JP5471121B2 - パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の製造方法 - Google Patents

パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬、農薬原料の中間体として有用な、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の製造方法に関する。
パーフルオロアルカンスルフィン酸誘導体の従来の製造方法として、特許文献1や非特許文献1に、パーフルオロアルカンスルホニルフルオリドをヒドラジンと反応させて対応するヒドラジニウム塩とし、続いて酸と反応させることによりパーフルオロアルカンスルフィン酸を製造する方法が開示されている(以下、[化1]参照)。
また、非特許文献2ではパラ−トルエンスルホニルクロリドを金属亜鉛粉末と反応させて、(パラ−トルエンスルフィニル)亜鉛の塩を生成させ、続いてその塩を炭酸ナトリウムと反応させて対応するスルフィン酸塩を得、そして塩酸処理をすることで対応するスルフィン酸を製造する方法が開示されている(以下、[化2]参照)。
また、特許文献2にチオ硫酸金属塩又はヒドロキシメタンスルフィン酸金属塩を極性溶媒中でパーハロメタンと接触させることでパーハロメタンスルフィン酸塩を製造する方法が、特許文献3にパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドとアルカリ金属亜硫酸塩を水の存在下接触させることにより、パーフルオロアルカンスルフィン酸のアルカリ金属塩を製造する方法が、非特許文献3にトリフルオロメタンスルホン酸クロリドと亜硫酸カリウムを反応させてトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムを得る方法が、非特許文献4にトリフルオロメタンスルフィン酸に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを反応させ、対応するスルフィン酸塩が得られる方法が開示されている(以下、[化3]参照)。 また、非特許文献5では、トリフルオロメタンスルフェニルクロリドと水酸化ナトリウムを反応させる際、ビス(トリフルオロメチル)ジスルフィドと共にトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムが生成することも開示している(以下、[化4]参照)。
Figure 0005471121
Figure 0005471121
Figure 0005471121
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特開昭48−56619号公報 特開昭62−192351号公報 特開2001−316353号公報
Wechsberg,M.et al.,Liebigs Ann.Chem,33−39(1973). Smith, M.B. et al.,Organic Synthesis.,Coll.Vol.1,492(1941). R.M.Scribner,J.Org.Chem.,31,3671(1966). H.W.Roesky and G. Holtschneider,J.Fluorine.Chemistry,7,77(1976). R.N.Haszeldine,J.M.Kidd,J.Chem.Soc.,2901−2910(1955).
特許文献1や非特許文献4の方法は、高収率で該スルフィン酸や該スルフィン酸金属塩を得ることができることから、一見好ましい方法として挙げることができるが、該スルフィン酸を蒸留で精製しなければならず、それに伴いスルフィン酸が分解してしまうことがあること、さらに後処理操作において、危険物質である硫酸ヒドラジンが生成するため、工業スケールで安全かつ容易に製造するにはいくぶん難があった。
特許文献2の方法は、用いられるパーハロメタンは比較的難燃性であり、取り扱いが容易なことから以前より消化剤等で用いられている。しかし近年のフロン、ハロン規制等の問題から製造自体が厳しく規制されており、今後の安定供給は難しい。また、環境保護という観点からも用いることは好ましいとは言えない。
特許文献3や非特許文献3の方法は、反応後のアルカリ金属亜硫酸塩由来の廃液の処理が困難であること、これらの方法は低収率のときもあること(39%)、そして精製過程において煩雑な作業が必要になることから、工業的に採用するにはいくぶん難があった。
また、非特許文献2の方法は、金属亜鉛粉末を用いる為、工業的なスケールでの製造は爆発する危険性があり、また、亜鉛系廃棄物が多く排出される為、コストの点から工業的に利用できる方法とは言い難い。
本発明では、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を工業的規模で、かつ製造コスト、安全性、簡便性において優位性のある製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、工業的に入手容易なパーフルオロアルカンスルホニルハライドを原料とし、高純度のパーフルオロアルカンスルフィン酸塩が得られるという、工業的にも有利な製造方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の[発明1]−[発明11]に記載する、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の製造方法を提供する。
[発明1]
式[1]で表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩
Figure 0005471121
(式中、Rfは炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖の飽和又は不飽和のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。nは該当する金属の価数と同数の整数を示す。)
の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の製造方法。
[第1工程]
式[2]で表されるパーフルオロアルカンスルホニルハライド
Figure 0005471121
(式中、Rfは式[1]と同じ。Xはフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を表す。)
に、ヒドラジンを反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩(RfSO2H・N24)を得る工程。
[第2工程]
第1工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基を反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を得る工程。
[第3工程]
第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物(但し、第2工程のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と同一の金属を有する該ハロゲン化物を用いる。)を添加してパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を結晶として析出させる工程。
[第4工程]
第3工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することにより、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を精製する工程。
[発明2]
式[3]で表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウム
Figure 0005471121
(式中、Rfは炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖の飽和又は不飽和のパーフルオロアルキル基を表す。)
の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする、パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムの製造方法。
[第1工程]
式[4]で表されるパーフルオロアルカンスルホニルフルオリド
Figure 0005471121
(式中、Rfは式[3]と同じ)
に、ヒドラジンを反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩(RfSO2H・N24)を得る工程。
[第2工程]
第1工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に、水酸化カリウム、炭酸カリウム、又は炭酸水素カリウムを反応させて、パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを得る工程。
[第3工程]
第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムに、フッ化カリウムを添加してパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを結晶として析出させる工程。
