JP2009200007A - 多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法、およびリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法、およびリチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、サイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制したリチウム二次電池を形成するために用いられる多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが分散して付着したゲル被膜を形成するゾルゲル工程と、上記ゾルゲル工程で得られた上記ゲル被膜を焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成する焼成工程と、を有することを特徴とする多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明はサイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制したリチウム二次電池を形成するために用いられる正極活物質の製造方法に関する。
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では、これらの機器に用いる電源として、高エネルギー密度であるという理由から、リチウム二次電池が実用化され広く普及するにいたっている。また一方、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、リチウム二次電池が検討されている。
しかしながら、現在市販されているリチウム二次電池は、有機溶剤を溶媒とする有機電解液が使用されている。このようなリチウム二次電池においては、正極活物質と電解質液とが接触して反応するため、充放電を繰り返すと、正極活物質、および電解質液の双方が劣化することから、充電、および放電する電気量が減少し、サイクル特性が低下してしまうという問題があった。
そこで、このようなリチウム二次電池の耐久性、サイクル特性を向上させるために、例えば、特許文献1においては、LiMnO系活物質を金属アルコキシド溶液に混合後、焼成することで、活物質表面の一部に金属被覆された活物質が開示されている。これは、活物質表面の一部の金属被覆により、活物質と電解液との反応性を抑制してサイクル特性を向上させるものである。しかしながら、金属被覆が活物質表面の一部であるため、活物質と電解液との反応による活物質、電解液の劣化の抑制が充分ではなく、充分なサイクル特性が得られないという問題があった。
特開2005−78800号公報 特開平8−102332号公報 特開2000−149948号公報 特開2004−14381号公報 特開2007−258095号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、サイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制したリチウム二次電池を形成するために用いられる多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明においては、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが分散して付着したゲル被膜を形成するゾルゲル工程と、上記ゾルゲル工程で得られた上記ゲル被膜を焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成する焼成工程と、を有することを特徴とする多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法を提供する。
本発明によれば、正極活物質表面全面を多孔性金属酸化物により被覆することにより、電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制してサイクル特性を向上させることを可能とし、さらに、多孔性金属酸化物被覆層中に正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面までの連通孔を均一に有することにより、上記連通孔中をリチウムイオンが移動することが可能となり、正極活物質表面全面を被覆することによる出力特性の低下を抑制させた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得ることができる。
また、本発明においては、上記の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法により得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いて正極電極体を形成する正極電極体形成工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法により得られたサイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制できる多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いることにより、サイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制できるリチウム二次電池を得ることができる。
本発明においては、多孔性金属酸化物被覆層により電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制してサイクル特性を向上させ、かつ多孔性金属酸化物被覆層中のリチウムイオンの移動を可能として出力特性の低下を抑制させた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得ることができるという効果を奏する。
本発明の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法、およびリチウム二次電池の製造方法について、以下詳細に説明する。
A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法
まず、本発明の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法について、以下詳細に説明する。
本発明の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法は、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが分散して付着したゲル被膜を形成するゾルゲル工程と、上記ゾルゲル工程で得られた上記ゲル被膜を焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成する焼成工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記工程を経ることにより、正極活物質表面全面を多孔性金属酸化物により被覆することができ、電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制してサイクル特性を向上させることができる。さらに、多孔性金属酸化物被覆層中に正極活物質表面から金属酸化物被覆層表面まで連通孔を均一に存在させることが可能となるので、上記連通孔中をリチウムイオンが移動することができ、正極活物質表面全面を被覆することによる出力特性の低下を抑制させた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得ることができる。また、ゾルゲル法を用いることにより、所望の多孔性金属酸化物被覆正極活物質を低温で合成することができ、製造エネルギーを少なくできる等の利点を有する。
