JP2009171935A - プライマー、プライマーセット、それを用いた核酸増幅方法および変異検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(16)で表される構造を少なくとも一つ含む標識核酸であるプライマー。
Bは、核酸塩基骨格を有する原子団であり、Eは、デオキシリボース骨格、リボース骨格、もしくはそれらのいずれかから誘導される構造を有する原子団、Z11およびZ12は、それぞれ、蛍光性を示す原子団。
【選択図】図35
Description
Bは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団であり、
Eは、
(i)デオキシリボース骨格、リボース骨格、もしくはそれらのいずれかから誘導される構造を有する原子団、または
(ii)ペプチド構造もしくはペプトイド構造を有する原子団であり、
Z11およびZ12は、それぞれ、蛍光性を示す原子団であり、同一でも異なっていてもよく、
L1、L2およびL3は、それぞれ、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長(主鎖原子数)は任意であり、主鎖中に、C、N、O、S、PおよびSiを、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、主鎖中に、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合およびチオエステル結合を、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、L1、L2およびL3は、互いに同一でも異なっていても良く、
Dは、CR、N、P、P=O、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基であり、
bは、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、
または、前記式(16)および(16b)中、L1およびL2は前記リンカーであり、L3、Dおよびbは存在せず、L1およびL2がBに直接結合していてもよく、
ただし、
式(16)、(17)および(18)中、Eは、前記(i)の原子団であり、リン酸架橋中の少なくとも一つのO原子がS原子で置換されていても良く、
式(16b)、(17b)および(18b)中、Eは、前記(ii)の原子団であり、
式(17)および(17b)中、各Bは、同一でも異なっていても良く、各Eは、同一でも異なっていても良い。
(A) 前記核酸試料を準備する工程
(B) 本発明のプライマーまたはプライマーセットを用いて、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(B’) 下記(B1’)工程および(B2’)工程を含む工程
(B1’) プライマー、または、一対のプライマーを含むプライマーセットを用いて、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(B2’) 前記(B1’)工程で増幅した一本鎖の核酸配列と、前記式(16)、(16b)、(17)、(17b)、(18)または(18b)で表される構造を少なくとも一つ含む標識核酸からなるプローブとのハイブリダイゼーションを行う工程
(a) 本発明の核酸増幅方法により、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(b) 前記(a)工程の前後における蛍光強度をそれぞれ測定する工程
(c) 前記(b)工程で測定した前記(a)工程前後の蛍光強度を比較することにより、変異の有無を検出する工程
本発明のプライマーは、前述のように、標的核酸配列を増幅するためのプライマーであって、下記式(16)、(16b)、(17)、(17b)、(18)または(18b)で表される構造を少なくとも一つ含む標識核酸であることを特徴とする。また、これらの互変異性体若しくは立体異性体、またはそれらの塩も、本発明における標識核酸に含まれる。また、本発明のプライマーセットは、標的核酸配列を増幅するためのプライマーセットであって、一対のプライマーを含み、前記一対のプライマーの少なくとも一方のプライマーが、本発明のプライマーであることを特徴とする。以下、蛍光性を示す原子団Z11およびZ12を有する、下記各式で表される構造を、「標識構造」といい、前記標識構造を含む前記標識核酸、すなわち、本発明のプライマーを「標識プライマー」ともいう。
Bは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団であり、
Eは、
(i)デオキシリボース骨格、リボース骨格、もしくはそれらのいずれかから誘導される構造を有する原子団、または
(ii)ペプチド構造もしくはペプトイド構造を有する原子団であり、
Z11およびZ12は、それぞれ、蛍光性を示す原子団であり、同一でも異なっていてもよく、
L1、L2およびL3は、それぞれ、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長(主鎖原子数)は任意であり、主鎖中に、C、N、O、S、PおよびSiを、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、主鎖中に、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合およびチオエステル結合を、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、L1、L2およびL3は、互いに同一でも異なっていても良く、
Dは、CR、N、P、P=O、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基であり、
bは、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、
または、前記式(16)および(16b)中、L1およびL2は前記リンカーであり、L3、Dおよびbは存在せず、L1およびL2がBに直接結合していてもよく、
ただし、
式(16)、(17)および(18)中、Eは、前記(i)の原子団であり、リン酸架橋中の少なくとも一つのO原子がS原子で置換されていても良く、
式(16b)、(17b)および(18b)中、Eは、前記(ii)の原子団であり、
式(17)および(17b)中、各Bは、同一でも異なっていても良く、各Eは、同一でも異なっていても良い。
X1およびX2は、SまたはOであり、
nは、0または正の整数であり、
R1〜R10、R13〜R21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基であり、
R11およびR12のうち、一方は、前記式(16)、(17)、(16b)、(17b)、(18)および(18b)中のL1もしくはL2に結合する連結基であり、他方は、水素原子または低級アルキル基であり、
R15は、式(7)、(8)または(9)中に複数存在する場合は、同一でも異なっていても良く、
R16は、式(7)、(8)または(9)中に複数存在する場合は、同一でも異なっていても良く、
Z11中のX1、X2およびR1〜R21と、Z12中のX1、X2およびR1〜R21とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記Pyとは、下記式(11)で表記される6員環のうち、1位にEと結合する共有結合手を有し、5位にリンカー部と結合する共有結合手を有する原子団であり、
前記Py der.とは、前記Pyの6員環の全原子の少なくとも一つがN、C、SまたはO原子で置換された原子団であり、前記N、C、SまたはO原子は、適宜、電荷、水素原子または置換基を有していても良く、
前記Puとは、下記式(12)で表記される縮合環のうち、9位にEと結合する共有結合手を有し、8位にリンカー部と結合する共有結合手を有する原子団であり、
前記Pu der.とは、前記Puの5員環の全原子の少なくとも一つがN、C、SまたはO原子で置換された原子団であり、前記N、C、SまたはO原子は、適宜、電荷、水素原子または置換基を有していても良い。
前記等温増幅法とは、一般に、等温で核酸増幅反応を行う方法である。このような方法としては、例えば、特公平7−114718号公報等に開示される鎖置換型増幅(SDA;strand displacement amplification)法;米国特許第5824517号明細書、国際公開第99/09211号パンフレットまたは国際公開第95/25180号パンフレット等に開示されている改良SDA法;日本国特許第2650159号公報等に開示されている核酸配列増幅(NASBA;nucleic acid sequence based amplification)法;国際公開第00/28082号パンフレット等に開示されているランプ法(LAMP;Loop-Mediated Isothermal Amplification)法;国際公開第02/16639号パンフレット等に開示されているICAN法(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids);自立複製(3SR;self-sustainedsequence replication)法;TMA(transcription-mediated amplification)法;日本国特許第2710159号公報に開示されているQベータレプリカーゼ法;日本国特許第389726号公報、特許第3942627号公報およびNATURE METHODS(Vol.4,No.3,March 2007,pp.257-262)、Mitani Y., Lezhava A., Kawai Y., Kikuchi T., Oguchi-Katayama A., Kogo Y., Itoh M., Miyagi T. et al. 2007. “Rapid SNP diagnostics using asymmetric isothermal amplification and a new mismatch-suppression technology.” Nat. Methods 4(3): 257-262.等に開示されている方法(以下、「SMAP(Smart Amplification Process)法」という)、Invader法、RCA(rolling cycle amplification)法等があげられる。
PCR法は、従来広く知られた核酸増幅方法であり、等温増幅方法に対して、反応温度を変化させることにより、例えば、二重鎖核酸の解離、解離した一重鎖へのプライマーのアニーリング、プライマーからの核酸合成を行う方法である。PCR法に使用するポリメラーゼとしては、例えば、Taq DNAポリメラーゼ等、従来公知のポリメラーゼが使用できる。
(1)色素を1種類しか用いない場合、合成が容易である。
(2)本発明のDNAプライマーの末端がフリーである場合、プライマーとして使いやすい。
(3)ヘアピン構造など特殊な高次構造を形成する必要がないので、ステム配列など配列認識に関与しない配列を必要としない(無駄な配列が無く、配列の拘束もない)。
(4)プライマーの複数の箇所(望む場所)に蛍光色素を導入できる。
(5)色素構造を1分子中に2つ以上含む場合、色素間の位置関係が拘束されているので、S/N比(ハイブリダイゼーション前後の蛍光強度比)が大きい。
本発明における標識プライマー(前記標識核酸)は、例えば、以下に示す化合物、核酸および標識物質から調製できる。これらの化合物や核酸は、例えば、本発明における前記標識プライマーとして、また、その合成原料もしくは合成中間体として使用できる。本発明における化合物、核酸および標識物質について、より詳しくは、例えば以下の通りである。
Bは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団であり、
Eは、
(i)デオキシリボース骨格、リボース骨格、もしくはそれらのいずれかから誘導される構造を有する原子団、または
(ii)ペプチド構造もしくはペプトイド構造を有する原子団であり、
Z11およびZ12は、それぞれ、水素原子、保護基、または蛍光性を示す原子団であり、同一でも異なっていてもよく、
Qは、
Eが前記(i)の原子団である場合はOであり、
Eが前記(ii)の原子団である場合はNHであり、
Xは、
Eが前記(i)の原子団である場合は、水素原子、酸で脱保護することが可能な水酸基の保護基、リン酸基(モノホスフェート基)、二リン酸基(ジホスフェート基)、または三リン酸基(トリホスフェート基)であり、
Eが前記(ii)の原子団である場合は、水素原子またはアミノ基の保護基であり、
Yは、
Eが前記(i)の原子団である場合は、水素原子、水酸基の保護基、またはホスホロアミダイト基であり、
Eが前記(ii)の原子団である場合は、水素原子または保護基であり、
L1、L2およびL3は、それぞれ、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長(主鎖原子数)は任意であり、主鎖中に、C、N、O、S、PおよびSiを、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、主鎖中に、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合およびチオエステル結合を、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、L1、L2およびL3は、互いに同一でも異なっていても良く、
