JP5668386B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジングとこれに挿通されたシャフトとの隙間に樹脂製リングおよびゴム製リングを有するシール部材を配置し、シャフト側に樹脂製リングを密着させることによってシールする密封装置に関するものであり、例えば回転式ポンプにおける密封に適用すると好適である。
従来、特許文献1において、回転式ポンプが備えられたブレーキ装置が開示されている。このブレーキ装置に備えられた回転式ポンプでは、回転式ポンプを駆動するための駆動軸(シャフト)と回転式ポンプを収容するケースとの間に樹脂製リングとゴム製リングとを有するシール部材を配置し、シール部材によって、駆動軸とケースとの間のブレーキ液漏れを抑制している。具体的には、シール部材は、樹脂製リングが駆動軸に接し、かつ、ゴム製リングがケース側に接するように配置され、ゴム製リングの弾性力によって樹脂製リングが駆動軸に押圧されるようにしている。
このシール部材により基本的には駆動軸とケースとの間のブレーキ液漏れが抑制されるが、さらなるブレーキ液漏れの抑制を行うために、シール部材を挟んで回転式ポンプの反対側にオイルシールを配置し、シール部材とオイルシールの二重シール構造としている。このように、シール部材とオイルシールの二重シール構造とすることにより、ブレーキ液漏れの抑制を実現している。
特開2007−278086号公報
しかしながら、駆動軸の軸方向におけるシール部材の移動が生じると、この移動によるポンピングが生じて、ケースと駆動軸との間の隙間のうちシール部材とオイルシールとの間の領域の圧力上昇およびこれに伴う圧力漏れやシール性への悪影響を発生させる虞がある。
なお、ここではブレーキ装置に備えられる回転式ポンプのシール構造について説明したが、シャフトとケースとの間の隙間のシール部材を備えた密封装置であれば他のものについても同様のことが言える。また、シール対象もブレーキ液に限らず、他の液体などの流体のシールを行う密封装置についても上記と同様のことが言える。
本発明は上記点に鑑みて、シャフトとケースとの間に配置されるシール部材の軸方向の移動を規制できる密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、中空部を有するケース(71a〜71d、73a、73b)と中空部に挿通されたシャフト(54)との間にシール部材(130)を配置してシールを行う密封装置であって、ゴム製カップ(132)は、リング状の基部(132a)と、該基部から軸方向一方の端部から伸びるリップ形状部(132b)とを有し、リップ形状部は、樹脂製リングに密着する内周側の第1リップ(132g)と、ケースの内周面に接触させられる外周側の第2リップ(132f)とを有し、ケースとシャフトとの間におけるシール部材(130)にて区画された両室のうち、該リップ形状部よりも軸方向一方側となる第1室の圧力が軸方向他方側となる第2室の圧力よりも低いときに第2リップがケースの内周面から離間して第2室の圧力を第1室にリリーフ可能とされ、基部は、該基部が樹脂製リングに対して軸方向一方側に移動することを規制する第1規制面(132j)と、軸方向他方側に移動することを規制する第2規制面(132k)とを有していることを第1の特徴としている。
このように、シール部材のゴム製カップを基部とリップ形状部を有した構造とし、リップ形状部にて第1室から第2室への流体の流動を抑制しつつ、基部の第1、第2規制面によってゴム製カップが樹脂製リングとケースとの間において所定位置に固定されるようにしている。このため、シャフトとケースとの間に配置されるシール部材の軸方向の移動を規制することが可能となる。これにより、シャフトの軸方向におけるシール部材の移動によるポンピングを防止でき、第2室の圧力上昇およびこれに伴う圧力漏れやシール性への悪影響を防止することが可能となる。
さらに、請求項に記載の発明では、第1規制面は、基部のうち、リップ形状部における第1リップの基端よりも径方向内側に突出させた部分、もしくは、リップ形状部における第2リップの基端よりも径方向外側に突出させた部分に設けられていることを第2の特徴としている。
このように、例えば基部のうち径方向内側もしくは外側に突出させられた部分に対して第1規制面を設けることができる。リング状の基部を径方向についてリップ形状部の基端よりも大きくすることで、ゴム製リングの支持安定化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、基部には、該基部の径方向外側に突出させられていて、シール部材をケースおよびシャフトの間に配置したときにケースの内周面によって押し潰される突起(132d)が備えられ、該突起が押し潰されることにより該基部にて樹脂製リングをシャフトに押し付ける力を発生させることを特徴としている。
このように、突起が押し潰されることにより基部にて樹脂製リングをシャフトに押し付ける力を発生させられ、樹脂製リングとシャフトとの間を的確にシールすることが可能となる。
請求項に記載の発明では、樹脂製リングは、第1、第2規制面の少なくとも一方に当接して該樹脂製リングに対するゴム製カップの軸方向の移動を規制する当接面(131e)を有し、該当接面は、樹脂製リングの軸方向および径方向に対して傾斜させられていることを特徴としている。
このように、当接面が樹脂製リングの軸方向および径方向に対して傾斜させられるようにすると、ゴム製リングを樹脂製リングとケースとの間に装着したときや流体の圧力で軸方向にゴム製リングが押し付けられたとき、ゴム製リングが当接面から規制面に受けた反力によって径方向に押し付けられるようにできる。これにより、よりシール性を向上させることが可能となる。
請求項に記載の発明では、基部は、該基部の径方向内側に突出させられた保持部(132c)を有し、該保持部は径方向に切断したときの断面形状が円弧状とされており、樹脂製リングは、ゴム製カップが嵌り込むカップ収納溝(131a)が備えられていると共に、該カップ収納溝内において保持部が収納される保持部収納部(131g)が備えられており、保持部のうち保持部収納部の内壁面に当接する部分によって第1規制面が構成されていることを特徴としている。
このように、保持部を断面円弧状としているため、樹脂製リングにおける保持部収納部の軸方向の寸法にバラツキが発生しても、保持部が保持部収納部内に確実に嵌り込む。このため、寸法バラツキに関係なく、上記した請求項1における第1の特徴による効果を得ることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる回転式ポンプ装置を適用した車両用ブレーキ装置のブレーキ配管概略図である。 回転式ポンプ19、39を含むポンプ本体100およびモータ60を備えた回転式ポンプ装置の断面図である。 図2のA−A断面図である。 シール部材130の近傍の部分拡大断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、回転式ポンプ装置への組付け前の樹脂製リング131とゴム製カップ132の部分拡大断面図であり、(c)は、樹脂製リング131にゴム製カップ132を嵌め込んだときの様子を示した部分拡大断面図である。 回転式ポンプ装置へ組付けた後にゴム製カップ132に作用する力を示した樹脂製リング131とゴム製カップ132の部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。 第2実施形態の変形例として説明するシール部材130の部分拡大図である。 本発明の第3実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。 本発明の第4実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。 本発明の第5実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。 本発明の第6実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。 本発明の第7実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1に、本発明の一実施形態にかかる回転式ポンプ装置を適用した車両用ブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。以下、車両用ブレーキ装置の基本構成を、図1に基づいて説明する。ここでは前輪駆動の4輪車において、前後配管の油圧回路を構成する車両に本発明による車両用ブレーキ装置を適用した例について説明するが、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管などにも適用可能である。