このような本発明の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法においては、具体的には図1(a)に例示すような、多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法の流れ(多孔性金属酸化物被覆正極活物質製造フロー図)に沿って、次のような工程を経ることにより、多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得ることができる。
例えば、まず、ゾルゲル工程において、溶媒中に金属有機化合物を溶解して攪拌し、その後、界面活性剤を添加して攪拌する。さらに、これに正極活物質を添加して攪拌し、ゾルを形成し、ろ過を行った後、乾燥する等して正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜を形成する。
上記ゾルゲル工程の後、焼成工程が行われる。上記焼成工程においては、例えば、上記ゾルゲル工程で得られたゲル被膜を、大気炉中に設置して大気中で焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が均一に形成された多孔性金属酸化物被覆層を得ることができる。このようにして、サイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制できる多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得ることができるのである。
次に、本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質について、図面を用いて説明する。図2(a)は、本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質の一例を模式的に示す概略断面図である。図2(a)に例示されるように本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質1は、正極活物質2と、上記正極活物質2表面全面に被覆された多孔性金属酸化物被覆層3とを有し、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔4が、多孔性金属酸化物被覆層3中に均一に存在している。
さらに、図2(b)の本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質の表面の状態を説明する説明図に示されるように、上記正極活物質2表面全面にわたって多孔性金属酸化物被覆層3が被覆されており、また、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔4が、多孔性金属酸化物被覆層3中に均一に存在している。
このような多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法においては、少なくとも、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜を形成するゾルゲル工程と、上記ゾルゲル工程で得られた上記ゲル被膜を焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が均一に形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成する焼成工程と、を有する製造方法であれば、特に限定されるものではなく、他の工程を有していても良い。
以下、本発明の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法における各工程について詳細に説明する。
1.ゾルゲル工程
本発明におけるゾルゲル工程について説明する。本発明におけるゾルゲル工程とは、後述する焼成工程に用いる、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜が形成されたゲル被覆正極活物質をゾルゲル法により調製する工程である。
本工程を経ることにより、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜が形成されたゲル被覆正極活物質を得ることができる。
なお、本工程において、「均一に分散して付着」とは、後述する焼成工程において、焼成することにより、所望の細孔を均一に有する上記多孔質金属酸化物被覆正極活物質が得られるような状態で付着していることを言う。
本工程において、上記ゲル被覆正極活物質を得る方法としては、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜を得ることができるゾルゲル法であれば、特に限定されるものではない。
より具体的には、例えば、図1(b)のゾルゲル工程フロー図に示すように、所定の溶媒に、上記金属有機化合物、上記界面活性剤、さらに上記正極活物質を添加して、所定の温度で所定の時間攪拌する等してゾルを得るゾル調製工程、その後、ろ過するろ過工程、ろ過工程後、所定の温度で所定の時間乾燥させてゲル被覆正極活物質を得るゲル化工程を有する方法等が挙げられる。
上記ゾルゲル工程では、通常上記ゾル調製工程、上記ろ過工程、および上記ゲル化工程を有するものであるが、他の工程を有していても良い。
以下、本発明におけるゾルゲル工程における、各工程について、詳細に説明する。
(1)ゾル調製工程
上記ゾル調製工程とは、所定の溶媒に、上記金属有機化合物、上記界面活性剤、さらに上記正極活物質を添加して、所定の温度で所定の時間攪拌する等してゾルを得る工程である。
本工程を経ることにより、金属有機化合物、界面活性剤、および正極活物質を有するゾルを得ることができる。本発明においては、このようなゾルを用いることにより、後述する、ろ過工程、ゲル化工程を経た後、所望の上記ゲル被覆正極活物質を得ることができるのである。
本工程において、上記ゾルを得る方法としては、後述する、ろ過工程、ゲル化工程を経た後、所望の上記ゲル被覆正極活物質を得ることができる金属有機化合物、界面活性剤、および正極活物質を有するゾルを得ることができれば、特に限定されるものではない。
より具体的には、例えば、所定の温度で、所定の溶媒中に金属有機化合物を溶解して攪拌し、その後、界面活性剤を添加して攪拌する。さらに、正極活物質を添加して攪拌してゾルを得る方法等を挙げることができる。
本工程に用いられる上記金属有機化合物は、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜が形成されたゲル被覆正極活物質をゾルゲル法により得ることができるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、金属アルコキシド、金属のオキシ硝酸塩、金属の硝酸塩、金属の酢酸塩、金属の硫酸塩、金属の炭酸塩、金属の水酸化物等を挙げることができる。中でも金属アルコキシドが好ましい。一般的で、汎用性が高いからである。
