JP3899785B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロコイドポンプ等の回転式ポンプを用いてブレーキ液圧制御を行なう車両用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ABSアクチュエータを有する車両用ブレーキ装置では、ABSアクチュエータ用のポンプとしてプランジャタイプのものが用いられていた。
【0003】
しかしながら、ABSアクチュエータの小型化、容積効率の向上の要望に応えるためには、プランジャタイプのポンプでは限界に達しており、現在では回転式ポンプ、例えばトロコイドポンプを使用するタイプのポンプが着目されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
略円形状を成しているトロコイドポンプ等の回転式ポンプでは、吸入側と吐出側が略円形状の直径方向の対称位置に配置されるため、吸入側と吐出側のそれぞれに接続される吸入口及び吐出口が対称な方向に引き出されることになる。
【0005】
しかしながら、このような構成とすれば、少なくとも吸入口と吐出口のいずれかは、天方向に向けて形成されないため、トロコイドポンプ内に空気が混入された場合に、その空気が抜けなくなるという問題が発生する。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて成され、車両用ブレーキ装置に備えられるポンプ装置内の空気抜きが良好に行なえるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、駆動軸(54)が水平に配置され、吐出口(61、63)が天方向に引き出されていることを特徴としている。
【0008】
このように、複数の回転式ポンプ(10、13)のすべての吐出口が天方向に引き出されるようにすることで、ブレーキ液内に空気が入り込んでいても空気が天方向に抜けるようにすることができる。この場合、例えば、請求項10に示すように、ハウジングに、吸入口及び吐出口のそれぞれに接続される管路(151〜154)を形成し、該管路が天方向に引き出されるようするとよい。
【0009】
具体的には、両サイドプレート(71a、71b、71c、71d)のうち回転部側の端面に、駆動軸を囲むように形成された第1の環状溝(61a、63a)を形成し、該第1の環状溝内においてインナーロータ及びアウターロータを挟み込むように配置されたシール部材(171、172)を備え、第1の環状溝を、シール部材が配置されたときに、該第1の環状溝内の隙間を通じて該第1の環状溝の長さ方向にブレーキ液が流動できるように構成し、両サイドプレートのうち少なくとも一方には、該第1の環状溝のうち最も上方に位置する部位から水平方向に対して垂直上方となる天方向に引き出された通路(61b、63b)を形成することで、吐出口を構成することができる。
【0010】
そして、第1の環状溝に、該第1の環状溝の外周全周がシール部材と接しないように構成された領域を形成し、この領域をブレーキ液が流動できるようにすればよい。
【0011】
請求項2に記載の発明においては、サイドプレートのうち、複数の回転式ポンプの間に配置されるものは、駆動軸の略垂直方向において分割された複数部材(71b、71c)で構成されていることを特徴としている。
【0012】
このように、サイドプレートを複数部材で構成すれば、複数の回転式ポンプの位置合わせを別々に行うことができるため、容易に最適位置に位置合わせを行えるようにできる。
【0013】
請求項3に記載の発明においては、ポンプ本体を収容する凹部(150a)を備えたハウジング(150)を有し、ポンプ本体を凹部内に駆動軸の軸方向に挿入してハウジングに組付けられるようになっており、ポンプ本体の挿入方向の先端と凹部の底部との間には、ポンプ本体を挿入方向の反対方向に押圧するバネ部材(210)が配置されていることを特徴としている。
【0014】
このように、ポンプ本体の先端と凹部の底の間に板バネを配置することにより、ポンプ本体の軸力を確保しつつ、軸力を安定化させることができる。
【0015】
また、請求項4に示すように、凹部の入口に、凹部内に挿入されたポンプ本体を挿入方向に押圧するバネ部材(220)が配置されるようにしても請求項3と同様の効果を得ることができる。
【0016】
なお、請求項5に示すように、ハウジングに形成された凹部の入口にはネジ部材(200)がネジ締め固定されており、該ネジ部材によってポンプ本体が凹部への挿入方向に押圧されるようなものにおいては、軸力を安定化させることが難しいため、特に上記効果があると言える。
【0017】
請求項6に記載の発明においては、ポンプ本体及び凹部は略円筒形状を成しており、凹部の内周面のうち吸入口及び吐出口が引き出されている部位のそれぞれには、ポンプ本体の周方向を囲むように形成された第2の環状溝(161〜164)が形成されていることを特徴としている。
【0018】
このように吐出口及び吸入口が引き出されている部位において凹部の内周面に第2の環状溝を形成することによって、第2の環状溝部に空気が入り込んでも空気が天方向に移動するようにできるため、空気抜きを行うことができる。
【0019】
