JP2004529618A - 核酸の分析の方法 - Google Patents
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Abstract
ポリヌクレオチド発現および単一ヌクレオチド多型検出のための方法を提供する。本方法は、独特に同定される粒子にカップリングされた捕捉プローブを使用する。提供する本方法は、高フレキシビリティーおよび高処理量を特徴とする。
Description
【0001】
近年、ゲノミクスの分野は急速に歩んでいる。より単純な生物、例えばウイルスおよび細菌の完全なヌクレオチド配列を決定するための努力が開始した。結果として、Hemophilus influenzae(Fleischman et al., Science 269:496-512, 1995)およびある数の他の細菌株(Escherichia coli, Mycobacterium tuberculosis, Helicobacter pylori, Caulobacter jejuni, Mycobacterium leprae)が、いま利用可能である(Nierman et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 10:343-348, 2000に総説)。これに、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)(Goffeau et al., Science 274: 563-567, 1996)、線虫(Cenorhabditis elegans)(C. elegans sequencing consortium, Science 282: 2012-2018, 1998)およびミバエ(Drosophila melanogaster)(Adams et al., Science 287:2185-2195, 2000)を含むある数の真核生物の完全なヌクレオチド配列の決定が続いた。ヒトゲノムの配列は、2001年2月に公開された(International Human Genome Sequence Consortium, Nature, 409:860-921, 2001; Venter et al., Science, 291:1304-1351, 2001)。加えて、ある継続的努力が、現在農業的に重要な植物、例えばイネ(Science 288:239-240, 2000; Sasaki and Burr, Curr. Opin. Plant Biol. 3: 138-141, 2000)および実験的に重要な動物モデル、例えばマウス(News Focus, Science 288: 248-257, 2000)のゲノム配列決定に焦点がある。
【0002】
種々の生物の完全なゲノム配列の利用可能性は、生物学の種種の基本的側面の我々の理解の顕著な進歩を約束する。また非平行的適用利益、例えばある種の疾患のゲノム基礎の理解を提供することがまた約束され、治療的介入のための新規な標的を提供し、診断試験の新規の創出を発展させるなどする。しかし、新しくかつ改善された道具は、ゲノミクスリサーチの可能性を収穫および十分に実施するために必要である。
【0003】
DNA相補性または遺伝子相補性は、多細胞生物の体の種々の細胞で同一であるとしても、種々の細胞の遺伝子発現の量的および質的差異がある。ヒトゲノムを評価すると、概ね約30000−40000遺伝子を含むが、しかし、これらの遺伝子のある分画のみが、所定の細胞で発現される(International Human Genome Sequence Consortium, Nature, 409: 860-921, 2001; Venter et al., Scuence, 291: 1304-1351, 2001)。さらに、種々の細胞型に、発現される遺伝子間の量的な差異がある。すべての細胞がある種のハウスキーピング遺伝子を発現するが、それぞれ区別できる細胞型は、遺伝子の独特な組を追加的に発現する。細胞型間の表現型的相違は、独特に発現されるタンパク質の相補性によって大きくは決定される。細胞型の機能的同一性を構成し、それを他の細胞型から区別するのは、遺伝子およびコードされるタンパク質のこの独特な組の発現である。さらに、発現される遺伝子の相補物およびそれらの発現のレベルは、所定の細胞型の発達段階に依存してかなり変化する。ある種の遺伝子は、細胞の分化の間、特異的に活性化または抑圧される。発現のレベルはまた、発達および分化の間変化する。遺伝子発現の質的および量的変化はまた、細胞分裂の間、例えば細胞周期の種々の相で起こる。生物学的に活性の分子、たとえばホルモン、生長因子およびサイトカインによるシグナル伝達はしばしば、遺伝子発現の調節に関係する。遺伝子発現の全体の変化はまた、加齢の過程で決定的な役割を演じる。
【0004】
前記のような内生または内部因子に加えてある種の外部因子または刺激、例えば環境要因がまた、遺伝子発現プロファイルの変化をもたらす。感染性生物、例えば細菌、ウイルス、真菌および寄生体は、細胞と相互作用し、遺伝子発現の質的および量的側面に影響する。こうして、所定の細胞型によって発現される遺伝子の正確な相補性は、ある数の内生および外生因子によって影響される。これらの変化の結果は、正常な細胞の生存、生長、発達および環境への応答にとって重要である。したがって、遺伝子発現の変化を同定、特徴づけおよび測定することが重要である。そのような分析から得られた知識は、基本生物学の我々の理解を進めるだけでなく、それはそれを種々の目的、例えば感染性および非感染性疾患の診断、新規薬物の同定および開発のためのスクリーニング等の目的のため探索することを可能とする。
【0005】
慣行の、ノーザン分析、RNアーゼ保護分析、およびリアルタイムPCR(RT−PCR)のような遺伝子発現分析方法によるものの他、幾つかの方法が、ゲノム幅規模の遺伝子発現を試験するため現在利用可能である。これらのアプローチは、RNAプロファイリング、ディファレンシャルディスプレイ等として種々言及される。これらの方法を大きく、3種のカテゴリーに分割することができる。(1)ハイブリダイゼーションに基づく方法、例えば差し引きハイブリダイゼーション(Koyama et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 1609-1613, 1987; Zipfel et al., Mol. Cell. Biol. 9: 1041-1048, 1989)、マイクロアレイ(米国特許第6150095号)等、(2)cDNAタグ:EST、遺伝子発現の一連分析(SAGE)(例えば米国特許第5695937および5866330参照)および(3)フラグメントサイズに基づく、しばしばゲルに基づく方法と呼ばれ、ここで、ディファレンシャルディスプレイが、例えばポリアクリルアミドゲル上のDNAフラグメントの電気泳動分離すると生成される(米国特許5871697、5459037、5712126およびPCT出願WO98/51789に記載される)。
【0006】
マイクロアレイに基づく遺伝子分析アプローチは、1度に1またはいくつかの遺伝子よりむしろ、同時的に何十万の遺伝子での実施を可能とする。ヒトおよび他の生物の全体のゲノムが実施されるときに、マイクロアレイ技術は、適当なときに到来した。ゲノム配列決定、特にヒトゲノム配列決定の結果として生成された壮大な配列情報は、高処理量および速度を提供する技術の要求を生み出した。マイクロアレイは、この独特なニッチを満たす。複合生理学的過程のほとんどは、多数の遺伝子の発現の変化を進行または継続させる。マイクロアレイの到来の前に利用可能であった技術は、遺伝子発現のような大規模な変化を監視するのに適しない。DNAマイクロアレイは、何十万の遺伝子の、急速、包括的、適度に定量的な分析を同時的に実施する機会を供する。DNAマイクロアレイは、1cm2の標準的顕微鏡スライド形式のような、小空間の長方形配置に通常配列された既知の配列のDNA分子の整列された組からなる。例えば、200x200のアレイは、それぞれのスポットが既知の配列のプローブに対応する40000スポットを含む。そのようなマイクロアレイを潜在的に使用して、種々の条件で所定の細胞型中の40000遺伝子の発現を同時的に監視できる。該プローブは、cDNA,ESTまたはオリゴヌクレオチドの形態を通常取る。最も好ましくは、30−200塩基の長さの範囲のESTおよびオリゴヌクレオチドであり、これらはハイブリダイゼーションのための理想的な基質を提供する。チップとしても知られるこれらのマイクロアレイを確立するための2つのアプローチがあり、1つは当該合成されたプローブの共有結合に関係し、他はチップ上に直接的にプローブを確立または合成することに関係する。該サンプルまたは試験材料は通常、PCRによって増幅されたRNAからなる。PCRは、出発材料を増幅する、並びに蛍光タグの導入を可能とする二重の目的を供する。マイクロアレイ技術の詳細な議論のために、例えばGraves, Trends Biotechnol. 17:127-134,1999を参照。
【0007】
高密度マイクロアレイを、高正確性機械を使用してアレイ上の正確な位置に、極度に微小な量のDNA溶液を付着することによって確立する。ある数のそれは商業的に入手可能である。Packard Instrumentsによって開拓された代替的アプローチは、インクジェットプリンターが紙上にスポットを付着するのとほとんど同じやりかたでDNAの付着を可能とする。高密度DNAマイクロアレイは、ある数の源、例えばAffymetrix、Incyte、Mergen、Genemed Molecular Biochemicals、Sequenom、Genomic Solutions、Clontech、Research Genetics、OperonおよびStratageneから商業的に入手可能である。現在、DNAマイクロアレイ分析のための標識化は、蛍光に関係し、これは同時に読まれるべき多重独立的シグナルをもたらす。これは同じチップの、異なる蛍光色素で標識化された2種のサンプルとの同時的ハイブリダイゼーションを可能とする。それぞれのスポットの蛍光の、比率の算出は、2種の異なる条件下のそれぞえの遺伝子の発現の相対変化の決定を可能とする。それぞれのスポットでの蛍光の比率の計算は、2つの異なる条件下でのそれぞれの遺伝子の発現の相対的変化の決定を可能とする。例えば、該アプローチを使用する正常組織と対応する腫瘍組織の間の比較は、発現が顕著に変化する遺伝子を同定において助けとなる。こうして、該方法は、同じ細胞の遺伝子発現プロファイルが2または3以上の条件下で比較されるべきときに、特に強力な道具を供する。種々の波長の蛍光を監視する能力を有する高解像度スキャナーは商業的に入手可能である。
【0008】
種のゲノムについてのより大きい情報を取得するように、遺伝的変異または多型の形態の新しいマーカーが、種々の形質について同定された。多型の多くの型が存在すると知られる。多型は、例えばウイルス挿入によって、DNA配列が挿入またはゲノムから欠失されるときに創出できる。配列変異の他の源は、ゲノム中の反復配列によって引き起こされることができ、種々呼ばれる短縦列反復(STR)、数の様々な縦列反復(VNTR)、短い配列反復(SSR)、またはマイクロサテライトである。これらの反復は、ジヌクレオチド、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、またはペンタヌクレオチド反復であることができる。多型は、特定の遺伝子座で見出される反復される配列の数の変異に起因する。
【0009】
最近、単一ヌクレオチド多型(SNP)に注目が置かれている。これはゲノム中のはるかに最も普通の源の変異であり、遺伝的マーカーとして有用である。SNPはヒトDNA多型の近似的に90%をしめる(Collin et al., Genome Res., 8: 1229-1231, 1998)。SNPは集団中に異なる配列代替(アリル)が存在するゲノムDNA中の単一塩基対位置である。用語「SNP」は、単一塩基置換に限定されず、また単一塩基挿入または欠失を含む。加えて、10塩基対またはより少の短い挿入または欠失はまた、しばしばSNPとしてカテゴリー化され、なぜならこれらは、単一塩基多型を検出するため使用される方法論でしばしば検出されるからである。
【0010】