[第4工程]
第3工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムに、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することにより、パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを精製する工程。
[発明3]
第1工程において、反応容器に先にヒドラジンを仕込んだ後、攪拌しながらパーフルオロアルカンスルホニルハライドを一度に加えるか、又は逐次もしくは連続的に添加することを特徴とする、発明1に記載の方法。
[発明4]
第1工程において、反応温度が−10〜110℃である、発明1乃至3の何れかに記載の方法。
[発明5]
第1工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩を、精製操作をせずに、第2工程に用いることを特徴とする、発明1乃至4の何れかに記載の方法。
[発明6]
第2工程において、パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に対し当モル量の塩基を反応させることを特徴とする、発明1又は2に記載の方法。
[発明7]
第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を、精製操作をせずに、第3工程に用いることを特徴とする、発明1又は2に記載の方法。
[発明8]
第3工程において、副生するヒドラジンを回収し、第1工程における反応試剤として用いることを特徴とする、発明1又は2に記載の方法。
[発明9]
第3工程において、反応系内に存在するアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を回収し、第3工程における添加剤として用いることを特徴とする、発明1に記載の方法。
[発明10]
第4工程において、副生するアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む不純物を回収し、第4工程の精製前の反応液に混合することを特徴とする、発明1に記載の方法。
[発明11]
請求項1乃至10の何れかに記載の方法で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に対し、酸分解することを特徴とする、パーフルオロアルカンスルフィン酸(CF3SO2H)の製造方法。
従来の方法では、すなわち、スルフィン酸金属塩を製造する為には、一旦、トリフルオロメタンスルフィン酸のヒドラジン塩を生成した後、スルフィン酸を経由して蒸留等を行わなくてならなかった。特許文献1や非特許文献4で用いられている方法は、ヒドラジンを用いて製造し、かつ酸分解をしてスルフィン酸を得ているが、蒸留を行う為にスルフィン酸の分解が生じてしまうことから、工業スケールで容易に製造するにはいくぶん難があった。
また、スルフィン酸は、スルホン酸と比べて不安定である為、副反応(不均化反応)が生じやすいことが知られている(非特許文献2でも、その旨の記述がなされている)。非特許文献5の方法でも、反応系内に水酸化ナトリウム等の強塩基が存在する場合、トリフルオロメタンスルフィン酸塩が分解して他の生成物(フルオロホルム(CHF3))が副生してしまうことも知られている。
トリフルオロメタンスルフィン酸カリウムを製造する方法として、実際に非特許文献4の方法を用いることが、一見好ましいようにも見えるが、実際に工業的スケールでの製造を想定して当該文献に記載の方法を行ってみたところ、スルフィン酸自身が分解してしまい、収率が幾分低下する(後述の参考例参照)ことや、スルフィン酸を製造する際に、蒸留操作を行うため、反応制御が難しく、工業的な製造にはいくぶん不向きであった。
そこで本発明者らは、本発明を実施するにあたり、式[2]で表されるパーフルオロアルカンスルホニルハライドを、ヒドラジンと反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩(RfSO2H・N24)を得(第1工程)、第1工程で得られた該ヒドラジン塩に、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基を反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩を得る(第2工程)ことで、目的物の分解が起こらずに高い選択率で製造できる知見を得た(以下のスキーム1参照)。蒸留操作を特に必要としない為、従来技術と比べて、工業スケールでの製造に適している。
Figure 0005471121
また、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩は水に溶解し易く、第2工程後、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩が得られても、それを含む反応混合物として得られることが多い。一般的に該スルフィン酸塩の常温における溶解度が非常に高い為、該反応混合物から効率的に該スルフィン酸塩を析出させることは非常に困難であった。
本発明では、第2工程で得られる該反応混合物に対し、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を添加することで該スルフィン酸塩を効率よく析出させ(第3工程)、更に得られた粗該スルフィン酸塩に対してアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加する(第4工程)ことで不純物を簡便に分離でき、かつ分解を殆ど伴わずに高純度のパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を効率的に得るという、好ましい知見を得た(以下のスキーム2参照)。
Figure 0005471121
第4工程に関しては、一般的にスルフィン酸金属塩を精製して高純度にする際、「酸分解→蒸留→塩製造」というルートを適用するのが好ましい方法ではあるが、工程が多段階になることや、製造するにつれてスルフィン酸塩が分解してしまうことが多い。本発明者らは上述の工程による方法を取ることで、分解せずに簡便に高純度の該スルフィン酸塩を得ることができる方法を見出した。
また、第3工程において、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を加えた後、母液内に残存するヒドラジンや該金属ハロゲン化物を回収し、リサイクルすることで、第1工程及び第3工程における試剤として再び利用可能である知見も得た。このように、廃棄物を大幅に削減できることとなった。
なお、第4工程後に得られた該スルフィン酸塩は、酸分解をすることで簡便にパーフルオロアルカンスルフィン酸(RfSO2H)を得ることができる。
以上のように、上記第1工程〜第4工程を経ることで、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を、従来技術と比べて工業的に安全かつ容易に製造することが可能であり、極めて有用な製造方法である。
医農薬および機能性材料の中間体として有用なパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を、安価で、高選択率かつ高収率で、容易に製造することができる。
次に、本発明について、さらに詳細に説明する。本発明は、式[1]で表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩の製造方法において、以下の工程、すなわち式[2]で表されるパーフルオロアルカンスルホニルハライドに、ヒドラジンを反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩(RfSO2H・N24)を得(第1工程)、そして第1工程で得られた該ヒドラジン塩に、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基と反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を得(第2工程)、そして第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を添加して該金属塩を結晶として析出させる(第3工程)工程、そして第3工程で得られた該金属塩に、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することにより、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を精製する(第4工程)工程を含む、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の製造方法である。
なお、本発明では、アルカリ土類金属元素はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Raを指す。
以上、スキーム3として以下にまとめる。
Figure 0005471121