Dは、CR、N、P、P=O、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基であり、
bは、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、
または、前記式(1)中、L1およびL2は前記リンカーであり、L3、Dおよびbは存在せず、L1およびL2がBに直接結合していてもよく、
前記式(1b)中、Tは、
Eが前記(i)の原子団である場合は、リン酸架橋(PO4 −)であり、1以上の酸素原子(O)が硫黄原子(S)で置換されていても良く、
Eが前記(ii)の原子団である場合は、NHである。
Aは、水素原子、水酸基、アルキル基、または電子吸引基であり、
MおよびJは、それぞれ、CH2、NH、OまたはSであり、同一でも異なっていても良く、
B、XおよびYは、それぞれ、前記式(1)、(1b)または(1c)と同じであり、
前記式(2)、(3)、(2b)および(3b)において、リン酸架橋中のO原子は、1つ以上がS原子で置換されていてもよい。
X1は、SまたはOであり、
nは、0または正の整数であり、
R1〜R10、R13〜R21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基であり、
R11およびR12のうち、一方は、前記式(1)、(1b)または(1c)中のL1もしくはL2、前記式(5)、(6)、(6b)または(6c)中のNHに結合する連結基であり、他方は、水素原子または低級アルキル基であり、
R15は、式(7)、(8)または(9)中に複数存在する場合は、同一でも異なっていても良く、
R16は、式(7)、(8)または(9)中に複数存在する場合は、同一でも異なっていても良く、
Z11中のX1およびR1〜R21と、Z12中のX1およびR1〜R21とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
E、Z11、Z12、Q、XおよびYは、前記式(1)と同じである。
例えば、Bが、Py、Py der.、Pu、またはPu der.で表される構造であることが好ましい。ただし、
前記Pyとは、下記式(11)で表記される6員環のうち、1位にEと結合する共有結合手を有し、5位にリンカー部と結合する共有結合手を有する原子団であり、
前記Py der.とは、前記Pyの6員環の全原子の少なくとも一つがN、C、SまたはO原子で置換された原子団であり、前記N、C、SまたはO原子は、適宜、電荷、水素原子または置換基を有していても良く、
前記Puとは、下記式(12)で表記される縮合環のうち、9位にEと結合する共有結合手を有し、8位にリンカー部と結合する共有結合手を有する原子団であり、
前記Pu der.とは、前記Puの5員環の全原子の少なくとも一つがN、C、SまたはO原子で置換された原子団であり、前記N、C、SまたはO原子は、適宜、電荷、水素原子または置換基を有していても良い。
−P(OR22)N(R23)(R24) (15)
式(15)中、R22はリン酸基の保護基であり、R23およびR24はアルキル基、またはアリール基である。
前記式(15)において、R15がシアノエチル基であり、R16およびR17において、前記アルキル基がイソプロピル基であり、前記アリール基がフェニル基であることがより好ましい。
(i)一つの分子内の二つの平面化学構造が同一平面内ではなく、ある一定の角度をもって存在するが、その分子が核酸にインターカレーションまたはグルーヴバインディング(溝結合)するときには二つの平面化学構造が同一平面内に並ぶように配置することによって蛍光発光が生じる標識物質であるか、
(ii)2つ以上の色素分子が並行に集合するために生じるエキシトン効果によって蛍光発光を示さないが、それらの分子が核酸にインターカレーションまたはグルーヴバインディング(溝結合)するときには、前記集合状態が解けることにより蛍光発光が生じる2つ以上の色素分子群からなる標識物質であるか、または、
(iii)2つ以上の色素分子が並行に集合するために生じるエキシトン効果によって蛍光発光を示さないが、それらの分子が核酸にインターカレーションまたはグルーヴバインディング(溝結合)するときには、前記集合状態が解けることにより蛍光発光が生じる2つ以上の色素分子の化学構造を同一分子内に有することを特徴的化学構造とする複合体標識物質である。
前記(ii)または(iii)の場合において、前記色素分子が、前記(i)記載の分子であることが好ましい。また、前記(iii)の場合において、標識されるべき核酸に結合しているリンカー分子に、枝分かれした構造をとるように更なるリンカー分子を介して、または、更なるリンカー分子を介さず直接的に、2つ以上の色素分子が、結合した構造を有することが好ましい。
前記(i)〜(iii)のいずれかに記載の標識物質、または、Z11およびZ12が蛍光性を示す原子団である前記本発明の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体、もしくはそれらの塩、または前記本発明の核酸で標識された標識物質である。
モノヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸または核酸類似体中の一つまたはそれ以上の塩基分子または主鎖構成分子に結合しているリンカー分子を介して、前記(i)〜(iii)のいずれかに記載の標識物質、または、Z11およびZ12が蛍光性を示す原子団である前記本発明の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体、もしくはそれらの塩、または前記本発明の核酸で標識された標識物質である。
モノヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸または核酸類似体中の一つまたはそれ以上の塩基分子のピリミジン核5位の炭素原子またはプリン核8位の炭素原子に結合しているリンカー分子を介して、前記(i)〜(iii)のいずれかに記載の標識物質、またはZ11およびZ12が蛍光性を示す原子団である前記本発明の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体、もしくはそれらの塩、または前記本発明の核酸で標識された標識物質である。
本発明において、前記化合物、核酸および標識プライマー(標識核酸)の製造方法は、特に制限されず、公知の合成方法(製造方法)を適宜用いることができる。一例として、前記式(21)で表される化合物の場合は、下記式(26)で示される化合物のカルボキシル基を活性化した後、トリス(2−アミノエチル)アミンを反応させる工程;アミノ基を保護する工程:及び上記で得られた化合物中に存在する水酸基を保護基で保護する反応と、得られた化合物中に存在する水酸基にリン酸又はホスホロアミダイト基を付加する反応とを行う工程を含む製造方法により製造してもよい。
Svanvik, N., Westman, G., Wang, D., Kubista, M. (2000) Anal Biochem. 281, 26-35. Hrdlicka, P. J., Babu, B. R., Sorensen, M. D., Harrit, N., Wengel, J. (2005) J. Am. Chem. Soc. 127, 13293-13299.等を参照することができる。
本発明の核酸増幅方法は、以下の第一の核酸増幅方法と第二の核酸増幅方法がある。
本発明の第一の核酸増幅方法は、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する方法であって、下記(A)および(B)工程を含むことを特徴とする。
(A) 前記核酸試料を準備する工程
(B) 本発明のプライマーまたは本発明のプライマーセットを用いて、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
本発明の等温増幅法は、前述のように、等温で核酸増幅反応を行う方法である。前記(B)工程の核酸増幅反応の条件は、特に制限されず、当業者であれば適宜決定できる。反応温度は、例えば、プライマーの融解温度(Tm)付近の温度、または、それ以下に設定することが好ましく、さらには、プライマーの融解温度(Tm)を考慮し、ストリンジェンシーのレベルを設定することが好ましい。反応温度の具体例としては、例えば、約20℃〜約75℃であり、好ましくは、約35℃〜約65℃である。
核酸増幅方法の中でもSMAP法は、例えば、優れた特異性で標的核酸配列を増幅できることから、遺伝子増幅によって、例えば、遺伝子中における変異、特に一塩基変異の有無や、塩基の欠失または挿入の有無等を判断することが可能である。このため、本発明のプライマーセットを適用することによって、例えば、より高感度且つ高精度なSMAP法の実施が可能といえる。
前記第一のプライマーが、標的核酸配列の3’末端部分の配列(A)にハイブリダイズする配列(Ac’)を3’末端部分に含んでなり、かつ前記標的核酸配列において前記配列(A)よりも5’側に存在する配列(B)の相補配列(Bc)にハイブリダイズする配列(B’)を前記配列(Ac’)の5’側に含むものであり、
前記第二のプライマーが、前記標的核酸配列の相補配列の3’末端部分の配列(C)にハイブリダイズする配列(Cc’)を3’末端部分に含んでなり、かつ相互にハイブリダイズする2つの核酸配列を同一鎖上に含む折返し配列(D−Dc’)を前記配列(Cc’)の5’側に含むものである。
前記対称型のプライマーセットは、前述のように、一方のプライマーの形態と他方のプライマーの形態とが同じである対称型の一対のプライマーを有するプライマーセットであり、中でも、前記LAMP法に適用することが好ましい。このプライマーセットを、以下、「LAMP用プライマーセット」ともいう。
PCR法は、前述のように、反応温度を変化させることにより、例えば、二重鎖核酸の解離、解離した一重鎖へのプライマーのアニーリング、プライマーからの核酸合成により、標的核酸配列の増幅を行うことができる。PCR法の条件は、特に制限されず、当業者であれば適宜設定できる。
本発明の第二の核酸増幅方法は、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する方法であって、下記(A)工程と下記(B’)工程とを含むことを特徴とする。
(A) 前記核酸試料を準備する工程
(B’) 下記(B1’)工程および(B2’)工程を含む工程
(B1’) プライマー、または、一対のプライマーを含むプライマーセットを用いて、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(B2’) 前記(B1’)工程で増幅した一本鎖の核酸配列と、前記式(16)、(16b)、(17)、(17b)、(18)または(18b)で表される構造を少なくとも一つ含む標識核酸からなるプローブとのハイブリダイゼーションを行う工程
(2)本発明のプローブは、PCRプローブとして使用できる。DNA増幅反応中での増幅曲線の検出(リアルタイムPCR)、TaqManプローブに代わるローコストな手法として応用できる。プライマーの標識、もしくは内部標識プローブとして使用することができる。
(3)本発明のプローブは、DNAチップにおける捕捉プローブもしくは標識プローブとして使用することができる。ハイスループットで試薬不要なシステムであり、標識過程・洗浄過程が不要である。人為的に生じる誤差を大きく回避できる。ガラスやそれに代わる固相担体素材(金、ITO、銅などの基板、ダイヤモンドやプラスチックなど多検体を貼り付けることが可能な素材)においての同時多項目(ハイスループット)な解析が可能である。
(4)本発明のプローブは、ビーズ、ファイバー、又はヒドロゲルへ固定化できる。半液体・半固体での環境下で遺伝子を検出することができる。液体のような測定環境を有しながら、固体のように持ち運ぶことが可能である。
(5)本発明のプローブは、ブロッティング(サザンブロット、ノーザンブロット、ドットブロットなど)用のプローブとして使用できる。目的の遺伝子断片だけを発光させて検出することができる。本発明の方法によれば、ハイブリダイゼーション操作の後、洗浄が不要である。
(6)本発明のプローブは、細胞内核酸の検出・追跡のためのプローブとして使用することができる。これにより、細胞内のDNA/RNAの時空間的解析が可能になる。蛍光顕微鏡やセルソーターを使用することができる。DNAの標識、RNAへの転写・スプライシングの追跡、RNAiの機能解析などに応用できる。本発明の方法では、洗浄の必要が無いので、生細胞の機能追跡に適している。
(7)本発明のプローブは、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)のプローブとして使用することができる。本発明の方法により、組織の染色などを行うことができる。本発明の方法では、洗浄の必要が無いので、人為的に生じる誤差が小さい。すなわち、本発明のプローブは、標的生体分子を認識しないときは蛍光を発しない蛍光色素として働くため、これを用いれば、煩雑な洗浄工程を必要としないバイオイメージングが確立できる。そのことは、高信頼性、低労力でリアルタイムな蛍光観測につながる。
(1)色素を1種類しか用いない場合、合成が容易である。
(2)本発明のDNAプローブ(標識物質)の末端がフリーである場合、PCRプローブとして使いやすい。
(3)ヘアピン構造など特殊な高次構造を形成する必要がないので、ステム配列など配列認識に関与しない配列を必要としない(無駄な配列が無く、配列の拘束もない)。
