JP2009173800A - シアン顔料、その製造方法及び画像記録用着色組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される電子写真用重合トナーに用いられる色材としてのシアン顔料を提供すること。
【解決手段】銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを組み合わせて製造したシアン顔料。銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを混合して乾式粉砕後、さらに湿式粉砕したシアン顔料。変動係数(標準偏差/平均粒子径)が50%以下である粒度分布を有する上記シアン顔料。及びそれを用いて作成した電子写真用重合トナー。
【選択図】なし
【解決手段】銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを組み合わせて製造したシアン顔料。銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを混合して乾式粉砕後、さらに湿式粉砕したシアン顔料。変動係数(標準偏差/平均粒子径)が50%以下である粒度分布を有する上記シアン顔料。及びそれを用いて作成した電子写真用重合トナー。
【選択図】なし
Description
本発明は、色材として用いられるシアン顔料に関するものであり、さらに電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される電子写真用トナーに関する。
従来より、電子写真方式には多様な方法が知られており、一般的には、静電潜像担持体表面を帯電させて、該帯電させた静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、静電潜像をトナーで現像し、静電潜像担持体上にトナー像を形成する。また、中間転写体を介して、又は直接的に静電潜像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写し、この転写されたトナー像を加熱、加圧又はこれらの併用によって定着することにより、記録媒体上に画像が形成された記録物が得られる。なお、トナー像転写後の静電潜像担持体上に残ったトナーは、ブレード、ブラシ、ローラ等の既知の方法によりクリーニングされる。
近年、電子写真技術の動向として、高画質化、デジタル化、カラー化、高速化が要求されている。例えば、解像度は1200dpi以上の高解像のものが検討されており、この点を実現するため、これまで以上に高精細の画像形成方法が望まれている。静電潜像を可視化するトナー及び現像剤に対しても、高精細画像を形成するため、更なる小粒径化が検討され、実現化されつつある。
一般に、トナーはトナーバインダー中に、顔料、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その種類には、大別して粉砕トナーと重合トナー(ケミカルトナー)がある。近年では高画質化のためトナーの小径化が進む傾向にある。しかしながら小粒径化が進むにつれて転写性、定着性が低下し、貧弱な画像となってしまう問題がある。特に、中間転写体を用いる画像形成方式では、トナーの転写性が低い場合に、トナー像の一部が転写されず、中抜けや転写チリなどが発生する。更には、カラー画像の場合は、中間転写体上に1色から3色のトナー層が、積層して付着することになるため、転写不良による画像品質の低下は大きい。また、画像のデジタル化に対応するため、画像を形成するドットの均一性が要求されており、ドットを形成するトナーにも均一性が求められている。
従って、従来より主に用いられてきた機械的な粉砕方式によって作製された形状が不均一な粉砕トナーよりも、熱気流造粒法、流動造粒法により粉砕トナーに球形処理を施したトナーや、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などによる重合トナー(ケミカルトナー)の球形トナーが用いられている。
一般的に粉砕トナーの製法は、顔料と樹脂をヘンシェルミキサー等で混合後、2軸押し出し機で加熱、混合して樹脂中に顔料を均一に分散したマスターバッチを製造する。これを粉砕機で粉砕して微粒子化後、分級機で5〜10μmの均一なトナーに仕上げる。
また重合トナー(ケミカルトナー)の製法は、顔料を分散剤を用いて微細な顔料分散体を作成し、この分散体にモノマーを添加し、水相と混合して微細なエマルジョンを形成しながら同時に重合を行い、球形トナーを作成する方法で粉砕工程は省力できる。
シアン用顔料は一般には銅フタロシアニンが用いられている。この顔料は分散性、濃度、耐候性、耐熱性、帯電性について他に類を見ない顔料であるがジャパンカラーのシアン値からは色差で8以上ずれている。そのために銅フタロシアニンより黄味であるC.I.ピグメント グリーン7、C.I.ピグメント グリーン36が補色として用いられている場合があるが、加色混合による彩度の低下は免れないし、また塩素が含まれているためにエコロジー面でも問題がある。
