JP5345478B2 - ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法及び回収装置 - Google Patents

ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法及び回収装置 Download PDF

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Description

本発明は、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法及び回収装置の改良に関する。
従来から、一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドは、反射防止膜材料やリチウムイオン電池材料として有用な、一般式(C2n+1SONH(nは1〜4の整数)で表されるビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミド類を製造する際の原料として有用である。
ところで、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドは、電解フッ素化反応にて生成される。具体的には、一般式C2n+1SOX(nは1〜4の整数、XはCl又はF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化することにより、沸点が各々−21℃(n=1)、0℃(n=2)、40℃(n=3)、65℃(n=4)のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドが生成される。そして、気体のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを回収するために、各々の沸点以下に冷却する方法が知られている。しかしながら、単に冷却する方法では、副生される水素ガスの存在により、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを分離することが困難であった。
そこで、気体のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法としては、特許文献1及び特許文献2が知られている。
特許文献1は、トリフルオロメタンスルホン酸フッ化物の捕集方法に関するものである。具体的に特許文献1には、メタンスルホン酸フッ化物又は塩化物の電解フッ素化により生成したトリフルオロメタンスルホン酸フッ化物をフッ素系不活性溶媒と接触させることにより捕集するトリフルオロメタンスルホン酸フッ化物の捕集方法が開示されている。
また、特許文献2は、ペルフルオロアルカンスルホン酸フッ化物の抽出方法に関するものである。具体的に特許文献2には、アルカンスルホン酸フッ化物もしくはアルカンスルホン酸塩化物の電解フッ素化により生成した一般式C2n+1SOF(n=2〜5)で示されるペルフルオロアルカンスルホン酸フッ化物をフッ素系不活性溶媒と接触させることにより抽出するペルフルオロアルカンスルホン酸フッ化物の抽出方法が開示されている。
特開平3−296412号公報 特開平5−168843号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、電解フッ素化反応により生成したペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを含むガスを連続的にフッ素系不活性液体からなる捕集液に溶解させて吸収させていくと、時間の経過とともに捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が高くなり、捕集液のガス捕集率が低下してしまうという問題があった。特に、捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が20%に達した場合には、捕集液の温度が−30℃であっても、ガスの捕集率が80%に低下してしまう。さらに、捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が50%に達した場合には、ガスの捕集率が60%まで低下することが知られている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、高収率かつ高純度で、継続して回収することが可能なペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法及び回収装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、捕集液のガス捕集率が、捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度に依存することを見出し、捕集液を蒸留して、捕集液から捕集したペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを連続的に抜き出して濃度を低く保持することにより、本発明を完成させた。より具体的には、捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を2%未満に保持することで、常に90%以上のガス捕集率を保持することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1]般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法であって、
前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを前記捕集液に溶解させて吸収させる第1の過程と、
前記捕集部から前記捕集液を採取して、その一部を蒸留装置に送液して蒸留し、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収すると共に、残部を当該捕集部に返送する第2の過程と、
前記蒸留後の前記捕集液を、前記捕集部に返送する第3の過程と、を備え、
前記第1乃至第3の過程を連続して行うことを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
] 前記捕集部内における前記捕集液中の前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が、2%未満に保持されていることを特徴とする前項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
] 前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスが、一般式C2n+1SOX(nは1〜4の整数、XはCl又はF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものであることを特徴とする前項1又は2に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
] 前記捕集液が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする前項1乃至のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
