JP2009191112A - 空洞含有樹脂成形体及びその製造方法、並びに、昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシート - Google Patents

空洞含有樹脂成形体及びその製造方法、並びに、昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシート Download PDF

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Abstract

【課題】高い断熱性を備えた空洞含有樹脂成形体及びその製造方法を提供する。また、前記成形体を含有する昇華転写又は熱転写記録材料用受像フィルム又はシートを提供する。
【解決手段】結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物からなり、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有する空洞含有樹脂成形体であって、前記成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、各中心から前記成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たし、かつ、前記成形体の熱伝導率をX(W/mK)として、前記成形体と同じ厚さで、前記成形体を構成するポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体の熱伝導率をY(W/mK)とした際のX/Y比が、0.27以下である空洞含有樹脂成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物からなる空洞含有樹脂成形体及びその製造方法、並びに、昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシートに関する。
空洞含有樹脂フィルム又はシートは、その断熱性、クッション性、光透過性(又は遮光性)などの特性から、熱転写方式プリンターの画像記録用紙の部材として使用されたり、電子機器の照明用部材などに使用されたりしている。
近年、パーソナルコンピュータ(PC)やネットワーク環境の整備が進み、また、デジタルカメラなどの電子画像記憶装置が普及するにつれて、これらのシステムや商品で取り込んだ画像をシートなどにハードコピーする技術が求められている。
前記ハードコピーする技術として、各種画像を出力する際に音が静かであり、操作や保守が容易であり、小型化や高速化が可能な、感熱転写記録方式(及びそれを用いたプリンター)が広く普及しつつある。
感熱転写記録方式とは、着色成分を含むインク層を塗布などにより形成したインクリボンを、ハードコピーされる(最終的に画像が形成される)受像シートに重ね合わせて、その上からサーマルヘッドにより熱を与えることによって、インクリボン上のインク成分を溶融や昇華させて、受像シート側へ転写し、画像を形成する印字(画像形成)方式である。
感熱転写記録方式が適用された当初は、その受像シート素材として、薄手のポリプロピレン系合成紙と天然紙を張り合わせたものや、厚手のポリプロピレン系合成紙を基材として、これらの表面に記録層を設けたものが用いられていた。
しかし、前記ポリプロピレン系合成紙は、天然紙では得られない表面平滑性や適度なクッション性を備えている一方で、腰が弱く、折れシワが入り易いという問題があった。
その後、受像シート素材は改良され、白色性(印字後の鮮やかさの向上)、静電防止性(張り付き防止)、折れ難さの向上などの特性を改善する努力が続けられている。また、印字がかすれたり、欠けたりしないこと、印字の「くっきり感」、「色の濃さ」などの印字の品質も重視して改善されている。
特に、最近では、印字(印画)装置の小型化、省エネルギー化、高速化の観点で、ヘッドを小型に精緻化する方向にあることから、その結果として、ヘッドから受像シートに与える熱エネルギーが小さくなっている。したがって、少しの熱エネルギーで容易にインクリボン上のインク成分を溶融・昇華させて、受像シート側へ転写でき、かすれや欠け、ムラのない安定した画像を形成可能な受像シートが求められている。
そこで、受像シート素材としてポリエステル系樹脂を用いて、受像シート内部に微細な空洞を多量に含有させる技術が開発されている(例えば、特許文献1〜3参照)。受像シートに微細な空洞が含有されると、空気層により受像シートの断熱効果が高まり、印字ヘッドの熱エネルギーを有効に印字することができるためである。
特許文献1に記載の技術は、ポリエステル系樹脂フィルムの中に無機系微粒子などを含有させておき、樹脂の延伸製膜時に無機微粒子などと樹脂界面とが剥離することにより、受像シート内に空洞を形成させる技術である。特許文献1に記載の技術によれば、無機系微粒子などの添加により、フィルムが白色になって画像が鮮明になるとともに、空洞の形成により断熱性を得ることができる。
しかし、前記特許文献1に記載の技術は、微分散化のために高度な技術、装置を必要とし、また、凝集を抑制するために添加剤を加えたり、微粒子の前処理を行ったりする必要が生じるので、製造工程が複雑になり、コストが掛かるという問題があった。
また、粒子を微粒子にすればするほど、製品中のボイドが小さくできるため断熱効果が高くなって好ましいが、微粒子の凝集が発生すると、印字ムラの原因になるだけでなく、受像シートの表面に小さな凸部が形成され、印字ヘッドを損傷したり、ひいては装置トラブルの原因となったりするおそれがあった。
また、凹部が形成されると印字の欠けやかすれが発生する問題があり、これらは容易に解決し難かった。また受像シート表面の近傍まで発泡層が発現すると、発泡により表面の平滑性が損なわれる問題もあった。
特許文献2に記載の技術は、主たる成分である樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂)に、その樹脂と相溶しない(非相溶の)別の樹脂を添加して混練する事により2相構造(例えば海島構造)を形成し、樹脂の延伸製膜時に主たる成分である樹脂と、そこに添加・混練された別の樹脂との界面が剥離することにより、空洞を形成させる技術である。このとき、非相溶相のサイズを揃えることによって、ボイドの制御が容易になり、受像シートの性能を向上させることができる。
前記特許文献2に記載の技術により受像シートを製造する場合には、一般的に、海島構造を形成して製膜延伸時にその界面を剥離させてボイドを発生させる機構が用いられる。しかし、このような機構により製造する場合には、思うように島部分が充分小さくできないなどの理由により、所望する2相構造が得られにくいために、結果として、ボイドが充分に小さくできない(制御が難しい)などの問題があった。
また、受像シート表面の近傍まで発泡層が発現すると、発泡により表面の平滑性が損なわれる問題があった。また、ボイドサイズが大きいと印字性が低下したり、高級感が損なわれたりする問題があった。
また、特許文献1及び2に記載の技術はいずれも、主たる成分中に異種の成分を混入させ、それを核としてボイドを発現させる方法のため、ボイドの中に異種の成分が残り、それが断熱性向上を阻害してしまうことがあった。また、樹脂と無機物の系、あるいは種類の異なる樹脂の系になるため、リサイクルが困難になる問題も顕在化しつつある。
前記特許文献3に記載の技術は、樹脂フィルムを加圧下で不活性ガスと接触させて、樹脂フィルムに不活性ガスを含浸させ、大気圧下で延伸して、多孔性延伸樹脂フィルムを得る技術である。この技術は、空洞の発生源として気体を用いるので、断熱性やリサイクル性などの問題を回避し易いという利点がある。
しかし、不活性ガスを加圧下でフィルムに含浸させるためには、フィルム全体を数十気圧、あるいは100気圧を超える高圧下で処理するための大掛かりな装置が必要になり、一般的な溶融製膜・延伸装置と比較して、装置コストが大幅に増大する問題があった。また、不活性ガスを大量に扱うので、作業者の安全性を確保するための設備や対策が必要になり、これにもかなりのコストを要するという問題があった。また、均一に発泡させるには、製造工程において条件を均一化させなければならないなど、高度な制御が必要であった。
特許第3067557号 特開2005−281396号公報 特開2006−8942号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い断熱性を備えた空洞含有樹脂成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記空洞含有樹脂成形体を含有し、印字特性に優れた昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PHT(ポリヘキサメチレンテレフタレート)、PBS(ポリブチレンサクシネート)又はPP(ポリプロピレン)のみからなるポリマーフィルムを高速延伸すると、空洞含有フィルムになり、前記高速延伸されたフィルム(空洞含有フィルム)は、PBT層(屈折率約1.5)と空気(空洞)層(屈折率1)からなる空洞含有(多重層(数十層))構造、PHT層(屈折率約1.5)と空気(空洞)層(屈折率1)からなる空洞含有(多重層(数十層))構造、PBS層(屈折率約1.5)と空気(空洞)層(屈折率1)からなる空洞含有(多重層(数十層))構造、又はPP層(屈折率約1.47)と空気(空洞)層(屈折率1)からなる空洞含有(多重層(数十層))構造をとっていたという知見である。更に、前記空洞含有樹脂フィルムは、フィルム表面だけでなく、フィルム表面から所定の距離においても空洞が形成されていないために、優れた表面平滑性を有することを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物からなり、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有する空洞含有樹脂成形体であって、
