JP2009179836A - ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させて一般式CnF2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩の水溶液を得る方法において、添加剤を加えて吸収液の表面張力を低下させることによって吸収率を高めることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
【選択図】 なし
Description
〔1〕一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させて一般式CnF2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩の水溶液を得る方法において、添加剤を加えて吸収液の表面張力を低下させることによって吸収率を高めることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔2〕一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスが、一般式CnH2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものである上記[1]に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔3〕ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収する液が水酸化カリウム水溶液である上記[1]または上記[2]に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔4〕吸収液の表面張力を30.0mN/m以下にしてペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを吸収させる上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔5〕吸収液の表面張力を低下させる添加剤として、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、グリセリン系溶剤、界面活性剤の1種または2種以上を用いる上記[1]〜上記[4]の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔6〕吸収液の表面張力を低下させる添加剤として、CnF2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)を用いる上記[1]〜上記[5]の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔7〕吸収液の表面張力を低下させる添加剤の濃度が5%以上である上記[1]〜上記[6]の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔8〕バッチ処理を行う際に、前バッチにおいて生成したCnF2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)を含む吸収後液を新たな吸収液に添加したものを用いる上記[6]または上記[7]に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔9〕吸収液に対するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収率が95%以上である上記[1]〜上記[8]の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
原料にアルカンスルホニルハライド、好ましくはアルカンスルホニルフロリドを用い、これをフッ化水素酸と共に電解槽に装入し、常圧下、窒素ガス雰囲気中で電解する。次式に[1]示すように、電解フッ素化工程によって、一般式CnH2n+1SO2X(n=1〜4、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライドのアルキル基がフッ素置換して、一般式CnF2n+1SO2F(n=1〜4)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドが生成される。
CnH2n+1SO2F + (2n+1)HF → CnF2n+1SO2F↑+(2n+1)H2↑ ・・・ [1]
電解フッ素化工程で電解槽から抜き出した生成ガスは、0〜−40℃のコンデンサーを通すことによって同伴するフッ化水素酸を液化して電解槽に戻す。コンデンサー出口から抜き出されるガス中には、コンデンサーで液化しきれないフッ化水素酸が含まれるため、好ましくは水または低濃度のアルカリ水溶液のシャワーと気液接触させて洗浄することによりフッ化水素酸を除去した後にガス吸収塔に導く。
生成ガスを洗浄した後に、ガス吸収塔に導いて吸収液と接触させる。吸収液として、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ金属水酸化物水溶液が用いられる。この吸収液はガス吸収塔の上部から散布して生成ガスと気液接触させれば良い。このガス吸収工程において、次式[2]に示すように、生成ガスに含まれる主成分のペルフルオロアルカンスルホニルフロリドはアルカリ金属水酸化物と反応してペルフルオロアルカンスルホン酸塩となり、液中に吸収される。
CnF2n+1SO2F+2MOH → CnF2n+1SO3M+MF+H2O ・・・ [2]
(M=K、Li、Na)
(X量比=出口側X量/入口側X量、N2量比=入口側N2量/出口側のN2量)
〔実施例1〕
<電解フッ素化>
リフラックスコンデンサー(設定温度−20℃)を備えた鉄製の電解槽を用いた。この電解槽にはニッケル製の陽極および陰極(何れも面積130dm2)が設置されている。この電解槽に無水フッ化水素酸24.6kg(1230mol)および原料1−プロパンスルホニルフロリド0.5kg(4.0mol)を仕込み、液を循環させて電解液を調製した。この電解液を外部冷却器に循環させて10℃±2℃に保持しながら、200Aの定電流で電解フッ素化を行った。電解フッ素化中は1−プロパンスルホニルフロリドおよび無水フッ化水素酸を適宜、電解槽内に供給して電解液を補充した。
<ガス洗浄>
電解フッ素化によって生成したヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを含む生成ガスをHF吸収塔に導入した。HF吸収塔にはイオン交換水を室温下で循環させ、生成ガスと向流接触させてガス中のフッ化水素酸を除去した。
<ガス吸収>
洗浄した生成ガスをガス吸収塔に導入した。ガス吸収塔には予め吸収液の水酸化カリウム水溶液(濃度8.9%)46.8kgが供給されている。この水溶液に水酸化カリウムの初期濃度が8%、イソプロピルアルコール濃度が10%になるように5.2kg添加し、表面張力27.7mN/mに調整されている。この吸収液を60℃に温度調節しながら、2m3/hの速度でガス吸収塔内を循環させてガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドと吸収液とを反応させた。電解開始から62.5時間後に通電を停止し、ガス吸収塔内の反応液(吸収後液)53.7kgを回収した。これは無色透明な溶液であった。これを滴定分析したところ水酸化カリウム濃度は0.4%であり、電解反応時のガス吸収率は電解開始時点から常に98%以上を維持した。
<その他>
電解反応全体の原料総仕込量は3.4kg(27.0mol)、電圧は5.5〜5.8V、ガス吸収反応における液ガス比は27.9である。
イソプロピルアルコールの濃度を10%にして表面張力を26.1mN/mに調整し、KOH濃度を12%に調整した吸収液を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。
イソプロピルアルコールに代えて、C3F7SO3Kを濃度10%になるように添加して表面張力を29.2mN/mに調整した吸収液を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。
前バッチにおいて得られた吸収後液(ヘプタフルオロメタンスルホン酸カリウム濃度18%)を新たな吸収液(水酸化カリウム水溶液)に対して50%添加したものを用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを上記吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。
イソプロピルアルコールの濃度を5%にして表面張力を28.6mN/mに調整し、KOH濃度を16%に調整した吸収液(水酸化カリウム水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のペンタフルオロエタンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。
吸収液として用いる水酸化カリウム水溶液に表面張力を低下させる添加剤を加えず、KOH濃度を8%〜16%に調整した吸収液を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。この結果を表1に示した。何れも生成物濃度が5%以下である電解反応初期のガス吸収率は70%〜85%であった。
Claims (9)
- 一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させて一般式CnF2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩の水溶液を得る方法において、添加剤を加えて吸収液の表面張力を低下させることによって吸収率を高めることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- 一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスが、一般式CnH2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものである請求項1に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収する液が水酸化カリウム水溶液である請求項1または請求項2に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- 吸収液の表面張力を30.0mN/m以下にしてペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを吸収させる請求項1〜請求項3の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- 吸収液の表面張力を低下させる添加剤として、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、グリセリン系溶剤、界面活性剤の1種または2種以上を用いる請求項1〜請求項4の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- 吸収液の表面張力を低下させる添加剤として、CnF2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)を用いる請求項1〜請求項5の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- 吸収液の表面張力を低下させる添加剤の濃度が5%以上である請求項1〜請求項6の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- バッチ処理を行う際に、前バッチにおいて生成したCnF2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)を含む吸収後液を新たな吸収液に添加したものを用いる請求項6または請求項7に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
- 吸収液に対するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収率が95%以上である請求項1〜請求項8の何れかに記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
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