JP2009191795A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009191795A
JP2009191795A JP2008034972A JP2008034972A JP2009191795A JP 2009191795 A JP2009191795 A JP 2009191795A JP 2008034972 A JP2008034972 A JP 2008034972A JP 2008034972 A JP2008034972 A JP 2008034972A JP 2009191795 A JP2009191795 A JP 2009191795A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
rotational speed
torque
difference
input clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008034972A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiro Osawa
文博 大澤
Masanobu Horiguchi
正伸 堀口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2008034972A priority Critical patent/JP2009191795A/ja
Publication of JP2009191795A publication Critical patent/JP2009191795A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

【課題】入力クラッチの締結ショックを軽減するためのエンジン制御の終期を、エンジン回転速度の変化があっても正しく判定できるようにする。
【解決手段】NレンジからDレンジへのシフトに基づき入力クラッチの締結が開始されると、エンジンのトルクダウン制御を開始して、締結ショックの緩和を図る。前記トルクダウン制御の終期は、最新のエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差D2と、入力クラッチの締結開始時におけるエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差D1との偏差(D2−D1)が規定値N2よりも大きいか否かに基づいて判断する。そして、D2−D1>N2になると、トルクダウン制御を終了させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、変速機がニュートラル状態から走行状態に移行する際のクラッチ締結時に、締結ショックを軽減するためのエンジン制御を行う車両の制御装置に関する。
特許文献1には、変速機がニュートラル状態から走行状態に移行する際の入力クラッチ締結時に、エンジンのトルクダウン制御を行う車両の制御装置が開示されており、タービン回転速度が減少変化していて、かつ、タービン回転速度が予め定められた回転速度以下になった時点で、前記トルクダウン制御を終了させている。
特開2004−183608号公報
しかし、上記のようにしてトルクダウン制御の終期を判定する場合、トルクダウン制御中にエンジンのスロットル開度が変化して、これに伴ってタービン回転速度が変化すると、スロットル開度変化によるタービン回転速度の変化と、入力クラッチの締結によるタービン回転速度の変化とを区別することができず、トルクダウン制御の終期判断に誤りが生じてしまうという問題があった。
例えば、スロットル開度が減少変化した場合には、このスロットル開度の変化に伴ってタービン回転速度が減少することで、入力クラッチが完全に締結する前にトルクダウン制御を終了させてしまい、締結ショックが発生してしまう。
一方、スロットル開度が増大変化した場合には、入力クラッチの締結によるタービン回転速度の低下が抑制されることで、実際には、入力クラッチの締結が完了しているのにトルクダウン制御が継続されてしまい、スムーズな加速の妨げになってしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、入力クラッチの締結ショックを軽減するためのエンジン制御の終期を、エンジン回転速度の変化があっても正しく判定できる車両の制御装置を提供することを目的とする。
そのため、本発明では、変速機がニュートラル状態から走行状態に移行する際のクラッチの締結ショックを軽減するためのエンジン制御の終期を、エンジン回転速度と変速機の入力軸回転速度とに基づいて判定するようにした。
上記発明によると、クラッチの締結ショックを軽減するためのエンジン制御の終期を判定するときに、変速機の入力軸回転速度と共にエンジン回転速度を用いるので、エンジン回転速度に対する入力軸回転速度の相対的変化から終期を判定させることができ、エンジン回転速度の影響を排除して、クラッチ締結に伴う入力軸回転速度の変化を検出でき、前記エンジン制御を最適な時期で終了させることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を含む車両のパワートレーンを示す。