ヌクレオチド置換SNPは、2つの型がある。塩基転移は、1のプリンがその他により、または1のピリミジンがその他のピリミジンによる置換である。塩基転換は、プリンのピリミジンによる、またはその逆の置換である。SNPが観察される典型的頻度は、1000塩基につき約1である(Li and Sadler, Genetics, 129:513-523, 1991; Wang et al., Science 280:1077-1082, 1982; Harding et al., Am. J. Human Genet., 60:772-789, 1997; Taillon-Miller et al., Genome Res., 8: 748-754, 1998)。SNPの頻度は、問題の変化の型および位置で変化する。塩基置換では、3分の2の置換は、C<−>T(G<−>A)型に関係する。頻度のこの変異は、特にCpGジヌクレオチドの、頻繁に起こる5−メチルシトシン脱アミノ反応に関すると考えられる。位置に関して、SNPはこれらがコード領域に発生するよりも、非コード領域でずっと頻繁に発生する。
【0011】
SNPが表現型に影響できる種々のやり方がある。研究は、SNPが、細胞調節に影響し得るmRNAの構造的足場の主要な変化を引き起こすことができることを示した(Shen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96:7871-7876, 1999)。コード領域に位置するとき、SNPの存在は、非機能性である、または減少された機能を有するタンパク質の生産という結果となりうる。非コード調節領域、例えばプロモーター領域中に存在する場合、該SNPは遺伝子の発現を変化させることができる。
【0012】
SNPの検出のためのいくつかの方法が当業界で知られる。これらは、マルチプレックス化アリル特異的診断アッセイ(MASDA; 米国特許5834181)、TaqManアッセイ(米国特許5962233)、分子ビーコン(米国特許5925517)、マイクロタイターアレイ対角線ゲル電気泳動(MADGE,Day and Humphries, Anal. Biochem., 222:389-395, 1994)、特異的アリルのPCR増幅(PASA, Sommer et al.,Mayo Clin. Proc., 64:1361-1372, 1989)アリル特異的増幅(ASA, Nichols, Genomics, 5:535-540, 1989)、アリル特異的PCR(Wu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 86:2757-2760,1989)、amplification refractory mutation system(ARMS, Newton et al., Nuc. Acids Res.,17:2503-2516, 1989)、ビ−PAPA(Liu et al., Genome Res., 7:389-398, 1997)、リガーゼ連鎖反応(LCR, Barany, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:189-193, 1991)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA,米国特許5830711;Landegren et al., Science, 214:1077-1080, 1988; Samotiaki et al., Genomics, 20:238-242, 1994; Day et al., Genomics, 29:152-162, 1995; Grossman et al., Nuc. Acids Res., 22:4527-4534, 1994)、色素標識オリゴヌクレオチドライゲーション(米国特許5945283;Chen et al., Genome Res., 8:549-556, 1998)、制限断片長多型(RFLP、米国特許5324631および5645995)、MALDI−TOF(Bray et al., Hum. Mutat., 17: 296-304, 2001)、インベーダーアッセイ(Hsu et al., Clin. Chem, 47: 1373-1377, 2001)およびminisequencing either alone(米国特許5846710および5888819;Syvanen et al., Am. J. Hum. Genet., 52: 46-59, 1993)またはマイクロアレイと組み合わせ(Shumaker et al., Human Mut., 7:346-354, 1996)または蛍光共鳴エネルギー転移(米国特許5945283;Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:10756-10761, 1997)。
【0013】
利用可能な遺伝的情報の量が増大するにつれ、マス遺伝子発現およびSNA分析の急速、コスト効率的な方法の必要性がまた増大する。多くの利用可能な方法の広範囲の適用は、使用される消耗品、要する装置、関係する労働の量、またはこれら3つのある組み合わせに伴う高コストによって限定される。したがって必要なのは、マススクリーニングを可能とする核酸分析のための方法が、コスト効率的な態様であることである。本発明的発見はこの必要性に合致する。
【0014】
本発明の幾つかの態様のうち、3’末端および5’末端を有する少なくとも1の標的ポリヌクレオチドを提供することを含むポリヌクレオチド発現を決定するための方法を提供する。該方法は、少なくとも一部が該標的ポリヌクレオチドに、好ましくはストリンジェント条件、高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件、または極度にストリンジェント条件下でハイブリダイズできる、第一のオリゴヌクレオチドプライマーを使用する。このプライマーを使用し、目的のポリヌクレオチドの逆転写によって第一鎖cDNAを取得し、該cDNAはまた、3’末端および5’末端を有し、ここで該第一鎖cDNAの該5’末端は、該第一オリゴヌクレオチドプライマーに対応する配列を含み、かつ、該3’末端は該標的ポリヌクレオチドの5’末端を少なくとも1ヌクレオチド超えて伸長させ、一本鎖伸長物を提供する。第二オリゴヌクレオチドをまた提供し、その少なくとも一部は好ましくはストリンジェント条件、高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で、該一本鎖伸長物にハイブリダイズでき、そして該第二オリゴヌクレオチドプライマーを、テンプレートとして使用して、cDNAの該第一鎖を伸長させ、該第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび該第二オリゴヌクレオチドプライマーに相補的な領域を含む、伸長させた第一鎖cDNAを生産する。該伸長させた第一鎖cDNAを次いで、好ましくは少なくとも1つの検出可能標識の存在下で増幅し、少なくとも1の標識を含む増幅されたcDNAを生産する。該増幅されたcDNAを消化し、消化されたCDNAを生産し、そして該消化されたcDNAは、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件、または極度にストリンジェント条件下で固体粒子にカップリングされた捕捉プローブにハイブリダイズする。ここで該捕捉プローブは、該標的ポリヌクレオチドに特異的であり、かつ、該粒子は該捕捉プローブを同定する。同一性およびその結果の目的の標的ポリヌクレオチドの存在を、該消化されたcDNAが該捕捉プローブにハイブリダイズしたか、および該粒子を使用し、該捕捉プローブの同一性、したがって該標的ポリヌクレオチドの同一性を決定することによって決定する。
【0015】
ある実施態様では、該粒子はミクロビーズである。別の実施態様では、該粒子は、蛍光粒子、例えば蛍光微粒子またはミクロビーズである。なおさらなる実施態様では、該方法は粒子の群、例えば蛍光粒子であってそれぞれの群は独特な検出可能サイン、例えば蛍光サインを有し、そしてそれぞれの群の粒子は、目的のポリヌクレオチドに特異的な異なる捕捉プローブを有する。ここで使用するように、「サイン」は検出可能マーカー、例えば蛍光色素を示し、それは粒子の1の群のメンバーが使用される蛍光粒子の他の群から区別するのを可能とする。なおさらなる実施態様では、標的ポリヌクレオチドの同一性および/または存在を、フローサイトメトリーを使用して達成する。
【0016】
さらなる実施態様は、ここで開示の新規方法によって、試験対象のポリヌクレオチド発現を決定すること;同じ新規方法を使用して、疾患、状態、障害、または素因を有することが知られる参照対象中のポリヌクレオチド発現を決定すること;および当該試験対象のポリヌクレオチド発現を、当該参照対照のポリヌクレオチド発現と比較することを含む、試験対象の疾患、状態、障害、または素因を診断するための方法を提供する。関連実施態様は、ここで開示の新規方法によって試験細胞または組織のポリヌクレオチド発現を決定すること;同じ方法によって既知の生理学的状態の参照細胞または組織のポリヌクレオチド発現を決定すること;および当該試験細胞または組織のポリヌクレオチド発現を、当該参照細胞または組織のポリヌクレオチオ発現と比較することを含む、細胞または組織の生理学的状態を決定する方法を提供する。ある実施態様では、該試験対象および参照対象は、セキツイ動物または維管束植物である。
【0017】
さらなる側面は、少なくとも1プライマー対を提供することを含む単一ヌクレオチド多型(SNP)を検出するための方法を提供する。該プライマー対は、逆プライマーおよび正プライマーを含み、該正プライマーは目的の単一ヌクレオチド多型に特異的な3’末端および該プライマーを同定するハイブリダイゼーションタグを有する。該ハイブリダイゼーションタグは、それが目的のSNAを含むヌクレオチド配列に相補的でないように選択される。該ハイブリダイゼーションタグは該プライマーに直接的に付着し得るか、またはリンカー分子を介してカップリングし得る。該プライマー対を、該プライマーの、一本鎖ポリヌクレオチド上の相補的配列へのハイブリダイゼーションを可能とする、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと合わせる。該プライマーを、プライマー伸長反応によって伸長させ、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む伸長産物を生産する。該伸長産物は、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で捕捉プローブにハイブリダイズし、該ハイブリダイゼーションタグまたはその相補物を使用して捕捉プローブにハイブリダイズする。次に、該捕捉プローブは、例えばミクロビーズにカップリングされ、ここで該粒子は、該捕捉プローブを、例えば蛍光色素の存在によって同定するために供する。該伸長産物のハイブリダイゼーションを、検出可能標識を使用することによって決定し、そしてSNPの同一性および/または存在を、該粒子の同一性に基づいて決定する。これは、該粒子は、どの捕捉プローブにハイブリダイゼーションタグがハイブリダイズするか、それは次にSNPを同定することであり、なぜなら該ハイブリダイゼーションタグは、該プライマーを同定し、したがってSNPを同定するからである。
【0018】
ある実施態様では、逆プライマーは、検出可能標識を含み、一方別の実施態様では、逆プライマーは普遍逆プライマーである。なおさらなる実施態様では、プライマー伸長反応は、例えばPCR増幅において、少なくとも1回、好ましくは多重回反復する。なおさらなる実施態様では、粒子の同一性を、独特な蛍光サインまたはタグに基づいて決定する。さらなる実施態様では、多重プライマー対があり、この場合、それぞれのプライマー対は、異なるSNPについて特異的であり、こうして、多重SNPの検出を同時的に可能とする。なおさらなる実施態様では、SNP(複数もある)の検出を、フローサイトメトリーによる。
【0019】
追加的側面は、単一ヌクレオチド多型(SNP)を検出する方法であって、目的のSNPに特異的な3’末端を有し、かつ該プライマーを同定するために供するハイブリダイゼーションタグを含む少なくとも1ポリヌクレオチオプライマーを提供することを含む方法を提供する。該プライマーを、一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で合わせ、これにより該プライマーの、該一本鎖ポリヌクレオチドに含まれる相補的配列への、ハイブリダイゼーションを可能とする。該ハイブリダイズしたプライマーを次いで、プライマー伸長反応によって伸長させ、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む伸長産物を生産する。該伸長産物は次いで、粒子、例えばミクロビーズにカップリングされた捕捉プローブにハイブリダイズし、これにより該捕捉プローブを、例えば蛍光色素を使用して、ハイブリダイゼーションタグによって、ストリンジェント条件、高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件、または極度にストリンジェント条件下で同定する。伸長産物の、ハイブリダイゼーションタグへのハイブリダイゼーションを、検出可能標識を使用して検出し、そしてSNPの同一性および/または存在を、捕捉プローブにカップリングされた粒子の同一性に基づいて決定する。これは、粒子同一性は、どの捕捉プローブに、該ハイブリダイゼーションタグがハイブリダイズするか、次いでSNPを同定することであり、なぜなら、該ハイブリダイゼーションタグは、プライマーを同定し、したがってSNPを同定するからである。
