JP5345478B2 - ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法及び回収装置 - Google Patents
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Description
特許文献1は、トリフルオロメタンスルホン酸フッ化物の捕集方法に関するものである。具体的に特許文献1には、メタンスルホン酸フッ化物又は塩化物の電解フッ素化により生成したトリフルオロメタンスルホン酸フッ化物をフッ素系不活性溶媒と接触させることにより捕集するトリフルオロメタンスルホン酸フッ化物の捕集方法が開示されている。
[1] 一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法であって、
前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを前記捕集液に溶解させて吸収させる第1の過程と、
前記捕集部から前記捕集液を採取して、その一部を蒸留装置に送液して蒸留し、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収すると共に、残部を当該捕集部に返送する第2の過程と、
前記蒸留後の前記捕集液を、前記捕集部に返送する第3の過程と、を備え、
前記第1乃至第3の過程を連続して行うことを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
[2] 前記捕集部内における前記捕集液中の前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が、2%未満に保持されていることを特徴とする前項1に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
[3] 前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスが、一般式CnH2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはCl又はF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものであることを特徴とする前項1又は2に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
[4] 前記捕集液が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする前項1乃至3のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
[5] 前記フッ素系不活性液体が、6〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルカン、9〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルアミン、1以上の複素原子を含む若しくは含まないペルフルオロ単環もしくは縮合環化合物であって、1〜5個の炭素原子からなる置換基を有しもしくは有さず該複素原子が窒素原子もしくは酸素原子であるものおよびペルフルオロポリエーテルからなる群より選ばれるもの、又はその混合物であることを特徴とする前項4に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
[6] 前記捕集部におけるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの捕集率が、90%以上であることを特徴とする前項1乃至5のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
[7] 蒸留により回収したペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの純度が、99%以上であることを特徴とする前項1乃至6のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスから、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集する捕集媒体を有する捕集部と、
前記捕集媒体から前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを分離して回収すると同時に当該捕集媒体を再生する蒸留装置と、
前記捕集部から前記捕集媒体を採取する経路と、
再生された前記捕集媒体を前記蒸留装置から前記捕集部へと返送するための循環経路と、を備え、
前記経路が、採取した前記捕集媒体の一部を前記蒸留装置に送液する経路と、残部を前記捕集部に返送する経路と、に分岐されていることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
[9] 前記捕集媒体が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする前項8に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
[10] 前記循環経路に、冷却手段が設けられていることを特徴とする前項8又は9に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
先ず、図1に示すように、本実施形態のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置(以下、単に「回収装置」という)1は、冷却捕集装置(捕集手段)2と、常圧蒸留装置(回収手段)3と、循環経路4と、を少なくとも備えて概略構成されている。また、循環経路4には、冷却管(冷却手段)5が2段階で設けられている。
また、捕集部21の上部塔21aには、捕集部で回収されなかったガスを系外へと排出するための経路L4が設けられている。
フッ素系不活性液体としては、具体的には、例えば、6〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルカン、9〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルアミン、及びペルフルオロビシクロアルカン、ペルフルオロアダマンタン、ペルフルオロシクロエーテル、ペルフルオロビシクロエーテル、ペルフルオロシクロアミン、ペルフルオロビシクロアミン、ペルフルオロモルホリン、ペルフルオロポリエーテル等の1以上の複素原子を含む若しくは含まないペルフルオロ単環もしくは縮合環化合物であって、1〜5個の炭素原子からなる置換基を有しもしくは有さず該複素原子が窒素原子もしくは酸素原子であるものおよびペルフルオロポリエーテルからなる群より選ばれるもの、並びにこれらの混合物が挙げられる。
以上説明したように、本実施形態の回収装置1は、具体的には、冷却捕集装置2と常圧蒸留装置3と冷却管5とを連結させ、送液ポンプ25,34によって捕集液22を循環させる構成を有している。
本実施形態の回収方法は、一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集液に溶解させて吸収させる第1の過程と、捕集部から捕集液の一部を採取して蒸留し、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収する第2の過程と、蒸留後の捕集液を捕集部に返送する第3の過程と、を備えて概略構成されている。
本実施形態の回収対象であるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドは、一般式CnH2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはCl又はF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を電解フッ素化することにより生成する。
電解原料として、一般式CnH2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるアルカンスルホニルフロライドを用いることができる。アルカンスルホニルフロライドは、下記式(1)に示すように、アルカンスルホニルクロライドをフッ化カリウム等によりフッ素置換して容易に製造することができる。
