JP2009191971A - 二段クリップの解除構造及び解除方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に取り外し状態から初期状態に復帰させることができるようにした二段クリップの解除構造及び解除方法を提供する。
【解決手段】グロメット20とピン30とから成る二段クリップの解除構造であって、中空円筒状の解除治具13を備え、爪25を第一の小径部31に係合した取り外し状態でピン30を解除治具内に押し込み、さらに各脚部23の爪25を解除治具によって半径方向外側に展開させると共に、ピン30の第一の小径部31から退避させて、第一の小径部31から大径部32を介して、爪25を大径部32の下側に位置する初期状態に復帰させる。
【選択図】図1
【解決手段】グロメット20とピン30とから成る二段クリップの解除構造であって、中空円筒状の解除治具13を備え、爪25を第一の小径部31に係合した取り外し状態でピン30を解除治具内に押し込み、さらに各脚部23の爪25を解除治具によって半径方向外側に展開させると共に、ピン30の第一の小径部31から退避させて、第一の小径部31から大径部32を介して、爪25を大径部32の下側に位置する初期状態に復帰させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンコンパートメントカバー等の取付部材を固定するための二段クリップに関するものである。
従来、エンジンコンパートメントカバー等を固定するために、所謂二段クリップが使用されている。このような二段クリップは、例えば図9に示すように構成されている。図9(A)において、二段クリップ1は、中空のグロメット2とグロメット2の中空部に挿入されるピン3とから構成されている。
グロメット2は、円板状に半径方向外側に延びる張り出し部2aと、この張り出し部2aの中心に設けられた貫通孔2bの周囲から下方に延びる中心に関して等角度間隔に配置された複数個の脚部2cと、を備えている。
張り出し部2aは、その下面が二段クリップ1の装着時に取付部材(図示せず)の取付孔の周辺の表面に当接し得ると共に、その上面にはピン3のフランジ部(後述)を受容する凹陥部2dが形成されている。
ここで、各脚部2cは、半径方向外側に弾性変形可能に形成されていると共に、その下端部から内側に突出する爪2eを備えている。なお、各脚部2cは、図示の場合、図9(B)に示すように四個設けられている。
ピン3は、上記貫通孔2bから各脚部2cの内側に挿入され得るように、全体がほぼ円筒状に形成されていると共に、上方から順に第一の小径部3a,大径部3b及び第二の小径部3cを備えている。
ここで、第一の小径部3a及び第二の小径部3cは、ピン3がグロメット2の貫通孔2bに挿入されたとき、グロメット2の各脚部2cの爪2eの内端の先端より半径方向内側に位置する。また大径部3bは、同様にピン3がグロメット2の貫通孔2bに挿入されたとき、各脚部2cの爪2eを半径方向外側に押し広げて、脚部2cを前述した取付部材の取付孔の内壁に当接させるように外径が選定されている。
これにより、ピン3は、グロメット2の貫通孔2bに上方から挿入されたとき、グロメット2の各脚部2cの爪2eの内端が第二の小径部3cに係合する初期状態と、上記爪2eの内端が半径方向外側に弾性変形しながら大径部3bに当接する組み付け状態、そして上記爪2eの内端が第一の小径部3aに係合する取り外し状態になる。
さらに、ピン3は、その上端から半径方向外側に広がるフランジ部3dを備えている。このフランジ部3dは、上述した組み付け状態で、グロメット2の上面に形成された凹陥部2dの上縁と同じ高さに保持されると共に、取り外し状態で、この凹陥部2dの底面に当接する。
このような構成の二段クリップ1により例えばエンジンコンパートメントカバーのような取付部材4を、例えば取付パネルのような被取付部材5に対して固定する場合には、以下のようにして二段クリップ1が装着される。
まず、取付部材4が被取付部材5に対して位置合わせして重ねられ、取付部材4の取付孔4aと被取付部材5の取付孔5aが整合される。他方、二段クリップ1は、前もってグロメット2に対してピン3が初期状態まで挿入される。