図1に示す車両のパワートレーンは、エンジン1と、トルクコンバータ2と、有段式自動変速機3と、エンジンコントロールユニット4と、変速機コントロールユニット5とから構成される。
前記エンジン1の出力軸は、トルクコンバータ2の入力軸に接続され、トルクコンバータ2の出力軸は、自動変速機3の入力軸に接続される。
前記トルクコンバータ2は、入力軸と出力軸とを機械的な直結状態にするロックアップクラッチ21と、入力軸側のポンプ羽根車22と、出力軸側のタービン羽根車23と、ワンウェイクラッチ25を有し、トルク増幅機能を発現するステータ24とから構成される。
前記自動変速機3は、遊星歯車式の有段変速機であり、摩擦係合要素であるクラッチ要素(図中のC1〜C4)、ブレーキ要素(B1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(F0〜F3)の締結・解放の組み合わせによって、ギヤ段(変速段)が決定されるようになっている。
前記クラッチ要素(C1〜C4)のうちのクラッチ要素C1は入力クラッチ31であり、この入力クラッチ31は、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション以外の、車両が前進するための変速段を構成する際に必ず締結状態で使用されるクラッチであり、例えば、NレンジからDレンジにシフトされると、解放状態であった前記入力クラッチ31を締結させる制御が行われる。
換言すれば、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ以外の前進走行レンジ(Dレンジなど)において、前記入力クラッチ31は締結されることとなり、前記入力クラッチ31は、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれる。
ここで、前進走行(D)ポジション(Dレンジ)であって、車両の状態が予め定められた条件を満足して停止した場合に、入力クラッチ31を解放して所定のスリップ状態にして、ニュートラルに近い状態にするニュートラル制御が行われる。
前記ニュートラル制御が行われている状態では、Dレンジであっても前記入力クラッチ31は解放状態に保持され、ニュートラル制御がキャンセルされることで、前記入力クラッチ31が締結されることになる。
尚、自動変速機3における摩擦係合要素の構成は、図1に示したものに限定されず、入力クラッチ31,前進クラッチ,フォワードクラッチなどと呼ばれ、前進走行ポジション(Dレンジ等)で必ず締結されるクラッチを備える変速機であれば良い。
前記変速機コントロールユニット5は、マイクロコンピュータを含んで構成され、運転者が操作するシフトレバーの操作位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチ51からのシフト位置信号SP、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ52からのアクセル開度信号APS、前記自動変速機3の出力軸回転速度から車速を検出する車速センサ53からの車速信号VSP、前記自動変速機3の入力軸回転速度であるタービン回転速度を検出するタービン回転センサ54からのタービン回転信号NTなどが入力される。
前記エンジンコントロールユニット4は、マイクロコンピュータを含んで構成され、エンジン1の運転条件を検出する各種センサからの信号に基づく演算処理によって、エンジン1における吸入空気量、燃料噴射量、点火時期などを制御する機能を有している。
また、前記変速機コントロールユニット5とエンジンコントロールユニット4とは、相互に通信可能に構成され、前記変速機コントロールユニット5には、前記エンジンコントロールユニット4を介して、エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転センサ41からのエンジン回転信号NEなどが入力される。
そして、前記変速機コントロールユニット5は、Dレンジにおいては、車速VSPとアクセル開度APSとに応じて予め変速段を記憶する変速マップを参照することで、目標の変速段を決定し、実際の変速段を前記目標の変速段に切り換えるべく、前記摩擦係合要素(C1〜C4,B1〜B4,F0〜F3)の締結・解放を制御する各種ソレノイドに制御信号を出力する。
更に、前記変速機コントロールユニット5は、ニュートラル状態から前進走行段にシフトするときに、前記入力クラッチ31の締結に伴うショックを緩和すべく、前記エンジンコントロールユニット4に対して、エンジン1のトルクを強制的に低下させるトルクダウン要求信号を出力する機能を有している。
図2のフローチャートは、本願発明の制御装置を構成する前記変速機コントロールユニット5による前記トルクダウン要求の出力処理を示している。
尚、図2のフローチャートに示すルーチンは、一定の微小時間毎に実行されるものとする。
図2のフローチャートにおいて、ステップS100では、ニュートラル状態から前進走行状態に移行するための前記入力クラッチ31の締結開始時であるか否かを判断する。
前記ステップS100では、前記入力クラッチ31の締結開始時であるか否かを判断できればよく、例えば、NレンジからDレンジへのシフト操作時、又は、前記ニュートラル制御からの復帰時(ニュートラル制御のキャンセル時)であるか否かを判断する。
