JP5427327B2 - ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法 - Google Patents

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本発明は医薬品製造の際の合成触媒等として有用な一般式Cn2n+1SO3H(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸を製造する際に原料として好適であり、半導体製造の際の酸発生剤原料として有用な一般式Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩を製造するためのペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法に関する。
一般式Cn2n+1SO3H(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸を製造する方法としては、米国特許第2732398号(特許文献1)に記載された方法が知られている。この方法は、炭素数1〜3のアルカンスルホニルハライドを原料とし、これをフッ化水素酸中で電解反応に供することによってアルキル基の水素をフッ素に置換(電解フッ素化)してペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを生成させ、次にこれをアルカリ溶液と反応させてアルカリ金属塩に変換し、さらにこれを硫酸で酸分解することによって、ペルフルオロアルカンスルホン酸を製造している。
また、上記製法を改良した方法として、特開昭64−61452号公報(特許文献2)には、電解フッ素化の生成ガスを水酸化カリウム水溶液と気液の接触を高めて常圧で反応させることによって、カリウム塩に変換しながら吸収させる方法が記載されている。さらに、上記製法とは異なる方法として、特許第3294323号公報(特許文献3)には、原料にメタンスルホニルハライドを使用し、無水フッ化水素酸中で電解フッ素化してトリフルオロメタンスルホニルフロリドを生成し、これを水洗して酸性ガスを除去した後、水酸化リチウムの水溶液またはスラリーと反応させ、副生したフッ化リチウムを除去してリチウムトリフルオロメタンスルホネートを製造する方法が記載されており、これを酸分解してペルフルオロアルカンスルホン酸を製造することができる。
また、特開2007−119458号公報(特許文献4)には、一般式Cn2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して一般式Cn2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを生成させ、この生成ガスを水酸化カリウム水溶液に吸収させて一般式Cn2n+1SO3K(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸カリウムを生成させ、このペルフルオロアルカンスルホン酸カリウムを含む液からペルフルオロアルカンスルホン酸カリウム結晶を得る方法が記載されている。
上記特許文献4の製造方法は、電解フッ素化で生成するガスを水酸化カリウム水溶液に吸収させる際に、水酸化カリウム濃度が1%未満になるまで吸収させることによって生成するペルフルオロアルカンスルホン酸カリウム濃度を高め、その塩析効果によって不純物の硫酸カリウム濃度を大幅に低減できる利点を有している。
米国特許第2732398号 特開昭64−61452号公報 特許第3294323号公報 特開2007−119458号公報
上記特許文献1の製造方法は、電解フッ素化によって生成させたペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを−180℃に冷却して凝縮させた後に、加圧下で加水分解させるため、強力な冷却装置やオートクレーブを必要とし、設備コストが嵩む。また、上記特許文献2の製造方法は、電解フッ素化によって生成させたペルフルオロアルカンスルホニルフロリド(ガス)と吸収液の水酸化カリウム水溶液との気液接触を高めるために、特殊な吸収設備を必要とする。このようにペルフルオロアルカンスルホニルフロリドをアルカリ水溶液に効率よく吸収させるのは容易ではなかった。そこで、特許文献4の方法は吸収液として用いる水酸化カリウム水溶液との液ガス比等を調整して吸収率を高める工夫をしている。
一方、ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドはその炭素数の増加とともに水に対する溶解性が低下し、そのため吸収液であるアルカリ水溶液に対する吸収率が低下する傾向がある。また、バッチ処理を行う際に初期の吸収率が低い傾向がある。
本発明は、ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に対する吸収効果を高めたものであり、炭素数の多いペルフルオロアルカンスルホニルフロリドについても吸収液に対する吸収率が高く、またバッチ処理の初期における吸収率の高いペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法を提供する。
本発明は、以下に示す構成を有するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法である。
〔1〕一般式Cn2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させて一般式Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩の水溶液を得る方法において、添加剤として、イソプロピルアルコールを加えて上記吸収液の表面張力を低下させることによって吸収率を高めることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