まず、取付部材4が被取付部材5に対して位置合わせして重ねられ、取付部材4の取付孔4aと被取付部材5の取付孔5aが整合される。他方、二段クリップ1は、前もってグロメット2に対してピン3が初期状態まで挿入される。
この状態から、図10に示すように、二段クリップ1の下端、即ちグロメット2の各脚部2cの下端及びピン3の下端が、取付部材4の取付孔4a及び被取付部材5の取付孔5aに対して上方から挿入される。これにより、グロメット2の張り出し部2aの下面が取付部材4の取付孔4aの周囲の表面に当接する。
続いて、ピン3の上端が下方に押し込まれる。これにより、図11に示すように、ピン3の大径部3bがグロメット2の各脚部2cの爪2eを半径方向外側に押し広げて、組み付け状態に移行する。これにより、各脚部2cの外面が、取付部材4の取付孔4a及び被取付部材5の取付孔5aの内壁に当接して、二段クリップ1がこれらの取付部材4の取付孔4a及び被取付部材5の取付孔5a内に保持される。このようにして、取付部材4が被取付部材5に対して固定される。
また、取付部材4を被取付部材5から取り外す場合には、ピン3の上端がさらに下方に押し込まれる。これにより、図12に示すように、グロメット2の各脚部2cの爪2eがピン3の大径部3bから外れて、第一の小径部3a内に嵌入することで弾性に基づいて復元してピン3の第一の小径部3a内に係合し、取り外し状態となる。
これにより、グロメット2の各脚部2cは、半径方向に関して根元部分と同じ大きさに収まることになるので、二段クリップ1が取付部材4の取付孔4a及び被取付部材5の取付孔5aから容易に引き抜かれることになる。
これにより、グロメット2の各脚部2cは、半径方向に関して根元部分と同じ大きさに収まることになるので、二段クリップ1が取付部材4の取付孔4a及び被取付部材5の取付孔5aから容易に引き抜かれることになる。
これに対して、特許文献1には、第一の小径部3aが省略されていて、上記グロメット2の各脚部2cの爪2eが、初期状態で第一の小径部3aに係合せず、ピン3の下端の下側に係合するように構成されたクリップが開示されている。
このような構成のクリップによれば、前述した二段クリップ1と同様に、ピンが下方へ押動されることにより、クリップがグロメットの各脚部を半径方向外側に押し広げて弾性変形して取付部材の取付孔に係合し、またさらにピンが下方に押動されることにより各脚部が変形前の状態に復帰して、取付部材の取付孔から容易に取り外されるようになっている。
特開2007−056895号公報
このような構成のクリップによれば、前述した二段クリップ1と同様に、ピンが下方へ押動されることにより、クリップがグロメットの各脚部を半径方向外側に押し広げて弾性変形して取付部材の取付孔に係合し、またさらにピンが下方に押動されることにより各脚部が変形前の状態に復帰して、取付部材の取付孔から容易に取り外されるようになっている。
ところで、前述した二段クリップ1によれば、図12に示すような取り外し状態から、二段クリップ1を再度利用する場合には、ピン3をグロメット2に対して初期状態に移行させる必要がある。
このためには、取り外し状態から、グロメット2の各脚部2cの下端を弾性に抗して半径方向外側に広げて、グロメット2の各脚部2cの爪2eをピン3の第一の小径部3aから半径方向外側に退避させて展開状態にする。そして、この展開状態からピン3を押し上げることにより、グロメット2の各脚部2cの爪2eがピン3の大径部3bを介して第二の小径部3cに達し、弾性に基づいて復元して、これらの爪2eが第二の小径部3c内に係合する。これにより、ピン3がグロメット2に対して初期状態に戻されることになる。
このためには、取り外し状態から、グロメット2の各脚部2cの下端を弾性に抗して半径方向外側に広げて、グロメット2の各脚部2cの爪2eをピン3の第一の小径部3aから半径方向外側に退避させて展開状態にする。そして、この展開状態からピン3を押し上げることにより、グロメット2の各脚部2cの爪2eがピン3の大径部3bを介して第二の小径部3cに達し、弾性に基づいて復元して、これらの爪2eが第二の小径部3c内に係合する。これにより、ピン3がグロメット2に対して初期状態に戻されることになる。
