JP2009190731A - 回転式ポンプを用いた車両用ブレーキ装置 - Google Patents

回転式ポンプを用いた車両用ブレーキ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブレーキ液圧制御に回転式ポンプを用いる場合において、ポンプ効率の向上を図る。
【解決手段】凹部150aを深くしてポンプ本体100の先端と凹部150aの底面との間にスペースを形成し、ポンプ本体100のうち凹部150aへの挿入方向先端位置に中心孔72aへのブレーキ液の流動を防止するキャップ部材221を配置すると共に、キャップ部材221と凹部150aの底面との間にピストン部222を配置し、ピストン部222の両側に2つの背室223、224が形成されるようにする。そして、背室223を回転式ポンプ13の吐出口63に接続し、背室224を回転式ポンプ10の吐出口61に接続する。これにより、回転式ポンプ10、13を作動させることによって各回転部に高圧が発生すると、各背室223、224に高圧が発生し、ポンプ本体100の先端を押圧するように作用させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、トロコイドポンプ等の回転式ポンプを用いてブレーキ液圧制御を行なう車両用ブレーキ装置に関する。
従来、ABSアクチュエータを有する車両用ブレーキ装置では、ABSアクチュエータ用のポンプとしてプランジャタイプのものが用いられていた。
しかしながら、ABSのみでなく通常のブレーキ時のブレーキ電子制御の要望に応えるためには、プランジャタイプのポンプでは静粛性に難があり、現在では回転式ポンプ、例えばトロコイドポンプを使用するタイプのポンプが着目されてきている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−117876号公報
ABSアクチュエータは、例えばアルミ等で構成された金属製のハウジングに各種制御弁やポンプ、及びモータ等を組み付けることによって構成される。上記回転式ポンプの場合、インナーロータ及びアウターロータからなる回転部駆動用のシャフトの軸方向に回転式ポンプの外形を形作る各種部材、すなわち、回転部の外周を囲う中央プレートや回転部に連通する吸入口・吐出口が形成されたシリンダ等を並べると共に、隣り合う中央プレートとシリンダとの外周を溶接して一体化させた上で、ハウジングに形成された凹部内にかしめ等によって組み付けることになる。
しかしながら、ブレーキ液圧制御の場合には回転式ポンプ内、特に吐出口側が非常に高圧になるため、中央プレートと共に回転部を挟み込んでいるシリンダが押し広げられる方向に変形し、シリンダの端面と回転部との間の隙間が広がってしまって、吐出量低下によるポンプ効率の低下が生じるという問題が生じ得る。
また、中央プレートとシリンダとの外周の溶接部分に応力が繰り返し加えられることから、溶接部の信頼性の問題もある。
本発明は上記点に鑑みて、ブレーキ液圧制御に回転式ポンプを用いる場合において、ポンプ効率の向上を図ることを目的とする。また、中央プレートとシリンダとの外周の溶接部分の信頼性向上を図ることも目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ハウジングの凹部の底面とポンプ本体の先端部の間には背室(223、224)が形成されており、該背室が2つの回転式ポンプの少なくとも一方における吐出口と連通した構成となっており、吐出口での吐出圧の上昇に伴い背室が高圧になると、シリンダを回転部側から押し広げようとする力を打ち消すように背室の圧力がポンプ本体の先端部に作用し、シリンダの変形が抑制されることを特徴としている。
このように2つの回転式ポンプの少なくとも一方における吐出口と背室とを連通させることにより、背室に吐出口と同様のブレーキ液圧を導入することができ、ポンプ本体の先端に軸方向の力を加えることができる。これにより、シリンダの端面を押し広げようとする力と狭めようとする力とがバランスされ、シリンダの変形が防止される。これにより、回転式ポンプの吐出量が正常に保たれるようにできる。
請求項2に記載の発明では、2つの回転式ポンプそれぞれの吐出口が別々の背室と連通しており、各背室に発生する各圧力をポンプ本体の先端部に作用させることを特徴としている。
このように、各背室に発生する各圧力がポンプ本体を押圧するように作用する。従って、各回転部に発生する高圧に応じた圧力でポンプ本体の先端を押圧し、ポンプ本体に駆動軸の軸方向の力を発生させているため、各回転式ポンプが高圧になって各シリンダを押し広げようとしても、上記軸力によって打ち消される。これにより、請求項1に記載の効果を得ることができる。
例えば、請求項3に示すように、ハウジングの凹部内に配置されたピストン部により、凹部の底面とポンプ本体の先端部の間のスペースを分離して第1、第2の背室を構成し、凹部の底面側に位置する第1の背室が2つの回転式ポンプのうちの一方に備えられた吐出口に連通され、ポンプ本体側に位置する第2の背室が2つの回転式ポンプのうちの他方に備えられた吐出口に連通されるようにし、第1の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいてピストン部がポンプ本体の先端部を押圧するように構成し、第2の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいてポンプ本体の先端部を直接液圧で押圧するように構成すれば良い。
また、請求項4に示すように、ポンプ本体の先端部とハウジングの凹部の底面との間に配置され、断面コの字状のコップ形状を成すと共にコップ形状の入口側がフランジ状に構成されてなるピストン部(240)と、内周壁が段付き形状とされた凹部とによって第1、第2の背室を構成され、凹部の底面側に位置する第1の背室が2つの回転式ポンプのうちの一方に備えられた吐出口に連通され、ポンプ本体側に位置する第2の背室が2つの回転式ポンプのうちの他方に備えられた吐出口に連通されるようにし、第1の背室もしくは第2の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいてピストン部がポンプ本体の先端部を押圧するように構成しても良い。