前記入力クラッチ31の締結開始時でない場合には、トルクダウン要求の発生は不要であるので、そのまま本ルーチンを終了させる。
前記入力クラッチ31の締結開始時(締結開始判断からトルクダウン終了判定がなされるまでの間)であれば、ステップS200へ進む。
ステップS200では、そのときのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NT(変速機の入力軸回転速度)との差D(D=NE−NT)が規定値N1よりも大きいか否かを判断する。
尚、前記規定値N1は、締結ショック緩和のためのトルクダウンの制御終了タイミングの判断が、最適に行われるように、予め実験等によって適合された値である。
前記入力クラッチ31の締結が行われない場合、前記エンジン回転速度NEの変化に連動してタービン回転速度NTが変化し、前記エンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dは略一定値で推移することになるが、前記入力クラッチ31が締結されると、タービン回転速度NTが落ち込むことで、前記差Dが拡大することになる(図3参照)。
従って、前記差Dの拡大変化は、入力クラッチ31の締結処理の進行を示すことになる。
そこで、エンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dが規定値N1を超える値になった時点で、入力クラッチ31の締結が完了している(若しくは、基準状態にまで締結されている)と判断して、その時点でトルクダウンの制御を終了させる。
例えば、入力クラッチ31の締結開始時でのタービン回転速度NTと、その後のタービン回転速度NTとの差から、トルクダウン制御の終了タイミングを判断させるようにすると、エンジン回転速度NEの変化に伴うタービン回転速度NTの変化と、入力クラッチ31の締結に伴うタービン回転速度NTの変化とを区別することができず、入力クラッチ31の締結開始後にエンジン回転速度NEが変化する場合に、トルクダウン制御(エンジン制御)の終了タイミング(終期)を誤判断する可能性がある。
これに対し、入力クラッチ31の締結開始後にエンジン回転速度NEが変化したとしても、係るエンジン回転速度NEの変化に伴ってタービン回転速度NTが変化する場合には、前記差Dは拡大変化することはなく、実際に入力クラッチ31が締結され、タービン回転速度NTが減少変化することで、前記差Dは拡大変化することになる。
従って、上記ステップS200の判断によると、エンジン回転速度NEの変化に影響されてのタービン回転速度NTの変化に基づいて、トルクダウン制御の終了タイミング(エンジン制御の終期)が誤判断されることを防止でき、入力クラッチ31が実際に締結されたことによるタービン回転速度NTの低下を検知して、トルクダウン制御の終了タイミング(入力クラッチ31の締結完了)を的確に判断することができる。
ステップS200で、D≦規定値N1であると判断された場合には、ステップS300へ進み、トルクダウン制御タイマをカウントアップし、次のステップS400では、トルクダウン制御タイマで計測されるトルクダウン制御の継続時間が、規定時間T1を超えたか否かを判断する。
そして、トルクダウン制御の継続時間が前記規定時間T1以下であれば、ステップS500へ進み、トルクダウン要求信号を、前記エンジンコントロールユニット4に出力する。
前記トルクダウン要求信号は、入力クラッチ31の締結開始に同期して出力され、その後、後述するステップS600又はステップS900でトルクダウン要求信号の出力が停止されるまで、出力状態(トルクダウン要求状態)を保持する。
前記トルクダウン要求信号は、エンジン1のトルクを強制的に低下させることを指令する信号であり、このトルクダウン要求信号を受けたエンジンコントロールユニット4は、エンジン1の吸入空気量の低下、点火時期の遅角、空燃比のリーン化、補機負荷の増大などによって、エンジン1のトルクを低下させる。
尚、エンジン1のトルクの低下量、換言すれば、吸入空気量・点火時期等の補正量は、予め実験等に基づいて決定される。
上記のように、入力クラッチ31が締結されるときに、エンジン1のトルクを低下させれば、締結ショックを緩和できる。
一方、トルクダウン制御の継続時間が前記規定時間T1(限界時間)を超えていると、ステップS400で判断されると、ステップS600へ進み、トルクダウン要求信号の出力をその時点で停止させる。
本実施形態のトルクダウン制御は、入力クラッチ31の締結によるタービン回転速度NTの低下に基づいて終了させることを標準とするが、タービン回転速度NTの低下が判断されぬまま、前記規定時間T1を超える時間だけトルクダウン制御を行った場合には、タービン回転速度NTの低下が判断されることを待たずに、トルクダウン制御を直ちに停止させる。
これにより、タービン回転速度NTの低下を判断できなかった場合に、トルクダウン制御が無用に継続されてしまうことを防止できる。
また、前記ステップS200で、D(D=NE−NT)>規定値N1であると判断された場合には、ステップS700へ進む。
ステップS700では、トルクダウン制御の終了タイマをカウントアップし、次のステップS800では、前記終了タイマによって計測される、D>規定値N1になってからの時間が、規定時間T2を越えているか否かを判断する。