銅フタロシアニンを含まないシアン顔料として例えば特開平5−232744号公報には無金属フタロシアニンを含有した電子写真用トナーも開示されているが、顔料の分散不良のために、トナーの彩度は低い。特開2004−20908公報には顔料としてアルミニウムフタロシアニンを用い、エステルワックスとポリエステルを併用してトナーを作成することで鮮やかで均一な色相を有すると開示されている。しかし色相としてはジャパンカラーのシアン値からは色差で8以上ずれている。また特開平2−170166には電子写真感光体用として金属が異なるフタロシアニンの混晶の記載があるがトナー用途についての記述はない。
また、トナー中の発色性、彩度、色相には顔料の平均粒子径及び整粒度合いが大きな要因として上げられる。一般に粗大な顔料粒子を微細、整粒化させる方法として現在広く用いられている方法に、湿式粉砕法、乾式粉砕法等がある。湿式粉砕法の一方法であるソルベントソルトミリング法は、粗大な粗製顔料粒子を塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等の無機塩類とエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の粘性の高い水溶性有機溶剤の存在下で、ニーダー等により機械的に摩砕して顔料化する方法で一般的に広く用いられている。このソルベントソルトミリング法は、微細、整粒化させるのには有効な方法である。しかし通常使用されているレベルよりさらに微細化、整粒化が求められてくると、多くの無機塩類による摩砕や長時間の摩砕により達成は可能であるが、電力消費量が大きいため、単位エネルギー当たりの生産性が悪く顔料は高価になってしまう。また顔料に対して数倍量以上の無機塩類と数倍量以上の有機溶剤を使用するため、これらの無機塩類、有機溶剤を顔料から分離した後の洗浄、ろ過工程で発生する大量の水、有機溶剤及び無機塩混合の廃液は、COD値、BOD値が高く、産業廃棄物としての処理工程が必要であり、コストアップや環境に与える負荷も大きいという点で問題である。また微細化のみで整粒が不十分だと着色組成物が高粘度になる欠点もある。
乾式粉砕法は、粗大な粗製顔料粒子をボールミル、アトライター、振動ミル等により乾式で粉砕することで顔料化を行う方法でありソルベントソルトミリング法と比較して単位エネルギー当たりの生産効率は良く、環境に負荷を与える産業廃棄物が発生しない点では好ましい方法である。しかしながら乾式粉砕を単に適用すると粗製顔料粒子を微細化することはできるものの粒子径のばらつきが大きくまた粒子間の凝集力が極めて強いため多くの場合得られた顔料は多数の微細化された一次粒子が極めて強い力で結合した巨大な凝集体しか得られない。
特開2002−88269号公報には銅フタロシアニン粗製顔料を単独で少量の有機溶剤と共存化で乾式粉砕することによりアスペクト比が小さいすなわち整粒化が進んだ顔料の製造法が開示されている。また特開平8−41368には粗製顔料をワックス及びステアリルアミンまたはオレイルクロリドと乾式粉砕後、水系懸濁液中で湿式摩砕することで塗料、印刷インキ及びプラスチックで高着色力のものは得られる記述があり、特開平3−84067号公報には粗製銅フタロシアニンを乾式粉砕を行い、その後アルコール類と無機塩と共存化で湿式粉砕してβ型結晶にする顔料の製造法が開示されておるがいずれも銅フタロシアニン単独である。
特開2002−88269号公報には銅フタロシアニン粗製顔料を単独で少量の有機溶剤と共存化で乾式粉砕することによりアスペクト比が小さいすなわち整粒化が進んだ顔料の製造法が開示されている。また特開平8−41368には粗製顔料をワックス及びステアリルアミンまたはオレイルクロリドと乾式粉砕後、水系懸濁液中で湿式摩砕することで塗料、印刷インキ及びプラスチックで高着色力のものは得られる記述があり、特開平3−84067号公報には粗製銅フタロシアニンを乾式粉砕を行い、その後アルコール類と無機塩と共存化で湿式粉砕してβ型結晶にする顔料の製造法が開示されておるがいずれも銅フタロシアニン単独である。
本発明は鮮明で黄味で高濃度で且つ安価なシアン顔料およびシアントナーを提供することを目的とする。
特開平5−232744号公報
即ち本発明は、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを乾式粉砕しプレ顔料とする工程、該プレ顔料に対して無機塩類と有機溶剤の存在下で湿式粉砕する工程からなるシアン顔料に関する。
また本発明は、変動係数(標準偏差/平均粒径)が50%以下である粒度分布を有するシアン顔料に関する。
また本発明は、平均粒子径が200nm以下である上記シアン顔料に関する。 また本発明は、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンの比率が99〜60重量%:1〜40重量%である上記シアン顔料に関する。
また本発明は、ジャパンカラーのシアン値(a*=−37.0、b*=−50.1)からの色差が3以内で且つ彩度c*=60.0以上を満たすシアン顔料に関する。
また本発明は、変動係数(標準偏差/平均粒径)が50%以下である粒度分布を有するシアン顔料に関する。
