JP2009197703A - 地熱タービン - Google Patents
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【解決手段】複数のタービン翼が取り付けられたタービンロータと、複数のタービン翼全体を覆うタービンケーシングと、タービンロータがタービンケーシングを貫通する部分でラビリンスシールが設けられたグランド部とを有し、グランド部にグランドシール用蒸気を供給して地熱蒸気の漏出を抑制する地熱タービンにおいて、グランド部に供給されたグランドシール用蒸気の排出口を前記グランド部の最下部に備え、排出口と連通された箱体を前記排出口の下方に設け、グランド部に供給されたグランドシール用蒸気とグランド部で生成したドレンとを箱体を介して外部に排出することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
地下のマグマによって加熱された蒸気(地熱蒸気)は抗井1で地上に導き出され、セパレータ2を通ることで土砂、水などが分離され、蒸気分は主蒸気として取り出される。該主蒸気は、主蒸気ライン3を介して地熱タービン4に導かれ、ロータ5を回転させて発電機6を稼動させる。前記地熱タービン4でロータ5を回転させた蒸気は復水器7に導かれて冷却されて凝縮され水となり、該水の一部は循環水ポンプ8、冷却塔10を含む循環水ライン9を経てさらに冷却され復水器7で前記蒸気を冷却するための冷却水として使用され、残りの水は地下に戻される。
図9は従来の地熱タービン4の構成図である。
図9において5は回転するロータであって複数のタービン翼(動翼)53が取り付けられており、該動翼53全体を覆うようにタービン車室41が設けられている。さらにタービン車室41の前記主蒸気入口側及び出口側にはラビリンスシールを備えた前部グランド42及び後部グランド43がそれぞれ設けられている。前記前部グランド42及び後部グランド43は、回転するタービンロータ5と静止しているタービン車室41との隙間から、ロータを回転させるためにタービン車室41内に導入した主蒸気が漏洩することを防止するために設けられるものである。
また前記後部グランド43では、タービン内部側寄りのタービン車室側にタービンの排気圧力より正圧に調整されたグランドシール蒸気を前記グランドシール蒸気供給管14より供給する供給ポートを設け、外気側寄りのタービン車室側に前記グランドシール蒸気抜出管15を介して大気圧より負圧に調整されたグランド復水器13へ繋がる吸込ポートを設けることで、外気及びタービン内部から漏洩してくる主蒸気を吸引する構造としている。これによりグランドシール用蒸気がラビリンスシールを通過することの抵抗により後部グランド43をシールしている。
なお、このようなグランド部のシール構造で用いられるグランドシール用蒸気は、前述の通り地熱蒸気をセパレータ2を通して土砂、水等を分離した蒸気であるから、蒸気中に硫化水素、塩分などの腐食性成分や、シリカ、カルシウムなどのスケール成分が含まれている。
さらに、グランドシール用蒸気中のシリカ、カルシウム等のスケール成分が前記グランドシール蒸気抜出管15内で析出すると、それによりドレンの通流路が狭くなってドレンの排出性が悪化し、そのまま放置するとグランドシール抜出管15の閉塞の可能性もある。
複数のタービン翼が取り付けられ地熱蒸気を用いて回転可能なタービンロータと、静止していて前記複数のタービン翼全体を覆うタービンケーシングと、前記タービンロータが前記タービンケーシングを貫通する部分で前記タービンケーシングの内側に前記タービンロータに対向してラビリンスシールが設けられたグランド部とを有し、前記グランド部にグランドシール用蒸気を供給して前記タービンケーシング内の地熱蒸気の漏出を抑制する地熱タービンにおいて、前記グランド部に供給されたグランドシール用蒸気の排出口を前記グランド部の最下部に備え、前記排出口と連通された箱体を前記排出口の下方に設け、前記グランド部に供給されたグランドシール用蒸気とグランド部で生成したドレンとを前記箱体を介して外部に排出することを特徴とする。
また前記箱体内にグランド部から排出されたドレンを一時的に滞留させることができるため、地熱タービン運転開始時のようなドレンの発生量が多いときにもグランド部からのドレンの排出が可能である。