前記空洞含有樹脂成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、前記空洞の中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の前記空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たし、
[但し、Tは、前記断面における厚みの算術平均値を表し、10個の前記空洞は、前記厚み方向に平行な任意の一の直線と、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線とで挟まれた領域内に存在する空洞の中から選択される。]
かつ、前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率をX(W/mK)として、前記空洞含有樹脂成形体と同じ厚さで、前記空洞含有樹脂成形体を構成するポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体の熱伝導率をY(W/mK)とした際のX/Y比が、0.27以下であることを特徴とする空洞含有樹脂成形体である。
<2> 結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物からなり、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有する空洞含有樹脂成形体であって、
前記空洞含有樹脂成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、前記空洞の中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の前記空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たし、
[但し、Tは、前記断面における厚みの算術平均値を表し、10個の前記空洞は、前記厚み方向に平行な任意の一の直線と、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線とで挟まれた領域内に存在する空洞の中から選択される。]
かつ、熱伝導率が、0.1(W/mK)以下であることを特徴とする空洞含有樹脂成形体である。
<3> 空洞含有率が、3体積%以上、50体積%以下であり、
空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さをr(μm)として、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さをL(μm)とした際のL/r比が、10以上である<1>から<2>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体である。
<4> 結晶性を有するポリマーが、ポリエステル類及びポリオレフィン類のうち少なくともいずれかである<1>から<3>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体である。
<5> ポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体を、10〜36,000mm/minの速度で、かつ、
延伸温度をT(℃)、結晶性を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、
(Tg−30)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することにより形成された空洞を含む<1>から<4>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体である。
<6> <1>から<5>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体の製造方法であって、
ポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体を、10〜36,000mm/minの速度で、かつ、
延伸温度をT(℃)、結晶性を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、
(Tg−30)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸する工程を含む空洞含有樹脂成形体の製造方法である。
<7> <1>から<5>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体を含有する昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシートである。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、高い断熱性を備えた空洞含有樹脂成形体及びその製造方法を提供することができる。さらに、本発明によると、前記空洞含有樹脂成形体を含有し、印字特性に優れた昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシートを提供することができる。
(空洞含有樹脂成形体)
本発明の空洞含有樹脂成形体は、ポリマー組成物からなり、必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記「成形体」としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルムやシートが挙げられる。
[ポリマー組成物]
前記ポリマー組成物は、結晶性を有するポリマーを含み、必要に応じて、空洞の発現に寄与しないその他の成分を含んでなる。前記ポリマー組成物は、結晶性を有するポリマーのみからなることが特に好ましい。
<結晶性を有するポリマー>
一般に、ポリマーは、結晶性を有するポリマーと非晶性(アモルファス)ポリマーとに分けられるが、結晶性を有するポリマーといえども100%結晶ということはなく、分子構造の中に長い鎖状の分子が規則的に並んだ結晶性領域と、規則的に並んでいない非結晶(アモルファス)領域とを含んでいる。
したがって、本発明の空洞含有樹脂成形体における前記結晶性を有するポリマーとしては、分子構造の中に少なくとも前記結晶性領域を含んでいればよく、結晶性領域と非結晶領域とが混在していてもよい。
前記結晶性を有するポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン類(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1など)、ポリアミド類(PA)(例えば、ナイロン−6など)、ポリアセタール類(POM)、ポリエステル類(例えば、PET、PEN、PTT、PBT、PPT、PHT、PBN、PES、PBSなど)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンサルファイド類(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン類(PEEK)、液晶ポリマー類(LCP)、フッ素樹脂、などが挙げられる。その中でも、力学強度や製造の観点から、ポリエステル類、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、液晶ポリマー類(LCP)が好ましく、ポリエステル類がより好ましい。また、これらのうちの2種以上のポリマーをブレンドしたり、共重合させたりして使用してもよい。
前記結晶性を有するポリマーの溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜700Pa・sが好ましく、70〜500Pa・sがより好ましく、80〜300Pa・sが更に好ましい。前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、溶融製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形状が安定し、均一に製膜しやすくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、溶融製膜時の粘度が適切になって押出ししやすくなったり、製膜時の溶融膜がレベリングされて凹凸を低減できたりする点で好ましい。
ここで、前記溶融粘度は、プレートタイプのレオメーターやキャピラリーレオメーターにより測定することができる。
前記結晶性を有するポリマーの極限粘度(IV)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4〜1.2が好ましく、0.6〜1.0がより好ましく、0.7〜0.9が更に好ましい。前記IVが0.4〜1.2であると、製膜されたフィルムの強度が高くなり、効率よく延伸することができる点で好ましい。