図1において、ドライバがブレーキペダル11を踏み込むと、倍力装置12にて踏力が倍力され、マスタシリンダ(以下、M/Cという)13に配設されたマスタピストン13a、13bを押圧する。これにより、これらマスタピストン13a、13bによって区画されるプライマリ室13cとセカンダリ室13dとに同圧のM/C圧が発生する。M/C圧は、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50を通じて各ホイールシリンダ(以下、W/Cという)14、15、34、35に伝えられる。このM/C13には、プライマリ室13cおよびセカンダリ室13dそれぞれと連通する通路を有するマスタリザーバ13eが備えられている。
ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50は、第1配管系統50aと第2配管系統50bとを有している。第1配管系統50aは、左前輪FLと右前輪FRに加えられるブレーキ液圧を制御し、第2配管系統50bは、右後輪RRと左後輪RLに加えられるブレーキ液圧を制御する。
第1配管系統50aと第2配管系統50bとは、同様の構成であるため、以下では第1配管系統50aについて説明し、第2配管系統50bについては説明を省略する。
第1配管系統50aは、上述したM/C圧を左前輪FLに備えられたW/C14および右前輪FRに備えられたW/C15に伝達し、W/C圧を発生させる主管路となる管路Aを備える。
また、管路Aは、連通状態と差圧状態に制御できる第1差圧制御弁16を備えている。この第1差圧制御弁16は、ドライバがブレーキペダル11の操作を行う通常ブレーキ時(車両運動制御が実行されていない時)には連通状態となるように弁位置が調整されており、第1差圧制御弁16に備えられるソレノイドコイルに電流が流されると、この電流値が大きいほど大きな差圧状態となるように弁位置が調整される。
この第1差圧制御弁16が差圧状態のときには、W/C14、15側のブレーキ液圧がM/C圧よりも所定以上高くなった際にのみ、W/C14、15側からM/C13側へのみブレーキ液の流動が許容される。このため、常時W/C14、15側がM/C13側よりも所定圧力以上高くならないように維持される。
そして、管路Aは、この第1差圧制御弁16よりも下流になるW/C14、15側において、2つの管路A1、A2に分岐する。管路A1にはW/C14へのブレーキ液圧の増圧を制御する第1増圧制御弁17が備えられ、管路A2にはW/C15へのブレーキ液圧の増圧を制御する第2増圧制御弁18が備えられている。
第1、第2増圧制御弁17、18は、連通・遮断状態を制御できる2位置電磁弁により構成されている。具体的には、第1、第2増圧制御弁17、18は、第1、第2増圧制御弁17、18に備えられるソレノイドコイルへの制御電流がゼロとされる時(非通電時)には連通状態となり、ソレノイドコイルに制御電流が流される時(通電時)に遮断状態に制御されるノーマルオープン型となっている。なお、第1、第2増圧制御弁17、18として、上記のような2位置電磁弁に代えて、上述の第1差圧制御弁16と同様な、電流値が大きいほど(或いは小さいほど)大きな差圧状態となるように弁位置を調整可能な電磁弁を用いてもよい。
管路Aにおける第1、第2増圧制御弁17、18および各W/C14、15の間と調圧リザーバ20とを結ぶ減圧管路としての管路Bには、連通・遮断状態を制御できる2位置電磁弁により構成される第1減圧制御弁21と第2減圧制御弁22とがそれぞれ配設されている。そして、これら第1、第2減圧制御弁21、22はノーマルクローズ型となっている。
調圧リザーバ20と主管路である管路Aとの間には還流管路となる管路Cが配設されている。この管路Cには調圧リザーバ20からM/C13側あるいはW/C14、15側に向けてブレーキ液を吸入吐出するモータ60によって駆動される自吸式のポンプ19が設けられている。モータ60は図示しないモータリレーに対する通電が制御されることで駆動される。
そして、調圧リザーバ20とM/C13の間には補助管路となる管路Dが設けられている。この管路Dを通じ、ポンプ19にてM/C13からブレーキ液を吸入し、管路Aに吐出することで、車両運動制御時において、W/C14、15側にブレーキ液を供給し、対象となる車輪のW/C圧を加圧する。なお、ここでは第1配管系統50aについて説明したが、第2配管系統50bも同様の構成であり、第1配管系統50aに備えられた各構成と同様の構成を第2配管系統50bも備えている。具体的には、第1差圧制御弁16と対応する第2差圧制御弁36、第1、第2増圧制御弁17、18と対応する第3、第4増圧制御弁37、38、第1、第2減圧制御弁21、22と対応する第3、第4減圧制御弁41、42、ポンプ19と対応するポンプ39、リザーバ20と対応するリザーバ40、管路A〜Dと対応する管路E〜Hがある。
また、ブレーキECU70は、ブレーキ制御システム1の制御系を司る本発明の車両運動制御装置に相当するもので、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って各種演算などの処理を実行し、横滑り防止制御等の車両運動制御を実行する。すなわち、ブレーキECU70は、図示しないセンサ類の検出に基づいて各種物理量を演算し、その演算結果に基づいて車両運動制御を実行すか否かを判定し、実行する際には、制御対象輪に対する制御量、すなわち制御対象輪のW/Cに発生させるW/C圧を求める。その結果に基づいて、ブレーキECU70が各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42への電流供給制御およびポンプ19、39を駆動するためのモータ60の電流量制御を実行することで、制御対象輪のW/C圧が制御され、車両運動制御が行われる。
例えば、トラクション制御や横滑り防止制御のようにM/C13に圧力が発生させられていないときには、ポンプ19、39を駆動すると共に、第1、第2差圧制御弁16、36を差圧状態にすることで、管路D、Hを通じてブレーキ液を第1、第2差圧制御弁16、36の下流側、つまりW/C14、15、34、35側に供給する。そして、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38や第1〜第4減圧制御弁21、22、41、42を適宜制御することで制御対象輪のW/C圧の増減圧を制御し、W/C圧が所望の制御量となるように制御する。
また、アンチスキッド(ABS)制御時には、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38や第1〜第4減圧制御弁21、22、41、42を適宜制御すると共に、ポンプ19、39を駆動することでW/C圧の増減圧を制御し、W/C圧が所望の制御量となるように制御する。
