に対して35重量%未満では加熱攪
拌による水分低下を速やかに実施できない。上記油脂が
組成物全体に対して80重量%を越えると加熱攪拌によ
り乳化破壊を起こしやすく好ましくない。
【0021】本発明で用いるO/Wクリーム状組成物の
製法は常法を用いることができ特に限定されない。具体
的には例えば、上記油脂の他に無脂乳固形分を組成物全
体に対して約0.5〜4.0重量%(無脂乳固形分を用
いると特にシチュー用の場合に色調良好となる)、公知
の乳化剤(例えば特開平4−330258号公報、特開
平9−222号公報などに記載の乳化剤)としてカゼイ
ンナトリウム、リゾレシチン、ポリグリセリン酸脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エス
テルなどを適当な配合割合で添加し、その他に必要に応
じてリン酸塩、クエン酸塩などの乳化安定剤、砂糖など
の調味料、ブドウ糖、香辛料、pH調整剤などを適宜添
加し、水を液状を維持するために必要な配合割合で、例
えば組成物全体に対して約20〜65重量%、好ましく
は約30〜55重量%、より好ましくは約35〜50重
量%用いてO/Wに乳化させることにより得ることがで
きる。
【0022】本発明の固形ルーは、上記O/Wクリーム
状組成物を、小麦粉若しくは澱粉、油脂、および調味料
などと混合し、加熱により水分を低下させ、適当な型に
いれて、冷却して製造することができる。キサンタンガ
ム、カラギーナン、ジェランガム、タマリンドガム、カ
ラヤガム、グアガム、ローカストビーンガムなどの増粘
多糖類を適宜加えてもよい。本発明の固形ルーの製造に
用いる油脂は、特に限定されず、具体的には、例えば菜
種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米
糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック
油、胡麻油、月見草油、パーム油、イリッペ脂、シア
脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物
性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの動物
性油脂、これらの油脂類の単独または混合油あるいはそ
れらの硬化、分別、エステル交換などを施した加工油脂
などを挙げることができ、好ましくは上記O/Wクリー
ム状組成物の製造に用いた油脂と同じものを用いる。
【0023】本発明の固形ルー中の各成分の配合割合は
カレー、ハヤシ、シチューなどに応じて適宜決められる
ものであり特に限定されない。この場合、小麦粉の含量
が少なくなりすぎると、スープ様となり好ましくない。
反対に、小麦粉の含量が多くなりすぎると粘性が高くな
りすぎる。また、油脂の含量が少なくなりすぎると、粉
臭くなったり、風味があっさりしすぎてしまう。反対
に、油脂の含量が多くなりすぎると、風味的にも油っぽ
くなる傾向があるので好ましくない。
【0024】本発明の固形ルーを製造するには、具体的
には、例えば先ず、上記O/Wクリーム状組成物を加え
ることなく小麦粉と油脂を攪拌混合しながら、品温が約
80〜130℃に達するまで加熱する。このようにして
原料が均一に混合されるとともに、小麦粉が十分にα化
して好ましい状態に調整される。80℃未満では小麦粉
が十分にα化されない恐れがあり、130℃を超えると
風味が損なわれる恐れがあるので好ましくない。前記攪
拌混合においては、攪拌装置の大きさや速度などに特に
限定されるものではなく、原料を焦げつかせることなく
均一に混合できればよい。加熱攪拌後、混合しながら品
温が約60〜125℃程度になったところで、砂糖、
塩、グルタミン酸ソーダなどの調味料、香辛料、その他
を順次添加して攪拌混合し、次いで上記O/Wクリーム
状組成物を添加して攪拌混合する。60℃未満では調味
料、香辛料、その他の混合が不十分となる恐れがあり、
125℃を超えると風味が損なわれる恐れがあるので好
ましくない。なお、必要に応じて再度加熱してもよい。
【0025】さらに攪拌混合した後、適当な容器に入れ
冷却して固化させ、密封シールし、包装して商品とする
ことができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の内
容をさらに具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱し
ない限り本発明は実施例に何ら限定されるものではな
い。 (実施例1)菜種・パーム硬化油[菜種硬化油とパーム
硬化油の混合物(重量比約80:20)]、脱脂粉乳、
乳化剤(加水分解したレシチン、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよび蔗糖脂肪酸
エステルを重量比2:2:1:1の割合で配合した乳化
剤)、メタリン酸Na、および水を表1に示した配合割
合で用いて常法によりO/Wクリーム状組成物を作っ
た。表2に使用した菜種・パーム硬化油の脂肪酸組成、
融点、構成脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪
酸の最大炭素数Cmaxと最小炭素数Cmin、最大炭
素数Cmaxと最小炭素数Cminの差(Cmax−C
min)およびトリグリセリドを実質的に構成する脂肪
酸の炭素数の合計を示す。このO/Wクリーム状組成物
を用いて次のようにして本発明のカレー用固形ルーを作
った。小麦粉と油脂を攪拌混合しながら品温が約120
℃に達するまで加熱後、攪拌混合しながら品温が約11
0℃程度になったところで、砂糖、塩、各種ブイヨンな
ど、グルタミン酸ソーダなどの調味料、カレー粉などの
香辛料、その他を順次添加して攪拌混合し、次いで上記
O/Wクリーム状組成物を添加して攪拌混合した。この
O/Wクリーム状組成物は加熱攪拌時に水分が低下して
も油の分離が起こらず、褐変もせず安定性に優れてい
た。攪拌混合を続けながら冷却して固化して本発明のカ
レー用固形ルーを作った。本発明のカレー用固形ルー
は、表面の光沢、艶、色調に優れ、これらの特性が長期
間に亙って維持された。本発明のカレー用固形ルーは舌
触りがよく、クリーム感に優れ、風味およびまろやかさ
に優れていた。
【0027】(比較例1)菜種・パーム硬化油を用いる
代わりに、ヤシ油を表1に示した配合割合で用いた以外
は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリーム状
