JP2009185973A - 遊星歯車装置のキャリア,該キャリアを備えた遊星歯車装置及び該遊星歯車装置を備えた船外機。 - Google Patents

遊星歯車装置のキャリア,該キャリアを備えた遊星歯車装置及び該遊星歯車装置を備えた船外機。 Download PDF

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    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion
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Abstract

【課題】キャリアの必要強度を確保しつつ、重量及びコストを低減できる遊星歯車式変速装置及び該変速装置を備えた船外機を提供する。
【解決手段】キャリア59は、第2回転軸に結合された筒状のボス部73aから径方向に拡がる円板状の蓋部73bと、該蓋部73bに対向するように配置された底部74aと、該底部74aの周縁から前記蓋部73bに向けて延びる側壁部74bとを有し、前記蓋部73bの周縁内側には前記底部側に延びる遮蔽壁73dが形成されており、前記側壁部74bの先端74b′は、前記周縁部と遮蔽壁73dとで形成されるコーナー部73eに突き当てられ、突き当て面部分が外側からd方向に溶接されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、遊星歯車装置のキャリア,該キャリアを備えた遊星歯車装置,及び該遊星歯車装置を備えた船外機に関する。
例えば、船尾に搭載される船外機では、走行中の水による抵抗が大きいことから、加減速時の変速操作がスムーズに行える遊星歯車式変速装置を搭載する場合がある。この遊星歯車式変速装置は、エンジン側に接続された内歯歯車と、ハウジング側に接続された太陽歯車と、プロペラ側に接続されたキャリアと、該キャリアにより軸支され、前記太陽歯車と内歯歯車とに噛合する複数の遊星歯車とを備えているのが一般的である(例えば、特許文献1,2参照)。
前記特許文献1のキャリアは、底部と側壁部とが一体に形成された碗状のキャリア本体に、蓋部を溶接により接合した構造が一般的である。この場合、図9に示すように、キャリア本体100の側壁部100aの上縁部内側に、スパッタ飛散防止用の顎部100bを段付き状に形成し、該顎部100bに蓋部101の先端部101aを突き当て、該先端部101aと顎部100bとの突き当て部分102を上方(矢印方向)から溶接するようにしている。
また、特許文献2の図1に記載されているように、同文献のキャリアCR1は、キャリア本体27と、該キャリア本体27から延びる柱状のリブ30に溶接接合されたキャリアカバー28,29とからなる。
WO2007/007707A1 特開平10-68450
ところで、前記特許文献1に記載の従来のキャリアの溶接構造では、側壁部100aの板厚tとして、溶接に必要な厚さt1及びスパッタ飛散防止に必要な顎部100bの厚さt2を確保する必要があり、側壁部100aの板厚tが必要強度以上の厚さとなる。このため、底部を含めたキャリア本体全体の重量が増えるとともに、プレス成形時の成形圧力も板厚に応じた大きい値に設定する必要があり、コストが上昇するという問題がある。
同様に前記特許文献2に記載のキャリアでは、リブ30の板厚として溶接に必要な厚さとスパッタ飛散防止に必要な厚さを確保する必要があることから、リブ30が厚肉となり、キャリア全体が重量増加する等の問題がある。
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、キャリアの必要強度を確保しつつ、重量及びコストを低減できる遊星歯車速装置のキャリア,該キャリアを備えた遊星歯車装置及び該遊星歯車装置を備えた船外機を提供することを課題としている。