また本発明は、平均粒子径が200nm以下である上記シアン顔料に関する。 また本発明は、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンの比率が99〜60重量%:1〜40重量%である上記シアン顔料に関する。
また本発明は、ジャパンカラーのシアン値(a*=−37.0、b*=−50.1)からの色差が3以内で且つ彩度c*=60.0以上を満たすシアン顔料に関する。
さらに本発明は、電子写真用トナーとして用いる上記シアン顔料に関する。
本発明は、色材として用いられるシアン顔料に関するものであり、さらに電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される、粉砕トナー、重合トナーに関して、ジャパンカラーの色域を満足する印字物が得られる。銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを乾式粉砕時に混合し、さらに湿式粉砕することで、トナー作成時に混合したときに比べ結晶段階でお互いの顔料が強固に結びつき、混晶及び類似した状態を形成する。その結果、銅フタロシアニンを単独で湿式粉砕したときに比べ平均粒子径が小さくさらに整粒化した顔料が得られ、高濃度な印字物が得られる。彩度についても本発明のシアン顔料はジャパンカラー値(62.3)に近い60以上の値を得ることができる。
本発明において銅フタロシアニンは、結晶系がα型、β型、ε型などいずれのものを用いることもできる。粗製のβ型、ε型の銅フタロシアニンは乾式粉砕後にはα型との混合結晶になり、α型の銅フタロシアニンは乾式粉砕後も同型であるが、湿式粉砕の工程で溶剤及び熱でβ型銅フタロシアニンに結晶転移させた方が、最終的にシアントナーの色相を黄味にするのに有利であるため好ましい。ニッケルフタロシアニンについてもいずれの結晶系のものを用いることもできるが、同様の理由でβ型ニッケルフタロシアニンを用いることが好ましい。
本発明は、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを混合して用いることによって、彩度が高くジャパンカラーの色域を満足するシアン顔料を得ることを特徴とする。混合比は任意で選べるが、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンの比率が99〜60重量%:1〜40重量%、中でもニッケルフタロシアニンが5〜20重量%であることが好ましい。ニッケルフタロシアニンが少ないと黄味の色相が得られず、ジャパンカラーの色域を満足できない。ニッケルフタロシアニンが40重量%を超えると過度に黄味の色相になりジャパンカラーの色域からの色差が大きくなり、逆に彩度は低下する。
本発明において、粗製銅フタロシアニン顔料の微細化を促進する目的や、トナー作成時の分散性向上の目的で、顔料誘導体を添加してもよい。添加する顔料誘導体としては、特に制限はないが、スルホン酸基を有する銅フタロシアニン、スルホン酸のアミン塩にした基を有する銅フタロシアニン、スルホン酸アミド基を有する銅フタロシアニン、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン等が挙げられる。顔料誘導体は、粗顔料の合成時や調整時、乾式粉砕時、湿式粉砕時いずれの工程で加えてもよい。
本発明において乾式粉砕工程(1)で使用する装置については特に制限はないが、ビーズ等の粉砕メディアを内蔵した通常の乾式粉砕機、例えばボールミル(セイワ技研)、アトライター(三井鉱山株式会社製)、振動ミル(中央化工製)などの装置を用いることができる。粉砕は粉砕メディア同士の衝突や摩擦を通じて進行する。また必要に応じて粉砕容器の内部を減圧したり、窒素ガスなどの不活性ガスを充填して行ってもよい。
本発明における乾式粉砕の装置の運転条件については特に制限はないが、粉砕メディアによる磨砕を効果的に進行させるため以下の条件が特に好ましい。
すなわち、装置がアトライターの場合の運転条件は以下の通りである。装置の回転数は、100〜500rpmが好ましく、運転時間は0.5時間〜8時間が好ましく、装置の内温は、50〜150℃が好ましいが望むらくは安全上の観点から100℃以下がより好ましい。また粉砕メディアは直径4〜30mmの球形が好ましく、メディアの使用量は顔料の5〜50倍重量が好ましい。また、装置がボールミルの場合の運転条件は以下の通りである。装置の回転数は50〜200rpmが好ましく運転時間は1時間〜12時間が好ましく装置の内温は30〜100℃が好ましい。また粉砕メディアは直径10〜50mmの球形が好ましくメディアの使用量は顔料の5〜50倍重量が好ましい。
さらに、乾式粉砕時に少量の有機溶剤を添加しても構わない。使用する有機溶剤としては顔料と接触させることで顔料が湿潤して摩砕効果が増大し微細化が促進するものであれば特に制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテール、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。また必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。しかしあまり低沸点の有機溶剤は乾式粉砕機の内部温度が高いと発火の恐れがあるのでその選定には注意が必要である。