前記終了タイマによる計測時間tが規定時間T2以下であれば、そのまま本ルーチンを終了させることで、トルクダウン状態を継続させ、計測時間t>規定時間T2になると、ステップS900へ進み、トルクダウン要求信号の出力を停止させる。
即ち、本実施形態では、前記エンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差D(D=NE−NT)に基づき、トルクダウン制御の終了タイミングを判定した時点から、更に前記規定時間T2だけ経過した時点で、トルクダウン要求信号の出力を停止させるようにしている。
前記規定時間T2は、前記差Dに基づく、トルクダウン制御の終了タイミングの判定から、実際にトルクダウンを停止させるのに適当なタイミングとして、予め実験等に基づいて適合される。
但し、前記差Dに基づきトルクダウン制御の終了タイミングが判定された時点で、トルクダウン要求信号の出力を停止させるようにすることができる。
ところで、上記図2のフローチャートに示す実施形態では、前記ステップS200において、D(D=NE−NT)>規定値N1であるか否かを判断させるようにしたが、ニュートラル状態でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dにばらつきが生じると、入力クラッチ31の締結処理に対してD>規定値N1であると判断されるタイミングがずれることになる。
例えば、ニュートラル状態でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dが標準値よりも大きい場合には、通常よりも早く差Dが規定値N1を超えることになり、逆に、ニュートラル状態でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dが標準値よりも小さい場合には、差Dが規定値N1を超えるタイミングが通常よりも遅れることになる。
上記のばらつきを抑制するために、図4のフローチャートに示すように、差Dの変化を、入力クラッチ31の締結開始時点からの変化として判断させることが好ましい。
図4のフローチャートにおいて、ステップS200A以外の各ステップでの処理は、図2のフローチャートに示した各ステップと同じであるため説明を省略し、ステップS200Aの部分を詳細に説明する。
ステップS200Aでは、入力クラッチ31の締結開始時でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差をD1(D1=NE−NT)、そのとき(最新)のエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差をD2としたときに、D2−D1>規定値N2であるか否かを判断する。
尚、前記規定値N2は、トルクダウンの制御終了タイミングの判断が最適に行われるように、予め実験等によって適合された値であり、入力クラッチ31の締結開始時での差D1は、ステップS100でNOと判断されている状態から初めてYESと判断されたときの演算結果を記憶させておくものとする。
前記D1(図3に示す「基準差:NE−NT」)は、入力クラッチ31の締結開始が判断された時点、換言すれば、入力クラッチ31の解放状態(ニュートラル状態)でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差であり、この差D1に対して、入力クラッチ31の締結によりタービン回転速度NTが低下する分だけ、差D2が拡大することになる(図3参照)。
従って、D2−D1は、入力クラッチ31の締結によるタービン回転速度NTの低下を示すことになり、入力クラッチ31の解放状態(ニュートラル状態)での差D1にばらつきがあっても、入力クラッチ31の締結によるタービン回転速度NTの低下を精度良く判断でき、D>規定値N1に基づき終了タイミングを判断させる場合に比べて、トルクダウン制御の終了タイミングをより高精度に判断できることになる。
前記入力クラッチ31の締結に伴うタービン回転速度NTの低下を判断する手段としては、更に、図5のフローチャートのステップS200Bに示す手段を用いることができる。
図5のフローチャートにおいて、ステップS200B以外の各ステップでの処理は、図2のフローチャートに示した各ステップと同じであるため説明を省略し、ステップS200Bの部分を詳細に説明する。
ステップS200Bでは、前記エンジン回転速度NE及びタービン回転速度NTの最新検出値に基づき演算されたエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差Dnew(最新値)と、本ルーチンの前回実行時にステップS200Bで演算された前記差Dold(前回値)との差ΔD(ΔD=Dnew−Dold)、即ち、前記差Dの時間微分値ΔDを算出し、該時間微分値ΔDが規定値ΔDSよりも大きいか否かを判断する。
尚、前記規定値ΔDSは、トルクダウンの制御終了タイミングの判断が最適に行われるように、予め実験等によって適合された値である。
入力クラッチ31が実際に締結されると、エンジン回転速度NEに対して相対的にタービン回転速度NTが低下し、前記差Dが増大変化を示すようになるので、係る増大変化が発生したか否かを、ΔD(ΔD=Dnew−Dold)>ΔDSであるか否かによって判断する。