上記金属有機化合物における金属Mとしては、具体的には、ジルコニウム、タングステン、チタン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム等を挙げることができる。中でも、本発明においては、上記金属Mがジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、およびチタン(Ti)であることが好ましい。これらの金属Mを有する酸化物は表面酸性度が高く、リチウムイオン伝導性に優れているからである。
本工程における、上記金属有機化合物の含有量としては、上記界面活性剤の種類、上記金属有機化合物の種類、上記正極活物質の種類、上記溶媒の種類等により変化するものであり、所望の上記ゲル被覆正極活物質をゾルゲル法により得ることができ、後述する焼成工程を経た後、所望の多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得ることができる含有量であれば特に限定されるものではない。例えば、上記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、上記金属有機化合物が金属アルコキシド、上記正極活物質が後述する一般式Liで表せる正極活物質、上記溶媒がアルコール系溶媒である場合には、上記金属有機化合物の、上記界面活性剤、上記金属有機化合物、上記正極活物質、および上記溶媒の合計質量に対する質量百分率(質量%)が5〜95質量%の範囲内、中でも30〜80質量%の範囲内、特に50〜70質量%の範囲内であることが好ましい。上記金属有機化合物(金属アルコキシド)の含有量が、上記範囲より小さいと、金属有機化合物(金属アルコキシド)を正極活物質表面全面に被覆することが困難となり、一方、上記範囲より大きいと、金属有機化合物(金属アルコキシド)が過剰になり、後述する多孔性金属酸化物被覆層が厚くなるなどしてLiイオンの移動が困難となる可能性があるからである。
本工程に用いられる上記界面活性剤としては、ミセルを形成することができ、後述するゲル化工程において、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とを正極活物質表面に均一に分散して付着させたゲル被膜を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、アルキルカルボキシベタイン等を挙げることができる。中でも、上記金属有機化合物として金属アルコキシドを、上記溶媒としてアルコール系溶媒を用いるような場合には、ラウリル硫酸ナトリウムを用いることが好ましい。
なお、用いられる上記界面活性剤の種類は、上記金属有機化合物の種類、上記正極活物質の種類、上記溶媒の種類等により変化するものであり、予備的実験等することにより、決定することができる。上記予備的実験等により、後述する焼成などして、所望の細孔を有する上記多孔性金属酸化物被覆正極活物質が得られるような材料を、上記界面活性剤として用いることができる。
本工程においては、界面活性剤がミセルを形成している。上記ミセルとは、一般的に、物質が層状に分布している構造であり、本工程においては、界面活性剤が上記金属有機化合物とミセルを形成して上記ゾル中に安定な分散系を形成しているものである。
また、界面活性剤がミセル化したか否かは、例えば、所定の溶媒中に金属有機化合物を溶解して攪拌し、その後、界面活性剤を添加して攪拌した後の溶液が懸濁したか否かにより確認することができる。
また、本工程における、上記界面活性剤の添加量としては、上記界面活性剤の種類、上記金属有機化合物の種類、上記正極活物質の種類、上記溶媒の種類等により変化するものであり、所望の上記ゲル被覆正極活物質をゾルゲル法により得ることができ、後述する焼成工程を経た後、所望の多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、上記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、上記金属有機化合物が金属アルコキシド、上記正極活物質が後述する一般式Liで表せる正極活物質、上記溶媒がアルコール系溶媒である場合には、上記界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の、上記界面活性剤、上記金属有機化合物、上記正極活物質、および上記溶媒の合計質量に対する質量百分率(質量%)が0.1〜50質量%の範囲内、中でも1〜30質量%の範囲内、特に5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。上記界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の添加量が、上記範囲より小さいと、後述する多孔性金属酸化物被覆層中に所望の細孔が形成できなくなる等してLiイオンの移動が困難となる可能性があるからであり、一方、上記範囲より大きいと、上記金属有機化合物(金属アルコキシド)を正極活物質表面全面に被覆することが困難となるからである。
また、例えば、上記界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の上記金属有機化合物(金属アルコキシド)に対する質量比(界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)/金属有機化合物(金属アルコキシド))が、具体的には1〜50(w/w)の範囲内、中でも5〜40(w/w)の範囲内、特に10〜20(w/w)の範囲内であることが好ましい。上記質量比(界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)/金属有機化合物(金属アルコキシド))が、上記範囲より小さいと、後述する焼成工程において正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔を均一に形成することが困難となる可能性がある。一方、上記範囲より大きいと、上記金属有機化合物(金属アルコキシド)を正極活物質表面全面に被覆することが困難となるからである。
本工程に用いられる上記正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出することができる正極活物質であれば特に限定されるものではない。
具体的な正極活物質としては、例えば一般式Li、一般式LiPO、一般式LiSiOで表されるもの等を挙げることができる。ここで、一般式Li中のM、一般式LiPO中のM、および一般式LiSiO中のMは、主として遷移金属からなり、Co、Mn、Ni、V、Feの少なくとも一種を含む。本発明においては、中でも一般式Liで表されるものを用いることが好ましい。特にCo、Ni、Mnの少なくとも一種を含むものが好ましい。なお、一般式Li中のx、yの値の範囲はx=0.02〜2.2、y=1.4〜3である。
上記正極活物質の形状としては、上記正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とを均一に分散して付着することができる形状であれば特に限定されるものではないが、微粒子状であり、その形状が例えば球状、楕円球等であることが好ましい。上記正極活物質が微粒子である場合の平均粒子径としては、例えば0.01μm〜10μmの範囲内、中でも0.01μm〜0.1μmの範囲内であることが好ましい。上記平均粒子径が、上記範囲より小さいと、後述する焼成工程において得られる多孔性金属酸化物被覆層中に均一に連通孔を形成することが困難となり、一方、上記範囲より大きいと、多孔性金属酸化物被覆層を正極活物質表面全面に被覆することが困難となるからである。
なお、本発明において、上記正極活物質の平均粒子径はSEM等の電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
