JP2009179432A - 物品搬送設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体を制動することができない強制解除状態で移動体が運転される事態の発生を確実に防止できる物品搬送設備を提供すること。
【解決手段】移動体を移動させる駆動手段及び移動体の移動を制動し且つ制動状態に付勢された制動手段を制御して移動体を運転する運転状態と運転休止状態とにキースイッチ(24)にて切り換え操作自在な制御手段と、制動手段を制動状態から制動解除状態に強制操作する強制解除状態となるように装着自在で且つ離脱自在な強制解除操作部材(30)とが設けられた物品搬送設備であって、キースイッチ(24)に対する操作キー(25)と強制解除操作部材(30)とが一体状態に構成されている物品搬送設備。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動手段の駆動力にて移動自在な物品搬送用の移動体と、前記移動体の移動を制動する制動状態と制動解除状態とに切り換え自在で且つ前記制動状態に付勢された制動手段と、前記駆動手段及び前記制動手段を制御して前記移動体を運転する運転状態と運転休止状態とにキースイッチにて切り換え操作自在な制御手段と、前記制動手段を前記制動状態から前記制動解除状態に強制操作する強制解除状態となるように装着自在で且つ離脱自在な強制解除操作部材とが設けられた物品搬送設備に関する。
上記物品搬送設備では、制御手段をキースイッチにて運転状態と運転休止状態とに切り換え操作自在に構成することにより、キースイッチに対する操作キーを所持した作業員だけが、制御手段を運転状態に切換操作して移動体の運転を行わせることができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、作業者が移動体等の設備のメンテナンス作業を行う場合には、制御手段をキースイッチにて運転休止状態に切り換えてから、移動体による物品搬送作業が行われる作業空間に入ってメンテナンス作業を行う。
また、メンテナンス作業において、人力などの外力にて移動体を移動操作する場合や、制動手段の点検調整を行う場合等、制動状態に付勢された前記制動手段を制動解除状態にしてから、メンテナンス作業を行う場合がある。
例えば、駆動手段としての電動モータに内装された制動手段としての無励磁スプリング制動形電磁ブレーキを励磁させることなくブレーキばねの付勢力に抗して機械的に制動解除状態に強制操作した強制解除状態とするべく、ブレーキ開放用のボルト等の強制解除操作部材を電動モータに装着させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
なお、特許文献2には、電動モータのカバー29の穴29aから強制解除操作部材としてのドライバーのような押し付け棒を差し込むことで、ブレーキカバー25に装着されたブッシュ23に挿入されたブレーキ解放ピン22をモータ回転軸方向に摺動させて、電磁ブレーキを制動解除状態に強制操作する強制解除状態を現出することが記載されており、この強制解除状態を維持する手段については記載されていないが、強制解除操作部材としてボルト等のように装着状態で固定可能な部材を用いることで、強制解除状態を維持できる。
特公平5−67527号公報(図3) 特開2002−51498号公報(段落「0011」及び図1)
上記従来の物品搬送設備であると、作業員がメンテナンス作業において移動体側に強制解除操作部材を装着させて強制解除状態にした後は、強制解除操作部材を離脱させない限り、制動手段は制動状態に復帰することはなく、強制的に制動解除状態に維持される。
そのため、作業員が、移動体側に強制解除操作部材を装着した強制解除状態にしたまま放置し、メンテナンス作業を終了した後もそのことに気付かないままであると、制動手段は制動解除状態に維持されたままとなる。
したがって、作業員が強制解除操作部材を離脱し忘れた場合に、前記操作キーを所持した同一又は他の作業員がその操作キーを用いてキースイッチを切り換え操作して制御手段を運転休止状態から運転状態に切り換えると、制動手段が制動解除状態に維持されたまま、移動体が駆動手段にて移動されるという事態が生じ得る。