次に、上記のように構成される車両用ブレーキ装置における回転式ポンプ装置の構成、つまり回転式ポンプ19、39の詳細構造について説明する。図2は、回転式ポンプ19、39を含むポンプ本体100およびモータ60を備えた回転式ポンプ装置の断面図である。この図は、ポンプ本体100をブレーキ液圧制御用アクチュエータ50のハウジング101に組付けたときの様子を示しており、例えば、紙面上下方向が車両天地方向となるように組付けられる。
上述したように、車両用ブレーキ装置は、第1配管系統50aと第2配管系統50bの2系統から構成されている。このため、ポンプ本体100には図1および図2に示された第1配管系統用の回転式ポンプ19と、図2に示された第2配管系統用の回転式ポンプ39の2つが備えられている。
ポンプ本体100に内蔵される回転式ポンプ19、39は、モータ60が第1ベアリング51および第2ベアリング52で支持された駆動軸54を回転させることによって駆動される。ポンプ本体100の外形を構成するケーシングは、第1、第2、第3、第4シリンダ(サイドプレート)71a、71b、71c、71dおよび円筒状の第1、第2中央プレート73a、73bによって構成されており、第1ベアリング51は第1シリンダ71aに配置され、第2ベアリング52は第4シリンダ71dに配置されている。
第1シリンダ71a、第1中央プレート73a、第2シリンダ71b、第2中央プレート73b、第3シリンダ71cが順に重ねられ、重なり合う部分の外周が溶接されることで接合されている。そして、これら溶接されてユニット化された部分を第1ケースとして、第2ケースに相当する第4シリンダ71dが第1ケースに対して同軸的に配置されることで、ポンプ本体100のケースが構成されている。なお、第3シリンダ71cと第4シリンダ71dのうち互いに向かい合う端面には凹部74a、74bが備えられており、これらの中に配置されたピン74cにて、第1ケースと第2ケースにおける駆動軸54の回転方向での位置合わせがなされている。
このようにして一体構造のポンプ本体100が構成され、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50のハウジング101に形成された略円筒形状の凹部101a内に紙面右方向から挿入されている(以下、このポンプ本体100のハウジング101の凹部101aへの挿入方向のことを単に挿入方向という)。
そして、凹部101aの入口に掘られた雌ネジ溝101bにリング状の雄ネジ部材(スクリュー)102がネジ締めされて、ポンプ本体100がハウジング101に固定されている。この雄ネジ部材102のネジ締めによってポンプ本体100がハウジング101から抜けない構造とされている。
また、挿入方向の先端位置のうち駆動軸54の先端と対応する位置において、ハウジング101の凹部101aに円形状の第2の凹部101cが形成されている。この第2の凹部101cの径は、第1シリンダ71aから突出している第1ベアリング51の外径と同等、かつ、第1シリンダ71aの外径より小さくされている。このため、第1ベアリング51のうち第1シリンダ71aの端面から突出する部分が第2の凹部101c内に入り込み、凹部101aの底面うち第2の凹部101c以外の部分が第1シリンダ71aの端面と対向する構造となる。
また、第1〜第4シリンダ71a〜71dには、それぞれ第1、第2、第3、第4中心孔72a、72b、72c、72dが備えられている。これら第1〜第4中心孔72a〜72d内に駆動軸54が挿入され、第1シリンダ71aに形成された第1中心孔72aの内周に固定された第1ベアリング51と第4シリンダ71dに形成された第4中心孔72dの内周に固定された第2ベアリング52にて支持されている。第1、第2ベアリング51、52にはどのような構造のベアリングを適用しても良いが、本実施形態では、幅狭なボールベアリングを用いている。
具体的には、第1ベアリング51は、内輪51aと外輪51bおよび転動体51cを備えた構成とされ、駆動軸54が内輪51aの穴内に嵌め込まれることで駆動軸54を軸支している。第1ベアリング51は、第1シリンダ71aの中心孔72aが挿入方向前方において第1ベアリング51の外径と対応する寸法に拡径されていることから、この拡径された部分において第1シリンダ71aに固定されている。そして、内輪51aと比較して外輪51bの軸方向長が長くされることで、外輪51bが第1シリンダ71aの端面より突き出す構造とされ、この部分が第2の凹部101c内に嵌め込まれている。なお、外輪51bの周囲を囲むように、第2の凹部101cの内壁にはOリング101dが備えられている。
また、第2ベアリング52は、内輪52a、外輪52bおよび転動体52cを備えた構成とされ、外輪52dが第4シリンダ71dの中心孔72d内に圧入されることによって固定されている。この第2ベアリング52の内輪52aの穴内に駆動軸54が嵌め込まれることで、駆動軸54が軸支されている。また、第2ベアリング52には、シールプレート52dも備えられている。なお、この第2ベアリング52は、後述するようにモータ60の出力軸に相当する回転軸61の支持も行っているため、第2ベアリング52の軸方向寸法は二つの軸の支持が同時に行える寸法とされている。
そして、第1、第2ベアリング51、52に挟まれた領域に、回転式ポンプ19、39が備えられている。図3に図2のA−A断面図を示し、回転式ポンプ19、39の詳細構造について説明する。
回転式ポンプ19は、円筒状の第1中央プレート73aの両側を第1シリンダ71aおよび第2シリンダ71bで挟み込んで形成されたロータ室100a内に配置されており、駆動軸54によって駆動される内接型ギアポンプ(トロコイドポンプ)で構成されている。
具体的には、回転式ポンプ19は、内周に内歯部が形成されたアウターロータ19aと外周に外歯部が形成されたインナーロータ19bとからなる回転部を備えており、インナーロータ19bの中心にある孔内に駆動軸54が挿入された構成となっている。そして、駆動軸54に形成された穴54a内にキー54bが嵌入されており、このキー54bによってインナーロータ19bへのトルク伝達がなされる。
アウターロータ19aとインナーロータ19bは、それぞれに形成された内歯部と外歯部とが噛み合わさって複数の空隙部19cを形成している。そして、駆動軸54の回転によって空隙部19cが大小変化することで、ブレーキ液の吸入吐出が行われる。
一方、回転式ポンプ39は、円筒状の第2中央プレート73bの両側を第2シリンダ71bおよび第3シリンダ71cで挟み込んで形成されたロータ室100b内に配置されている。回転式ポンプ39も、回転式ポンプ19と同様にアウターロータ39aおよびインナーロータ39bを備え、これらの両歯部が噛み合わさって形成される複数の空隙部39aにてブレーキ液の吸入吐出を行う内接型ギアポンプで構成されている。この回転式ポンプ39は、駆動軸54を中心として回転式ポンプ19をほぼ180°回転させた配置となっている。このように配置することで、回転式ポンプ19、39のそれぞれの吸入側の空隙部19cと吐出側の空隙部19cとが駆動軸54を中心として対称位置となるようにし、吐出側における高圧なブレーキ液圧が駆動軸54に与える力を相殺できるようにしている。
第2シリンダ71bには、回転式ポンプ19の吸入側の空隙部19cと連通する吸入口80が形成されている。この吸入口80は、第2シリンダ71bのうち回転式ポンプ19側の端面から外周面に至るように延設されている。そして、ハウジング101に対して凹部101aの内周面に沿って周方向を全周を囲むように形成された環状溝90aを介して、この環状溝90aの一部に繋がるように形成された吸入用管路90bに接続されている。このため、回転式ポンプ19は、ポンプ本体100の外周側から吸入用管路90bや環状溝90aおよび吸入口80を通じてブレーキ液が導入される構造となる。
