JP4005807B2 - ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池用の電解質の原料として、または医薬、農薬、高分子機能材料等の各種化合物の合成原料として多方面の用途に期待される極めて有用且つ重要な化合物である含フッ素アルカンスルホニルフルオリドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを合成する方法としては、メタンスルホニルフルオリド等のアルカンスルホニルフルオリドを出発原料に、これを無水フッ化水素溶液中で電解フッ素化することで合成する方法(ECF法)などが知られている(例えば、J.Chem.Soc.,173(1956),J.Chem.Soc.,2640(1957),J.Chem.Soc.,4069(1957),米国特許第2732398(1956)号、英国特許第758467(1956)号、独国特許第22011649(1973)号、独国特許第2234837(1974)号、仏国特許第1478144(1967)号、及びJ.Appl.Chem.,4,289(1974)等)。しかしながら、これらのECF法は、大規模な電解反応設備を必要とし、操作自体も複雑であって、反応効率を上げるための副反応を抑える対策や電極の寿命など、種々の問題があった。
【0003】
また、これら上記の方法ではアルカンスルホニルフルオリドからペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドまで一気にフッ素化が進むため、フッ素化反応を途中で止めることは出来ず、一部がフッ素化したヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを得るための方法としては、好ましいものではなかった。つまり、従来は、有機機能性材料などへの使用が期待されるヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを定量的に製造することが、困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の製造方法による問題点を解決し、選択率・収率良く、簡便な装置ないしは設備で、工業的にヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルカンスルホニルフルオリドをフッ素化して含フッ素アルカンスルホニルフルオリドを合成する方法を鋭意検討した結果、アルカンスルホニルフルオリドのペルフルオロカーボン溶液とフッ素とを反応させることにより、収率良く、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドが得られることを見出した。
【0006】
即ち、具体的には、
下記一般式[1]:
(RFSO2F) [1]
(式中、RFは炭素数1〜8のペルフルオロアルキル基を示す。)
で表されるペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法であって、
下記一般式[3]:
(RHSO2F) [3]
(式中、RHは炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
で表されるアルカンスルホニルフルオリドを、所定の溶媒と混合させた状態で、フッ素を含むガスを導入して液相中で反応させることにより、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドが得られることを見出した。このときの溶媒としては、ペルフルオロカーボンが適しており、特に、炭素数4〜20までのペルフルオロカーボンであることが好ましい(炭素数3以下のものは、常温常圧で気体であり、好ましい温度条件での反応を行うことが困難である。一方、炭素数20を超えるものは、融点が高いために、好ましい温度条件での反応を行うことが困難であり、且つ、ペルフルオロカーボン自体も高価となるため好ましくない。)。また、フッ素を含むガスとしては、実質的に100%のフッ素ガスでもかまわないが、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや気体状のペルフルオロカーボンにより希釈されたフッ素ガスが好ましく用いられる。
【0007】
一方、液状のアルカンスルホニルフルオリドを無溶媒条件下でフッ素を含むガスとを反応させることにより、ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドが得られることを見出した。
【0008】
即ち、具体的には、
下記一般式[2]:
(RHFSO2F) [2]
(式中、RHFは炭素数1〜8の炭素鎖上に、少なくとも1つ以上16個以下のフッ素及び少なくとも1つ以上16個以下の水素を持つアルキル基を示し、アルキル基上の水素およびフッ素の位置については限定されない。)
で表されるヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法であって、