請求項7に記載の発明においては、ハウジングのうち凹部が形成された面に、ホルダー(11b)を介してモータ(11)が固定されるようになっており、ホルダーの孔の内周、及びサイドプレートの孔の入口の内周の両方に接するように、モータシャフト(11a)若しくは駆動軸の少なくとも一方を軸支するベアリング(180)が配置されていることを特徴としている。
【0020】
このような構成とすることにより、ベアリングによってモータシャフトと駆動軸との軸ズレを防止することができる。
【0021】
請求項9に記載の発明においては、駆動軸の先端にはストッパー(213)が備えられていることを特徴としている。
【0022】
このように駆動軸の先端にストッパーを設けることにより、ストッパーによって駆動軸がポンプ本体から抜けることを防止することができる。
【0023】
請求項10に記載の発明においては、駆動軸には、該駆動軸の軸方向を長手方向とする長穴(54a)が形成されていると共に、該長穴内においてキー(54b)が備えられており、キーによるトルク伝達によってインナーロータが駆動軸に駆動されるように構成されていることを特徴としている。
【0024】
このように、長穴内にキーを配置すれば、駆動軸がポンプ本体から抜ける方向に移動してもキーがその移動によって駆動軸に押圧されることを防止することができる。これにより、インナーロータへ確実なトルク伝達を行うことができる。
【0025】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
【0027】
図1に、回転式ポンプとして内接型ギアポンプ(トロコイドポンプ)を適用したブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。以下、ブレーキ装置の基本構成を、図1に基づいて説明する。ここでは前輪駆動の4輪車において、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に本発明によるブレーキ装置を適用した例について説明する。
【0028】
図1に示すように、ブレーキペダル1は倍力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレーキ踏力等が倍力される。
【0029】
そして、倍力装置2は、倍力された踏力をマスタシリンダ3に伝達するブッシュロッド等を有しており、このブッシュロッドがマスタシリンダ3に配設されたマスタピストンを押圧することによりマスタシリンダ圧が発生する。なお、これらブレーキペダル1、倍力装置2及びマスタシリンダ3はブレーキ液圧発生手段に相当する。
【0030】
また、このマスタシリンダ3には、マスタシリンダ3内にブレーキ液を供給したり、マスタシリンダ3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3aが接続されている。
【0031】
そして、マスタシリンダ圧は、アンチロックブレーキ装置(以下、ABSという)を介して右前輪FR用のホイールシリンダ4及び左後輪RL用のホイールシリンダ5へ伝達されている。以下の説明は、右前輪FR及び左後輪RL側について説明するが、第2の配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様であるため、説明は省略する。
【0032】
このブレーキ装置はマスタシリンダ3に接続する管路(主管路)Aを備えており、この管路Aには逆止弁22aと共にリニア差圧制御弁22が備えられている。そして、このリニア差圧制御弁22によって管路Aは2部位に分けられている。すなわち管路Aは、マスタシリンダ3からリニア差圧制御弁22までの間においてマスタシリンダ圧を受ける管路A1と、リニア差圧制御弁22から各ホイールシリンダ4、5までの間の管路A2に分けられる。
【0033】
このリニア差圧制御弁22は通常は連通状態であるが、マスタシリンダ圧が所定圧よりも低い際にホイールシリンダ4、5に急ブレーキをかける時、或いはトラクションコントロール時に、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側との間に所定の差圧を発生させる状態となる。このリニア差圧弁22は、差圧の設定値をリニアに調整することができる。
【0034】
また、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、開口する一方にはホイールシリンダ4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはホイールシリンダ5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
【0035】
これら増圧制御弁30、31は、ABS用の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、マスタシリンダ圧あるいはポンプの吐出によるブレーキ液圧を各ホイールシリンダ4、5に加えることができる。これら第1、第2の増圧制御弁30、31は、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキ時には、常時連通状態に制御されている。