このように、従来のものでは、制動手段が制動解除状態に維持されたままでもキースイッチを操作することが可能となっており、作業者が万が一強制解除操作部材を離脱し忘れると、制動手段が移動体を制動することができない強制解除状態のまま移動体が移動されるおそれのあるものであった。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、移動体を制動することができない強制解除状態で移動体が運転される事態の発生を確実に防止できる物品搬送設備を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明にかかる物品搬送設備は、駆動手段の駆動力にて移動自在な物品搬送用の移動体と、前記移動体の移動を制動する制動状態と制動解除状態とに切り換え自在で且つ前記制動状態に付勢された制動手段と、前記駆動手段及び前記制動手段を制御して前記移動体を運転する運転状態と運転休止状態とにキースイッチにて切り換え操作自在な制御手段と、前記制動手段を前記制動状態から前記制動解除状態に強制操作する強制解除状態となるように装着自在で且つ離脱自在な強制解除操作部材とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、前記キースイッチに対する操作キーと前記強制解除操作部材とが一体状態に構成されている点にある。
すなわち、キースイッチに対する操作キーと強制解除操作部材とが一体状態に構成されているので、強制解除操作部材を制動手段に装着して、制動手段を強制解除状態とした後は、操作キーは制動手段に装着した強制解除操作部材と一体状態で存在しており、強制解除操作部材を制動手段に装着したまま、操作キーだけを移動させることはできない。
したがって、作業者がメンテナンス作業等を終了さえた後、万が一、強制解除操作部材を制動手段から離脱することを忘れた場合は、操作キーが強制解除操作部材と一体状態で残留することになり、強制解除操作部材が装着されている限りは、操作キーを用いて制御手段を運転状態に切り換えることはできない。
つまり、操作キーを用いて制御手段を運転状態に切り換える前には、強制解除操作部材が必ず離脱されることになり、制動手段が制動解除状態に強制的に維持される強制解除状態のままで移動体が運転される事態を確実に防止できる。
なお、強制解除操作部材を制動手段から離脱することを忘れた作業者本人が、制御手段を運転状態に切り換えようとすると、その時点で操作キーを持参していないことに気付き、これにより、操作キーと一体状態の前記強制解除操作部材が制動手段に装着されたままであることに気付くことができるので、メンテナンス作業等を正常に完了させることができる。
このように、本発明の第1特徴構成によると、制動手段が移動体を制動することができない強制解除状態で移動体が運転される事態の発生を確実に防止できる物品搬送設備を得るに至った。
本発明にかかる物品搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記操作キーと前記強制解除操作部材とが、索状体にて連結されることにより一体状態に構成されている点にある。
すなわち、操作キーと強制解除操作部材とを索状体にて連結すればよいので、操作キーと強制解除操作部材とを、例えば、操作キーと強制解除操作部材とのそれぞれに、索状体を挿通させるための穴を設けるだけの簡単な加工を予め施しておくことで、紐や針金等の現場においても入手容易な部材を用いて簡単に一体状態に構成することができる。
それでいて、作キーと強制解除操作部材とを適切な長さの索状体にて連結することにより、強制解除操作部材を装着する際には操作キーが邪魔にならないように、また、操作キーにてキースイッチを切り換え操作する際に強制解除操作部材が邪魔にならないようにすることができるので、作業性が良い。
このように、本発明の第2特徴構成によると、現場においても簡単に、操作キーと強制解除操作部材とを一体状態に構成でき、しかも、操作キー及び強制解除操作部材を使用する際の作業性が良いものにすることができる。
本発明にかかる物品搬送設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記移動体による物品搬送作業が行われる作業空間に作業者が出入するための施錠可能な保守扉を備え、前記キースイッチが前記作業空間の外側に設けられ、前記保守扉が、前記操作キーにて施錠及び開錠されるように構成されている点にある。
すなわち、作業者は強制解除操作部材と一体状態の操作キーを持参していなければ保守扉の施錠を行うことができないので、作業者がメンテナンス作業を終えたときに強制解除操作部材を離脱し忘れた場合には、作業空間から出て保守扉を施錠しようとした時点で、強制解除操作部材が装着されたままであることに気付くことができる。
したがって、作業空間の外側に設けられたキースイッチを切り換え操作しようとする時点よりも早い時点で、制動手段が強制解除状態のままであることに気付くことができ、強制解除操作部材を離脱させるために作業空間に再び入って移動体まで戻るとしても、キースイッチが設けられた場所から移動体まで戻って強制解除操作部材を離脱させる場合よりも、短時間で作業を済ませることができるので、やり直しによる作業効率の低下を極力抑えることができる。
