JP2009173801A - シアン顔料、その製造方法及び画像記録用着色組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される電子写真用重合トナーに用いられる色材としてのシアン顔料に関する。
【解決手段】銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを組み合わせて製造したシアン顔料。銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを混合して濃硫酸に溶解し、水等に結晶析出した後、湿式摩砕したシアン顔料。及びそれを用いて作成した電子写真用重合トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、色材として用いられるシアン顔料に関するものであり、さらに電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される電子写真用トナーに関する。
従来より、電子写真方式には多様な方法が知られており、一般的には、静電潜像担持体表面を帯電させて、該帯電させた静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、静電潜像をトナーで現像し、静電潜像担持体上にトナー像を形成する。また、中間転写体を介して、又は直接的に静電潜像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写し、この転写されたトナー像を加熱、加圧又はこれらの併用によって定着することにより、記録媒体上に画像が形成された記録物が得られる。なお、トナー像転写後の静電潜像担持体上に残ったトナーは、ブレード、ブラシ、ローラ等の既知の方法によりクリーニングされる。
近年、電子写真技術の動向として、高画質化、デジタル化、カラー化、高速化が要求されている。例えば、解像度は1200dpi以上の高解像のものが検討されており、この点を実現するため、これまで以上に高精細の画像形成方法が望まれている。静電潜像を可視化するトナー及び現像剤に対しても、高精細画像を形成するため、更なる小粒径化が検討され、実現化されつつある。
一般に、トナーはトナーバインダー中に、顔料、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その種類には、大別して粉砕トナーと重合トナー(ケミカルトナー)がある。近年では高画質化のためトナーの小径化が進む傾向にある。しかしながら小粒径化が進むにつれて転写性、定着性が低下し、貧弱な画像となってしまう問題がある。特に、中間転写体を用いる画像形成方式では、トナーの転写性が低い場合に、トナー像の一部が転写されず、中抜けや転写チリなどが発生する。更には、カラー画像の場合は、中間転写体上に1色から3色のトナー層が、積層して付着することになるため、転写不良による画像品質の低下は大きい。また、画像のデジタル化に対応するため、画像を形成するドットの均一性が要求されており、ドットを形成するトナーにも均一性が求められている。
従って、従来より主に用いられてきた機械的な粉砕方式によって作製された形状が不均一な粉砕トナーよりも、熱気流造粒法、流動造粒法により粉砕トナーに球形処理を施したトナーや、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などによる重合トナー(ケミカルトナー)の球形トナーが用いられている。
一般的に粉砕トナーの製法は、顔料と樹脂をヘンシェルミキサー等で混合後、2軸押し出し機で加熱、混合して樹脂中に顔料を均一に分散したマスターバッチを製造する。これを粉砕機で粉砕して微粒子化後、分級機で5〜10μmの均一なトナーに仕上げる。
また重合トナー(ケミカルトナー)の製法は、顔料を分散剤を用いて微細な顔料分散体を作成し、この分散体にモノマーを添加し、水相と混合して微細なエマルジョンを形成しながら同時に重合を行い、球形トナーを作成する方法で粉砕工程は省力できる。
特開平5−232744号公報
シアン用顔料は一般には銅フタロシアニンが用いられている。この顔料は分散性、濃度、耐候性、耐熱性、帯電性について他に類を見ない顔料であるがジャパンカラーのシアン値からは色差で8以上ずれている。そのために銅フタロシアニンより黄味であるC.I.ピグメント グリーン7、C.I.ピグメント グリーン36が補色として用いられている場合があるが、加色混合による彩度の低下は免れないし、また塩素が含まれているためにエコロジー面でも問題がある。