また、第1シリンダ71aには、回転式ポンプ19の吐出側の空隙部19cと連通する吐出口81が備えられている。吐出口81は、第1シリンダ71aの回転式ポンプ19側の端面から反対側の端面まで貫通するように形成されている。この吐出口81は、ハウジング101に対して凹部101aの底面に至るように形成された吐出用管路91に接続されている。このため、回転式ポンプ19は、吐出口81および吐出用管路91を通じてポンプ本体100における凹部101aの底部側からブレーキ液を排出する構造となる。より詳しくは、吐出口81は以下のように構成されている。
吐出口81には、第1シリンダ71aの回転式ポンプ19側の端面から反対側の端面まで貫通させられた部分に加えて、第1シリンダ71aのうち回転式ポンプ19の回転部側の端面において、駆動軸54を囲むように形成された環状溝110にて構成される通路も含まれる。
具体的には、環状溝110内には、アウターロータ19aおよびインナーロータ19bを押圧するように配置されたリング状のシール部材111が備えられている。シール部材111は、回転部側に配置された樹脂部材111aと、樹脂部材111aを回転部側に押圧するゴム部材111bとから構成されている。このシール部材111の内周側には、吸入側の空隙部19cおよび吸入側の空隙部19cに対向するアウターロータ19aの外周と第1中央プレート73aとの隙間が含まれ、シール部材111の外周側には、吐出側の空隙部19cおよび吐出側の空隙部19cに対向するアウターロータ19aの外周と第1中央プレート73aとの隙間が含まれるようにされている。すなわち、シール部材111によって、シール部材111の内外周の比較的低圧な部位と比較的高圧な部位とのシールが行われている。
また、シール部材111は、環状溝110の内周と接し、外周とは一部しか接しないように構成されており、環状溝110のうちシール部材111よりも外周側の一部接しない部分は隙間となっている。つまり、環状溝110には、外周全周がシール部材111と接しないように構成された領域があり、この領域をブレーキ液が流動できるようになっている。このように構成された環状溝110の隙間を含めて吐出口81が構成されている。
さらに、第1シリンダ71aにおける挿入方向前方の端面には、吐出口81と吐出用管路91とを連通させるための連通路81aが形成されている。この連通路81aは、第1ベアリング51の周囲を全周囲むように構成される。この連通路81aにより、吐出用管路91の形成位置がずれたとしても、吐出口81と吐出用管路91とを確実に連通させることができる。つまり、第1シリンダ71aの端面が凹部101aの底面に接すると、これらの間の隙間が無くなって吐出口81と吐出用管路91とが連通しなくなる可能性があるが、連通路81aを形成しておくことで、確実に吐出口81と吐出用管路91とが連通させられる。
さらに、第2シリンダ71bにおける吸入口80が形成された端面と反対側の端面には、回転式ポンプ39における吸入側の空隙部39cと連通する吸入口82が備えられている。吸入口82は、第2シリンダ71bのうち回転式ポンプ39側の端面から外周面に至るように形成されている。そして、ハウジング101に対して凹部101aの内周面に沿って周方向を全周囲むように形成された環状溝92aを介して、この環状溝92aの一部に繋がるように形成された吸入用管路92bに接続されている。このため、回転式ポンプ39は、ポンプ本体100の外周側から吸入用管路92bや環状溝92aおよび吸入口82を通じてブレーキ液が導入される構造となる。
また、第3シリンダ71cには、回転式ポンプ39の吐出側の空隙部39cと連通する吐出口83が備えられている。吐出口83は、第3シリンダ71cの回転式ポンプ39側の端面から反対側の端面まで貫通するように形成されている。この吐出口83は、第3シリンダ71cと第4シリンダ71dの間の隙間94を通じて、ハウジング101に対して凹部101aの内周面に至るように形成された吐出用管路93に接続されている。このため、回転式ポンプ39は、吐出口83、隙間94および吐出用管路93を通じてポンプ本体100の外周面側からブレーキ液を排出する構造となる。より詳しくは、吐出口83は以下のように構成されている。
吐出口83には、第3シリンダ71cの回転式ポンプ39側の端面から反対側の端面まで貫通させられた部分に加えて、第3シリンダ71cのうち回転式ポンプ39の回転部側の端面において、駆動軸54を囲むように形成された環状溝112にて構成される通路も含まれる。
具体的には、環状溝112内には、アウターロータ39aおよびインナーロータ39bを挟み込むように配置されたリング状のシール部材113が備えられている。シール部材113は、回転部側に配置された樹脂部材113aと、樹脂部材113aを回転部側に押圧するゴム部材113bとから構成されている。このシール部材113の内周側には、吸入側の空隙部39cおよび吸入側の空隙部39cに対向するアウターロータ39aの外周と第2中央プレート73bとの隙間が含まれ、シール部材113の外周側には、吐出側の空隙部39cおよび吐出側の空隙部39cに対向するアウターロータ39aの外周と第2中央プレート73bとの隙間が含まれるようにされている。すなわち、シール部材113によって、シール部材113の内外周の比較的低圧な部位と比較的高圧な部位とがシールされるように構成されている。
また、シール部材113は、環状溝112の内周と接し、外周とは一部しか接しないように構成されており、環状溝112のうちシール部材113よりも外周側の一部接しない部分は隙間となっている。つまり、環状溝112には、外周全周がシール部材113と接しないように構成された領域があり、この領域をブレーキ液が流動できるようになっている。このように構成された環状溝112の隙間を含めて吐出口83が構成されている。
なお、図2において、吸入用管路90bおよび吐出用管路91が図1における管路Cに相当し、吸入用管路92bおよび吐出用管路93が図1における管路Gに相当する。
また、第2シリンダ71bの第2中心孔72bは部分的に駆動軸54より径大とされており、この径大とされた部位に回転式ポンプ19と回転式ポンプ39とを遮断するシール部材120が収容されている。このシール部材120は、リング状のOリング120aを、径方向を深さ方向とする溝部が形成されたリング状の樹脂部材120bに嵌め込んだものであり、Oリング120aの弾性力によって樹脂部材120bが押圧されて駆動軸54と接するようになっている。
同様に、第3シリンダ71cの第3中心孔72cも部分的に駆動軸54より径大とされており、この径大とされた部位に回転式ポンプ39とハウジング101の外部とを遮断するシール部材130が収容されている。このシール部材130の構造については、後で詳細に説明する。
さらに、シール部材130よりもモータ60側には、オイルシール140が備えられている。このような構成により、基本的には、シール部材130によって中心孔72cを通じた外部へのブレーキ液洩れを防止しているが、オイルシール140により、より確実にその効果が得られるようにしている。
また、第3シリンダ71cのうち第4シリンダ71d側では、外径が凹部101aの内径より縮径されており、この部分が第4シリンダ71dの中心孔72d内に嵌め込まれている。第3シリンダ71cの外周のうち第4シリンダ71dの中心孔72d内に嵌め込まれる部分には溝部74dが形成され、この溝部74d内にOリング74eが嵌め込まれている。このOリング74eにより、第3シリンダ71cと第4シリンダ71dとの間を通じて第2ベアリング52側にブレーキ液が洩れることを防止している。
ただし、第3シリンダ71cのうち第4シリンダ71dの中心孔72d内に嵌め込まれる部分は、第3シリンダ71cにおける縮径された部分よりも短くされている。このため、第3シリンダ71cと第4シリンダ71dのうち互いに対向配置されている面の間には隙間94が空けられ、この隙間94を通じて回転式ポンプ39の吐出口83から排出されるブレーキ液が吐出用管路93側に導かれる。