【0020】
さらなる実施態様では、複数の異なる型のプライマーを使用し、それぞれの型は、異なるSNPに特異的である。さらなる実施態様では、プライマーの群を使用し、それぞれの群は、SNPの異なるアリルについて特異的な少なくとも2のプライマーを含む。なおあさらなる実施態様では、それぞれのプライマーの3’末端は、目的のSNPの位置にすぐに隣接して位置する。なおさらなる実施態様では、該プライマーは単一塩基によって伸長される。
【0021】
さらなる実施態様は、対象の疾患、状態、障害または素因を診断するための方法であって、当該対象からポリヌクレオチドを含む生物学的サンプルを取得すること、および当該ポリヌクレオチドを、ここで記載の新規方法のいずれかによって分析し、単一ヌクレオチド多型の存在または不存在を検出することを含む方法を提供する。ここで、当該単一ヌクレオチド多型は、疾患、状態、障害または素因に連関する。ある実施態様では、該生物学的サンプルを、セキツイ動物または維管束植物から取得する。
【0022】
更なる側面は、約10ないし100ヌクレオチド長の間の非コード配列を同定することを含むハイブリダイゼーションタグを選択する方法を提供し、ここで、該配列は、ヘアピン構造および二重らせん形成能を欠く。約40%ないし約50%の間のGC含量および約2℃を超えないで変化するTmを有する非コード配列をさらに同定し、そしてこれらをハイブリダイゼーションタグのために選択する。
【0023】
以下の詳細な記載を、当業者が本発明を実施するための助けとして提供する。それでもなお、ここで議論する実施態様の修飾および変更を、当業者は本発明の精神および範囲から離れずなすことができるから、この詳細な説明は、本発明の不当に限定するものと解するべきでない。
【0024】
すべての刊行物、特許、特許出願、公開データベース、公開データベース入力物、および本出願での他の引用は、あたかも個々の刊行物、特許、特許出願、公開データベース、公開データベース入力物、または他の引用が具体的に、および個別に指摘され、引用により含まれているかのように、個々に引用によりその全体を含める。
【0025】
本発明的発見は、核酸の分析で使用するための新規方法を提供する。これらの方法は、複合的サンプル中の特異的ポリヌクレオチドの存在を検出するために特に有用であり、かつ、発現分析、例えば遺伝子発現分析のためにそうである。追加的実施態様は、本発明的発見は、単一ヌクレオチド多型(SNP)の検出のための方法を提供する。SNPは、植物およびヒトを含む動物の遺伝的疾患および素因の診断を含む広範囲の用途、並びに有益な表現型を同定するためおよびマーカーに援助された選択においての用途を有する。マルチプレックス可能性を提供することに加えて、該方法は、適合化能性、使用の容易さおよびコスト効率性の利点を有する。
【0026】
ここで使用するように、SNPは単一ヌクレオチド多型を意味する。
ここで使用するように「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、相互交換可能に、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドであれ、そして任意の長さのヌクレオチドのポリマー性(2またはより多いモノマー)形態を意味するために使用する。特に言及してもしなくても、ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、5’末端および3’末端を有するものと認める。ヌクレオチドは通常、ホスホジエステル結合によって結合されるが、該用語はまた、ペプチド核酸、例えばアミノエチルグリシン単位(Nielsen et al., Science, 254:1497, 1991)からなる中性アミド骨格連結を含む、ポリマー性ヌクレオチドを含む。
【0027】
該用語は、分子の一次構造のみに言及する。こうして、該用語は、二本鎖および一本鎖DNAおよびRNA並びに一本鎖でありうるがより典型的には二本鎖でありうるDNA/RNAハイブリッドを含む。加えて、該用語はまた、RNAまたはDNAまたはRNAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域に言及する。そのような領域中の鎖は同じ分子または異なる分子からのものでありうる。該領域は、該分子の全てまたは1または2以上の分子であり得るが、より典型的には、該分子の幾つかの領域のみを含み得る。該用語はまた、既知の型の修飾、例えば標識、メチル化、「キャップ」、1または1以上の天然に存在するヌクレオチドの、類似体、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電結合(メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カーバメート等)であって、ペンダント部分、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジン等を含む)を含むもの、インターカレーター(例えばアクリジン、プソラレン等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された結合を有するもの(例えばアルファアノマー性核酸等)、並びにポリヌクレオチドの非修飾形態を含む。ポリヌクレオチドは、センスおよびアンチセンス、またはコードおよびテンプレート鎖を含む。該用語は、天然に存在するおよび化学的に合成された分子を含む。
【0028】
用語「検出可能標識」は、好ましくは共有結合によって、付着するときに、検出の手段を提供する標識を言う。これらは、この目的のために利用可能な種々の標識を含み、限定しないが、放射性活性標識、例えば放射性核種、発蛍光団または蛍光色素、ペプチド、酵素、抗原、抗体、ビタミンまたはステロイドを含む。例えば、放射性核種、例えば32Pまたは35S、または蛍光色素は、PCRプライマーを標識するために便宜に使用する。化学ルミネセンス色素をまたこの目的のために使用することができる。該標識を目的の分子に直接的に、またはリンカーを介して付着させることができる。好適な標識のより具体的な例は、キサンチン色素、ローダミン色素、ナフチルアミン、ベンズオキサジアゾール、スチルベン、ピレン、アクリジン、Cyanine 3、Cyanine 5、フィコエリトリンコンジュゲート性ストレプトアビジン、Alexa 532、フルオレセイン、テトラメチルローダミン、蛍光ヌクレオチド、ジゴキシゲニン、およびビオチン−デオキシウラシル三リン酸を含む。同様に、ある実施態様では、核酸を、インターカレーティング色素、例えばYOYO、TOTO、Picogreen、臭化エチジウム、などを使用して標識できる。ここで使用するように、「配列」は、モノマーがポリマー形態で存在する線形順序、例えばポリペプチド中のアミノ酸の順序、またはポリヌクレオチド中のヌクレオチドの順序を意味する。
【0029】
ここで使用するように、用語「対象」は、任意の植物または動物を意味する。ここで使用するように、用語「動物」はヒトまたは動物を含む。ここで使用するように、「プライマー」または「オリゴヌクレオチドプライマー」は、精製制限酵素消化におけるように、天然に存在し、または合成的に生産された、妥当な条件下でテンプレートDNAまたはRNA分子にハイブリダイズし、重合化によって、例えばDNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性RNAポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼによってプライマー伸長を開始させ、該テンプレート分子に相補的なDNAまたはRNA分子を生産することのできる、オリゴヌクレオチドを意味する。プライマーはしばしば、約5ないし約50、典型的には約10ないし約30、およびより典型的には約18ないし25ヌクレオチド長の間であり、そしてプライマーダイマーの形成を生じる回文配列(複数もある)含まない。しばしばプライマーは一本鎖であるが、しかし、二本鎖プライマーを使用し得る。ただし、該プライマーはプライマー伸長のために使用するに先立ち鎖を分離すように処理することを条件とする。
【0030】
ここで使用するように用語「ハイブリダイゼーション」は、核酸鎖が、塩基対形成を通じて相補的鎖と結合する過程を意味する。2つの非同一であるが非常に類似の、相補的核酸のハイブリダイゼーションに使用される条件は、該2つの鎖の相補性の程度、および鎖の長さに依存して変化する。こうして該用語は、部分的並びに完全なハイブリダイゼーションを意図する。そのような技術および条件は、当業者に周知である。
【0031】
ここで使用するように、用語「プライマー対」は、核酸分子の反対鎖に結合する2つのプライマーを意味する。
ある開示側面では、標的ポリヌクレオチドの発現を決定する方法を提供する。ポリヌクレオチドはDNAまたはRNAであることができる。任意の種々の型のDNAおよびRNA、例えばmRNA、cRNA、ウイルスRNA、合成RNA、cDNA、ゲノムDNA、ウイルスDNA、プラスミドDNA、合成DNA、増幅DNA、または任意のその組み合わせを使用できる。ポリヌクレオチドを、核酸を含む任意の源から取得できる。源は典型的には原核および真核生物、例えば細菌、酵母、真菌、植物および動物からの細胞および組織を含む。ポリヌクレオチドはまた、ウイルスから取得することができる。組織によって、本来の状態で1または2以上の特異的機能を実行するよう構成される複数の細胞を意味する。非限定的例は、筋肉組織、心臓組織、神経組織、葉組織、茎組織、根組織等を含む。標的ポリヌクレオチドが取得される細胞は、半数体、二数体、または多数体であることができる。
【0032】
ある実施態様では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA、通常はポリAmRNAの、逆転写によって生産されるcDNAである。RNAからのcDNAの生産のための方法は、当業界で周知であり、そして標準的引用、例えばSambrook et al., Molecular Cloning, 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001; Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology, 4th ed ., Wiley, 1999, Innis et al., PCR Protocols, Academic Press, 1990に見出すことができる。例えば、当業界周知標準的方法を使用して、総RNAを目的の細胞または組織から単離する。RNAを、第一鎖cDNA合成のために、さらなる精製なくして使用でき、またはポリAmRNAを、当業界周知標準的方法論を使用して単離できる。取得すると、該RNA、例えばポリAmRNAを、第一オリゴヌクレオチドプライマーと、該プライマーの、該RNAへのハイブリダイゼーションを可能とする条件下で合わせる。ある実施態様では、該プライマーの一部は、該標的ポリヌクレオチドへのハイブリダイズが可能である。例えば、該標的ポリヌクレオチドが、ポリAmRNAであるとき、該第一プライマーは、オリゴ(dT)部分である一連のTを含む部分を含み得る。ある実施態様では、第一プライマーは、配列5’―attctagaggccgaggcggccgacatg-d(T)30-vn―3’(配列番号1)を含み、ここでnはg、c、a、またはt/uであり、vはg、c、またはaである。ハイブリダイゼーションのための条件は通常、ストリンジェント条件、しばしば高ストリンジェント条件、、非常に高度にストリンジェント条件、または極度に高度なストリンジェント条件である。
【0033】