請求項1の発明は、中心軸から径方向に拡がる円板状の蓋部と、該蓋部に対向するように配置された底部と、該底部の周縁から前記蓋部に向けて延びる側壁部からなる遊星歯車装置のキャリアであって、前記蓋部の周縁部の内側には前記底部側に延びる遮蔽壁が形成されており、前記側壁部の先端は、前記蓋部の周縁部と遮蔽壁とで形成されるコーナー部に突き当てられ、突き当て面部分が外側から溶接固定されることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、前記蓋部の周縁には、他の部分より厚肉の結合部が形成され、該結合部の径方向内側に前記遮蔽壁が形成されていることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、前記底壁部及び底部は、前記結合部より薄肉に形成されていることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、前記側壁部及び底部は、板状部材を折り曲げ加工することにより一体に形成されていることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、前記蓋部は鋳造製であり、前記底部及び側壁部は一体に形成された板金製であることを特徴としている。
請求項6の発明は、入力軸に接続された内歯歯車と、ハウジングに接続された太陽歯車と、出力軸に接続された請求項1ないし5の何れかに記載のキャリアと、該キャリアにより回転自在に支持され、前記太陽歯車と内歯歯車に噛合する遊星歯車とを備えたことを特徴とする遊星歯車装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の遊星歯車装置において、前記遊星歯車は、前記キャリアの蓋部及び底部を貫通する歯車軸と、該歯車軸により回転自在に支持された歯車本体とを有することを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の遊星歯車装置を備えたことを特徴としている。
請求項1の発明に係る遊星歯車速装置のキャリアによれば、スパッタ飛散防止用の遮蔽壁を蓋部側に形成したので、側壁部の板厚を強度上必要な最小限の厚さにすることができる。その結果、キャリア全体の重量を低減できるとともに、プレス成形する場合の成形圧力を小さくすることができ、コストを低減できる。
請求項2の発明では、蓋部の周縁に他の部分より厚肉の結合部を形成し、該結合部の径方向内側に前記遮蔽壁を形成した。そのためキャリア全体の重量,コストを一層確実に低減できる。
請求項3の発明では、側壁部及び底部を、結合部より薄肉に形成したので、キャリア全体の重量及びコストをさらに確実に低減できる。
請求項4の発明では、側壁部と底部とを板状部材を折り曲げることにより一体形成したので、底部の板厚を側壁部と同じとすることができ、側壁部及び底部全体を軽量化できる。
請求項5の発明では、蓋部を鋳造製とし、底部及び側壁部を一体形成した板金製としたので、蓋部に厚肉の結合部及び遮蔽壁を容易に形成でき、かつ側壁部及び底部を同じ板厚でもって容易に形成できる。
請求項6の発明では、請求項1ないし5の何れかに記載のキャリアを採用して遊星歯車装置を構成したので、遊星歯車装置全体の重量を軽減できる。
請求項7の発明では、遊星歯車を、蓋部と底部とを貫通する歯車軸と、該歯車軸に軸支された歯車本体とで構成したので、遊星歯車の支持強度,剛性を確保しつつ、キャリアの重量及びコストを低減できる。
請求項8の発明では、前記遊星歯車式変速装置を船外機に配設したので、該船外機全体の重量及びコストを低減できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は、本発明の第1実施形態に係るキャリア,及び該キャリアを備えた遊星歯車装置を説明するための図である。
図において、18は遊星歯車装置の1つの実施形態としての遊星歯車式減速機構である。この遊星歯車式減速機構18は、例えばエンジンのクランク軸(図示せず)に接続される入力軸38′の回転速度を減速して出力軸14′に伝達するよう構成されている。
前記遊星歯車式減速機構18は、内歯歯車55と、太陽歯車58と、キャリア59と、4つの遊星歯車57とを備えている。