(4)プローブの複数の箇所(望む場所)に蛍光色素を導入できる。
(5)色素構造を1分子中に2つ以上含む場合、色素間の位置関係が拘束されているので、S/N比(ハイブリダイゼーション前後の蛍光強度比)が大きい。
本発明の変異検出方法は、核酸試料中の標的核酸配列における変異の有無を検出する方法であって、下記(a)〜(c)工程を含むことを特徴とする。
(a) 本発明の核酸増幅方法により、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(b) 前記(a)工程の前後における蛍光強度をそれぞれ測定する工程
(c) 前記(b)工程で測定した前記(a)工程前後の蛍光強度を比較することにより、変異の有無を検出する工程
また、本発明は、さらに、標的核酸配列に対するプライマーの特異性を向上させる方法を含む。本発明の第一の特異性向上方法は、前記標的核酸配列を増幅するための前記プライマーとして、本発明の蛍光原子団を有する標識プライマーを使用することを特徴とする。すなわち、プライマー構造を、前記式(16)、(16b)、(17)、(17b)、(18)または(18b)で表される構造を少なくとも一つ含む標識核酸に設計することで、前述のように、標的核酸配列に対するプライマーの特異性を向上することができる。なお、本発明は、前記構造の標識核酸とすることで、前記構造を含まない未標識核酸と比較して、Tm値が向上することから、Tm値の向上方法ということもできる。なお、標識プライマーの具体例や、使用方法等は、前述の通りである。
本発明の核酸増幅用キットは、標的核酸配列を増幅する核酸増幅方法に使用するキットであり、本発明のプライマーまたはプライマーセットを含むことを特徴とする。本発明の核酸増幅用キットは、本発明のプライマーまたはプライマーセットを含んでいればよく、その他の構成や含有割合等は何ら制限されない。また、本発明の核酸増幅用キットを適用する核酸増幅方法は、何ら制限されないが、前述のように各種等温増幅法やPCR法等に適用できる。
つぎに、本発明の核酸増幅装置は、本発明の核酸増幅方法を実施するための核酸増幅装置であって、核酸増幅反応を実施する反応部と、前記反応部の温度を制御する温度制御手段と、前記反応部の蛍光強度を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。また、本発明の変異検出装置は、本発明の変異検出方法を実施するための変異検出装置であって、核酸増幅反応を実施する反応部と、前記反応部の温度を制御する温度制御手段と、前記反応部の蛍光強度を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。なお、これらの各装置は、例えば、その他の構成として、例えば、前記反応部に試薬を供給する試薬供給手段、前記試薬を収納する試薬収納部等を備えてもよい。
試薬、溶媒は一般に市販されているものを使用した。ビオチンのN-ヒドロキシスクシンイミジルエステルはPIERCE社のものを使用した。化合物精製用のシリカゲルはWakoゲルC-200(和光純薬)を使用した。1H、13C、および31PNMRスペクトルは、JEOL(日本電子株式会社)のJNM-α400(商品名)により測定した。カップリング定数(J値)は、ヘルツ(Hz)で表している。ケミカルシフトは、ppmで表し、内部標準には、ジメチルスルホキシド(δ=2.48 in 1HNMR, δ=39.5 in 13CNMR)及びメタノール(δ=3.30 in 1HNMR, δ=49.0 in 13CNMR)を用いた。31PNMR測定には、外部標準としてH3PO4(δ=0.00)を用いた。ESIマススペクトルは、Bruker社のBruker Daltonics APEC-II(商品名)を用いて測定した。DNA自動合成機はApplied Biosystems社の392 DNA/RNA synthesizer(商品名)を使用した。逆相HPLCは、ギルソン社の装置Gilson Chromatograph, Model 305(商品名)とケムコ社のCHEMCOBOND 5-ODS-H分取用カラム(商品名、10×150mm)を用いて分離を行い、UV検出器Model 118(商品名)により、波長260nmで検出した。DNAの質量は、MALDI-TOF MSにより測定した。MALDI-TOF MSは、Applied Biosystems社のPerseptive Voyager Elite(商品名)を用い、加速電圧21kV、ネガティブモードで測定し、マトリクスとしては2',3',4'-トリヒドロキシアセトフェノンを用い、T8([M.H]. 2370.61)およびT17([M.H]. 5108.37)を内部標準として用いた。UVおよび蛍光スペクトルは、株式会社島津製作所のShimadzu UV-2550(商品名)分光光度計と、RF-5300PC(商品名)蛍光分光光度計をそれぞれ用いて測定した。蛍光寿命は、株式会社堀場製作所の小型高性能蛍光寿命測定機器HORIBA JOBIN YVON FluoroCube(商品名)に、NanoLED-05A(商品名)を装備して測定した。二本鎖核酸の融点(Tm)の測定は、100mM塩化ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)中において、最終二本鎖濃度2.5μMで行った。試料の吸光度は、波長260nmで測定し、10℃から90℃の範囲において、0.5℃/minの速度で加熱しながら追跡した。これにより観測された特性から、最初に変化が生じた温度を融点Tmとした。
ΦF(S)/ΦF(R)=[A(S)/A(R)]×[(Abs)(R)/(Abs)(S)]×[n(S) 2/n(R) 2] (1)
上記式(1)中、ΦF(S)は、試料(Sample)の蛍光量子収率であり、ΦF(R)は、対照物質(Reference)の蛍光量子収率である。A(S)は、試料の蛍光スペクトル面積であり、A(R)は、対照物質の蛍光スペクトル面積である。(Abs)(S)は、励起波長における試料溶液の光学密度であり、(Abs)(R)は、励起波長における対照物質溶液の光学密度である。n(S)は、試料溶液の屈折率であり、n(R)は、対照物質溶液の屈折率であり、n(S)=1.333およびn(R)=1.383として計算した。
下記スキーム1にしたがって、2つの活性アミノ基がそれぞれトリフルオロアセチル基で保護された化合物102および103を合成(製造)し、さらに、ホスホロアミダイト104を合成した。
出発原料の(E)-5-(2-カルボキシビニル)-2'-デオキシウリジン((E)-5-(2-carboxyvinyl)-2'-deoxyuridine、化合物101)は、Tetrahedron 1987, 43, 20, 4601-4607に従って合成した。すなわち、まず、430mgの酢酸パラジウム(II)(FW224.51)と1.05gのトリフェニルホスフィン(FW262.29)に71mLの1,4-ジオキサンを加え、さらに7.1mLのトリエチルアミン(FW101.19, d=0.726)を加え、70℃で加熱撹拌した。反応溶液が赤褐色から黒褐色に変化したら14.2gの2'-デオキシ-5-ヨードウリジン(FW354.10)と7.0mLのアクリル酸メチル(FW86.09,d=0.956)を1,4-ジオキサンに懸濁させたものを加え、125℃で1時間加熱還流させた。その後、熱いうちにろ過し、メタノールで残さを洗浄し、ろ液を回収した。そのろ液から溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムで生成物を精製した(5-10% メタノール/ジクロロメタン)。集めたフラクションの溶媒を減圧留去し、残った白色固体を減圧下で乾燥した。その乾燥固体に約100mLの超純水を加え、3.21gの水酸化ナトリウム(FW40.00)を加え、25℃で終夜撹拌した。その後、濃塩酸を加えて溶液を酸性にし、生じた沈殿をろ過、超純水で洗浄し、減圧下で乾燥した。これにより、目的化合物(化合物101)8.10g(収率68%)を白色粉末として得た。なお、前記白色粉末が目的化合物101であることは、1HNMR測定値が文献値と一致することから確認した。また、13CNMR測定値を以下に記す。
13CNMR(DMSO-d6):δ168.1, 161.8, 149.3, 143.5, 137.5, 117.8, 108.4, 87.6, 84.8, 69.7, 60.8, 40.1.
1HNMR(CD3OD):δ8.35(s,1H), 7.22(d, J=15.6Hz, 1H), 7.04(d, J=15.6Hz, 1H), 6.26(t, J=6.6Hz, 1H), 4.44-4.41(m, 1H), 3.96-3.94(m, 1H), 3.84(dd, J=12.2, 2.9Hz, 1H), 3.76(dd, J=12.2, 3.4Hz, 1H), 3.37-3.30(m, 6H), 2.72-2.66(m, 6H), 2.38-2.23(m, 2H).13CNMR(CD3OD):δ169.3, 163.7, 159.1(q,J=36.4Hz), 151.2, 143.8, 134.3, 122.0, 117.5(q,J=286Hz), 110.9, 89.1, 87.0, 71.9, 62.5, 54.4, 53.9, 41.7, 38.9, 38.7. HRMS(ESI) calcd for C22H29F6N6O8 ([M+H]+) 619.1951, found 619.1943.
化合物102の5'-水酸基をDMTr基で保護し、化合物103を得た。すなわち、まず、618mgの化合物102(分子量618.48)と373mgの4,4'-ジメトキシトリチルクロリド(分子量338.83)を撹拌子の入ったナスフラスコに入れ、10mLのピリジンを加えて、25°で16時間撹拌した。少量の水を加え、溶媒を留去し、シリカゲルカラムで精製した(2-4% MeOH, 1% Et3N/CH2Cl2)。目的化合物103を含むフラクションの溶媒を留去し、735.2mg(79.8%)の目的物質(化合物103)を得た。以下に、化合物103の機器分析値を示す。また、図3に、1HNMRスペクトル図を示す。
1HNMR(CD3OD):δ7.91(s, 1H), 7.39-7.11(m, 9H), 7.02(d, J=15.6Hz, 1H), 6.93(d, J=15.6Hz, 1H), 6.80-6.78(m, 4H), 6.17(t, J=6.6Hz, 1H), 4.38-4.35(m, 1H), 4.06-4.04(m, 1H), 3.68(s, 6H), 3.32-3.22(m, 8H), 2.66-2.55(m, 6H), 2.40(ddd, J=13.7, 5.9, 2.9Hz, 1H), 2.33-2.26(m, 1H).13CNMR(CD3OD):δ168.9, 163.7, 160.1, 159.1(q, J=36.9Hz), 151.0, 146.1, 143.0, 137.0, 136.9, 134.1, 131.24, 131.16, 129.2, 128.9, 128.0, 122.5, 117.5(q, J=286.7Hz), 114.2, 110.9, 88.1, 87.9, 87.6, 72.6, 65.0, 55.7, 54.2, 53.9, 41.7, 38.9, 38.6. HRMS(ESI) calcd for C43H47F6N6O10([M+H]+) 921.3258, found 921.3265.
188mg(0.20mmol)の化合物103(分子量920.85)をCH3CNと共沸させ、28.6mg(0.40mmol)の1H-テトラゾール(分子量70.05)を加え、真空ポンプで一晩吸引乾燥した。この乾燥物に5.1mLのCH3CNを加えて溶解後、撹拌し、194μL(0.60mmol)の2-シアノエチル-N,N,N',N'-テトライソプロピルホスホロアミダイト(分子量301.41, d=0.949)を一気に加え25℃で2時間撹拌した。50mLの酢酸エチルと50mLの飽和重曹水を混合したものを加え、分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過により除去した後、溶媒を留去した。この分液による粗生成物をCH3CN共沸後、収率100%で生成物(化合物104)を得たと仮定して0.1MのCH3CN溶液とし、DNA合成に使用した。なお、化合物104が得られていることは、前記粗生成物の31PNMR(CDCl3)とHRMS(ESI)から確認した。これらの値を以下に示す。
31PNMR(CDCl3) δ 149.686, 149.430; HRMS (ESI) calcd for C52H64F6N8O11P([M+H]+) 1121.4336, found 1121.4342.
TTTTTT[105]TTTTTT, calcd for C138H187N30O90P12 ([M + H]+) 4077.8, found 4076.9;
TGAAGGGCTT[105]TGAACTCTG, calcd for C205H265N77O122P19 ([M+H]+) 6348.2, found 6348.7;
GCCTCCT[105]CAGCAAATCC[105]ACCGGCGTG, calcd for C285H376N108O169P27 ([M+H]+) 8855.0, found 8854.8;
CCTCCCAAG[105]GCTGGGAT[105]AAAGGCGTG, calcd for C289H376N116O168P27 ([M+H]+) 8999.1, found 9002.2.