下記一般式[3]:
(RHSO2F) [3]
(RHは前述の通り。)
で表されるアルカンスルホニルフルオリドを、無溶媒で、フッ素を含むガスを導入して液相中で反応させることにより、ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドが得られる。このときのフッ素を含むガスとしては、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや気体状のペルフルオロカーボンにより希釈されたフッ素ガスが好ましく用いられる。
【0009】
またさらに、
下記一般式[2]:
(RHFSO2F) [2]
(RHFは前述の通り。)
で表されるヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドについてもさらにフッ素化すると、即ち、ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを、ペルフルオロカーボン溶媒中に混合させた状態で、フッ素を含むガスを導入して液相中で反応させることにより、選択率及び収率良く、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを製造することが出来る。また、ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの中には、沸点が低く、常温でも比較的容易に気化することができるものがある。このような場合、ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを気化させた後、気相中でフッ素ガスと反応させて、選択率及び収率良く、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを得ることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。本発明により製造されるペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドにおいて、一般式[1]中でRFで定義されている炭素数1〜8のペルフルオロアルキル基とは、その炭素鎖が直鎖状、分枝状または環状の飽和炭化水素基であって、その水素原子がすべてフッ素原子に置換されたものであることを示す。炭素数が1〜8である理由は、常温で、液体であるからである。同様にして、本発明により製造されるヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドにおいては、一般式[2]中でRHFで定義されている炭素数1〜8のヒドロフルオロアルキル基とは、その炭素鎖が直鎖状、分枝状または環状の飽和炭化水素基であって、少なくとも1個以上16個以下の水素原子とその水素原子の数より左右される16個以下(1個以上)のフッ素原子とを有する基であることを示しており、アルキル基上の水素およびフッ素の位置については特に制限されない。
【0011】
まず、本発明におけるペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法を、図に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すような、液相直接フッ素化装置を用いて、反応を実施する。すなわち、反応器(6)に、原料のアルカンスルホニルフルオリド及び溶媒を仕込み、恒温相(7)中でマグネティックスターラー(8)で高速に撹拌する。次いで、マスフローメーター(3)で流量を調整したフッ素ガスを、SUS製ノズル(9)より導入する。反応中は、液相温度計(4)及び気相温度計(5)により温度を測定し、また、コンデンサ(10)より排出されるガス中の未反応フッ素を、検出口(11)において分析する。さらに、排出ガスはバッファ(12)、水洗浄(13)及び10%Na2SO3水溶液洗浄(14)を経て、寒剤で冷却した容器(15)にて生成物を捕捉する。捕捉されなかったガスは、排出口(17)を経て除外装置に導入する。
【0013】
図2には、反応器側面図を示す。図2において、原料のアルカンスルホニルフルオリド(30)と溶媒(40)は、相溶する場合と不溶の場合があるが、後者の場合であっても、撹拌子(20)で激しく撹拌させて懸濁状態にすることでフッ素化が可能になる。フッ素は、フッ素導入口(50)から、SUS製ノズル(9)により導入する。ノズルの位置は、液面より下であればどこでも良い。さや管(80)より、液相温度測定用熱電対(90)及び気相温度測定用熱電対(100)を挿入する。液相温度測定用熱電対(90)の位置は、液面より下であればどこでも良いが、SUS製ノズル(9)の位置の高さに合わせるのが好ましい。気相温度測定用熱電対(100)の位置は、液面より上であればどこでも良いが、好ましくは、液面上3cm付近とする。生成物がガス状の場合は排出口(70)より取り出される。一方、生成物が液体の場合は、コンデンサで冷却され、排出口(70)より、反応器(6)へと戻される。次に、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0014】