前記内歯歯車55は、減速ハウジング56内に収容され、前記入力軸38′に共に回転するよう接続される。前記太陽歯車58は、該減速機構18に接続される出力側ハウジング(図示せず)に回転不能に接続される。前記キャリア59は、出力軸14′に共に回転するよう接続される。前記遊星歯車57は、前記キャリア59に回転自在に支持され、前記太陽歯車58と内歯歯車55とに噛合する。
前記減速ハウジング56は、ハウジング本体56aと、ハウジングボス部56bとを有する。前記ハウジング本体56aは、下方に開口する大略碗状をなしており、前記出力側ハウジングの上面にボルト締め固定される。前記ハウジングボス部56bは、円筒状をなしており、前記ハウジング本体56aから入力軸38′側に延びている。
前記内歯歯車55は、円筒状の内歯ボス部55aを有する。この内歯ボス部55aは、軸直角方向に見たとき前記ハウジングボス部56bに重なるよう該ハウジングボス部56b内に延びている。この内歯ボス部55aは、軸受60を介して前記ハウジングボス部56bにより回転自在に支持されている。なお、60′はオイルシールである。
前記内歯ボス部55a内には、前記入力軸38′が同軸をなすようスプライン嵌合により結合されており、これにより内歯歯車55は入力軸38′と共に回転する。
前記太陽歯車58は、軸部58aと、フランジ部58bとを有する。前記軸部58aは、円筒状をなしており、前記各遊星歯車57が噛合する外周歯を有する。前記フランジ部58bは、前記軸部58aの下端部から径方向外方に拡がる円板状をなしている。このフランジ部58bが前記出力側ハウジングの上面にボルト締め固定されている。
前記キャリア59は、キャリア本体74と、蓋部材73とを有する。前記蓋部材73は、前記出力軸14′が接続される円筒状のキャリアボス部73aと、該キャリアボス部73aの上縁から径方向外方に拡がる円板状の上蓋部73bとを有する。前記キャリア本体74は前記上蓋部73bに対向するように配置された円板状の底部74aと、該底部74aの外周縁から上蓋部73bに向かって上方に延びる4つの側壁部74bとを有する。
前記蓋部材73は、鋳造製であり、前記キャリア本体74は、底部74aと各側壁部74bとを一体に形成してなる板金製である。具体的には、底部74aと各側壁部74bとは、板状部材をプレス又は鍛造により折り曲げ形成することにより一体に形成されている。
前記キャリア本体74の各側壁部74bは、周方向に所定角度間隔をあけて配置され、該各側壁部74bの間に形成された開口74cから前記遊星歯車57の一部が外方に突出している。また前記キャリア本体74の底部74aには、前記太陽歯車58を挿通する挿通孔74eが形成され、前記各側壁部74bには、軽量化のための肉抜き孔74dが形成されている。
前記蓋部材73のキャリアボス部73aは、上蓋部73bから底部74aに向かって下方に延びており、軸直角方向に見たとき前記側壁部74bと重なっている。該キャリアボス部73a内に前記出力軸14′がスプライン嵌合により結合されている。
前記各遊星歯車57は、歯車軸57aと、歯車本体57cとを有する。歯車軸57aは前記上蓋部73bと底部74aとを貫通するように配置され、該上蓋部,底部にかしめ等により固定されている。前記歯車本体57cは、前記歯車軸57aに軸受57bを介在させて回転自在に支持されている。
前記キャリア59のキャリアボス部73aは、前記太陽歯車58の軸部58a内に挿入配置されており、軸受63を介して該軸部58aにより相対回転自在に支持されている。
前記蓋部材73の上蓋部73bの周縁には、他の部分より厚肉の結合部73cが形成されている。該結合部73cは、溶接に必要な肉厚T1を有し、前記各側壁部74bに対応するよう周方向4個所に形成されている。
前記各結合部73cの径方向内側には、遮蔽壁73dが形成されている。この遮蔽壁73dは、前記結合部73cから前記底部74aに向かって下方に突出している。そしてこの遮蔽壁73dは、スパッタ飛散防止に必要な高さ寸法T2を有し、前記結合部73cの肉厚T1より大きい寸法に設定されている。