] 前記フッ素系不活性液体が、6〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルカン、9〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルアミン、1以上の複素原子を含む若しくは含まないペルフルオロ単環もしくは縮合環化合物であって、1〜5個の炭素原子からなる置換基を有しもしくは有さず該複素原子が窒素原子もしくは酸素原子であるものおよびペルフルオロポリエーテルからなる群より選ばれるもの、又はその混合物であることを特徴とする前項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
] 前記捕集部におけるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの捕集率が、90%以上であることを特徴とする前項1乃至のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
] 蒸留により回収したペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの純度が、99%以上であることを特徴とする前項1乃至のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
] 一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置であって、
前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスから、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集する捕集媒体を有する捕集と、
前記捕集媒体から前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを分離して回収すると同時に当該捕集媒体を再生する蒸留装置
前記捕集部から前記捕集媒体を採取する経路と、
再生された前記捕集媒体を前記蒸留装置から前記捕集へと返送するための循環経路と、を備え
前記経路が、採取した前記捕集媒体の一部を前記蒸留装置に送液する経路と、残部を前記捕集部に返送する経路と、に分岐されていることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
] 前記捕集媒体が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする前項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
10] 前記循環経路に、冷却手段が設けられていることを特徴とする前項8又は9に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
本発明のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法によれば、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを溶解させた捕集液を連続的に蒸留することにより、捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を低く保つことができため、捕集液のガス捕集率を高く保持することができる。したがって、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを高収率かつ高純度で、継続して回収することができる。
より具体的には、捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を2%未満に制御することにより、捕集液のガス捕集率を90%以上に保持することが可能なペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法を提供することができる。
本発明のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置によれば、捕集媒体を有する捕集手段と、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収手段と、循環経路と、を備えている。このため、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集した捕集媒体を回収手段へと移送して、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを分離して回収すると共に捕集媒体を再生することができる。また、循環経路により、再生された捕集媒体を回収手段から捕集手段へと返送することができる。これにより、捕集媒体中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を低く保つことができため、捕集媒体のガス捕集率を高く保持することができる。したがって、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを高収率かつ高純度で、継続して回収することができる。
本発明を適用した一実施形態であるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置を示す模式図である。 従来のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置を示す模式図である。 本発明の実施例における実施例1の結果を示すグラフである。 本発明の実施例における比較例1の結果を示すグラフである。
以下、本発明を適用した一実施形態であるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法(以下、単に「回収方法」ということもある)について、この方法に用いる回収装置と併せて以下に詳細に説明する。
先ず、図1に示すように、本実施形態のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置(以下、単に「回収装置」という)1は、冷却捕集装置(捕集手段)2と、常圧蒸留装置(回収手段)3と、循環経路4と、を少なくとも備えて概略構成されている。また、循環経路4には、冷却管(冷却手段)5が2段階で設けられている。
冷却捕集装置2は、図1に示すように、捕集液(捕集媒体)22が収容された捕集部21と、捕集部21を収納する恒温槽23と、恒温槽23内を冷却するための投げ込み式クーラー24と、から概略構成されている。そして、捕集部21には、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とする混合ガスを供給する供給管6が、その先端が捕集液22に接するように挿通されている。
捕集部21の底部には、捕集液22を採取するための経路L1が設けられている。この経路L1には、捕集液22を循環させるための送液ポンプ25が設けられている。さらに、経路L1は、経路L2と経路L3とに分岐されており、経路L2は蒸留装置3と、経路L3は捕集部21の上部塔21aと、それぞれ接続されている。したがって、捕集部21の底部から採取された捕集液22は、一部が経路L2により蒸留装置3に送液可能とされている。一方、蒸留装置3に送液されなかった残りの捕集液22は、経路L3から捕集部21の上部塔21aの上部へと返送される。