また、請求項5に示すように、ポンプ本体のうち最も先端側に位置するシリンダに形成された段差部と、内周壁が段付き形状とされたハウジングの凹部とによって第1、第2の背室を構成し、凹部の底面側に位置する第1の背室が2つの回転式ポンプのうちの一方に備えられた吐出口に連通され、ポンプ本体側に位置する第2の背室が2つの回転式ポンプのうちの他方に備えられた吐出口に連通されるようにし、第1の背室もしくは第2の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいてポンプ本体の先端部を直接液圧で押圧するように構成しても良い。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態におけるブレーキ装置の配管構成を示す図である。 図1に示すブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。 図2のA−A断面図である。 回転式ポンプ10とスリット部90a、90bとのレイアウト構成を示す図である。 第2実施形態におけるブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。 第3実施形態におけるブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。 第4実施形態におけるブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。 第5実施形態におけるブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。 第6実施形態におけるブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
図1に、回転式ポンプとして内接型ギアポンプ(トロコイドポンプ)を適用したブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。以下、ブレーキ装置の基本構成を図1に基づいて説明する。ここでは前輪駆動の4輪車において、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に本発明によるブレーキ装置を適用した例について説明する。
図1に示すように、ブレーキペダル1は倍力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレーキ踏力等が倍力される。
そして、倍力装置2は、倍力された踏力をマスタシリンダ3に伝達するブッシュロッド等を有しており、このブッシュロッドがマスタシリンダ3に配設されたマスタピストンを押圧することによりマスタシリンダ圧が発生する。なお、これらブレーキペダル1、倍力装置2及びマスタシリンダ3はブレーキ液圧発生手段に相当する。
また、このマスタシリンダ3には、マスタシリンダ3内にブレーキ液を供給したり、マスタシリンダ3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタシリンダリザーバ3aが接続されている。
そして、マスタシリンダ圧は、アンチロックブレーキ装置(以下、ABSという)を介して右前輪FR用のホイールシリンダ4及び左後輪RL用のホイールシリンダ5へ伝達されている。以下の説明は、右前輪FR及び左後輪RL側について説明するが、第2の配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様である。
このブレーキ装置はマスタシリンダ3に接続する管路(主管路)Aを備えており、この管路Aには逆止弁22aと共にリニア差圧制御弁22が備えられている。そして、このリニア差圧制御弁22によって管路Aは2部位に分けられている。すなわち管路Aは、マスタシリンダ3からリニア差圧制御弁22までの間においてマスタシリンダ圧を受ける管路A1と、リニア差圧制御弁22から各ホイールシリンダ4、5までの間の管路A2に分けられる。
このリニア差圧制御弁22は通常は連通状態であるが、マスタシリンダ圧が所定圧よりも低い際にホイールシリンダ4、5に急ブレーキをかける時、或いはトラクションコントロール時に、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側との間に所定の差圧を発生させる状態となる。このリニア差圧弁22は、差圧の設定値をリニアに調整することができる。
また、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、開口する一方にはホイールシリンダ4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはホイールシリンダ5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
これら増圧制御弁30、31は、ABS用の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、マスタシリンダ圧あるいはポンプの吐出によるブレーキ液圧を各ホイールシリンダ4、5に加えることができる。これら第1、第2の増圧制御弁30、31は、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキ時には、常時連通状態に制御されている。
なお、増圧制御弁30、31には、それぞれ一方向弁30a、31aが並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてABS制御が終了したときにおいてホイールシリンダ4、5側からブレーキ液を排除するようになっている。
第1、第2の増圧制御弁30、31と各ホイールシリンダ4、5との間における管路Aとリザーバ40とを結ぶ管路Bには、ABS用のECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁32、33は、ノーマルブレーキ状態(ABS非作動時)では、常時遮断状態とされている。
管路Aのリニア差圧制御弁22及び増圧制御弁30、31の間とリザーバ40とを結ぶ管路Cには回転式ポンプ13が配設されている。この回転式ポンプ13の吐出口側には、一方向弁13Aが備えられており、ブレーキ液が逆流しないようになっている。また、この回転式ポンプ13にはモータ11(後述する図2参照)が接続されており、このモータ11によって回転式ポンプ13は駆動される。なお、この回転式ポンプ13についての詳細は後で説明する。