前記キャリア本体74の底部74a及び各側壁部74bの厚さは、強度上必要な最小限寸法で、かつ前記結合部73cの肉厚T1より薄肉の肉厚Tに設定することが望ましい。
そして、前記キャリア本体74の各側壁部74bの先端部74b′は、前記結合部73cと遮蔽壁73dとで形成されたコーナー部73eに下方から突き当てられており、該側壁部74bと結合部73cとの突き当面部分は外側からd方向に溶接接合されている。
本実施形態によれば、遊星歯車式減速機構18のキャリア59を、蓋部材73とキャリア本体74とを備えたものとし、蓋部材73の上蓋部73bの周縁に他の部分より厚肉の結合部73cとこれの内側にて下方に突出する遮蔽壁73dを形成した。そして結合部73cと遮蔽壁73dとのコーナー部73eに前記キャリア本体74の側壁部74bの先端部74b′を突き当てるとともに、突き当てた部分を外側方からの溶接により接合した。そのため必要な強度を確保しながらキャリア59全体の重量を低減できるとともに、プレス成形する場合の成形圧力を小さくすることができ、コストを低減できる。
即ち、溶接に必要な肉厚T1を有する結合部73cと、スパッタ飛散防止に必要な肉厚T2を有する遮蔽壁73dの両方を蓋部材73側に配置したので、キャリア本体74の側壁部74bは、強度上必要な最上限の肉厚Tで済む。その結果、側壁部74bの肉厚Tを、従来の、溶接に必要な肉厚t1と、スパッタ飛散防止に必要な肉厚t2とを加えた肉厚tに比べて薄くすることができる。
本実施形態では、前記キャリア本体74の底部74a及び各側壁部74bを、前記蓋部材73の結合部73cより薄肉に形成したので、キャリア59全体の重量及びコストをより一層低減できる。
本実施形態では、前記キャリア本体74の各側壁部74bと底部74aとを板状部材を折り曲げることにより一体形成したので、底部74aの肉厚を、側壁部74bの肉厚Tと同じ厚さとすることができ、キャリア本体74全体を軽量化できる。
本実施形態では、各遊星歯車57を、上蓋部73bと底部74aとに固定された歯車軸57aと、該歯車軸57aに軸支された歯車本体57cとを備えたものとしたので、遊星歯車57の支持強度,剛性を確保しつつ、キャリア59の重量及びコストを低減できる。
本実施形態では、蓋部材73を鋳造製としたので、蓋部材73に厚肉の結合部73c及び遮蔽壁73dを容易に形成できる。また、キャリア本体74を、底部74a及び各側壁部74bを一体成形した板金製としたので、キャリア本体74を同じ板厚板材でもって容易に成形できる。
図5〜図8は、本発明の第2実施形態にかかる船外機を説明するための図である。図中、図1〜図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。なお、本実施形態の説明のなかで前後,左右という場合は、特記なき限り、船体後方から見た場合の前後,左右を意味する。
図において、1は船体2の船尾2aに搭載された船外機を示している。この船外機1は、前記船体2に固定されたクランプブラケット3によりスイベルアーム4を介して上下揺動可能に支持され、かつピボット部5を介して左右に操舵可能に支持されている。
前記船外機1は、エンジン6と、エキゾーストガイド7と、カウリング8と、アッパケース9と、ロワケース10と、プロペラ13とを有する。
前記エンジン6は、クランク軸6aを略垂直をなすよう縦置きに配置されている。前記エキゾーストガイド7に前記エンジン6が取り付けられている。前記カウリング8は、前記エキゾーストガイド7の上面に接続され、前記エンジン6の外周部を覆っている。前記アッパケース9は前記エキゾーストガイド7の下面に接続されている。前記ロワケース10は前記アッパケース9の下面に接続されている。
前記船外機1は、前記エキゾーストガイド7に取り付けられたアッパマウント部材11及び前記アッパケース9の下端部に取り付けられたロワマウント部材12を介して前記クランプブラケット3により支持されている。
また、前記船外機1は、前記エンジン6の回転速度を変化させて前記プロペラ13に伝達する変速装置15を備えている。