まず、N-メチルキノリニウムヨージド(化合物111)を、前記文献の記載に従って合成した。具体的には、無水ジオキサン42mL中に、キノリン2.4mLとヨウ化メチル4mLを加え、150℃で1時間撹拌した後、ろ過によって沈殿物を集め、エーテル及び石油エーテルで洗浄、乾燥し、N-メチルキノリニウムヨージド(化合物111)を得た。
8mLの2-メチルベンゾチアゾール(FW149.21, d=1.173)と9.4gの5-ブロモ吉草酸(5-ブロモペンタン酸)(FW181.03)を110℃で16時間撹拌した。粗生成物を室温に冷却し、生じた固体をメタノール20mLに懸濁させ、さらにエーテル40mLを加えた。生じた沈殿をろ過し、ジオキサンで2-メチルベンゾチアゾールの匂いがなくなるまで洗浄し、エーテルでさらに洗浄し、減圧下で乾燥して9.8gの白色粉末を得た。この白色粉末の1HNMRを測定したところ、2位がアルキル化された目的物3-(4-カルボキシブチル)-2-メチルベンゾチアゾリウム ブロミド(化合物112)と、2位がアルキル化されていない3-(4-カルボキシブチル)-ベンゾチアゾリウム ブロミドとの混合物であった。プロトンのピーク比は、アルキル化されていないもの:アルキル化されたもの=10:3であった。この粗生成物を、そのまま次の反応に用いた。
上記(2)で得られた、3-(4-カルボキシブチル)-2-メチルベンゾチアゾリウム ブロミド(化合物112)を含む粗生成物2.18gと、700mgのN-メチルキノリニウムヨージド(化合物111)(FW271.10)を、3.6mLのトリエチルアミン(FW101.19, d=0.726)存在下、10mLの塩化メチレン中、25℃で2時間撹拌した。その後、エーテル50mLを加え、生じた沈殿を濾取し、エーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。その沈殿を超純水50mLに懸濁させ、濾取し、超純水で洗浄し、減圧下で乾燥した。さらに前記沈殿をアセトニトリル50mLに懸濁させ、濾取し、アセトニトリルで洗浄し、減圧下で乾燥させて307.5mgの赤色粉末を得た(収率25.3%)。この赤色粉末が目的物(化合物107)であることは、1HNMRスペクトルを文献値と対比して確認した。
1HNMR (DMSO-d6) δ 8.85 (d, J=8.3Hz, 1H), 8.59 (d, J=7.3Hz, 1H), 8.02.7.93 (m, 3H), 7.78.7.70 (m, 2H), 7.61.7.57 (m, 1H), 7.42.7.38 (m, 1H), 7.31 (d, J=6.8Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 4.47 (t, J=8.1Hz, 2H), 4.13 (s, 3H), 2.52.2.48 (m, 2H), 1.99.1.92 (m, 2H); 13CNMR (DMSO-d6, 60℃) δ 174.3, 158.9, 148.6, 144.5, 139.5, 137.7, 132.7, 127.9, 126.7, 125.6, 124.1, 124.0, 123.7, 122.5, 117.5, 112.5, 107.6, 87.7, 45.6, 42.0, 31.6, 22.4; HRMS (ESI) calcd for C22H21N2O2S ([M.Br]+) 377.1324, found 377.1316.
1HNMR(DMSO-d6) δ 8.70 (d, J=8.3Hz, 1H), 8.61(d, J=6.8Hz, 1H), 8.05.8.00(m, 3H), 7.80.7.73(m, 2H), 7.60.7.56(m, 1H), 7.41.7.35(m, 2H), 6.89(s, 1H), 4.59(t, J=7.3Hz, 2H), 4.16(s, 3H), 2.19(t, J=7.3Hz, 1H), 1.82.1.75(m, 2H), 1.62.1.43(m, 4H); 13CNMR (DMSO-d6, 60℃) δ 174.5, 159.0, 148.6, 144.7, 139.7, 137.8, 132.9, 127.9, 126.9, 125.2, 124.2, 123.8, 123.6, 122.6, 117.8, 112.6, 107.7, 87.4, 45.6, 42.1, 36.0, 26.3, 25.9, 24.9; HRMS(ESI) calcd for C24H25N2O2S ([M.Br]+) 405.1637, found 405.1632.
1HNMR(DMSO-d6) δ 8.72(d, J=8.3Hz, 1H), 8.62(d, J=6.8Hz, 1H), 8.07.8.01(m, 3H), 7.81.7.75(m, 2H), 7.62.7.58(m, 1H), 7.42.7.38(m, 2H), 6.92(s, 1H), 4.61(t, J=7.3Hz, 2H), 4.17(s, 3H), 2.18(t, J=7.3Hz, 1H), 1.82.1.75(m, 2H), 1.51.1.32(m, 6H); 13CNMR(DMSO-d6, 60℃) δ 174.0, 159.1, 148.6, 144.7, 139.8, 137.8, 132.9, 127.9, 126.8, 125.0, 124.2, 123.8, 123.6, 122.6, 118.0, 112.7, 107.8, 87.4, 45.5, 42.1, 33.4, 27.9, 26.4, 25.5, 24.1; HRMS(ESI) calcd for C25H27N2O2S ([M.Br]+) 419.1793, found419.1788.
9.4mg(20μmol)の1-メチル-4-[{3-(4-カルボキシブチル)-2(3H)-ベンゾチアゾリリデン}メチル]キノリニウム ブロミド(化合物107)(FW471.41)、4.6mg(40μmol)のN-ヒドロキシコハク酸イミド(化合物108)(FW115.09)、および7.6mg(40μmol)のEDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)(FW191.70)を、1mLのDMF中において25℃で16時間撹拌し、色素(化合物107)のカルボキシ基が活性化されたN-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(化合物109)を得た。この反応生成物は、精製せず、反応溶液(色素20mM)をそのままオリゴマーDNA(オリゴヌクレオチド)105との反応に使用した。
二つの活性アミノ基を有するDNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)105は、前記実施例4と同様に、DNA自動合成機により通常の方法で合成した。化合物105の配列は、実施例4と同じく5'-d(CGCAATXTAACGC)-3'(Xは前記化合物104)を用いた。次に、このDNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)105を、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(化合物109)と反応させ、チアゾールオレンジから誘導される構造を1分子中に2箇所有するDNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)110を合成した。すなわち、まず、30μLの5'-d(CGCAATXTAACGC)-3'(化合物105、ストランド濃度320μM)と10μLのNa2CO3/NaHCO3 buffer(1M, pH9.0)と60μLのH2Oを混合し、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(化合物109)のDMF溶液(20mM)100μLを加え、よく混合した。25℃で16時間静置した後、800μLのH2Oを加え、0.45μmのフィルターに通し、逆相HPLCで約14.5分に現れたピークを精製した(CHEMCOBOND 5-ODS-H 10×150mm、3mL/min、5-30% CH3CN/50mM TEAAバッファー(20分)、260nmで検出)。図7に、逆相HPLCのチャートを示す。矢印のピークで表されるフラクションを分取・精製した。このHPLC精製で得られた生成物をMALDI TOFマスのネガティブモードにより測定したところ、4848.8にピークが見られ、DNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)110であることが確認された。図8に、DNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)110のMALDI TOF MASSスペクトルを示す。同図中、矢印は、前記精製した生成物由来のマスピーク(4848.8)である。このピーク値は、正電荷を2つ有するDNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)110の分子M(C180H220N56O78P12S2)から3つのプロトンが抜けた[M2+-3H+]-の計算値4848.8と一致した。また、左右のピークは、標準物質として加えたDNAのT8量体とT18量体由来のピークである。
実施例6で精製したDNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)110(色素が2分子ついたDNA)を脱塩し、凍結乾燥した後、水溶液とし、UV吸収により濃度決定した(XはTと近似)。その後、ストランド濃度2.5μM、リン酸バッファー50mM(pH7.0)、そしてNaCl 100mMの条件で、蛍光プライマー(DNAオリゴマー110)が一本鎖状態のとき、DNA-DNA二重らせんのとき、そしてDNA-RNA二重らせんのそれぞれについてUV測定を行った。図9に、これら3つのサンプルのスペクトルを示す。図示の通り、二重らせん形成することにより500nm付近のUV吸収の極大波長が移動した。
下記化学式113で表される化合物(DNAオリゴマー)を、リンカー長nを種々変化させて合成した。合成は、原料の5-ブロモ吉草酸(5-ブロモペンタン酸)を、リンカー長に合わせて炭素数(鎖長)を変えた化合物とする以外は前記実施例1〜4および6と同様に行った。本実施例においては、下記化合物113の配列は、5'-d(CGCAATXTAACGC)-3'(Xは、色素導入部分)とした。さらに、それぞれを、実施例7と同様に蛍光プライマーとして使用し、蛍光測定により性能を評価した。その結果、以下に示すリンカーの長さの範囲内であれば、プライマー一本鎖に比べて約10倍近くまたはそれ以上の蛍光増大が、標的核酸とのハイブリダイゼーションによって得られることが確認された。また、プライマーと標的核酸によって得られる二本鎖は、天然配列の二本鎖より高い熱的安定性を示した。
5'-d(CGCAATTTAACGC)-3'/5'-r(GCGUUAAAUUGCG)-3' Tm(℃) 46
測定条件:プライマー(化合物113)2.5μM、リン酸バッファー 50mM(pH7.0)、NaCl 100mM、相補鎖 2.5μM
蛍光の極大波長は488nm(1.5nm幅)の光で励起した場合の値。
量子収率は9,10-ジフェニルアントラセンを参照物質として計算した。
下記化学式114で表される、1分子中に色素構造1個のみを含む化合物(DNAオリゴマー)を、リンカー長nを種々変化させて合成した。合成は、原料の5-ブロモ吉草酸(5-ブロモペンタン酸)を、リンカー長に合わせて炭素数(鎖長)を変えた化合物とすることと、化合物102合成においてトリス(2-アミノエチル)アミンに代えてビス(2-アミノエチル)メチルアミンを用いること以外は前記実施例1〜4および6と同様に行った。n=3、4、5、6の化合物を、それぞれ同様の方法で合成することができた。
1.19g(4.0mmol)の(E)-5-(2-カルボキシビニル)-2'-デオキシウリジン 101(分子量298.25)と921mg(8.0mmol)のN-ヒドロキシスクシンイミド(分子量115.09)と1.53g(8.0mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(分子量191.70)を撹拌子の入ったナスフラスコに入れ、1.0mLのDMFを加えて、25℃で8時間撹拌した。約1mLの酢酸を加え、250mLの塩化メチレンと250mLの超純水を加え、激しく撹拌した。生じた沈殿をろ過し、水で洗浄し、減圧下で終夜乾燥した。得られた白色残渣を100mLのアセトニトリルに懸濁させ、激しく撹拌した。そこに2.34g(20mmol)のN-メチル-2,2'-ジアミノジエチルアミン(分子量146.23, d=0.976)を一気に加え、25℃でさらに10分間撹拌した。その後、4.8mL(40mmol)のトリフルオロ酢酸エチル(分子量142.08, d=1.194)、5.6mL(40mmol)のトリエチルアミン(分子量101.19, d=0.726)および50mLのエタノールを加え、25℃で16時間撹拌した。得られた混合物から溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムで精製した(10-20% MeOH/CH2Cl2)。目的物を含むフラクションから溶媒を減圧留去し、少量のアセトンに溶解させ、エーテルを加えると白色沈殿を生じた。ろ過、エーテルで洗浄後、減圧下で乾燥し、750mg(76%)の目的物質(化合物102’)を白色粉末として得た。以下に、機器分析値を示す。
1HNMR(CD3OD) δ 8.29(s, 1H), 7.17(d, J=15.6Hz, 1H), 6.97(d, J=15.6Hz, 1H), 6.21(t, J=6.3Hz, 1H), 4.40.4.36(m, 1H), 3.92.3.90(m, 1H), 3.80(dd, J=11.7, 2.9Hz, 1H), 3.72(dd, J=11.7, 3.4Hz, 1H), 3.37.3.25(m, 5H), 2.60.2.53(m, 5H), 2.33.2.19(m, 5H); 13CNMR(CD3OD) δ 169.2, 158.7 (q, J=36.4Hz), 151.2, 143.7, 143.6, 134.1, 122.2, 117.5 (q, J=286.2Hz), 111.0, 89.2, 87.0, 72.1, 62.6, 57.4, 56.7, 42.4, 41.8, 38.5, 38.3; HRMS(ESI) calcd for C19H27F3N5O7 ([M+H]+) 494.1863, found 494.1854.