そして、リザーバ40とマスタシリンダ3とを接続するように管路(補助管路)Dが設けられている。この管路Dには2位置弁23が配置されており、通常時には2位置弁23が遮断状態とされ、管路Dが遮断されるようになっている。この2位置弁23はブレーキアシスト時やトラクションコントロール時等に連通状態とされ管路Dが連通状態にされると、回転式ポンプ13は管路Dを介して管路A1のブレーキ液を汲み取り、管路A2へ吐出してホイールシリンダ4、5におけるホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くして車輪制動力を高めるようになっている。なお、この際にはリニア差圧制御弁22によって、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧が保持されるようになっている。
リザーバ40は、管路Dに接続されてマスタシリンダ3側からのブレーキ液を受け入れるリザーバ孔40aと、管路B及び管路Cに接続されホイールシリンダ4、5から逃がされるブレーキ液を受け入れると共に回転式ポンプ13の吸入側にブレーキ液を供給するリザーバ孔40bとを備えている。リザーバ孔40aより内側には、ボール弁41が配設されている。このボール弁41には、ボール弁41を上下に移動させるための所定ストロークを有するロッド43がボール弁41と別体で設けられている。
また、リザーバ室40c内には、ロッド43と連動するピストン44と、このピストン44をボール弁41側に押圧してリザーバ室40c内のブレーキ液を押し出そうとする力を発生するスプリング45が備えられている。
このように構成されたリザーバ40は、所定量のブレーキ液が貯留されると、ボール弁41が弁座42に着座してリザーバ40内にブレーキ液が流入しないようになっている。このため、回転式ポンプ13の吸入能力より多くのブレーキ液がリザーバ室40c内に流動することがなく、回転式ポンプ13の吸入側に高圧が印加されないようになっている。
次に、図2に回転式ポンプ10、13を含むポンプ本体100の断面図を示す。この図は、ポンプ本体100をABSアクチュエータのハウジング150に組付けたときを示しており、紙面上下方向が車両天地方向となるように組付けられている。以下、図2に基づきポンプ本体100の全体構成について説明する。
上述したように、ブレーキ装置は、第1配管系統と第2配管系統の2系統から構成されている。このため、ポンプ本体100には図1及び図2に示された第1配管系統用の回転式ポンプ13と、図2に示された第2配管系統用の回転式ポンプ10の2つが備えられている。そして、これら回転式ポンプ10、13が1本の駆動軸54で駆動されるようになっている。
ポンプ本体100の外形を構成するケーシングは、第1、第2、第3シリンダ(サイドプレート)71a、71b、71c及び円筒状の第1、第2中央プレート73a、73bによって構成されている。
そして、第1シリンダ71a、第1中央プレート73a、第2シリンダ71b、第2中央プレート73b及び第3シリンダ71cが順に重ねられると共に、隣り合う部分の外周が溶接されて、一体構造をなすポンプ本体100が形成されている。このように一体構造とされたポンプ本体100は、ABSアクチュエータのハウジング150に形成された略円筒形状の凹部150a内に挿入されている。
そして、凹部150aの入口に掘られた雌ネジ溝150bにリング状の雄ネジ部材200がネジ締めされて、ポンプ本体100がハウジング150に固定された構成となっている。具体的には、第3のシリンダ71cの外周部には部分的に径大とされたフランジ部75が形成されており、このフランジ部75が雄ネジ部材200とハウジング150の凹部150a内に設けられた段差部150cとの間に挟まれ、ポンプ本体の紙面左側(モータ側)位置において上記固定が成されている。このような固定によれば、ポンプ本体100のうちフランジ部75以外の部位がフリーとなり、ネジ締め荷重がポンプ本体100に加えられなくなるため、ポンプ本体100の変形を防止することができる。
また、第1、第2、第3シリンダ71a、71b、71cには、それぞれ第1、第2、第3中心孔72a、72b、72cが備えられている。第1シリンダ71aに形成された第1中心孔72aの内周にはベアリング51が備えられており、第3シリンダ71cに形成された第3中心孔72cの内周にはベアリング52が備えられている。第1〜第3中心孔72a〜72c内には駆動軸54が嵌入されており、ベアリング51、52によって軸支されている。このように、回転式ポンプ10、13を挟んで両側にベアリング51、52が配置されている。
なお、駆動軸54のうち第1シリンダ71aよりも凹部150aの底側には、駆動軸54に嵌入されたリング状のストッパー213が設けられている。このストッパー213の径は第1シリンダ71aの第1中心孔72aの径よりも大きくなっており、駆動軸54が紙面右側(モータ側)に移動しようとしてもストッパー213が第1シリンダ71aに接して移動が規制されるようになっている。
図3に、図2のA−A断面図を示し、図2及び図3に基づいて回転式ポンプ10、13の構成を説明する。
回転式ポンプ10は、円筒状の第1中央プレート73aの両側を第1シリンダ71a及び第2シリンダ71bで挟み込んで形成されたロータ室50a内に配置されている。回転式ポンプ10は、駆動軸54によって駆動される内接型ギアポンプで構成されている。回転式ポンプ10は、内周に内歯部が形成されたアウターロータ10aと外周に外歯部が形成されたインナーロータ10bとからなる回転部を備えており、インナーロータ10bの孔内に駆動軸54が挿入された構成となっている。そして、駆動軸54に形成された軸方向が長手方向をなす長穴54a(図2参照)内にキー54bが嵌入されており、このキー54bによってインナーロータ10bへのトルク伝達が成されるようになっている。
アウターロータ10aとインナーロータ10bは、それぞれに形成された内歯部と外歯部とが噛み合わさって複数の空隙部10cを形成している。そして、駆動軸54の回転によって空隙部10cが大小変化してブレーキ液の吸入吐出が行えるようになっている。