まず、アルカンスルホニルフルオリドを溶媒中に分散させる。上記の溶媒としては、ペルフルオロカーボンを使用することが好適である。フッ化水素を溶媒として用いた場合は、フッ素化反応と同時に分解反応を併発してしまうので好ましくない。一方、ギ酸やクロロホルムといった有機溶媒を使用すると、溶媒のフッ素化が優先して起こるので好ましくない。ペルフルオロカーボンとしては、炭素数4〜20のもの、好ましくは5〜10のものを用いることが良く、その使用量は、原料のアルカンスルホニルフルオリドに対するペルフルオロカーボンの濃度が1〜99重量%、好ましくは50〜95重量%となる割合が望ましい。(ペルフルオロカーボンの濃度が50重量%未満では、目的化合物の選択性が低下し、また、95重量%以上では、大掛かりな反応器を必要とするため、コスト的に好ましくない。)また、常温常圧下で経済的に行なうためには、ペルフルオロカーボンの炭素数が4〜20の範囲のものであることが好ましい。炭素数3以下のものは、常温常圧で気体であり、好ましい温度条件での反応を行うことが困難である。一方、炭素数が20を超えると、ペルフルオロカーボンの融点が高くなり、好ましい温度条件での反応が困難になる。次いで、上記のアルカンスルホニルフルオリドのペルフルオロカーボン溶液に、フッ素ガス若しくはフッ素と不活性ガスとの混合ガスを導入する。
【0015】
上記ガスを導入する際には、液相(上記の無溶媒液、若しくはペルフルオロカーボン溶液またはフッ化水素溶液)を高速で撹拌し、且つ上記のガスを200μm以下、好ましくは15μm以下の微細な孔より、上記液相中に噴出させることによって、より穏やかに且つ安全にフッ素化反応を進行させることが可能となる。撹拌速度が低下すると、液相中のフッ素ガスの気泡が大きくなり、局部的な爆発反応が起こることがある。撹拌速度としては、200〜1000rpm程度が好ましい。反応器の材質としては、SUS、モネル、インコネル、ハステロイ、銅、鉄、ニッケルおよびアルミニウムのような金属合金または金属や、PFA及びテフロン等のフッ素樹脂が使用できる。また、フッ素ガスを噴出させるための微細な孔を有するノズルの材質は、SUS、モネル、インコネル、ハステロイ、銅、鉄、ニッケルおよびアルミニウムのような金属合金または金属や、テフロン等のフッ素樹脂が好ましい。孔の形状は特に制限されるものではないが、穏和・安全に反応させるためには、ガスの導入速度が1cm3/cm2以下、好ましくは0.8cm3/cm2以下となるようにすることが好ましく、そのための手段として孔の断面積を調整する方法などの手法を採用することが好ましい。
【0016】
導入ガスとしては、より安全な反応を行うために、100%フッ素ガスよりも、フッ素ガスとヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンまたはキセノンといった希ガス類や窒素、あるいは炭素数1から4までのペルフルオロカーボンとの混合ガスを使用することが好ましい。上記の不活性ガスに対するフッ素ガスの濃度は1〜75容積%、好ましくは5〜50容積%となる割合である。
【0017】
反応中の液相温度は、20〜80℃、好ましくは30〜50℃である。液相温度が20℃未満であると、フッ素化反応速度が著しく低下し、また80℃を超えると、分解反応を併発してしまうために、好ましくない。また、反応中の気相温度は、30〜100℃、好ましくは40〜80℃である。気相温度が30℃未満であると、フッ素化反応が著しく低下し、また100℃を超えると、分解反応を併発してしまうために、好ましくない。
【0018】
また、上記ガスの導入量は、原料の0.01当量から、化学量論量の3倍程度まで、好ましくは化学量論量の0.1〜2倍程度である。0.01当量より少ないと、完全なフッ素化が進行しないので好ましくない。また3倍を超えると大過剰のフッ素により、原料、目的物及び溶媒等が分解し、目的物の選択性が低下するので、好ましくない。なお、この場合、フッ素を0.01から0.5化学量論量導入した場合、ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを得ることが可能である。他方、目的のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを得るには、フッ素を0.5から3化学量論量導入することで成される。
【0019】