【0036】
なお、増圧制御弁30、31には、それぞれ安全弁30a、31aが並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてABS制御が終了したときにおいてホイールシリンダ4、5側からブレーキ液を排除するようになっている。
【0037】
第1、第2の増圧制御弁30、31と各ホイールシリンダ4、5との間における管路Aとリザーバ40とを結ぶ管路Bには、ABS用のECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁32、33は、ノーマルブレーキ状態(ABS非作動時)では、常時遮断状態とされている。
【0038】
管路Aのリニア差圧制御弁22及び増圧制御弁30、31の間とリザーバ40とを結ぶ管路Cには回転式ポンプ13が配設されている。この回転式ポンプ13の吐出口側には、安全弁13Aが備えられており、ブレーキ液が逆流しないようになっている。また、この回転式ポンプ13にはモータ11が接続されており、このモータ11によって回転式ポンプ13は駆動される。なお、この回転式ポンプ13についての詳細は後で説明する。
【0039】
そして、リザーバ40とマスタシリンダ3とを接続するように管路(補助管路)Dが設けられている。この管路Dには2位置弁23が配置されており、通常時には2位置弁23が遮断状態とされ、管路Dが遮断されるようになっている。この2位置弁23はブレーキアシスト時やトラクションコントロール時等に連通状態とされ管路Dが連通状態にされると、回転式ポンプ13は管路Dを介して管路A1のブレーキ液を汲み取り、管路A2へ吐出してホイールシリンダ4、5におけるホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くして車輪制動力を高めるようになっている。なお、この際にはリニア差圧制御弁22によって、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧が保持されるようになっている。
【0040】
リザーバ40は、管路Dに接続されてマスタシリンダ3側からのブレーキ液を受け入れるリザーバ孔40aと、管路B及び管路Cに接続されホイールシリンダ4、5から逃がされるブレーキ液を受け入れるリザーバ孔40bとを備えている。リザーバ孔40aより内側には、ボール弁41が配設されている。このボール弁41には、ボール弁41を上下に移動させるための所定ストロークを有するロッド43がボール弁41と別体で設けられている。
【0041】
また、リザーバ室40c内には、ロッド43と連動するピストン44と、このピストン44をボール弁41側に押圧してリザーバ室40c内のブレーキ液を押し出そうとする力を発生するスプリング45が備えられている。
【0042】
このように構成されたリザーバ40は、所定量のブレーキ液が貯留されると、ボール弁41が弁座42に着座してリザーバ40内にブレーキ液が流入しないようになっている。このため、回転式ポンプ13の吸入能力より多くのブレーキ液がリザーバ室40c内に流動することがなく、回転式ポンプ13の吸入側に高圧が印加されないようになっている。
【0043】
次に、図2に回転式ポンプ10、13を含むポンプ本体100の断面図を示す。この図は、ポンプ本体100をABSアクチュエータのハウジング150に組付けたときを示しており、紙面上下方向が車両天地方向となるように組付けられている。以下、図2に基づいてポンプ本体100の全体構成について説明する。
【0044】
上述したように、ブレーキ装置は、第1配管系統と第2配管系統の2系統から構成されている。このため、ポンプ本体100には図1及び図2に示された第1配管系統用の回転式ポンプ13と、図2に示された第2配管系統用の回転式ポンプ10の2つが備えられている。そして、これら回転式ポンプ10、13が1本の駆動軸54で駆動されるようになっている。
【0045】
ポンプ本体100の外形を構成するケーシングは、第1、第2、第3、第4シリンダ(サイドプレート)71a、71b、71c、71d及び円筒状の第1、第2中央プレート73a、73bによって構成されている。
【0046】
そして、第1シリンダ71a、第1中央プレート73a、第2シリンダ71b、第3シリンダ71c、第2中央プレート73b及び第4シリンダ71dが順に重ねられると共に、重なり合う部分の外周が溶接されて、一体構造をなすポンプ本体100が形成されている。このように一体構造とされたポンプ本体100は、ABSアクチュエータ用のハウジング150に形成された略円筒形状の凹部150a内に挿入されている。
【0047】
そして、凹部150aの入口に掘られた雌ネジ溝150bにリング状の雄ネジ部材200がネジ締めされて、ポンプ本体100がハウジング150に固定された構成となっている。
【0048】
さらに、ポンプ本体100の挿入方向の先端位置と凹部150aの底との間には、板バネ(皿バネ)210が配置されている。この板バネ210によって、ポンプ本体100の軸力(ポンプ本体100の挿入方向に加えられる力)が確保されるようになっている。
【0049】