銅フタロシアニンを含まないシアン顔料として例えば特開平5−232744号公報には無金属フタロシアニンを含有した電子写真用トナーも開示されているが、顔料の分散不良のために、トナーの彩度は低い。特開2004−20908公報には顔料としてアルミニウムフタロシアニンを用い、エステルワックスとポリエステルを併用してトナーを作成することで鮮やかで均一な色相を有すると開示されている。しかし色相としてはジャパンカラーのシアン値からは色差で8以上ずれている。また特開平2−170166には電子写真感光体用として金属が異なるフタロシアニンの混晶の記載があるがトナー用途についての記述はない。
またトナーの顔料として銅フタロシアニン顔料を用いた場合、高湿環境下では帯電量が低下し、画像濃度が変化したり、カブリが発生する等の不具合が生じることがある。この不具合は、該顔料中の遊離銅の含有量と関係があり、遊離銅の少ない顔料が求められている。
銅フタロシアニン顔料は、ポルフィリン環を配位子とし、銅を中心金属とする錯体顔料である。銅フタロシアニンの代表的製造方法であるワイラー(Wyler)法では、常圧法、加圧法に拘わらず無水フタル酸、尿素と塩化第一銅等の銅塩が使用され、フタロジニトリル法では、フタロジニトリルと銅塩が使用される。また、縮合触媒としては、モリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等が使用される。銅フタロシアニン顔料は、通常上記の製造方法により顔料クルードを合成した後、ソルトミリング、ソルベントソルトミリングやアシッドスラリー法により顔料化処理することで製造されている。これらの顔料化処理は、いずれも顔料クルードの微粒子化および結晶形の変換を目的としたものであり、錯体の中心金属として顔料中に取り込まれなかった未反応の銅塩をある程度しか取り除くことができず、遊離銅が顔料粒子中に残存することは避けられない。また遊離銅は数%濃度の酸による洗浄では完全に除去することができない。
そのためこれらの方法で得られた顔料は粒子中に遊離銅を含有しており、トナー用途として加工する際、種々の分散媒体中に分散されたとき、分散条件により磨砕(破砕)された顔料粒子中から未反応の銅が遊離析出してくる。
顔料に含まれる不純物としては、遊離銅の他にも数多く含まれ、原料中に含まれたあるいは合成時に副成された化合物(例えば、フタル酸、フタルイミド、無水フタル酸など)や尿素系化合物などが挙げられる。一般に、合成直後の銅フタロシアニンには、不純物が多量(30重量%前後)に含まれており、酸処理、アルカリ処理などの工程である程度まで精製される。さらに顔料化工程中でも精製は進み、最終的にはほとんどの不純物が除去される。しかし顔料の結晶中に取り込まれた不純物は、除去することが困難である。顔料中に含有される不純物は、トナー作成時の鮮明性や着色力や安定性低下の要因になる。
本発明では鮮明で黄味かつ遊離銅が400ppm以下で純度が97%以上のシアン顔料およびシアントナーを提供することを目的とする。
即ち本発明は、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを濃硫酸に溶解し、水等に析出させる工程を経た後、無機塩類と有機溶剤の存在下で湿式粉砕してなるシアン顔料。純度が97%以上で、遊離銅が400ppm以下の請求項1記載のシアン顔料。ジャパンカラーのシアン値(a*=−37.0、b*=−50.1)からの色差が3以内で且つ彩度C=60.0以上を満たすシアン顔料に関する。
また本発明は、平均粒子径が200nm以下である上記シアン顔料に関する。
また本発明は、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンの比率が99〜60重量%:1〜40重量%である上記シアン顔料に関する。
さらに本発明は、電子写真用トナーとして用いる上記シアン顔料に関する。
本発明は、色材として用いられるシアン顔料に関するものであり、さらに電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される重合トナーに関して、ジャパンカラーの色域を満足する印字物が得られる。
銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを濃硫酸中に溶解し、この硫酸溶液を水または氷水に加えて、あるいは氷上に加えてフタロシアニンの結晶を析出させ、これを濾過、水洗することで純度が高く遊離銅が400ppm以下の顔料が得られる。銅フタロシアニンのみを濃硫酸中で溶解し結晶析出させた後、湿式粉砕した顔料は、遊離銅は少ないものの、赤味でジャパンカラーのシアン値からの色差は非常に大きい。ニッケルフタロシアニンを一緒に結晶析出させた後、湿式粉砕することで、遊離銅が少なく、黄味の色相が得られる。濃硫酸に溶解することで遊離銅以外の不純物も除去され、純度は97%以上になり、鮮明性及び着色力も向上する。
また銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを一緒に結晶析出させることで、お互いの顔料が混晶及び類似した状態を形成する。
微細化およびβ型への結晶転移を目的に無機塩類と有機溶剤の存在下で湿式粉砕すると、それぞれを単独で湿式粉砕したときに比べ粒子径が小さい顔料が得られるため、高濃度な印字物が得られる。彩度についても本発明のシアン顔料はジャパンカラー値(62.3)に近い60以上の値を得ることができる。
本発明においてフタロシアニン顔料は、結晶系がα型、β型、ε型などいずれのものを用いることもできる。本発明で結晶析出させた後の結晶系はα型であり、湿式粉砕の条件を変えることで結晶系を変えることができる。湿式粉砕の工程で溶剤及び熱でβ型銅フタロシアニンに結晶転移させた方が、最終的にシアントナーの色相を黄味にするのに有利であるため好ましい。
本発明は、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを混合して用いることによって、彩度が高くジャパンカラーの色域を満足するシアン顔料を得ることを特徴とする。混合比は任意で選べるが、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンの比率が99〜60重量%:1〜40重量%、中でもニッケルフタロシアニンが5〜30重量%であることが好ましい。ニッケルフタロシアニンが少ないと黄味の色相が得られず、ジャパンカラーの色域を満足できない。ニッケルフタロシアニンが40重量%を超えると過度に黄味の色相になりジャパンカラーの色域からの色差が大きくなり、逆に彩度は低下する。
本発明において遊離銅を400ppm以下にするためには、硫酸等の酸に顔料を溶解し、酸で遊離銅を溶解除去することが必要である。顔料を溶解させる酸としては、90%以上の硫酸が好ましい。フタロシアニンを、顔料に対して6重量倍以上の量の濃硫酸に完全に溶解し、この溶液を、該硫酸溶液量の10重量以上の量の水、氷水、あるいは氷上に注いでフタロシアニン顔料の結晶を析出させる。
本発明において、顔料中の遊離銅の含有量は以下の方法で測定した。
(顔料の遊離銅測定方法)該顔料0.5gを10mlの95%濃硫酸に完全に溶解し、この硫酸溶液を100mlの氷水に徐々に加えて該顔料の結晶を析出させ、該結晶をろ別、200mlの洗浄水で洗浄し、ろ液と洗浄水との混合液中の銅の含有量を原子吸光分析法(日立製作所製偏光ゼーマン原子吸光分光光度計Z8100型を使用)で測定した値である。
硫酸等の酸に顔料を溶解する工程で、原料中に含まれたあるいは合成時に副成された化合物や遊離銅を除去することで、純度が97%以上になる。純度としては97%、中でも98%以上が好ましい。
本発明において、顔料の純度は以下の方法で測定した。
Figure 2009173801
(顔料の純度測定方法)200mlビーカーに顔料5.0gを量り取り、98重量%硫酸50gを加え、加熱溶解(90〜100度、4時間)させる。この溶液に15重量%硫酸を150ml加えて再結晶させる。放置冷却後、250mlの蒸留水を加えて再結晶を完了させ、濾過及び水洗した後、400mlの蒸留水に解膠し、加熱(90〜100度、30分)する。濾過及び水洗した後、110℃で2時間乾燥し、質量を測定する。
本発明において、結晶析出及び湿式粉砕時の条件を変えることで、得られる顔料の粒子径を変えることができる。高濃度で均一なトナーを製造するためには、粉砕トナーにおいては平均粒子径が200nm以上であると十分な発色が得られない。また重合トナーにおいては微細な顔料分散体を作成する必要があり、平均粒子径が200nm以下であるとトナー作成時に高濃度な印字物が得られる。中でも平均粒子径100nm以下が好ましい。
本発明において、粗製銅フタロシアニン顔料の微細化を促進する目的や、トナー作成時の分散性向上の目的で、顔料誘導体を添加してもよい。添加する顔料誘導体としては、特に制限はないが、スルホン酸基を有する銅フタロシアニン、スルホン酸アミド基を有する銅フタロシアニン、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン等が挙げられる。顔料誘導体は、顔料の合成時、粗顔料の調整時や顔料化時、結晶析出時、湿式粉砕時いずれの工程で加えてもよい。
本発明において湿式粉砕工程で使用する装置については特に制限はないがトリミックス(井上製作所製)、スーパーミックス(新栄機械製)や摩砕効果が高いニーダー(井上製作所製)等の装置を用いることができる。
本発明において湿式粉砕工程で使用する無機塩類としては、水溶性無機塩が好適に使用出来、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することが好ましい。