上記の時間微分値ΔDに基づくトルクダウンの制御終了タイミングの判断において、エンジン回転速度NEの変化に伴ってタービン回転速度NTが変化する場合には、ΔDは小さい値を保持し、入力クラッチ31の締結によるタービン回転速度NTの落ち込みがあって初めて時間微分値ΔDは規定値ΔDSを超える増大変化を示すことになる。
従って、エンジン回転速度NEの変化に伴うタービン回転速度NTの変化と、入力クラッチ31の締結によるタービン回転速度NTの落ち込みとは、前記時間微分値ΔDがΔDSを超えるか否かによって明確に区別できることになり、エンジン回転速度NEの変化に影響されることなく、トルクダウンの制御終了タイミングを適切に判断することができる。
前記入力クラッチ31の締結に伴うタービン回転速度NTの低下を判断する手段としては、更に、図6のフローチャートのステップS200Cに示す手段を用いることができる。
図6のフローチャートにおいて、ステップS200C以外の各ステップでの処理は、図2のフローチャートに示した各ステップと同じであるため説明を省略し、ステップS200Cの部分を詳細に説明する。
ステップS200Cでは、入力クラッチ31の締結開始時でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差をD1(D1=NE−NT)、そのときのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差をD2としたときに、差D2と差D1との差DDを積分し、この積分値ΣDD(図3の斜線部の面積に相当する値)が規定値ΣDDSよりも大きいか否かを判断する。
尚、前記規定値ΣDDSは、トルクダウンの制御終了タイミングの判断が最適に行われるように、予め実験等によって適合された値であり、入力クラッチ31の締結開始時での差D1は、ステップS100でNOと判断されている状態から初めてYESと判断されたときの演算結果を記憶させておくものとする。
前述のように、前記差D1は、入力クラッチ31の締結開始が判断された時点、換言すれば、入力クラッチ31の解放状態(ニュートラル状態)でのエンジン回転速度NEとタービン回転速度NTとの差であり、この差D1に対して、入力クラッチ31の締結によりタービン回転速度NTが低下する分だけ、差D2が拡大することになる。
従って、入力クラッチ31が実際に締結し始めると、前記差DDの値が徐々に大きくなり、完全締結状態になることで、前記差DDの変化は収束することになり、前記積分値ΣDDは、入力クラッチ31が実際に締結し始めて完全締結に至る過程で増大変化することになる。
このため、積分値ΣDDの値から、エンジン回転速度NEに影響されることなく、入力クラッチ31の締結過程を判断できることになり、積分値ΣDDに基づいて、入力クラッチ31の締結ショックを緩和するためのトルクダウンの制御終了タイミングを、適切に判断できる。
ところで、上記実施形態では、トルクコバータと遊星歯車式の有段自動変速機が組み合わされるパワートレーンとしたが、トルクコンバータと無段変速機との連結が入力クラッチによって断続されるパワートレーンにおいても、図2,図4〜図6の各フローチャートに示したトルクダウン制御を適用できる。
図7は、前述したトルクコンバータと無段変速機との連結が入力クラッチによって断続されるパワートレーンの例を示す。
図7に示す車両のパワートレーンは、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切換え装置6と、無段変速機7と、デファレンシャルギヤ8と、エンジンコントロールユニット9と、変速機コントロールユニット10とから構成される。
前記エンジン1の出力軸は、トルクコンバータ2の入力軸に接続され、トルクコンバータ2の出力軸は、前後進切換え装置6を介して無段変速機7の入力軸に接続される。
前記トルクコンバータ2は、入力軸と出力軸とを機械的な直結状態にするロックアップクラッチ21と、入力軸側のポンプ羽根車22と、出力軸側のタービン羽根車23と、ワンウェイクラッチ25を有し、トルク増幅機能を発現するステータ24とから構成される。
無段変速機7は、入力側のプライマリプーリ71と、出力側のセカンダリプーリ72と、プライマリプーリ71とセカンダリプーリ72とに巻き掛けられた金属製のベルト73とから構成される。
前記無段変速機7のプライマリプーリ71の回転数NINは、プライマリプーリ回転センサ74により、セカンダリプーリ72の回転数NOUTは、セカンダリプーリ回転センサ75によってそれぞれ検出される。
前記前後進切換え装置6は、ダブルピニオンプラネタリギヤPG、リバース(後進用)ブレーキ60及び入力クラッチ61を有している。
前記プラネタリギヤPGは、そのサンギヤが入力軸に連結され、第1及び第2のピニオンP1,P2を支持するキャリヤCRがプライマリ側固定シーブに連結され、リングギヤRが後進用摩擦係合要素となるリバースブレーキ60に連結され、さらに、キャリヤCRとリングギヤRとの間に入力クラッチ61が介在している。
前記入力クラッチ61は、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ以外の車両が前進するときに、必ず締結される摩擦係合要素であり、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれる。