ここで、前記IVは、ウベローデ型粘度計により測定することができる。
前記結晶性を有するポリマーの融点(Tm)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜350℃が好ましく、100〜300℃がより好ましく、100〜260℃が更に好ましい。前記融点が40〜350℃であると、通常の使用で予想される温度範囲で形を保ちやすくなる点で好ましく、高温での加工に必要とされる特殊な技術を特に用いなくても、均一な製膜ができる点で好ましい。
ここで、前記融点は、示差熱分析装置(DSC)により測定することができる。
−ポリエステル樹脂−
前記ポリエステル類(以下、「ポリエステル樹脂」と称する。)は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子化合物の総称を意味する。したがって、前記結晶性を有するポリマーとして好適な前記ポリエステル樹脂としては、前記例示したPET(ポリエチレンテレフタエレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPT(ポリペンタメチレンテレフタレート)、PHT(ポリヘキサメチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PES(ポリエチレンサクシネート)、PBS(ポリブチレンサクシネート)だけでなく、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合反応によって得られる高分子化合物が全て含まれる。
前記ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、多官能酸などが挙げられ、中でも、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。前記脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。前記オキシカルボン酸としては、例えば、p−オキシ安息香酸などが挙げられる。前記多官能酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸の中では、コハク酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、コハク酸、アジピン酸がより好ましい。
前記ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコールなどが挙げられ、中でも、脂肪族ジオールが好ましい。
前記脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられ、中でも、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールが特に好ましい。前記脂環族ジオールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。前記芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜700Pa・sが好ましく、70〜500Pa・sがより好ましく、80〜300Pa・sが更に好ましい。前記溶融粘度が大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。また、前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、破断しづらくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形態が維持しやすくなって、安定的に成形できたり、製品が破損しにくくなったりするなど、物性が高まる点で好ましい。
前記ポリエステル樹脂の極限粘度(IV)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4〜1.2が好ましく、0.6〜1.0がより好ましく、0.7〜0.9が更に好ましい。前記IVが大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記IVが0.4〜1.2であると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。さらに、前記IVが0.4〜1.2であると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、装置に負荷がかかりにくい点で好ましい。加えて、前記IVが0.4〜1.2であると、製品が破損しにくくなって、物性が高まる点で好ましい。
前記ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性や製膜性などの観点から、150〜300℃が好ましく、160〜270℃がより好ましい。
なお、前記ポリエステル樹脂として、前記ジカルボン酸成分と前記ジオール成分とが、それぞれ1種で重合してポリマーを形成していてもよく、前記ジカルボン酸成分及び/又は前記ジオール成分が、2種以上で共重合してポリマーを形成していてもよい。また、前記ポリエステル樹脂として、2種以上のポリマーをブレンドして使用してもよい。
前記2種以上でのポリマーのブレンドにおいて、主たるポリマーに対して添加されるポリマーは、前記主たるポリマーに対して、溶融粘度及び極限粘度が近く、添加量が少量であるほうが、製膜時や溶融押出し時に物性が高まり、押出ししやすくなる点で好ましい。
また、前記ポリエステル樹脂の流動特性の改良、光線透過性の制御、塗布液との密着性の向上などを目的として、前記ポリエステル樹脂に対してポリエステル系以外の樹脂を添加しても良い。
−ポリオレフィン樹脂−
前記ポリオレフィン類(以下、「ポリオレフィン樹脂」と称する。)は、エチレンを基本とするαオレフィンを重合して得られるポリマーを意味する。前記結晶性を有するポリマーとして好適な前記ポリオレフィン樹脂としては、前記したように、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンがより好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜700Pa・sが好ましく、70〜500Pa・sがより好ましく、80〜300Pa・sが更に好ましい。前記溶融粘度が大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。また、前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、破断しづらくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50〜700Pa・sであると、製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形態が維持しやすくなって、安定的に成形できたり、製品が破損しにくくなったりするなど、物性が高まる点で好ましい。
また、前記ポリオレフィン樹脂として、異なる種類の樹脂により共重合されたものを使用してもよく、2種以上のポリマーをブレンドして使用してもよい。
前記2種以上でのポリマーのブレンドにおいて、主たるポリマーに対して添加されるポリマーは、前記主たるポリマーに対して、溶融粘度及び極限粘度が近く、添加量が少量であるほうが、製膜時や溶融押出し時に物性が高まり、押出ししやすくなる点で好ましい。
また、前記ポリオレフィン樹脂の流動特性の改良、光線透過性の制御、塗布液との密着性の向上などを目的として、前記ポリオレフィン樹脂に対してポリオレフィン系以外の樹脂を添加しても良い。
このように、本発明の空洞含有樹脂成形体は、従来技術において添加されていた無機系微粒子、相溶しない樹脂などの空洞形成剤を特に添加しなくても、簡便な工程でボイドを形成させることができる。さらに、不活性ガスを予め樹脂の中に溶け込ませるための特殊な設備も必要としない。なお、空洞含有樹脂成形体の製造方法については、後記する。
ここで、空洞含有樹脂成形体は、空洞の発現に寄与しない成分であれば、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。前記その他の成分としては、耐熱安定剤、酸化防止剤、有機の易滑剤、核剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤及び蛍光増白剤などが挙げられる。前記その他の成分が空洞の発現に寄与したかどうかは、空洞内又は空洞の界面部分に、結晶性を有するポリマー以外の成分(例えば、後記する各成分など)が検出されるかどうかで判別できる。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のヒンダードフェノール類を添加してもよい。前記ヒンダードフェノール類としては、例えば、イルガノックス1010、同スミライザーBHT、同スミライザーGA−80などの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
また、前記酸化防止剤を一次酸化防止剤として利用し、更に二次酸化防止剤を組み合わせて適用することもできる。前記二次酸化防止剤としては、例えば、スミライザーTPL−R、同スミライザーTPM、同スミライザーTP−Dなどの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