また、本工程における、上記正極活物質の添加量としては、上記正極活物質の種類、上記界面活性剤の種類、上記金属有機化合物の種類、上記溶媒の種類等により変化するものであり、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とを正極活物質表面に均一に分散して付着することができる添加量であれば特に限定されるものではない。例えば、上記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、上記金属有機化合物が金属アルコキシド、上記正極活物質が上述した一般式Liで表せる正極活物質、上記溶媒がアルコール系溶媒である場合には、上記正極活物質の、上記金属有機化合物(金属アルコキシド)と上記界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)との合計質量に対する質量比(正極活物質/(金属有機化合物(金属アルコキシド)+界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)))が、具体的には30〜90(w/w)の範囲内、中でも40〜80(w/w)の範囲内、特に50〜70(w/w)の範囲内であることが好ましい。上記正極活物質の含有量が、上記範囲より小さいと、金属有機化合物、およびミセル化した界面活性剤等が余分な不純物として生成するおそれがあり、一方、上記範囲より大きいと、金属有機化合物を正極活物質表面全面に被覆することが困難となり、上記金属有機化合物中に上記ミセル化した界面活性剤を均一に分散して正極活物質表面に付着させることも困難となるおそれがあるからである。
また、上記溶媒としては、上記界面活性剤、上記金属有機化合物、さらに上記正極活物質の種類等により変化するものであり、上記界面活性剤、上記金属有機化合物、さらに上記正極活物質を溶解させて、所望のゾルを得ることができものであれば特に限定されるものではない。例えばエタノール、アセチルアセトン、イソプロパノール、メタノール等を挙げることができ、特にエタノールが好ましい。
また、本工程において、上記金属有機化合物、上記界面活性剤、さらに上記正極活物質を添加して、所定の温度で所定の時間攪拌する際の、溶媒中に添加する方法や、溶媒中に添加する順序、温度や攪拌時間などの条件、攪拌方法等については、所望の上記ゲル被覆正極活物質を得ることができるゾルを得ることができれば、特に限定されるものではなく、所望の条件に応じて適宜選択することができる。本工程において、上記金属有機化合物、上記界面活性剤、および上記正極活物質を溶媒中に添加する順番としては、まず上記金属有機化合物を添加して、攪拌した後、上記界面活性剤を添加して攪拌し、その後、正極活物質を添加して攪拌を行うことが好ましい。まず、ミセルを形成させた後、正極活物質を添加することが可能となり、より効果的に所望のゲル被覆正極活物質を得ることができる上記ゾルを得ることができるからである。
(2)ろ過工程
次に、ろ過工程について説明する。上記ろ過工程とは、上述したゾル調製工程で得られたゾルをろ過して、上記ゾル中の上記金属有機化合物、上記界面活性剤、および上記正極活物質からなる微粒子(以下、ろ過試料と称する場合がある。)と液体とを分離して、ろ過試料を得る工程である。
本工程を経ることにより、上記金属有機化合物、上記界面活性剤、および上記正極活物質からなる微粒子である、ろ過試料を得ることができる。本発明においては、このようなろ過試料を用いることにより、後述する、ゲル化工程において所望のゲル被覆正極活物質を得ることができるのである。
本工程において、上記ろ過試料を得る方法としては、所望の上記ろ過試料を得ることができれば、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法を用いることができる。
例えば、ガラス製の漏斗の上に、紙製の濾紙をのせ、この上から上記ゾル調製工程で得られたゾルを注いで、この濾紙を通過させてろ過して、濾紙上に残ったろ過試料を得る方法等を挙げることができる。
(3)ゲル化工程
次に、ゲル化工程について説明する。上記ゲル化工程とは、上記ろ過工程後のろ過試料を用いて、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜を形成させてゲル被覆正極活物質を得る工程である。
本工程を経ることにより、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜を形成することができる。これは以下の理由によるものと推定することができる。すなわち、上記ろ過試料においては、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが付着している。これを乾燥等することにより、金属有機化合物の脱水縮合等の反応が進行して正極活物質表面でゲル化する。これにより、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とを正極活物質表面に均一に分散して付着させることを可能とし、所望のゲル被膜を得ることができるのである。
本工程において、上記ゲル皮膜が形成されたゲル被覆正極活物質を得る方法としては、所望の上記ゲル被覆正極活物質を得ることができれば、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法を用いることができる。
例えば、上記ろ過工程後のろ過試料を所定の温度で所定の時間乾燥させて、不必要な溶媒等を蒸発させて除去すると共に、脱水縮合する方法等を挙げることができる。
本工程における、上記所定の温度、時間等の乾燥条件としては、上記正極活物質の種類、上記界面活性剤の種類、上記金属有機化合物の種類、上記溶媒の種類等により変化するものであり、上記ろ過工程後のろ過試料を脱水縮合等してゲル化することができる条件であれば特に限定されるものではない。
また、本工程においては、所定の温度で所定の時間乾燥させて、不必要な溶媒を除去すると共に、脱水縮合する際の雰囲気としては、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが均一に分散して付着したゲル被膜を形成することができる雰囲気であれば特に限定されるものではない。通常、大気中で行う。
2.焼成工程
次に、本発明における焼成工程について説明する。本発明における焼成工程とは、上述した「1.ゾルゲル工程」で得られた上記ゲル被膜を焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が均一に形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成させて、多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得る工程である。
本工程を経ることにより、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が均一に形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成することができる。すなわち、上記界面活性剤を酸化分解等により、分解除去することができ、上記多孔性金属酸化物被覆層を形成することができるのである。
本工程において、上記多孔性金属酸化物被覆層が形成された多孔性金属酸化物被覆正極活物質を得る方法としては、上記ゲル被膜を焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が均一に形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成することができる焼成方法であれば、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法を用いることができる。具体的には、上記ゲル被覆正極活物質を所定の温度、所定の時間、所定の雰囲気下で焼成する方法等が挙げられる。