しかも、保守扉を施錠及び開錠する保守扉用の操作キーをキースイッチに対する操作キーにて兼用しているので、保守扉を施錠及び開錠する場合とキースイッチを切り換え操作する場合とで操作キーとをいちいち使い分ける手間が省けるので、取扱い性が良い。
このように、本発明の第3特徴構成によると、強制解除操作部材を離脱し忘れた場合に生じるやり直しによる作業効率の低下を極力抑えることができ、しかも、保守扉を設けた場合でも取扱い性が良い物品搬送設備を得るに至った。
以下、本発明の物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態においては、図1に示すように、物品搬送設備が、物品収納棚1の間に形成された走行経路2を走行自在なスタッカークレーン3を備えた自動倉庫設備にて構成されている。
物品収納棚1は、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置されている。各物品収納棚1は、前後一対の支柱1aが左右方向に間隔を隔てて複数立設され、前後一対の支柱1aの夫々には、左右方向に延びる載置支持部1bを上下方向に間隔を隔てて複数配設されている。そして、前後一対の支柱1aと左右一対の載置支持部1bとにより一つの収納部4が形成され、この収納部4が縦横に複数並べて設けられている。
各物品収納棚1の間に形成されている直線状の走行経路2の床面側には、走行レール5が、また、天井側には図外のガイドレールが物品収納棚1の長手方向に沿って設置されている。そして、走行レール5の一端側には、スタッカークレーン3の運転を管理する地上側コントローラ7と、外部から搬入されて自動倉庫へ入庫される物品を一時的に載置し、また、自動倉庫から出庫され外部へ搬出される物品を一時的に載置するための荷載置台8とが設けられている。
走行経路2の端部側箇所には、スタッカークレーン3による物品搬送作業が行われる作業空間と外部とを仕切るフェンス13が設けられている。フェンス13には、作業者が作業空間に出入するための施錠可能な保守扉14が設けられている。この保守扉14は、スタッカークレーン3のメンテナンス等の必要時にだけ開閉操作されるものであり、通常運転時は閉状態となった上で施錠されている。
スタッカークレーン3は、走行レール5上を走行経路2に沿って走行自在な物品搬送用の移動体としての走行台車10と、この走行台車10に立設された走行台車10の移動方向で前後一対の四角柱状の昇降用マスト11と、これらの昇降用マスト11に沿って形成された昇降経路を昇降自在な昇降台12とを備えて構成されている。
そして、走行台車10が走行経路2の地上側の走行レール5に走行案内され、かつ、一対の昇降用マスト11の各上端部を連結する図外の上部フレームが走行経路2の天井側のガイドレールに案内された状態で走行台車10が自走することにより、収納棚1の横方向に移動自在としてある。
走行台車10には、走行レール5上を走行自在な前後一対の走行車輪6が設けられ、これら一対の走行車輪うちの車体前後方向の一端側の車輪が、駆動手段としての走行用モータM1にて駆動される推進用の駆動輪6aとして構成され、車体前後方向の他端側の車輪が、遊転自在な従動輪6bとして構成されている。
このように、走行台車10は、駆動手段としての走行用モータM1の駆動力にて走行移動自在に構成されている。
走行用モータM1は、制動手段としての直流電磁ブレーキB(以下、走行用ブレーキBという。)を備えた三相交流モータにて構成してある。
図4に示すように、走行用ブレーキBは、走行用モータM1の回転駆動軸15と一体回転自在に設けられたブレーキディスク16と、押圧バネ17にてブレーキディスク16に押圧される制動状態に付勢されたアーマチュア18と、アーマチュア18を回転駆動軸15の軸心方向に摺動させる電磁力を発生させる電磁石コイル19等にて構成された無励磁スプリング制動形の電磁ブレーキである。
そして、走行用ブレーBは、固定コアに設けた電磁石コイル19に励磁電流が流れていない無励磁状態では、押圧バネ17の弾性付勢力により、ブレーキディスク16にアーマチュア18が押圧されて回転駆動軸15の回転作動が制動される制動状態となり、電磁石コイル19に励磁電流が流れている状態では、電磁石コイルにて発生する電磁力により固定コア側に吸着され、ブレーキディスク16からアーマチュア18が開放されて回転駆動軸15の回転作動が許容される制動解除状態となる。