前記変速装置15は、第1入力軸24と、遊星歯車式変速機構20と、遊星歯車式前後進切替機構21と、遊星歯車式減速機構18とを備えている。前記第1入力軸24は、前記エンジン6の動力を出力するクランク軸6aに接続されている。前記遊星歯車式変速機構20は前記第1入力軸24に接続されている。前記遊星歯車式減速機構18は前記遊星歯車式変速機構20に接続されている。
前記プロペラ13は、前記ロワケース10内にクランク軸6aと直交方向に向けて配設されたプロペラ軸13aに装着されている。このプロペラ軸13aは、前記クランク軸6aと同軸をなすよう配置されたドライブ軸14に傘歯車機構13bを介して接続されている。
前記変速装置15は、油密に形成された大略円筒状のハウジング22に収容されている。このハウジング22は前記アッパケース9内の最前端部に位置するよう収容されている。該アッパケース9内の変速装置15の後側には排気ガスをロワケース10から水中に排出する排気装置16が配置されている。
前記ハウジング22は、前記変速機構20が収容された上側ハウジング22aと、前後進切替機構21が収容された下側ハウジング22bとに分割されている。
前記遊星歯車式変速機構20は、第1内歯歯車25と、第1太陽歯車27と、第1出力軸28と、第1キャリア29と、4つの第1遊星歯車30と、第2クラッチ31とを有する。前記第1内歯歯車25は、前記第1入力軸24に共に回転するよう接続されている。前記第1太陽歯車27は、前記ハウジング22側に第1クラッチ26を介して接続される。前記第1出力軸28は、前記第1入力軸24に同軸をなすよう配置されている。前記第1キャリア29は、前記第1出力軸28に共に回転するよう接続されている。前記第1遊星歯車30は、前記第1キャリア29に相対回転可能に支持され、前記第1太陽歯車27と第1内歯歯車25とに噛合する。前記第2クラッチ31は、前記第1太陽歯車27と第1キャリア29との間に介設されている。
前記第1入力軸24は、前記クランク軸6aに同軸をなすよう配置され、該クランク軸6aに共に回転するよう結合されている。
前記第1太陽歯車27は、前記ハウジング22内に収容固定され、前記第1出力軸28を回転自在に支持する支持ハウジング33に前記第1クラッチ26を介して接続されている。
該第1クラッチ26は、第1太陽歯車27のクランク軸6aの回転方向(時計回り)への回転のみ許容し、反対方向(反時計回り)への回転を阻止するワンウェイ式クラッチである。
前記第2クラッチ31は、多板湿式クラッチであり、クラッチハウジング31aと、該クラッチハウジング31aと第1キャリア29との間に配置された多数のクラッチ板31bと、ピストン31eと、ばね部材31cとを有する
前記クラッチハウジング31aは、第1太陽歯車27に共に回転するよう結合されている。前記ピストン31eは、前記クラッチハウジング31aに形成された油圧室31dに配置され、該油圧室31dに供給された油圧により前記クラッチ板31b同士を圧接させて動力を伝達する。前記ばね部材31cは前記ピストン31eを動力切断方向に付勢する。
操船者がシフトレバー又はボタン(不図示)を低速段側に操作すると、第2クラッチ31は切断状態となる。この状態で、エンジン6の回転が第1入力軸24から第1内歯歯車25に伝達され、該第1内歯歯車25が同方向に回転すると、第1クラッチ26が第1太陽歯車27をロックし、各遊星歯車30が自転しつつ第1内歯歯車25と一体となって第1太陽歯車27に対して公転する。これによりエンジン回転速度は減速されて第1出力軸28に伝達される。
一方、高速段側に操作すると、第2クラッチ31が接続状態となる。この状態で、エンジン6の回転が第1入力軸24から第1内歯歯車25に伝達されると、第1クラッチ26は第1太陽歯車27をフリーとし、第1内歯歯車25,各第1遊星歯車30及び第1太陽歯車27が一体となって回転し、該前記第1入力軸24の回転がそのまま第1出力軸28に伝達される。
前記前後進切替機構21は、第2内歯歯車36と、第2入力軸37と、第2出力軸38と、第2太陽歯車39と、第2キャリア40と、第2遊星歯車41及び第3遊星歯車42と、第4クラッチ43とを有する。