本発明の上記吸収方法は以下の態様を含む。
〔2〕吸収液の表面張力を低下させる添加剤の濃度が5%以上である上記[1]に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔3〕吸収液の表面張力を30.0mN/m以下に低下させてペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを吸収させる上記[1]または上記[2]に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔4〕吸収液に対するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収率が95%以上である上記[1]〜上記[3]の何れか一項に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔5〕一般式Cn2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスが、一般式Cn2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものである上記[1]〜上記[4]の何れか一項に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
〔6〕ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収する液が水酸化カリウム水溶液である上記[1]〜上記[5]の何れか一項に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
本発明の方法は、一般式Cn2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させて一般式Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩の水溶液を得る方法において、添加剤を加えて吸収液の表面張力を低下させることによって吸収率を高めることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法である。具体的には、例えば、炭素数2〜3のペルフルオロアルカンスルホニルフロリドについて、水酸化カリウム水溶液に対する吸収率を95%以上、好ましくは98%以上に高めることができる。
本発明の方法は、一般式Cn2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたペルフルオロアルカンスルホニルフロリドについて好適に適用することができる。
本発明の方法は、吸収液の表面張力を低下させる添加剤としてイソプロピルアルコールを用いることができる。特殊な添加剤を使用しないので、容易に実施することができる。
また、ペルフルオロアルカンスルホン酸塩〔Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)〕を添加しても吸収液の表面張力を低下させることができる。このペルフルオロアルカンスルホン酸塩は、前バッチにおいて生成したものを新たな吸収液に添加したものを用いることができるので、処理系全体の効率を高めることができ、実施も容易である。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。図1に本発明に係る製造方法の電解工程およびガス吸収工程を示す。なお、以下の説明において濃度の%は特に示さない限り質量%である。
本発明の方法は、一般式Cn2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させて一般式Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩の水溶液を得る方法において、添加剤として、イソプロピルアルコールを加えて上記吸収液の表面張力を低下させることによって吸収率を高めることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法である。
本発明の方法は、一般式Cn2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたペルフルオロアルカンスルホニルフロリド〔Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)〕について好適に適用することができる。
〔電解フッ素化工程〕
原料にアルカンスルホニルハライド、好ましくはアルカンスルホニルフロリドを用い、これをフッ化水素酸と共に電解槽に装入し、常圧下、窒素ガス雰囲気中で電解する。次式に[1]示すように、電解フッ素化工程によって、一般式Cn2n+1SO2X(n=1〜4、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライドのアルキル基がフッ素置換して、一般式Cn2n+1SO2F(n=1〜4)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドが生成される。
n2n+1SO2F + (2n+1)HF → Cn2n+1SO2F↑+(2n+1)H2↑ ・・・ [1]
生成するペルフルオロアルカンスルホニルフロリド類は沸点がおのおの−21℃(n=1)、0℃(n=2)、40℃(n=3)、62℃(n=4)と低いため、副生する水素や分解生成物であるフルオロアルカン類、スルホニルジフロリド、置換ガスである窒素、電解溶媒であるフッ化水素酸とともに電解槽から系外にガスとして抜き出される。