前記蛍光増白剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばユビテック、OB−1、TBO、ケイコール、カヤライト、リューコプア、EGMなどの商品名で市販されているものを用いることができる。なお、前記蛍光増白剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。このように蛍光増白剤を添加することで、より鮮明で青味のある白色性を与え、高級感を持たせることができる。
本発明の空洞含有樹脂成形体においては、空洞の発現に寄与する成分を使用せずに空洞を形成させることが可能なので、空洞部には、例えば熱可塑性樹脂や無機粒子などの空洞形成剤が含まれていない。即ち、本発明の空洞含有樹脂成形体の空洞部には、主に、熱伝導率の低い空気しか存在しないため、フィルムの熱伝導率は大幅に低下する。このような性質は、本発明の空洞含有樹脂成形体が、印字(印画)特性に優れた受像シートとして好適に利用できることを示す。
一方で、従来の空洞含有樹脂成形体においては、空洞形成剤を使用しなければ空洞を形成させることができないので、空洞部には空洞形成剤が含まれている。従来の空洞含有樹脂成形体の空洞部では、空洞形成剤が、本来開くべき空洞の一部を占有して、フィルム表面から裏面へ熱の通り道になったり(ブリッジ状に存在したり)、空洞形成剤そのものが高い熱伝導率を有するような場合には、この空洞形成剤がフィルムの表面から裏面への熱伝導を促進したり、ポリマー層内での熱伝導を促進したりする。
<空洞>
本発明の空洞含有樹脂成形体は、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有し、空洞含有率及び前記空洞のアスペクト比に特徴を有している。
前記空洞とは、樹脂成形体内部に存在する、真空状態のドメインもしくは気相のドメインを意味する。
前記空洞含有率とは、樹脂成形体の固相部分の総体積と含有される空洞の総体積の和に対する、前記含有される空洞の総体積を意味する。
前記空洞含有率としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、3体積%以上、50体積%以下が好ましく、5〜40体積%がより好ましく、10〜30体積%が更に好ましい。
ここで、前記空洞含有率は、比重を測定し、前記比重に基づいて算出することができる。
具体的には、前記空洞含有率は、下記の(1)式により求めることができる。
空洞含有率(%)={1−(延伸後の空洞含有樹脂成形体の密度)/(延伸前のポリマー成形体の密度)} ・・・(1)
前記アスペクト比とは、空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さをr(μm)として、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さをL(μm)とした際のL/r比を意味する。
前記アスペクト比としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10以上であることが好ましく、15以上がより好ましく、20以上が更に好ましい。
図2A〜2Cは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図2Aは、空洞含有樹脂成形体の斜視図であり、図2Bは、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のA−A’断面図であり、図2Cは、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のB−B’断面図である。
前記空洞含有樹脂成形体の製造工程において、前記空洞は、通常、第一の延伸方向に沿って配向する。したがって、前記「空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さ(r(μm))」は、空洞含有樹脂成形体1の表面1aに垂直で、かつ、第一の延伸方向に直角な断面(図2AにおけるA−A’断面)における空洞100の平均の厚みr(図2B参照)に相当する。また、「前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さ(L(μm))」は、前記空洞含有樹脂成形体の表面に垂直で、かつ、前記第一の延伸方向に平行な断面(図2AにおけるB−B’断面)における空洞100の平均の長さL(図2C参照)に相当する。
なお、前記第一の延伸方向とは、延伸が1軸のみの場合には、その1軸の延伸方向を示す。通常は、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸を行うため、この縦延伸の方向が前記第一の延伸方向に相当する。
また、延伸が2軸以上の場合には、空洞形成を目的とした延伸方向のうち少なくとも1方向を示す。通常は、2軸以上の延伸においても、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸が行われ、かつ、この縦延伸により空洞を形成することが可能であるため、この縦延伸の方向が前記第一の延伸方向に相当する。
ここで、空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さ(r(μm))は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。同様に、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さ(L(μm))は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。
このように、前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有していることにより、例えば、熱伝導率などにおいて、様々な優れた特性を有している。言い換えると、前記空洞含有樹脂成形体に含有される空洞の態様を変化させることで、熱伝導率などの特性を調節することができる。
−熱伝導率−
前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率としては、0.1(W/mK)以下であることが好ましく、0.09(W/mK)以下であることがより好ましく、0.08(W/mK)以下であることが更に好ましい。
また、前記空洞含有樹脂成形体の好適な熱伝導率は、相対的な値として規定することもできる。即ち、前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率をX(W/mK)として、前記空洞含有樹脂成形体と同じ厚さで、前記空洞含有樹脂成形体を構成するポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体の熱伝導率をY(W/mK)とした際のX/Y比が、0.27以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.15以下であることが更に好ましい。
ここで、前記熱伝導率は、熱拡散率、比熱、密度の測定値の積によって算出することができる。前記熱拡散率は一般的にはレーザーフラッシュ法(例えば、TC−7000((株)真空理工製))により測定できる。前記比熱はDSCによりJIS K7123に記載の方法に従って測定できる。前記密度は一定面積の質量とその厚みを測定することにより、算出することができる。
さらに、前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しつつも、従来技術において添加されていた、空洞を発現するための無機系微粒子、相溶しない樹脂、不活性ガスなどが添加されていないため、優れた表面平滑性を有している。
前記空洞含有樹脂成形体の表面平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Ra=0.3μm以下が好ましく、Ra=0.25μm以下が更に好ましく、Ra=0.1μm以下が特に好ましい。
更に、前記空洞含有樹脂成形体は、成形体表面だけでなく、成形体表面から所定の距離においても空洞が形成されていないことを特徴とする。
即ち、前記空洞含有樹脂成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、前記空洞の中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の前記空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たす。
但し、Tは、前記断面における厚みの算術平均値を表し、10個の前記空洞は、前記厚み方向に平行な任意の一の直線と、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線とで挟まれた領域内に存在する空洞の中から選択される。
前記「空洞の中心」とは、前記断面における空洞の断面形状が、真円である場合にはその中心を意味し、それ以外の形状の場合には、例えば、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とする。