なお、第1工程の出発原料のパーフルオロアルカンスルホニルハライドは、従来公知の方法で製造できる。例えば当該ハライドのうち、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドについては、米国特許第2732398号明細書に記載の方法、すなわちトリフルオロメタンスルホニルクロリドを無水フッ化水素中、電解法によりフッ素化する方法、又は以下のスキーム4に示すように、メタンスルホニルクロリドをフッ化ナトリウムでフッ素化し、得られたメタンスルホニルフルオリドを無水フッ化水素中、電解法によりフッ素化する方法などにより製造することができる。
また、当該ハライドのうち、トリフルオロメタンスルホニルクロリドについては、特開2000−191634号明細書、及び特開2000−191635号明細書に開示されている方法等で製造することが可能である。
Figure 0005471121
まず、第1工程について説明する。第1工程は式[2]で表されるパーフルオロアルカンスルホニルハライドに、ヒドラジンを反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩(RfSO2H・N24)を得る工程である。本工程で用いるパーフルオロアルカンスルホニルハライドは、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖の飽和又は不飽和のパーフルオロアルキル基が通常用いられるが、炭素数1〜3が好ましく、炭素数1(トリフルオロメチル基)が特に好ましい。具体的な化合物としては、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド、ペンタフルオロエタンスルホニルフルオリド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、ペンタフルオロエタンスルホニルクロリド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルブロミド、ペンタフルオロエタンスルホニルブロミド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルブロミド、ノナフルオロブタンスルホニルブロミド、トリフルオロメタンスルホニルヨージド、ペンタフルオロエタンスルホニルヨージド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルヨージド、ノナフルオロブタンスルホニルヨージドなどが挙げられるが、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド、ペンタフルオロエタンスルホニルフルオリド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、ペンタフルオロエタンスルホニルクロリド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルブロミド、ペンタフルオロエタンスルホニルブロミド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルブロミド、トリフルオロメタンスルホニルヨージド、ペンタフルオロエタンスルホニルヨージド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルヨージドが好ましく、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド、ペンタフルオロエタンスルホニルフルオリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、ペンタフルオロエタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルブロミド、ペンタフルオロエタンスルホニルブロミド、トリフルオロメタンスルホニルヨージド、ペンタフルオロエタンスルホニルヨージドが特に好ましい。
本工程で用いられるヒドラジンの使用量は、パーフルオロアルカンスルホニルハライド1モルに対して、化学量論的には2.5モル必要とし、通常2.5〜10モルであるが、好ましくは2.5〜5モルの範囲から適宜選択される。
2.5モルより少ないと反応収率が低下する原因となる。また、10モルを超えて用いても、反応の進行について問題はないが、反応速度、収率、又は経済性の点で特にメリットはない。
なお、本工程で用いるヒドラジンは、それ自身、単体(N24)、又は水分子が水和したもの(例えば、ヒドラジン・一水和物(N24・H2O))、いずれも用いることが可能である。
また、本工程は反応系内に溶媒を共存させて反応を行うことができる。ここで溶媒とは、本発明の反応に直接関与しない不活性なもののことを言う。具体的な溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、フェノール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、そして水等が挙げられる。
その中でも塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、フェノール等のアルコール類、そして水が好ましく、アルコール類、水がより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
溶媒の使用量は、パーフルオロアルカンスルホニルハライド1モルに対して通常0.5〜10モル、好ましくは1〜5モルの範囲から適宜選択される。
なお、本工程で用いるヒドラジンは常温・常圧で液体である為、ヒドラジンの使用量に応じて溶媒の量が大きく変動する。本反応を実施する際、反応を効率良く進行させる程度に、当業者が溶媒の量をヒドラジンの量に応じて上述の範囲で適宜調整することができる。
例えば、溶媒として水を用いた場合、ヒドラジン水溶液の濃度を、通常10質量%〜64質量%、好ましくは10質量%〜40質量%、より好ましくは15質量%〜35質量%となるように水を加えると良い。本実施例において、ヒドラジン水溶液の濃度を、20質量〜30質量%の範囲で加えることは好ましい態様の一つである。
本工程で用いるパーフルオロアルカンスルホニルハライドは、それの種類により、常温、常圧下で液体、又は気体として存在する。仕込みの際の該ハライドの状態に関し、気体状態又は液体状態、特に制限はない。仕込みの際の該ハライドの態様に関しては、当業者が適宜選択することができる。
圧力は、通常、0.1〜10MPaであるが、好ましくは0.1〜5MPa、さらに好ましくは0.1〜2MPaとするのがよい。
本工程における反応温度は、通常、−10℃〜110℃の範囲で可能であるが、25℃から80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。
パーフルオロアルカンスルホニルハライドを、ヒドラジンと反応させる際の仕込み方法については特に制限はなく、通常、反応器にヒドラジンを仕込んだ後、パーフルオロアルカンスルホニルハライドを添加することにより行えば良い。例えば、後述の実施例に示すように、パーフルオロアルカンスルホニルハライドとしてトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを用いた場合、反応容器に先にヒドラジンを仕込んだ後、攪拌もしくはポンプ循環をしながら該フルオリドを一度に加えるか、又は逐次もしくは連続的に添加することにより行うことは、特に好ましい態様の一つである。
本工程は、反応が進行するのに伴い窒素(N2)ガスが発生するが、反応器の一方を開放させて反応領域から排出させたりすることができる。
加圧下で反応を行う際の使用する反応器については、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器を用いて行うことができる。また、常圧下で反応を行う場合、反応器に関しても、当業者が適宜選択することができる。
本工程に用いられる反応器は、常圧もしくは加圧下で反応を行う際、圧力に耐えるものであれば材質に特に制限はなく、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ガラスなどを内部にライニングした反応器、もしくはガラス容器を使用することができる。
パーフルオロアルカンスルホニルハライドが気体として存在する場合、反応系内に導入する際に、反応領域から排出しないよう、反応器を低温に保つか、又は低温の凝縮器を用いておこなうのが好ましい。なお、通常の反応器を用いる際に接触効率を高めるための慣用の手段、例えば、ガスの導入速度の調節、撹拌装置、ガス吹き込み装置、スパージャー(多孔分散管)などによる方法を適宜用いることは有効である。また、接触効率を高めるためにポンプ循環装置を用いたスクラバー型の反応器を用いることは特に好ましい態様の一つである。
反応時間としては、特に制限はないが、通常は24時間以内の範囲で行えばよく、ガスクロマトグラフィー、IR、イオンクロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡し、原料基質が殆ど消失した時点を終点とするのが好ましい。
反応後の処理は特に限定されず、反応終了後の反応物の処理は、通常の有機合成の処理法に基づいて行うことができる。