ここで、前記有段式自動変速機3と同様に、前進走行(D)ポジション(Dレンジ)であって、車両の状態が予め定められた条件を満足して停止した場合に、入力クラッチ61を解放して所定のスリップ状態にして、ニュートラルに近い状態にするニュートラル制御が行われる。
前記変速機コントロールユニット10には、前記プライマリプーリ回転センサ74,セカンダリプーリ回転センサ75からの回転信号の他、運転者が操作するシフトレバーの操作位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチ51からのシフト位置信号SP、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ52からのアクセル開度信号APS、前記無段変速機7の入力軸回転速度であるタービン回転速度を検出するタービン回転センサ54からのタービン回転信号NTなどが入力される。
また、前記変速機コントロールユニット10とエンジンコントロールユニット9とは、相互に通信可能に構成され、前記変速機コントロールユニット10には、前記エンジンコントロールユニット9を介して、エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転センサ41からのエンジン回転信号NEなどが入力される。
そして、前記変速機コントロールユニット10は、前進走行レンジ(D)レンジにおいては、車速VSPとアクセル開度APSとに応じて目標の変速比を決定し、該目標変速比に基づいて、前記プライマリプーリ71及びセカンダリプーリ72の可動プーリの位置を制御し、実際の変速比が目標変速比に近づくようにする。
更に、前記変速機コントロールユニット10は、ニュートラル状態から前進走行への移行に伴って、前記入力クラッチ61を締結するときのショックを緩和すべく、前記エンジンコントロールユニット9に対して、エンジン1のトルクを強制的に低下させるトルクダウン要求信号を出力する機能を有している。
ここで、前記トルクダウン要求の出力機能として、前記図2,図4〜図6の各フローチャートに示した処理それぞれを適用可能である。
即ち、前記図2,図4〜図6のフローチャートに示したトルクダウン処理は、有段変速機及び無段変速機の区別なく適用可能であり、ニュートラル状態から前進走行状態に移行するために入力クラッチの締結が行われるパワートレーンであれば、変速機が無段・有段のいずれであっても、前記入力クラッチの締結ショックを緩和するためのエンジン制御(トルクダウン制御)の終期を、エンジン回転速度NEの変化に影響されることなく、適切に判断できる。
尚、無段変速機7は、図7に示したベルト式に限定されるものではなく、トロイダル式の無段変速機などにも適用可能である。
また、エンジンコントロールユニット4,9によるエンジン制御機能と、変速機コントロールユニット5,10による変速機の制御機能とを備える1つのコントロールユニットによって、トルクダウン要求を判断し、エンジンのトルクを制御することができる。
更に、トルクダウン制御(エンジン制御)の終了判定に基づいて、トルクダウン量(エンジン制御の補正量)をステップ的に0に戻すのではなく、締結ショック緩和のための補正量を徐々に0にまで戻すことができる。
また、前記ステップS200、S200A、S200B、S200Cの判定処理のうちの複数を並行して実行し、最も先の終了タイミング(終期)の判定に基づいて、エンジン制御(トルクダウン制御)を終了させることができる。
本願発明の実施形態における有段変速機を備えたパワートレーンを示す図である。 本願発明に係るトルクダウン要求の出力処理の第1実施形態を示すフローチャートである。 本願発明の実施形態におけるNレンジからDレンジへのシフト時におけるエンジン回転速度NE,タービン回転速度及びトルクダウン制御の相関を示すタイムチャートである。 本願発明に係るトルクダウン要求の出力処理の第2実施形態を示すフローチャートである。 本願発明に係るトルクダウン要求の出力処理の第3実施形態を示すフローチャートである。 本願発明に係るトルクダウン要求の出力処理の第4実施形態を示すフローチャートである。 本願発明の実施形態における無段変速機を備えたパワートレーンを示す図である。
符号の説明
1…エンジン、2…トルクコンバータ、3…自動変速機、4,9…エンジンコントロールユニット、5,10…変速機コントロールユニット、6…前後進切換え装置、7…無段変速機、8…デファレンシャルギヤ、41…エンジン回転センサ、54…タービン回転センサ、31,61…入力クラッチ

Claims (7)

  1. 変速機がニュートラル状態から走行状態に移行する際のクラッチ締結時に、締結ショックを軽減するためのエンジン制御を行う車両の制御装置において、
    前記エンジン制御の終期を、エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度とに基づいて判定することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度との差に基づいて、前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記クラッチ締結開始時における前記エンジン回転速度と前記入力軸回転速度との差を基準値とし、そのときの前記エンジン回転速度と前記入力軸回転速度との差と、前記基準値との偏差に基づいて、前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