このように、走行用ブレーキBは、走行台車10の移動を制動する制動状態と制動解除状態とに切り換え自在で且つ制動状態に付勢されている。
走行用モータM1には、回転駆動軸15の回転駆動量を検出するロータリエンコーダ20が設けられており、走行台車10に設けられたクレーン側コントローラ21が、当該ロータリエンコーダ20の検出情報に基づいて、地上側コントローラ7側の端部付近に予め設定された走行経路2における走行原点位置からの走行台車10の走行移動距離を算出し、これにより、走行経路2における走行台車10走行位置を検出できるようになっている。
図2に示すように、クレーン側コントローラ21は、光伝送装置22によって地上側コントローラ7と通信可能に接続されており、地上側コントローラ7から走行指令及び昇降指令の制御指令が指令されると、これらの制御指令に応じて走行用モータM1の回転駆動及び走行用ブレーキBの制動作動や昇降機構を制御する。
図示は省略するが、走行台車10には、昇降台12を昇降移動させるための昇降用モータや巻取りドラム等からなる昇降機構が設けられており、昇降台12を吊り下げ支持する昇降ワイヤを巻取り操作及び繰り出し操作して昇降経路に沿って昇降させることができるようになっている。また、昇降台12には、物品保持部としてのスライドフォーク装置を出退させることで収納部4或いは荷載置台8との間で物品Q(より詳しくは、物品Qの底部に位置するパレット及びこのパレットに載置された荷)を移載可能な移載装置9が設けられている。
地上側コントローラ7には、地上側コントローラ用電力切換装置23を介して電源からの電力が供給される。地上側コントローラ用電力切換装置23には、キースイッチとしての運転スイッチ24の切換信号が入力可能に接続されている。運転スイッチ24は地上側コントローラ7に設けられており、図3に示すように、キーシリンダ24aに適合した操作キー25にて休止位置と運転位置に切り換え操作自在に構成されている。
そして、運転スイッチ24が運転位置であると、地上側コントローラ用電力切換装置23が供給許容状態となり、地上側コントローラ7に対して電源から電力が供給され、地上側コントローラ7はスタッカークレーン3についての制御指令を指令可能となる。運転スイッチ22が休止位置であると、地上側コントローラ用電力切換装置23が供給停止状態となり、地上側コントローラ7に対して電源から電力は供給されず、地上側コントローラ7はスタッカークレーン3についての制御指令を指令できない。
つまり、地上側コントローラ7は、走行用モータM1及び走行用ブレーキBを制御してスタッカークレーン3の走行台車10を運転する運転状態と運転休止状態とにキースイッチとしての運転スイッチ24にて切り換え操作自在に構成されており、本発明の制御手段に相当する。また、運転スイッチ24は、地上側コントローラ7に設けられているので、物品搬送作業が行われる作業空間の外側に設けられている。
なお、操作キー25は、運転スイッチ24を運転位置にした状態では抜き取ることはできず、運転スイッチ24を休止位置にした状態でのみ挿抜できるようになっている。
スタッカークレーン3には、スタッカークレーン用電力切換装置26を介して電源からの電力が供給される。スタッカークレーン用電力切換装置26は走行経路2に沿って設けられた図外の給電レールに電力を出力し、スタッカークレーン3が備える給電ブラシ等で構成された集電装置により給電レールから電力を受電するように構成されている。
スタッカークレーン用電力切換装置26には、保守扉スイッチ27のオンオフ信号が入力されている。保守扉スイッチ27は保守扉14の取付け箇所に設けられており(図1参照)、保守扉14が閉状態であればオンし、閉状態でなければオフするリミットスイッチにて構成されている。
そして、保守扉14が閉状態であり保守扉スイッチ27がオンであると、スタッカークレーン用電力切換装置26が供給許容状態となり、クレーン側コントローラ21に対して電源から電力が供給され、クレーン側コントローラ21は地上側コントローラ7の制御指令に基づく制御動作を行う。また、保守扉14が閉状態でなく保守扉スイッチ27がオフであると、スタッカークレーン用電力切換装置26が供給停止状態となり、クレーン側コントローラ7に対して電源から電力は供給されず、クレーン側コントローラ21は地上側コントローラ7の制御指令に基づく制御動作を行わない。
図5に示すように、保守扉14には、保守扉キーシリンダ28が設けられている。キーシリンダ28は、運転スイッチ24についての操作キー25に対応しており、保守扉14は操作キー25にて開錠及び施錠できるようになっている。
図3、図4及び図5に示すように、運転スイッチ24に対する操作キー25と、強制解除操作部材としてのブレーキ開放用ボルト30とが、索状体としてのビニール紐29にて連結されることにより一体状態に構成されている。