前記「空洞含有樹脂成形体の表面」とは、厚み方向における、空洞含有樹脂成形体の最外面を意味する。通常、前記空洞含有樹脂成形体を載置したときの上面を意味する。
具体的には、空洞含有樹脂成形体の表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面(図2D参照)を、走査型電子顕微鏡を用いて300〜3000倍の適切な倍率で検鏡し、断面写真を撮像する。前記断面写真内において、厚みの算術平均値Tを算出する。厚みの算術平均値Tとして、ロングレンジ接触式変位計などを用いて測定された厚さを用いてもよい。また、厚みの測定には、アンリツ製FILM THICKNESS TESTER KG601Bなども用いることができる。
次に、前記断面写真内において、厚み方向に平行な任意の一の直線を描画し、更に、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線を描画する。
そして、断面写真内の各空洞において、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とする。
そして、前記一の直線と前記他の直線とで挟まれた領域内において、空洞の中心から空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の空洞を選択する。なお、前記「空洞の中心から空洞含有樹脂成形体の表面までの距離」は、前記「空洞の中心」を中心とした円を描画する際に、描画する円の半径を順次大きくし、円弧が最初に空洞含有樹脂成形体の表面に接したときの円の半径とする。
そして、選択した10個の空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)を下記(2)式により算出する。
h(avg)=(Σh(i))/10 ・・・(2)
なお、前記「各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)」は、前記空洞含有樹脂成形体が、湾曲していたり、応力がかかっていたりすると、正確に測定することができないため、測定の際には平面状に載置した状態で測定することが好ましい。
前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しつつも、空洞含有樹脂成形体の表面近くに空洞が形成されていないため、優れた表面平滑性を有している。
(空洞含有樹脂成形体の製造方法)
前記空洞含有樹脂成形体の製造方法としては、少なくともポリマー成形体を延伸する延伸工程を含み、更に必要に応じて製膜工程などのその他の工程を含んでなる。
なお、前記ポリマー成形体とは、前記結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物からなり、特に空洞を含有していないものを示し、例えば、ポリマーフィルム、ポリマーシートなどが挙げられる。
−延伸工程−
前記延伸工程では、前記ポリマー成形体が少なくとも1軸に延伸される。そして、前記延伸工程により、ポリマー成形体が延伸されるとともに、その内部に第一の延伸方向に沿って配向した空洞が形成されることで、空洞含有樹脂成形体が得られる。
延伸により空洞が形成される理由としては、前記ポリマー成形体を構成する少なくとも1種類の結晶性を有するポリマーが、微小な結晶領域又は分子のあるレベルでの規則性を持った微小な領域を形成することによって、延伸時に伸張し難い結晶又は微細構造領域を含む相間の樹脂が引きちぎられるような形で、剥離延伸されることにより、これが空洞形成源となって、空洞が形成されるものと考えられる。
なお、このような延伸による空洞形成は、結晶性を有するポリマーが1種類の場合だけではなく、2種類以上の結晶性を有するポリマーが、ブレンド又は共重合されている場合であっても可能である。
前記延伸の方法としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、例えば、1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸が挙げられるが、いずれの延伸方法においても、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸が行われることが好ましい。
一般に、縦延伸においては、ロールの組合せやロール間の速度差により、縦延伸の段数や延伸速度を調節することができる。
前記縦延伸の段数としては、1段以上であれば特に制限はないが、より安定して高速に延伸することができる点及び製造の歩留まりや機械の制約の点から、2段以上に縦延伸することが好ましい。また、2段以上に縦延伸することは、1段目の延伸によりネッキングの発生を確認したうえで、2段目の延伸により空洞を形成させることができる点においても、有利である。
なお、2段目以降の延伸における延伸条件(例えば、延伸速度、延伸温度など)は、1段目の延伸条件と同じでもよく、異なっていてもよい。
−−延伸速度−−
前記縦延伸の延伸速度としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜36,000mm/minが好ましく、800〜24,000mm/minがより好ましく、1,200〜12,000mm/minが更に好ましい。前記延伸速度が、10mm/min以上であると、充分なネッキングを発現させやすい点で好ましい。また、前記延伸速度が、36,000mm/min以下であると、均一な延伸がしやすくなり、樹脂が破断しづらくなり、高速延伸を目的とした大型な延伸装置を必要とせずにコストを低減できる点で好ましい。したがって、前記延伸速度が、10〜36,000mm/minであると、充分なネッキングを発現させやすく、かつ、均一な延伸がしやすくなり、樹脂が破断しづらくなり、高速延伸を目的とした大型な延伸装置を必要とせずにコストを低減できる点で好ましい。
より具体的には、1段延伸の場合の延伸速度としては、1,000〜36,000mm/minが好ましく、1,100〜24,000mm/minがより好ましく、1,200〜12,000mm/minが更に好ましい。
2段延伸の場合には、1段目の延伸を、ネッキングを発現させることを主なる目的とした予備的な延伸とすることが好ましい。前記予備的な延伸の延伸速度としては、10〜300mm/minが好ましく、40〜220mm/minがより好ましく、70〜150mm/minが更に好ましい。
そして、2段延伸における、前記予備的な延伸(1段目の延伸)によりネッキングを発現させた後の2段目の延伸速度は、前記予備的な延伸の延伸速度と変えることが好ましい。前記予備的延伸によりネッキングを発現させた後の、2段目の延伸速度としては、600〜36,000mm/minが好ましく、800〜24,000mm/minがより好ましく、1,200〜15,000mm/minが更に好ましい。
前記延伸速度の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができるが、例えば、以下の方法により測定できる。
バッチ式の場合には、ポリマー成形体の端部を把持したクランプが、延伸方向へ移動する際の移動速度、即ち、クランプの移動距離/クランプの移動に要した時間(mm/min)、を延伸速度とする。本実施形態において規定される延伸速度は、特に記載のない限り、前記バッチ式の場合の延伸速度である。
また、ポリマー成形体が2対(又はそれ以上)のニップロールを通過する際の、ニップロールの表面速度の差によって、ポリマー成形体が延伸される場合(一般に、「Roll to Roll延伸」という。)には、ポリマー成形体の把持位置がニップロールで固定されており、移動しない。したがって、前記Roll to Roll延伸の場合には、延伸された倍率/延伸に要した時間(%/min)、を延伸速度とする。なお、前記ニップロールは、図1におけるロール15aに相当する。
なお、前記バッチ式における延伸速度と、前記Roll to Roll延伸における延伸速度とは、いずれかの延伸方法において、ポリマー成形体の延伸前の長さ(mm)及び延伸後の長さ(mm)を測定していれば、互いに換算することが可能である。バッチ式における延伸速度から、Roll to Roll延伸における延伸速度に換算した例を表1に示す。
−−延伸温度−−
延伸時の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
延伸温度をT(℃)、結晶性を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、
(Tg−30)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することが好ましく、
(Tg−25)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することがより好ましく、
(Tg−20)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することが更に好ましい。
一般に、延伸温度(℃)が高いほど延伸張力も低めに抑えられて容易に延伸できるが、前記延伸温度(℃)が、{ガラス転移温度(Tg)−30}℃以上、{ガラス転移温度(Tg)+50}℃以下であると、空洞含有率が高くなり、アスペクト比が10以上になりやすく、充分に空洞が発現する点で好ましい。