ポンプ本体100をハウジング150に固定するため、換言すればポンプ本体100によるブレーキ液の吸入吐出時に高圧なブレーキ液圧によってポンプ本体100がハウジング150の内側でガタつかないようにするために、大きな軸力を確保しなければならない。
【0050】
しかしながら、雄ネジ部材200のネジ締めのみによって上記軸力を得るのでは、軸力に大きなバラツキが発生しうる。このため、板バネ210を配置することで、ポンプ本体100の軸力が確保できるようにしつつその軸力を安定させると共に、ポンプ本体100にかかる軸力が過大とならず必要最小限となるようにしている。これにより、ポンプ本体100の変形を押さえることができる。
【0051】
なお、板バネ210と凹部150aの底の間に配置されているケース211は、板バネ210の一端部が接触するように構成されており、板バネ210の端部から受ける大きな力が凹部150aの底に局所的にかからないように板バネ210の端部から受ける大きな力を広い面圧に変換するためのものである。
【0052】
また、ポンプ本体100の第1シリンダ71aと板バネ210との間に配置された中空円形状のプレート212は、板バネ210の一端部が接触するように構成されており、板バネ210の端部から受ける大きな力がポンプ本体100に局所的にかからないように、板バネ210の端部から受ける大きな力を広い面圧に変換するためのものである。このプレート212の中空部212aには駆動軸54の先端が挿入されている。そして、駆動軸54のうちプレート212よりも凹部150aの底側には、駆動軸54に嵌入されたリング状のストッパー213が設けられている。このストッパー213の径はプレート212の中空部212aの径よりも大きくなっており、駆動軸54が紙面右側に移動しようとしてもストッパー213がプレート212に接して移動が規制されるようになっている。なお、駆動軸54の先端には周方向に設けられた溝部214が形成されており、この溝部214内にCリング215が配置されている。このCリング214によって、ストッパー213が駆動軸54の先端から抜けそうになっても抜けないようにできる。
【0053】
また、第1、第2、第3、第4シリンダ71a、71b、71c、71dには、それぞれ第1、第2、第3、第4中心孔72a、72b、72c、72dが備えられている。第1シリンダ71aに形成された第1中心孔72aの内周にはベアリング51が備えられており、第4シリンダ71dに形成された第4中心孔72cの内周にはベアリング52が備えられている。第1〜第4中心孔72a〜72d内には駆動軸54が嵌入されており、ベアリング51、52によって軸支されている。このように、回転式ポンプ10、13を挟んで両側にベアリング51、52が配置されている。
【0054】
図3に図2のA−A断面図を示し、図2及び図3に基づいて回転式ポンプ10、13の構成を説明する。
【0055】
回転式ポンプ10は、円筒状の第1中央プレート73aの両側を第1シリンダ71a及び第2シリンダ71bで挟み込んで形成されたロータ室50a内に配置されている。回転式ポンプ10は、駆動軸54によって駆動される内接型ギアポンプで構成されている。回転式ポンプ10は、内周に内歯部が形成されたアウターロータ10aと外周に外歯部が形成されたインナーロータ10bとからなる回転部を備えており、インナーロータ10bの孔内に駆動軸54が挿入された構成となっている。そして、駆動軸54に形成された軸方向が長手方向をなす長穴54a(図2参照)内にキー54bが嵌入されており、このキー54bによってインナーロータ10bへのトルク伝達が成されるようになっている。
【0056】
アウターロータ10aとインナーロータ10bは、それぞれに形成された内歯部と外歯部とが噛み合わさって複数の空隙部10cを形成している。そして、駆動軸54の回転によって空隙部10cが大小変化してブレーキ液の吸入吐出が行えるようになっている。
【0057】
回転式ポンプ13は、円筒状の第2中央プレート73bの両側を第3シリンダ71c及び第4シリンダ71dで挟み込んで形成されたポンプ室50b内に配置されている。回転式ポンプ13も、回転式ポンプ10と同様にアウターロータ13a及びインナーロータ13b(図1参照)を備えた内接型ギアポンプで構成されており、駆動軸54を中心として回転式ポンプ10を180°回転させた配置となっている。このように配置することで、回転式ポンプ10、13のそれぞれの吸入側の空隙部10cと吐出側の空隙部10cとが駆動軸54を中心として対称位置となるようにし、吐出側における高圧なブレーキ液圧が駆動軸54に与える力を相殺できるようにしている。
【0058】
第1シリンダ71aには回転式ポンプ10の吸入側の空隙部10cと連通する吸入口60、及び吐出側の空隙部10cと連通する吐出口61が備えられている。吸入口60は、第1シリンダ71aの回転式ポンプ10側の端面から反対側の端面まで貫通するように形成され、さらに反対側の端面において天方向へ向けて外周面まで引き出されている。そして、吸入口60のうち外周面側を入口としてブレーキ液が導入されるようになっている。なお、ここでいう天方向とは、水平方向に対して垂直上方のことを意味しており、本明細書において天方向と記載した場合、同様の意味であるものとする。
【0059】