CnH2n+1SO2Cl+KF → CnH2n+1SO2F+KCl ・・・(1)
CnH2n+1SO2F+(2n+1)HF → CnF2n+1SO2F↑+(2n+1)H2↑ ・・・(2)
但し、上記式(2)において、nは1〜4の整数である。
本実施形態の第1の過程では、一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集液に溶解させて吸収させる。
具体的には、図1に示すように、上述した電解フッ素化工程により生成されたペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主成分とし、水素、ペルフルオロアルカン、スルホニルジフロライド、窒素等の副成分を含む混合ガスを、供給管6により捕集液22が収容された捕集部21に送通する。
本実施形態の第2の過程では、捕集部から捕集液の一部を採取して蒸留し、ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収する。
具体的には、図1に示すように、捕集部21の底部に設けられた経路L1から採取した捕集液22の一部を、経路L2によって蒸留装置3を構成する三口フラスコ31に送液する。
本実施形態の第3の過程では、蒸留後の捕集液を捕集部に返送する。
具体的には、図1に示すように、三口フラスコ31内に滞留する蒸留後の捕集液22を循環経路4の一端から取り出す。そして、取り出した捕集液22を送液ポンプ34により循環経路4へと送り出し、この循環経路4に設けられた2段階の冷却管5によって冷却した後に冷却捕集装置2の捕集部21へと返送する。
図1に示す回収装置1を用いて、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライド(C3F7SO2F)を連続的に回収した。なお、捕集液にはペルフルオロトリブチルアミンを用いた。また、捕集時の捕集液の温度は、−20〜−15℃であり、蒸留時の捕集液の温度は、160〜170℃であった。
ガス回収開始からの時間と、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度(%)及びガス捕集率(%)とを調査した。
なお、ガス捕集率は、下記式(3)で求められる。下記式(3)において、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライド(式中Xと略記)の量およびN2量は、それぞれ捕集部21に導入される前のガス(入口ガス)と捕集部21の上部塔21aから系外へ放出されるガス(出口ガス)をガスクロマトグラフィー分析した際の分析チャートのピーク面積によって求めることができる。
ガス捕集率(%)={1−(X量比)×(N2量比)}×100 ・・・(3)
X量比=出口ガスX量/入口ガスX量、N2量比=入口ガスN2量/出口ガスN2量
結果を表1及び図3に示す。
図2に示す回収装置101を用いて、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライド(C3F7SO2F)を連続して回収した。なお、捕集液にはペルフルオロトリブチルアミンを用いた。
ガス回収開始からの時間と、捕集液中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフロライドの濃度(%)及びガス捕集率(%)とを調査した。
結果を表2及び図4に示す。
Claims (10)
- 一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法であって、
前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスを、捕集液が収容された捕集部に送通して、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを前記捕集液に溶解させて吸収させる第1の過程と、
前記捕集部から前記捕集液を採取して、その一部を蒸留装置に送液して蒸留し、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを単離して回収すると共に、残部を当該捕集部に返送する第2の過程と、
前記蒸留後の前記捕集液を、前記捕集部に返送する第3の過程と、を備え、
前記第1乃至第3の過程を連続して行うことを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。 - 前記捕集部内における前記捕集液中の前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの濃度が、2%未満に保持されていることを特徴とする請求項1に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
- 前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスが、一般式CnH2n+1SO2X(nは1〜4の整数、XはCl又はF)で表されるアルカンスルホニルハライド化合物を無水フッ化水素酸中で電解フッ素化して生成させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
- 前記捕集液が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
- 前記フッ素系不活性液体が、6〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルカン、9〜20個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルアミン、1以上の複素原子を含む若しくは含まないペルフルオロ単環もしくは縮合環化合物であって、1〜5個の炭素原子からなる置換基を有しもしくは有さず該複素原子が窒素原子もしくは酸素原子であるものおよびペルフルオロポリエーテルからなる群より選ばれるもの、又はその混合物であることを特徴とする請求項4に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
- 前記捕集部におけるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの捕集率が、90%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
- 蒸留により回収したペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの純度が、99%以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収方法。
- 一般式CnF2n+1SO2F(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置であって、
前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを主体とするガスから、前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを捕集する捕集媒体を有する捕集部と、
前記捕集媒体から前記ペルフルオロアルカンスルホニルフロライドを分離して回収すると同時に当該捕集媒体を再生する蒸留装置と、
前記捕集部から前記捕集媒体を採取する経路と、
再生された前記捕集媒体を前記蒸留装置から前記捕集部へと返送するための循環経路と、を備え、
前記経路が、採取した前記捕集媒体の一部を前記蒸留装置に送液する経路と、残部を前記捕集部に返送する経路と、に分岐されていることを特徴とするペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。 - 前記捕集媒体が、フッ素系不活性液体であることを特徴とする請求項8に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
- 前記循環経路に、冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載のペルフルオロアルカンスルホニルフロライドの回収装置。
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