なお、第1〜第4シリンダ71a〜71dのそれぞれの外周面にはOリング75a、75b、75c、75dが配置されている。これらOリング75a〜75dは、ハウジング101に形成された吸入用管路90b、92bや吐出用管路91、93におけるブレーキ液をシールするものであり、Oリング75aは吸入用管路90bと吐出用管路91の間、Oリング75bは吸入用管路90bと吸入用管路92bの間、Oリング75cは吸入用管路92bと吐出用管路93の間、Oリング75dは吐出用管路93とハウジング101の外部の間に配置されている。
そして、第4シリンダ71dの凹み部分の入口側の先端の外周面は縮径されており、段付き部を構成している。上記したリング状の雄ネジ部材102はこの縮径された部分に嵌装され、ポンプ本体100が固定されるようになっている。また、第4シリンダ71dにおける外周面のうち最も挿入方向後方は徐々に拡径されるテーパ面とされており、雄ネジ部材102にて第4シリンダ71dが締め付けられることで、第4シリンダ71dのテーパ面がハウジング101の凹部101aに形成されたテーパ面に押し付けられる。これにより、駆動軸54が回転させられても、それに伴って第4シリンダ71dが回転してしまわないようにされている。
以上のような構造により、ポンプ本体100が構成されている。次に、上述したシール部材130の詳細構造について説明する。
図4は、シール部材130の近傍の部分拡大断面図である。この図に示されるように、リング状の樹脂製リング131に対して、リング状のゴム製カップ132を嵌め込んだものであり、ゴム製カップ132の弾性力によって樹脂製リング131が押圧されて駆動軸54と接するようになっている。
図5(a)、(b)は、それぞれ、回転式ポンプ装置への組付け前の樹脂製リング131とゴム製カップ132の部分拡大断面図であり、図5(c)は、樹脂製リング131にゴム製カップ132を嵌め込んだときの様子を示した部分拡大断面図である。
図5(a)、(c)に示されるように、樹脂製リング131には、リング状の外周面において、径方向を深さ方向とするカップ収納溝131aが形成されている。このカップ収納溝131a内にゴム製カップ132が嵌め込まれる。
カップ収納溝131aは、軸方向の両側に備えられた壁面131b、131cと、底面131dとによって構成されている。壁面131b、131cは、径方向に平行(軸方向に垂直)な面を有した構成とされている。底面131dは、本実施形態では段付き形状とされ、段付き形状とされることによりカップ収納溝131aを溝深さが浅い領域と深い領域とに区画すると共に、これらの境界部に軸方向および径方向に対して斜めに傾斜させられた溝斜面131eが構成されるようにしている。この溝部131aのうちの溝深さが浅い領域がリップ収納部131fを構成し、深い領域が保持部収納部131gを構成している。
図5(b)、(c)に示されるように、ゴム製カップ132は、圧肉形成されたリング状の基部132aに対してリップ形状部132bを備えたものである。ゴム製カップ132のうちの基部132aが保持部収納部131gに配置され、リップ形状部132bがリップ収納部131fに配置される。
基部132aは、内周側においてリップ形状部132bの基端、具体的には後述するリップ132gの基端よりも径方向内側に突き出させた断面円弧状の保持部132cを備えている。また、基部132aは、外周側においてリップ形状部132bの基端、具体的には後述するリップ132fの基端よりも径方向外側に突き出させた断面三角形状の環状突起132dを備えている。
保持部132cは、保持部収納部131g内に嵌り込んで収納される部分であり、この保持部132cが溝斜面131eに当接することでゴム製カップ132の挿入方向前方への移動を規制し、ゴム製カップ132を一定位置に保持する役割を果たす。
環状突起132dは、駆動軸54と第3シリンダ71cの間にシール部材130を配置したときに、第3シリンダ部71cによって一部もしくは全部が押し潰されることで、樹脂製リング131を駆動軸54側に押し付ける弾性反力を発生させる。つまり、環状突起132dは、基部132aを保持部収納部131gに嵌め込んだ状態において、樹脂製リング131と基部132aの厚みの合計が駆動軸54と第3シリンダ部71cとの間の隙間よりも大きくなるように、基部132aの径方向外側に突出させられた構成とされている。この環状突起132dには、軸方向に伸びるスリット132eが形成されている。このため、シール部材130を挟んで回転式ポンプ39側の圧力がそれと反対側の圧力よりも低圧になったときに、このスリット132eを通じてシール部材130とオイルシール140との間に漏れてきたブレーキ液を回転式ポンプ39側に返流できるようになっている。
リップ形状部132bは、基部132aの軸方向一方の端部から伸ばされたリップ形状、換言すれば断面V字状の部分とされている。具体的には、リップ形状部132bは、基部132aに対して回転式ポンプ39側に配置されており、一方のリップ(第2リップ)132fが第3シリンダ部71cの内周面に接し、他方のリップ(第1リップ)132gが樹脂製リング131の底面131dに接している。リップ132fは、軸方向および径方向に対して斜めに傾斜させられており、駆動軸54と第3シリンダ71cの間にシール部材130を配置したときに、径方向内側に潰されるようにして第3シリンダ71cの内周面に接した状態とされている。
このような構造のシール部材130を備えることにより、ポンプ本体100が構成されている。このように構成されたポンプ本体100では、内蔵された回転式ポンプ19、39が駆動軸54がモータ60の回転軸61によって回転させられることにより、ブレーキ液の吸入・吐出というポンプ動作を行う。
例えば、ブレーキECU70は、横転抑制制御やトラクション制御もしくはABS制御などの車両運動制御を実行する際に、モータ60を駆動することによって回転式ポンプ19、39を駆動する。これにより、ポンプ本体100内では、回転式ポンプ19、39が吸入用管路90a、92aを通じてブレーキ液を吸入して吐出用管路91、93を通じてブレーキ液を吐出するという基本的なポンプ動作が行われ、リザーバ20、40内のブレーキ液を吸入吐出して、管路A、Eに供給する。
このため、横転抑制制御やトラクション制御等のように、M/C13内にM/C圧が発生させられていないときには、管路D、Hを通じて回転式ポンプ19、39によってブレーキ液が吸入され、管路A、Eに供給されることでW/C14、15、34、35が加圧される。また、ABS制御のように、ロック傾向に至るような過剰なW/C圧が発生しているときには、管路B、Fを通じてリザーバ20、40に逃がされたブレーキ液を回転式ポンプ19、39にて吸入することで、リザーバ20、40内がブレーキ液で満たされないようにし、適正スリップ率となるようにW/C圧を増減圧させる。このようにして、車両用ブレーキ装置および回転式ポンプ19、39が作動する。
このような動作を行うに際し、本実施形態では、上記のように構成したシール部材130を備えていることから、以下の効果を得ることができる。図6に、回転式ポンプ装置へ組付けた後にゴム製カップ132に作用する力を示した樹脂製リング131およびゴム製カップ132の部分拡大断面図を示し、この図を参照して説明する。
第3シリンダ71cと駆動軸54の間は、シール部材130が嵌め込まれているため、基本的には、第3シリンダ71cと駆動軸54の間のうちシール部材130によって区画される両区画室の間はシール部材130によって液密が保持される。例えば、ポンプ駆動によってリップ形状部132bよりも軸方向一方側(回転式ポンプ39側)の室である第1室の圧力が、軸方向他方側(オイルシール140側)の室である第2室よりも高くなったとしても、第1室の圧力がリップ形状部132bに掛かる。このため、第1室と第2室との圧力差を保持しつつ、ブレーキ液が第1室から第2室に移動することを抑制することができる。