湿式粉砕工程で使用する有機溶剤としては、無機塩類、有機溶剤を顔料から分離可能な粘性の高い水溶性有機溶剤が望ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテール、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。しかし少量用いることで顔料に吸着して廃水中に流失しないならばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いても良く、また必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。
本発明における湿式粉砕工程装置の運転条件については特に制限はないが粉砕メディアによる磨砕を効果的に進行させるため、以下の条件が特に好ましい。
湿式粉砕工程装置がニーダーの場合の運転条件は以下の通りである。運転時間は1時間〜20時間が好ましく、装置の内温は50〜150℃が好ましい。また粉砕メディアである無機塩は粉砕粒度が5〜50μmで粒子径の分布がシャープで且つ小さく、球形が好ましく、無機塩の使用量は顔料の1〜50倍重量、多い方が摩砕効果はあるが、より好ましい量は生産性の点で1〜10倍重量で、さらに水分が1%以下であることが好ましい。有機溶剤の使用量は、顔料に対して50重量%から300重量%の範囲であり、好ましくは100重量%から200重量%の範囲である。
濾過、水洗後の乾燥工程としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120度の加熱等により、顔料の脱水を行う回分式或いは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般的に、箱型乾燥機、真空乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が使用される。
また、乾燥後の粉砕工程としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いて乾燥した場合のように、顔料がランプ状等になった際に粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕が挙げられる。尚、得られた粉末を篩い又は気流分級機等を使用することにより、粗粒を除くことができる。
本発明においては、必要に応じて樹脂、界面活性剤等を添加してもよい。使用する樹脂としては、特に制限はないが、ロジン、ロジン誘導体、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ゴム誘導体、タンパク誘導体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリイミド樹脂、アルキッド樹脂、ゴム系樹脂、セルロース類、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、および上記樹脂のオリゴマー、モノマー類を挙げることができる。樹脂、界面活性剤等はいずれの工程で加えてもよい。
粉砕トナーの製造法は一般にはポリエステル系、スチレンアクリル系の樹脂と顔料をヘンシェルミキサー等で混合後、2軸押し出し機で加熱、混合して樹脂中に顔料を均一に分散したマスターバッチを製造する。これを粉砕機で粉砕して微粒子化後、分級機で5〜10μmの均一なトナーにし、電荷調整剤、シリカ等の流動性付与剤を添加して仕上げる。
重合トナーの製造法はまず顔料分散体をする。この方法は酢酸エチルを75%、分散剤として例えばソルスパーズ36000を5%、顔料を20%用いてサンドミル等で分散させて分散粒径150nm以下の分散体を作成する。
この分散体にモノマーを添加して、さらに水中に滴下して微細なエマルジョンを作成する。加熱、攪拌を行い、粒径5から10μmの顔料が均一に分散した球形の着色樹脂粒子を作成する。この着色樹脂粒子に電荷調整剤、シリカ処理等を添加してトナーを作成する。
モノマーにはスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、テレフタル酸、エチレングリコール等がある。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、「部」および「%」は「重量部」および「重量%」を表す。
[実施例1]