当業界で周知のように、ストリンジェンシーは、形成されるハイブリッドのTmに関連する。核酸のTm(融解温度)は、50%の塩基が塩基対形成する温度である。例えば、ハイブリッド中の1のパートナーが、近似的に20塩基の短いオリゴヌクレオチドであるならば、50%の二重らせんが典型的にはそのTmで鎖分離する。この場合、そのTmは、オリゴヌクレオチドの濃度に依存する時間依存性平衡を反映する。対照的に、両方の鎖がより長いならば、Tmは、鎖が構造において一緒に保持される状況に対応し、おそらく二重らせんおよび変性領域を変化させることを含む。この場合、該Tmは、時間およびポリヌクレオチド濃度に依存性である分子内平衡を反映する。
【0034】
または当業界で周知であるように、Tmは、ポリヌクレオチドの組成(例えば長さ、二重らせんの型、塩基組成、および正確な塩基対形成の程度)および溶媒の組成(例えば塩濃度、およびホルムアミドのよな変性剤の存在)に依存する。Tmの計算のためのある等式は、Sambrook et al.(Molecular Cloning, 2nd ed. Cold Spring Harbor Press, 1989)に見出され、それは、
Tm=81.5℃−16.6(log10[Na+])=0.41(%G+C)-0.63(%ホルムアミド)-600/L)
ここでLは塩基対のハイブリッドの長さであり、Na+の濃度は、0.01Mないし0.4Mの範囲内であり、G+C含量は、30%ないし75%の範囲内である。RNAに関係するハイブリッドのための等式は、同じ引用に見出すことができる。代替的等式は、Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology, 2nd ed., Appleton and Lange, 1994, Sec 6-8に見出すことができる。
【0035】
ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための方法は、当業界で周知であり、そしてここで引用のような分子生物学の標準的引用に見出される。一般に、ハイブリダイゼーションは通常、高イオン強度(6xSSCまたは6xSSPE)、温度がTm以下の20−25℃の溶液中で通常は実施する。ストリンジェントハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、5xSSPE、50%ホルムアミド、42℃、または5xSSPE、68℃を含む。ストリンジェント洗浄条件はしばしば、予備的実験で実験的に決定するが、通常はTm以下の近似的12-25℃である塩および温度の組み合わせに関係する。高度にストリンジェント洗浄条件のある例は、1XSSC、60℃である。非常に高度のストリンジェント洗浄条件の例は、0.1xSSPE、0.1%SDS、42℃である(Meinkoth and Wahl, Anal., Biochem., 138:267-184, 1984)。極度にストリンジェントな洗浄条件の例は、0.1xSSPE、0.1% SDS、50−65℃である。ある好ましい実施態様では、高度にストリンジェントな洗浄は、1xSSCおよび60℃の条件下で実施する。当業界で良く認識されるように、要因の種々の組み合わせは、実質的に均等なストリンジェンシーを生じることができる。そのような均等な条件は本発明の範囲内である。
【0036】
ある実施態様では、第一オリゴヌクレオチドプライマーの、標的RNAへのハイブリダイゼーションに続いて、第一鎖cDNAを、dNTP類、RNA依存性DNAポリメラーゼ、例えば逆転写酵素、およびプライマー伸長による第一鎖cDNA合成を可能とする条件下で他の必要の成分を提供することによって生産する。cDNA分子を生産することのできる任意の逆転写酵素、例えばニワトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素またはモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素を使用できる。RNアーゼH活性を欠くまたは減少した逆転写酵素を好ましくは本方法で使用できる。好ましい実施態様では、使用される逆転写酵素は、末端トランスフェラーゼ活性を保有する。末端トランスフェラーゼ活性は、テンプレートに独立して、ポリヌクレオチドの3’末端にヌクレオチド、基本的にはデオキシシチジンを付加するポリメラーゼの能力のことをいう。これは、テンプレートRNAの5’末端を少なくとも1ヌクレオチド超えて伸長させる一本鎖伸長物の生産を可能とする。ある実施態様では、使用される逆転写酵素は、Clontech Laboratories, Inc(Palo Alto, CA)から入手可能なPowerScript(登録商標)逆転写酵素である。
【0037】
第二オリゴヌクレオチドプライマーをまた提供する。このプライマーを消化し、プライマーの一部は、該第一鎖cDNAの一本鎖伸長物にハイブリダイズできる。ハイブリダイゼーションのための条件は、通常はストリンジェント条件、しばしば高度にストリンジェント、非常に高度にストリンジェント、または極度にストリンジェント条件である。一本鎖領域がdCまたはポリd(C)領域である場合の状況では、第二プライマーは、ポリG部分を含む。ある実施態様では、第二プライマーは、配列5’―aagcagtggtatcaacgcagactggccattacggccggg―3’(配列番号2)を含む。該第一鎖cDNAの合成を次いで、テンプレートとして該第二プライマーを使用して継続する。ある実施態様では、これを、逆転写酵素が存在するスウィッチングテンプレート(reverse transcriptase present switching templates)によって達成する。生産された、得られるcDNA分子は、第一プライマー、標的ポリヌクレオチドに相補的な部分、および第二プライマーに相補的な部分を含む。
【0038】
ある実施態様では、標的ポリヌクレオチドまたは一本鎖伸長物のいずれかに相補的でないプライマーの部分は、少なくとも1つのエンドヌクレアーゼ認識部位を含み得る。該認識部位は、両方のプライマーにおける同じ制限酵素のためのものであり得、またはそれぞれのプライマーが異なる認識部位を有し得る。プライマーに組みこまれた正確な制限酵素認識部位は、想起される特定用途について変化する。制限酵素認識部位による情報を、標準分子生物学テキスト、例えばここで引用のものおよび公衆に利用可能なデータベース、例えばThe Restriction Enzyme Database(rebase)に見出すことができ、これは、http://rebase.neb.com/rebase/に見出すことができる。ある実施態様では、制限エンドヌクレアーゼ認識部位を、選択し、これは標的配列中に出現しないものである。さらなる実施態様では、標的ポリヌクレオチドが取得される種からのポリヌクレオチドにまれにしか、または全く見出されないように制限部位を選択する。ある実施態様では、第一プライマーは、SfiIB制限部位を含み、および第二プライマーは、SfiIA認識部位を含む。
【0039】
生産されるcDNAを次いで、増幅することができる。増幅の任意の方法を使用でき、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許4965188;4800159;4683202;4683195)、リガーゼ連鎖反応(Wu and Wallace, Genomics, 4: 560-569, 1989; Landegren et al., Science, 241: 1077-1080, 1988)、転写増幅(Kwoh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:1173-1177, 1989)、自己持続的配列決定複製(Guatelli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: 1874-1878, 1990)および核酸に基づく配列増幅(NASABA)を含む。ある実施態様では、増幅を、PCRによって達成する。標的ポリヌクレオチドのサイズおよび出発材料の量に依存して、PCRを、長距離PCRによって(LD-PDR;米国特許5616497および5436149;Barnes et al., Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 91:2216-2220, 1994)または慣行的プライマー伸長PCRによって(米国特許4965188、4800159、4683202、4683195)達成できる。
【0040】
PCRのために使用されるプライマーは、第一鎖cDNA合成のためのと同じであることができる。代替的には、cDNA合成プライマーの途切れ版(truncated versions)を使用し、または途切れおよび非変化プライマーを使用できる。プライマーを途切れさせるとき、それは単一ヌクレオチドを含むプライマーのその部分の除去によって達成する。ある実施態様では、増幅プライマーは、配列番号1のものおよび配列番号2の5’末端から数えて最初の23塩基を使用した。使用されたプライマーは、等しいまたは等しくない量で存在し得る。プライマーの不等の量を有する結果、他の鎖に対して二本鎖ポリヌクレオチドの1の鎖の増加された増幅という結果となる。当業者に周知のように、PCRの最適条件は、そのような要因およびテンプレート配列、プライマーおよび使用されるポリヌクレアーゼで変化する。そのような最適化は、当業界で適宜のものであり、そして当業者が過度な実験なく達成できるとみとめる。
【0041】
増幅中に、検出可能標識またはマーカーを増幅産物に組み込ませる。該標識を、プライマー(その1つまたは両方は、標識を含む)、標識されたヌクレオシド三リン酸(NTP)、または標識されたプライマーおよびNTPの組み合わせを使用することによって組み込ませることができる。当業者は、どの標識を、使用される特定の実験的条件と結合させて使用すべきか知っている。ある種の実施態様では、該標識はビオチン−デオキシウラシル三リン酸およびフィコエリトリンコンジュゲート性ストレプトアビジンである。標識を、目的の分子に直接的に付着、リンカーを介して付着、または粒子たとえばミクロビーズ上に位置させることができる。
【0042】
所望により、増幅されかつ標識されたcDNAを、好適な酵素での消化によってフラグメント化し得る。使用される酵素(複数含む)は、ランダムヌクレアーゼ、例えばDNアーゼまたは非ランダムヌクレアーゼ、例えば制限エンドヌクレアーゼであり得る。制限エンドヌクレアーゼを使用するならば、縮重または非縮重認識配列を有することができる。用語「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」を相互交換可能に、そして最も広い意味で使用し、そして二本鎖DNA配列を特異的に認識し、そしてエンドヌクレオチカルに切断する酵素を意味する。制限エンドヌクレアーゼが「4塩基カッター」、「6塩基カッター」等として言及する場合に、もしあれば縮重を含まず、そのような制限エンドヌクレアーゼの認識配列内のヌクレオチド塩基の数に言及することに注意されたい。例えば、縮重認識配列CCNNGGを有する制限エンドヌクレアーゼ(ここで「N」は2または3以上のヌクレオチドA、G、CまたはTである)は、「4塩基カッター」として言及する。「4塩基カッター」制限エンドヌクレアーゼでの消化は、近似的にいずれも256(44)塩基の消化されたポリヌクレオチドを切断するものという結果となり、一方「5塩基カッター」制限エンドヌクレアーゼでの消化は、近似的にいずれも1024(45)塩基等を切断するものという結果となる。したがって、制限エンドヌクレアーゼを選択するときの1要因は、任意の特定の適用のための制限エンドヌクレアーゼフラグメントの、望まれるサイズおよび数である。ランダムヌクレアーゼを使用するとき、フラグメントのサイズは、周知要因、例えば酵素の濃度、ポリヌクレオチドの濃度、時間および温度に依存する。消化されたcDNAの長さは通常、約50ないし約2000塩基の間、しばしば約75ないし約1000塩基の間、典型的には、約100ないし約1000塩基の間、より典型的には、約150ないし約600塩基の間である。適当な制限エンドヌクレアーゼの選択およびランダムヌクレアーゼでの消化のための条件は、過度な実験なく当業者によってなされることができる。ある実施態様では、消化を、DNアーゼIの使用によって達成する。
【0043】