〔ガス洗浄〕
電解フッ素化工程で電解槽から抜き出した生成ガスは、0〜−40℃のコンデンサーを通すことによって同伴するフッ化水素酸を液化して電解槽に戻す。コンデンサー出口から抜き出されるガス中には、コンデンサーで液化しきれないフッ化水素酸が含まれるため、好ましくは水または低濃度のアルカリ水溶液のシャワーと気液接触させて洗浄することによりフッ化水素酸を除去した後にガス吸収塔に導く。
〔ガス吸収工程〕
生成ガスを洗浄した後に、ガス吸収塔に導いて吸収液と接触させる。吸収液として、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ金属水酸化物水溶液が用いられる。この吸収液はガス吸収塔の上部から散布して生成ガスと気液接触させれば良い。このガス吸収工程において、次式[2]に示すように、生成ガスに含まれる主成分のペルフルオロアルカンスルホニルフロリドはアルカリ金属水酸化物と反応してペルフルオロアルカンスルホン酸塩となり、液中に吸収される。
n2n+1SO2F+2MOH → Cn2n+1SO3M+MF+H2O ・・・ [2]
(M=K、Li、Na)
本発明の吸収方法は、吸収液の表面張力を低下させる添加剤の存在下でペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させる。吸収液の表面張力を低下させることによってペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収率を高めることができる。
具体的には、実施例および比較例に示すように、吸収液の表面張力が約75mN/m前後のとき、ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収率は70〜85%であるが、水酸化カリウム水溶液の表面張力を30.0mN/m以下に低下させることによって、ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収率を95%以上、好ましくは98%以上に高めることができる。
上記吸収率は次式[3]によって与えられる。次式[3]において、ペルフルオロアルカンスルホニルフロリド(Cn2n+1SO2F:式中Xと略記)の量およびN2量は、吸収塔入口および出口のガスをガスクロマトグラフィー分析した際の分析チャートのピーク面積によって求めることができる。
吸収率(%)=〔1−(X量比)×(N2量比)〕×100 ・・・ [3]
(X量比=出口側X量/入口側X量、N2量比=入口側N2量/出口側のN2量)
吸収液の表面張力を低下させる添加剤としてイソプロピルアルコールを用いると良い。この添加剤は吸収液中において5%以上の濃度が適当であり、5%〜20%濃度が好ましい。添加剤の濃度が5%未満では吸収液の表面張力が十分に低下しない。
また、ペルフルオロアルカンスルホン酸塩〔Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)〕を添加しても吸収液の表面張力を低下させることができる(表1のA3およびA4)。この濃度は吸収液中において5%以上が適当であり、10%以上の濃度が好ましい。添加剤の濃度が5%未満では吸収液の表面張力が十分に低下しない場合がある。
上記ペルフルオロアルカンスルホン酸塩〔Cn2n+1SO3M〕は、バッチ処理を行う際に、前バッチにおいて生成したCn2n+1SO3Mを含む吸収後液を用いることができる。この吸収後液を新たな吸収液に添加し、添加後の吸収液中のCn2n+1SO3M濃度5%以上、好ましくは10%〜20%濃度において使用するのが良い。
上記ガス吸収工程においては、吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)の温度を40〜90℃、好ましくは50〜80℃に保ち、吸収液と生成ガスの導入量との液ガス比が10以上になるように循環流量を調整して気液接触させると良い。上記温度範囲で液ガス比を10以上に制御することによって、吸収液のアルカリ金属水酸化物濃度が1%未満になるまで、ガス吸収率を95〜100%に保持しながら、ガス吸収を継続することができる。
本発明の吸収方法によって、ペルフルオロアルカンスルホン酸塩を含む液(吸収後液)が得られる。この吸収後液から、例えば、特許文献4の方法によって、ペルフルオロアルカンスルホン酸塩結晶を回収することができる。
上記吸収方法では、電解フッ素化で生成するガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させる際に、吸収液の表面張力を低下させてガス吸収率を高めるので、生成ガスをアルカリ金属水酸化物濃度が1%未満になるまで十分に吸収させることができる。従って、吸収後液のアルカリ濃度が十分に低く、吸収後液を循環再使用する必要がなく、工程が簡略化され工業的に有利である。
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。各例の結果を表1に示す。
〔実施例1〕
<電解フッ素化>
リフラックスコンデンサー(設定温度−20℃)を備えた鉄製の電解槽を用いた。この電解槽にはニッケル製の陽極および陰極(何れも面積130dm2)が設置されている。この電解槽に無水フッ化水素酸24.6kg(1230mol)および原料1−プロパンスルホニルフロリド0.5kg(4.0mol)を仕込み、液を循環させて電解液を調製した。この電解液を外部冷却器に循環させて10℃±2℃に保持しながら、200Aの定電流で電解フッ素化を行った。電解フッ素化中は1−プロパンスルホニルフロリドおよび無水フッ化水素酸を適宜、電解槽内に供給して電解液を補充した。
<ガス洗浄>
