JP2009191795A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】NレンジからDレンジへのシフトに基づき入力クラッチの締結が開始されると、エンジンのトルクダウン制御を開始して、締結ショックの緩和を図る。前記トルクダウン制御の終期は、最新のエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差D2と、入力クラッチの締結開始時におけるエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差D1との偏差(D2−D1)が規定値N2よりも大きいか否かに基づいて判断する。そして、D2−D1>N2になると、トルクダウン制御を終了させる。
【選択図】図4
Description
一方、スロットル開度が増大変化した場合には、入力クラッチの締結によるタービン回転速度の低下が抑制されることで、実際には、入力クラッチの締結が完了しているのにトルクダウン制御が継続されてしまい、スムーズな加速の妨げになってしまう。
図1は、本発明に係る制御装置を含む車両のパワートレーンを示す。
図1に示す車両のパワートレーンは、エンジン1と、トルクコンバータ2と、有段式自動変速機3と、エンジンコントロールユニット4と、変速機コントロールユニット5とから構成される。
前記トルクコンバータ2は、入力軸と出力軸とを機械的な直結状態にするロックアップクラッチ21と、入力軸側のポンプ羽根車22と、出力軸側のタービン羽根車23と、ワンウェイクラッチ25を有し、トルク増幅機能を発現するステータ24とから構成される。
前記クラッチ要素(C1〜C4)のうちのクラッチ要素C1は入力クラッチ31であり、この入力クラッチ31は、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション以外の、車両が前進するための変速段を構成する際に必ず締結状態で使用されるクラッチであり、例えば、NレンジからDレンジにシフトされると、解放状態であった前記入力クラッチ31を締結させる制御が行われる。
ここで、前進走行(D)ポジション(Dレンジ)であって、車両の状態が予め定められた条件を満足して停止した場合に、入力クラッチ31を解放して所定のスリップ状態にして、ニュートラルに近い状態にするニュートラル制御が行われる。
尚、自動変速機3における摩擦係合要素の構成は、図1に示したものに限定されず、入力クラッチ31,前進クラッチ,フォワードクラッチなどと呼ばれ、前進走行ポジション(Dレンジ等)で必ず締結されるクラッチを備える変速機であれば良い。
また、前記変速機コントロールユニット5とエンジンコントロールユニット4とは、相互に通信可能に構成され、前記変速機コントロールユニット5には、前記エンジンコントロールユニット4を介して、エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転センサ41からのエンジン回転信号NEなどが入力される。
図2のフローチャートは、本願発明の制御装置を構成する前記変速機コントロールユニット5による前記トルクダウン要求の出力処理を示している。
図2のフローチャートにおいて、ステップS100では、ニュートラル状態から前進走行状態に移行するための前記入力クラッチ31の締結開始時であるか否かを判断する。
前記ステップS100では、前記入力クラッチ31の締結開始時であるか否かを判断できればよく、例えば、NレンジからDレンジへのシフト操作時、又は、前記ニュートラル制御からの復帰時(ニュートラル制御のキャンセル時)であるか否かを判断する。
前記入力クラッチ31の締結開始時(締結開始判断からトルクダウン終了判定がなされるまでの間)であれば、ステップS200へ進む。
ステップS200では、そのときのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NT(変速機の入力軸回転速度)との差D(D=NE−NT)が規定値N1よりも大きいか否かを判断する。
前記入力クラッチ31の締結が行われない場合、前記エンジン回転速度NEの変化に連動してタービン回転速度NTが変化し、前記エンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dは略一定値で推移することになるが、前記入力クラッチ31が締結されると、タービン回転速度NTが落ち込むことで、前記差Dが拡大することになる(図3参照)。
そこで、エンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dが規定値N1を超える値になった時点で、入力クラッチ31の締結が完了している(若しくは、基準状態にまで締結されている)と判断して、その時点でトルクダウンの制御を終了させる。
従って、上記ステップS200の判断によると、エンジン回転速度NEの変化に影響されてのタービン回転速度NTの変化に基づいて、トルクダウン制御の終了タイミング(エンジン制御の終期)が誤判断されることを防止でき、入力クラッチ31が実際に締結されたことによるタービン回転速度NTの低下を検知して、トルクダウン制御の終了タイミング(入力クラッチ31の締結完了)を的確に判断することができる。
そして、トルクダウン制御の継続時間が前記規定時間T1以下であれば、ステップS500へ進み、トルクダウン要求信号を、前記エンジンコントロールユニット4に出力する。
前記トルクダウン要求信号は、エンジン1のトルクを強制的に低下させることを指令する信号であり、このトルクダウン要求信号を受けたエンジンコントロールユニット4は、エンジン1の吸入空気量の低下、点火時期の遅角、空燃比のリーン化、補機負荷の増大などによって、エンジン1のトルクを低下させる。
上記のように、入力クラッチ31が締結されるときに、エンジン1のトルクを低下させれば、締結ショックを緩和できる。
一方、トルクダウン制御の継続時間が前記規定時間T1(限界時間)を超えていると、ステップS400で判断されると、ステップS600へ進み、トルクダウン要求信号の出力をその時点で停止させる。
また、前記ステップS200で、D(D=NE−NT)>規定値N1であると判断された場合には、ステップS700へ進む。
ステップS700では、トルクダウン制御の終了タイマをカウントアップし、次のステップS800では、前記終了タイマによって計測される、D>規定値N1になってからの時間が、規定時間T2を越えているか否かを判断する。
即ち、本実施形態では、前記エンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差D(D=NE−NT)に基づき、トルクダウン制御の終了タイミングを判定した時点から、更に前記規定時間T2だけ経過した時点で、トルクダウン要求信号の出力を停止させるようにしている。
但し、前記差Dに基づきトルクダウン制御の終了タイミングが判定された時点で、トルクダウン要求信号の出力を停止させるようにすることができる。
図4のフローチャートにおいて、ステップS200A以外の各ステップでの処理は、図2のフローチャートに示した各ステップと同じであるため説明を省略し、ステップS200Aの部分を詳細に説明する。