増幅および所望による消化の次に、標識されたポリヌクレオチドを、典型的にはストリンジェント、より典型的には高度にストリンジェント、非常に高度にストリンジェント、または極度にストリンジェント条件下で捕捉プローブにハイブリダイズさせる。捕捉プローブは、約5ないし約100の間、しばしば約6ないし約75の間、よりしばしば約8ないし約65、普通には約10ないし約50、より普通には約15ないし約40、典型的には約16ないし約35、より典型的には約18ないし約30ヌクレオチド長のポリヌクレオチドを含む。捕捉プローブは、標的ポリヌクレオチド上の配列に相補的な配列を含む。捕捉プローブは、目的のポリヌクレオチドのプラス(コード、センス)鎖、マイナス(テンプレート、アンチセンス)鎖に相補的であることができ、または標的ポリヌクレオチドの両方の鎖に相補的な捕捉プローブの組み合わせを使用できる。ある実施態様では、捕捉プローブがハイブリダイズする標的ポリヌクレオチド上の配列は、その標的ポリヌクレオチドに独特である。ある実施態様では、捕捉プローブは、標的ポリヌクレオチドの3’末端接近してハイブリダイズし、例えば3’末端の約1000、約800または約600塩基以内である。当業者には、多重捕捉プローブを単一標的ポリヌクレオチドのために使用できることが明かである。
【0044】
捕捉プローブは、ポリヌクレオチドの合成についての当業者によって、容易に合成し得る。例えば米国特許4973679;Gait, Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press, 1984; Beaucage and Caruthers, Tetrahedron Letts, 22:1859-1862, 1981; Beaucage and Iyer, Tetrahedron, 48:2223-2311, 1992; Caruthers et al., Nucleic Acisds Res. Symp. Ser., 7:215-223, 1980に記載される。代替的には捕捉プローブは、多くの商業的源からの特注であることができる。捕捉プローブは、プローブを固体基質、例えば粒子に付着させるために、典型的には5’末端上に位置するリンカーを有して合成する。ある実施態様では、5’アミノユニリンカー(Oligo Etc., Seattle, WA)を使用する。
【0045】
捕捉プローブは、固体基質、例えば粒子に結合し、それは捕捉プローブを同定するために供する。ある実施態様では、該基質は、ミクロビーズまたはミクロスフェアである。捕捉プローブの同一性は、異なるサイズ、形状および/または色(標識)のミクロビーズを使用して達成できる。ミクロビーズは、約0.1マイクロメーターないし約1000マイクロメーター、一般に約1ないし約100マイクロメーター、典型的には約2ないし約50マイクロメーター、より典型的には約3ないし25マイクロメーター、通常約6ないし約12マイクロメーターのサイズ範囲であることができる。ミクロビーズを、任意の好適な材料から作成することができ、限定しないが、臭素化ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクロレイン、ポリブタジエン、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリジメチルシルオキサン、ポリイソプレン、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロリド、ポリビニルピリジン、ポリビニルベンジルクロリド、ポリビニルトルエン、ポリビニリデンクロリド、ポリジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ポリラクチド、ポリグリコライド、ポリ(ラクチドーコグリコリド)、ポリアンヒドライド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリホスファゼ、ポリスルホン、またはそれらの組み合わせを含む。他のポリマー材料、例えば炭水化物、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アガー、ゲル、タンパク質性ポリマー、ポリペプチド、真核および原核細胞、ウイルス、脂質、金属、樹脂、ラテックス、ゴム、シリコン、例えば、ポリジメチルジフェニルシロキサン、ガラス、セラミック、チャコール、カオリナイト、ベントナイト等をまた使用できる。ある実施態様では、商業的入手可能Luminexミクロビーズ(Luminex Corp., Austin, TX)を使用する。
【0046】
Luminexミクロビーズは詳細に米国特許6268222およびPCT出願公開WO99/37814およびWO01/13120に議論される。簡単には、ミクロビーズは、1または2以上の蛍光色素で染色されたポリマー性ナノ粒子を組み込んだ微粒子である。所定の集団中のナノ粒子のすべては、同じ濃度の色素で染色され、そして既知の量のこれらのナノ粒子を、異なる色素で染色された既知の量の他のナノ粒子とともに、ミクロスフェアへ組み込ませることによって多重蛍光ミクロスフェアという結果となる。ナノ粒子の異なる集団の量および比率を変化させることによって、独特な放射スペクトルを有するミクロスフェアの多数の明確な集団を確立および区別することが可能である。使用される蛍光色素は、550nmと900nmの間の放射波長を有するシアニン色素として既知の一般的な種類のものである。これらの色素は、メチン基を含み得る;メチン機の数は、色素のスペクトル特性に影響する。ピリジンであるモノメチン色素は典型的には青ないし青緑蛍光放射を有し、一方キノリンは緑ないし黄緑蛍光放射を有する。トリメチン色素類似体は、実質的に赤色波長へシフトし、そしてペンタメチン色素は、なおさらにシフトし、しばしば赤外線蛍光放射を示す。しかし、ビーズの組成と両立する任意の色素を使用できる。
【0047】
ある数の種々のビーズを、ここで記載の方法の実施化で使用し、色素が同じまたは重なる励起スペクトルを有することが要求されないが好ましく、しかし、区別可能な放射スペクトルを保有する。多重クラスのまたは集団の粒子を、ちょうど2つの色素から生産できる。赤/オレンジ色素を有するナノ粒子集団の比率は、集団中の十分な増分によって変化し、その結果取得される比率は、光学的に前者の比率と重ならない。このやりかたでは、多数の異なって蛍光するミクロビーズクラスを生産する。
【0048】
捕捉プローブを次いで、ミクロビーズにカップリングさせる。カップリングの正確な方法は、ミクロビーズ(microbread)の組成そしてもしあれば存在するリンカーの型で変化する。ある実施態様では、捕捉プローブを、周知のカルボジイミドカップリング手法によってミクロビーズにカップリングする。多重捕捉プローブを、単一のマクロビーズにカップリングする。同じ標識または蛍光サインを有する同じクラスまたは群のミクロビーズは、それらが付着される同じ標的ポリヌクレオチドに特異的な捕捉プローブを有する。単一のミクロビーズまたはミクロビーズのクラスに付着された捕捉プローブの配列は、異なるの同じ物であり得る。例えば、コード鎖、テンプレート鎖またはそれらの組み合わせに相補的な捕捉プローブは、単一のミクロビーズまたはミクロビーズのクラスに付着し得る。同様に単一のミクロビーズまたはミクロビーズのクラスは、同じ標的ポリヌクレオチドの異なる領域に相補的な捕捉プローブを含み得る。
【0049】
任意の検出系を使用し、2種の色素の間のスペクトル特徴の相違を検出することができ、固体状態検出器、光電子管、写真フィルム、または目を含み、そのいずれかを、追加的装置、例えばスペクトロメーター、ルミノメーター顕微鏡、プレートリーダー、蛍光スキャンナー、フローサイトメトリー、またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用し、検出系を完成し得る。
【0050】
2種の色素の間の区別を、目視検査によって達成するとき、該2種の色素は好ましくは、知覚性の異なる色の放射波長を有し、目視識別を増強する。該2種の色素の間を区別することが望ましいとき、装置的方法、種々のフィルターおよび回折格子を使用することが、独立的に検出されるべきそれぞれの波長最大を可能とする。
【0051】
ある実施態様では、ミクロビーズを、フローサイトメトリー、例えば蛍光活性化セルソーターを使用して同定し、ここで混合された異なるクラスのビーズは、蛍光色素同一性、ビーズのそれぞれのクラスのサイズおよび/または形状に基づいて互いに物理的に分離でき、そして標的ポリヌクレオチドの存在を、特定クラスのビーズを含むそれぞれの分類されるプールについて検出可能標識の存在に基づいて決定する。捕捉プローブにハイブリダイズされたポリヌクレオチド中に含まれる粒子および標識の両方を検出できる任意のフローサイトメーターを使用できる。多重励起レーザーを有するフローサイトメーターおよび検出器が好ましい。ある実施態様では、Luminex100フローサイトメーターを使用する。当業界で周知のように、最適検出のため必要な正確なセッティングは、使用されるサイトメーター、使用されるポリヌクレオチド標識および使用される粒子のような要因によって変化する。セッティングの最適化およびここに開示の方法を実施化するためのフローサイトメーターの使用のための条件は、過度な実験なく当業者によって達成できる。フローサイトメーターの使用の一般的案内は、テキスト、例えばShapiro, Practical Flow Cytometry, 3rd ed., Wiley-Liss, 1995 およびJaroszeski et al.,Flow Cytometry Protocols Humana Press, 1998に見出すことができる。蛍光ミクロビーズおよびフローサイトメトリーの使用の例は、Smith et al., Clin. Chem., 44: 2054-2056, 1998に見出すことができる。フローサイトメトリーの使用は、1よりも大きいクラスの粒子および複数の捕捉プローブを同時的に使用し、多重標的ポリヌクレオチドの存在を決定する場合の状況でとくに有用である(マルチプレックス分析)。
【0052】
存在する標的ポリヌクレオチドの存在および/または量の検出は、粒子からのシグナルおよび標識された標的ポリヌクレオチドの組み合わせを使用して達成する。該粒子を使用し、例えばミクロビーズの蛍光サインによって所定の標的ポリヌクレオチドに特異的な特定の捕捉プローブを同定する。同定される捕捉プローブを次いで分析し、標的ポリヌクレオチド中の含まれる標識の存在を決定する。標識が捕捉プローブ上に存在するならば、そのとき標的ポリヌクレオチドはサンプル中に存在する。存在する標識の量の定量によって、サンプル中の標的ポリヌクレオチドの量を計算できる。
【0053】
標的ポリヌクレオチドの存在および/または量を同時的に決定する能力は、本方法を、発現プロファイリングに特に好適とする。発現プロファイリングは、ポリヌクレオチド、例えば遺伝子の、異なる状態および生理学的状態での発現の変化の決定に関係する。こうして、ここで記載の方法は、発現パターンの変化に連関する疾患、状態、障害または素因を診断するために有用である。ここで使用するように、用語「素因」は、個々の対象が特定の疾患、状態または障害を発生させる尤度をいう。例えば、増加した素因のある対象は、疾患状態または障害を発生するのが平均より大きい傾向がある。一方減少した素因のある対象は、疾患、状態または障害を発生するのが平均より小さい傾向がある。疾患、状態、障害または素因は、遺伝的であり得、または微生物のためであり得る。この側面では、1または2以上の標的ポリヌクレオチドの発現の情報は、ここで記載の方法を使用して試験対象から取得され、そして目的の疾患、状態、障害または素因を有することが知られる対象からの発現パターンと比較する。ある実施態様では、既知の疾患、状態、障害または素因を有する対象の発現パターンを表すデータを、コンピューター読み取り可能媒体に蓄積し、その結果試験対象からの発現パターンを蓄積された発現パターンと比較できる。
【0054】
同様に、ここで開示の方法を使用し、細胞または組織の発達または生理学的状態を決定できる。この側面では、試験細胞または組織からのポリヌクレオチド発現を、既知の生理学的または発達状態の細胞からの発現パターンと比較する。2発現パターンを比較することによって、試験細胞または組織の発育の生理学的状態を決定することができる。ある実施態様では、既知の発達または生理学的状態の細胞または組織の発現パターンを表すデータを、コンピュータ読み取り可能媒体に蓄積し、その結果試験細胞または組織型からの発現パターンを、蓄積された発現パターンと比較できる。
【0055】
本発明の更なる側面は、高処理量適用のため好適なSNAP分析のための安価、急速、フレキシブル方法を提供する。本方法を使用して、SNPアリルの同定が、PCR戦略例えばアリル特異的PCR(ASP)によって、または単純プライマー伸長方法論、例えば短いプライマー伸長(SPE)によって可能である。両方の場合に、増幅または伸長は、検出可能標識の存在下で実行する。
【0056】