一方、回転式ポンプ13は、円筒状の第2中央プレート73bの両側を第2シリンダ71b及び第3シリンダ71cで挟み込んで形成されたポンプ室50b内に配置されている。回転式ポンプ13も、回転式ポンプ10と同様にアウターロータ13a及びインナーロータ13b(図1参照)を備えた内接型ギアポンプで構成されており、駆動軸54を中心として回転式ポンプ10を180°回転させた配置となっている。このように配置することで、回転式ポンプ10、13のそれぞれの吸入側の空隙部10cと吐出側の空隙部10cとが駆動軸54を中心として対称位置となるようにし、吐出側における高圧なブレーキ液圧が駆動軸54に与える力を相殺できるようにしている。
第1シリンダ71aには回転式ポンプ10の吸入側の空隙部10cと連通する吸入口60、及び吐出側の空隙部10cと連通する吐出口61が備えられている。吸入口60は、第1シリンダ71aの回転式ポンプ10側の端面から反対側の端面まで貫通するように形成され、さらに反対側の端面において天方向(紙面上方向)へ向けて外周面まで引き出されている。そして、吸入口60のうち第1シリンダ71aの外周面側の部分を入口としてブレーキ液が導入されるようになっている。
そして、吸入口60は、ハウジング150の凹部150aの内周面のうちポンプ本体100の先端位置が配置される部分全周に形成された環状溝161を介して、ハウジング150に形成された吸入用管路151に接続されている。
また、吐出口61は、第1シリンダ71aのうち回転式ポンプ10の回転部側の端面から外周面に至るように延設されている。この吐出口61は、具体的には以下のように構成されている。
第1シリンダ71aのうち回転式ポンプ10の回転部側の端面には、駆動軸54を囲むように形成された環状溝(第1の環状溝)61aが備えられている。
この環状溝61a内には、アウターロータ10a及びインナーロータ10bを挟み込むように配置されたリング状のシール部材171が備えられている。このシール部材171は、回転部側に配置された樹脂部材171aと、樹脂部材171aを回転部側に押圧するゴム部材171bとから構成されている。このシール部材171の内周側には、吸入側の空隙部10c及び吸入側の空隙部10cに対向するアウターロータ10aの外周と第1中央プレート73aとの隙間が含まれ、シール部材171の外周側には、吐出側の空隙部10c及び吐出側の空隙部10cに対向するアウターロータ10aの外周と第1中央プレート73aとの隙間が含まれるようにされている。すなわち、シール部材171によって、シール部材171の内外周の比較的低圧な部位と比較的高圧な部位とがシールされるように構成されている。
また、シール部材171は、環状溝61aの内周と接し、外周とは一部しか接しないように構成されている。このため、環状溝61aのうちシール部材171よりも外周側の環状溝61aと接していない部分は隙間となっている。つまり、環状溝61aには、ほぼ外周全周にシール部材171と接しないように構成された領域があり、この領域をブレーキ液が流動できるようになっている。さらに、環状溝61aから第1のシリンダ71aの外周面側に向けて管路61bが引き出されている。このように構成された環状溝61aの隙間と管路61bによって吐出口61が構成されている。
そして、吐出口61は、ハウジング150の凹部150aの内周面のうち第1中央プレート73aに対向する部分全周に形成された環状溝162を介して、ハウジング150に形成された吐出用管路152と接続されている。
一方、第3シリンダ71cには回転式ポンプ13の吸入側の空隙部と連通する吸入口62、及び吐出側の空隙部と連通する吐出口63が備えられている。吸入口62は、第3シリンダ71cの回転式ポンプ13側の端面と外周面を貫通するように形成されている。具体的には、吸入口62は、吸入側の空隙部から水平方向に延設されたのち、外周面に向かって引き出されて構成されている。また、吸入口62は、駆動軸54が配置される第3中心孔72cと連通するように構成されている。そして、吸入口62のうち第3シリンダ71cの外周面側を入口として、ブレーキ液が導入されるようになっている。また、吸入口62は、吸入口62の入口の位置を含むようにハウジング150の凹部150aの内周面の全周に形成された環状溝164を介して、ハウジング150に形成された吸入用管路153と接続されている。
このように、吸入口62と第3中心孔72cとを連通させることにより、駆動軸54やベアリング52等にブレーキ液を供給して駆動軸54の回転が円滑に行えるようにすると共に、第3中心孔72cを介して外部から空気が侵入した場合に吸入口62を逃げ道として空気が逃げれるようにしている。この吸入口62は、吐出口63よりもモータ11側(凹部150aの入口側)に位置しており、ハウジング150の外部に近い部分のブレーキ液圧が低くなるようにしている。
吐出口63は、第3シリンダ71cのうち回転式ポンプ13の回転部側の端面から外周面に至るように形成されている。この吐出口63は、上記した吐出口61と同様の構造で形成されており、樹脂部材172a及びゴム部材172bからなるリング状のシール部材172を収容した環状溝63aの隙間と、環状溝63aの最も上方位置から引き出された管路63bとから構成されている。この吐出口63は、ハウジング150の凹部150aの内周面のうち第2中央プレート73bの外周と対向する部分全周に形成した環状溝163を介して、吐出用管路154に接続されている。
なお、図2において、吸入用管路153及び吐出用管路154が図1における管路Cに相当する。
第2シリンダ71bの第2中心孔72bの径は部分的に駆動軸54より径大とされており、この径大とされた部位に第1の回転式ポンプ10と第2の回転式ポンプ13とを遮断するシール部材80が挿入されている。このシール部材80は、例えばリング状の弾性部材であるゴムリング81を、径方向を深さ方向とする溝部が形成されたリング状の樹脂部材82に嵌め込んだものであり、ゴムリング81の弾性力によって樹脂部材82が押圧されて駆動軸54と接するようになっている。
また、第2シリンダ71bのうちシール部材80の挿入口側にはストッパー83が圧入されている。樹脂部材82には部分的に切り欠きが形成されており、この切り欠き部分にストッパー83の一部が嵌まり込むようになっている。このため、樹脂部材82の切欠き部分がキーとしての役割を果たし、シール部材80が第2シリンダ71bに対して相対回動できないように構成されている。