しかしながら、図9(B)に示すように、四つの脚部2cが備えられていることから、例えば図13に示すように、使用者が両手を使用して各脚部2cを半径方向外側に広げようとしても、図14に示すように、同時に二つの脚部2cしか半径方向外側に広げることができない。このため、四つの脚部2cを手作業で同時に半径方向外側に押し広げることは困難であり、初期状態に戻すために時間がかってしまったり、場合によっては脚部2cが折損してしまうことがあった。
このような初期状態の復帰作業は、特許文献1によるクリップにおいても同様である。
また、ピン3が等角度間隔に配置された三つまたは五つ以上の脚部を有する場合も、同様に初期状態への復帰作業が困難である。
また、ピン3が等角度間隔に配置された三つまたは五つ以上の脚部を有する場合も、同様に初期状態への復帰作業が困難である。
本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成により容易に取り外し状態から初期状態に復帰させることができるようにした、二段クリップの解除構造及び解除方法を提供することを目的としている。
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、取付部材の取付孔の周辺の表面に当接し貫通孔を備えた張り出し部と、張り出し部の貫通孔の周囲から下方に延び且つ半径方向外側に弾性変形可能で貫通孔の中心まわりに等角度間隔に配置された複数個の脚部と、脚部の内側から突出する爪と、を備えたグロメットと、上記貫通孔から各脚部の内側に挿入され各脚部の爪を半径方向外側に押し広げて取付孔の内壁に当接させる大径部と、この大径部の上側に形成され各脚部が半径方向外側に変形しない状態で爪を受容する第一の小径部と、を備えたピンと、から成り、グロメットの各脚部の爪が、ピンの大径部の下側にて半径方向外側に変形しない初期状態から大径部に係合する組み付け状態にそしてこの組み付け状態からピンの第一の小径部に係合する取り外し状態に順次に押し込まれる二段クリップの解除構造であって、中空円筒状で且つ内径がピンの大径部が嵌入可能な大きさに選定されている解除治具を備えており、この解除治具に対して取り外し状態のピンが挿入され解除治具内に押し込まれることによりグロメットの各脚部の爪が解除治具により半径方向外側に展開されピンの第一の小径部から退避し第一の小径部から大径部を介して再び初期状態に復帰させることを特徴とする二段クリップの解除構造により、達成される。
本発明による二段クリップの解除構造は、好ましくは、ピンが大径部の下側に第二の小径部を備えていて、グロメットの各脚部の爪が初期状態にてこの第二の小径部に係合する。
本発明による二段クリップの解除構造は、好ましくは、解除治具の中空部が、取り外し状態の二段クリップのピンが挿入されたとき解除治具の上縁がグロメットの各脚部の爪の下側に位置するように深さが選定されている。
本発明による二段クリップの解除構造は、好ましくは、解除治具が取付部材に設けられている。
本発明による二段クリップの解除構造は、好ましくは、解除治具が取付部材の組み付け基準ピンとして機能する。
本発明による二段クリップの解除構造は、好ましくは、取付部材がエンジンコンパートメントカバーである。
上記目的は、本発明の第二の構成によれば、装着時に取付部材の取付孔の周辺の表面に当接し得る中心に貫通孔を備えた張り出し部と、張り出し部の貫通孔の周囲から下方に延び且つ半径方向外側に弾性変形可能で下端から内側に突出する爪を備えた中心に関して等角度間隔に配置された複数個の脚部と、を備えたグロメットと、貫通孔から各脚部の内側に挿入され各脚部の爪を半径方向外側に押し広げて取付孔の内壁に当接させる大径部と、大径部の上側に形成され各脚部が半径方向外側に変形しない状態で爪を受容する第一の小径部と、を備えたピンと、から成る二段クリップであって、グロメットの各脚部の爪がピンの第一の小径部に係合した取り外し状態で、中空円筒状で且つ内径がピンの大径部が嵌入可能な大きさに選定されている