なお、前記箱体には開閉可能な点検口を設けておくことが好ましい。開閉可能な点検口を設けておくことで、大量に前記スケール成分が箱体内で析出した場合においても地熱タービン運転停止時に点検口を開けて簡単に箱体内の掃除を行うことができるためである。
グランド部の外周側はグランドシール用蒸気より低温である外気に晒されているが、グランド部の外周を囲繞するように断熱材で覆うことで、グランド部の外気による冷却を抑制することができ、グランド部内の温度をグランドシール蒸気温度と近い温度とすることができるため、グランドシール用蒸気の温度低下によって生じる結露によるドレン発生を抑制することができる。
これにより、円周状に配置された配管を通流するグランドシール用蒸気によってグランド部が加温されるため、グランド部内の温度をグランドシール蒸気温度と略同じ温度とすることができ、グランドシール用蒸気の温度低下によって生じる結露によるドレン発生を抑制することができる。
ラビリンスシールによるシール性を良くするためにラビリンスシールと対向する位置に複数の突起を形成した場合、前記溝を設けることでドレンが該溝内を流れるため、前記突起によるグランド内でのドレンの流れの阻害を防止することができる。さらに、前記溝をタービンロータの軸方向に対して周方向に傾斜した方向とすることで、グランドシール用蒸気が溝を抜けにくくなり、溝を設けることによるラビリンスシールのシール性の悪化を防止することができる。さらに、前記溝を断面U字型の形状とすることで、突起の一部に応力集中が起きることを防止することができる。
これにより、グランド内に供給されるグランドシール用蒸気の蒸気圧を低下させ、蒸気を乾き側にすることができるため、グランド内でのドレンの形成を抑制することができる。
地下のマグマによって加熱された蒸気(地熱蒸気)は抗井1で地上に導き出され、セパレータ2を通ることで土砂、水などが分離され、蒸気分は主蒸気として取り出される。該主蒸気は、主蒸気ライン3を介して地熱タービン4に導かれ、ロータ5を回転させて発電機6を稼動させる。前記地熱タービン4でロータ5を回転させた蒸気は復水器7に導かれて冷却されて凝縮され水となり、該水の一部は循環水ポンプ8、冷却塔10を含む循環水ライン9を経てさらに冷却され復水器7で前記蒸気を冷却するための冷却水として使用され、残りの水は地下に戻される。
図2は実施例1に係る地熱タービン4の構成図であり、図3は実施例1に係る地熱タービンの後部グランド43の構成図である。
図2において5は回転するロータであって複数のタービン翼(動翼)53が取り付けられており、該動翼53全体を覆うようにタービン車室41が設けられている。さらにタービン車室41の前記主蒸気入口側及び出口側にはラビリンスパッキン44を備えた前部グランド42及び後部グランド43がそれぞれ設けられている。前記前部グランド42及び後部グランド43は、回転するタービンロータ5と静止しているタービン車室41との隙間から、ロータを回転させるためにタービン車室41内に導入した主蒸気が漏洩することを防止するために設けられるものである。
このように構成された後部グランド43では、タービン内部側寄りのタービン車室側にタービンの排気圧力より正圧に調整されたグランドシール蒸気をグランドシール蒸気管14より供給し、該供給されたグランドシール蒸気をラビリンスパッキン44を通過させる抵抗によりシールを行い、該シールを行ったグランドシール用蒸気は外気及びタービン内部から漏洩してくる主蒸気とともに外気側寄りのタービン車室側の下部に設けた吸込ポート45から吸引され、該吸込ポート45の下部に設けた排出口(不図示)からその下部に配設された箱体17に落下して一時的に貯留され、箱体17に接続されたグランドシール蒸気抜出管15を経て大気圧より負圧に調整されたグランド復水器13へ送られる。
なお、このようなグランド部のシール構造で用いられるグランドシール用蒸気は、前述の通り地熱蒸気をセパレータ2を通して土砂、水等を分離した蒸気であるから、蒸気中に硫化水素、塩分などの腐食性成分や、シリカ、カルシウムなどのスケール成分が含まれている。
箱体17の大きさは特に制限はないが、箱体の縦、横及び高さの何れの寸法もグランドシール蒸気抜出管15の径よりも小さくならないようにすることが好ましい。またタービンロータ5やその他の機器の配置上邪魔にならない程度まで大きくすることができる。
また前記箱体は、グランド部から排出されたドレンを一時的に滞留させるバッファーの役割を果たすため、地熱タービン運転開始時のようなドレンの発生量が多いときにもグランド部からのドレンの排出が可能となる。