粗製銅フタロシアニン75部と粗製ニッケルフタロシアニン25部を95%濃硫酸1000部に攪拌しながら、徐々に添加し、溶解させた。2時間攪拌し、完全に溶解させた。この硫酸溶液を15リットルの氷水に徐ヶに添加して顔料を析出させ、濾過、水洗、乾燥してα型の顔料を得た。得られたα型顔料を、塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール100部を井上製作所製ラボ3Lニーダー中で、内容物の温度を100〜110度に保って6時間湿式摩砕した。内容物を取り出し後、水3000部で塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを加熱70℃、60分攪拌して溶解させた。このスラリーを濾過、水洗して不純物を精製後、乾燥機で90℃、24時間熱処理を行なって、乾燥顔料を得た。ラボ用小型粉砕機で粉砕して平均粒子径80nm、遊離銅190ppmの顔料を85部得た。
[実施例2]
湿式摩砕の開始5時間後にロジンを添加し、顔料と混練した以外は、実施例1に従い平均粒子径80nmの顔料を得た。
[実施例3]
ベンゼン環に1〜2モルのフタルイミドメチル基が結合したフタルイミドアルキル化銅フタロシアニン10部を濃硫酸溶解時に加えた以外は実施例1に従い平均粒子径70nmの顔料を得た。
[実施例4]
粗製銅フタロシアニン90部と粗製ニッケルフタロシアニン10部に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径100nmの顔料を得た。
[実施例5]
粗製銅フタロシアニン65部と粗製ニッケルフタロシアニン35部に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径60nmの顔料を得た。
[実施例6]
硫酸濃度を98%に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径50nmの顔料を得た。
[比較例1]
粗製ニッケルフタロシアニン100部・粗製銅フタロシアニン100部をそれぞれ単独に実施例1に従い湿式摩砕して、ニッケルフタロシアニン組成物および銅フタロシアニン組成物をそれぞれ得た。得られたニッケルフタロシアニン組成物25部と銅フタロシアニン組成物75部を混合して、平均粒子径110nmの顔料を得た。
[比較例2]
粗製銅フタロシアニン100部に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径110nmの顔料を得た。
資料の作成、評価は下記のようにした。
実施例1〜6、比較例1〜2の顔料について、酢酸エチルを75部、ソルスパーズ36000を5部、顔料を20部用いてジルコニアビーズ1mmΦを300g加えてペイントコンディショナーで3時間分散させて、顔料分散体を作成した。a*、b*、c*値は顔料分散体にバインダーであるポリエステル樹脂を5%添加して紙に展色した後に日本電色社製の測色機で測色し、色差はジャパンカラーのシアン値と比較して算出した。また彩度
c*=(a*+b*1/2
トナーの評価はリコー社製のレーザープリンターを用いて印字を行い、印字物の濃度をグレタック社製のマクベス反射率濃度計を用いて濃度=ID値(イメージデンシティ)を測定した。比較例1のID値と比較して相対濃度で表示した。上を表1にまとめた。
その結果、実施例1〜6の顔料から得られた結果は比較例1、2と比較して彩度が高くジャパンカラーの色域を満足するものが得られた。
本発明のシアン顔料を用いれば、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される重合トナーにおいて彩度が高くジャパンカラーの色域を満足する印字物が得られる。
Figure 2009173801

Claims (7)

  1. 銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを硫酸中に溶解し水に析出させる工程を経て、次いで無機塩類と有機溶剤の存在下で湿式粉砕することを特徴とするシアン顔料。
  2. 顔料中に含まれる遊離銅の含有量が400ppm以下である請求項1記載のシアン顔料。
  3. 純度が97%以上である請求項1または2記載のシアン顔料。
  4. 平均粒子径が200nm以下である請求項1〜3いずれか記載のシアン顔料。
  5. 銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンの比率が99〜60重量%:1〜40重量%である請求項1〜4いずれか記載のシアン顔料。
  6. ジャパンカラーのシアン値(a*=−37.0、b*=−50.1)からの色差が3以内で且つ彩度C=60.0以上を満たす請求項1〜5いずれか記載のシアン顔料。
  7. 電子写真用トナーとして用いる請求項1〜6いずれか記載のシアン顔料。


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