PCRに基づく方法、例えばASPを使用するとき、少なくとも1対のプライマーを使用する。それぞれのプライマー対は、正プライマーおよび逆プライマーを含む。対の正プライマーの3’末端は、目的のSNPのアリルに特異的であり、例えば、プライマーの3’末端は、目的のSNPのアリル塩基に相補的なヌクレオチドを含む。正プライマーはまた、プライマーを同定し、目的のSNPを含むポリヌクレオチドに相補的でないハイブリダイゼーションタグを含み得る。ハイブリダイゼーションタグは、典型的にはプライマーの5’末端上に位置する。逆プライマーは、目的のSNPを含むポリヌクレオチドに特異的であることができ、またはそれは普遍逆プライマーであることができる。逆プライマーはまた、ハイブリダイゼーションタグを含み得る。ある実施態様では、それぞれの可能なSNPアリルに特異的なプライマー対を使用する。さらなる実施態様では、多重SNPに特異的な多重プライマー対を使用する。すなわちマルチプレックス分析である。マルチプレックス分析を使用するとき、それぞれのSNPについて単一プライマー対を使用でき、または目的の種々のSNPについての可能なアリルに対応するプライマー対を使用できる。それぞれのSNPアリルのためのプライマー対の使用は、目的のSNP(複数含む)についてヘテロ接合性の個体を決定するときに助けとなる。
【0057】
プライマー対を、次いで、1または2以上の一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと合わせる。ポリヌクレオチドは、RNA、DNAまたはそれらの組み合わせであり得る。特定の例は、限定しないが、mRNA、cRNA、ウイルスRNA、合成RNA、cDNA、ゲノムDNA、ウイルスDNA、プラスミドDNA、合成DNA,増幅DNAまたは任意のこれらの組み合わせを含む。もしサンプル中に存在するポリヌクレオチオが二本鎖であるならば、これらは、当業界で周知の方法、例えば化学的または熱処理を使用して一本鎖を作成できる。プライマーは、ストリンジェント、典型的に高ストリンジェント条件、非常に高ストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で一本鎖ポリヌクレオチドにハイブリダイズを可能とする。典型的にはストリンジェントハイブリダイゼーション条件を、正プライマーの3’末端上の単一ミスマッチがハイブリダイゼーションを阻害または顕著に減少させるように調節する。「顕著に減少させる」は、ハイブリダイゼーションが、完全に相補的配列で観察されるのと比較したときに、少なくとも50%、典型的には少なくとも75%、より典型的には少なくとも85%、普通は少なくとも90%より普通には少なくとも95%、および好ましくは少なくとも99%減少させることを意味する。当業者に周知であるように、ハイブリダイゼーションのため特異的条件は、典型的には実験的に決定し、そしてここで提供した案内および分子生物学の標準的テキスト、例えばここで引用のものを使用して、当業者によって過度な実験なく達成できる。
【0058】
ひとたびハイブリダイズすると、プライマーを伸長させ、伸長産物を生産する。ある好ましい実施態様では、プライマー伸長は数回、PCRにおけるように反復し、多量の伸長産物を生産する。プライマー伸長のための方法、特にPCRは当業界で周知であり、そしてここに議論した。一般に、該方法は、ポリメラーゼ、しばしば熱安定性ポリメラーゼ、dNTPおよび必要なコファクターを提供し、ついで一連のハイブリダイゼーション、伸長および変性ステップを含む。生産されたハイブリダイゼーション産物は、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む。標識は、伸長産物に、標識されたプライマー、標識されたdNTPまたはそれらの組み合わせを使用することによって組み込ませることができる。ポリヌクレオチドでの使用のために好適な任意の検出可能標識を使用でき、ここで先に記載の物含む。
【0059】
ひとたび生産すると、伸長産物は、ストリンジェント、高度にストリンジェント、非常に高度にストリンジェントまたは極度にストリンジェント条件下でハイブリダイゼーションタグまたはその相補物に相補的な捕捉プローブにハイブリダイズする。捕捉プローブは、次に、固体基質、例えばミクロビーズにカップリングする。粒子は色素または他の基質を含み、特定の捕捉プローブを含む粒子のクラスについて特異的な検出可能シグナルまたはサインを提供する。粒子が蛍光色素を含む場合に、該粒子は独特な蛍光サインを有する。標識された粒子の使用および特に、蛍光色素を含む特定のミクロビーズは、以前記載した。ある実施態様では、Luminex Corp.から商業的利用可能である蛍光ビーズを使用する。
【0060】
伸長産物に組み込ませた標識および粒子の組み合わせを次いで使用し、存在するSNPを同定する。例えば蛍光ミクロビーズを使用するとき、該ミクロビーズは蛍光サインに基づいて同定および所望により分離される。サインは、ビーズに付着された捕捉プローブを同定し、これは次に、目的のSNPを同定するハイブリダイゼーションタグを同定する。ビーズはまた、伸長産物に組み込まれた標識の存在について試験される。標識が存在するならば、そのとき該伸長物が存在し、正プライマーの首尾よいハイブリダイゼーション、そしてこうして、特定のSNPアリルの存在を指摘する。SNPあたりのたったひとつのプライマーを使用するとき、そのとき、標識の不存在は、代替的SNPアリルが存在することを示唆する。ある実施態様では、この分析を、フローサイトメトリーを使用して実施する。標識したビーズおよび会合したポリヌクレオチドを同定するためのフローサイトメーターの使用は、先に議論した。
【0061】
代替的実施態様では、短いプライマー伸長(SPE)を、アリル特異的PCRのかわりに使用する。この実施態様では、少なくとも1のプライマーでその3’末端が、目的のSNPに特異的なものを提供する。このプライマーはまた、ハイブリダイゼーションタグを含む。この実施態様では、プライマーは、SNPに特異的であると考えられ、このとき、それはその3’末端に、目的のSNPのアリル塩基のひとつに相補的な塩基を含む。代替的には、プライマーはSNPに特異的であると考えられ、このとき、それは特異的にハイブリダイズし、その結果その3’末端は目的のSNPの位置にすぐに隣接し、その結果プライマーの3’末端への次の塩基の付加が、SNPの位置に存在する塩基によって方向付けられる。該プライマーを、ストリンジェント条件下で一本鎖ポリヌクレオチドと合わせ、一本鎖ポリヌクレオチドへのプライマー(複数含む)の特異的ハイブリダイゼーションを可能とする。使用されるサンプルが二本鎖ポリヌクレオチドを含むならば、そのときこれらはプライマーハイブリダイゼーションに先立ち一本鎖を作成する。もしSNPの部位に伸長するプライマーを使用するならば、ハイブリダイゼーション条件は、該プライマーの3’末端の単一ミスマッチが先に議論したようなハイブリダイゼーションを阻害または顕著に減少させるように調節される。もし使用されるプライマーがSNP位置にすぐに隣接するならば、そのときハイブリダイゼーション条件は非特異的ハイブリダイゼーションを最小化するように調節される。
【0062】
プライマー(複数含む)を次いで、ポリメラーゼおよび好適なヌクレオシド三リン酸(NTP)を使用して伸長させる。ある実施態様では、プライマー伸長は、1または2以上の鎖終結ヌクレオシド三リン酸、たとえばジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)を反応混合物中に含ませることによって限定される。プライマー(複数含む)がSNP位置にすぐに隣接してハイブリダイズする実施態様では、NTPの単一タイプを、そのプライマー伸長が相補的アリルが存在するときのみに起こるように付加することができる(米国特許5846710参照)。代替的には鎖終結NTP、例えばddNTPを使用し、その結果単一塩基のみが、プライマーの3末端に付加される。この代替を使用するとき、好ましくはそれぞれのddNTPが異なる検出可能標識含む(米国特許5888819参照)。生産された伸長産物は、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む。標識を、標識されたプライマー、標識されたNTPまたはそれらの組み合わせを使用して伸長産物に組み込ませることができる。先に議論した任意の標識を使用できる。
【0063】
標識された伸長産物を次いで、ストリンジェント、高度にストリンジェント条件、非常に高ストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で、ハイブリダイゼーションタグに相補的な捕捉プローブにハイブリダイズさせる。該捕捉プローブは、粒子例えば先に議論したものにカップリングさせ、これは捕捉プローブを同定する。存在するSNPアリルの同一性を次いで、伸長産物の、その特異的捕捉プローブへのハイブリダイゼーションを検出し、そして先に議論したように粒子に基づいて捕捉プローブを同定することによってなす。先に議論した検出の方法のいずれかを使用することができ、フローサイトメトリーを含む。
【0064】
SNPの検出のためここで記載の方法は、広範適用を有する。例えば、該方法を使用し、目的の疾患、状態または障害への遺伝的素因について個体をスクリーニングできる。この側面では、ポリヌクレオチドを含む生物学的サンプルを、試験対象から取得する。該サンプル中に含まれるポリヌクレオチドを次いで、本方法を使用して分析し、目的の疾患、情愛または障害に連関するSNPの存在を検出する。
【0065】
ここで開示の方法を使用するSNPの検出はまた、マーカー援助選択において使用できる。SNPは植物および動物の種々の形質と連関する。特に有用なのは、量的形質遺伝子座(QTL)に位置するSNPである。
【0066】
特定SNPの存在の不存在についての選択を実施化することによって、遺伝的進行を、表現型の測定に基づく伝統的選択方法によるよりもより急速に達成できる
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、本発明の応用の例示を提供することを意図する。以下の実施例は、発明の範囲を完全に定義またはそうでなくとも限定することを意図しない。
【0068】
実施例1
発現分析
1.1 総RNA抽出およびPCR産物標識化
凍結した組織サンプルを、自動化組織破壊機を使用して96ウェルプレート中でホモジナイズした。総RNAをBioline 96ウェルRNAキット(Bioline, Boston MA)を使用して、製造者のプロトコルにしたがって使用して組織ホモジネートから抽出し、そして260nmでの吸光度によって定量した。総RNA(1μg)のそれぞれのサンプルを、SMARTキット(Clontech, Palo Alto, CA)によってcDNAに変換した。該cDNAを次いで、同じキットによって27サイクルにおいてPCR増幅し、そしてビオチン−dUTPで標識した。該PCR DNAを次に、1UのDNアーゼIによって、室温で7分間フラグメント化した。反応を、95℃10分加熱することによって停止させた。
【0069】
1.2 捕捉プローブおよびそのミクロスフェアへのカップリング