第3シリンダ71cは、第2中央プレート73bと溶接される面の反対の面において凹んでおり、この凹みから駆動軸54が突出するようになっている。駆動軸54は突出した側の端部において部分的に凹んだ接続部54cを備えており、この接続部54cにモータ11の駆動軸11aが差し込まれるようになっている。そして、駆動軸54が駆動軸11aを介してモータ11によって回動されて、回転式ポンプ10、13が駆動されるようになっている。また、第3シリンダ71cの凹み部分の入り口の径は、モータ11のホルダー11bに形成された孔11cと同等になっており、第3シリンダ71cの凹み部分とモータ11のホルダー11bの孔11cとの間の隙間を小さくしてベアリング180を配置し、駆動軸11aが軸支されるようになっている。なお、ここでは駆動軸11aがベアリング180によって軸支される例を挙げているが、駆動軸54を軸支するようにしてもよい。
このように、モータ11のホルダー11bに形成された孔11cと第3シリンダ71cの凹み部分とにベアリング180を配置すると、モータ11と第3シリンダ71cの径方向の位置決めが成されるため、駆動軸11aと駆動軸54の軸ズレを最小限に抑えることができる。
また、第3シリンダ71cに形成された凹み内において、駆動軸54の外周を覆うように、オイルシール84とオイルシール85が駆動軸54の軸方向に並べられて嵌め込み固定されている。オイルシール84は、シール部材80と同様の構成を有しており、第3中心孔72cを介して吸入口62から洩れてくるブレーキ液をシールする役割を果たすものである。そして、オイルシール85は、オイルシール84が破損したとき等に洩れてくるブレーキ液をシールする役割を果たすものである。
また、第1〜第3シリンダ71a〜71cの外周にはスリット部90a、90b、90c、90dが形成されている。これらのスリット部90a〜90dは、各回転部を挟み込むように各回転部の両側に配置されており、環状溝162、163と連通している。このため、ポンプ駆動時には吐出口61、63を通じて吐出された高圧なブレーキ液がスリット部90a〜90dに供給され、スリット部90a〜90d内が高圧となって、第1〜第3シリンダ71a〜71cの端面が第1、第2中央プレート73a、73bや回転部を押さえるように作用する。なお、このスリット部90a〜90dの幅は、高圧なブレーキ液圧が各シリンダ71a〜71cに適正に加わる程度に設定されており、例えば1mm程度とされている。
図4に図2における駆動軸54の軸方向から回転式ポンプ10を見たときのレイアウト構成を示す。図4に示す斜線部分がスリット部90a、90bのレイアウトを示している。また、図中点線で示した部分はシール部材171のレイアウトを示したものである。なお、スリット部90c、90dを含む回転式ポンプ13に関しては回転式ポンプ10を180度ずらしたレイアウト構成となるため、ここでは省略する。
この図に示されるように、スリット部90a、90bは駆動軸54の中心から偏心させたレイアウトとされ、回転部の高圧となる部位(つまり吐出側の空隙部10c)に対向する部位において、第1、第2シリンダ71a、71bの端面のうち高圧が印加される受圧面積相当の面積で形成されている。
このため、回転部の高圧となる部位側からの圧力に抗してスリット部90a、90b内の圧力がかけられ、回転部の高圧が第1、第2シリンダ71a、71bの端面を押し広げる方向に作用しても、それを打ち消すようにスリット部90a、90b内の圧力が作用する。
また、本実施形態では、回転部の低圧となる部位(つまり吸入側の空隙部10c)の外周に位置する第1中央プレート73aと対向する部位にもスリット部90a、90bが形成された構成となっている。このように、スリット部90a、90bを回転部の低圧となる側まで延設することにより、高圧となる側のみでなく低圧となる側においても第1、第2シリンダ71a、71bの端面が第1、第2中央プレート73a、73bを押さえるように作用することになる。このため、高圧となる側のみを押さえる場合よりもよりバランス良くスリット部90a、90bの圧力を第1、第2シリンダ71a、71bにかけることができる。
また、図2に示すように、スリット部90a〜90dの先端、つまり最も駆動軸54側は丸め処理がなされた形状(R形状)とされており、スリット部90a〜90dの先端部において応力集中が発生しないようになっている。
さらに、第1、第2、第3シリンダ71a、71b、71cの外周面にはOリング74a、74b、74c、74d、74eが配置されている。これらOリング74a〜74eは、ハウジング150に形成された吸入用管路151、153や吐出用管路152、154におけるブレーキ液をシールするものであり、吸入用管路151と吐出用管路152の間、吐出用管路152と吐出用管路154の間、吐出用管路154と吸入用管路153の間、及び吸入用管路153とハウジング150の外部の間に配置されている。
なお、第3シリンダ71cの凹み部分の入口側の先端の外径は縮径されており、段付き部を構成している。上記したリング状の雄ネジ部材200はこの縮径された部分に嵌装され、ポンプ本体100が固定されるようになっている。
次に、このように構成されたブレーキ装置及びポンプ本体100の作動について説明する。
ブレーキ装置は、車輪がロック傾向にあるABS制御時、若しくは大きな制動力を必要とする場合、例えばブレーキ踏力に対応した制動力が得られない場合やブレーキペダル1の操作量が大きいとき等において、ポンプ本体100を駆動しリザーバ40内のブレーキ液を吸入し、吐出する。そして、この吐出されたブレーキ液によってホイールシリンダ4、5の圧力を増圧する。
このとき、ポンプ本体100内では、回転式ポンプ10、13が吸入用管路151、153を通じてブレーキ液を吸入し、吐出用管路152、154を通じてブレーキ液を吐出するという基本的なポンプ動作を行う。
このポンプ動作において、回転式ポンプ10、13による吐出圧が低圧である場合には、回転部における圧力があまり第1〜第3シリンダ71a〜71cにかからず、第1〜第3シリンダ71a〜71cの変形がないため、第1〜第3シリンダ71a〜71cと回転部との隙間が適正に保たれる。従って、回転式ポンプ10、13による吐出量は正常に保たれる。