説明を加えると、操作キー25には、キー側紐通し穴25aが、また、ブレーキ開放用ボルト30には、ボルト側紐通し穴30bを有するリング部材30aが設けられており、ビニール紐や針金等の作業現場において入手容易な索状体をキー側紐通し穴25aとボルト側紐通し穴30bに挿通させて結ぶだけの簡単な作業で両者を一体状態にすることができるようになっている。なお、リング部材30aはブレーキ開放用ボルト30のネジピッチに対応した厚みとしており、リング部材30aをブレーキ開放用ボルト30にねじ込むことによりネジ頭部分で固定できるようになっている。
図4(a)及び(b)に示すように、走行用モータM1には、ボルト取付け用のネジ穴31が設けられており、図4(a)に示すように、物品搬送処理を行う通常運転時は、ネジ穴31を密閉するための密閉用ボルト32が装着されている。そして、走行台車10を停止させている間は、電磁石コイル19に対する通電は行われず、走行用ブレーキBが制動状態に維持され、走行台車10を走行させる場合には、前述の通り、電磁石コイル19に通電することで、アーマチュア18を押圧バネの付勢力に打ち勝ってモータ回転軸方向に沿ってブレーキディスク16から引き離す方向(図4の紙面左に向う方向)にスライドさせて、走行用ブレーキBを制動解除状態にする。
そして、図4(b)に示すように、メンテナンス時等において走行用ブレーキBを制動状態から制動解除状態に強制操作する場合には、ネジ穴31に装着されている密閉用ボルト32を離脱させ、代わりに、ブレーキ開放用ボルト30を装着する。
ブレーキ開放用ボルト30をネジ穴31にねじ込むことで、ブレーキ開放用ボルト30の先端部をアーマチュア18に押付けて、押圧バネの付勢力に打ち勝ってモータ回転軸方向に沿ってブレーキディスク16から引き離す方向(図4の紙面左に向う方向)にスライドさせ、走行用ブレーキBを制動解除状態に強制的に操作できる。そして、ブレーキ開放用ボルト30の先端部にてアーマチュア18をブレーキディスク16から引き離した状態で装着しておくことで、制動解除状態に強制操作する強制解除状態に維持することができる。
ブレーキ開放用ボルト30と操作キー25とを連結しているビニール紐29を十分な長さにしておくことで、上記のようにブレーキ開放用ボルト30をねじ込む作業を行う際に、操作キー25が邪魔にならないようにすることができる。
次に、走行用ブレーキBを制動解除状態にする必要があるメンテナンス作業を行う場合の作業員の作業手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。
図6に示すように、まず、ステップ#1で運転スイッチ24を操作キー25にて休止位置に切り換えてから、操作キー25をキーシリンダ24から抜き取る。ステップ#2で、操作キー25にて保守扉14を開錠し、ステップ#3で保守扉14を開けて作業空間に入る。ステップ#4で走行用モータM1に装着されている密閉用ボルト32を外して、代わりに、ブレーキ開放用ボルト30を装着して、走行用ブレーキBを制動解除状態にする。
ステップ#5で所望のメンテナンス作業を行って、作業が終了すれば、ステップ#6でブレーキ開放用ボルト30を外して、代わりに、密閉用ボルト32を装着する。ステップ#7で作業空間から保守扉14を通って外部へ出て、保守扉14を閉じ、ステップ#8で操作キー25にて施錠する。ステップ#9で操作キー25を運転スイッチ24のキーシリンダ24aに挿入して、運転スイッチ24を運転位置に切り換える。
上記のメンテナンス作業手順におけるステップ#5の本作業完了後に、ステップ#6の作業をし忘れてしまった場合には、開放用ボルト30とビニール紐29にて連結された操作キー25は走行用モータM1側に置き忘れることになるので、作業者がステップ#8で保守扉14の施錠のために操作キー25を使用しようとした時点で、又は、ステップ#8での保守扉14の施錠を忘れた場合でもステップ#9で運転スイッチ24を運転位置へ切り換えるために操作キー25を使用しようとした時点で、その作業者は操作キー25が手元にないことに気付き、操作キー25をスタッカークレーン3まで取りに戻ることができる。
このように、本実施形態の物品搬送設備においては、ブレーキ開放用ボルト30が走行用モータM1のネジ穴31に装着された状態となったまま、走行用モータM1の駆動力にて走行台車10が走行することを確実に防止できる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、移動体が、有端形態の直線状の走行経路に沿って走行自在に構成されたスタッカークレーンの走行台車であるものを例示したが、これに限らず、例えば、移動体が直線箇所と曲線箇所からなる有端又は無端の走行経路に沿って走行自在な物品搬送台車等であってもよい。