まず、296mg(0.60mmol)の化合物102’(分子量494.19)と224mg(0.66mmol)の4,4'-ジメトキシトリチルクロリド(分子量338.83)を撹拌子の入ったナスフラスコに入れ、4mLのピリジンを加えて、25℃で2時間撹拌した。1mLの水を加え、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムで精製した(1.5% MeOHおよび1% Et3N/CH2Cl2)。目的とする102’のトリチル化物(104’の中間体)を含むフラクションを濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。その混合物を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、減圧下で乾燥して、白色泡状のトリチル化物(366mg, 77%)を得た。
31PNMR(CDCl3) δ 149.686, 149.393; HRMS(ESI) calcd for C49H61F3N7O10P([M+H]+) 996.4248, found 996.4243.
CGCAAT[105’]TAACGC, calcd for C133H174N51O76P12([M+H]+) 4074.8, found 4072.0;
CGCAAT[105’][105’]AACGC, calcd for C140H187N54O77P12([M+H]+) 4230.0, found 4228.9.
CGCAAT[114](4)TAACGC, calcd for C156H194N53O77P12S(M+) 4447.3, found 4445.6; CGCAAT[114](4)[114](4)AACGC, calcd for C186H228N58O79P12S2([M.H]+) 4976.0, found 4976.9.
蛍光の極大波長は488nm(1.5nm幅)の光で励起した場合の値である。
量子収率は9,10-ジフェニルアントラセンを参照物質として計算した。
色素として、前記化合物107に代えて下記化学式115で表される化合物を用いる以外は実施例9と同様にして、1分子中に色素構造1個のみを含む化合物(DNAオリゴマー)を合成した。合成は、リンカー長nを1〜4まで種々変化させて行った。配列は、前記化合物105と同じく5'-d(CGCAATXTAACGC)-3'(Xは色素導入部分)とした。
実施例8(色素2個)および実施例9(色素1個)のDNAオリゴマー(オリゴヌクレオチド)について、一本鎖の場合と二本鎖DNAの場合とで、それぞれ蛍光寿命を測定した。測定対照のDNAオリゴマーは、下記配列中Xの箇所に色素導入ヌクレオチドが入っている。
5'-d(CGCAATXTAACGC)-3' (配列番号1)
5'-d(GCGTTAAATTGCG)-3' (配列番号2)
リン酸バッファー50mM(pH7.0)
NaCl 100mM
455nm(prompt)600nm(decay)で測定した。
色素として、前記化合物107に代えて下記化学式115’で表される化合物を用いる以外は実施例8と同様にして、下記化学式117で表されるDNAオリゴマーを合成した。n=3、4、5、6の化合物を、それぞれ同様の方法で合成することができた。さらに、実施例8と同様にして蛍光プライマーとして使用し、蛍光測定により性能を評価した。下記表4に、その結果を示す。表4に示すとおり、化合物117は、実施例8のDNAオリゴマー(化合物113)とは吸収帯が異なるが、同様に良好なエキシトン効果を示した。このことは、本発明において、吸収帯が異なる蛍光プライマーを用いてマルチカラーでの検出が可能であることを示す。
下記配列で表されるDNAオリゴマー(化合物118)を合成した。Xは、実施例9と同様の色素構造を有するヌクレオチド(下記式:化学式118とする)である。下記配列が示すとおり、このDNAオリゴマーは、色素導入ヌクレオチドが2つ連続して配列されている。色素の導入およびDNAオリゴマーの合成は、前記各実施例と同様の手法により行った。
5'-d(TTTTTTXXTTTTT)-3' (配列番号3)
プライマー2.5μM(ストランド濃度)
リン酸バッファー50mM(pH7.0)
NaCl 100mM
相補鎖2.5μM(ストランド濃度)
前記化学式113または114で表される化合物(DNAオリゴマー)すなわち下記表5に示す各ODNを、リンカー長nおよび核酸配列を種々変化させて合成した。なお、「ODN」とは、前述の通り、オリゴDNA(DNAオリゴマー)を意味する。合成は、原料の5-ブロモ吉草酸(5-ブロモペンタン酸)を、リンカー長に合わせて炭素数(鎖長)を変えた化合物とすることと、オリゴDNA合成において配列を適宜変更すること以外は、前記実施例1〜4、6、8、9または12と同様に行った。なお、ODN1は、実施例8で合成したオリゴDNA(DNAオリゴマー)と同じであり、ODN4およびODN5は、実施例9で合成したオリゴDNA(DNAオリゴマー)と同じである。合成において、チアゾールオレンジのN-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(化合物109)は、活性アミノ基の50当量またはそれ以上用いた。合成後、逆相HPLCにおける展開時間は、必要に応じ、20〜30分間またはそれ以上とした。なお、以下において、例えば、[113](n)または[114](n)は、その位置に、化学式113または114で表されるヌクレオチドが挿入されていることを示す。nはリンカー長である。また、下記表5において、ODN1'は、ODN1に相補的なDNA鎖を示す。同様に、ODN2'はODN2に相補的なDNA鎖を示し、ODN3'は、ODN3に相補的なDNA鎖を示す。
ODN1(n=5), CGCAAT[113](5)TAACGC, calcd for C182H221N56O78P12S2 ([M.H]+) 4876.8, found 4875.6;
ODN1(n=6), CGCAAT[113](6)TAACGC, calcd for C184H225N56O78P12S2 (([M.H]+) 4904.9, found 4903.6;
ODN2, TTTTTT[113](4)TTTTTT, calcd for C184H227N34O92P12S2 ([M.H]+) 4822.8, found 4821.4;
ODN3, TGAAGGGCTT[113](4)TGAACTCTG, calcd for C251H305N81O124P19S2 ([M.H]+) 7093.2, found 7092.3;
ODN(anti4.5S), GCCTCCT[113](4)CAGCAAATCC[113](4)ACCGGCGTG, calcd for C377H456N116O173P27S4 ([M.3H]+) 10344.9, found 10342.7;
ODN(antiB1),CCTCCCAAG[113](4)GCTGGGAT[113](4)AAAGGCGTG, calcd for C381H456N124O172P27S4 ([M.3H]+) 10489.0, found 10489.8.
b488nmで励起
cλmaxで励起(λmaxが2つあるときは、長波長側のλmaxで励起)
d二本鎖状態と一本鎖状態とのλemにおける蛍光強度比
図18(a)は、ODN1(n=4)(2.5μM)の測定結果を示す。励起スペクトルは、ssにおいては波長534nmの発光強度を測定し、dsにおいては波長528nmの発光強度を測定した。発光スペクトルは、ssにおいては波長519nmで励起し、dsにおいては波長514nmで励起して測定した。
図18(b)は、ODN2の測定結果を示す。ストランド濃度は、左側のグラフにおいては2.5μMであり、右側のグラフにおいては1μMである。励起スペクトルは、ssにおいては波長534nmの発光強度を測定し、dsにおいては波長537nmの発光強度を測定した。発光スペクトルは、ssにおいては波長517nmで励起し、dsにおいては波長519nmで励起して測定した。
図18(c)は、ODN3の測定結果を示す。ストランド濃度は2.5μMである。励起スペクトルは、ssにおいては波長535nmの発光強度を測定し、dsにおいては波長530nmの発光強度を測定した。発光スペクトルは、ssにおいては波長518nmで励起し、dsにおいては波長516nmで励起して測定した。
図19(a)は、ODN1(n=3)(2.5μM)の測定結果を示す。励起スペクトルは、ssにおいては波長537nmの発光強度を測定し、dsにおいては波長529nmの発光強度を測定した。発光スペクトルは、ssにおいては波長521nmで励起し、dsにおいては波長511nmで励起して測定した。
図19(b)は、ODN1(n=5)(2.5μM)の測定結果を示す。励起スペクトルは、ssにおいては波長538nmの発光強度を測定し、dsにおいては波長529nmの発光強度を測定した。発光スペクトルは、ssにおいては波長520nmで励起し、dsにおいては波長512nmで励起して測定した。
図19(c)は、ODN1(n=6)の測定結果を示す。ストランド濃度は2.5μMである。励起スペクトルは、ssにおいては波長536nmの発光強度を測定し、dsにおいては波長528nmの発光強度を測定した。発光スペクトルは、ssにおいては波長523nmで励起し、dsにおいては波長514nmで励起して測定した。
前記ODN1(n=4)の吸収スペクトルを、種々の温度および濃度で測定し、温度および濃度が吸収帯に及ぼす影響を確認した。図20の吸収スペクトル図に、その結果を示す。同図(a)および(b)において、横軸は波長であり、縦軸は吸光度である。各測定は、100mM塩化ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)中のODN1(n=4)を試料として行った。
図20(a)は、溶液温度を変化させた際の吸収スペクトル変化を示す。ODN濃度は2.5μMである。スペクトルは、10℃から90℃まで10℃間隔で測定した。
図20(b)は、溶液濃度を変化させた際の吸収スペクトル変化を示す。測定温度は25℃である。ODN濃度は、0.5, 0.75, 1.0, 1.2, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0, 4.0,および5.0μMである。
また、挿入図は、波長479nmにおける吸光度の対数(縦軸)と、波長509nmにおける吸光度の対数(横軸)との関係を示すグラフである。
ODN1(n=4)/ODN1'のCDスペクトルを測定した。ストランド濃度は2.5μMとし、100mM塩化ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)中、25℃で測定した。図21のCDスペクトル図に、その測定結果を示す。同図において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は角度θである。図示の通り、ODN1(n=4)/ODN1'二本鎖は、450〜550nmにおいて、分裂型のコットン効果(split-Cotton effect)を示した。すなわち、測定されたCD対は、チアゾールオレンジ色素がDNA二本鎖にインターカレーションする際の典型的なパターンを示した。すなわち、ODN1(n=4)の色素部分が、形成された二本鎖DNAにインターカレーションし、二色性会合体(H会合体)の形成が強力に妨げられたと考えられる。このCD測定の結果は、前記Tm測定結果とあわせ、ODN1(n=4)における色素部分が二本鎖DNAに結合する際に、2つの色素部分がともに主溝にインターカレーションし、熱的に安定な二本鎖構造を形成することを示唆する。ただし、この理論的考察は、本発明を限定するものではない。形成される二本鎖構造が熱的に安定であることは、本発明のプライマー(核酸)が、相補的配列の検出に効果的に使用可能であることを示す。
前記ODN5(CGCAAT[114](4)[114](4)AACGC)について、二本鎖状態と一本鎖状態の吸収スペクトル、励起スペクトルおよび発光スペクトルを測定した。下記表7および図22に、その結果を示す。
b488nmで励起
cλmaxで励起(λmaxが2つあるときは、長波長側のλmaxで励起)
d二本鎖状態と一本鎖状態とのλemにおける蛍光強度比