本工程では、得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩を、精製操作をせずに、第2工程における出発原料として使用することにより、第2工程を特に収率を損なうことなく、良好に反応が進行する知見を得た。ここでは、パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩(RfSO2H・N24)の生成と同時に、ヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩(N24・HX)も反応系内に生成する為、実際には本工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩を含む反応混合物として得られるが、この反応混合物に対し、精製をせずにそのまま第2工程の原料として使用することは、生産性という観点からも好ましい態様の一つである。
次に第2工程について説明する。第2工程は第1工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基を反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を得る工程である。
本工程における上記の塩基のうち、アルカリ金属の水酸化物として、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、水酸化セシウム(CsOH)が、アルカリ金属の炭酸塩として、炭酸リチウム(Li2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸ルビジウム(Rb2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)が、そしてアルカリ金属の炭酸水素塩として、炭酸水素リチウム(LiHCO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸水素ルビジウム(RbHCO3)、炭酸水素セシウム(CsHCO3)が、アルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)が、アルカリ土類金属の炭酸塩として、炭酸マグネシウム(MgCO3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸ストロンチウム(SrCO3)が、アルカリ金属の炭酸水素塩として、炭酸水素バリウム(Ba(HCO32)、炭酸水素マグネシウム(Mg(HCO32)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO32)、炭酸水素ストロンチウム(Sr(HCO32)が挙げられる。また、これらの塩基は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできるが、2種以上を用いる場合、同一のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の塩基を用いることが好ましい。
本工程における塩基の使用量は、パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩1モルあたり2モル以上であり、5モル以下が好ましく、より好ましくは3モル以下である。5モルを超える量、すなわち過剰量の塩基を反応させた場合、反応は進行するが、パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩やパーフルオロアルカンスルフィン酸塩が分解してしまい、収率が低下してしまうことがある。また、2モルよりも少ないと、変換率が低下することがある。
なお、本工程において、塩基の使用量について、パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に対して当モル量、すなわち該ヒドラジン塩1モルあたり2モルの塩基を作用させることで、分解物が殆ど生成せず、目的物の選択性が向上するという好ましい知見を得た。
本工程において、塩基を用いる際、溶媒を用いることができる。例えば水を溶媒として用いた場合、塩基の濃度を、通常10質量%〜70質量%、好ましくは20質量%〜60質量%、より好ましくは30質量%〜60質量%となるように水を加えると良い。水の量が少なすぎると反応系内における攪拌が困難になり、また多すぎる場合は、反応後の処理が煩雑になることや、通常よりも大きな反応容器が必要となることから、工業的・経済的にメリットはない。
なお、本実施例において、水酸化カリウム水溶液の濃度を48質量%の範囲で加えることは好ましい態様の一つである。
なお、水以外の有機溶媒を用いることもできる。ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類等の水溶性の溶媒が使用できる。また、水と共に組み合わせて使用することもできる。溶媒の使用量としては、パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜7倍容量の範囲から適宜選択される。しかしながら、水を用いても十分反応が進行する為、水以外の有機溶媒を特に用いるメリットは少ない。
本工程の反応温度に特別に制限はないが、通常−10℃〜110℃、好ましくは25〜80℃である。−10℃未満であると反応が充分に進行せず、収率低下の原因となり、また、反応速度が低下して反応終了までに長時間を要するなどの問題を生ずる場合がある。一方、110℃を超えると、副生物が生じやすくなる。
反応時間としては、特に制限はないが、通常は24時間以内の範囲で行えばよく、イオンクロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡し、原料基質が殆ど消失した時点を終点とするのが好ましい。
本工程に用いられる反応器は、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器や、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、そしてガラスなどを内部にライニングしたもの等、常圧又は加圧下で十分反応を行うことができる反応器を使用することができる。
なお、本工程では反応後にパーフルオロアルカンスルフィン酸塩が得られるが、該スルフィン酸塩の溶解度が非常に高い為、該金属塩自身、反応系内の溶媒と溶解することが多く、さらに出発原料由来の副生成物であるヒドラジンも反応系内に多く生成する為、実際には溶媒を含む反応混合物として得られる。
そこで本発明では、第2工程で得られる該反応混合物を、精製操作を行わずに、続けて第3工程における出発原料として用いることで、第3工程で特に収率を損なうことなく、良好に結晶として得ることができるという、好ましい知見を得た。
なお、本工程においてアルカリ金属水酸化物等を加えた直後の反応液を、そのまま後述する第4工程における出発原料として用いることも可能であるが、本発明のように、第3工程を経由せずに行うと、第4工程の目的物であるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩にパーフルオロアルカンスルホン酸塩等が混在し、純度が低下することもあるので、高純度のパーフルオロアルカンスルフィン酸属塩を得るためには、第3工程を経由させることが好ましい。
また、第2工程後で副生するヒドラジンは、後述する第3工程の後処理の段階で回収し、前述の第1工程における反応試剤としてリサイクル可能である知見を得た。
さらに、第3工程の後処理の段階でヒドラジンを回収する方が、第2工程の後処理の段階でそれを行うのと比べて、ヒドラジンの回収量が増加するという、工業的にも優位な知見も得た(後述の参考例参照)。
例えば、第2工程で得られる溶媒を含む該反応混合物を、精製等の分離操作を行わずに第3工程における出発原料として使用すること、そして第3工程後の後処理において、第2工程由来の副生成物(ヒドラジン)をリサイクル可能であることは、従来よりも格段に生産性が向上することや、廃棄物を大幅に削減できることからも、本発明において特に好ましい態様の一つである(以下、スキーム5参照)。
Figure 0005471121
次に、第3工程について説明する。本工程は第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を添加してパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を結晶として析出させる工程である。
前述したように、第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩は、溶媒を含む反応混合物として得られる。その場合、該反応混合物にアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を添加することにより、反応系内で該ハロゲン化物の添加に基づく塩析効果によって、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の溶媒に対する溶解度が下がり、濃縮等により該スルフィン酸塩を析出しやすくすることが可能である。さらに溶媒を濃縮する操作を行うことにより、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を効率よく結晶として析出させることが可能である。