解除治具に対してピンの先端を挿入し、次に、グロメットを下方に押動してピンを解除治具内に押し込んで解除治具の上端をグロメットの各脚部の内側に進入させ、続いて、グロメットをさらに下方に押動して解除治具の上端によりグロメットの各脚部を半径方向外側に展開させて各脚部の爪をピンの第一の小径部から退避させ、その後、グロメットの各脚部の爪がピンの第一の小径部から大径部を越えるようにピンを上方に引き上げ、最後に、グロメット及びピンを解除治具から外してグロメットの各脚部の爪をピンの第二の小径部に係合させて初期状態に復帰させることを特徴とする、二段クリップの解除方法により達成される。
上記構成によれば、グロメットの貫通孔に対して上方からピンを挿入して、グロメットの各脚部の爪がピンの大径部に係合することにより、各脚部が半径方向外側に押し広げられて取付部材の取付孔の内壁に押圧され取付部材が固定保持されると共に、ピンが下方へ押動されることにより、各脚部の爪がピンの大径部から第一の小径部に移動して取り外し状態となり、各脚部が変形前の状態に復元して、二段クリップが取付孔から取り外され得る。
この取り外し状態から、ピンが上方から解除治具に挿入されて押し込まれることにより、グロメットの各脚部の爪が解除治具により半径方向外側に展開されて第一の小径部から解放される。
そして、この状態からグロメットのみがさらに下方へ押し込まれることにより、グロメットの各脚部の爪がピンの第一の小径部から大径部を介して先端方向に移動し、初期状態に復帰する。
そして、この状態からグロメットのみがさらに下方へ押し込まれることにより、グロメットの各脚部の爪がピンの第一の小径部から大径部を介して先端方向に移動し、初期状態に復帰する。
従って、三つ以上の脚部が備えられている場合であっても、各脚部が解除治具によって確実に半径方向外側に押し広げられるので、ピンがグロメットに対して取り外し状態から初期状態に復帰され得る。
これにより、ピンの初期状態への復帰が短時間で容易に行なわれると共に、無理に各脚部を半径方向外側に押し広げる必要がないので、脚部が折損してしまうことはない。
これにより、ピンの初期状態への復帰が短時間で容易に行なわれると共に、無理に各脚部を半径方向外側に押し広げる必要がないので、脚部が折損してしまうことはない。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による二段クリップの解除構造の一実施形態の構成を示している。図1において、二段クリップの解除構造10は、二段クリップ11と、この二段クリップ11が装着される取付部材12に備えられた解除治具13と、から構成されている。
図1は、本発明による二段クリップの解除構造の一実施形態の構成を示している。図1において、二段クリップの解除構造10は、二段クリップ11と、この二段クリップ11が装着される取付部材12に備えられた解除治具13と、から構成されている。
二段クリップ11は、図9に示した二段クリップ1と同様の構成であって、中空のグロメット20と、グロメット20の中空部に挿入されるピン30と、から構成されている。
グロメット20は、可撓性を有する材料、例えばプラスチックから構成されており、円板状に半径方向外側に延びる張り出し部21と、この張り出し部21の中心に設けられた貫通孔22の周囲から下方に延びる中心に関して等角度間隔に配置された複数個の脚部23と、を備えている。
張り出し部21は、その下面が二段クリップ11の装着時に取付部材12の取付孔(図示せず)の周辺の表面に当接し得るようになっていると共に、その上面にはピン30のフランジ部34(後述)を受容する凹陥部24が形成されている。
ここで、各脚部23は、半径方向外側に弾性変形可能に形成されていると共に、その下端部から内側に突出する爪25を備えている。なお、各脚部23は、図示の場合、四個設けられている。
ピン30は、貫通孔22から各脚部23の内側に挿入され得るように、全体がほぼ円柱状に形成されていると共に、上方から順にピン先端へ向けて第一の小径部31,大径部32及び第二の小径部33を備えている。