一方、回転式ポンプ10、13による吐出圧が高圧である場合には、回転部の圧力が高圧となるため、第1〜第3シリンダ71a〜71cの端面を押し広げる方向に作用しようとするが、それを打ち消すようにスリット部90a〜90d内の圧力が作用する。このため、第1〜第3シリンダ71a〜71cの端面を押し広げようとする力と狭めようとする力とがバランスされ、第1〜第3シリンダ71a〜71cの変形が防止される。これにより、回転式ポンプ10、13による吐出量が正常に保たれると共に、中央プレート73a、73bと第1〜第3シリンダ71a〜71cとの外周の溶接部分の信頼性向上を図ることもできる。
また、ブレーキ液圧制御の場合、1系統が低圧、もう1系統が高圧となる場合がある。このような場合においても互いに独立に圧力バランスを保つため、系統間に圧力差があっても両系統同圧の場合と同様に回転式ポンプ10、13による吐出量を正常に保つことができる。
なお、仮に、ポンプ本体100のハウジング150への固定を、ポンプ本体100の先端を凹部150aの底面に押し当て、凹部150aの底面と雄ネジ部材200とでポンプ本体100を挟み込むようにして行った場合、ポンプ本体100に対して駆動軸54の軸方向の荷重がかかった状態となって、スリット部90a〜90d内の圧力が各シリンダ71a〜71cに好適に伝えられなかったり、締め付け荷重により回転部の隙間が適正に保たれない可能性がある。しかしながら、本実施形態では、第3シリンダ71cに備えられたフランジ部75を雄ネジ部材200とハウジング150とによって挟み込むことでポンプ本体100のハウジング150への固定を行っているため、雄ネジ部材200の荷重がポンプ本体100にかからない。このため、雄ネジ部材200の荷重によって、スリット部90a〜90d内の圧力が各シリンダ71a〜71cに伝わることを妨げられることもなく、回転部の隙間を異常に狭めることもない。
さらに、本実施形態のように回転式ポンプ10、13の各吐出側に連通するようにスリット部90a〜90bを備えているため、その分油路容積(デッドボリューム)が増加する。このため、この増加分が固定容量ダンパとなって、油圧脈動減衰効果を得ることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、雄ネジ部材200によってポンプ本体100をハウジング150に固定する場合を説明したが、本実施形態では他の方法で固定する場合を説明する。なお、本実施形態ではポンプ本体100のハウジング150への固定方法以外については第1実施形態と同様であるので、異なる部分についてのみ説明する。
図5に本実施形態におけるポンプ本体100の断面図を示す。この図に示すように、ハウジング150のうち凹部150aの入口近傍をかしめることにより、ハウジング150に備えられた段差部150cとかしめ部分150dとでフランジ部75を挟み込み、ポンプ本体100のハウジング150への固定が行われている。このように、かしめによってポンプ本体100をハウジング150に固定しても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる位置にスリット部を形成する場合を説明する。なお、本実施形態では、スリット部以外の構成については第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図6に本実施形態におけるポンプ本体100の断面図を示す。上記第1実施形態では第1〜第3シリンダ71a〜71cの外周面にスリット部90a〜90dを形成した例を示したが、本実施形態では第1〜第3シリンダ71a〜71cの内周面にスリット部91a〜91dを形成している。
これらスリット部91a〜91dは各シリンダ71a〜71cの端面から形成された通路92a〜92dを通じて回転部の高圧側と連通している。また、スリット部91a〜91dのうち最も内周側に位置する部分にはOリング93a〜93dが配置され、スリット部91a〜91d内の高圧なブレーキ液が駆動軸54と各シリンダ71a〜71cの間の隙間に洩れないように構成されている。
また、本実施形態のようにスリット部91a〜91dを各シリンダ71a〜71cの内周面側に形成した場合には、各シリンダ71a〜71cに油路を形成して各回転部の低圧側を吸入口60、62に接続するのが困難になるため、駆動軸54内に油路を形成し、この油路を介して各回転部の低圧側を吸入口60、62に接続している。
このように、スリット部91a〜91dを各シリンダ71a〜71cの内周面側に形成しても、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、駆動軸54内に油路を形成することになることから、駆動軸54の回転に伴う遠心力によって、吸入側のポンプ背圧を上昇させることができるため、ポンプ吸入効率を向上させることができ、特に極低温での吐出量を確保することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、上記した第1〜第3実施形態と異なる方法で第1〜第3シリンダ71a〜71cの端面を押し広げる方向に作用しようとする力を打ち消す。図7に、本実施形態におけるブレーキ装置に用いられるポンプ本体100近傍の断面構成を示す。なお、本実施形態におけるポンプ本体100の基本構成は上記第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、凹部150aを深くしてポンプ本体100の先端と凹部150aの底面との間にスペースを形成し、ポンプ本体100のうち凹部150aへの挿入方向先端位置に中心孔72aへのブレーキ液の流動を防止するキャップ部材221を配置すると共に、キャップ部材221と凹部150aの底面との間にピストン部222を配置し、ピストン部222の両側に2つの背室223、224が形成されるようにしている。
一方の背室223は、吐出用管路154に接続された連通通路220を通じて回転式ポンプ13の吐出口63に接続されている。これにより、吐出口63で生じる高圧が背室223に加えられるようになっている。なお、これら吐出口63及び背室223とを結ぶ管路途中にはチェック弁225が備えられており、吐出口63側から背室223側へのブレーキ液の流動のみが許容されている。