ここで、前記延伸温度T(℃)は、非接触式温度計により測定することができる。また、前記ガラス転移温度Tg(℃)は、示差熱分析装置(DSC)により測定することができる。
なお、前記延伸工程において、空洞の発現の妨げにならない範囲で、横延伸はしてもよく、しなくてもよい。また横延伸をする場合には、横延伸工程を利用してフィルムを緩和させたり、熱処理を行ったりしてもよい。
また、延伸後の空洞含有樹脂成形体は、形状安定化などの目的で、更に熱を加えて熱収縮させたり、張力を加えたりする等の処理をしても良い。
前記ポリマー成形体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性を有するポリマーがポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂である場合には、溶融製膜方法により好適に製造することができる。
また、前記ポリマー成形体の製造は、前記延伸工程と独立に行ってもよく、連続的に行ってもよい。
図1は、本発明の空洞含有樹脂成形体の製造方法の一例を示す図であって、二軸延伸フィルム製造装置のフロー図である。図1に示す二軸延伸フィルム製造装置は、Roll to Roll延伸を行うフィルム製造装置である。
図1に示すように、原料樹脂(ポリマー組成物)11は、押出機12(原料形状や、製造規模によって、二軸押出機を用いたり、単軸押出し機を用いたりする)内部で熱溶融、混練された後、Tダイ13から柔らかい板状(フィルム又はシート状)に吐出される。
次に、吐出されたフィルム又はシートFは、キャスティングロール14で冷却固化されて、製膜される。製膜されたフィルム又はシートF(「ポリマー成形体」に相当する)は、縦延伸機15に送られる。
そして、製膜されたフィルム又はシートFは、縦延伸機15内で再び加熱され、速度の異なるロール15a間で、縦に延伸される。この縦延伸により、フィルム又はシートFの内部に延伸方向に沿って空洞が形成される。そして、空洞が形成されたフィルム又はシートFは、横延伸機16の左右のクリップ16aで両端を把持されて、巻取機側(図示せず)へ送られながら横に延伸されて、空洞含有樹脂成形体1となる。なお、前記工程において、縦延伸のみを行ったフィルム又はシートFを横延伸機16に供さず、空洞形成樹脂成形体1として使用してもよい。
<用途>
本発明の空洞含有樹脂成形体は、高い表面平滑性を備えつつ、前記空洞を含有していることにより優れた断熱性を有しているため、昇華転写記録材料又は熱転写記録材料に対応できる受像フィルム素材又は受像シート素材として最適であり、また、各種断熱材として利用することができる。
(昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシート)
前記昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシートは、支持体上に染料受容層(受容層)が形成されていて、受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましい。前記下地層としては、例えば、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などが挙げられる。また、下地層と支持体との間には断熱層が形成されていることが好ましい。本発明の空洞含有樹脂成形体(空洞含有樹脂フィルム又はシート)は、前記断熱層に用いることが好ましい。支持体と受容層との間にある各層を単に「中間層」といい、「中間層」には前記した下地層や断熱層が含まれる。本発明の昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシートは、少なくとも1層の受容層及び少なくとも1層の中間層を含有する。支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。
前記支持体、受容層、下地層などの層の、構成、構成成分及び製造方法についての詳細は、特開2007−30275号公報などを参照することができる。
前記各層を形成する方法としては、例えば、グラビアリバースコート、リバース(ロール)コート、グラビアコート、ナイフコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ビルブレードコート、回転スクリーンコート、ロッドコート、バーコート、ロールコート、ゲートロールコート、ブラシコート、スプレーコート、カーテンコート、ビードコート、スロットオリフィスコート、ダイスロットコート、ダイコート、エクストルージョンコートなどの方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全ての本発明の技術的範囲に包含される。
本実施例は、本発明の要件を満たす(空洞含有)樹脂フィルム(実施例1〜13)と、要件を満たさない樹脂フィルム(比較例1〜5)を調製し、その特性についての評価を行った実施例である。
なお、本実施例においては、ポリマーフィルムの延伸を全てバッチ式でおこなった。
<実施例1>
IV=0.72であるPBT1(ポリブチレンテレフタレート100%樹脂)を溶融押出機を用いて245℃でTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約120μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、40℃の加温雰囲気下で、100mm/minの速度で1軸延伸し、ネッキングが発生したことを確認した後、6,000mm/minの速度で、初めと同一方向に更に1軸延伸した。
<実施例2>
実施例1において、延伸温度を30℃にしたこと、ポリマーフィルムの厚みを約50μmにしたこと、2段目の縦延伸速度を、6,000mm/minに代えて、12,000mm/minで延伸したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製した。
<実施例3>
IV=0.72であるPBT1(ポリブチレンテレフタレート100%樹脂)を溶融押出機を用いて245℃でTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約100μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、40℃の加温雰囲気下で、2,400mm/minの速度で1軸延伸した。
<実施例4>
実施例3において、1段目の縦延伸速度を、2,400mm/minに代えて、8,000mm/minで延伸したこと以外は、実施例3と同様にして樹脂フィルムを作製した。
<実施例5>
実施例3において、1段目の縦延伸速度を、2,400mm/minに代えて、11,000mm/minで延伸したこと以外は、実施例3と同様にして樹脂フィルムを作製した。
<実施例6>
実施例1で使用したPBT1とIV=0.67であるPET(富士フイルム株式会社製)とを、PBT1:PET=90:10で混合したものを、溶融押出機を用いて285℃でTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約55μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、60℃の加温雰囲気下で、100mm/minの速度で1軸延伸し、ネッキングが発生したことを確認した後、4,000mm/minの速度で、初めと同一方向に更に1軸延伸した。
<実施例7>
実施例1で使用したPBT1とIV=0.67であるPET(富士フイルム株式会社製)とを、PBT1:PET=95:5で混合したものを、溶融押出機を用いて285℃でTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約100μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、60℃の加温雰囲気下で、5,600mm/minの速度で1軸延伸した。
<実施例8>
実施例1で使用したPBT1とIV=0.67であるPET(富士フイルム株式会社製)とを、PBT1:PET=80:20で混合したものを、溶融押出機を用いて285℃でTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約100μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、70℃の加温雰囲気下で、100mm/minの速度で1軸延伸し、ネッキングが発生したことを確認した後、5,000mm/minの速度で、初めと同一方向に更に1軸延伸した。
<実施例9>
IV=0.86であるPBT2(ポリブチレンテレフタレート100%樹脂)を溶融押出機を用いて250℃でTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約80μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、40℃の加温雰囲気下で、4,800mm/minの速度で1段で1軸延伸した。
<実施例10>
IV=0.67であるPBS(ポリブチレンサクシネート100%樹脂)を溶融押出機を用いて175℃でTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約135μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、15℃の加温雰囲気下で、100mm/minの速度で1軸延伸し、ネッキングが発生したことを確認した後、6,000mm/minの速度で、初めと同一方向に更に1軸延伸した。