このときに、第1室のブレーキ液圧により、ゴム製カップ132を第2室側に付勢する力が作用する。しかしながら、このような場合でも、ゴム製カップ132の基部132aに作用させられている力により、ゴム製カップ132が軸方向に移動することを規制することが可能となる。具体的には、図6に示すように、第3シリンダ71cと駆動軸54の間にシール部材130を嵌め込んだとき、基部132aは、第3シリンダ71cから径方向内側に作用する組付け荷重と、壁面131bおよび溝斜面131eから作用する弾性反力を受ける。このため、ゴム製カップ132の基部132aのうち壁面131bに当接する部分を規制面(第2規制面)132kとして、この規制面132kにより回転式ポンプ39側のブレーキ液圧によって挿入方向後方(モータ60側)に移動しようとすることを規制できる。
さらに、仮に、第1室から第2室へのブレーキ液漏れが生じて第2室内にブレーキ液が溜まった場合、第2室の液圧によってゴム製カップ132を第1室側に付勢する力が作用することがある。例えば、ポンプ動作中に平衡状態となった第1室と第2室の圧力がポンプ動作停止によって変化し、第2室の方が第1室よりも圧力が高くなることがあり、このような場合にゴム製カップ132を第1室側に付勢する力が作用する。
しかしながら、このような場合でも、図6に示したようなゴム製カップ132の基部132aのうち溝斜面131eと当接する部分を規制面(第1規制面)132jとして、この規制面132jに作用させられている反力により、ゴム製カップ132が挿入方向前方(回転式ポンプ39側)に移動しようとすることを規制できる。
ただし、このような場合でも、環状突起132dにスリット132eが設けられているため、第2室の方が第1室よりも圧力が高くなるような場合に、ブレーキ液がスリット132eを通じて第1室側に返流されるため、オイルシール140からのブレーキ液漏れが発生することを抑制できる。このとき、第2室のブレーキ液はリップ132fを通じて第1室に返流されることになるが、第2室側の圧力によってリップ132fが容易に径方向内側に倒れてブレーキ液をリリーフすることができるため、リップ132fが存在していても、第2室のブレーキ液が容易に第1室に返流される。
以上説明したように、本実施形態では、シール部材130のゴム製カップ132を基部132aとリップ形状部132bを有した構造とし、リップ形状部132bにて第1室から第2室へのブレーキ液の流動を抑制しつつ、基部132aが樹脂製リング131と第3シリンダ71cとの間において所定位置に固定されるようにしている。
このため、シャフトに相当する駆動軸54とケースの一部を構成する第3シリンダ71cとの間に配置されるシール部材130の軸方向の移動を規制することが可能となる。これにより、駆動軸54の軸方向におけるシール部材130の移動によるポンピングを防止でき、シール部材130とオイルシール140との間の第2室の圧力上昇およびこれに伴う圧力漏れやシール性への悪影響を防止することが可能となる。
また、このようにリップ形状部132bではなく基部132aに対して軸方向双方向への移動を規制する規制面132j、132kを設けるようにしているため、規制面をリップ形状部132bに設けた態様と比較して、リップ132f、132gの動作が阻害され難くなる。このため、例えば本実施形態の場合には第2室側のブレーキ液を第1室側にリリーフすること、すなわちリップ形状部132bを通じて第2室の圧力を第1室側にリリーフするリリーフ機能を安定して行えるようにできる。
また、本実施形態の場合、保持部132cを断面円弧状としているため、樹脂製リング131における保持部収納部131gの軸方向の寸法にバラツキが発生しても、保持部132cが保持部収納部131g内に確実に嵌り込む。このため、寸法バラツキに関係なく、上記効果を得ることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してシール部材130の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7は、本実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。この図では、樹脂製リング131とゴム製カップ132とを分離した状態で示してある。
図7に示すように、本実施形態では、基部132aに備えた保持部132cを断面円弧状ではなく、断面三角形状としてある。また、樹脂製リング131に形成した保持部収納部131gの形状も保持部132cに対応した断面三角形状としてある。
このように、保持部132cを断面三角形状とした場合でも、第3シリンダ71cにて環状突起132dが押されることにより、保持部132cが塊周の溝131g内に押し込まれる。そして、樹脂製リング131の壁面131bや溝斜面131eによって基部132aが軸方向に移動することを規制することができる。つまり、保持部132cのうち溝斜面131eと当接する面132jや壁面131bに当接する面132kを規制面として、基部132aが軸方向に移動することを規制する。
このように、保持部132cを断面三角形状としても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態の場合、保持部132cを断面三角形状としているが、この場合でも、樹脂製リング131における保持部収納部131gの軸方向の寸法にバラツキが発生しても、保持部132cが保持部収納部131g内に確実に嵌り込むようにできる。このため、寸法バラツキに関係なく、上記効果を得ることが可能となる。
なお、図7では、保持部132cが基部132aのうち樹脂製リング131の底部131dと接する箇所の一部にのみ形成されている場合について説明したが、図8に示すように保持部132cの形成領域を増やし、保持部132cが基部132aのうち樹脂製リング131の底部131dと接する箇所の全域に形成されるようにしても良い。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対してシール部材130の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図9は、本実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。この図では、樹脂製リング131とゴム製カップ132とを分離した状態で示してある。
図9に示すように、本実施形態でも、第2実施形態と同様に、基部132aに備えた保持部132cを断面三角形状としているが、保持部132cのうちオイルシール140側をテーパ面としている。樹脂製リング131に形成した保持部収納部131gの溝斜面131eも保持部132cのテーパ面と対応するように底面131dのうち壁面131bと連続する部分に形成されるようにしている。
このように、保持部132cを断面三角形状とした場合でも、第3シリンダ71cにて環状突起132dが押されることにより、保持部132cが塊周の溝131g内に押し込まれる。そして、樹脂製リング131の壁面131bや溝斜面131e、および溝斜面131eとリップ収納部131fとの境界の段差部131hによって基部131aが軸方向に移動することを規制することができる。つまり、保持部132cのうち段差部131hと当接する面132jや溝斜面131eもしくは壁面131bに当接する面132kを規制面として、基部132aが軸方向に移動することを規制する。
このように、保持部132cを断面三角形状としても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態に対してシール部材130の構成を変更したものであり、その他に関しては第3実施形態と同様であるため、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図10は、本実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。この図では、樹脂製リング131とゴム製カップ132とを分離した状態で示してある。