標的遺伝子の3’末端から600塩基の領域内の25塩基の独特の配列を捕捉プローブとして選択した。多重捕捉プローブを同じポリヌクレオチドまたは異なる位置の3’末端に近い遺伝子から選択することができた。選択した捕捉プローブの融解点(Tm)は、通常は50℃ないし60℃の範囲であり、そして2次構造は好ましくは最小であった(Vector NT1, North Bethesda, MD)。すべての捕捉プローブオリゴヌクレオチドを、5’−アミノユニリンカー(Oligos Etc., Seattle, WA)と合成し、それらカルボキシル化蛍光色素ミクロスフェア(Luminex Corp., Austin, TX)に共有結合させた。具体的には、5x106のカルボキシル化ミクロスフェアを、1分間最大速度でミクロ遠心機で遠心分離し、そして上清をミクロスフェアを妨害することなくピペットによって注意深く除去した。該ミクロスフェアを、0.1M MES(2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸)(Sigma, St. Louis, MO)、pH4.5を含む50μLのバッファー中に再懸濁した。該アミノ置換捕捉プローブを1mMの濃度で1ddH2O中に溶解し、そして1μLの溶液(1nMの捕捉プローブオリゴヌクレオチドを含む)をカップリング反応のためにミクロスフェアに添加した。カップリング反応を、2.5μLの新しく作成した10mg/mLの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)(Aldrich, Milwaukee, WI)であってddH2O中に溶解されたものを添加することによって開始させた。ミクロスフェア、捕捉プローブ、およびEDCの混合物を簡単にボルテックスし、そして室温で暗黒で30分間インキュベートした。30分間のインキュベーション後、第二の2.5μLの新しく調製したEDC溶液(10mg/mL)を反応物に添加し、そして追加的30分間インキュベーションした。この工程を、全部で三回反復した(3回EDC添加)。インキュベーション中、反応物を、ときおり管を指で軽打することによって混合し、ミクロスフェアが懸濁状態であるのを維持した。カップリング反応後、1mLの0.02%Tween20(BioRad, Hercules, CA)をミクロスフェアに添加した。溶液を良く混合し、そしてミクロ遠心機で1分間最大速度で遠心分離した。遊離捕捉プローブオリゴヌクレオチドを含む上清および過剰のEDCを注意深く除去した。ミクロスフェアを、再び1mLの0.1%SDS(Ambion, Austin, TX)において洗浄し、遊離捕捉プローブおよびEDCの除去を確保した、最後に、捕捉プローブコンジュゲート性ミクロスフェアを、0.1MのMES、pH4.5を含む、100mLのバッファー中に再懸濁した。カップリングしたミクロスフェアを、4℃の暗黒の箱で貯蔵し、そして少なくとも6ヶ月にわたり安定に保持した。ミクロスフェアを、TEバッファー(10mMのTris、1mMのEDTA)において希釈し、そして100x倍でセルカウンタースライド中で数えた。単一ハイブリダイゼーションアッセイのために、約7500の、それぞれのセットのカップリングミクロスフェアを使用した。カップリング効率およびハイブリダイゼーション特異性を、カップリングしたミクロスフェアがそれらの対応するビオチニル化相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることによって評価した。
【0070】
1.3 標的の、捕捉プローブがカップリングされたミクロスフェアへのハイブリダイゼーション
1xハイブリダイゼーションバッファーは、3Mのテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC、Sigma, St. Louis, MO)、0.1%のSDS、50mMのトリスHCl、pH8.0および4mMのEDTApH8.0を含んだ。ストックハイブリダイゼーション溶液は、1.5xとして調製し、そして50℃で貯蔵し、沈殿を抑制した。最初の工程では、20μLにおけるPCR DNAフラグメント標的サンプルを、95℃10分間加熱することによって変成させた。捕捉プローブコンジュゲート性ミクロスフェア(色あたり約7500ビーズ)を、40μLの1.5xハイブリダイゼーションバッファー中に混合し、そして次に、変成した標的サンプルに添加した。ハイブリダイゼーション混合物を速やかにボルテックスし、そして48℃1時間エンペンドルフミクロチューブインキュベーター(Eppendorf Scientific, Inc., Westbury, NY)においてインキュベートし、300rpmの速度で振とうした。インキュベーション後、ハイブリダイゼーション混合物を、ミクロ遠心で1分間14000gで遠心分離した。上清をミクロスフェアを妨害することなく注意深くピペットで除去した。ミクロスフェアを、50μLの1xはいぶりダイゼーション溶液の添加によって洗浄し、指で軽打することによって混合し、48℃で5分間振とうなくインキュベートし、そして1分間最大速度でスピンし、そして上清を除去した。ミクロスフェアを全部で3回洗浄した後、50μLの1xTMACおよび0.5μLの1mg/mlのストレプトアビジンコンジュゲート性R−フィコエリトリン(Molecular Probes, Inc., Eugene, OR)をミクロスフェアに添加した。溶液を簡単にボルテックスし、そして暗黒で10分間室温でインキュベートした。ミクロスフェア(35μL)を、Luminex100システムで分析し、そしてすくなくとも200事象のそれぞれのセットのミクロスフェアをカウントした。
【0071】
実施例1の方法を使用して得た代表的な結果を、表1に示す。この実施例では、3つの化学的処理に応答した、11の異なる遺伝子の発現の差異を、取得した。発現レベルを、平均蛍光強度(MFI)の単位において与える。
【0072】
表1
【表1】
【0073】
実施例2
SNP分析
2.1 普遍ハイブリダイゼーションタグ(UHT)の設計
一連のDNAハイブリダイゼーションタグを、Luminexミクロスフェアへのコンジュゲーションのために誘導した。DNAハイブリダイゼーションタグを、「普遍ハイブリダイゼーションタグ(UHT)」と命名した。なぜなら、UHTがSNPプライマー配列の設計に組み込まれたかに依存して、DNAタグ(オリゴヌクレオチドの形態における)およびミクロスフェアを任意のSNPマーカーアッセイのために使用し得たからである。UHT配列を生成するためのランダムDNA配列の源を誘導するため、次に使用されないであろう生物から非コードイントロンDNA配列を、選択した。それらが関連する良好なハイブリダイゼーション特性を有するであろうランダムシリーズの18マーを生成するためのさらなるオプションは、多量のDNA配列を分析することのできるソフトウェアを要求する。イントロンDNA配列を選択し、なぜなら、それはコードDNAに見出される高度の選択的圧力を有さず、DNA配列のランダム性質を増加させるからである。これは、アッセイのインテグリティを妨害する、非特異的相互作用を最小化するのを確保するために重要である。
【0074】
選択されたイントロン性DNA配列を、GenBank 受託番号#U31961に見出されるDrosophila ubx遺伝子座の50kbイントロン3から選択した。近似的に50kbのDNA配列を含むUbx遺伝子の第三イントロンを、OLIGO5.0ソフトウェアに移入した。サーチアルゴリズムを次いでカスタマイズし、約60℃のTm、そして最適にはヘパリン構造および二重らせん形成能を欠く18塩基長を有するDNA配列についてサーチした。追加的に、融解点(Tm)を、それぞれのUHT配列が、2℃を超えないで変化するのみで、かつ、約40ないし50%の「GC」含量を含むようにセットした。これらのセッティングで、すべてのUHT配列の得られる特性がバックグラウンド人工物の欠如により同じ温度範囲で非常に特異的ハイブリダイゼーションするであろうと仮説された。DNA配列サーチからの生の出力を分析し、そしてトリムし、独特なUHT DNA配列(表2)配列番号3−46)のリストを含んだ。
【0075】
使用したオリゴヌクレオチドは、正確なUHT DNA配列を有し、そして5’末端にユニリンカーアミノ−リンカー修飾を保有し、カルボキシル化ミクロスフェアへのコンジュゲーションを可能とした。また、相補的配列を有するビオチン標識したオリゴヌクレオチドを取得し、ハイブリダイゼーション特異性を測定した。Luminexハイブリダイゼーション実験を計画し、それぞれのUHT配列の特異的ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドおよび非特異的オリゴヌクレオチドの混合物で、それぞれのUHT配列を試験した。シグナルを、それぞれの条件から測定した。承認のための基準は、3000蛍光単位またはより高の特異的シグナルおよび前記35のS/N比率であった。(表2参照)。
【0076】
表2
【表2】
【0077】
2.2 ベジタブルマーカー「A」(NVMA、VegA)プライマー構成
ベジタブルマーカー「A」は、完全な連鎖不平衡状態にある2つの近接SNPの組み合わせである。それは入り組んだ概念であるが、基本的には、連鎖不平衡は、DNA鎖によって物理的に連鎖している2つの遺伝的マーカーを比較することによってなされるべきものである。例えば、突然変異してないDNA鎖は、二本鎖DNA分子上に、2つのアリル、SNP1、(または同じ位置の2つの代替的塩基)を有する第一SNPマーカーを含む。時間が進行するにつれ、第二SNPが発生し、なぜならこれはDNAの同じ一本鎖上の単一事象であり、新しいSNP2アリルがSNP1のアリルのうちのたった1つと連関するであろうからである。時間が進行し、そして2つのSNPの間で多くの組換え事象が発生するにつれ、SNP2のアリル1は、SNP1のどちらかのアリルと連関することができる。このとき、SNP2は、SNP1と完全な連鎖不平衡状態にある。時間が再び進行し、多くの組換え事象が2つのSNPの間で発生するにつれ、SNP2のアリル1は再び、ハプロタイプ分析によってSNP1の両方のアリルとともに見出すことができ、そしてSNP2のアリル2はまた、SNP1の両方のアリルととともに見出すことができる。これらの連関数が50%に等しいとき、そのとき2つのSNPは完全な連鎖平衡状態にある。連鎖は、一般に平衡に向かって進行する。しかし、それぞれの状態の程度が変化することは、2つの遺伝的マーカーを比較するとき見出すことができる。
【0078】
VegAのためのゲルに基づくアッセイは、NVMA−3およびNVMA−4位の2つの正プライマーおよび普遍逆PCRプライマーであるNVMA−2を使用する。
【化1】
【0079】
PCRサンプルをゲル上で電気泳動するとき、これらはある種のDNAバンドパターンを与え、これは遺伝子型が割り当てられるのを可能とする。類似のアッセイセットアップを、Luminex ASP手法と使用し、これはLuminex 100からのデータ出力とゲル遺伝子型の直接的な比較を可能とする。Luminex SPEアッセイを実施したとき、ゲノムDNAを最初にNVMA-1およびNVMA-2で増幅し、同じ反応において一緒にNVMA−3およびNVMA-4の両方を使用してプライマー伸長してフォローアップした。
【0080】
短いプライマー伸長(SPE)手法を実施するため、標準的PCRプライマーで最初の増幅工程、次いでUHTタグを含むアリル特異的伸長プライマーでのプライマー伸長を実施した。正PCRプライマーは、NVMA−1でありそして逆PCRプライマーは、NVMA−2であった。NVMA−3プライマーは、アリル1に特異的な伸長プライマーであり、一方NVMA−4プライマーはアリル2に特異的な伸長プライマーである。NVMA−3プライマーの最初の18塩基は、UHT#1配列でタグ化され、および類似に、NVMA−4プライマーの5’末端はUHT#2配列でタグされた。
【0081】
アリル特異的PCR(ASP)手法は、より単純なアプローチであり、そしてUHTとマーカー関連配列の間のC12リンカーを含む2つのアリル特異的な正プライマー、および1つのビオチン標識した普遍逆プライマーを使用するPCR増幅を要するのみである。使用したNVMA特異的正プライマーは、NVMA−3およびNVMA−4であり、それぞれアリル1およびアリル2遺伝子型を表す。普遍逆プライマーは、NVMA−2であった。ASPアッセイアプローチを実施したとき、この手法で使用したサンプルをアガロースゲル上で電気泳動し、直接的に遺伝子型決定子、そして蛍光ミクロスフェア手法から取得された結果と比較した。
【0082】
2.3 UHTの試験
SNPアッセイを使用する前に、UHT配列を、Luminexシステムと組み合わせて一連の合成オリゴヌクレオチドを使用する有用なDNA分子タグとしての、これらの成績について試験した。それぞれのUHT配列について、正(forward)鎖オリゴヌクレオチドを、5’ユニリンカー標識(Oligo Etc., Wilsoville, OR)で取得し、そして逆鎖を、5’ビオチン標識(Life Technologies. Rockville, MD)で合成した。多くのアミノリンカーは、ミクロスフェアにコンジュゲートするオリゴヌクレオチドのために利用可能であるが、該ユニリンカーが最良のコンジュゲーション効率およびコンシステンシーを生産した。
【0083】
該ユニリンカー標識したUHTオリゴヌクレオチドを、1.25x106のDevelopment Microspheresにコンジュゲートさせた。該Development Microspheresは一般に、ある種のアッセイ系を最初に試験するために使用する。なぜなら、これらは高価ではない傾向があり、次いでマルチプレックス化ミクロスフェア。これらはしかし、たった単色であり、その結果アッセイを、これらを使用してマルチプレックス化できない。UHTオリゴヌクレオチドを、以下のカルボジイミドカップリング手法を使用してDevelopmentミクロスフェアにコンジュゲートさせた。
【0084】
2.3.1 オリゴヌクレオチド/ミクロスフェアのカルボジイミドコンジュゲーション