組成物およびカレー用固形ルーを作った。表2に、使用
したヤシ油の脂肪酸組成、融点、CmaxとCmin、
(Cmax−Cmin)およびトリグリセリドを実質的
に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。カレー用固形
ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って外観が悪
くなり、得られたカレー用固形ルーは風味およびまろや
かさに劣っていた。
【0028】(比較例2)菜種・パーム硬化油を用いる
代わりに、硬化大豆油を表1に示した配合割合で用いた
以外は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリー
ム状組成物およびカレー用固形ルーを作った。表2に、
使用した硬化大豆油の脂肪酸組成、融点、CmaxとC
min、(Cmax−Cmin)およびトリグリセリド
を実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。カレ
ー用固形ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って
外観が悪くなり、得られたカレー用固形ルーは風味およ
びまろやかさに劣っていた。
【0029】(比較例3)菜種・パーム硬化油を用いる
代わりに、硬化菜種油を表1に示した配合割合で用いた
以外は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリー
ム状組成物およびカレー用固形ルーを作った。表2に、
使用した硬化菜種油の脂肪酸組成、融点、CmaxとC
min、(Cmax−Cmin)およびトリグリセリド
を実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。カレ
ー用固形ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って
外観が悪くなり、得られたカレー用固形ルーは風味およ
びまろやかさに劣っていた。
【0030】(比較例4)菜種・パーム硬化油を用いる
代わりに、全脂粉乳を表1に示した配合割合で用いた以
外は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリーム
状組成物およびカレー用固形ルーを作った。表2に、使
用した乳脂の脂肪酸組成、融点、CmaxとCmin、
(Cmax−Cmin)およびトリグリセリドを実質的
に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。カレー用固形
ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って外観が悪
くなり、得られたカレー用固形ルーは舌触りがざらつ
き、風味およびまろやかさに劣っていた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の固形ルーは、加熱攪拌時に水分
低下などで油の分離が起こらず、褐変が生ぜず、色調、
クリーム感、風味およびまろやかさに優れており、表面
の光沢、艶などを長期間に亙って維持できる。本発明の
固形ルーを用いて、例えば、クリーミーなカレー、ハヤ
シ、シチューなどを容易に作ることができる。本発明の
製造法により、本発明の固形ルーを容易に効率的に製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉井 正己 東京都板橋区宮本町38−8 ヱスビー食品 株式会社中央研究所内 (72)発明者 斉藤 真理 東京都板橋区宮本町38−8 ヱスビー食品 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4B026 DC01 DC02 DC06 DG01 DG02 DG04 DG11 DH03 DH05 DH10 DL05 DX04 4B036 LC01 LC05 LE03 LF01 LF05 LG02 LH12 LH13 LH22 LK01 LP01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂含量が35〜80重量%であり、油
    脂として構成脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂
    肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4〜8で、且つト
    リグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計
    が44〜68である油脂を必須成分とするO/Wクリー
    ム状組成物を含むことを特徴とする固形ルー。
  2. 【請求項2】 前記最大炭素数と最小炭素数の差が6以
    下であることを特徴とする請求項1記載の固形ルー。
  3. 【請求項3】 油脂が、パーム硬化油と菜種硬化油の混
    合物であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2
    記載の固形ルー。
  4. 【請求項4】 油脂含量が35〜80重量%であり、油
    脂として構成脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂
    肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4以上で、且つト
    リグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計
    が44〜68である油脂を必須成分とするO/Wクリー
    ム状組成物を、小麦粉若しくは澱粉、油脂、および調味
    料などと加熱混合することを特徴とする固形ルーの製造
    法。
  5. 【請求項5】 小麦粉若しくは澱粉と油脂を品温が約8
    0〜130℃に達するまで充分に加熱混合後、混合しな
    がら品温が約60〜125℃程度になったところで、砂
    糖、塩、グルタミン酸ソーダなどの調味料、香辛料、そ
    の他を順次添加して攪拌混合し、次いで前記O/Wクリ
    ーム状組成物を添加して攪拌混合することを特徴とする
    請求項4記載の固形ルーの製造法。
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