また、他方の背室224は、第1シリンダ71aに形成された通路226を通じて回転式ポンプ10の吐出口61に接続されている。これにより、吐出口61で生じる高圧が背室224に加えられるようになっている。この通路226にはチェック弁227が備えられており、吐出口61側から背室224側へのブレーキ液の流動のみが許容されている。具体的には、通路226と吐出口61との境界部をテーパ形状の弁座228とし、通路226内に備えられたボール弁229が弁座228に着座することによって弁機構を構成するようになっている。なお、ボール弁229はスプリング230によって弁座228側に付勢されており、ポンプ非動作時にはボール弁229が弁座228に着座するように構成されている。また、通路226の出口側にはブレーキ液が流動できる孔が形成されたストッパー部231が固定されており、このストッパー部231によってスプリング230を受け止めるように構成されている。
キャップ部材221は、断面コの字状を成すコップ形状を成しており、第1シリンダ71aとの間にあるOリング232によりシールされている。また、ピストン部222側にある隙間を形成するため、部分的に突起部233が形成されている。
ピストン部222は、断面コの字状を成すコップ形状を成しており、外周部に備えられたOリング222aによって2つの背室223、224の液密が確保できる構成となっている。このピストン部222の先端(コップ形状の入口側)には部分的に突起部222bが形成されており、この突起部222bがポンプ本体100の先端、つまり第1シリンダ71aの端面に接するようになっている。また、ピストン部222の底面、つまりピストン部222のうち凹部150aの底面と対向する面にも部分的に突起部222cが形成されており、この突起部222cによってピストン部222の底面全体が凹部150aの底面全体と接しないようにされている。
このように構成されたブレーキ装置においては、回転式ポンプ10、13を作動させることによって各回転部に高圧が発生すると、この高圧に応じた圧力が各背室223、224に発生することになる。そして、背室223が高圧となったときにはピストン部222の突起部222bがポンプ本体100の先端を押圧するように作用し、背室224が高圧となったときには背室224の圧力がポンプ本体100の先端全体を直接液圧で押圧するように作用する。
従って、各回転部に発生する高圧に応じた圧力でポンプ本体100の先端を押圧し、ポンプ本体100に駆動軸54の軸方向の力(以下、軸力という)を発生させているため、各回転式ポンプ10、13が高圧になって各シリンダ71a〜71cを押し広げようとしても、上記軸力によって打ち消される。これにより、上記第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態のように回転式ポンプ10、13から吐出されたブレーキ液が背室223、224に流動するようにすることで、その分油路容積(デッドボリューム)が増加するため、この増加分が固定容量ダンパとなって、油圧脈動減衰効果が得られることに関しても第1〜第3実施形態と同様である。
(第5実施形態)
本実施形態では第4実施形態の変形例を説明する。本実施形態のブレーキ装置におけるポンプ本体100近傍の断面構成を図8に示す。なお、本実施形態におけるポンプ本体100の基本構成は上記第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、断面コの字状のコップ形状を成すと共にコップ形状の入口側をフランジ状に構成した1つのピストン部240と、内周壁を段付き形状とした凹部150aとによって、回転式ポンプ13の吐出口63と連通する背室223と、回転式ポンプ10の吐出口61と連通する背室224とが形成されるようにしている。そして、吐出用管路154に接続される連通通路241を通じて背室223に吐出口63のブレーキ液圧が導入され、吐出用管路152に接続される連通通路242を通じて背室224に吐出口61のブレーキ液が導入されるようになっている。
これにより、2つの背室223、224が並列に設けられたことになり、少なくとも一方の背室223、224のブレーキ液圧が高圧となった時に、ピストン部240がポンプ本体100の先端部を押圧するように構成されている。なお、ピストン部240の外周部にはOリング243、244が備えられており、これらのOリング243、244によって各背室223、224の間や背室224と回転式ポンプ10の吸入側との間の液密が確保されている。
このような構成によっても、背室223、224に伝えられる圧力に基づいて、ポンプ本体100に軸力を発生させることができるため、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
本実施形態では第4、第5実施形態の変形例を説明する。本実施形態のブレーキ装置におけるポンプ本体100近傍の断面構成を図9に示す。なお、実施形態におけるポンプ本体100の基本構成は上記第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、外周壁を段付き形状とした第1シリンダ71aと内周壁を段付き形状とした凹部150aとによって、回転式ポンプ13の吐出口63と連通する背室223と、回転式ポンプ10の吐出口61と連通する背室224とが形成されるようにしている。
そして、第1シリンダ71aは凹部150aの底面側に向かうに連れて径が少なくとも2段階に縮小しており最も径が大きい部分を大径部251a、最も径が小さい部分を小径部251b、その中間を中径部251cとすると、大径部251aと中径部251cとの段差部分と凹部150aとの隙間が背室224とされ、中径部251cと小径部251bとの段差部分と凹部150aとの隙間が背室223とされている。また、大径部251aと凹部150aとの間の隙間を通じて吐出口61のブレーキ液圧が背室224に導入されるように構成され、吐出用管路154に接続された連通通路250を通じて吐出口63のブレーキ液圧が背室223に導入されるように構成されている。
このような構成によっても、背室223、224に伝えられる圧力に基づいて、ポンプ本体100に軸力を発生させることができるため、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第4、第5実施形態のようにピストン部222、240(図7、図8参照)を設ける必要がないため、部品点数の削減を図ることもできる。