前記第2内歯歯車36は、前記ハウジング22に第3クラッチ35を介して接続される。前記第2入力軸37は、前記第1出力軸28に同軸をなすよう配置され、該第1出力軸28と共に回転するよう接続されている。前記第2出力軸38は、第2入力軸37に同軸をなすよう配置されている。前記第2太陽歯車39は、前記第2出力軸38に一体をなすように接続形成されている。前記第2キャリア40は、前記第2入力軸37に共に回転するよう接続されている。前記第2遊星歯車41は前記第2キャリア40に回転自在に支持され、前記第2太陽歯車39に噛合する。また前記第3遊星歯車42は前記第2内歯歯車36に噛合する。前記第4クラッチ43は、前記第2キャリア40と第2出力軸38との間に介設されている。
前記第4クラッチ43及び前記第3クラッチ35は、前述の第2クラッチ31と同様の構造からなる多板湿式クラッチである。
前後進切替レバー又はボタン(不図示)がニュートラル位置にあるときには、第3,第4クラッチ35,43は切断状態となり、第2入力軸37が空転し、該第2入力軸37の回転は第2出力軸38に伝達されない。
ニュートラル位置から前進位置に切り替えると、第3クラッチ35は切断状態で、第4クラッチ43が接続状態となり、第2内歯歯車36,第2,第3遊星歯車41,42及び第2太陽歯車39が一体となって回転し、第2出力軸38がエンジン6の回転方向と同じ前進方向に回転する。
一方、ニュートラル位置から後進位置に切り替えると、第3クラッチ35は接続状態で、第4クラッチ43が切断状態となり、第2内歯歯車36がハウジング22に回転不能に固定され、第2,第3遊星歯車41,42が互いに逆方向に自転しつつ公転し、第2太陽歯車36が逆方向に回転する。これにより第2出力軸38が前記クランク軸6aの回転方向とは逆方向の後進方向に回転する。
前記第1入力軸24には、オイルポンプ45が同軸をなすように配置され、かつクランク軸6aと直角方向に向けて接続された駆動力取出軸46aを介してウォータポンプ50が接続されている。
前記ハウジング22の船幅方向左舷側には、前記各クラッチ31,35,43に供給される油圧を制御する油圧制御弁65〜67がクランク軸6a方向に並列配置されている。この各油圧制御弁65〜67は、シフト切替信号,前後進切替信号等に基づいてコントローラ(不図示)により開閉制御される。
ここで、図7に示すように、前述の遊星歯車式変速機構20の第1キャリア29には、前記第1実施形態におけるキャリア59と同様の溶接構造が採用されており、以下の構造を有する。図中、図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。
前記第1キャリア29は、蓋部材73と、キャリア本体74とを備えている。該蓋部材73は、円筒状のキャリアボス部73aと、該キャリアボス部73aの下縁から径方向に拡がる上蓋部73bとを有する。前記キャリアボス部73aは、上蓋部73bから上方に突出している。前記キャリア本体74は、前記上蓋部73bと対向するよう配置された底部74aと、該底部74aの周縁から上方に延びる複数の側壁部74bとを有する。
前記蓋部材73の上蓋部73bの周縁には他の部分より厚肉の結合部73cが形成され、該ボス部73cの内側には下方に突出する遮蔽壁73dが形成されている。
そして前記各側壁部74bの先端部74b′は、前記ボス部73cと遮蔽壁73dとで形成されたコーナー部73eに突き当てられ、突き当て面部分が外側方からの溶接により接合されている。
本第2実施形態では、遊星歯車式減速機構20の第1キャリア29についても前記第1実施形態におけるキャリア59と同様の構造としたので、該第1キャリア29の重量を低減できるとともに、コストを低減できる。
本第2実施形態では、前述のキャリア溶接構造を船外機1の遊星歯車式減速機構18及び変速機構20に採用したので、船外機1全体の重量及びコストを低減できる。
本実施形態では、エンジンの回転速度を低速側又は高速側の何れかに切り替える遊星歯車式変速機構20に前記キャリア溶接構造を採用したので、該変速機構20の重量及びコストを低減できる。