ODN1(n=4)を相補的なODN1'とハイブリダイゼーションさせたときの蛍光を、肉眼で測定した。図23に、その測定結果を示す。同図左のセルは、ODN1(n=4)一本鎖を含むセルであり、同図右のセルは、ODN1(n=4)/ODN1'二本鎖を含むセルであり、それぞれ、150Wハロゲンランプ照射後の状態を示す。各セル中のストランド濃度はそれぞれ2.5μMであり、リン酸バッファー(リン酸ナトリウム緩衝液)50mM(pH7.0)およびNaCl 100mMを含む。図示の通り、150Wハロゲンランプ照射後は、ODN1(n=4)一本鎖を含む図左のセルはほとんど蛍光発光しなかったが、ODN1(n=4)/ODN1'二本鎖を含む図右のセルは、きわめて明確に淡緑色の蛍光を示した。また、相補的DNA鎖ODN1'を対応する相補的RNA鎖に代えても同様の結果が得られた。さらに、ODN2とODN2’においても同様の結果が得られた。さらに、ODN2とODN2’の場合において、ODN2’を対応する相補的RNA(A13量体)に変えても同様の結果が得られた。なお、これらの場合のストランド濃度は5μMであった。また、その他、前記表6の全てのODNについて同様の結果が得られた。このように、本実施例のODNによれば、ハイブリダイゼーションに依存して蛍光強度が明確に変化するため、ハイブリダイゼーション可能な標的配列の裸眼による判定が容易であった。このことは、これらODNが、可視的な遺伝子分析に有用であることを示す。
色素として、前記化合物107に代えて下記化学式119で表される化合物を用いる以外は実施例8と同様にして、下記化学式120で表されるDNAオリゴマーを合成した。
キュベット中で、前記ODN2(配列5'-d(TTTTTT[113](4)TTTTTT)-3')と、それに対応する相補的RNA鎖(RNA A13mer)との二本鎖ODNを形成させ、蛍光発光スペクトルを測定した。さらに、そこにRNase Hを添加し、スペクトルの変化を観察した。図25に、その結果を示す。同図において、横軸は時間であり、縦軸は蛍光強度である。図中、黒線は、途中でRNase Hを添加した前記二本鎖ODNのスペクトル変化を示し、灰色の線は、対照、すなわちRNase Hを添加しなかった前記二本鎖ODNのスペクトル変化を示す。測定は、37℃で攪拌しながら、前記蛍光分光器を用いて行った。図示の通り、RNase Hを添加すると、前記ODN2とハイブリダイゼーションしているRNAが消化され、前記ODN2が一本鎖に戻ることにより、蛍光強度が次第に減少した。
前記ODN1(n=4)(配列5'-d(CGCAAT[113](4)TAACGC)-3')に対し、相補的DNA鎖であるODN1'(配列5'-d(GCGTTAAATTGCG)-3')の濃度比を変化させて蛍光発光強度の変化を観測した。測定条件としては、ODN1(n=4)のストランド濃度を1.0μMで固定し、リン酸バッファー 50mM(pH7.0)、NaCl 100mM、励起波長488nm(1.5nm幅)とした。相補鎖ODN1'の濃度は、0、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.5、2.0または3.0μMの各濃度でそれぞれ測定した。図26に、その測定結果を示す。同図において、横軸は、ODN1(n=4)に対するODN1'の当量数を示す。縦軸は、蛍光のλmax(529nm)における蛍光発光強度(相対値)を示す。図示の通り、蛍光発光強度は、ODN1'の当量数が1以下では、前記当量数に対し、きわめて高い精度で正比例関係を示したが、前記当量数が1を超えると変化しなかった。このことは、ODN1(n=4)が、ODN1'と正確に1:1の物質量比(分子数比)でハイブリダイゼーションしたことを示す。
今回合成した新規な蛍光DNAオリゴマーの、ハイブリダイゼーションによる蛍光特性変化を見るために、前記ODN(antiB1)およびODN(anti4.5S)を用いてドットブロッティングによるDNA解析を行った。標的DNA配列は、B1 RNA配列を含む短鎖DNAフラグメントを用いた。この配列は、げっ歯類ゲノムにおける短分散型核内反復配列の一つである。また、前記短鎖DNAフラグメントは、4.5S RNA配列を含む。この配列は、げっ歯類細胞から単離した低分子核内RNAの一つであり、B1ファミリーと広範な相同性を有する。本参考例では、ブロッティング用のDNAオリゴマーとしてODN(antiB1)およびODN(anti4.5S)を調製し、これらに2個の[113](4)ヌクレオチドを組み込むことにより、高感度および高蛍光強度を持たせた。なお、DNAオリゴマーであるODN(antiB1)およびODN(anti4.5S)の構造は、前記実施例13の表5に記載の通りである。
(1)下記の4.5S RNA配列およびその相補的DNAを含むDNA二本鎖。
5'-d(GCCGGTAGTGGTGGCGCACGCCGGTAGGATTTGCTGAAGGAGGCAGAGGCAGGAGGATCACGAGTTCGAGGCCAGCCTGGGCTACACATTTTTTT)-3' (配列番号11)
(2)下記のB1 RNA配列およびその相補的DNAを含むDNA二本鎖。
5'-d(GCCGGGCATGGTGGCGCACGCCTTTAATCCCAGCACTTGGGAGGCAGAGGCAGGCGGATTTCTGAGTTCGAGGCCAGCCTGGTCTACAGAGTGAG)-3' (配列番号12)
図27(a)は、ナイロン膜上に異なる配列のDNAブロットした状態を示す模式図である。上段の4つのスポットは、4.5S RNA配列含有DNAを示し、下段の4つのスポットは、B1 RNA含有DNAを示す。
図27(b)は、ODN(anti4.5S)含有溶液にインキュベートした後の蛍光発光を示す図である。
図27(c)は、ODN(antiB1)含有溶液にインキュベートした後の蛍光発光を示す図である。
実施例8におけるリンカー長n=4の色素を含むポリT DNAオリゴマー(前記ODN2)を、微小ガラス管を用いたマイクロインジェクション法により細胞に導入し、水銀ランプと冷却CCDカメラおよび蛍光フィルターセット(YFP用)を備えた倒立型顕微鏡により蛍光発光を測定した。図28〜30に、その結果を示す。図28は、微分干渉測定のときの写真であり、図29は、蛍光観察時の写真であり、図30は、図28と図29との重ね合わせである。図示の通り、本発明の蛍光DNAオリゴマー(標識物質)は、細胞内に発現したmRNAのポリA末端配列に結合し発光した。すなわち、本発明における標識DNAオリゴマーは、試験管内遺伝子検出だけでなく、生体内遺伝子検出にも効果的である。
前記ODN2(配列5'-d(TTTTTT[113](4)TTTTTT)-3')に、さらに、一般的な蛍光色素であるCy5を定法により結合させ、さらにそれを前記の方法で細胞に導入した。ここでCy5は前記ODN2を合成する過程において、DNA自動合成機により前記ODN2の5'末端に追加することで結合させた(配列5'-Cy5-d(TTTTTT[113](4)TTTTTT)-3')。蛍光発光はレーザー走査型共焦点顕微鏡により測定した。図31に、その結果を示す。図31Aは、633nmにより励起し650nm以上の蛍光を取得しており、Cy5由来の蛍光を示す。図31Bは、488nmにより励起し505‐550nmの蛍光を取得しており、2つのチアゾールオレンジ部分に由来する蛍光を示す。図示の通り、ODN2は、細胞内に発現したmRNAのポリA末端配列に結合し発光した。これにより、細胞内mRNAの分布を追跡可能であった。本発明の化合物または核酸は、このように、複数種類の色素(蛍光性を示す原子団)を導入してもよい。このようにすれば、例えば、各色素の蛍光のλmaxが異なることにより、マルチカラーによる検出も可能である。
前記ODN2(配列5'-d(TTTTTT[113](4)TTTTTT)-3')を前記の方法で細胞核に注入し、直後(0秒後)から約4分半後まで、蛍光発光を前記レーザー走査型共焦点顕微鏡により追跡した(励起488nm、蛍光取得505-550nm)。図32に、その結果を示す。同図は、11の図に分かれており、左から右へ、および上段から下段へと向かって、ODN2注入後の経過を示す。各図における経過時間(ODN2注入後)は、下記表8の通りである。図示の通り、ODN2は、注入直後は細胞核に集中していたが、ハイブリダイズしたmRNA(ポリA)とともに、次第に細胞全体に分散したことが確認された。本発明によれば、このようにしてmRNAを追跡することも可能である。
前記ODN2において、[113](4)の両側のTをそれぞれ24個に増やしたODNを合成した。これをODN7とする。合成は、ODN2の合成方法と同様にして行った。また、ODN7の配列は、5'-d(TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT[113](4)TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT)-3')である(配列番号13)。これを、実施例22と同様の方法で細胞核に注入し、蛍光強度を測定した。図33に、一定時間経過後の蛍光写真を示す。ODN7は、注入直後は細胞核に集中していたが、実施例22と同様、ハイブリダイズしたmRNA(ポリA)とともに、次第に細胞全体に分散し、やがて、図33のように、細胞核周辺に分散した状態となった。
実施例11、16等で述べた通り、本発明における蛍光DNAオリゴマーは、吸収波長、発光波長等を変化させることで、マルチカラーによる相補鎖検出が可能である。このマルチカラーによる検出は、例えば、前記化合物113、117および120のように、色素(蛍光性を示す原子団)部分の構造を変化させることにより達成可能である。本参考例では、さらに多種類の蛍光DNAオリゴマーを合成(製造)し、マルチカラーによる相補鎖検出を行った。
本発明の標識プライマーを含むSMAP用プライマーセットを用いて、EGFRexon21の突然変異L858R(2573T>G)の検出を行った。
鋳型DNAは、exon21点突然変異L858Rを含む肺癌セルラインNCl−H1975から抽出した(American Type Culture Collection)。前記セルラインは、それぞれの突然変異について、1つの正常な対立遺伝子を有するヘテロ接合体である。前記セルラインから、常法によりゲノムDNAの抽出を行い、40ng/μLにまで希釈した。これをフルマッチ検出用の鋳型DNAという。なお、ミスマッチ検出用の鋳型DNAとして、exon21対立遺伝子について野生型ホモ接合体であるヒトゲノムDNAを使用した(Promega社製)。また、これらの鋳型DNAは、98℃で3分加熱処理後、急冷したものを、後述するアッセイに使用した。
SMAP用プライマーセットとして、4種類のプライマーを準備した。これらのプライマーを、exon21における標的核酸配列を含む領域(標的領域)とあわせて、図34に示す。同図においてAは、前記標的領域(配列番号14)、Bは、Folding Primer(FP;第2のプライマー;配列番号15)、Turn-back Primer(TP;第1のプライマー;配列番号16)、Boost Primer(BP;第三のプライマー;配列番号17)およびOuter Primer2(OP2;配列番号18)である。同図Aにおいて、下線FPにおける小文字「g」が検出目的の突然変異であり、野生型の場合、この部位は小文字「t」である。同図Aにおいて、下線部FPが、Folding Primerの3’末端に含まれる配列である。同図Aにおいて、点線枠TP1が、Turn-back Primerの5’末端に含まれる配列であり、点線枠TP2の相補鎖が、Turn-back Primerの3’末端に含まれる配列である。また、同図Aにおいて、下線部BPが、Boost Primerの配列であり、同図Bにおいて、下線部BPの太字で表したヌクレオチド残基(T)が、後述する蛍光性原子団で標識化された塩基(標識構造)である。また、同図Aにおいて、下線部OP2の相補鎖が、Outer Primer2の配列である。
下記組成の反応液25μlを調製し、これを60℃で反応させた。前記反応中、60℃の等温状態を維持しながら、Mx3005P system(商品名、Stratagene社製)により、反応液の蛍光強度をリアルタイムでモニタリングした。なお、比較例としては、標識化したBoost Primer(標識プライマー)に代えて、同じ配列の未標識Boost Primerを使用し、且つ、下記反応液に、検出用のインターカレーターとしてSYBR(登録商標)GreenI(Moleculor Probes, Inc)を添加した以外は、同様にして蛍光強度をリアルタイムでモニタリングした。なお、前記インターカレーターは、反応液において10万倍希釈となるように添加した。