そして、吸入口60は、ハウジング150の凹部の内周面のうち第1シリンダ71aに対向する部分全周に形成された環状溝161を介して、ハウジング150に形成された吸入用管路151に接続されている。
【0060】
また、吐出口61は、第1シリンダ71a及び第2シリンダ71bのうち回転式ポンプ10の回転部側の端面から外周面に至るように延設されている。この吐出口61は、具体的には以下のように構成されている。
【0061】
第1シリンダ71a及び第2シリンダ71bのうち回転式ポンプ10の回転部側の端面には、駆動軸54を囲むように形成された環状溝(第1の環状溝)61aが備えられている。
【0062】
この環状溝61a内には、アウターロータ10a及びインナーロータ10bを挟み込むように配置されたリング状のシール部材171が備えられている。このシール部材171は、回転部側に配置された樹脂部材171aと、樹脂部材171aを回転部側に押圧するゴム部材171bとから構成されている。このシール部材171の内周側には、吸入側の空隙部10c及び吸入側の空隙部10cに対向するアウターロータ10aの外周と中央プレート73aとの隙間が含まれ、シール部材172の外周側には、吐出側の空隙部10c及び吐出側の空隙部10cに対向するアウターロータ10aの外周と中央プレート73aとの隙間が含まれるようにされている。すなわち、シール部材171によって、シール部材171の内外周の比較的低圧な部位と比較的高圧な部位とがシールされるように構成されている。
【0063】
また、シール部材171は、環状溝61aの内周と接し、外周とは一部接しないように構成されている。このため、環状溝61aのうちシール部材171よりも外周側の一部接しない部分は隙間となっている。つまり、環状溝61aには、外周全周がシール部材171と接しないように構成された領域があり、この領域をブレーキ液が流動できるようになっている。さらに、第1のシリンダ71aには、環状溝61aの最も上方位置から天方向へ管路61bが引き出されている。このように構成された環状溝61aの隙間と管路61bによって吐出口61が構成されている。
【0064】
そして、吐出口61は、ハウジング150の凹部の内周面のうちポンプ本体100の先端位置が配置される部分全周に形成された環状溝162を介して、ハウジング150に形成された吐出用管路152と接続されている。
【0065】
一方、第4シリンダ71dには回転式ポンプ13の吸入側の空隙部と連通する吸入口62、及び吐出側の空隙部と連通する吐出口63が備えられている。吸入口62は、第4シリンダ71dの回転式ポンプ13側の端面と外周面を貫通するように形成されている。具体的には、吸入口62は、吸入側の空隙部から水平方向に延設されたのち、天方向に引き出されて構成されている。また、吸入口62は、駆動軸54が配置される中心孔72dと連通するように構成されている。そして、吸入口62のうち第4シリンダ71dの外周面側を入口として、ブレーキ液が導入されるようになっている。また、吸入口62は、吸入口62の入口の位置を含むようにハウジング150の凹部150aの内周面の全周に形成された環状溝164を介して、ハウジング150に形成された吸入用管路153と接続されている。
【0066】
このように、吸入口62と中心孔72dとを連通させることにより、駆動軸54やベアリング52等にブレーキ液を供給して駆動軸54の回転が円滑に行えるようにすると共に、中心孔72dを介して外部から空気が侵入した場合に吸入口62を逃げ道として空気が逃げれるようにしている。この吸入口62は、吐出口63よりもモータ11側(ハウジング150外部側)に位置しており、ハウジング150の外部に近い部分のブレーキ液圧が低くなるようにしている。
【0067】
吐出口63は、第3シリンダ71c及び第4シリンダ71dのうち回転式ポンプ13の回転部側の端面から外周面に至るように形成されている。この吐出口63は、上記した吐出口61と同様の構造で形成されており、樹脂部材172a及びゴム部材172bからなるリング状のシール部材172を収容した環状溝63aの隙間と、環状溝63aの最も上方位置から引き出された管路63bとから構成されている。この吐出口63は、ハウジング150の凹部150aの内周面のうち中央プレート73bの外周と対向する部分全周に形成した環状溝163を介して、吐出用管路154に接続されている。
【0068】
上記したように、吸入口60、62及び吐出口61、63は天方向に引き出されているため、回転式ポンプ10、13内に空気が入り込んだとしても、空気が天方向に抜けられるようにできる。
【0069】
そして、上記した吸入用管路151、153及び吐出用管路152、154はすべて、ポンプ本体100から紙面上方、つまり天方向に向けて延設されている。このため、回転式ポンプ10、13の内部に空気が入り込んでも吸入用管路151、153及び吐出用管路152、154を通じてポンプ本体100の外部に抜けるようにできる。また、吸入用管路151、153及び吐出用管路152、154は、環状溝161〜164を通じて、吸入口60、62若しくは吐出口61、63と接続されている。また、吐出口61、63において、管路61b及び63bは、環状溝61a、63aの最上端で接続されており、環状溝61a、63aには空気が残留するような部位がないため、円滑に上記空気抜きが行われるようにできる。