未反応フッ素および副生するフッ化水素の除去は、反応系(反応器)より排出されるガスを、水洗浄、引き続き亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄することで行われる。または、反応系(反応器)より排出されるガスを、フッ化ナトリウムを充填した塔(容器)に導き、副生するフッ化水素を取り除き、その後ソーダライム塔に通じることで未反応フッ素を取り除く方法を用いても良い。生成物をガス状で得る場合は、液体窒素で保冷した容器に補集することによって行なう方法を採用する。または、活性炭等に吸着・脱着させる方法を用いてもよい。他方、生成物を液体状で得る場合は、−30℃に冷却したコンデンサーによって還流して、反応器へと戻す(好ましくは、その操作を繰り返すことによって行なう方法が採用される)。反応終了後、補集容器に補集された粗生成物または反応器内に生成した粗生成物は、蒸留等により精製し、本発明のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを得る。
【0020】
なお、副生成物として、ヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドが得られてくるが、これを再度、フッ素ガスと反応させることで、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドに変換することができる。
【0021】
次にヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを得る方法について述べる。上記のアルカンスルホニルフルオリドに、フッ素ガス若しくはフッ素と不活性ガスとの混合ガスを導入する。反応器は吹出しノズルの材質、反応条件、及び後処理は、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法をそのまま使用することができる。
【0022】
この場合、フッ素の導入量は、原料の0.01当量から、化学量論量の1倍程度まで、好ましくは化学量論量の0.1〜0.5倍程度である。0.01当量より少ないと、完全なフッ素化が進行しないので好ましくない。また1倍を超えると分解反応が併発して、目的物の選択性が低下するので、好ましくない。
【0023】
反応終了後、反応器内に生成した粗生成物を、蒸留等により精製し、本発明のヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドを得る。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1
1000mLのPFA製反応容器に、メタンスルホニルフルオリド(CH3SO2F)179g(1.8mol)およびC6F14 700g(2.1mol)を仕込み(メタンスルホニルフルオリド:20重量%、C6F14:80重量%)、窒素ガスを200mL/minの流量でSUS製ノズル(細孔直径:15μm、表面積:7.5cm2)より30分間、反応容器内に吹込みながら、溶存している空気等を系外に追い出した。その後、窒素ガスで30%に希釈したフッ素ガスを、SUS製ノズル(細孔直径:15μm、表面積:7.5cm2)より、100mL/min(0.075mol/h)の流量で液相中に吹込んだ(フッ素総導入量:5.0mol)。反応中は、回転数を約800rpmにした攪拌機によって絶えず反応液を撹拌して、一ヶ所にフッ素ガスを滞留させないようにした。
反応容器内の液相温度は35〜45℃に、同様に、気相温度が40〜60℃になるように、外部に設けた恒温槽により保った。反応により得られるガス状生成物は、反応器から冷却器を通して原料とC6F14を除き、水洗浄および亜硫酸ナトリウム水洗浄により未反応フッ素及び副生したフッ化水素を除去し、液体窒素で冷却した容器に補集した。その結果、純度88%のトリフルオロメタンスルホニルフルオリド(CF3SO2F)を、38g(0.201mol、収率12%)得た。一方、2相にわかれた反応液から、下相のC6F14を分離後、上相を水50gで洗浄し、蒸留精製することにより、ジフルオロメタンスルホニルフルオリド(CHF2SO2F)を17g(0.13mol、収率7%)、モノフルオロメタンスルホニルフルオリド(CH2FSO2F)を69g(0.6mol、収率33%)得ることが出来、また同時に原料のメタンスルホニルフルオリドを51g(0.52mol,未反応回収率29%)回収した。
参考例2
1000mLのPFA製反応容器に、モノフルオロメタンスルホニルフルオリド180g(1.6mol)、およびC6F14 700g(2.1mol)を仕込み(モノフルオロメタンスルホニルフルオリド:20重量%、C6F14:80重量%)、参考例1と同様の条件にて反応を行ったところ(総導入F2量:5.0mol)、トリフルオロメタンスルホンスルホニルフルオリドを、90g(0.6mol、収率38%)得た。また、参考例1と同様の手法で反応液を精製したところ、ジフルオロメタンスルホニルフルオリドを10g(0.07mol、収率5%)得た。また、原料のモノフルオロメタンスルホニルフルオリドを58g(0.5mol、未反応回収率32%)回収した。
実施例1
1000mLのPFA製反応容器に、メタンスルホニルフルオリド500g(5.1mol)を仕込み、参考例1と同様の条件で反応を行った(総導入F2量:5.0mol)。
【0025】
