JP2009185116A - カルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂、それを含有するアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エポキシアクリレート樹脂及び硬化性樹脂組成物,およびアルカリ現像型感光性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは,プリント配線板のオーバーコート,アンダーコート,絶縁コートなどの永久保護膜,ソルダーレジストインキ,ビルドアップ基板の相関絶縁材料等,或いはプリント配線板,特にフレキシブルプリント配線板の製造に適した希アルカリ溶液で現像可能なソルダーレジストインキに好適な硬化性樹脂組成物に関する。
最近のプリント配線板の進歩はめざましく,特に表面実装技術の向上によりプリント配線板の高集積化は加速度的に進んでおり,さらに高密度,高信頼性に加え,量産性や経済性を兼ね備えたレジストパターンの形成方法が求められている。このため,ソルダーレジストインキの高密度化に対する要求も一層厳しく,従来用いられてきたスクリーン印刷によるプリント配線板のレジストパターン形成法では解像度が低く,この要求に対応できなくなってきており,そのため解像度の高い写真法を利用した写真現像に使用できる,アルカリ現像可能なソルダーレジストインキが使用されるようになっている。
また,近年フレキシブルプリント配線板が広く用いられており,その結果,フレキシブルプリント配線板に適用し得るような可撓性を有し,かつ,解像度の高い写真現像に使用できる,アルカリ現像可能なソルダーレジストインキの要求が高まっている。しかしながら、優れた可撓性を付与するため、架橋点距離の延長をする従来のアプローチでは二重結合当量が増大し光硬化性が悪くなり、生産性の低下などが問題となっていた。
本発明の目的は、優れた可撓性及び光硬化性、アルカリ現像性を兼備した光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、可撓性ソルダーレジストインキ用に好適に使用できるエポキシアクリレート樹脂,これを配合した硬化性樹脂組成物,アルカリ現像型感光性樹脂組成物,およびその硬化物を提供する。
本発明は、また上記のエポキシアクリレート樹脂用に好適なエポキシ樹脂を提供する。
本発明は、可撓性ソルダーレジストインキ用に好適に使用できるエポキシアクリレート樹脂,これを配合した硬化性樹脂組成物,アルカリ現像型感光性樹脂組成物,およびその硬化物を提供する。
本発明は、また上記のエポキシアクリレート樹脂用に好適なエポキシ樹脂を提供する。
本発明は、下記一般式(1)で表わされる新規エポキシ樹脂を提供する。
本発明はジヒドロキシベンゼン類及び/またはジヒドロキシナフタレン類とポリアルキレンエーテル類のグリシジルエーテル及び/またはポリアルキルジオール類のグリシジルエーテルを反応させる上記一般式(1)で表される特定構造を有するエポキシ樹脂の製造方法を提供する。
さらに本発明は前記したエポキシ樹脂にアクリル酸を反応させて得られる下記一般式(2)で表されるエポキシアクリレート樹脂を提供する。
また、本発明は前記エポキシアクリレート樹脂に多塩基酸化合物を反応させたカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂、およびこれら樹脂と重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物を提供する。
またさらに本発明は、前記した硬化性樹脂組成物の硬化物を提供する。
本発明により、優れた可撓性を有するフレキシブルプリント配線板とし得る光硬化性が良好な樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、可撓性ソルダーレジストインキに好適なエポキシアクリレート樹脂,これを配合した硬化性樹脂組成物,アルカリ現像型感光性樹脂組成物,およびその硬化物を提供することができる。
本発明により、エポキシアクリレート樹脂用に好適な新規エポキシ樹脂が提供される。
本発明によれば、可撓性ソルダーレジストインキに好適なエポキシアクリレート樹脂,これを配合した硬化性樹脂組成物,アルカリ現像型感光性樹脂組成物,およびその硬化物を提供することができる。
本発明により、エポキシアクリレート樹脂用に好適な新規エポキシ樹脂が提供される。
本発明により、前記一般式(1)で表わされる新規エポキシ樹脂が提供される。本発明により提供されるエポキシ樹脂はエポキシアクリレート樹脂を得るのに好適に使用することができるものである。
前記一般式(1)で表わされる新規エポキシ樹脂において、Xがベンゼン環またはナフタレン環であるエポキシ樹脂は、本発明のエポキシ樹脂の好ましい態様である。またさらに一般式(1)において、nが2であり、mが1であるエポキシ樹脂は、より好ましい態様である。
本発明の一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂は、ジヒドロキシベンゼン類、ジヒドロキシナフタレン類とポリアルキレンエーテル類のジグリシジルエーテルもしくはポリアルキルジオールのジグリシジルエーテルを反応させて得られるエポキシ樹脂にアクリル酸もしくはメタクリル酸などのエチレン性不飽和一塩基酸を反応させて得ることができる。