ここで、第一の小径部31及び第二の小径部33は、ピン30がグロメット20の貫通孔22に挿入されたとき、グロメット20の各脚部23の爪25の内端の先端より半径方向内側に位置するようになっている。
また、大径部32は、同様にピン30がグロメット20の貫通孔22に挿入されたとき、各脚部23の爪25を半径方向外側に押し広げて、脚部23を前述した取付部材の取付孔の内壁に当接させるように、外径が選定されている。
また、大径部32は、同様にピン30がグロメット20の貫通孔22に挿入されたとき、各脚部23の爪25を半径方向外側に押し広げて、脚部23を前述した取付部材の取付孔の内壁に当接させるように、外径が選定されている。
これにより、ピン30は、グロメット20の貫通孔22に上方から挿入されたとき、グロメット20の各脚部23の爪25の内端が第二の小径部33に係合する状態(以下、初期状態という)と、上記爪25の内端が半径方向外側に弾性変形しながら大径部32に当接する状態(以下、組み付け状態という)と、そして上記爪25の内端が第一の小径部31に係合する状態(以下、取り外し状態という)になる。
さらに、ピン30は、その上端から半径方向外側に広がるフランジ部34を備えている。このフランジ部34は、上述した組み付け状態で、グロメット20の上面に形成された凹陥部24の上縁と同じ高さに保持されると共に、取り外し状態でこの凹陥部24の底面に当接する。
取付部材12は、例えば自動車のエンジンコンパートメントカバーであって、被取付部材としての取付パネル(図示せず)に対して二段クリップ11によって固定される。
解除治具13は、図1に示すように、取付部材12の表面から上方に向かって延びるように中空円筒状に形成されている。ここで、解除治具13の中空部13aの内径は、二段クリップ11のピン30の大径部32が嵌入し得ると共に、その上端がグロメット20の各脚部23の半径方向に外側に変形しない状態での下端より半径方向内側に位置するように選定されている。
また、解除治具13の中空部13aの深さは、二段クリップ11のピン30が挿入されてその下端が中空部13aの底面13bに当接した状態で解除治具13の上縁がピン30の第一の小径部31と大径部32との間の高さになるように選定されている。
さらに、解除治具13の上端は、解除時に容易にグロメット20の各脚部23の内側に嵌入し得るように上方に向かって先細に形成されたテーパ部13cを備えている。
また、解除治具13の中空部13aの深さは、二段クリップ11のピン30が挿入されてその下端が中空部13aの底面13bに当接した状態で解除治具13の上縁がピン30の第一の小径部31と大径部32との間の高さになるように選定されている。
さらに、解除治具13の上端は、解除時に容易にグロメット20の各脚部23の内側に嵌入し得るように上方に向かって先細に形成されたテーパ部13cを備えている。
本発明実施形態による二段クリップの解除構造10は、以上のように構成されており、初期状態から組み付け状態そして取り外し状態までは、ピン30をグロメット20の貫通孔22に対して上方から押し込むことにより、図9に示した従来の二段クリップ1と同様に作用する。
そして、このようにグロメット20の各脚部23の爪25がピン30の第一の小径部31に係合する取り外し状態から、ピン30をグロメット20に対して初期状態に復帰させるためには、以下のようにして解除作業が行なわれる。
即ち、図1及び図2に示すように、取り外し状態の二段クリップ11が、取付部材12上の解除治具13に対向して配置され、ピン30の下端が解除治具13の中空部13aの上端の開口に整合される。
即ち、図1及び図2に示すように、取り外し状態の二段クリップ11が、取付部材12上の解除治具13に対向して配置され、ピン30の下端が解除治具13の中空部13aの上端の開口に整合される。
続いて、図3に示すように、ピン30が解除治具13の中空部13a内に挿入され、ピン30の下端が解除治具13の中空部13aの底面に当接するまで、二段クリップ11、即ちグロメット20及びピン30が一体的に下方に押し込まれる。