【0070】
なお、図2において、吸入用管路153及び吐出用管路154が図1における管路Cに相当する。
【0071】
第2シリンダ71bの第2中心孔72b及び第3シリンダ71cの第3中心孔72cの径は部分的に駆動軸54より径大とされており、この径大とされた部位に第1の回転式ポンプ10と第2の回転式ポンプ13とを遮断するシール部材80が収容されている。このシール部材80は、リング状の弾性部材であるOリング81を、径方向を深さ方向とする溝部が形成されたリング状の樹脂部材82に嵌め込んだものであり、Oリング81の弾性力によって樹脂部材82が押圧されて駆動軸54と接するようになっている。
【0072】
また、樹脂部材82及び第3シリンダ71cの第3中心孔72cの断面形状は共に、円形状を部分的に切欠きとした円弧形状とされており、第3シリンダ71cの第3中心孔72cに樹脂部材82が嵌め込まれるように構成されている。このため、樹脂部材82の切欠き部分がキーとしての役割を果たし、シール部材80が第3シリンダ71cに対して相対回動できないように構成されている。
【0073】
第4シリンダ71dは、第2中央プレート73aと溶接される面の反対の面において凹んでおり、この凹みから駆動軸54が突出するようになっている。駆動軸54は突出した側の端部において部分的に凹んだ接続部54cを備えており、この接続部54cにモータ11の駆動軸11aが差し込まれるようになっている。そして、一本の駆動軸54が駆動軸11aを介してモータ11によって回動されて、回転式ポンプ10、13が駆動されるようになっている。また、第4シリンダ71dの凹み部分の入り口の径は、モータ11のホルダーに形成された孔と同等になっており、第4シリンダ71dの凹み部分とモータ11のホルダー11bの孔との間の隙間を小さくしてベアリング180を配置し、駆動軸11aが軸支されるようになっている。なお、ここでは駆動軸11aがベアリング180によって軸支される例を挙げているが、駆動軸54を軸支するようにしてもよい。
【0074】
このように、モータ11のホルダー11bに形成された孔11cと第4シリンダ71dの凹み部分とにベアリング180を配置すると、モータ11と第4シリンダ71の径方向の位置決めが成されるため、駆動軸11aと駆動軸54の軸ズレを最小限に抑えることができる。
【0075】
また、第4シリンダ71dに形成された凹み内において、駆動軸54の外周を覆うように、オイルシール90とオイルシール91が駆動軸54の軸方向に並べられて嵌め込み固定されている。オイルシール90は、中心孔72dを介して吸入口62から洩れてくるブレーキ液をシールする役割を果たすものである。そして、オイルシール91は、オイルシール90が破損したとき等に洩れてくるブレーキ液をシールする役割を果たすものである。
【0076】
さらに、第1、第2、第4シリンダ71a、71b、71dの外周面にはOリング74a、74b、74c、74dが配置されている。これらOリング74a〜74dは、ハウジング150に形成された吸入用管路151、153や吐出用管路152、154におけるブレーキ液をシールするものであり、吸入用管路151と吐出用管路152の間、吐出用管路152と吐出用管路154の間、吐出用管路154と吸入用管路153の間、及び吸入用管路153とハウジング150の外部の間に配置されている。
【0077】
なお、第4シリンダ71dの凹み部分の入口側の先端は縮径されており、段付き部を構成している。上記したリング状の雄ネジ部材200はこの縮径された部分に嵌装され、ポンプ本体100が固定されるようになっている。
【0078】
次に、このように構成されたブレーキ装置及びポンプ本体100の作動について説明する。
【0079】
ブレーキ装置は、車輪がロック傾向にあるABS制御時、若しくは大きな制動力を必要とする場合、例えばブレーキ踏力に対応した制動力が得られない場合やブレーキペダル1の操作量が大きいとき等において、ポンプ本体100を駆動しリザーバ40内のブレーキ液を吸入し、吐出する。そして、この吐出されたブレーキ液によってホイールシリンダ4、5の圧力を増圧する。
【0080】
このとき、ポンプ本体100内では、回転式ポンプ10、13が吸入用管路151、153を通じてブレーキ液を吸入し、吐出用管路152、154を通じてブレーキ液を吐出するという基本的なポンプ動作を行う。
【0081】
このとき、回転式ポンプでは、吐出側の圧力が非常に大きくなる。このため、ポンプ本体100がハウジング150から抜ける方向にブレーキ液圧が作用するが、上述したように、板バネ210及び雄ネジ部材200によってポンプ本体100の軸力を確保しているため、ポンプ本体100がハウジング150内でガタつくのを防止することができる。
【0082】
また、ポンプ本体100と同様に、駆動軸54もポンプ本体100から抜ける方向(紙面右方向)にブレーキ液圧が作用し、駆動軸54の径方向の断面積に応じた力を受ける。しかしながら、上述したように、駆動軸54の先端にストッパー213を配置すると共に、第1シリンダ71a挿入方向先端位置にプレート212を配置しているため、ストッパー213がプレート212と当接して、駆動軸54がポンプ本体100から抜ける方向に移動することを規制することができる。