ジヒドロキシベンゼン類としては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコールが挙げられる。中でもハイドロキノンが好ましい。
ジヒドロキシナフタレン類としては、1,2-ジヒドロキシナフタレン1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられ、さらにジヒドロキシアントラセン類を挙げることができる。中でも、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
ジヒドロキシナフタレン類としては、1,2-ジヒドロキシナフタレン1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられ、さらにジヒドロキシアントラセン類を挙げることができる。中でも、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
ポリアルキレンエーテルのジグリシジルエーテル類としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。また、アルキルジオールのジグリシジルエーテル類としては1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらの中で、得られる光硬化性樹脂組成物の優れた柔軟性、屈曲性と光硬化性のバランスを所望するときは、ジヒドロキシナフタレン類とエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルの組み合わせが好ましい。
一般式(1)のエポキシ樹脂の製造時の配合比としては、ジヒドロキシベンゼン類および/またはジヒドロキシナフタレン類(a)と、ポリアルキレンエーテルのジグリシジルエーテル類および/またはアルキルジオールのジグリシジルエーテル類(b)の重量比で、(a)/(b)=5/95〜45/55であることが好ましく、光硬化性、可撓性などの物性バランスの観点から(a)/(b)=20/80〜40/60であることがより好ましい。
上記エポキシ樹脂を製造するに際し、反応温度としては、50〜200℃、好ましくは80〜160℃の範囲で反応させることが望ましい。
エポキシ樹脂を製造する際に用いる反応触媒としては特に限定はされないが、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどの有機リン系、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5, 4, 0)ウンデセン−7などの3級アミン系などが挙げられる。反応触媒の量としては、原料全重量に対して10ppm〜2wt%程度の範囲で使用することができる。
前記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂から、前記一般式(2)で表わされるエポキシ(メタ)アクリレートを得ることができる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの総称として用いるものであって、アクリレートおよび/またはメタクリレートを表わす。
前記一般式(2)で表わされるエポキシ(メタ)アクリレートは、前記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂に、アクリル酸及び/またはメタクリル酸(以下(メタ)アクリル酸と総称することがある)を反応させることによって得ることができる。このようにしてエポキシ(メタ)アクリレートを製造する場合、(メタ)アクリル酸の添加量としては、エポキシ当量に対して(メタ)アクリル酸を0.75〜1.25、より好ましくは0.95〜1.05当量使用することが望ましい。
反応温度としては60〜150℃が好ましく、不飽和基の熱重合を防ぐ観点から80〜130℃であることがより好ましい。
反応触媒としては特に限定はされないが、一般式(1)のエポキシ樹脂の製造について例示したのと同様の触媒が使用できる。反応触媒の量としては、原料全重量に対して10ppm〜2wt%の範囲程度の量で使用することができる。
重合抑制剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジンなどを使用することができる。重合抑制剤を使用するときは、0.01〜1wt%、好ましくは0.03〜0.5wt%の範囲で用いることができる。
また、反応系を必要に応じて有機溶剤で希釈することができる。このような有機溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。なお、有機溶剤の使用量は適宜選択することができる。
前記したエポキシ(メタ)アクリレート樹脂に、多塩基酸無水物を反応させることによってカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂を得ることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と反応させる多塩基酸無水物の量は、好ましくは固形分酸価が30〜150mgKOH/gになるように添加することが好ましい。より好ましくは、50〜120KOH/gの固形分酸価になるような量である。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と反応させる多塩基酸無水物の量は、好ましくは固形分酸価が30〜150mgKOH/gになるように添加することが好ましい。より好ましくは、50〜120KOH/gの固形分酸価になるような量である。