本工程において、焼成する際の上記所定の温度としては、上記ゲル被覆正極活物質に用いられる上記正極活物質の種類、上記界面活性剤の種類、上記金属有機化合物の種類等により変化するものであり、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が均一に形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成することができる温度であれば特に限定されるものではない。例えば、上記正極活物質がコバルト酸リチウム、上記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、上記金属有機化合物が金属アルコキシドである場合には、通常100〜800℃の範囲内である。
また、本工程において、例えば、上記正極活物質がコバルト酸リチウム、上記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、上記金属有機化合物が金属アルコキシドである場合の、上記所定の時間としては、通常5〜500時間の範囲内である。
また、本工程においては、上記ゲル被覆正極活物質を用いて、所定の温度で所定の時間焼成を行う際の雰囲気としては、界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が均一に形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成することができる温度であれば特に限定されるものではない。通常、大気中、もしくは酸素雰囲気中で行う。
3.多孔性金属酸化物被覆正極活物質
次に、本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質について、以下詳細に説明する。
本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質は、正極活物質と、上記正極活物質表面全面に被覆された多孔性金属酸化物被覆層とを有する多孔性金属酸化物被覆正極活物質であって、上記正極活物質表面から上記多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔を、上記多孔性金属酸化物被覆層中に均一に有することを特徴とするものである。
本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質においては、正極活物質表面全面を多孔性金属酸化物により被覆することにより、正極活物質と電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制し、さらに電解液の劣化も抑制してサイクル特性を向上させることができる。さらに、多孔性金属酸化物被覆層中に正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔が均一に存在している。このため、このような連通孔中をリチウムイオンが移動することができ、かつ正極活物質表面において均一にリチウムイオンの移動が起こるため金属酸化物を被覆することによる出力特性の低下を抑制することができるのである。
上述したように、図2は、本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質における金属酸化物の被覆の状態の一例を模式的に示す概略断面図である。図2(a)に示されるように本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質1は、正極活物質2と、上記正極活物質2表面全面に被覆された多孔性金属酸化物被覆層3とを有し、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔4が、多孔性金属酸化物被覆層3中に均一に存在している。
さらに、図2(b)の本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質の表面の状態を説明する説明図に示されるように、上記正極活物質2表面全面にわたって多孔性金属酸化物被覆層3が被覆されており、また、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔4が、多孔性金属酸化物被覆層3中に均一に存在している。
以下、本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質について、構成ごとに説明する。
(1)多孔性金属酸化物被覆層
まず、本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆層について説明する。上記多孔性金属酸化物被覆層は、正極活物質表面全面に被覆され、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔を均一に有することを特徴とするものである。このような多孔性金属酸化物被覆層を有することにより、上記正極活物質と電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制し、さらに電解液の劣化も抑制してサイクル特性を向上させることができる。また、多孔性金属酸化物被覆層中に正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔が均一に存在している。このため、リチウムイオン伝導経路が正極活物質表面において均一に確保できるため金属酸化物を被覆することによる出力特性の低下を抑制することができる。
上記多孔性金属酸化物被覆層における多孔性金属酸化物としては、電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制してサイクル特性を向上させることができるものであれば、特に限定されるものではない。
上記金属酸化物としては、例えばMで表される金属酸化物を挙げることができる。具体的な上記金属Mについては、上述した「A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法 1.ゾルゲル工程 (1)ゾル調製工程」に記載したものと同様のものであるので、ここでの説明は省略する。具体的な金属酸化物としては、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タングステン(WO)、酸化チタン(TiO)、酸化ホウ素(B)、酸化アルミニウム(Al)または酸化ガリウム(Ga)等を挙げることができる。中でも、本発明においては、上記金属酸化物Mが酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タングステン(WO)、酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これらの酸化物は表面酸性度が高く、リチウムイオン伝導性に優れているからである。
上記金属酸化物被覆層の膜厚としては、電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制することができ、さらにリチウムイオンの移動が可能な正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通した細孔を多孔性金属酸化物被覆層中に均一に有することができる程度の膜厚であれば、特に限定されるものではない。具体的には、1nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。上記膜厚が、上記範囲より小さいと、多孔性金属酸化物被覆層を正極活物質表面全面に被覆することが困難となり、一方、上記範囲より大きいと、多孔性金属酸化物被覆層中に均一に連通孔を形成することが困難となるからである。