本工程で用いるアルカリ金属ハロゲン化物の具体的な化合物は、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化ルビジウム(RbF)、フッ化セシウム(CsF)、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウムであり、アルカリ土類金属ハロゲン化物の具体的な化合物は、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化バリウムである。 なお、本工程で用いるアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物における金属の種類として、前述の第2工程で用いた塩基と同一の金属を有する該ハロゲン化物を用いることが好ましい。第2工程後に得られた、該スルフィン酸塩と異なる金属のハロゲン化物を本工程で用いた場合、本工程及び後述の第4工程で効率よくパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を析出、及び精製することは難しい。本工程では第2工程後に得られた該塩に対し、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物で用いられる金属を同じにすることにより、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を結晶として析出しやすくすることが可能である。
本工程において、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を添加する際の形態としては、特に制限はない。これらのハロゲン化物は常温・常圧下は固体として存在するが、本工程ではそれ自身、そのまま添加しても良く、溶媒を加えて溶液状態として反応させても良い。
アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の使用量としては、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩1モルあたり通常1〜10モル、好ましくは2〜6モル、さらに好ましくは3〜4モルを使用する。1モル未満だと収率が低下することがある。また10モルを超えて用いると、析出の上では問題ないが、アルカリ金属フッ化物の量が必要以上に増えることにより、後述する第4工程の精製時の生産性を悪くする等の問題が生じやすい。
なお、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を溶媒に溶解させて、溶液状態で反応を行う際、当業者が溶媒の量をアルカリ金属フッ化物の量に応じて適宜調整することができる。
例えば、溶媒として水を用いた場合、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の水溶液の濃度を、通常10質量%〜50質量%、好ましくは20質量%〜45質量%、より好ましくは30質量%〜40質量%となるように水を加えると良い。本実施例において、該ハロゲン化物の水溶液の濃度を、10質量〜20質量%の範囲で加えることは好ましい態様の一つである。
なお、本工程の出発原料に水が混在している場合には、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を加える際に用いる水の量を、上述の水溶液の濃度範囲に、出発原料の水の量を考慮しながら当業者が適宜調整することができる。
本工程を行う際の反応時間は、特に制限はないが、工程が進行していくに伴い、目的物であるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩が徐々に析出する。該塩の析出の進行状況を追跡し、析出が終了した時点を終点とするのが好ましい。
本工程を行う際の温度は、使用する溶媒の沸点および凝固点により適宜決めることができるが、通常−10℃〜100℃、好ましくは−10℃〜80℃で、さらに好ましくは0℃〜60℃の範囲で結晶として析出させることができる。
本工程に用いられる反応器は、特に制限はなく、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、そしてガラスなどを内部にライニングしたもの等を使用できる。
本工程の後処理工程については、通常の有機合成における通常の操作に従えばよい。例えば、析出した固体を含む反応溶液の一部を減圧下濃縮した後、ろ別等で母液と分離させ、乾燥することによりパーフルオロアルカンスルフィン酸塩が結晶として得られる。
なお、本工程において、第2工程由来の副生成物であるヒドラジンが反応系内に存在することがある。第2工程後ではパーフルオロアルカンスルフィン酸塩と共にヒドラジンが副生するが、例えば本実施例に示すように、精製操作をせずにそのまま本工程の出発原料として用いた場合、精製操作をした場合と比べて、より多く副生成物として反応系内に存在することになる。
本工程では、副生するヒドラジンを含む反応溶液を一部濃縮することで、ヒドラジンを容易に回収でき、さらに回収した該ヒドラジンを第1工程における反応試剤として用いるという、工業的にも好ましい知見を得た。具体的には、析出した固体を含む反応溶液を、減圧下で一部濃縮することで、第2工程後に副生するヒドラジンが留去液中に取り込まれる。そこで留去したヒドラジン溶液を回収して、第1工程における反応試剤としてリサイクルできる。このことは本発明において、好ましい態様の一つである(以下、スキーム6参照)。
Figure 0005471121
なお、留去後の反応溶液中には、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩と共にヒドラジンが残存することがあるが、その際、後述のスキーム7に示すように、濃縮、ろ別操作を行うことにより、目的物であるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩と容易に分離することができる。
また、本工程は、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を結晶として析出させる工程であるが、下記スキーム7に示すように、析出後、濃縮、ろ別後のろ液中にアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物が含まれる。また、他に副生成物として微量のヒドラジン、パーフルオロアルカンスルフィン酸(RfSO2H)塩、パーフルオロアルカンスルホン酸(RfSO3H)塩等の不純物が含まれることが多い。ここで本工程においてアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を加える直前の反応液を、そのまま後述の第4工程における出発原料として用いることもできるが、析出分離をせずに行うと、第4工程の目的物である該アルカリ金属塩にパーフルオロアルカンスルホン酸塩が混在し、純度が低下することもあるので、高純度の該スルフィン酸塩を得るためには、本工程において析出分離させることが好ましい。
また、本工程では、反応系内に存在するアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を回収し、本工程における添加剤として用いることができるという、好ましい知見を得た。具体的には、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩の析出後、ろ液中に含まれているアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を、回収して本工程における添加剤として再利用できる。例えば、パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを溶媒留去後、固体と分離したろ液に対し、30%過酸化水素等の酸化剤を加え、含まれているパーフルオロアルカンスルフィン酸をヒドラジンと共に酸化処理(RfSO2H+30%H22→RfSO3H)した後、イオン交換樹脂(オルガノ東京株式会社製、商品名「Amberlyst」など)の充填塔を通過させることによりパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩を分離回収し、ろ液に含まれるフッ化カリウムを回収して第3工程の添加剤として再利用することは、特に好ましい態様の一つである(以下、スキーム7参照)。
Figure 0005471121
なお、前述したように、第3工程後における酸化処理後、イオン交換樹脂の充填塔を通過させて得られた液は、アルカリ金属フッ化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を含む水溶液であるが、この水溶液に対してアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウムなど)を溶解させた水溶液を別途加えることにより、アルカリ金属フッ化物を回収することも可能である。例えば、フッ化カリウムを含む不純物に対し、水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、フッ化カリウムが溶解度の低いフッ化ナトリウムに変換することで析出しやすくなり、フッ化ナトリウムとして単離することが可能である。ここで単離したフッ化ナトリウムは、本実施例における第1工程の原料であるトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを製造する際の反応試剤として再利用することも可能である。