多塩基酸無水物の具体的な例としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族二塩基酸無水物、あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は芳香族四塩基酸二無水物などが挙げられる。これらの中でも、脂環式二塩基酸無水物が特に好ましい。これらの多塩基酸無水物は、1種又は2種以上を使用することができる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と多塩基酸無水物の反応は、約50〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度範囲で行うことが可能である。
反応触媒としては、上記エポキシ樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の製造について例示したものと同様の触媒を使用できる。反応触媒の量は全原料に対して、500ppm〜1wt%程度が好ましく、より好ましくは、0.1〜0.5wt%程度である。
反応触媒としては、上記エポキシ樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の製造について例示したものと同様の触媒を使用できる。反応触媒の量は全原料に対して、500ppm〜1wt%程度が好ましく、より好ましくは、0.1〜0.5wt%程度である。
前記した本発明のエポキシアクリレート樹脂またはカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂に光重合開始剤を含有させることにより光硬化性樹脂組成物を得ることができる。
光重合開始剤としては、具体的には光ラジカル重合開始剤であり、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどが挙げられる。光重合開始剤は、照射する活性エネルギー線の波長や硬化速度、樹脂組成物の膜厚などによって任意に選択することができる。
このような光硬化性樹脂組成物には、前記した本発明のエポキシアクリレート樹脂以外の(メタ)アクリルポリマー(以下その他の(メタ)アクリルポリマーということがある)を併用することができる。その他の(メタ)アクリルポリマーの割合としては、全(メタ)アクリルポリマー中に10〜90wt%含有させることができる。硬化物に高い可撓性を付与する観点からは、全(メタ)アクリルポリマー中に該ポリマーを50〜90wt%含有させることが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させる手段には特に制限はなく、従来公知の手段から適宜選択して採用することができる。好ましい硬化手段としては、活性エネルギー線照射および熱処理を挙げることができる。中でも活性エネルギー線照射は好ましい硬化手段である。
活性エネルギー線照射の手段としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプの使用などが挙げられる。ランプの種類は硬化速度や組成物の吸収波長などにより任意に選択ができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物がさらにエポキシ樹脂を含む樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。本発明の光硬化性樹脂組成物がさらにエポキシ樹脂を含むとき、熱による硬化がより得やすくなるという利点がある。
以下に実施例、比較例によって本発明をより具体的に説明をするが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
本発明において、物性の測定は下記の方法によって行った。
測定方法
(1)エポキシ当量
JIS K7236に準拠して測定を行った。
(2)酸価
JIS K0070に準拠して測定を行った。
(3)FD‐MS
装置:日本電子製 JMS−700QQ型
溶媒: クロロホルム
加速電圧:6Kv
測定方法
(1)エポキシ当量
JIS K7236に準拠して測定を行った。
(2)酸価
JIS K0070に準拠して測定を行った。
(3)FD‐MS
装置:日本電子製 JMS−700QQ型
溶媒: クロロホルム
加速電圧:6Kv
[合成例1]
300mlフラスコに1、5−ジヒドロキシナフタレン(水酸基当量80g/eq)40.0g、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量115g/eq)115.0g、トリフェニルホスフィン0.08gを仕込み、135℃に昇温して窒素雰囲気下で1.5時間保持した後に、さらに150℃に昇温して0.5時間保持した。これを室温まで冷却すると黄褐色の液状エポキシ樹脂155.0gが得られた。そのエポキシ樹脂のエポキシ当量は319g/eqであった。FD-MSを測定した結果、M+ = 508、842、1176が確認された。これは、一般式(1)においてX=ナフタレン環、n=2、m=1、k=1のときのl=1、2、3に相当する。