電解フッ素化によって生成したヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを含む生成ガスをHF吸収塔に導入した。HF吸収塔にはイオン交換水を室温下で循環させ、生成ガスと向流接触させてガス中のフッ化水素酸を除去した。
<ガス吸収>
洗浄した生成ガスをガス吸収塔に導入した。ガス吸収塔には予め吸収液の水酸化カリウム水溶液(濃度8.9%)46.8kgが供給されている。この水溶液に水酸化カリウムの初期濃度が8%、イソプロピルアルコール濃度が10%になるように5.2kg添加し、表面張力27.7mN/mに調整されている。この吸収液を60℃に温度調節しながら、2m3/hの速度でガス吸収塔内を循環させてガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドと吸収液とを反応させた。電解開始から62.5時間後に通電を停止し、ガス吸収塔内の反応液(吸収後液)53.7kgを回収した。これは無色透明な溶液であった。これを滴定分析したところ水酸化カリウム濃度は0.4%であり、電解反応時のガス吸収率は電解開始時点から常に98%以上を維持した。
<その他>
電解反応全体の原料総仕込量は3.4kg(27.0mol)、電圧は5.5〜5.8V、ガス吸収反応における液ガス比は27.9である。
〔実施例2〕
イソプロピルアルコールの濃度を10%にして表面張力を26.1mN/mに調整し、KOH濃度を12%に調整した吸収液を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。
〔参考例1〕
イソプロピルアルコールに代えて、C37SO3Kを濃度10%になるように添加して表面張力を29.2mN/mに調整した吸収液を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。
〔参考例2〕
前バッチにおいて得られた吸収後液(ヘプタフルオロメタンスルホン酸カリウム濃度18%)を新たな吸収液(水酸化カリウム水溶液)に対して50%添加したものを用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロリドを上記吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。
〔実施例3〕
イソプロピルアルコールの濃度を5%にして表面張力を28.6mN/mに調整し、KOH濃度を16%に調整した吸収液(水酸化カリウム水溶液)を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のペンタフルオロエタンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。電解反応時のガス吸収率は95%以上を維持した。


〔比較例1〜3〕
吸収液として用いる水酸化カリウム水溶液に表面張力を低下させる添加剤を加えず、KOH濃度を8%〜16%に調整した吸収液を用いた以外は実施例1と同様にして生成ガス中のペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを吸収液に吸収させた。この結果を表1に示した。何れも生成物濃度が5%以下である電解反応初期のガス吸収率は70%〜85%であった。
Figure 0005427327

Claims (6)

  1. 一般式Cn2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収液(アルカリ金属水酸化物水溶液)に吸収させて一般式Cn2n+1SO3M(MはK、Li、またはNa、nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホン酸塩の水溶液を得る方法において、添加剤としてイソプロピルアルコールを加えて上記吸収液の表面張力を低下させることによって吸収率を高めることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
  2. 吸収液の表面張力を低下させる添加剤の濃度が5%以上である請求項1に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
  3. 吸収液の表面張力を30.0mN/m以下に低下させてペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを吸収させる請求項1または請求項2に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
  4. 吸収液に対するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収率が95%以上である請求項1〜請求項3の何れか一項に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
  5. 一般式Cn2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスが、一般式Cn2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはClまたはF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものである請求項1〜請求項4の何れか一項に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
  6. ペルフルオロアルカンスルホニルフロリドを主体とするガスを吸収する液が水酸化カリウム水溶液である請求項1〜請求項5の何れか一項に記載するペルフルオロアルカンスルホニルフロリドの吸収方法。
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