次に、第4工程について説明する。第4工程は第3工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することにより、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩を精製する(第4工程)工程である。
第3工程で結晶として得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩には、それ自身、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属硫酸塩等の不純物が固体中に含まれていることが多い。そこで本工程では、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩に対してアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することで、不純物を効率よく分離し、高純度の該目的物を得ることができる(下記スキーム8参照)。
中でも、前記金属塩のうち、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
例えば、フッ化カリウムが含まれているトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムに硫酸ナトリウム水溶液を加えることにより、難溶性のフッ化物(フッ化ナトリウム)、そして硫酸カリウムが反応系内に生成する。トリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの溶解度と、フッ化ナトリウム、硫酸カリウムの溶解度に差が生じることから、分離操作が容易になり、高純度の該スルフィン酸カリウムを得ることが可能である(後述の実施例参照)。このことは本発明において特に好ましい態様の一つである(下記スキーム9参照)。
Figure 0005471121
Figure 0005471121
アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を反応させる際、これらの使用量としては、本工程における出発原料であるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩中に含まれるアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物1モルに対し通常0.5〜2.5モル、好ましくは0.5〜1.0モル添加すると良い。
なお、本工程で用いる上述の化合物のうち、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物を用いた場合、アルカリ金属フッ化物と反応後に、副生成物として金属水酸化物が反応系内に生成する。
この場合、本工程の目的物であるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩自身、金属水酸化物により分解することがあるので、生成する金属水酸化物に対し、酸(硫酸、塩酸など)を作用させると良い。酸の使用量は、該金属水酸化物の当量以上の酸を作用させると、目的物であるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩自身が分解することがあるので、金属水酸化物1当量あたり、等モル量の酸を加えることが特に好ましい。
本工程における反応温度は、前述の添加物の種類により適宜決めることができ、通常、室温(25℃)から用いる溶媒の沸点付近の温度で精製前の塩を溶解させ、−40〜80℃で結晶を析出させることが可能である。例えば、溶媒として水を用いた場合、25〜100℃の範囲で精製前の結晶を溶解又は懸濁させ、10℃以下で結晶を析出させることで、高純度のパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を得ることができる。
本工程における反応時間については、特に制限はないが、温度や、用いる基質の量等に依存して最適の反応時間は異なる。反応が進行するに従い、出発原料が溶解又は懸濁することから、進行状況を追跡し、析出が終了した時点を終点とするのが良い。
本工程に用いられる反応器は、特に制限はなく、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、そしてガラスなどを内部にライニングしたもの等を使用できる。
なお、本工程では水以外にも有機溶媒を用いることもできる。ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類等の水溶性の溶媒が使用できる。また、水と共に組み合わせて使用することもできる。溶媒の使用量としては、パーフルオロアルカンスルホン酸塩に対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜7倍容量の範囲から適宜選択される。しかしながら、水を用いても十分反応が進行する為、水以外の有機溶媒を特に用いるメリットは多くない。
なお、本工程において、後処理操作後の好ましい態様について説明する。本工程では、反応後に副生する上述の化合物を含む不純物を回収し、第4工程後の後処理操作における反応液に混合することも可能である知見も得た。すなわち、分離後の固体中に含まれているアルカリ金属ハロゲン化物等を含む不純物を回収し、前述の第4工程における精製前の反応液に混合させることが可能である。
なお、ここで「精製前の反応液」とは、本工程において、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩に対してアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加した直後の反応液のことを言う。
このような操作は、廃棄物を大幅に削減できることからも、好ましい態様の一つとして挙げられる(以下、スキーム10参照)。
Figure 0005471121
なお、前述したように、第4工程後における精製操作後の分離した固体中には、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩やアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を含む不純物が存在する。この固体に対し、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を予め溶解させた水溶液を用いて洗浄することで、パーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩のみを選択的に溶解させて回収することも可能である。この溶液は第4工程における精製前の反応液に混合させることができ、実質的にはこの操作での工程におけるロスを減らすことができる。
以上、第1工程〜第4工程を経ることにより、高純度のパーフルオロアルカンスルフィン酸塩を得ることができる。
本発明では、第1工程〜第4工程を経ることで得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に対し、酸分解することで、パーフルオロアルカンスルフィン酸(CF3SO2H)を得ることができる。
次に酸分解について説明する。ここで言う酸分解とは、酸が作用して起こる分解反応のことを言う。
用いられる酸は、ブレンステッド酸であれば特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、珪酸、臭化水素酸、ホウ酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、クロトン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を例示することができる。その使用量は、使用する酸の価数により変化するが、例えば1価の酸の場合、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩1モルに対して、酸の使用量は、1モル以上であり、好ましくは、1〜5モルである。また、2価の酸の場合、パーフルオロアルカンスルフィン酸塩1モルに対して、酸の使用量は、0.5モル以上であり、好ましくは、0.5〜2.5モルである。
酸分解を行う場合、水を混在させて行うことができ、用いる水の使用量は、基質であるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩1モルに対して、1モル以上であれば特に制限はないが、好ましくは1〜1000モルであり、更に好ましくは1〜100モルである。また、上述した酸の中に水が含まれている場合はその水を使用しても良い。それ以上用いても良いが、反応器内の容積あたりの収量が減ることや、設備的に大きな反応器が必要となるので好ましくない。また、酸の濃度に関して特に限定は無いが、10%〜90%が好ましい。
反応温度は通常、−30℃〜100℃、好ましくは−10℃〜100℃で、さらに好ましくは0℃〜100℃の範囲である。反応温度が−30℃より低いと反応が遅く、100℃よりも高い温度では、反応系内に徐々に生成するパーフルオロアルカンスルフィン酸、そして酸分解に用いる水が気化してしまうことがある。