300mlフラスコに1、5−ジヒドロキシナフタレン(水酸基当量80g/eq)40.0g、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量115g/eq)115.0g、トリフェニルホスフィン0.08gを仕込み、135℃に昇温して窒素雰囲気下で1.5時間保持した後に、さらに150℃に昇温して0.5時間保持した。これを室温まで冷却すると黄褐色の液状エポキシ樹脂155.0gが得られた。そのエポキシ樹脂のエポキシ当量は319g/eqであった。FD-MSを測定した結果、M+ = 508、842、1176が確認された。これは、一般式(1)においてX=ナフタレン環、n=2、m=1、k=1のときのl=1、2、3に相当する。
[合成例2]
300mlフラスコに合成例1で得られたエポキシ樹脂(エポキシ当量319g/eq)127.6g、カルビトールアセテート88.4g、メチルハイドロキノン0.08g、トリフェニルホスフィン0.49gを仕込み、100℃に昇温して樹脂を溶解した。さらに、その樹脂溶液中にアクリル酸28.8gを徐々に加え、100〜110℃の温度で12時間反応させた。その後、室温まで冷却すると、エポキシアクリレート樹脂溶液245.3gが得られた。この樹脂溶液の不揮発分は73%であった。
後記する合成例3の分析データによって、本合成例の生成物の構造を確認した。
300mlフラスコに合成例1で得られたエポキシ樹脂(エポキシ当量319g/eq)127.6g、カルビトールアセテート88.4g、メチルハイドロキノン0.08g、トリフェニルホスフィン0.49gを仕込み、100℃に昇温して樹脂を溶解した。さらに、その樹脂溶液中にアクリル酸28.8gを徐々に加え、100〜110℃の温度で12時間反応させた。その後、室温まで冷却すると、エポキシアクリレート樹脂溶液245.3gが得られた。この樹脂溶液の不揮発分は73%であった。
後記する合成例3の分析データによって、本合成例の生成物の構造を確認した。
[合成例3]
300mlフラスコに合成例2で得られた樹脂を245.3g仕込み、85℃に昇温した後、テトラヒドロフタル酸無水物48.7gを徐々に加え85〜95℃の温度で4時間反応させた。これを室温まで冷却すると、不揮発分69%、固形分酸価90mgKOH/gのカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂溶液294.0gが得られた。FD-MSを測定した結果、M+ = 652、986が確認された。これは一般式(2)においてX=ナフタレン環、n=2、m=1、k=1のときのl=1、2に相当する。さらにM+ = 508、580、652、724、及び770、842、914、986の質量差72の特徴ピークが検出され、アクリル酸由来の質量差であることからアクリロイル基が樹脂構造内に導入されていることが確認された。
300mlフラスコに合成例2で得られた樹脂を245.3g仕込み、85℃に昇温した後、テトラヒドロフタル酸無水物48.7gを徐々に加え85〜95℃の温度で4時間反応させた。これを室温まで冷却すると、不揮発分69%、固形分酸価90mgKOH/gのカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂溶液294.0gが得られた。FD-MSを測定した結果、M+ = 652、986が確認された。これは一般式(2)においてX=ナフタレン環、n=2、m=1、k=1のときのl=1、2に相当する。さらにM+ = 508、580、652、724、及び770、842、914、986の質量差72の特徴ピークが検出され、アクリル酸由来の質量差であることからアクリロイル基が樹脂構造内に導入されていることが確認された。
[合成例4]
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製YDCN-704 エポキシ当量200g/eq)200.0gとアクリル酸72.1gをカルビトールアセテート160.0g中で反応させ、さらにテトラヒドロフタル酸無水物98.9gを反応させてカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂溶液を得た。不揮発分70%、固形分酸価99mgKOH/gであった。
前記合成例3〜4で得られたカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂溶液を表1に示したソルダーレジスト用樹脂組成物配合成分で混合し、ソルダーレジスト用樹脂組成物を得た。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製YDCN-704 エポキシ当量200g/eq)200.0gとアクリル酸72.1gをカルビトールアセテート160.0g中で反応させ、さらにテトラヒドロフタル酸無水物98.9gを反応させてカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂溶液を得た。不揮発分70%、固形分酸価99mgKOH/gであった。
前記合成例3〜4で得られたカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂溶液を表1に示したソルダーレジスト用樹脂組成物配合成分で混合し、ソルダーレジスト用樹脂組成物を得た。
[実施例1]