さらに、二段クリップ11のグロメット20が下方へ押し込まれると、ピン30は解除治具13の中空部13aの底面に当接しているので、グロメット20のみが下方へ移動する。その際、グロメット20の各脚部23の内側に、解除治具13の上端のテーパ部13cが嵌入する。
従って、グロメット20の各脚部23は、解除治具13のテーパ部13cによって半径方向外側に向かって押し広げられ、図4に示すように、グロメット20の各脚部23の爪25が、ピン30の第一の小径部31から半径方向外側に向かってピン30の外径より外側に、即ち大径部32よりも外側に退避して展開状態となる。
従って、グロメット20の各脚部23は、解除治具13のテーパ部13cによって半径方向外側に向かって押し広げられ、図4に示すように、グロメット20の各脚部23の爪25が、ピン30の第一の小径部31から半径方向外側に向かってピン30の外径より外側に、即ち大径部32よりも外側に退避して展開状態となる。
これにより、ピン30は展開状態の各脚部23の爪25から解放されることになると共に、図4及び図5に示すように、ピン30のフランジ部34がグロメット20の張り出し部21の上面よりも上方に突出して、ピン30がグロメット20に対して初期状態と同じ高さ位置になる。
この状態から、グロメット20及びピン30が同時に上方に引き上げられることにより、図6に示すように、グロメット20の各脚部23の爪が解除治具13の外周面から解放され、弾性に基づいて半径方向内側に復元して、ピン30の第二の小径部33に係合する。
最後に、図7に示すように、ピン30の下端が解除治具13の中空部13aから引き抜かれることにより、二段クリップ11のピン30がグロメット20に対して初期状態に復帰される。
この状態から、グロメット20及びピン30が同時に上方に引き上げられることにより、図6に示すように、グロメット20の各脚部23の爪が解除治具13の外周面から解放され、弾性に基づいて半径方向内側に復元して、ピン30の第二の小径部33に係合する。
最後に、図7に示すように、ピン30の下端が解除治具13の中空部13aから引き抜かれることにより、二段クリップ11のピン30がグロメット20に対して初期状態に復帰される。
上述した解除治具13は、好ましくは、例えば図8に示すように、取付部材としての自動車のエンジンコンパートメントカバー14の裏面上に設けられている。これにより、エンジンコンパートメントカバー14を取付パネル(図示せず)から取り外す際に、取り外し状態の二段クリップ11が、このエンジンコンパートメントカバー14上に設けられた解除治具13を使用することにより、容易に且つ短時間で初期状態に復帰され得るので作業性が向上する。
また、エンジンコンパートメントカバー14に設けられた解除治具13が、エンジンコンパートメントカバー14の下面に突出して組み付け基準ピン13dを構成していてもよい。これにより、エンジンコンパートメントカバー14を取付パネルに組み付ける際の位置合わせが容易に行なわれ得ることになる。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、二段クリップ11のピン30は第二の小径部33を備えているが、これに限らず、第二の小径部33が省略されていてもよい。この場合、二段クリップ11は、その初期状態において、グロメット20の各脚部23の爪25がそれぞれピン30の下端の下側に係合することになる。
また、上述した実施形態においては、解除治具13の上端はテーパ部13cを形成しているが、テーパ部13cは省略されてもよい。
例えば、二段クリップ11のピン30は第二の小径部33を備えているが、これに限らず、第二の小径部33が省略されていてもよい。この場合、二段クリップ11は、その初期状態において、グロメット20の各脚部23の爪25がそれぞれピン30の下端の下側に係合することになる。
また、上述した実施形態においては、解除治具13の上端はテーパ部13cを形成しているが、テーパ部13cは省略されてもよい。
10 二段クリップの解除構造
11 二段クリップ
12 取付部材
13 解除治具
13a 中空部
13b 底面
13c テーパ部
14d 組み付け基準ピン
15 エンジンコンパートメントカバー
15a
20 グロメット
21 張り出し部
22 貫通孔