また、捕集部21の上部塔21aには、捕集部で回収されなかったガスを系外へと排出するための経路L4が設けられている。
捕集液22は、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの捕集能を有するものであれば特に限定されるものではないが、捕集能が高いフッ素系不活性液体であることが好ましい。
フッ素系不活性液体としては、具体的には、例えば、6〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルカン、9〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルアミン、及びペルフルオロビシクロアルカン、ペルフルオロアダマンタン、ペルフルオロシクロエーテル、ペルフルオロビシクロエーテル、ペルフルオロシクロアミン、ペルフルオロビシクロアミン、ペルフルオロモルホリン、ペルフルオロポリエーテル等の1以上の複素原子を含む若しくは含まないペルフルオロ単環もしくは縮合環化合物であって、1〜5個の炭素原子からなる置換基を有しもしくは有さず該複素原子が窒素原子もしくは酸素原子であるものおよびペルフルオロポリエーテルからなる群より選ばれるもの、並びにこれらの混合物が挙げられる。
蒸留装置3は、図1に示すように、三口フラスコ31と、マントルヒーター32と、蒸留により単離されたペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収部33と、蒸留後の捕集液22を循環経路4へと送液するための送液ポンプ34と、から概略構成されている。
循環経路4は、一端が蒸留装置3の三口フラスコ31と接続されており、他端が冷却捕集装置2の捕集部21と接続されている。これにより、蒸留後の捕集液22を、蒸留装置3から冷却装置2へと返送可能とされている。また、循環経路4には、蒸留後の捕集液22を冷却するための冷却管5が2段階で設けられている。
以上説明したように、本実施形態の回収装置1は、具体的には、冷却捕集装置2と常圧蒸留装置3と冷却管5とを連結させ、送液ポンプ25,34によって捕集液22を循環させる構成を有している。
次に、上記回収装置1を用いた本実施形態のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法について説明する。
本実施形態の回収方法は、一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集液に溶解させて吸収させる第1の過程と、捕集部から捕集液の一部を採取して蒸留し、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収する第2の過程と、蒸留後の捕集液を捕集部に返送する第3の過程と、を備えて概略構成されている。
(ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの生成方法)
本実施形態の回収対象であるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドは、一般式C2n+1SOX(nは1〜4の整数、XはCl又はF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を電解フッ素化することにより生成する。
電解原料として、一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるアルカンスルホニルフロライドを用いることができる。アルカンスルホニルフロライドは、下記式(1)に示すように、アルカンスルホニルクロライドをフッ化カリウム等によりフッ素置換して容易に製造することができる。
2n+1SOCl+KF → C2n+1SOF+KCl ・・・(1)
一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるアルカンスルホニルフロライドとしては、メタンスルホニルフロライド、エタンスルホニルフロライド、プロパンスルホニルフロライド、ブタンスルホニルフロライドを用いることができる。
アルカンスルホニルフロライドを原料とした電解フッ素化工程により、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とする生成ガスを得る。ここで、上記電解フッ素化工程により生成するペルフルオロアルカンスルホニルフロライドとして、トリフルオロメタンスルホニルフロライド、ペンタフルオロエタンスルホニルフロライド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライド、ノナフルオロブタンスルホニルフロライドが挙げられる。
電解フッ素化工程は、具体的には、例えば、原料として上記アルカンスルホニルフロライドを用い、これを無水フッ化水素酸と共に電解槽に装入し、常圧下、窒素ガス雰囲気中で電解する。これにより、下記式(2)に示すように、アルカンスルホニルフロライドのアルキル基がフッ素置換されて、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドが生成される。
2n+1SOF+(2n+1)HF → C2n+1SOF↑+(2n+1)H↑ ・・・(2)
但し、上記式(2)において、nは1〜4の整数である。
なお、副反応として、原料や中間体および生成したペルフルオロアルカンスルホニルフロライドが分解することによって、一般式C2n+2(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンやスルホニルジフロライド(SO)が生じる。
ここで、生成するペルフルオロアルカンスルホニルフロライド類は沸点が低いため、副生する水素や分解生成物であるペルフルオロアルカン、スルホニルジフロライド、置換ガスである窒素、電解溶媒であるフッ化水素酸とともに電解槽からガスとして抜き出される。これらのガスを0〜−40℃のコンデンサーに通すことによって同伴するフッ化水素酸は液化して電解槽に戻される。コンデンサー出口から抜き出されるガス中には、コンデンサーで液化しきれないフッ化水素酸が含まれるため、水と気液接触させて洗浄することによりフッ化水素酸が除去される。そして、水にて洗浄された混合ガスが供給管6に供給される。
(第1の過程)
本実施形態の第1の過程では、一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集液に溶解させて吸収させる。
具体的には、図1に示すように、上述した電解フッ素化工程により生成されたペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主成分とし、水素、ペルフルオロアルカン、スルホニルジフロライド、窒素等の副成分を含む混合ガスを、供給管6により捕集液22が収容された捕集部21に送通する。
主成分であるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドは、捕集液22に溶解して吸収される。一方、副成分は、捕集液22には吸収されずに、捕集部21の上部塔21aから経路L4を経て系外へと排出される。なお、捕集液22に溶解せずに上部塔21a内を上昇するペルフルオロアルカンスルホニルフロライドのガスは、上部塔21aの上部に接続された経路L3から返送される捕集液により吸収される構成となっている。