本発明において、上記多孔性金属酸化物被覆層の膜厚は電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
また、上記多孔性金属酸化物被覆層は、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通したリチウムイオンの移動が可能な細孔を均一に有する。上記細孔としては、上記多孔性金属酸化物被覆層中に均一に存在して、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通して、リチウムイオンの移動が可能な程度の大きさを持つものであれば、特に限定されるものではない。
本発明においては、上記細孔を上記多孔性金属酸化物被覆層中に均一に有するとは、常に上記多孔性金属酸化物被覆層の任意の部分の単位面積あたりの上記細孔の数が、10〜1000000個/μmの範囲内にあるものを言う。中でも100〜10000個/μmの範囲内、特に1000〜10000個/μmの範囲内に、常に上記多孔性金属酸化物被覆層の任意の部分の単位面積あたりの上記細孔の数があることが好ましい。
なお、本発明において、上記細孔の数は電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
また、上記細孔の大きさとしては、リチウムイオンの移動が可能な程度の大きさを持つものであれば、特に限定されるものではないが、例えば0.1nm〜100nmの範囲内、特に1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。上記細孔の大きさが、上記範囲より小さいと、リチウムイオンの移動が困難となり、一方、上記範囲より大きいと、電解液等が正極活物質表面と接触する割合が増加し、正極活物質の劣化を抑制することが困難となるからである。
なお、本発明において、上記細孔の大きさは電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
また、本発明における上記細孔は、上記多孔性金属酸化物被覆層中に均一に存在して、正極活物質表面から多孔性金属酸化物被覆層表面まで連通しているものであるが、このような連通孔であるかどうかは、電子顕微鏡等により観察して、確認することができる。
(2)正極活物質
次に、本発明に用いられる正極活物質について説明する。図2に例示するように、本発明に用いられる正極活物質2は、上記正極活物質2表面全面が、上記多孔性金属酸化物被覆層3により被覆されていることを特徴とするものである。
上記正極活物質については、上述した「A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法 1.ゾルゲル工程 (1)ゾル調製工程」に記載したものと同様のものであるので、ここでの説明は省略する。
(3)その他
本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、リチウム二次電池に用いられる正極活物質等として、用いることができる。中でも自動車用のリチウム二次電池に用いられる正極活物質として用いることが好ましい。
B.リチウム二次電池の製造方法
次に、本発明のリチウム二次電池の製造方法について、以下詳細に説明する。
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、上記の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法により得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いて正極電極体を形成する正極電極体形成工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法により得られたサイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制できる多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いることにより、サイクル特性を向上させ、かつ出力特性の低下を抑制したリチウム二次電池を得ることができる。
このような本発明のリチウム二次電池の製造方法においては、具体的には次のような工程を経ることにより、リチウム二次電池を得ることができる。
まず、上記「A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法」により得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いて、正極層を正極集電体上に形成し、上記正極層と上記正極集電体とからなる正極電極体を形成する正極電極体形成工程を行う。
次に、負極層を負極集電体上に形成し、上記負極層と上記負極集電体とからなる負極電極体を形成する負極電極体形成工程を行う。
その後、所定のセパレータを上記正極層と上記負極層とにより挟持するように上記正極電極体と上記負極電極体とを設置する。さらに、上記正極層、上記負極層、および上記セパレータに所定の電解質を充填した後、上記セパレータが上記正極電極体と上記負極電極体とにより挟持させたものを電池ケース等に挿入して電池とする電池組立工程を行うことにより、上述した所望のリチウム二次電池を得ることができる。
なお、上記正極電極体形成工程、上記負極電極体形成工程は、同時に行ってもよく、上記負極電極体形成工程を行った後、上記正極電極体形成工程を行ってもよい。
次に、本発明により得られるリチウム二次電池について、図面を用いて説明する。図3は、本発明におけるリチウム二次電池用発電素子の一例を模式的に示す概略断面図である。図3に示されるリチウム二次電池用発電素子は、正極集電体5、および上記多孔性金属酸化物被覆正極活物質(図示せず)を含有する正極層6、からなる正極電極体7と、負極集電体8、および負極活物質(図示せず)を含有する負極層9、からなる負極電極体10と、正極電極体7および負極電極体10の間に配置されたセパレータ11と、正極層6、負極層9、セパレータ11に充填されたリチウム塩を含有する電解質(図示せず)とを有するものである。通常、上記リチウム二次電池用発電素子を電池ケース等に挿入し、その周囲を封口してリチウム二次電池を得ることができる。
このような本発明のリチウム二次電池の製造方法においては、少なくとも上記正極電極体形成工程を有するものであれば、特に限定されるものではなく、他の工程を有していてもよい。
以下、本発明のリチウム二次電池の製造方法について、各工程について、詳細に説明する。
1.正極電極体形成工程
本発明における正極電極体形成工程とは、上述した「A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法」にて得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いて、正極層を正極集電体上に形成し、上記正極層と上記正極集電体とからなる正極電極体を形成する工程である。具体的な方法としては、上述した「A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法」にて得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を有する正極層が正極集電体上に形成された正極電極体を形成できる方法であれば、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法を用いることができる。