合成例3の樹脂14.5g、光重合開始剤(2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン) 1.5g、感光性モノマー (日本化薬(株)製 ジペンタエリスリトールヘキサ及びペンタアクリレート) 1.5g、エポキシ樹脂1クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDCN-704) 3.2g、エポキシ樹脂2ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 RE306 ) 1.4g、フタロシアニングリーン0.5g、カルビトールアセテート1.0gを攪拌混合し、ソルダーレジスト樹脂組成物を得た。
合成例3の樹脂14.5g、光重合開始剤(2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン) 1.5g、感光性モノマー (日本化薬(株)製 ジペンタエリスリトールヘキサ及びペンタアクリレート) 1.5g、エポキシ樹脂1クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDCN-704) 3.2g、エポキシ樹脂2ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 RE306 ) 1.4g、フタロシアニングリーン0.5g、カルビトールアセテート1.0gを攪拌混合し、ソルダーレジスト樹脂組成物を得た。
[比較例1]
合成例4の樹脂14.3g、光重合開始剤(2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン) 1.5g、感光性モノマー (日本化薬(株)製 ジペンタエリスリトールヘキサ及びペンタアクリレート) 1.5g、エポキシ樹脂1クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDCN-704) 3.5g、エポキシ樹脂2ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 RE306 ) 1.5g、フタロシアニングリーン0.5g、カルビトールアセテート1.0gを攪拌混合し、ソルダーレジスト樹脂組成物を得た。
合成例4の樹脂14.3g、光重合開始剤(2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン) 1.5g、感光性モノマー (日本化薬(株)製 ジペンタエリスリトールヘキサ及びペンタアクリレート) 1.5g、エポキシ樹脂1クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDCN-704) 3.5g、エポキシ樹脂2ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 RE306 ) 1.5g、フタロシアニングリーン0.5g、カルビトールアセテート1.0gを攪拌混合し、ソルダーレジスト樹脂組成物を得た。
[評価試験方法]
下記に示す評価試験方法に従って測定した結果を表2に示す。
下記に示す評価試験方法に従って測定した結果を表2に示す。
[光硬化性]
ソルダーレジスト用樹脂組成物を、あらかじめPETフィルムとテフロン(登録商標)板を張り合わせた板のPETフィルム側に、ウェット約50μmの厚みになるよう自動塗工機により塗布し、80℃で30分間乾燥させた後、ステップタブレットNo.2(コダック株式会社製)を塗布面に密着させ、オーク製作所製小型高圧水銀ランプ装置を用いて400mJ/cm2露光し、次に1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて120秒間現像を行い、ステップタブレット法で評価を行った。評価数値は差段残存段数を示し、数値が大きいほど光硬化性が優れていることを示す。
ソルダーレジスト用樹脂組成物を、あらかじめPETフィルムとテフロン(登録商標)板を張り合わせた板のPETフィルム側に、ウェット約50μmの厚みになるよう自動塗工機により塗布し、80℃で30分間乾燥させた後、ステップタブレットNo.2(コダック株式会社製)を塗布面に密着させ、オーク製作所製小型高圧水銀ランプ装置を用いて400mJ/cm2露光し、次に1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて120秒間現像を行い、ステップタブレット法で評価を行った。評価数値は差段残存段数を示し、数値が大きいほど光硬化性が優れていることを示す。
[可撓性(耐折り曲げ)]
ソルダーレジスト用樹脂組成物を、PETフィルムにウェット約250μmの厚みになるように自動塗工機で塗布し、80℃の温度で60分間乾燥した。さらに、オーク製作所製小型高圧水銀ランプ装置で1000mJ/cm2露光し、オーブンにて150℃の温度で1時間加熱処理した後室温に冷却して硬化物をPETフィルムから剥がすと約100μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜を180°に折り曲げ、クラック発生の有無で可撓性を評価した。
○:全くクラックが発生しなかったもの
△:わずかにクラックが発生したもの
×:クラックが発生し、完全に折れたもの
ソルダーレジスト用樹脂組成物を、PETフィルムにウェット約250μmの厚みになるように自動塗工機で塗布し、80℃の温度で60分間乾燥した。さらに、オーク製作所製小型高圧水銀ランプ装置で1000mJ/cm2露光し、オーブンにて150℃の温度で1時間加熱処理した後室温に冷却して硬化物をPETフィルムから剥がすと約100μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜を180°に折り曲げ、クラック発生の有無で可撓性を評価した。