ここで、クーラー24が設けられた恒温槽23により、内部に収納された捕集部21を冷却する。捕集部21における捕集液22の温度は、−10℃以下とすることが好ましく、−20℃以下がより好ましい。
(第2の過程)
本実施形態の第2の過程では、捕集部から捕集液の一部を採取して蒸留し、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収する。
具体的には、図1に示すように、捕集部21の底部に設けられた経路L1から採取した捕集液22の一部を、経路L2によって蒸留装置3を構成する三口フラスコ31に送液する。
三口フラスコ31は、マントルヒーター32によって加熱されており、三口フラスコ31中の捕集液22が蒸留される。そして、この捕集液22中に溶解するペルフルオロアルカンスルホニルフロライドが単離されて回収部33において回収される。上記蒸留により、純度が99%以上のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを回収することができる。
ここで、三口フラスコ31内における捕集液22の温度は、140℃以上とすることが好ましく、160℃以上がより好ましい。
(第3の過程)
本実施形態の第3の過程では、蒸留後の捕集液を捕集部に返送する。
具体的には、図1に示すように、三口フラスコ31内に滞留する蒸留後の捕集液22を循環経路4の一端から取り出す。そして、取り出した捕集液22を送液ポンプ34により循環経路4へと送り出し、この循環経路4に設けられた2段階の冷却管5によって冷却した後に冷却捕集装置2の捕集部21へと返送する。
本実施形態のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法は、上述した第1の過程から第3の過程を連続的に行うことを特徴としている。すなわち、冷却捕集装置2においてペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集し、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを吸収した捕集液22を蒸留装置3に移液して蒸留することにより、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集液22から分離して回収すると同時に捕集液22を再生し、再生した捕集液22を循環経路4により蒸留装置3から冷却捕集装置2へと返送する。そして、このサイクルを連続的に行うものである。
ところで、従来のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法では、図2に示す回収装置101を用いて、電解フッ素化により生成されたペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを含むガスを捕集液122によって捕集していた。そして、捕集液122に吸収されたペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを、例えばアルカリ金属の水酸化物等と接触させることにより抽出する(特許文献2)。
ここで、従来の回収方法では、捕集液にペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを連続して吸収させると、時間の経過とともに捕集液中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が高くなり、捕集液のガス捕集率が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態の回収方法では、上記第1の過程から第3の過程を連続的に行うため、冷却捕集装置2の捕集部21内における捕集液22中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を常に2%未満に保持することができる。これにより、上記捕集部21におけるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの捕集率を90%以上とすることができる。
以上説明したように、本実施形態のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法によれば、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを溶解させた捕集液22を連続的に蒸留することにより、捕集液22中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を低く保つことができため、捕集液22のガス捕集率を高く保持することができる。したがって、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを高収率かつ高純度で、継続して回収することができる。
また、捕集液22中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を2%未満に制御することができるため、捕集液22のガス捕集率を90%以上に保持することができる。
本実施形態の回収装置1によれば、捕集液22を有する冷却捕集装置2と、蒸留装置3と、循環経路4と、を備えているため、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集した捕集液22を冷却捕集装置2から蒸留装置3へと移送して、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを分離して回収すると同時に捕集液22の吸収能を再生することができる。また、循環経路4により、吸収能が再生された捕集液22を蒸留装置3から冷却捕集装置2へと返送することができる。これにより、冷却捕集装置2内において捕集液22中のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度を2%未満に保つことができため、捕集液22のガス捕集率を90%以上に保持することができる。したがって、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを高収率かつ高純度で、継続して回収することができる。
以下、実施例によって本発明の効果をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例によって、なんら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す回収装置1を用いて、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライド(CSOF)を連続的に回収した。なお、捕集液にはペルフルオロトリブチルアミンを用いた。また、捕集時の捕集液の温度は、−20〜−15℃であり、蒸留時の捕集液の温度は、160〜170℃であった。
ガス回収開始からの時間と、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度(%)及びガス捕集率(%)とを調査した。