また本実施形態では、エンジンの回転速度を減速させる遊星歯車式減速機構18に前記キャリア溶接構造を採用したので、該減速機構18の重量及びコストを低減でき、ひいては船外機1全体の軽量化を図ることができる。
なお、本実施形態では、船外機に配設された遊星歯車式変速装置を例に説明したが、本発明の遊星歯車装置の適用範囲は、これに限られるものではない。例えば、船内機,あるいは陸上用車両に配設された遊星歯車式変速装置にも適用可能である。
本発明の第1実施形態による遊星歯車式減速機構の断面図である。 前記減速機構のキャリアの平面図である。 前記キャリアの側面図(図2のIII視)である。 前記キャリアの断面図(図2のIV-IV線断面図)である。 本発明の第2実施形態による遊星歯車式変速装置を備えた船外機の側面図である。 前記遊星歯車式変速装置の断面背面図である。 前記変速装置の遊星歯車式変速機構の断面図である。 前記遊星歯車式減速機構の断面図である。 従来の一般的なキャリアの溶接構造を示す図である。
符号の説明
1 船外機
14 ドライブ軸(第2回転軸)
15 遊星歯車式変速装置
18 遊星歯車式減速機構(遊星歯車装置)
20 遊星歯車式変速機構
24 第1入力軸(第1回転軸)
25,55 内歯歯車
27,58 太陽歯車
28 第1出力軸(第2回転軸)
29,59 キャリア
30,57 遊星歯車
57a 歯車軸
57c 歯車本体
38 第2出力軸(第1回転軸)
73 蓋部材
73a キャリアボス部
73b 上蓋部
73c ボス部
73d 遮蔽壁
73e コーナー部
74 キャリア本体
74a 底部
74b 側壁部
74b′ 先端部

Claims (8)

  1. 中心軸から径方向に拡がる円板状の蓋部と、該蓋部に対向するように配置された底部と、該底部の周縁から前記蓋部に向けて延びる側壁部からなる遊星歯車装置のキャリアであって、
    前記蓋部の周縁部の内側には前記底部側に延びる遮蔽壁が形成されており、
    前記側壁部の先端は、前記蓋部の周縁端部と遮蔽壁とで形成されるコーナー部に突き当てられ、突き当て面部分が外側から溶接固定されることを特徴とする遊星歯車装置のキャリア。
  2. 請求項1に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、
    前記蓋部の周縁には、他の部分より厚肉の結合部が形成され、該結合部の径方向内側に前記遮蔽壁が形成されていることを特徴とする遊星歯車装置のキャリア。
  3. 請求項2に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、
    前記底壁部及び底部は、前記結合部より薄肉に形成されていることを特徴とする遊星歯車装置のキャリア。
  4. 請求項1に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、
    前記側壁部及び底部は、板状部材を折り曲げ加工することにより一体に形成されていることを特徴とする遊星歯車装置のキャリア。
  5. 請求項1に記載の遊星歯車装置のキャリアにおいて、
    前記蓋部は鋳造製であり、前記底部及び側壁部は一体に形成された板金製であることを特徴とする遊星歯車装置のキャリア。
  6. 入力軸に接続された内歯歯車と、ハウジングに接続された太陽歯車と、出力軸に接続された請求項1ないし5の何れかに記載のキャリアと、該キャリアにより回転自在に支持され、前記太陽歯車と内歯歯車に噛合する遊星歯車とを備えたことを特徴とする遊星歯車装置。
  7. 請求項6に記載の遊星歯車装置において、
    前記遊星歯車は、前記キャリアの蓋部及び底部を貫通する歯車軸と、該歯車軸により回転自在に支持された歯車本体とを有することを特徴とする遊星歯車速装置。
  8. 請求項6又は7に記載の遊星歯車装置を備えたことを特徴とする船外機。
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