湿式粉砕工程(2)で使用する装置については特に制限はないがトリミックス(井上製作所製)、スーパーミックス(新栄機械製)や摩砕効果が高いニーダー(井上製作所製)等の装置を用いることができる。
本発明における湿式粉砕工程装置の運転条件については特に制限はないが粉砕メディアによる磨砕を効果的に進行させるため、以下の条件が特に好ましい。
湿式粉砕工程装置がニーダーの場合の運転条件は以下の通りである。運転時間は1時間〜20時間が好ましく、装置の内温は50〜150℃が好ましい。また粉砕メディアである無機塩は、水溶性無機塩が好適に使用出来、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することが好ましい。その粉砕粒度は5〜50μmで粒子径の分布がシャープで且つ小さく、球形が好ましく、無機塩の使用量は顔料の1〜50倍重量、多い方が摩砕効果はあるが、より好ましい量は生産性の点で1〜10倍重量で、さらに水分が1%以下であることが好ましい。有機溶剤の使用量は、顔料に対して50重量%から300重量%の範囲であり、好ましくは100重量%から200重量%の範囲である。
また使用する有機溶剤としては、無機塩類、有機溶剤を顔料から分離可能な粘性の高い水溶性有機溶剤が望ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテール、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。しかし少量用いることで顔料に吸着して廃水中に流失しないならばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いても良く、また必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。
本発明においては、必要に応じて樹脂、界面活性剤等を添加してもよい。使用する樹脂としては、特に制限はないが、ロジン、ロジン誘導体、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ゴム誘導体、タンパク誘導体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリイミド樹脂、アルキッド樹脂、ゴム系樹脂、セルロース類、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、および上記樹脂のオリゴマー、モノマー類を挙げることができる。樹脂、界面活性剤等は乾式粉砕及び湿式粉砕時のいずれの工程で加えてもよい。
濾過、水洗後の乾燥工程としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120度の加熱等により、顔料の脱水を行う回分式或いは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般的に、箱型乾燥機、真空乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が使用される。
また、乾燥後の粉砕工程としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いて乾燥した場合のように、顔料がランプ状等になった際に粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕が挙げられる。尚、得られた粉末を篩い又は気流分級機等を使用することにより、粗粒を除くことができる。
また、乾燥後の粉砕工程としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いて乾燥した場合のように、顔料がランプ状等になった際に粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕が挙げられる。尚、得られた粉末を篩い又は気流分級機等を使用することにより、粗粒を除くことができる。
本発明において、乾式粉砕及び湿式粉砕時の条件を変えることで、得られる顔料の粒子径を変えることができる。高濃度で均一なトナーを製造するためには、粉砕トナーにおいては平均粒子径が200nm以上であると十分な発色が得られない。また重合トナーにおいては微細な顔料分散体を作成する必要があり、平均粒子径が200nm以下であるとトナー作成時に高濃度な印字物が得られる。中でも平均粒子径100nm以下が好ましい。
本発明において変動係数は(標準偏差/平均粒径)でこの値が小さい程整粒が進んでいると判断できる。例えば平均粒子径が100nmで標準偏差が30nmの場合は変動係数は30%である。また微細化が進行して平均粒子径が60nmになって標準偏差が15nmの場合は25%であるが、しかしながら微細化が進行して平均粒子径が30nmになっても標準偏差が変化なく15nmの場合は変動係数は50%でなってしまう。このことは単にニーダー等で強制的に微細化させても標準偏差(粒子径のバラツキの尺度)が小さくならないと粗大粒子が混在していて好ましくない。従って、本発明において変動係数は50%以下が好ましいがより好ましくは30%以下である。