図10に示すように、本実施形態でも、第3実施形態と同様に、基部132aに備えた保持部132cを断面三角形状としているが、保持部132cの形成位置を変えており、軸方向において環状突起132dとずらした位置としている。具体的には、本実施形態では、保持部132cが軸方向において環状突起132dよりも回転式ポンプ39側にずらされて形成されるようにしている。
このように、保持部132cと環状突起132dの形成位置を軸方向においてずらすようにすれば、環状突起132dが第3シリンダ71cによって押し潰されることにより受ける組付け荷重が保持部132cの形成位置と異なる箇所に作用する。このため、組付け荷重が樹脂製リング131の底面131dにおける保持部収納部131gと異なる部分に作用し、そのまま樹脂製リング131を駆動軸54に押し付ける力として用いられる(図中矢印参照)。つまり、ゴム製カップ132のうち基部132aの軸方向の移動を規制する部分と、樹脂製リング131を駆動軸54に押し付ける部分とを分けることができる。したがって、基部131aが樹脂製リング131を押し付ける面圧を向上させることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対してシール部材130の構成を変更したものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図11は、本実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。この図では、樹脂製リング131とゴム製カップ132とを分離した状態で示してある。
図11に示すように、本実施形態では、基部132aに備えた保持部132cを断面三角形状としているが、断面三角形状の部分を複数設けてノコギリ形状としている。また、樹脂製リング131に形成した保持部収納部131gも保持部132cに対応したノコギリ形状としてある。
このように、保持部132cをノコギリ形状(図9や図10の例で示した保持部132cが複数並設されたような形状)としても、保持部132cが保持部収納部131gのノコギリ状の溝に引っ掛かり、基部132aの軸方向の移動を規制することが可能となる。つまり、保持部132cのうち樹脂製リング131の各段差部131hと当接する各面132jや各溝斜面131eもしくは壁面131bに当接する各面132kを規制面として、基部132aが軸方向に移動することを規制する。したがって、本実施形態の構造でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対してシール部材130の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図12は、本実施形態にかかるシール部材130の部分拡大図である。この図では、樹脂製リング131とゴム製カップ132とを分離した状態で示してある。
図12に示すように、本実施形態では、基部132aに備えた保持部132cを断面円弧状ではなく、断面四角形状としてある。また、樹脂製リング131に形成した保持部収納部131gの形状も保持部132cに対応した断面四角形状としてある。ただし、保持部132cのうち軸方向の幅は保持部収納部131gのうちの同方向の幅よりも小さくしてあり、かつ、保持部132cのうち径方向の突出量は保持部収納部131gのうちの深さよりも大きくしてある。
このような構成の場合、環状突起132dが第3シリンダ71cによって押し潰されることにより受ける組付け荷重によって、保持部132cも保持部収納部131g内において押し潰され、保持部132cが保持部収納部131gの内壁面に接する。これにより、基部132aの軸方向の移動を規制することができる。つまり、保持部132cのうち保持部収納部131gの各側壁面131h、131bに当接する各面132j、132kを規制面として、基部132aが軸方向に移動することを規制する。
このように、保持部132cを保持部収納部131g内において押し潰すことで保持部132cが保持部収納部131gの内壁面に接するような構造としても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態のように、保持部132cを断面四角形状とする場合、保持部132cと保持部収納部131gにおける軸方向寸法を等しくすることもできる。しかしながら、寸法バラツキにより、保持部132cが保持部収納部131gよりも軸方向寸法が大きくなると、保持部132cが保持部収納部131gに嵌らないことも考えられる。このため、上記のように保持部132cのうち軸方向の幅が保持部収納部131gのうちの同方向の幅よりも小さくなるようにすると好ましい。
(参考例)
本発明に類似する参考例について説明する。同参考例も、第1実施形態に対してシール部材130の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図13は、本参考例にかかるシール部材130の部分拡大図である。この図では、樹脂製リング131とゴム製カップ132とを分離した状態で示してある。
図13に示すように、本参考例では、第1実施形態などで説明した保持部132cを基部132aに備えていない構造としている。そして、リップ形状部132bにおけるリップ132gの先端に例えば断面半球状の突起132hを設け、ゴム製カップ132を樹脂製リング131に嵌め込んだときに突起132hが潰されるようにすることで、ゴム製カップ132が樹脂製リング131のカップ収納溝131a内に固定されるようにしている。
このような構成の場合、ゴム製カップ132が樹脂製リング131の両壁面131b、131cに挟まれた状態で固定されるため、ゴム製カップ132の軸方向の移動を規制することができる。このような構造としても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、保持部132cの形状を断面円弧状や三角形状もしくは四角形状とした場合について説明したが、これらは一例を示したに過ぎず、断面形状が他の多角形状であっても構わない。
また、上記各実施形態では、環状突起132dによって基部132aが樹脂製リング131側に押し付けられるようにしていると共に、スリット132eを通じて第2室から第1室へのブレーキ液の返流が可能な構成としてある。しかしながら、これらの構造も一例を示したに過ぎず、複数の突起を周方向に配置しつつ、各突起の間を通じて第1室から第2室へのブレーキ液の返流が行えるような構造であっても良い。
また、上記各実施形態では、基部132aのうち樹脂製リング131の壁面131bに接する部分や保持部132cを規制面として、基部132aが樹脂製リング131に対して軸方向の両方向に移動することが規制されるようにしている。例えば、第1実施形態の場合、保持部132cのうち樹脂製リング131のテーパ面131eと接する部分が基部132aが軸方向一方側に移動することを規制する第1規制面132j、基部132aのうち壁面131bに接する部分が軸方向他方側に移動することを規制する第2規制面132kとなって、上記規制が為されるようにしている。つまり、基部132aのうち規制面となる部分が樹脂製リング131と接する箇所となるようにしている。しかしながら、基部132aのうち規制面となる部分は樹脂製リング131と接する箇所に限るものではない。すなわち、基部132aに対して第3シリンダ71c側に突出させた部分を保持部にすると共に、ケースの一部に相当する第3シリンダ71cの内周面に保持部と対応する凹部を設けておき、これらの嵌合によって基部132aが樹脂製リング131に対して軸方向の両方向に移動することが規制されるようにしても良い。この場合、基部132aのうち第3シリンダ71cと接する部分に規制面が構成されることになる。