反応液を、参考例1と同様の手法を用いて精製したところ、ジフルオロメタンスルホニルフルオリドを、21g(0.15mol、収率3%)及びモノフルオロメタンスルホニルフルオリドを、109g(0.94mol、収率18%)得た。また、原料のメタンスルホニルフルオリドを350g(3.57mol、未反応回収率70%)回収した。
比較例1
1000mLのPFA製反応容器に、メタンスルホニルフルオリド250g(2.6mol)およびフッ化水素250g(12.5mol)を仕込み(メタンスルホニルフルオリド:50重量%、フッ化水素:50重量%)、実施例1と同様の手法を用いて反応を行ったところ(総導入F2量:5.0mol)、モノフルオロメタンスルホニルフルオリドを、29g(0.27mol、収率10%)得た。また、原料のメタンスルホニルフルオリドを199g(2.1mol、未反応回収率80%)回収した。また、生成ガス中の主成分は、分解物であるCF4およびSO2F2であった。
比較例2
1000mLのPFA製反応容器に、メタンスルホニルフルオリド98g(1.0mol)およびギ酸440g(9.5mol)を仕込み(メタンスルホニルフルオリド:20重量%、ギ酸:80重量%)、実施例1と同様の手法を用いて反応を行ったところ(総導入F2量:5.0mol)、炭酸ガスが発生し、ほとんどは未反応のままの原料が回収された。
【0026】
結果をまとめて表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明の含フッ素アルカンスルホニルフルオリドの製造方法によると、電解フッ素化法といった従来の製造方法で必要とされた煩雑な操作や大掛かりな反応装置を使用とせず、含フッ素アルカンスルホニルフルオリドを簡便且つ高選択率をもって製造することが可能となる。
【0029】
ゆえに、本発明の製造方法によれば、容易に入手可能な出発原料を選ぶことにより、炭素数4〜20程度の炭素鎖長を有する含フッ素アルカンスルホニルフルオリドを、安全且つ簡便に製造することが出来、方法として幅広い利用・応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる反応装置の概略を示す図。
【図2】 本発明に用いる反応器の側面図。
【符号の説明】
1 N2シリンダー
2 30%F2/N2シリンダー
3 マスフローメーター
4 液相温度計
5 気相温度計
6 1L PFA製反応容器
7 恒温槽
8 マグネティックスターラー
9 ノズル
10 コンデンサ
11 F2検出口
12 バッファ
13 洗浄水
14 10%Na2SO4水
15 500mL SUS製シリンダー
16 コールド トラップ
17 ガス排出口
20テフロン製撹拌子
30 原料
40 溶媒
50 フッ素導入口
70 排出口
80 PFA製さや管
90 液相温度計熱電対
100 気相温度計熱電対
Claims (5)
- 下記一般式[2]:(RHFSO2F) [2]
(式中、RHFは炭素数1〜8の炭素鎖上に、少なくとも1つ以上16個以下のフッ素及び少なくとも1つ以上16個以下の水素を持つアルキル基を示し、アルキル基上の水素およびフッ素の位置については限定されない。)
で表されるヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法であって、
下記一般式[3]:(RHSO2F) [3]
(式中、RHは炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
で表されるアルカンスルホニルフルオリドとフッ素を含むガスとを、無溶媒で反応させることを特徴とするヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法。 - 前記一般式[2]で表される化合物において、R HFの炭素数が1、即ちジフルオロメタンスルホニルフルオリド(CHF2SO2F)若しくはモノフルオロメタンスルホニルフルオリド(CH2FSO2F)である請求項1記載のヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法。
- フッ素を含むガスが、不活性ガス若しくはガス状ペルフルオロカーボンで希釈されたフッ素ガス又は実質的に100%フッ素ガスであることを特徴とする請求項1又は2記載のヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法。
- 反応時の液相温度を20〜80℃とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法。
- 反応時の気相温度を30〜100℃とすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のヒドロフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法。
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