  4. 前記偏差を積算し、該積算値に基づいて前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項3記載の車両の制御装置。
  5. 前記エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度との差の時間微分値に基づいて、前記エンジン制御の終期を判定することを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
  6. 前記エンジン回転速度と前記変速機の入力軸回転速度とに基づき判定されるタイミングから規定時間が経過してから前記エンジン制御を終了させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両の制御装置。
  7. 前記エンジン制御の継続時間が限界時間を越えた時点で、前記エンジン回転速度と前記入力軸回転速度とに基づく判定に優先して、前記エンジン制御を強制的に終了させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両の制御装置。
JP2008034972A 2008-02-15 2008-02-15 車両の制御装置 Pending JP2009191795A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008034972A JP2009191795A (ja) 2008-02-15 2008-02-15 車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008034972A JP2009191795A (ja) 2008-02-15 2008-02-15 車両の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009191795A true JP2009191795A (ja) 2009-08-27

Family

ID=41074026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008034972A Pending JP2009191795A (ja) 2008-02-15 2008-02-15 車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009191795A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011163477A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Toyota Motor Corp 自動変速機の制御装置
WO2022162809A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 日産自動車株式会社 車両用内燃機関の発電負荷低減方法および発電負荷低減装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10159612A (ja) * 1996-11-29 1998-06-16 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のクリープ防止装置
JPH10184904A (ja) * 1996-12-25 1998-07-14 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機用クリープ防止装置のフェールセーフ装置
JPH10194014A (ja) * 1997-01-13 1998-07-28 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のクリープ防止装置
JP2003113725A (ja) * 2001-10-02 2003-04-18 Mitsubishi Motors Corp エンジン・自動変速機の統合制御装置
JP2004286183A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Aisin Seiki Co Ltd 自動変速機及び自動変速機のプリチャージ時間設定方法
JP2004347066A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Toyota Motor Corp 車両の制御装置および制御方法
JP2005273860A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Jatco Ltd 自動変速機の変速制御装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10159612A (ja) * 1996-11-29 1998-06-16 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のクリープ防止装置