粉砕トナーの製造法は一般にはポリエステル系、スチレンアクリル系の樹脂と顔料をヘンシェルミキサー等で混合後、2軸押し出し機で加熱、混合して樹脂中に顔料を均一に分散したマスターバッチを製造する。これを粉砕機で粉砕して微粒子化後、分級機で5〜10μmの均一なトナーにし、電荷調整剤、シリカ等の流動性付与剤を添加して仕上げる。
重合トナーの製造法はまず顔料分散体を作成する。この方法は酢酸エチルを75%、分散剤として例えばソルスパーズ36000を5%、顔料を20%用いてサンドミル等で分散させて分散粒径150nm以下の分散体を作成する。
この分散体にモノマーを添加して、さらに水中に滴下して微細なエマルジョンを作成する。加熱、攪拌を行い、粒径5から10μmの顔料が均一に分散した球形の着色樹脂粒子を作成する。この着色樹脂粒子に電荷調整剤、シリカ処理等を添加してトナーを作成する。
モノマーにはスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、テレフタル酸、エチレングリコール等がある。
[実施例]
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、「部」および「%」は「重量部」および「重量%」を表す。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、「部」および「%」は「重量部」および「重量%」を表す。
[実施例1]
粗製銅フタロシアニン85部と粗製ニッケルフタロシアニン15部を直径8mmのスチールビーズ2kgを乾式アトライター(三井鉱山株式会社MA01D型,タンク容量0.8L)中に仕込み、回転数360rpmで80℃、1時間運転し、プレ顔料を得た。
粗製銅フタロシアニン85部と粗製ニッケルフタロシアニン15部を直径8mmのスチールビーズ2kgを乾式アトライター(三井鉱山株式会社MA01D型,タンク容量0.8L)中に仕込み、回転数360rpmで80℃、1時間運転し、プレ顔料を得た。
上記プレ顔料を塩化ナトリウム300部、およびジエチレングリコール100部を井上製作所製ラボ3Lニーダー中で、内容物の温度を100〜110度に保って2時間湿式摩砕した。内容物を取り出し後、水3000部で塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを加熱70℃、60分攪拌して溶解させた。このスラリーを濾過、水洗して不純物を精製後、乾燥機で90℃、24時間熱処理を行なって、乾燥顔料を得た。ラボ用小型粉砕機で粉砕して平均粒子径80nm、変動係数20%の顔料を95部得た。
[実施例2]
湿式摩砕時間を4時間にした以外は、実施例1に従い平均粒子径70nm、変動係数35%の顔料を得た。
湿式摩砕時間を4時間にした以外は、実施例1に従い平均粒子径70nm、変動係数35%の顔料を得た。
[実施例3]
ベンゼン環に2モルのフタルイミドメチル基が結合したフタルイミドアルキル化銅フタロシアニン10部を湿式摩砕時に加えた以外は実施例1に従い平均粒子径60nm、変動係数40%の顔料を得た。
ベンゼン環に2モルのフタルイミドメチル基が結合したフタルイミドアルキル化銅フタロシアニン10部を湿式摩砕時に加えた以外は実施例1に従い平均粒子径60nm、変動係数40%の顔料を得た。
[実施例4]
ベンゼン環に1モルのスルホン酸基を有する銅フタロシアニン20部を乾式摩砕時に加えた以外は実施例1に従い平均粒子径65nm、変動係数35%の顔料を得た。
ベンゼン環に1モルのスルホン酸基を有する銅フタロシアニン20部を乾式摩砕時に加えた以外は実施例1に従い平均粒子径65nm、変動係数35%の顔料を得た。
[実施例5]
粗製銅フタロシアニン95部と粗製ニッケルフタロシアニン5部に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径90nm、変動係数30%の顔料を得た。
粗製銅フタロシアニン95部と粗製ニッケルフタロシアニン5部に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径90nm、変動係数30%の顔料を得た。
[実施例6]
粗製銅フタロシアニン65部と粗製ニッケルフタロシアニン35部に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径60nm、変動係数45%の顔料を得た。
粗製銅フタロシアニン65部と粗製ニッケルフタロシアニン35部に代えた以外は実施例1に従い平均粒子径60nm、変動係数45%の顔料を得た。
[比較例1]
粗製銅フタロシアニン85部と粗製ニッケルフタロシアニン15部に代えて、
粗製銅フタロシアニン100部・粗製ニッケルフタロシアニン100部をそれぞれ単独に塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール100部を用いて8時間湿式摩砕して、平均粒子径90nm、変動係数60%を有する銅フタロシアニン組成物および平均粒子径80nm、変動係数60%のニッケルフタロシアニン組成物をそれぞれ得た。得られた銅フタロシアニン組成物85部とニッケルフタロシアニン組成物15部とを混合して顔料を得た。