例えば、所定の結着材を所定の溶剤に溶解して溶液を得た後、上記溶液中に、「A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法」にて得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質と所定の導電化剤とを導入し、均一に混錬して正極層用ペーストを形成する。上記正極層用ペーストを所定の正極集電体上に片面塗布し、その後乾燥し、プレス等した後、所定の大きさに切り出すなどして正極電極体を形成する。これを、後述するセパレータの一方に設置する等の方法を挙げることができる。
本発明に用いられる上記正極電極体は、少なくとも正極集電体と、上記多孔性金属酸化物被覆正極活物質を含有する正極層と電解質とからなるものである。
上記多孔性金属酸化物被覆正極活物質については、上述した「A.多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法」に記載したものと同様のものであるので、ここでの説明は省略する。
上記正極層は、通常、導電化材および結着材を含有する。上記導電化材としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。上記結着材としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等のフッ素系樹脂等を挙げることができる。
上記正極集電体とは、上記正極層の集電を行うものである。上記正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウムおよびSUSが好ましい。さらに、上記正極集電体は、緻密金属集電体であっても良く、多孔質金属集電体であっても良い。
また、本工程に用いられる上記溶剤としては、所望の上記正極層用ペーストを得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えばn−メチルピロリドン等を挙げることができる。
2.その他の工程
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、少なくとも上記正極電極体形成工程を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常、上記正極電極体形成工程の他に、負極層と負極集電体とからなる負極電極体を形成する負極電極体形成工程、および所定のセパレータを上記正極層と上記負極層とにより挟持するように、上記正極電極体と上記負極電極体とを設置し、上記正極層、上記負極層、および上記セパレータに所定の電解質を充填した後、上記セパレータが上記正極電極体と上記負極電極体とで挟持されたものを電池ケース等に挿入して電池とする電池組立工程を有する。これらの工程については、一般的なリチウム二次電池における工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、上記負極電極体形成工程、上記電池組立工程において用いられる負極電極体、セパレータ、電解質、および電池ケース等について説明する。
本発明に用いられる上記負極電極体は、少なくとも負極集電体と、負極活物質を含有する負極層と電解質とからなるものである。
上記負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、およびグラファイト等の炭素系材料を挙げることができる。中でもグラファイトが好ましい。
上記負極層は、必要に応じて、導電化材および結着材を含有していても良い。導電化材および結着材については、上記正極層と同様のものを用いることができる。
また、上記負極集電体とは、上記負極層の集電を行うものである。上記負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅、ステンレス、ニッケル等を挙げることができ、中でも銅が好ましい。さらに、上記負極集電体は、緻密金属集電体であっても良く、多孔質金属集電体であっても良い。
本発明に用いられる上記セパレータは、正極層および負極層の間に配置され、後述する電解質を保持する機能を有するものである。
上記セパレータの材料としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロースおよびポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であってもよい。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、PP/PE/PPの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。さらに、本発明においては、上記セパレータが、多孔膜、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。
本発明により得られるリチウム二次電池においては、上述した正極層、負極層、およびセパレータ内に、通常、リチウム塩を含有する電解質を有する。
上記電解質は、具体的には、液状であっても良く、ゲル状であっても良く、所望の電池の種類に応じて適宜選択することができるが、中でも液状が好ましい。リチウムイオン伝導性が、より良好となるからである。
上記電解質が液状の場合は、非水電解液が好ましい。リチウムイオン伝導性が、さらに良好となるからである。上記非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を有する。上記リチウム塩としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではないが、例えばLiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSOおよびLiClO等を挙げることができる。一方、上記非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。本発明においては、これらの非水溶媒を一種のみ用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、上記非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
また、本発明により得られるリチウム二次電池は、通常、図3で例示されるようなリチウム二次電池用発電素子を電池ケースに挿入し、その周囲を封口して形成される。上記電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、本発明に用いられる電池ケースの形状としては、上述したセパレータ、正極層、負極層等を収納できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等を挙げることができる。
3.用途
本発明により得られるリチウム二次電池の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用のリチウム二次電池等として、用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(多孔性金属酸化物被覆正極活物質作製)