【0083】
なお、本実施形態では、駆動軸54に形成されたインナーロータ10bへのトルク伝達用のキー54bを嵌め込む長穴54aの長さを、ストッパー213がプレート212に接するまでの間よりも長くしている。このため、駆動軸54がポンプ本体100から抜ける方向に移動しても、キー54bが駆動軸54によって軸方向の力を受けることがないため、第2シリンダ71bや第4シリンダ71dにキー54bが押しつけられることがなく、回転部に確実にトルク伝達を行うことができる。また、本実施形態では、駆動軸54のうちストッパー213よりも先端の位置には、Cリング215が配置されている。このため、仮にストッパー213が駆動軸54から抜けそうになっても、Cリング215によって保持され、駆動軸54がポンプ本体100から抜けないようにできる。
【0084】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、板バネ210をポンプ本体100の挿入方向先端とハウジング150の凹部150aの底との間に配置しているが、本実施形態に示すように、第4シリンダ71dの断付き部と雄ネジ部材200との間に板バネ220が配置されるようにしてもよい。
【0085】
このような構成としても雄ネジ部材200をネジ締めする際に作用する力が板バネ220によってバランスされ、所望の軸力を確保しつつ雄ネジ部材200のネジ締めによって確実にポンプ本体100がハウジング150に固定されるようにすることができる。
【0086】
(他の実施形態)
上記実施形態では、第2、第3シリンダ71b、71cを駆動軸54に対して略垂直方向に2つの部材に分割して構成しているが、これら第2、第3のシリンダ71b、71cを一部材で形成することも可能である。しかしながら、シール部材80は、駆動軸54が回転してもこの回転に伴って回転してしまわないようにする必要がある。このため、上述したように樹脂部材82及び第3シリンダ71cの内周の断面形状を円弧形状としているのであるが、第2シリンダ71bと第3シリンダ71cの2部材としているため、第3シリンダ71cの端面から円弧形状の凹みが形成されるようにすればすむため、一部材で形成するよりも各部材の製造を容易に行うことができる。また、本実施形態では、第2、第3シリンダ71b、71c内にシール部材80を収容し、シール部材80が回転式ポンプ10、13の回転部に接しないようにしている。このため、各回転部によってシール部材80が摩耗することを防止することができる。
【0087】
さらに本実施形態のポンプ本体100は、上述したように、第1シリンダ71a、第1中央プレート73a、第2シリンダ71b、第3シリンダ71c、第2中央プレート73b及び第4シリンダ71dが順に重ねられ、重なり合う部分の外周を溶接することで一体としている。このような場合、各回転式ポンプ10、13を最適位置に組付けるために、各アウターロータ10aとインナーロータ10b、中央プレート73a、73b、及び第1〜第4シリンダ71a〜71dとの位置合せを行わなければならない。しかしながら、第2、第3シリンダ71b、71cが一体となっていると、回転式ポンプ10、13をそれぞれ別々に位置合せすることができなくなる。このため。上記最適位置に位置合せするのが困難である。このため、第2、第3シリンダ71b、71cに分割することにより、このような問題を無くすことが可能になる。
【0088】
また、上記実施形態では、駆動軸54の先端にストッパー213及びCリング215を配置しているが、いずれか一方のみにしてもよい。この時、ストッパー213を無くす場合には、Cリング215がプレートと当接してストッパー213としての役割を果たすようになる。
【0089】
また、上記実施形態では、ハウジング150の凹部に形成された雌ネジ溝150bに雄ネジ部材200をネジ締めすることによって、ポンプ本体100をハウジング150に固定しているが、他の方法、例えば凹部150aの内周面をかしめることによって固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるブレーキ装置の配管構成を示す図である。
【図2】図1に示すブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】第2実施形態におけるブレーキ装置のポンプ本体100の近傍の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
100…ポンプ本体、10a…アウターロータ、10b…インナーロータ、
10c…空隙部、54…駆動軸、54a…長穴、54b…キー、
60、62…吸入口、61、63…吐出口、61a、63a…環状溝、
61b、63b…通路、71a〜71d…第1〜第4シリンダ、
73a、73b…中央プレート、150a…凹部、150…ハウジング、
151〜154…管路、171、172…シール部材、200…雄ネジ部、
210…板バネ、213…ストッパー。
Claims (10)
- 外周に外歯部が形成されたインナーロータ(10b、13b)、及び内周に内歯部が形成されたアウターロータ(10a、13a)を含み、前記内歯部と前記外歯部とを噛み合わせることで複数の空隙部(10c)を形成してなる回転部と、前記回転部にブレーキ液を吸入する吸入口(60、62)と、前記回転部から前記ブレーキ液を吐出する吐出口(61、63)とを有してなる回転式ポンプ(10、13)を複数備え、