尚、前記規定値N2は、トルクダウンの制御終了タイミングの判断が最適に行われるように、予め実験等によって適合された値であり、入力クラッチ31の締結開始時での差D1は、ステップS100でNOと判断されている状態から初めてYESと判断されたときの演算結果を記憶させておくものとする。
図5のフローチャートにおいて、ステップS200B以外の各ステップでの処理は、図2のフローチャートに示した各ステップと同じであるため説明を省略し、ステップS200Bの部分を詳細に説明する。
入力クラッチ31が実際に締結されると、エンジン回転速度NEに対して相対的にタービン回転速度NTが低下し、前記差Dが増大変化を示すようになるので、係る増大変化が発生したか否かを、ΔD(ΔD=Dnew−Dold)>ΔDSであるか否かによって判断する。
従って、エンジン回転速度NEの変化に伴うタービン回転速度NTの変化と、入力クラッチ31の締結によるタービン回転速度NTの落ち込みとは、前記時間微分値ΔDがΔDSを超えるか否かによって明確に区別できることになり、エンジン回転速度NEの変化に影響されることなく、トルクダウンの制御終了タイミングを適切に判断することができる。
図6のフローチャートにおいて、ステップS200C以外の各ステップでの処理は、図2のフローチャートに示した各ステップと同じであるため説明を省略し、ステップS200Cの部分を詳細に説明する。
前述のように、前記差D1は、入力クラッチ31の締結開始が判断された時点、換言すれば、入力クラッチ31の解放状態(ニュートラル状態)でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差であり、この差D1に対して、入力クラッチ31の締結によりタービン回転速度NTが低下する分だけ、差D2が拡大することになる。
このため、積分値ΣDDの値から、エンジン回転速度NEに影響されることなく、入力クラッチ31の締結過程を判断できることになり、積分値ΣDDに基づいて、入力クラッチ31の締結ショックを緩和するためのトルクダウンの制御終了タイミングを、適切に判断できる。
図7は、前述したトルクコンバータと無段変速機との連結が入力クラッチによって断続されるパワートレーンの例を示す。
前記エンジン1の出力軸は、トルクコンバータ2の入力軸に接続され、トルクコンバータ2の出力軸は、前後進切換え装置6を介して無段変速機7の入力軸に接続される。
無段変速機7は、入力側のプライマリプーリ71と、出力側のセカンダリプーリ72と、プライマリプーリ71とセカンダリプーリ72とに巻き掛けられた金属製のベルト73とから構成される。
前記前後進切換え装置6は、ダブルピニオンプラネタリギヤPG、リバース(後進用)ブレーキ60及び入力クラッチ61を有している。
前記入力クラッチ61は、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ以外の車両が前進するときに、必ず締結される摩擦係合要素であり、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれる。
前記変速機コントロールユニット10には、前記プライマリプーリ回転センサ74,セカンダリプーリ回転センサ75からの回転信号の他、運転者が操作するシフトレバーの操作位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチ51からのシフト位置信号SP、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ52からのアクセル開度信号APS、前記無段変速機7の入力軸回転速度であるタービン回転速度を検出するタービン回転センサ54からのタービン回転信号NTなどが入力される。
そして、前記変速機コントロールユニット10は、前進走行レンジ(D)レンジにおいては、車速VSPとアクセル開度APSとに応じて目標の変速比を決定し、該目標変速比に基づいて、前記プライマリプーリ71及びセカンダリプーリ72の可動プーリの位置を制御し、実際の変速比が目標変速比に近づくようにする。
ここで、前記トルクダウン要求の出力機能として、前記図2,図4〜図6の各フローチャートに示した処理それぞれを適用可能である。
また、エンジンコントロールユニット4,9によるエンジン制御機能と、変速機コントロールユニット5,10による変速機の制御機能とを備える1つのコントロールユニットによって、トルクダウン要求を判断し、エンジンのトルクを制御することができる。
また、前記ステップS200、S200A、S200B、S200Cの判定処理のうちの複数を並行して実行し、最も先の終了タイミング(終期)の判定に基づいて、エンジン制御(トルクダウン制御)を終了させることができる。
Claims (7)
- 変速機がニュートラル状態から走行状態に移行する際のクラッチ締結時に、締結ショックを軽減するためのエンジン制御を行う車両の制御装置において、
前記エンジン制御の終期を、エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度とに基づいて判定することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度との差に基づいて、前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
- 前記クラッチ締結開始時における前記エンジン回転速度と前記入力軸回転速度との差を基準値とし、そのときの前記エンジン回転速度と前記入力軸回転速度との差と、前記基準値との偏差に基づいて、前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
- 前記偏差を積算し、該積算値に基づいて前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項3記載の車両の制御装置。
- 前記エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度との差の時間微分値に基づいて、前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
- 前記エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度とに基づき判定されるタイミングから規定時間が経過してから前記エンジン制御を終了させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両の制御装置。
- 前記エンジン制御の継続時間が限界時間を越えた時点で、前記エンジン回転速度と前記入力軸回転速度とに基づく判定に優先して、前記エンジン制御を強制的に終了させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両の制御装置。
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2008
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