23 脚部
24 凹陥部
25 爪
30 ピン
31 第一の小径部
32 大径部
33 第二の小径部
11 二段クリップ
12 取付部材
13 解除治具
13a 中空部
13b 底面
13c テーパ部
14d 組み付け基準ピン
15 エンジンコンパートメントカバー
15a
20 グロメット
21 張り出し部
22 貫通孔
23 脚部
24 凹陥部
25 爪
30 ピン
31 第一の小径部
32 大径部
33 第二の小径部
Claims (6)
- 取付部材の取付孔の周辺の表面に当接し貫通孔を備えた張り出し部と、上記張り出し部の貫通孔の周囲から下方に延び且つ半径方向外側に弾性変形可能で貫通孔の中心まわりに等角度間隔に配置された複数個の脚部と、上記脚部の内側から突出する爪と、を備えたグロメットと、
上記貫通孔から各脚部の内側に挿入され各脚部の爪を半径方向外側に押して各脚部を上記取付孔の内壁に当接させる大径部と、この大径部の上側に形成され各脚部が半径方向外側に変形しない状態で上記爪を受容する第一の小径部と、を備えたピンと、から成り、
上記ピンが上記グロメットに順次押し込まれて、上記グロメットの各脚部の爪が、ピンの大径部の下側にて半径方向外側に変形しない初期状態から大径部に係合する組み付け状態にそしてこの組み付け状態からピンの第一の小径部に係合する取り外し状態になる、二段クリップの解除構造であって、
中空円筒状で且つ内径が上記ピンの大径部が嵌入可能な大きさに選定されている解除治具を備えており、
この解除治具に取り外し状態のピンが挿入されて解除治具内に押し込まれることで、上記グロメットの各脚部の爪が解除治具によって半径方向外側に展開され、ピンの第一の小径部から爪が退避して、初期状態に復帰させることを特徴とする、二段クリップの解除構造。 - 前記ピンが、大径部の下側に第二の小径部を備えていて、
前記グロメットの各脚部の爪が、初期状態にてこの第二の小径部に係合することを特徴とする、請求項1に記載の二段クリップの解除構造。 - 前記解除治具が、取付部材に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二段クリップの解除構造。
- 前記解除治具が、取付部材の組み付け基準ピンであることを特徴とする、請求項3に記載の二段クリップの解除構造。
- 前記取付部材が、エンジンコンパートメントカバーであることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の二段クリップの解除構造。
- 装着時に取付部材の取付孔の周辺の表面に当接し得る、中心に貫通孔を備えた張り出し部と、この張り出し部の貫通孔の周囲から下方に延び且つ半径方向外側に弾性変形可能で下端から内側に突出する爪を備えた、中心に関して等角度間隔に配置された複数個の脚部と、を備えたグロメットと、
上記貫通孔から各脚部の内側に挿入され、各脚部の爪を半径方向外側に押し広げて上記取付孔の内壁に当接させる大径部と、この大径部の上側に形成され各脚部が半径方向外側に変形しない状態で上記爪を受容する第一の小径部と、を備えたピンと、
から成る二段クリップの解除方法であって、
グロメットの各脚部の爪がピンの第一の小径部に係合した取り外し状態で、ピンの先端を、中空円筒状で且つ内径が上記ピンの大径部が嵌入可能な大きさに選定されている解除治具に対して挿入し、
次に、上記グロメットを下方に押動して上記ピンを解除治具内に押し込んで上記解除治具の上端を上記グロメットの各脚部の内側に進入させ、
続いて、上記グロメットをさらに下方に押動して解除治具の上端により上記グロメットの各脚部を半径方向外側に展開させて各脚部の爪をピンの第一の小径部から退避させ、
その後、上記グロメットの各脚部の爪が上記ピンの第一の小径部から大径部を越えるように上記ピンを上方に引き上げ、
最後に、上記グロメット及びピンを解除治具から外して上記グロメットの各脚部の爪を上記ピンの第二の小径部に係合させて初期状態に復帰させることを特徴とする、二段クリップの解除方法。
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