一本の駆動軸(54)によって前記複数の回転式ポンプそれぞれのインナーロータを駆動するように構成されたポンプ本体(100)を有し、
前記駆動軸が水平に配置され、前記吐出口が水平方向に対して垂直上方となる天方向に引き出されており、
前記ポンプ本体は、前記複数の回転式ポンプのそれぞれにおいて、前記回転部を収容する孔を有する中央プレート(73a、73b)と、前記駆動軸が嵌入される孔を有し、前記中央プレートを両側から挟み込むサイドプレート(71a、71b、71c、71d)と、を備えて構成された前記回転部を収容するケーシングを有し、
前記両サイドプレートのうち前記回転部側の端面には、前記駆動軸を囲むように形成された第1の環状溝(61a、63a)が形成されている共に、該第1の環状溝内において前記インナーロータ及び前記アウターロータを挟み込むように配置されたシール部材(171、172)が備えられており、
前記第1の環状溝は、前記シール部材が配置されたときに、該第1の環状溝内の隙間を通じて該第1の環状溝の長さ方向に前記ブレーキ液が流動できるように構成され、
前記両サイドプレートのうち少なくとも一方には、該第1の環状溝のうち最も上方に位置する部位から水平方向に対して垂直上方となる天方向に引き出された通路(61b、63b)が形成され、
前記吐出口は、前記第1の環状溝と前記通路とを含んで構成されており、
さらに、前記第1の環状溝には、該第1の環状溝の外周全周が前記シール部材と接しないように構成された領域があり、該領域を前記ブレーキ液が流動できるようになっていることを特徴とする車両用ブレーキ装置。 - 前記サイドプレートのうち、前記複数の回転式ポンプの間に配置されるものは、前記駆動軸の略垂直方向において分割された複数部材(71b、71c)で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記ポンプ本体を収容する凹部(150a)を備えたハウジング(150)を有し、前記ポンプ本体を前記凹部内に前記駆動軸の軸方向に挿入して前記ハウジングに組付けられるようになっており、
前記ポンプ本体の挿入方向の先端と前記凹部の底部との間には、前記ポンプ本体を前記挿入方向の反対方向に押圧するバネ部材(210)が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキ装置。 - 前記ポンプ本体を収容する凹部(150a)を備えたハウジング(150)を有し、前記ポンプ本体を前記凹部内に前記駆動軸の軸方向に挿入して前記ハウジングに組付けられるようになっており、
前記凹部の入口には、前記凹部内に挿入された前記ポンプ本体を前記挿入方向に押圧するバネ部材(220)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。 - 前記ハウジングに形成された凹部の入口にはネジ部材(200)がネジ締め固定されており、該ネジ部材によって前記ポンプ本体が前記凹部への挿入方向に押圧されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記ポンプ本体及び前記凹部は略円筒形状を成しており、 前記凹部の内周面のうち前記吸入口及び前記吐出口が引き出されている部位のそれぞれには、前記ポンプ本体の周方向を囲むように形成された第2の環状溝(161〜164)が形成されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
- 孔が形成されたホルダー(11b)を有すると共に、該ホルダーの孔の中心位置にモータシャフト(11a)を有してなるモータ(11)を備え、
前記ハウジングのうち前記凹部が形成された面に、前記ホルダーを介して前記モータが固定されるようになっており、
前記ホルダーの孔の内周、及び前記サイドプレートの孔の入口の内周の両方に接するように、前記モータシャフト若しくは前記駆動軸の少なくとも一方を軸支するベアリング(180)が配置されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。 - 前記ハウジングには、前記吸入口及び前記吐出口のそれぞれに接続される管路(151〜154)が形成されており、該管路が水平方向に対して垂直上方となる天方向に引き出されていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記駆動軸の先端にはストッパー(213)が備えられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記駆動軸には、該駆動軸の軸方向を長手方向とする長穴(54a)が形成されていると共に、該長穴内においてキー(54b)が備えられており、
前記キーによるトルク伝達によって前記インナーロータが前記駆動軸に駆動されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置。
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