本発明の標識プライマーを含むSMAP用プライマーセットを用いて、ヒトインフルエンザH3N2亜型における野生型とタミフル耐性変異型の検出を行った。
H3N2亜型の野生型コピー断片を有するプラスミドと、119番目のグルタミン酸がバリンに変換された変異型コピー断片を有するプラスミドを、東京大学メディカルセンターより入手した。そして、H3N2亜型のRNAからRT-PCRにより鋳型となるプラスミドDNAを増幅させた。得られたプラスミドDNAを5分間、95℃で加熱して、鋳型DNAとして後述するアッセイに供した。
SMAP用プライマーセットとして、以下に示す6種類のプライマーを準備した。これらのプライマーを、H3N2亜型における標的核酸配列を含む領域(標的領域)とあわせて、図37に示す。同図においてAは、野生型の標的領域(配列番号19)および変異型の標的領域(配列番号20)を示す概略図である。同図においてBは、Turn-back Primer(TP;第1のプライマー;配列番号21)、Folding Primer(FP;第2のプライマー;配列番号22)、野生型用Boost Primer(BPw;第三のプライマー;配列番号23)、変異型用Boost Primer(BPm;第三のプライマー;配列番号24)、Outer Primer1(OP1;配列番号25)およびOuter Primer2(OP2;配列番号26)である。同図Aにおいて、野生型の場合、119E(wild)の下線BPwにおける小文字「a」が検出目的の塩基であり、変異型の場合、119V(mutant)の下線部BPmにおける小文字「t」が検出目的の塩基である。同図Bにおいて、119E(野生型)のBPwにおける3’末端から2番目の塩基「T」が、検出目的の突然変異(A)に相補な塩基であり、119V(変異型)の下線BPmにおける3’末端から2番目の塩基「A」が、検出目的の突然変異(T)に相補な塩基である。同図Aにおいて、点線枠TP1の相補鎖が、Turn-back Primerの5’末端に含まれる配列であり、点線枠TP2が、Turn-back Primerの3’末端に含まれる配列である。同図Aにおいて、下線部FPの相補鎖が、Folding Primerの3’末端に含まれる配列である。また、同図Aにおいて、下線部BPwの相補鎖が、野生型用Boost Primerの配列であり、下線部BPmの相補鎖が、変異型用Boost Primerの配列である。また、同図Aにおいて、下線部OP1がOuter Primer1の配列であり、下線部OP2の相補鎖が、Outer Primer2の配列である。
下記組成の反応液25μlを氷上で調製し、60℃で反応させた。前記反応中、60℃の等温状態を維持しながら、Mx3005P system(商品名、Stratagene社製)により、反応液の蛍光強度をリアルタイムでモニタリングした。蛍光強度の検出は、FAMの波長(492nm‐516nm)とCy5の波長(635nm‐665nm)を検出波長範囲とした。これにより、ラベル化した各Boost Primerの蛍光強度を測定した。FAM波長により、野生型検出用のBPwの蛍光原子団を検出でき、Cy5波長により、変異型検出用のBPmの蛍光原子団を検出できる。前記反応液における鋳型DNAの種類と割合ならびにBoost Primerの種類と割合を、下記表12に示す(実施例20-1〜20-2)。下記表12において、前記反応液中のBoost Primerにおける野生型検出用および変異型検出用の濃度、鋳型DNAにおける野生型および変異型のコピー数を示す。これらの結果を図38〜41に示す。
本発明の標識プライマーを含むプライマーセットを用いたPCRにより、EGFR遺伝子のexon21の増幅を行った。
Human Genomic DNA(Promega社製)を使用した。
(2)プライマー
未標識フォワードプライマー(F1)と標識リバース(Labeled-R1)とからなるプライマーセットを用いた。なお、標識R1は、下線を付したヌクレオチド残基(T)を蛍光原子団で標識化した。前記標識化されたヌクレオチド残基の構造は、前記式(121)で表され、前記式(121)において「Dye」の部分は、それぞれ前記参考例6における前記式(113)で表される。前記式(113)においてリンカー長は、n=4とした。前記式(113)で表される蛍光性原子団の検出波長は、励起波長510nm/蛍光波長530nmである。この標識R1は、塩基配列を配列番号28とする以外は、前記実施例8または参考例6と同様の方法で合成した。
F1:5’‐AAACACCGCAGCATGTC−3’ (配列番号27)
Labeled-R1:5’‐TAAAGCCACCTCCTTAC−3’ (配列番号28)
5’−AAACACCGCAGCATGTCAAGATCACAGATTTTGGGCGGGCCAAACTGCTGGGTG
F1
CGGAAGAGAAAGAATACCATGCAGAAGGAGGCAAAGTAAGGAGGTGGCTTTA−3’
labeled-R1
本発明の標識プライマーを含むプライマーセットを用いたPCRにより、EGFR遺伝子のexon21の増幅を行い、融解曲線解析を行った。
Human Genomic DNA(Promega社製)を使用した。
(2)プライマー
未標識フォワードプライマー(F1)と標識リバースプライマー(Labeled-R1)とからなるプライマーセット(実施例)、ならびに、未標識フォワードプライマー(F1)と未標識リバースプライマー(R1)とからなるプライマーセット(対照例)を用いた。前記標識R1(labeled-R1)は、前記実施例21と同様である。また、exon21の領域(配列番号30)におけるR1の位置関係は、標識R1と同じである。
F1:5’‐AAACACCGCAGCATGTC−3’ (配列番号27)
R1:5’‐TAAAGCCACCTCCTTAC−3’ (配列番号29)
Labeled-R1:5’‐TAAAGCCACCTCCTTAC−3’ (配列番号28)
本発明の標識プライマーを含むLAMP用プライマーセットを用いて、EGFRexon21の突然変異L858Rを含む領域の増幅を行った。
鋳型DNAは、実施例19と同様に、exon21点突然変異L858Rを含む肺癌セルラインNCl−H1975から抽出した(American Type Culture Collection)。
前記突然変異を含む領域とフルマッチのLAMP用プライマーセットを調製した。プライマーセットは、下記LF(配列番号31)、LR(配列番号32)、標識化または未標識のBP(配列番号33)、および、OP(配列番号34)を含む。プライマーセットにおける各プライマーの割合は、LF:LR:BP:OP=8:8:4:1とした。
LF(EGFRex21(M)LF Primer) 5’-CCAAAATCTGGGAACGTACTGGTGAAACA-3’
LR(EGFRex21(M)LR Primer) 5’-CGAGCCAAACGCCTCCTTCTGCATGGTATT-3’
BP(Boost Primer;EGFR exon21 BP3) 5’-TGGGTGCGGAAGAGAAAG-3’
OP(Outer Primer2;EGFR exon21 OP3) 5’-TAAAGCCACCTCCTTAC-3’
Claims (44)
- 標的核酸配列を増幅するためのプライマーであって、
下記式(16)、(16b)、(17)、(17b)、(18)または(18b)で表される構造を少なくとも一つ含む標識核酸であることを特徴とするプライマー。
Bは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団であり、
Eは、
(i)デオキシリボース骨格、リボース骨格、もしくはそれらのいずれかから誘導される構造を有する原子団、または
(ii)ペプチド構造もしくはペプトイド構造を有する原子団であり、
Z11およびZ12は、それぞれ、蛍光性を示す原子団であり、同一でも異なっていてもよく、
L1、L2およびL3は、それぞれ、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長(主鎖原子数)は任意であり、主鎖中に、C、N、O、S、PおよびSiを、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、主鎖中に、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合およびチオエステル結合を、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、L1、L2およびL3は、互いに同一でも異なっていても良く、
Dは、CR、N、P、P=O、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基であり、
bは、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、
または、前記式(16)および(16b)中、L1およびL2は前記リンカーであり、L3、Dおよびbは存在せず、L1およびL2がBに直接結合していてもよく、
ただし、
式(16)、(17)および(18)中、Eは、前記(i)の原子団であり、リン酸架橋中の少なくとも一つのO原子がS原子で置換されていても良く、
式(16b)、(17b)および(18b)中、Eは、前記(ii)の原子団であり、
式(17)および(17b)中、各Bは、同一でも異なっていても良く、各Eは、同一でも異なっていても良い。 - 前記式(16)、(17)、(16b)、(17b)、(18)および(18b)中、
L1、L2およびL3の主鎖長(主鎖原子数)が、それぞれ2以上の整数である、請求項1記載のプライマー。 - 前記式(16)、(17)、(16b)、(17b)、(18)および(18b)中、
Z11およびZ12が、エキシトン効果を示す原子団である、請求項1または2記載のプライマー。 - 前記式(16)、(17)、(16b)、(17b)、(18)および(18b)中、
Z11およびZ12が、それぞれ独立に、チアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、シアニン、ヘミシアニン、その他のシアニン色素、メチルレッド、アゾ色素またはそれらの誘導体から誘導される基である、請求項1から3のいずれか一項に記載のプライマー。 - Z11およびZ12が、それぞれ独立に、下記式(7)から(9)のいずれかで表される原子団である、請求項1から4のいずれか一項に記載のプライマー。
X1およびX2は、SまたはOであり、
nは、0または正の整数であり、
R1〜R10、R13〜R21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基であり、
R11およびR12のうち、一方は、前記式(16)、(17)、(16b)、(17b)、(18)および(18b)中のL1もしくはL2に結合する連結基であり、他方は、水素原子または低級アルキル基であり、
R15は、式(7)、(8)または(9)中に複数存在する場合は、同一でも異なっていても良く、
R16は、式(7)、(8)または(9)中に複数存在する場合は、同一でも異なっていても良く、
Z11中のX1、X2およびR1〜R21と、Z12中のX1、X2およびR1〜R21とは、互いに同一でも異なっていてもよい。 - 前記式(7)〜(9)中、
R1〜R21において、前記低級アルキル基が、炭素数1〜6の直鎖または分枝アルキル基であり、前記低級アルコキシ基が、炭素数1〜6の直鎖または分枝アルコキシ基である、請求項5記載のプライマー。 - 前記式(7)〜(9)中、
R11およびR12において、前記連結基が、炭素数2以上のポリメチレンカルボニル基であり、カルボニル基部分で前記式(16)、(16b)、(17)、(17b)、(18)および(18b)中のL1もしくはL2に結合する、請求項5または6記載のプライマー。 - 標的核酸配列を増幅するためのプライマーセットであって、
一対のプライマーを含み、
前記一対のプライマーの少なくとも一方のプライマーが、請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマーであることを特徴とするプライマーセット。 - 前記プライマーセットが、等温増幅法に使用するプライマーセットである、請求項8記載のプライマーセット。