酸分解に用いられる反応器は、常圧もしくは加圧下で反応を行う際、圧力に耐えるものであれば材質に特に制限はなく、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングした反応器、もしくはガラス容器を使用することができる。ステンレス鋼、鉄などが内壁となっている反応容器の場合も反応自体は進行するが、金属がパーフルオロアルカンスルフィン酸により腐食を引き起こしたりすることがあるので、前述の反応容器を用いることが好ましい。
反応後の処理は特に限定されないが、反応するに従い、無機塩等の副生成物が生成するので、ろ別後、反応液を蒸留等の通常の手段に付して、パーフルオロアルカンスルフィン酸を得ることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施態様に限られない。ここで、組成分析値の「%」とは、反応混合物を直接イオンクロマトグラフィーによって測定して得られた組成の「wt%」を表す。
[第1工程]パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩の製造
SUS製6 mm×6 mmのラシヒリングを高さ0.54 mまで充填した、断面の直径が30 mmであるジャケット付き充填塔を、500 mlの受け槽に設け、30 wt%のヒドラジン水溶液を214g入れ、溶液をポンプで充填塔に循環させることにより約57 ℃まで加温した。次にヒドラジン水溶液の温度が安定したら電解槽より発生したトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを含む混合ガス(水素:トリフルオロメタンスルホニルフルオリド=4:1)を170 mol/hr・m2 の条件で充填塔に導入し、ヒドラジン水溶液にトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを吸収、反応させた。トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを63 g導入した後に、一旦48%水酸化カリウム水溶液を96g添加、再度トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを38g導入した。その後1時間窒素を導入しながら反応液をポンプ循環させた。この反応液を抜き出し19F NMRによってガス吸収量を測定したところ95%のトリフルオロメタンスルホニルフルオリドがトリフルオロメタンスルフィン酸ヒドラジン塩に変換していることを確認した。なお、ここで精製操作をせずに、続く第2工程を行った。
[第2工程]パーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩の製造
第1工程で得られた吸収液に48%水酸化カリウム60.9gを添加してトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムとし、続いて精製せずに第3工程を行った。
[第3工程]パーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩の析出工程
第2工程で得られたトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムに、フッ化カリウムを131g添加し、60℃にて減圧留去を実施したところ、99.7gのヒドラジン水溶液が留去され、この中にヒドラジンは13.8g含まれており、ヒドラジンの回収率は41%であった。留去後の吸収液に再度水100gを添加して同様に留去したところ、137.7gのヒドラジン水溶液が留去され、水溶液中にヒドラジンが12.3g含まれていた。この濃縮操作によってヒドラジンを合計で78%回収することが出来た。得られた濃縮液を約35℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルフィン酸カリウム(CF3SO2K)を析出させヌッチェによりろ過操作を行ったところ、142.7gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム粗結晶を得た。この粗結晶中にはフッ化カリウムが26.3g、トリフルオロメタンスルフィン酸カリウムが96.7g、水が19.1g含まれていた。
[第4工程]パーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩の精製工程
第3工程で得られた粗結晶に、水280g、硫酸ナトリウム(Na2SO4)を39.4g添加し、60℃に加熱した。60℃で1時間攪拌し、その後245gの水を減圧留去した。留去後内温を10℃以下まで冷却し、析出してきた結晶をヌッチェでろ過した。得られたろ液を濃縮、乾固することでトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの白色固体 90.8gが得られ、この結晶をイオンクロマトグラフィーで分析したところ、純度99.1wt%、収率は86.5%であった。
なお、本工程において、上述のろ過操作によって固体75.3gが得られた。この固体中にはフッ化ナトリウム23.9g (0.57mol)、トリフルオロメタンスルフィン酸カリウム7.4g(0.04mol)、硫酸カリウム40.8g(0.23mol)そして水3.1gが含まれていた。この結晶にヌッチェ上で35%のフッ化カリウム水溶液45.2gをかけ洗浄を行った。その結果、洗浄液中にはトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム7.4g (0.04mol)、フッ化カリウム14.3g(0.24mol) 、水30.7gが含まれていた。この洗浄液を第4工程の硫酸ナトリウムを添加する前の液に加えることで、第4工程での収率を約7%向上させることが可能となる。
なお、本実施例1において、トリフルオロメタンスルフィン酸カリウム1kgを製造する際に発生する廃棄物量と、当該スルフィン酸カリウムを特許文献3の方法で行った際に発生する廃棄物量とを比較した結果を、以下の表に示す。
Figure 0005471121
表1から明らかなように、特許文献3と比べて本願発明は、前述したように第1工程〜第4工程を経ることで、副生物を回収して次の反応における反応試剤として実施することが可能であり、廃棄物を格段に削減できる。
第1工程〜第3工程については、実施例1と同様に行い、トリフルオロメタンスルフィン酸粗結晶を23.1g得た。この粗結晶中にはフッ化カリウムが3.5g、トリフルオロメタンスルフィン酸カリウムが16.4g、水が3.1g含まれていた。なお、この得られた該粗結晶を用い、続く第4工程を行った。
[第4工程]パーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩の精製工程
第3工程で得られた粗結晶に水36.9gを添加し、塩化ナトリウム3.5g添加し、60℃に加熱した。60℃で1時間攪拌し、その後30gの水を減圧留去した。留去後内温を10℃以下まで冷却し、析出してきた結晶をヌッチェでろ過した。得られたろ液を濃縮、乾固することでトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの白色固体 16.0gが得られ、この結晶をイオンクロマトグラフィーで分析したところ、純度96.0wt%、収率は89.3%であった。
第1工程〜第3工程については、実施例1と同様に行い、トリフルオロメタンスルフィン酸粗結晶を17.3g得た。この粗結晶中にはフッ化カリウムが2.6g、トリフルオロメタンスルフィン酸カリウムが12.3g、水が2.3g含まれていた。
なお、この得られた該粗結晶を用い、続く第4工程を行った。
[第4工程]パーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩の精製工程
第3工程で得られた粗結晶に水27.7gを添加し、水酸化ナトリウム1.8gを加え十分攪拌した。その後5M−硫酸5.74gを添加し、攪拌した後、22.3gの水を減圧留去した。留去後、内温を10℃以下まで冷却し、析出してきた結晶をヌッチェでろ過した。得られたろ液を濃縮、乾固することでトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの白色固体 11.2gが得られ、この結晶をイオンクロマトグラフィーで分析したところ、純度98.7wt%、収率は90.0%であった。
第1工程〜第3工程については、パーフルオロエタンスルフィン酸フルオリド80.8gを用いた以外は実施例1と同様に行い、パーフルオロエタンスルフィン酸粗結晶を113.3g得た。この粗結晶中にはフッ化カリウムが20.3g、パーフルオロエタンスルフィン酸カリウムが75.5g、水が17.1g含まれていた。
なお、この得られた該粗結晶を用い、続く第4工程を行った。
[第4工程]パーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩の精製工程
第3工程で得られた粗結晶に、水300g、硫酸ナトリウム(Na2SO4)を48.0g添加し、60℃に加熱した。60℃で1時間攪拌し、その後165gの水を減圧留去した。留去後内温を10℃以下まで冷却し、析出してきた結晶をヌッチェでろ過した。得られたろ液を濃縮、乾固することでトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの白色固体 68.3gが得られ、この結晶をイオンクロマトグラフィーで分析したところ、純度98.1wt%、収率は76.9%であった。