<実施例11>
実施例10において、ポリマーフィルムの厚みを約100μmにしたこと、1段目の縦延伸速度を、100mm/minに代えて、4,800mm/minで延伸したこと、2段目の延伸を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製した。
<実施例12>
IV=0.70であるPHT(ポリヘキサメチレンテレフタレート100%樹脂)を溶融押出機を用いてTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約100μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、20℃の加温雰囲気下で、5,200mm/minの速度で1軸延伸した。
<実施例13>
isotacticPP(ポリプロピレン100%樹脂、アルドリッチ社製、Mw=19万、Mn=5万、MFI=35(ASTMD1238)、IV=不明)を溶融押出機を用いてTダイから押出し、キャスティングドラムで固化させて、厚さ約150μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムを1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、35℃の加温雰囲気下で、12,000mm/minの速度で1軸延伸した。
<比較例1>
実施例1において、延伸温度を、40℃に代えて、5℃で延伸したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製した。
なお、比較例1は、1段目の縦延伸を始めた途端に破断した。
<比較例2>
実施例1において、延伸温度を、40℃に代えて、100℃で延伸したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製した。
なお、比較例2は、1段目の縦延伸の後に、ネッキングの発生が確認されず、2段目の延伸でも空洞が発現しなかった。
<比較例3>
実施例1において、1段目の縦延伸速度を、100mm/minに代えて、40,000mm/minで延伸した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製した。
なお、比較例3は、1段目の縦延伸を始めた途端に破断した。
<比較例4>
樹脂フィルムとして、クリスパーボイドPET(K2323)(東洋紡社製)を用いた。前記クリスパーボイドPET(K2323)は、PET樹脂に対して、空洞発現成分として無機粒子が含有されている。
<比較例5>
樹脂フィルムとして、トヨパールSS(東ソー株式会社製)を用いた。前記トヨパールSSは、ポリプロピレン樹脂に対し、空洞発現成分として無機粒子が含有されている。
本実施例で作製・入手した実施例1〜13及び比較例1〜5の樹脂フィルムについて、表2及び表3にまとめて示す。
−評価方法−
前記実施例1〜13及び比較例1〜5の樹脂フィルムについて、下記の評価を行った。
(1)厚さの測定
キーエンス社製、ロングレンジ接触式変位計AF030(測定部)、AF350(指示部)を用いて測定した。
(2)熱伝導率の測定
熱拡散率は TC−7000((株)真空理工製)を用いて測定した。樹脂フィルム両面をスプレーにより黒化し室温で測定した。密度、比熱は後述の方法で測定し、3つの測定値の積から熱伝導率を求めた。
(3)密度の測定
樹脂フィルムから一定面積を切り取り、その質量を天秤で測定し、その厚みを膜厚計で測定し、質量を体積で割ることで密度を求めた。
(4)比熱の測定
JIS K7123に記載の方法で求めた。DSCとしては、Q1000(TAインスツルメント社製)を用いた。
(5)表面平滑性の測定
光干渉式三次元形状解析装置NewView5022(Zygo社製)を用い、対物レンズ50倍で測定した。
(6)空洞含有率の測定
比重を測定し、この比重に基づいて算出した。
具体的には、空洞含有率を下記の(1)式により算出した。
空洞含有率(%)={1−(延伸後の樹脂フィルムの密度)/(延伸前のポリマーフィルムの密度)} ・・・(1)
(7)アスペクト比の測定
樹脂フィルムの表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面(図2B参照)と、前記樹脂フィルムの表面に垂直で、かつ、前記縦延伸方向に平行な断面(図2C参照)を、走査型電子顕微鏡を用いて300〜3000倍の適切な倍率で検鏡し、前記各断面写真において測定枠をそれぞれ設定した。この測定枠は、その枠内に空洞が50〜100個含まれるように設定した。また、前記走査型電子顕微鏡による検鏡により、空洞が縦延伸方向に沿って配向していることを確認した。
次に、測定枠に含まれる空洞の数を計測し、前記縦延伸方向に直角な断面の測定枠(図2B参照)に含まれる空洞の数をm個、前記縦延伸方向に平行な断面の測定枠(図2C参照)に含まれる空洞の数をn個とした。
そして、前記縦延伸方向に直角な断面の測定枠(図2B参照)に含まれる空洞の1個ずつの厚み(r)を測定し、その平均の厚さをrとした。また、前記縦延伸方向に平行な断面の測定枠(図2C参照)に含まれる空洞の1個ずつの長さ(L)を測定し、その平均の長さをLとした。
即ち、r及びLは、それぞれ下記の(3)式及び(4)式で表すことができる。
r=(Σr)/m ・・・(3)
L=(ΣL)/n ・・・(4)
そして、L/rを算出し、アスペクト比とした。
(8)印字品質評価
−感熱転写記録用受像シートの作製−
まず、実施例1〜13及び比較例1〜5の樹脂フィルム表面に、以下に記載する処理を施し、感熱転写記録用受像シートを作製した。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。その片面層の上に、実施例1〜13及び比較例1〜5の樹脂フィルムをそれぞれ、熱によりラミネートし、断熱層を設けた。次に、下記組成の白色中間層、受容層の順にバーコーターにより塗布を行った。それぞれ、乾燥時の塗布量が、白色中間層1.0g/m、受容層4.0g/mとなるように塗布を行った。乾燥は各層につき、110℃で30秒間行った。
−−白色中間層−−
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 10質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90質量部
−−受容層−−
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 100質量部
(ソルバインA、商品名、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−300E)
メチルエチルケトン/トルエン(=1/1) 400質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 5質量部
(Tinuvin900、商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
−印字方法−
次に、カラープリンターとして、富士フイルム株式会社製 フジックス VP8100を用い、専用リボンをセットして、前記感熱転写記録用受像シートの受容層形成面にテスト印字を行い、テスターによる官能試験により評価した。なお、感熱転写記録用受像シートには粘着剤の付いた上質紙(厚さ約130μ)で裏打ちを行ってテストに供した。
前記テスト印字は、前記カラープリンターの熱転写ヘッドの出力を通常の出力で印字する印字テスト1、及び、前記カラープリンターの熱転写ヘッドの出力を通常の60%の出力で印字する印字テスト2、を行った。
−評価基準−
前記印字テスト1及び印字テスト2における評価基準は以下の通りである。
◎・・・画像のムラ、かすれもなく、良好。
○・・・画像のムラ、かすれもなく、印字濃度も充分である。淡色部分が僅かに薄くなる傾向が見られるが、比較しなければ分からないレベルであり、実用上問題ない。
△・・・淡色部分にごく僅かのムラが見られるが、実用上問題ない。
×・・・イエロー、マゼンタ、シアンの色のうちいずれかにかすれが見られ、その部分は画像の色が僅かに受像シート側に転写されず、色が一部分、不連続に薄くなる(以下、「色が飛ぶ」と称する)。黒ベタ部分に「白ポツ」(本来色が付くべき微小な部分に色が付かずに白く抜ける。)が観察される。実用上問題がある。
(9)フィルム表面に最も近くに位置する空洞からフィルム表面までの距離の測定
樹脂フィルムの表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面(図2D参照)を、走査型電子顕微鏡を用いて300〜3000倍の適切な倍率で検鏡し、断面写真を撮像した。
撮像の際には、前記樹脂フィルムを平面状に載置した状態で走査型電子顕微鏡にセットして撮像した。
前記断面写真内において、厚みの算術平均値Tを算出した。各樹脂フィルムにおいて算出された厚みの算術平均値Tは、上記「(1)厚さの測定」で測定された厚さ(表4、5参照)と同じであった。
次に、前記断面写真内において、厚み方向に平行な任意の一の直線を描画し、更に、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線を描画した。また、前記走査型電子顕微鏡による検鏡により、空洞が縦延伸方向に沿って配向していることを確認した。