ただし、本実施形態の構成の場合には、第1シリンダ71aの外周面が高圧な部位となってしまうことから、第1シリンダ71aの内周面(中心孔)側に吸入口60を延設すると共に、駆動軸54に吸入口60と接続される連通通路252を設け、この連通通路252及び凹部150aの底面と小径部251bとの間に形成されたスペースを通じて吸入用管路151と吸入口60とが連通するように構成してある。
なお、中径部251cの外周面及び小径部251bの外周面にはOリング253、254が備えられており、これらのOリング253、254によって各背室223、224の間や背室224と回転式ポンプ10の吸入側との間の液密が確保されている。
100…ポンプ本体、10、13…回転式ポンプ、10a、13a…アウターロータ、10b、13b…インナーロータ、10c…空隙部、54…駆動軸、60、62…吸入口、61、63…吐出口、71a〜71c…第1〜第3シリンダ、73a、73b…中央プレート、90a〜90d、91a〜91d…スリット部、150a…凹部、150…ハウジング。

Claims (5)

  1. 外周に外歯部が形成されたインナーロータ(10b、13b)、及び内周に内歯部が形成されたアウターロータ(10a、13a)を含み、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることで複数の空隙部(10c)を形成してなる回転部と、
    前記回転部を駆動する駆動軸(54)と、
    前記回転部の外周を囲むように配置される中央プレート(73a、73b)と、
    前記回転部の回転軸方向両側それぞれに配置され、前記回転部を挟み込むように構成されていると共に、前記駆動軸が嵌入される孔(72a〜72c)が備えられたシリンダ(71a〜71c)と、
    前記回転部の両側それぞれに配置された前記シリンダの少なくとも1つに形成され、前記回転部にブレーキ液を吸入する吸入口(60、62)と、
    前記回転部の両側にそれぞれ配置された前記シリンダの少なくとも1つに形成され、前記回転部から前記ブレーキ液を吐出する吐出口(61、63)と、を有した回転式ポンプ(10、13)を2つ備え、
    前記複数の回転式ポンプの隣り合う前記シリンダと前記中央プレートの外周部とが接続されて前記複数の回転式ポンプが一体化されたポンプ本体(100)を有し、
    該ポンプ本体がハウジング(150)に形成された凹部(150a)内に挿入され、前記ハウジングに固定されるようになっており、
    前記凹部の底面と前記ポンプ本体の先端部の間には背室(223、224)が形成されており、該背室が前記2つの回転式ポンプの少なくとも一方における前記出口と連通した構成となっており、
    前記吐出口での吐出圧の上昇に伴い前記背室が高圧になると、前記シリンダを前記回転部側から押し広げようとする力を打ち消すように前記背室の圧力が前記ポンプ本体の先端部に作用し、シリンダの変形が抑制されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 前記2つの回転式ポンプそれぞれの前記吐出口が別々の前記背室と連通しており、各背室に発生する各圧力を前記ポンプ本体の先端部に作用させることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 前記背室は、前記凹部内に配置されたピストン部により、前記凹部の底面と前記ポンプ本体の先端部の間のスペースが分離されて形成された第1、第2の背室によって構成され、前記凹部の底面側に位置する前記第1の背室(223)と、前記ポンプ本体側に位置する第2の背室(224)とに分離されており、
    前記凹部の底面側に位置する前記第1の背室が前記2つの回転式ポンプのうちの一方に備えられた前記吐出口に連通されていると共に、前記ポンプ本体側に位置する前記第2の背室が前記2つの回転式ポンプのうちの他方に備えられた前記吐出口に連通されており、
    前記第1の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいて前記ピストン部が前記ポンプ本体の先端部を押圧するように構成されていると共に、前記第2の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいて前記ポンプ本体の先端部を直接液圧で押圧するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 前記背室は、前記ポンプ本体の先端部と前記凹部の底面との間に配置され、断面コの字状のコップ形状を成すと共にコップ形状の入口側がフランジ状に構成されてなるピストン部(240)と、内周壁が段付き形状とされた前記凹部とによって形成された第1、第2の背室によって構成され、
    前記凹部の底面側に位置する前記第1の背室が前記2つの回転式ポンプのうちの一方に備えられた前記吐出口に連通されていると共に、前記ポンプ本体側に位置する前記第2の背室が前記2つの回転式ポンプのうちの他方に備えられた前記吐出口に連通されており、
    前記第1の背室もしくは前記第2の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいて前記ピストン部が前記ポンプ本体の先端部を押圧するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記背室は、前記ポンプ本体のうち最も先端側に位置する前記シリンダに形成された段差部と、内周壁が段付き形状とされた前記凹部とによって形成された第1、第2の背室によって構成され、
    前記凹部の底面側に位置する前記第1の背室が前記2つの回転式ポンプのうちの一方に備えられた前記吐出口に連通されていると共に、前記ポンプ本体側に位置する前記第2の背室が前記2つの回転式ポンプのうちの他方に備えられた前記吐出口に連通されており、
    前記第1の背室もしくは前記第2の背室に伝えられるブレーキ液圧に基づいて前記ポンプ本体の先端部を直接液圧で押圧するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
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