JPH10184904A (ja) * 1996-12-25 1998-07-14 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機用クリープ防止装置のフェールセーフ装置
JPH10194014A (ja) * 1997-01-13 1998-07-28 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のクリープ防止装置
JP2003113725A (ja) * 2001-10-02 2003-04-18 Mitsubishi Motors Corp エンジン・自動変速機の統合制御装置
JP2004286183A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Aisin Seiki Co Ltd 自動変速機及び自動変速機のプリチャージ時間設定方法
JP2004347066A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Toyota Motor Corp 車両の制御装置および制御方法
JP2005273860A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Jatco Ltd 自動変速機の変速制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011163477A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Toyota Motor Corp 自動変速機の制御装置
WO2022162809A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 日産自動車株式会社 車両用内燃機関の発電負荷低減方法および発電負荷低減装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4453714B2 (ja) 車両の制御装置
US6574541B2 (en) Vehicle drive system
JP2006083884A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4639760B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2006348985A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP6714701B2 (ja) 車両の制御装置及び車両の制御方法
JP2010216571A (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
JP4684174B2 (ja) 自動変速機の制御装置
US6519521B2 (en) Shift control system for automatic transmission
JP2009191795A (ja) 車両の制御装置
US10612656B2 (en) Control device for vehicle and control method of the same
WO2017135171A1 (ja) 車両の制御装置、及び車両の制御方法
JPH09264410A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP4055566B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4411858B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2009275777A (ja) 無段変速機の制御装置および無段変速機の制御方法
JP4075671B2 (ja) 車両の制御装置
JP2019211027A (ja) 車両の制御装置及び車両の制御方法
JP4001003B2 (ja) 車両の制御装置
JP4622501B2 (ja) 自動変速機の制御装置
WO2017057666A1 (ja) 車両の制御装置、及び車両の制御方法
JP5096559B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP4354380B2 (ja) 無段変速機の発進時変速制御装置
JP2008164121A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2007040476A (ja) 自動変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090925

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090925

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111007

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111025