(2)上記実施形態では、制動手段が、駆動手段に備えられたものを例示したが、制動手段が駆動手段に備えられていないものであってもよい。例えば、制動手段が移動用の駆動車輪に対して、又は、この駆動車輪に連結された回転駆動軸に対して制動するものや、制動手段が、移動体に設けた制動用接触体と地上側の接触対象物(例えば、床面)との間での摩擦力により移動体の移動を制動するものであってもよい。
(3)上記実施形態では、強制解除操作部材がブレーキ開放用ボルト30にて構成されたものを例示したが、これに代えて、強制解除操作部材が制動手段に設けられた被系止部に対して系止可能な系止手段を備えた操作部材であってもよい。
(4)上記実施形態では、操作キーと強制解除操作部材とが、索状体にて連結されることにより一体状態に構成されているものを例示したが、これに限らず、例えば、操作キーと強制解除操作部材とが一体成型されることにより一体状態に構成されているものであってもよい。
(5)上記実施形態では、ブレーキ開放用ボルト30に取り付けるリング部材30aにボルト側紐通し穴が設けられたものを例示したが、これに限らず、ブレーキ開放用ボルト30のネジ頭部分にボルト側紐通し穴を設けてもよいし、ボルト側紐通し穴を設けずにブレーキ開放用ボルト30のネジ頭部分に直接にビニール紐29等の索状体を結びつけることにより操作キー25とブレーキ開放用ボルト30を一体状態に構成されたものであってもよい。
(6)上記実施形態では、運転スイッチ24が地上側コントローラ用電力切換装置23を切り換えることで、制御手段としての地上側コントローラ7に対する電力の供給を断続することにより地上側コントローラ7を運転状態と運転休止状態に切り換えるように構成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、図7に示すように、地上側コントローラ7に対する電力の供給を断続する電源スイッチ33をオン状態にして地上側コントローラ7が起動している状態において、キースイッチとしての運転スイッチ34にて地上側コントローラ7を運転状態及び運転休止状態に切り換えるように構成されたものであってもよい。
この場合、運転スイッチ34は、例えば、上位の管理コンピュータが指令する物品処理指令に基づいてスタッカークレーン3の作動を制御するオンラインモード(運転状態)と、地上側コンピュータに備えた入力手段にて入力されるマニュアル操作指令に基づいてスタッカークレーン3の作動を制御するマニュアルモード(運転休止状態)とに、地上側コントローラ7の動作モードを切り換えるように構成してもよい。
物品搬送設備の実施形態の平面図 制御ブロック図 操作キーを運転スイッチに差し込む様子を示した説明図 (a)通常運転時における走行用モータの一部縦断側面図及び(b)メンテナンス時における強制解除状態での走行用モータの一部縦断側面図 フェンスに設けられた保守扉のキーシリンダ部の拡大斜視図 メンテナンス作業手順のフローチャート 別実施形態における制御ブロック図
符号の説明
M1 駆動手段
B 制動手段
7 制御手段
10 移動体
14 保守扉
24 キースイッチ
25 操作キー
29 索状体
30 強制解除操作部材

Claims (3)

  1. 駆動手段の駆動力にて移動自在な物品搬送用の移動体と、
    前記移動体の移動を制動する制動状態と制動解除状態とに切り換え自在で且つ前記制動状態に付勢された制動手段と、
    前記駆動手段及び前記制動手段を制御して前記移動体を運転する運転状態と運転休止状態とにキースイッチにて切り換え操作自在な制御手段と、
    前記制動手段を前記制動状態から前記制動解除状態に強制操作する強制解除状態となるように装着自在で且つ離脱自在な強制解除操作部材とが設けられた物品搬送設備であって、
    前記キースイッチに対する操作キーと前記強制解除操作部材とが一体状態に構成されている物品搬送設備。
  2. 前記操作キーと前記強制解除操作部材とが、索状体にて連結されることにより一体状態に構成されている請求項1記載の物品搬送設備。
  3. 前記移動体による物品搬送作業が行われる作業空間に作業者が出入するための施錠可能な保守扉を備え、
    前記キースイッチが前記作業空間の外側に設けられ、
    前記保守扉が、前記操作キーにて施錠及び開錠されるように構成されている請求項1又は2記載の物品搬送設備。
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