さらに、グランドシール用蒸気中に含まれるシリカ、カルシウムなどのスケール成分が析出した場合も、該スケール成分は箱体17内で析出するため、グランドシール抜出管15内にスケール成分が付着して通路を狭くなることを防止することができる。
実施例2においては、図2に示した実施例1に係る地熱タービンの構成に加えて、後部グランド43の外周を囲繞するように覆う断熱材16が設けられている。
従って、後部グランド43でのグランドシール用蒸気の温度低下によって生じる結露によるドレン発生を抑制することができ、後部グランド43の腐食を抑制することができる。
実施例3においては、図5に示した実施例2に係る地熱タービンの構成に加えて、前記グランドシール蒸気供給管14を後部グランド43の外周に沿って円周状に配置した巻装部14aを設け、グランドシール用蒸気は前記巻装部14a内を通流してから後部グランド43内に導入されるようにしている。また図6では巻装部14aで後部グランド43aを2周させているが、周回数は特に限定されるものではない。なお断熱材16は図6に示したように前記巻装部14aと後部グランド43をまとめてその外周を囲堯するように覆って設ける。
従って後部グランド43でのグランドシール用蒸気の温度低下が起きにくくなり、そのため後部グランド43内でのグランドシール用蒸気の温度低下によって生じる結露によるドレン発生を抑制することができる。
実施例4においては、図5に示した実施例2に係る地熱タービンの構成に加えて、グランドシール蒸気供給管14の後部グランド43入口部にオリフィスを設け、該オリフィスで後部グランド43に供給されるグランドシール用蒸気の蒸気圧を低下させるようにしている。
前記U字型溝52は、タービンロータ5の軸方向に対して周方向に傾斜した方向となるように設けられている。
2 セパレータ
3 主蒸気ライン
4 地熱タービン
5 ロータ
11 主蒸気分岐ライン
12 グランド調圧器
14 グランドシール蒸気供給管
15 グランドシール蒸気抜出管
16 断熱材
17 箱体
41 タービン車室(タービンケーシング)
42 前部グランド
43 後部グランド
44 ラビリンスパッキン
51 突起
53 タービン翼(動翼)
175 点検口
176 蒸気吸込口
Claims (5)
- 複数のタービン翼が取り付けられ地熱蒸気を用いて回転可能なタービンロータと、静止していて前記複数のタービン翼全体を覆うタービンケーシングと、前記タービンロータが前記タービンケーシングを貫通する部分で前記タービンケーシングの内側に前記タービンロータに対向してラビリンスシールが設けられたグランド部とを有し、前記グランド部にグランドシール用蒸気を供給して前記タービンケーシング内の地熱蒸気の漏出を抑制する地熱タービンにおいて、
前記グランド部に供給されたグランドシール用蒸気の排出口を前記グランド部の最下部に備え、
前記排出口と連通された箱体を前記排出口の下方に設け、
前記グランド部に供給されたグランドシール用蒸気とグランド部で生成したドレンとを前記箱体を介して外部に排出することを特徴とする地熱タービン。 - 前記グランド部が、その外周を囲繞するように断熱材で覆われていることを特徴とする請求項1記載の地熱タービン。
- 前記グランド部にグランドシール用蒸気を供給するための配管を、前記グランド部の外周に沿って円周状に配置し、
前記グランドシール用蒸気を、前記グランド部の外周に沿って円周状に配置された配管内を通流させてから、前記グランド部に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の地熱タービン。 - 前記グランド部に設けたラビリンスシールと対向する位置のタービンロータに複数の突起を形成し、
該突起に、前記タービンロータの軸方向に対して周方向に傾斜した方向に断面U字型の溝を設けたことを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の地熱タービン。 - 前記グランド部にグランドシール用蒸気を供給するための配管のグランド部への入口部にオリフィスを設け、前記グランドシール用蒸気を前記オリフィスで減圧してからグランド部に供給することを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の地熱タービン。
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