[参考例1]
SUS製6 mm×6 mmのラシヒリングを高さ0.54 mまで充填した、断面の直径が30 mmであるジャケット付き充填塔を、500 mlの受け槽に設け、該受け槽に20.5 wt%のヒドラジン水溶液を515.5 g入れ、溶液をポンプで充填塔に循環させながら約47℃まで加温した。次にヒドラジン水溶液の温度が安定したらフローメーターを用いて気化させたトリフルオロメタンスルホニルフルオリドをG=170 mol/hr・m2で充填塔に導入し、ヒドラジン水溶液にトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを吸収、反応させた。トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを100 g(0.658 mol)導入した後に、1時間窒素を導入しながら反応液をポン
プで循環させた。この反応液を抜き出し、冷却しながら濃硫酸を321 g(3.28 mol)加えたところ、固体が析出したのでこれを吸引ろ過し、ろ液を30 hPa、沸点72.1〜73.7 ℃で減圧単蒸留し、得られた主留に48%水酸化カリウム水溶液を70.9 g(0.607 mol)加え、水を留去・乾燥することでトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの白色固体を純度98.0%(19F NMRで決定)、収率76.5%で86.7 g(0.503 mol)で得た。
このように、本参考例では、第1工程後で得られた反応液に対し、濃硫酸及び水酸化カリウムを反応させることでトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムを得ることができるが、蒸留操作を行うため、反応制御が難しく、またスルフィン酸の一部が分解してしまう為に、収率が幾分低下することからも、工業的な製造にはいくぶん不向きである。
[参考例2]
第1工程においては実施例1と同様に行い、第2工程後のパーフルオロアルカンスルフィン酸アルカリ金属塩を含む反応混合物に対して、減圧留去を行うことによりヒドラジンの回収操作を行った。その結果、136gのヒドラジン水溶液が回収され、この中にヒドラジンは5.8g含まれており、ヒドラジンの回収率は17%であった(本参考例については、続く第3工程及び第4工程は行っていない)。
このように、第3工程前、すなわち第2工程後にヒドラジンを回収した場合、実施例1と比べて回収率が低下することがわかる。
手動還流装置とPFA製のφ6mmのラシヒリングを13cm詰めた充填塔を取り付けた300 mlの三口フラスコに、実施例1の方法で得られたトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム塩100g(0.581mol)と硫酸114g(1.16mol)を入れ、30分間室温下で攪拌した。その後、ジャケット温度を85℃、減圧度を30hPaに設定して減圧蒸留を開始した。減圧度14〜20hPa、蒸気温度58〜66℃のときの留分を主留として抜き出した。その結果、純度(イオンクロマトグラフィー分析による結果)93.4%、収量41 g(収率:62.3%)で目的のトリフルオロメタンスルフィン酸を得ることが出来た。

Claims (10)

  1. 式[3]で表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウム
    Figure 0005471121
    (式中、Rfは炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖の飽和又は不飽和のパーフルオロアルキル基を表す。)
    の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする、パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムの製造方法。
    [第1工程]
    式[4]で表されるパーフルオロアルカンスルホニルフルオリド
    Figure 0005471121
    (式中、Rfは式[3]と同じ)
    に、ヒドラジンを反応させてパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩(RfSO2H・N24)を得る工程。
    [第2工程]
    第1工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に、水酸化カリウム、炭酸カリウム、又は炭酸水素カリウムを反応させて、パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムと、ヒドラジンとを含む反応混合物を得る工程。
    [第3工程]
    第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムと、ヒドラジンとを含む反応混合物に、フッ化カリウムを添加してパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムと、ヒドラジンと、フッ化カリウムとを含む反応混合物を得、次いで、該反応混合物を濃縮することにより、該スルフィン酸カリウムと、該フッ化カリウムとを含む混合物を結晶として析出させる工程。
    [第4工程]
    第3工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムと、フッ化カリウムとを含む混合物に、水の存在下、塩化リチウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム硫酸ナトリウム、または硫酸マグネシウムを添加することにより、
    パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムと、
    水と、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カリウム、または硫酸カリウムとを含む反応混合物を得、
    次いで、該混合物からフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カリウム、または硫酸カリウムを固体として分離除去した後、ろ液を濃縮することでパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを精製する工程。
  2. 第1工程において、反応容器に先にヒドラジンを仕込んだ後、攪拌しながらパーフルオロアルカンスルホニルフルオリドを一度に加えるか、又は逐次もしくは連続的に添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 第1工程において、反応温度が−10〜110℃である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 第1工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩を、精製操作をせずに、第2工程に用いることを特徴とする、請求項1乃至の何れかに記載の方法。
  5. 第2工程において、パーフルオロアルカンスルフィン酸ヒドラジン塩に対し当モル量の水酸化カリウム、炭酸カリウム、又は炭酸水素カリウムを反応させることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. 第2工程で得られたパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを、精製操作をせずに、第3工程に用いることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 第3工程において、副生するヒドラジンを回収し、第1工程における反応試剤として用いることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  8. 第3工程において、反応系内に存在するフッ化カリウムを回収し、第3工程における添加剤として用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 第4工程において、反応混合物から分離除去して得られたフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カリウム、または硫酸カリウムを含む固体をフッ化カリウム水溶液で洗浄し、該固体に含まれるパーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを溶解させて回収する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  10. 請求項1乃至の何れかに記載の方法パーフルオロアルカンスルフィン酸カリウムを製造し、次いで、該スルフィン酸カリウムに対し、酸分解することを特徴とする、パーフルオロアルカンスルフィン酸(CF3SO2H)の製造方法。
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