○:全くクラックが発生しなかったもの
△:わずかにクラックが発生したもの
×:クラックが発生し、完全に折れたもの
[アルカリ現像性]
ソルダーレジスト用樹脂組成物を、あらかじめPETフィルムとテフロン(登録商標)板を張り合わせた板のPETフィルム側に、塗布面がウェット約50μmの厚みで約7.5cm×10cmの面積になるよう自動塗工機により塗布した。次いで80℃の温度で30、40、50、60分の時間それぞれ乾燥し、室温冷却後に1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、120秒間浸漬し、純水で洗浄後に塗布面の溶け残りの有無を目視にて確認した。
○:全く溶け残りがなかったもの
△:かすかに溶け残りが認められるもの
×:溶けなかったもの
ソルダーレジスト用樹脂組成物を、あらかじめPETフィルムとテフロン(登録商標)板を張り合わせた板のPETフィルム側に、塗布面がウェット約50μmの厚みで約7.5cm×10cmの面積になるよう自動塗工機により塗布した。次いで80℃の温度で30、40、50、60分の時間それぞれ乾燥し、室温冷却後に1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、120秒間浸漬し、純水で洗浄後に塗布面の溶け残りの有無を目視にて確認した。
○:全く溶け残りがなかったもの
△:かすかに溶け残りが認められるもの
×:溶けなかったもの
上記の結果から、本発明の樹脂を含有した硬化性樹脂組成物は光硬化性、アルカリ現像性に優れ、さらにその硬化物は可撓性に優れたものが得られることがわかる。
本発明により提供される樹脂組成物は優れた光硬化性とアルカリ現像性を有し、その硬化物は優れた可撓性を有するので、高い生産性でフレキシブルプリント配線板の製造を行うことができる。
本発明により提供される新規エポキシ樹脂から、エポキシアクリレート樹脂およびカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂が提供される。
本発明により提供されるエポキシアクリレート樹脂およびカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂から、前記した優れた光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明により提供される新規エポキシ樹脂から、エポキシアクリレート樹脂およびカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂が提供される。
本発明により提供されるエポキシアクリレート樹脂およびカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂から、前記した優れた光硬化性樹脂組成物が提供される。
Claims (12)
- 一般式(1)において、Xがベンゼン環またはナフタレン環であるエポキシ樹脂。
- 一般式(1)において、nが2であり、mが1である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂。
- ジヒドロキシベンゼン類及び/またはジヒドロキシナフタレン類と、ポリアルキレンエーテル類のジグリシジルエーテル及び/またはアルキルジオール類のジグリシジルエーテルを反応させる、一般式(1)のエポキシ樹脂の製造方法。
- 請求項5に記載のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂に、更に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂。
- 請求項5に記載エポキシアクリレート樹脂と光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物。
- 請求項5に記載のエポキシアクリレート樹脂と、該樹脂以外の(メタ)アクリルポリマーおよび光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物。
- 請求項6に記載のカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂と、光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物。
- 請求項9に記載の光硬化性樹脂組成物が、さらにエポキシ樹脂を含有する光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項9に記載の光硬化性樹脂組成物に加えて、請求項5に記載のエポキシアクリレート樹脂以外の(メタ)アクリルポリマー、およびエポキシ樹脂を含有する光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項7〜11のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線照射または熱処理により硬化させた硬化物。
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