- さらに、鎖置換能を有するポリメラーゼを含む、請求項9記載のプライマーセット。
- さらに、ミスマッチ結合タンパク質を含む、請求項9または10記載のプライマーセット。
- 前記ミスマッチ結合タンパク質が、MutS、MSH2およびMSH6からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質である、請求項11に記載のプライマーセット。
- 前記一対のプライマーが、一方のプライマーの形態と他方のプライマーの形態とが異なる非対称型である、請求項9から12のいずれか一項に記載のプライマーセット。
- 前記一対のプライマーが、第一のプライマーと第二のプライマーとを含み、
前記第一のプライマーが、標的核酸配列の3’末端部分の配列(A)にハイブリダイズする配列(Ac’)を3’末端部分に含んでなり、かつ前記標的核酸配列において前記配列(A)よりも5’側に存在する配列(B)の相補配列(Bc)にハイブリダイズする配列(B’)を前記配列(Ac’)の5’側に含むものであり、
前記第二のプライマーが、前記標的核酸配列の相補配列の3’末端部分の配列(C)にハイブリダイズする配列(Cc’)を3’末端部分に含んでなり、かつ相互にハイブリダイズする2つの核酸配列を同一鎖上に含む折返し配列(D−Dc’)を前記配列(Cc’)の5’側に含むものである、請求項13記載のプライマーセット。 - 前記第一のプライマーおよび前記第二のプライマーのいずれか一方が、前記標識核酸である、請求項13または14記載のプライマーセット。
- 前記プライマーセットが、さらに、第三のプライマーを含み、
前記第三のプライマーは、前記標的核酸配列またはその相補配列にハイブリダイズし、かつ標的核酸配列またはその相補配列へのハイブリダイゼーションについて他のプライマーと競合しないプライマーであり、
前記第三のプライマーは、前記第一のプライマーまたは第二のプライマーの増幅産物が部分的に一本鎖の状態になった時に、その一本鎖部分に存在する標的核酸配列にアニーリングすることができ、これにより前記増幅産物中の標的核酸配列に新たな相補鎖合成起点が提供されるプライマーである、請求項13から15のいずれか一項に記載のプライマーセット。 - 前記第一のプライマーおよび前記第二のプライマーのいずれか一方に加えて、または、代えて、前記第三のプライマーが前記標識核酸である、請求項16記載のプライマーセット。
- 前記一対のプライマーが、一方のプライマーの形態と他方のプライマーの形態とが同じ対称型である、請求項9から12のいずれか一項に記載のプライマーセット。
- 前記プライマーセットが、ランプ法に使用するプライマーセットである、請求項18記載のプライマーセット。
- 前記プライマーセットが、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法に使用するプライマーセットである、請求項8記載のプライマーセット。
- 標的核酸配列を増幅する核酸増幅方法に使用する核酸増幅用キットであり、
請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマー、または、請求項8から20のいずれか一項に記載のプライマーセットを含むことを特徴とする核酸増幅用キット。 - 等温増幅法に使用するための核酸増幅用キットであり、請求項9から19のいずれか一項に記載のプライマーセットを含む、請求項21記載の核酸増幅用キット。
- PCR法に使用するための核酸増幅用キットであり、請求項20記載のプライマーセットを含む、請求項21記載の核酸増幅用キット。
- 標的核酸配列における変異の有無を検出する変異検出方法に使用する変異検出用キットであり、
請求項21から23のいずれか一項に記載の核酸増幅用キットを含むことを特徴とする変異検出用キット。 - 核酸試料中の標的核酸配列を増幅する方法であって、下記(A)工程と、下記(B)または(B’)工程とを含むことを特徴とする核酸増幅方法。
(A) 前記核酸試料を準備する工程
(B) 請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマー、または、請求項8から20のいずれか一項に記載のプライマーセットを用いて、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(B’) 下記(B1’)工程および(B2’)工程を含む工程
(B1’) プライマー、または、一対のプライマーを含むプライマーセットを用いて、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(B2’) 前記(B1’)工程で増幅した一本鎖の核酸配列と、下記式(16)、(16b)、(17)、(17b)、(18)または(18b)で表される構造を少なくとも一つ含む標識核酸からなるプローブとのハイブリダイゼーションを行う工程
Bは、天然核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル)骨格または人工核酸塩基骨格を有する原子団であり、
Eは、
(i)デオキシリボース骨格、リボース骨格、もしくはそれらのいずれかから誘導される構造を有する原子団、または
(ii)ペプチド構造もしくはペプトイド構造を有する原子団であり、
Z11およびZ12は、それぞれ、蛍光性を示す原子団であり、同一でも異なっていてもよく、
L1、L2およびL3は、それぞれ、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長(主鎖原子数)は任意であり、主鎖中に、C、N、O、S、PおよびSiを、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、主鎖中に、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合およびチオエステル結合を、それぞれ含んでいても含んでいなくても良く、L1、L2およびL3は、互いに同一でも異なっていても良く、
Dは、CR、N、P、P=O、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基であり、
bは、単結合、二重結合もしくは三重結合であるか、
または、前記式(16)および(16b)中、L1およびL2は前記リンカーであり、L3、Dおよびbは存在せず、L1およびL2がBに直接結合していてもよく、
ただし、
式(16)、(17)および(18)中、Eは、前記(i)の原子団であり、リン酸架橋中の少なくとも一つのO原子がS原子で置換されていても良く、
式(16b)、(17b)および(18b)中、Eは、前記(ii)の原子団であり、
式(17)および(17b)中、各Bは、同一でも異なっていても良く、各Eは、同一でも異なっていても良い。 - 前記(B)または(B’)工程における核酸増幅が、等温増幅法による核酸増幅反応である、請求項25記載の核酸増幅方法。
- 前記等温増幅法が、鎖置換能を有するポリメラーゼを用いた増幅法である、請求項26記載の核酸増幅方法。
- 前記(B)または(B’)工程において、ミスマッチ結合タンパク質の存在下、核酸増幅を行う、請求項26または27記載の核酸増幅方法。
- 前記ミスマッチ結合タンパク質が、MutS、MSH2およびMSH6からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質である、請求項28に記載の核酸増幅方法。
- 前記(B)工程における前記プライマーセットが、請求項9から19のいずれか一項に記載のプライマーセットである、請求項26から29のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
- 前記(B)工程におけるプライマーセットが、請求項13から17のいずれか一項に記載のプライマーセットである、請求項26から29のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
- 前記(B)工程におけるプライマーセットが、請求項18または19記載のプライマーセットである、請求項26から29のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
- 前記(B)または(B’)工程における核酸増幅が、PCR法による核酸増幅反応である、請求項25記載の核酸増幅方法。
- 前記(B)工程におけるプライマーセットが、請求項20記載のプライマーセットである、請求項33記載の核酸増幅方法。
- 前記(B)工程において、検出波長が異なる蛍光性原子団を有する2種類以上の請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマーを使用する、請求項25から34のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
- 前記標的核酸配列が変異を有する核酸配列であって、
前記(B)工程において、前記標的核酸配列における変異部位を含む領域に対して完全に相補な配列を有する請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマーと、前記変異部位を含む領域に対して前記変異部位を除いて完全に相補な配列を有するプライマーとを使用する、請求項25から35のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。 - 核酸試料中の標的核酸配列における変異の有無を検出する方法であって、
下記(a)〜(c)工程を含むことを特徴とする変異検出方法。
(a) 請求項25から36のいずれか一項に記載の核酸増幅方法により、核酸試料中の標的核酸配列を増幅する工程
(b) 前記(a)工程の前後における蛍光強度をそれぞれ測定する工程
(c) 前記(b)工程で測定した前記(a)工程前後の蛍光強度を比較することにより、変異の有無を検出する工程 - 前記変異が、塩基の置換、欠失または挿入である、請求項37記載の変異検出方法。
- 前記(a)工程において、検出波長が異なる蛍光性原子団を有する2種類以上の請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマーを使用して、標的核酸配列を増幅し、
前記(c)工程において、前記各蛍光性原子団に応じた各検出波長により、それぞれの蛍光強度を測定する、請求項37記載の変異検出方法。 - 前記(a)工程において、前記標的核酸配列における変異部位を含む領域に対して完全に相補な配列を有する請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマーと、前記変異部位を含む領域に対して前記変異部位を除いて完全に相補な配列を有するプライマーとを使用する、請求項37記載の変異検出方法。
- 標的核酸配列に対するプライマーの特異性を向上させる方法であって、
前記標的核酸配列を増幅するための前記プライマーとして、請求項1から7のいずれか一項に記載の蛍光原子団を有するプライマーを使用することを特徴とする特異性の向上方法。 - 標的核酸配列に対するプライマーの特異性を向上させる方法であって、
前記標的核酸配列を増幅するための前記プライマーとして、前記標的核酸配列における変異部位を含む領域に対して完全に相補な配列を有する請求項1から7のいずれか一項に記載のプライマーを使用し、
さらに、前記プライマーの特異性を向上させるプライマーとして、前記変異部位を含む領域に対して前記変異部位を除いて完全に相補な配列を有するプライマーを併用することを特徴とする特異性の向上方法。 - 請求項25から36のいずれか一項に記載の核酸増幅方法を実施するための核酸増幅装置であって、
核酸増幅反応を実施する反応部と、前記反応部の温度を制御する温度制御手段と、前記反応部の蛍光強度を検出する検出手段とを備えることを特徴とする核酸増幅装置。 - 請求項37から40のいずれか一項に記載の変異検出方法を実施するための変異検出装置であって、
核酸増幅反応を実施する反応部と、前記反応部の温度を制御する温度制御手段と、前記反応部の蛍光強度を検出する検出手段とを備えることを特徴とする変異検出装置。
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