粗製銅フタロシアニン85部と粗製ニッケルフタロシアニン15部に代えて、
粗製銅フタロシアニン100部・粗製ニッケルフタロシアニン100部をそれぞれ単独に塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール100部を用いて8時間湿式摩砕して、平均粒子径90nm、変動係数60%を有する銅フタロシアニン組成物および平均粒子径80nm、変動係数60%のニッケルフタロシアニン組成物をそれぞれ得た。得られた銅フタロシアニン組成物85部とニッケルフタロシアニン組成物15部とを混合して顔料を得た。
資料の作成、評価は下記のようにした。
実施例1〜6、比較例1の顔料についての平均粒子径(単位nm)及び変動係数(%)は電子顕微鏡写真を画像解析式粒度分布測定ソフトウェアMacview Ver.3から解析して算出した。
実施例1〜6、比較例1の顔料について、酢酸エチルを75部、ソルスパーズ36000を5部、顔料を20部用いてジルコニアビーズ1mmΦを300g加えてペイントコンディショナーで3時間分散させて、顔料分散体を作成した。a*、b*、c*値は顔料分散体にバインダーであるポリエステル樹脂を5%添加して紙に展色した後に日本電色社製の測色機で測色し、色差はジャパンカラーのシアン値と比較して算出した。また彩度
c*=(a*2+b*2)1/2
トナーの評価はリコー社製のレーザープリンターを用いて印字を行い、印字物の濃度をグレタック社製のマクベス反射率濃度計を用いて濃度=ID値(イメージデンシティ)を測定した。比較例1のID値と比較して相対濃度で表示した。以上を表1にまとめた。
c*=(a*2+b*2)1/2
トナーの評価はリコー社製のレーザープリンターを用いて印字を行い、印字物の濃度をグレタック社製のマクベス反射率濃度計を用いて濃度=ID値(イメージデンシティ)を測定した。比較例1のID値と比較して相対濃度で表示した。以上を表1にまとめた。
その結果、実施例1〜6の顔料から得られた結果は比較例1と比較して少ないエネルギー使用量で小さい平均粒子径でさらに小さい変動係数になったことから整粒が進んでいることが確認できた。さらにこれを用いて作成したトナーの濃度及び彩度は高く、ジャパンカラーの色域を満足するものが得られた。
本発明のシアン顔料を用いれば、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用される重合トナーにおいて彩度が高くジャパンカラーの色域を満足する印字物が得られる。
Claims (6)
- 銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンを乾式粉砕しプレ顔料とする工程(1)、該プレ顔料に対して無機塩類と有機溶剤の存在下で湿式粉砕する工程(2)からなるシアン顔料。
- 変動係数(標準偏差/平均粒子径)が50%以下である粒度分布を有する請求項1記載のシアン顔料。
- 平均粒子径が200nm以下である請求項1または2記載のシアン顔料。
- 銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンの比率が99〜60重量%:1〜40重量%である請求項請求項1〜3いずれか記載のシアン顔料。
- ジャパンカラーのシアン値(a*=−37.0、b*=−50.1)からの色差が3以内で且つ彩度c*=60.0以上を満たす請求項1〜4いずれか記載のシアン顔料。
- 電子写真用トナーとして用いる請求項1〜5いずれか記載のシアン顔料。
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---|---|---|---|
JP2008015080A JP2009173800A (ja) | 2008-01-25 | 2008-01-25 | シアン顔料、その製造方法及び画像記録用着色組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013015180A1 (ja) | 2011-07-22 | 2013-01-31 | 大日精化工業株式会社 | 緑味青色顔料、該顔料を含む着色剤組成物及び画像記録剤 |
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2008
- 2008-01-25 JP JP2008015080A patent/JP2009173800A/ja active Pending
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KR20140043816A (ko) | 2011-07-22 | 2014-04-10 | 다이니치 세이카 고교 가부시키가이샤 | 녹미 청색 안료, 상기 안료를 포함하는 착색제 조성물 및 화상 기록제 |
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