100gのエタノールにZr(OC10gを溶解し、室温にて3時間攪拌を行った。その後、10gのラウリル硫酸ナトリウムを溶解させ、1時間攪拌を行い、ゾルを得た。その後、コバルト酸リチウム粉末100gをゾル中に添加し、5分間の攪拌を行った後、ろ過を行った。ろ過後のろ過試料を室温にて1時間乾燥させた後、400℃にて10時間の焼成を行い、多孔性金属酸化物被覆正極活物質(多孔性ZrO被覆コバルト酸リチウム)を得た。
(正極電極体作製)
結着材であるポリビニリデンフロライド(PVDF)を5g溶解させた溶剤n−メチルピロリドン溶液125mL中に、(多孔性金属酸化物被覆正極活物質作製)で得られた多孔性ZrO被覆コバルト酸リチウム粉末90gと導電化材であるカーボンブラック10gを添加し、均一に混合するまで混錬し正極層用ペーストを作製した。
正極層用ペーストを厚さ15μmのAl集電体上に片面塗布し、その後乾燥することで正極電極体を作製した。電極目付量は6mg/cmであった。
この正極電極体をプレスし、正極層用ペースト厚さ45μm、正極層用ペースト密度1.6g/cmとした。
その後、この正極電極体をΦ16mmとなるように切り出して正極電極体を得た。
(負極電極体作製)
結着材であるポリビニリデンフロライド(PVDF)を7.5g溶解させた溶剤n−メチルピロリドン溶液125mL中に、負極活物質であるグラファイト粉末92.5gを添加し、均一に混合するまで混錬し負極層用ペーストを作製した。
負極層用ペーストを厚さ15μmのCu集電体上に片面塗布し、その後乾燥することで負極電極体を作製した。電極目付量は4mg/cmであった。
この負極電極体をプレスし、負極層用ペースト厚さ20μm、負極層用ペースト密度1.2g/cmとした。
その後、この負極電極体をΦ19mmとなるように切り出して負極電極体を得た。
(コインセル作製)
上記正極および負極、セパレータとしてPP製多孔質セパレータを用いて、CR2032型コインセルを作製した。電解液は、EC(エチレンカーボネート)、DMC(ジメチルカーボネート)を体積比率が3:7で混合したものに、支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/L溶解させたものを用いた。
[比較例1]
多孔性金属酸化物被覆正極活物質作製時に、ラウリル硫酸ナトリウムの代わりにポリビニルアルコールを用い、ラウリル硫酸ナトリウムを溶解させた直後1時間攪拌を行うのを、ポリビニルアルコールを溶解させた直後7時間攪拌して多孔性金属酸化物被覆正極活物質を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてコインセルを作製した。
[評価]
(細孔径分布測定)
実施例、および比較例で得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いて、細孔径の分布測定を行った。細孔径の分布は、透過型電子顕微鏡を用いて測定を行った。得られた結果を図4に示す。
(サイクル試験)
実施例、および比較例で得られたコインセルを用いて、Liイオン抵抗、サイクル特性について試験を行った。Liイオン抵抗は、3.0〜4.1Vでコンディショニング後、SOC60%に調整し、25℃で交流インピーダンスにより測定した。周波数は10mHz〜100kHzとした。また、サイクル特性は、Liイオン抵抗測定後、3.0〜4.1V、2C、60℃の500サイクルで放電容量維持率を測定した。また、正極活物質表面のZrOによる被覆率を示すために、XPSを用いて、実施例、および比較例で用いた正極活物質の定量分析を行い、Co/Zr比を測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2009200007
図4(a)に示すように、実施例では、6〜10nm程度の分布の狭い小さな細孔径を有していることがわかった。また、図4(b)に示すように、比較例では、10nm〜1μm程度の幅広い分布を有していることがわかった。
また、表1に示すように、サイクル特性は実施例では95%、比較例では92%となり、いずれも良好な値を示したが、実施例の方が比較例に比べてより良好なサイクル特性を示した。また、Liイオン抵抗は、実施例では4.0Ωとなり、比較例においては4.0Ωとなり、実施例は、比較例と同程度となり、良好なLiイオン抵抗となった。
また、XPS分析によるCo/Zr比は、実施例、および比較例いずれの場合においても50/50となった。このことから、実施例、および比較例いずれの場合においても正極活物質コバルト酸リチウム表面全面にZrOが被覆され、さらにコバルト酸リチウム表面からZrO被覆層表面まで連通した孔を、ZrO被覆層中に均一に有することが示唆された。
以上の結果から、実施例、比較例いずれの場合においても、正極活物質コバルト酸リチウム表面全面を多孔性ZrOにより被覆することにより、電解液等との反応による正極活物質コバルト酸リチウムの劣化を効果的に抑制してサイクル特性を向上させることを可能とし、さらに、多孔性ZrO被覆層中に正極活物質コバルト酸リチウム表面から多孔性ZrO被覆層表面までの連通孔を均一に有することにより、上記連通孔中をリチウムイオンが移動することが可能となり、正極活物質コバルト酸リチウム表面全面を被覆することによる出力特性の低下を抑制することができた。
さらに、実施例においては、細孔を、分布の狭い小さな細孔径とすることにより、サイクル特性をより向上させることができた。
本発明の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法の一例を示す製造フロー図、および本発明におけるゾルゲル工程の一例を示す工程フロー図である。 本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質における金属酸化物の被覆の状態の一例を模式的に示す概略断面図、および本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質の表面の状態を説明する説明図である。 本発明により得られるリチウム二次電池の一例を模式的に示す概略断面図である。 実施例、および比較例で得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質の細孔径の分布を表すグラフである。
符号の説明
1 … 多孔性金属酸化物被覆正極活物質
2 … 正極活物質
3 … 多孔性金属酸化物被覆層
4 … 細孔
5 … 正極集電体
6 … 本発明により得られる多孔性金属酸化物被覆正極活物質を含有する正極層
7 … 正極電極体
8 … 負極集電体
9 … 負極層
10 … 負極電極体
11 … セパレータ

Claims (2)

  1. 正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが分散して付着したゲル被膜を形成するゾルゲル工程と、
    前記ゾルゲル工程で得られた前記ゲル被膜を焼成することにより、前記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成する焼成工程と、
    を有することを特徴とする多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法。
  2. 請求項1に記載の多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法により得られた多孔性金属酸化物被覆正極活物質を用いて正極電極体を形成する正極電極体形成工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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