そして、断面写真内の各空洞において、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とした。
そして、前記一の直線と前記他の直線とで挟まれた領域内において、空洞の中心から樹脂フィルム上面までの距離が最も近い10個の空洞を選択した。なお、前記「空洞の中心から樹脂フィルム上面までの距離」は、前記「空洞の中心」を中心とした円を描画する際に、描画する円の半径を順次大きくし、円弧が最初に樹脂フィルムの表面に接したときの円の半径とした。
そして、選択した10個の空洞について、各中心から前記樹脂フィルムの上面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)を下記(2)式により算出した。
h(avg)=(Σh(i))/10 ・・・(2)
本実施例の結果によれば、本発明の空洞含有樹脂成形体は、結晶性を有するポリマーのみからなる空洞を含有するため、空洞部に熱可塑性樹脂や無機粒子といった空洞発現剤(熱伝導率を大きくする成分)が存在しないため、熱伝導率が小さく、しかも延伸前の熱伝導率に比べて大きく減少している(X/Y比が小さい)ことを確認した。
そして、空洞が、空洞含有樹脂成形体の内部にしか生じないという予想しない結果により表面平滑性が非常に良好であることもわかった。それらの物性により印字特性が非常に良好であることも示された。
特に、印字テスト1、2の結果から、本発明の空洞含有樹脂成形体は、熱転写ヘッドの出力を通常の出力で印字したときだけでなく、通常の60%の出力で印字したときであっても、実用上問題のないレベルで受像が得られることを確認した。
一方、樹脂が同じでも延伸条件が適さないと、本発明の空洞含有樹脂成形体が製造できないことが、比較例1〜3により示された。
また、印字テスト1、2の結果から、空洞形成剤により空洞が形成されたフィルムである比較例4、5においては、熱転写ヘッドの出力を通常の出力で印字したときには、実用上問題のないレベルで受像が得られるが、通常の60%の出力で印字したときには、得られる受像が実用上問題となるレベルであることを確認した。この理由は、比較例4、5においては、空洞内に空洞形成剤が、本来開くべき空洞の一部を占有して、フィルム表面から裏面への熱の通り道になったり(ブリッジ状に存在したり)、空洞形成剤そのものが高い熱伝導率を有するような場合には、この空洞形成剤がフィルムの表面から裏面への熱伝導を促進したり、ポリマー層内での熱伝導を促進したりしていると考えられる。
また、空洞形成剤を含有している空洞含有樹脂成形体の表面は、比較的粗くなりやすく、そのため、受像シートの、転写ヘッドへの当りが一様になりづらくなり、色が飛びやすくなると考えられる。
なお、本実施例の感熱転写記録用受像シートの断面切削をして断面写真(SEM)を測定したところ、実施例1〜13の樹脂フィルムを用いて作製した感熱転写記録用受像シートにおいては、断熱層の空洞が保存されていた。
図1は、図1は、本発明の空洞形成樹脂成形体の製造方法の一例を示す図であって、二軸延伸フィルム製造装置のフロー図である。 図2Aは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、空洞含有樹脂成形体の斜視図である。 図2Bは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のA−A’断面図である。 図2Cは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のB−B’断面図である。 図2Dは、フィルム表面から最も近くに位置する10個の空洞の、フィルム表面からの距離を測定する方法を説明するための図であって、図2AにおけるA−A’断面図である。
符号の説明
1 空洞含有樹脂成形体
1a 表面
100 空洞
L アスペクト比における空洞の長さ
r アスペクト比における空洞の厚み

Claims (7)

  1. 結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物からなり、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有する空洞含有樹脂成形体であって、
    前記空洞含有樹脂成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、前記空洞の中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の前記空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たし、
    [但し、Tは、前記断面における厚みの算術平均値を表し、10個の前記空洞は、前記厚み方向に平行な任意の一の直線と、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線とで挟まれた領域内に存在する空洞の中から選択される。]
    かつ、前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率をX(W/mK)として、前記空洞含有樹脂成形体と同じ厚さで、前記空洞含有樹脂成形体を構成するポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体の熱伝導率をY(W/mK)とした際のX/Y比が、0.27以下であることを特徴とする空洞含有樹脂成形体。
  2. 結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物からなり、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有する空洞含有樹脂成形体であって、
    前記空洞含有樹脂成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、前記空洞の中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の前記空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たし、
    [但し、Tは、前記断面における厚みの算術平均値を表し、10個の前記空洞は、前記厚み方向に平行な任意の一の直線と、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線とで挟まれた領域内に存在する空洞の中から選択される。]
    かつ、熱伝導率が、0.1(W/mK)以下であることを特徴とする空洞含有樹脂成形体。
  3. 空洞含有率が、3体積%以上、50体積%以下であり、
    空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さをr(μm)として、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さをL(μm)とした際のL/r比が、10以上である請求項1から2のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体。
  4. 結晶性を有するポリマーが、ポリエステル類及びポリオレフィン類のうち少なくともいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体。
  5. ポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体を、10〜36,000mm/minの速度で、かつ、
    延伸温度をT(℃)、結晶性を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、
    (Tg−30)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
    で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することにより形成された空洞を含む請求項1から4のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体の製造方法であって、
    ポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体を、10〜36,000mm/minの速度で、かつ、
    延伸温度をT(℃)、結晶性を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、
    (Tg−30)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
    で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸する工程を含む空洞含有樹脂成形体の製造方法。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体を含有する昇華転写記録材料用又は熱転写記録材料用の受像フィルム又はシート。
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