上記各実施形態では、ブレーキ装置に備えられる回転式ポンプ装置の駆動軸54と第3シリンダ71cとの間のシールを行うシール部材130を本発明の密封装置の一例として挙げた。しかしながら、これは単なる一例を示したに過ぎず、シャフトとケースとの間のシールを行う他の装置に適用される密封装置についても、本発明を適用することができる。つまり、リップ形状部132bよりも軸方向一方側となる第1室の圧力が軸方向他方側となる第2室の圧力よりも低いときに、リップ形状部132bのリップ132fがケースの内周面から離間して第2室の圧力を第1室にリリーフ可能とされ、かつ、基部132aが樹脂製リング131に対して軸方向両方向への移動が規制されるような構造であれば、ブレーキ液に限らず、他の流体のシールを行う密封装置としても本発明を適用できる。
19,39…回転式ポンプ、54…駆動軸、60…モータ、71a〜71d…第1〜第4シリンダ、80、82…吸入口、81、83…吐出口、100…ポンプ本体、130…シール部材、131…樹脂製リング、131a…カップ収納溝、131b、131c…壁面、131d…底面、131e…溝斜面、131f…リップ収納部、131g…保持部収納部、132…ゴム製カップ、132a…基部、132b…リップ形状部、132c…保持部、132d…環状突起、132e…スリット、132f、132g…リップ、132j…第1規制面、132k…第2規制面

Claims (4)

  1. リング状の樹脂製リング(131)の外周にリング状のゴム製カップ(132)を嵌め込んで構成されるシール部材(130)を有し、中空部を有するケース(71a〜71d、73a、73b)と前記中空部に挿通されたシャフト(54)との間のシールを行う密封装置であって、
    前記ゴム製カップは、リング状の基部(132a)と、該基部から軸方向一方の端部から伸びるリップ形状部(132b)とを有し、
    前記リップ形状部は、前記樹脂製リングに密着する内周側の第1リップ(132g)と、前記ケースの内周面に接触させられる外周側の第2リップ(132f)とを有し、前記ケースと前記シャフトとの間における前記シール部材(130)にて区画された両室のうち、該リップ形状部よりも前記軸方向一方側となる第1室の圧力が軸方向他方側となる第2室の圧力よりも低いときに前記第2リップが前記ケースの内周面から離間して前記第2室の圧力を前記第1室にリリーフ可能とされ、
    前記基部は、該基部が前記樹脂製リングに対して前記軸方向一方側に移動することを規制する第1規制面(132j)と、前記軸方向他方側に移動することを規制する第2規制面(132k)とを有しており、
    前記第1規制面は、前記基部のうち、前記リップ形状部における前記第1リップの基端よりも径方向内側に突出させた部分、もしくは、前記リップ形状部における前記第2リップの基端よりも径方向外側に突出させた部分に設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. リング状の樹脂製リング(131)の外周にリング状のゴム製カップ(132)を嵌め込んで構成されるシール部材(130)を有し、中空部を有するケース(71a〜71d、73a、73b)と前記中空部に挿通されたシャフト(54)との間のシールを行う密封装置であって、
    前記ゴム製カップは、リング状の基部(132a)と、該基部から軸方向一方の端部から伸びるリップ形状部(132b)とを有し、
    前記リップ形状部は、前記樹脂製リングに密着する内周側の第1リップ(132g)と、前記ケースの内周面に接触させられる外周側の第2リップ(132f)とを有し、前記ケースと前記シャフトとの間における前記シール部材(130)にて区画された両室のうち、該リップ形状部よりも前記軸方向一方側となる第1室の圧力が軸方向他方側となる第2室の圧力よりも低いときに前記第2リップが前記ケースの内周面から離間して前記第2室の圧力を前記第1室にリリーフ可能とされ、
    前記基部は、該基部が前記樹脂製リングに対して前記軸方向一方側に移動することを規制する第1規制面(132j)と、前記軸方向他方側に移動することを規制する第2規制面(132k)とを有しており、
    前記基部には、該基部の径方向外側に突出させられていて、前記シール部材を前記ケースおよび前記シャフトの間に配置したときに前記ケースの内周面によって押し潰される突起(132d)が備えられ、該突起が押し潰されることにより該基部にて前記樹脂製リングを前記シャフトに押し付ける力を発生させることを特徴とする密封装置。
  3. リング状の樹脂製リング(131)の外周にリング状のゴム製カップ(132)を嵌め込んで構成されるシール部材(130)を有し、中空部を有するケース(71a〜71d、73a、73b)と前記中空部に挿通されたシャフト(54)との間のシールを行う密封装置であって、
    前記ゴム製カップは、リング状の基部(132a)と、該基部から軸方向一方の端部から伸びるリップ形状部(132b)とを有し、
    前記リップ形状部は、前記樹脂製リングに密着する内周側の第1リップ(132g)と、前記ケースの内周面に接触させられる外周側の第2リップ(132f)とを有し、前記ケースと前記シャフトとの間における前記シール部材(130)にて区画された両室のうち、該リップ形状部よりも前記軸方向一方側となる第1室の圧力が軸方向他方側となる第2室の圧力よりも低いときに前記第2リップが前記ケースの内周面から離間して前記第2室の圧力を前記第1室にリリーフ可能とされ、
    前記基部は、該基部が前記樹脂製リングに対して前記軸方向一方側に移動することを規制する第1規制面(132j)と、前記軸方向他方側に移動することを規制する第2規制面(132k)とを有しており、
    前記樹脂製リングは、前記第1、第2規制面の少なくとも一方に当接して該樹脂製リングに対する前記ゴム製カップの軸方向の移動を規制する当接面(131e)を有し、該当接面は、前記樹脂製リングの軸方向および径方向に対して傾斜させられていることを特徴とする密封装置。
  4. リング状の樹脂製リング(131)の外周にリング状のゴム製カップ(132)を嵌め込んで構成されるシール部材(130)を有し、中空部を有するケース(71a〜71d、73a、73b)と前記中空部に挿通されたシャフト(54)との間のシールを行う密封装置であって、
    前記ゴム製カップは、リング状の基部(132a)と、該基部から軸方向一方の端部から伸びるリップ形状部(132b)とを有し、
    前記リップ形状部は、前記樹脂製リングに密着する内周側の第1リップ(132g)と、前記ケースの内周面に接触させられる外周側の第2リップ(132f)とを有し、前記ケースと前記シャフトとの間における前記シール部材(130)にて区画された両室のうち、該リップ形状部よりも前記軸方向一方側となる第1室の圧力が軸方向他方側となる第2室の圧力よりも低いときに前記第2リップが前記ケースの内周面から離間して前記第2室の圧力を前記第1室にリリーフ可能とされ、
    前記基部は、該基部が前記樹脂製リングに対して前記軸方向一方側に移動することを規制する第1規制面(132j)と、前記軸方向他方側に移動することを規制する第2規制面(132k)とを有しており、
    前記基部は、該基部の径方向内側に突出させられた保持部(132c)を有し、該保持部は径方向に切断したときの断面形状が円弧状とされており、
    前記樹脂製リングは、前記ゴム製カップが嵌り込むカップ収納溝(131a)が備えられていると共に、該カップ収納溝内において前記保持部が収納される保持部収納部(131g)が備えられており、
    前記保持部のうち前記保持部収納部の内壁面に当接する部分によって前記第1規制面が構成されていることを特徴とする密封装置。
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