なお、ガス捕集率は、下記式(3)で求められる。下記式(3)において、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライド(式中Xと略記)の量およびN2量は、それぞれ捕集部21に導入される前のガス(入口ガス)と捕集部21の上部塔21aから系外へ放出されるガス(出口ガス)をガスクロマトグラフィー分析した際の分析チャートのピーク面積によって求めることができる。
ガス捕集率(%)={1−(X量比)×(N量比)}×100 ・・・(3)
X量比=出口ガスX量/入口ガスX量、N量比=入口ガスN2量/出口ガスN
結果を表1及び図3に示す。
Figure 0005345478
表1及び図3に示すように、本例では、ガス回収開始から58時間を経過するまでのあいだ、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度は、常に2%未満であった。また、ガス回収開始から58時間を経過するまでのあいだ、捕集液のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの捕集率は、常に90%以上を保持していた。なお、回収したヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの純度は、99.3%であった。
(比較例1)
図2に示す回収装置101を用いて、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライド(CSOF)を連続して回収した。なお、捕集液にはペルフルオロトリブチルアミンを用いた。
ガス回収開始からの時間と、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度(%)及びガス捕集率(%)とを調査した。
結果を表2及び図4に示す。
Figure 0005345478
表2及び図4に示すように、本例では、ガス回収開始から時間が経過するごとに、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度が連続的に増加した。これに伴って、捕集液のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの捕集率は、徐々に低下した。具体的には、ガス回収開始から42時間を経過すると、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度が20%を超え、ガス捕集率が80%程度まで低下した。さらに、ガス回収開始から132時間を経過すると、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度が50%を超え、ガス捕集率が60%程度まで低下した。

Claims (10)

  1. 一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法であって、
    前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを前記捕集液に溶解させて吸収させる第1の過程と、
    前記捕集部から前記捕集液を採取して、その一部を蒸留装置に送液して蒸留し、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収すると共に、残部を当該捕集部に返送する第2の過程と、
    前記蒸留後の前記捕集液を、前記捕集部に返送する第3の過程と、を備え、
    前記第1乃至第3の過程を連続して行うことを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
  2. 前記捕集部内における前記捕集液中の前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が、2%未満に保持されていることを特徴とする請求項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
  3. 前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスが、一般式C2n+1SOX(nは1〜4の整数、XはCl又はF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
  4. 前記捕集液が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
  5. 前記フッ素系不活性液体が、6〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルカン、9〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルアミン、1以上の複素原子を含む若しくは含まないペルフルオロ単環もしくは縮合環化合物であって、1〜5個の炭素原子からなる置換基を有しもしくは有さず該複素原子が窒素原子もしくは酸素原子であるものおよびペルフルオロポリエーテルからなる群より選ばれるもの、又はその混合物であることを特徴とする請求項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
  6. 前記捕集部におけるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの捕集率が、90%以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
  7. 蒸留により回収したペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの純度が、99%以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
  8. 一般式C2n+1SOF(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置であって、
    前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスから、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集する捕集媒体を有する捕集と、
    前記捕集媒体から前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを分離して回収すると同時に当該捕集媒体を再生する蒸留装置
    前記捕集部から前記捕集媒体を採取する経路と、
    再生された前記捕集媒体を前記蒸留装置から前記捕集へと返送するための循環経路と、を備え
    前記経路が、採取した前記捕集媒体の一部を前記蒸留装置に送液する経路と、残部を前記捕集部に返送する経路と、に分岐されていることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
  9. 前記捕集媒体が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする請求項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
  10. 前記循環経路に、冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
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