Luminexミクロスフェアをボルテックスし、10秒間超音波処理し、次いで、8000gで1.0分間遠心分離した。上清をミクロスフェアペレットから除去し、そしてミクロスフェアを、MESバッファー(0.1Mの(2−[N−モルフォリノ]エタンスルホン酸、150mMのNaCl、5.0NのKOHで4.5へのpH)で2.5x104または1.0x105ミクロスフェア/μL再懸濁した。それぞれのカップリング反応のために、50μLのミクロスフェア/MES懸濁物を、ミクロ遠心管に、1.0μLの1.0mM溶液(H2O中)のユニリンカー標識したオリゴヌクレオチド(Oligo Etc.)とともに配置した。2.5μLの新しく作成した10mg/mlのEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドヒドロクロリド)(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)を添加し、そして室温で30分間インキュベートした。さらに2.5μLの新しいバッチの10mg/mLのEDC溶液を添加し、そしてインキュベーションをさらに30分間継続した。1.0mLのMESバッファー/0.02%のTween20を添加し、そしてミクロスフェアを8000gで1.0分管遠心分離した。上清を除去し、そしてミクロスフェアを含むペレットをもう1回1.0mLのMES/Tween溶液で洗浄した。この次に、MESバッファー/0.1%SDS溶液でのミクロスフェアの2x1.0mL洗浄であった。最後に、ミクロスフェアを、100μLのMESバッファーに再懸濁しそしてカウントした。
【0085】
Development Micrrospheresは典型的には、マルチプレックス化のためには使用しないが、このユニプレックス形式のような一般試験目的のためには有用である。コンジュゲーション効率それとともにそれぞれのUHT DNA配列の潜在的有用性を試験するため、Lumineハイブリダイゼーションアッセイを以下のように実施した。
【0086】
2.3.2 Luminexハイブリダイゼーションアッセイ
合成オリゴヌクレオチドおよび/または目的の遺伝子型決定サンプルを、TEバッファー(10mMのTris-Cl、0.1mMのEDTA、pH、7.5)で20μLの体積に作成した。これらを乾燥熱ブロック装置上で95℃10分間に渡り変成させた。このサンプルに、35μLの1.5xTMAC(テトラメチルアンモニウムクロリド)バッファー(4.5M TMAC、0.15% SDS、75mM Tris-Cl、6.0mM EDTA、pH8.0)を添加し、5−10000ミクロスフェア/アッセイを含むものとした。サンプルを次いで、10分間のさらなる熱ブロックにおいて55℃ハイブリダイゼーション温度に直ちに置いた。1:400希釈のストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲート(Molecular Probes;Eugene, OR)を1.0xTMAC(3.0M TMAC、0.1% SDS、50.0mM Tris-Cl、4.0mM EDTA、pH,8.0)で作成し、そして50μLをそれぞれのサンプルに添加した。(もしサンプルが直接的蛍光標識化を有し、そしてビオチンをアッセイで使用しなかったならば、50μLの1.0xTMAC単独、SA/PEなしを添加した)。サンプルをさらに55℃5分間以上インキュベートし、それからLuminex 100装置で分析した。
【0087】
それぞれのUHT試験のために、ポジティブコントロールサンプルは、UHT DNA配列の正確なオリゴヌクレオチド相補物からなり、そしてネガティブコントロールは、他のUHTに対して4つのランダム非特異的相補的オリゴヌクレオチドからなった。相補的オリゴヌクレオチドの全ては、5’ビオチン標識を有し、そして50μLのハイブリダイゼーションサンプル中の最終濃度は、10.0nMであり、これはビオチン基質で蛍光シグナルの最大レベルを有するように先の実験から決定した濃度であった。ひとたび全てのUHT試験サンプルを読むと、これらを得られた最高の特異的シグナルに基づいて検討し、シグナル/ノイズ値は非特異的シグナルをこえる特異的シグナルの比率から誘導した。カットオフ点を決定した、UHT試験結果の例は、表3に示す。それぞれの個々のUHTの最適化は、これらのSNPマーカーアッセイにおけるUHT試験によって容易に達成する。
【0088】
2.3.3 SNP識別
Luminexシステムを、アッセイの過程の間に一本鎖のままであるように選択された一連のUHT配列と使用し(ハイブリダイゼーション人工物を最小化する)、そして代替的分子技術を使用し、SNP識別を提供した。これは、マーカー特異的DNA配列を、使用されるUHTの3’側に付着させ、SNP多型を試験することに関係し、これらを次いで検出のため適当に標識した。目的の最初の標識はビオチンであり、というのはこれはストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲート(SA/PE)が続くことができるからであり、これは消光の効率のために、Luminexシステムで得られ得る感度の最高量を可能とする。直接的蛍光標識化をまた、このアプローチで供される潜在性を比較するため試験し、これは蛍光コンジュゲートをLuminexハイブリダイゼーションアッセイの最後に添加する最終工程が必要ないという事実のために実行するのがより簡単である。ストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲートの、Luminexハイブリダイゼーション中の最終濃度は、近似的に3.3nMであった。したがって、ビオチン基質の展開中のアッセイにおける絶対量は、その濃度の約10倍より顕著により多いことはできず、最小には高ビオチン濃度のためSA/PEの添加の前の洗浄工程を要した。
【0089】
2.4 短いプライマー伸長(SPE)
DNA配列決定で使用されるものと類似のプライマー伸長方法を開発した。関連方法は、ときにSingle Basepair Extension(SBE)またはミニシーケンシングと呼ばれ、そして単一の伸長プライマーへ、SNP部位に見出される2塩基のうち1つを組み込ませる1bpの伸長である。SNPアッセイに組み込まれるべきそれぞれの別個の塩基は、それ自身の蛍光タグを有し、そして伸長産物を、PE Applied Biosystems 377ゲル装置(または類似のもの)において分析し、どのヌクレオチド類似体(複数含む)が伸長プライマーに組み込まれたか決定する。基本的には、SPEアッセイは、2つの工程において実施する:(1)2つのアリル特異的プライマーを使用して(SNP部位に伸長プライマーの3’末端)、テンプレートしてSNP部位を有するPCR産物、およびビオチンー11−ddATPを含むヌクレオチド混合物を使用して、伸長および標識化、および(2)UHT DNA分子タグを使用して、伸長産物の、オリゴヌクレオチドがコンジュゲートしたミクロスフェア上への捕捉、次いでLuminex 100装置におけるデータ獲得。
【0090】
SNP検出のミクロフルイドマルチプレックス化は、SNPマーカーのすべてのために、たった1つの標識されたヌクレオチドを使用しつつ、2つのアリル特異的プライマーでの小さい長さのDNA重合化を実施することに関係した。アリル特異的プライマーとSNP部位の間にマッチがあったときにのみ起こる伸長で、SNP検出がアリル特異的プライマーに存在した。これはプライマーの1より多いbp伸長であるからであるが、伸長時間またはddNTPヌクレオチド組み込みの欠如のためにプライマーを完全には伸長せず、該方法は短いプライマー伸長アッセイまたはSPEと名づけられた。
【0091】
2.4.1 ヌクレオチド類似体オプション
現在利用可能な種々のプライマー伸長プロトコルは、Thermosequenase(登録商標)を、プライマー伸長アッセイにおけるDNAポリメラーゼ酵素として使用し、しかしDNAを重合化することのできる任意の酵素を使用できる。以下のSPEアッセイは、Thermosequenase(登録商標)を使用して実施した。
【0092】
この酵素で蛍光的に標識したdNTPおよびddNTPの組み込みを試験する多くの研究がなされたが、ビオチン標識した基質を指向するのはほとんどなかった。したがって、多くの商業的入手可能ビオチン類似体を、蛍光的に標識したヌクレオチド類似体と並行して試験し、どれが最良のシグナル特性を生産するかをみた。
【0093】
表3は、SPEアッセイでの使用のため試験した種々のヌクレオチド類似体を示す。PCRを実施し、ミクロスフェア短いプライマー伸長アッセイ(以下)において説明の通りである。PCR産物を、NVMAマーカーからのPCRプライマーで、ホモ接合性「稔性(Fertile)」またはホモ接合性「不稔性(Sterile)」ゲノムDNAサンプルから増幅した。該PCRアンプリコンを次いで、シュリンプアルカリフォスファターゼ(SAP)およびエキソヌクレアーゼIで処理し、残留PCRプライマーおよびdNTPを分解した。精製したPCR産物を次いで、別個の伸長反応で使用し、前列挙のそれぞれの個々のヌクレオチド類似体を試験した。伸長反応後、伸長産物を、オリゴヌクレオチドタグ化ミクロスフェアで捕捉し、そしてシグナルを、Luminex 100装置を使用して定量した。
【0094】
表3
【表3】
【0095】
2.4.2 ミクロスフェア短いプライマー伸長アッセイ
PCR反応物を、PE Applied Biosystems(Foster City, CA)96ウェルPCRプレートにおいて、20ngの植物ゲノムDNAを使用して調製した。PCR反応混合物は:300nM正および逆PCRプライマー、1xTaq Goldバッファー、0.2μMのdNTP、7.5%のグリセロール、2.0mMのMgCl2および1.0単位のTaq Gold(PE Applied Biosystems, Foster City, CA)を全部で25.0μLの反応体積で含んだ。サンプルを、93℃酵素活性化工程、次いで30サイクルの、93℃−30秒、60℃−30秒、および72℃30秒でPE Applied Biosystems 9700中で増幅した。熱サイクリングを、72℃5分間、すぐに次いで、4.0℃保持まで低下させた。アガロースゲル電気泳動によるPCR産物出現の確認後、5.0μLのPCR産物を、1.0Uのシュリンプアルカリホスファターゼ(USB)および1.0UのエキソヌクレアーゼI(USB)を10.0mMのTris−Cl、pH8.0中に含む、5.0μLのSAP/EXO精製混合物に添加した。該サンプルを、37℃45分、次いで95℃10分間インキュベーションした。これらのサンプルに、1.0UのThermosequwnase(登録商標)(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)、100.0nMのそれぞれのアリル特異的伸長プライマー、1xThermosewuenase(登録商標)バッファー、0.4μMのヌクレオチド類似体(NEN, Roche, Amersham)、2.0μMのdCTP/dGTP/dTTP(PE Applied Biosystems)、および7.5%のグリセロールを含む、10μLのSPE混合物を添加した。サンプルを、9700サーモサイクラーに置き、1分間の95℃インキュベーション、次いで40サイクルの95℃−10秒、および60℃30秒を進行させた。変性工程を次いで、SPEサンプルを含むPCRプレートにおいて直接的に実施した。なぜならサンプル体積は20.0μLであったからである。Luminex手法に要する唯一の修飾は、1x洗浄工程であり、これは、ビオチン標識ヌクレオチド類似体を使用したならば、ストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲートの添加前に要した。100μLの1xTMACをそれぞれのウェルに添加し、そしてプレートを3000gで2.0分間遠心分離した。上清をそれぞれのウェルのミクロスフェアペレットから除去し、その結果10−20μL残った。100μLの1:800希釈のストレプトアビジン/フィコエリトリンをそれぞれのサンプルに添加し、そしてLuminex 100で読む前に、55℃で少なくとも5.0分間インキュベートした。
【0096】
ビオチン−11−ddATPヌクレオチド類似体に加えて、UHT伸長プライマーを標識するために使用できる多くの他のヌクレオチドがある。ビオチンコンジュゲート性dNTPの多くは、シグナルの強レベルを有する;例えばビオチン−14−dATPおよびビオチン−6−dATPはまた、低い非特異的シグナルを示す。R6Gコンジュゲート性ddNTPはまた、SPEアッセイのため有用な特徴を有する。これらの構成要素を使用して、SN/PE添加工程の必要性はなく、そして同様に、SA/PE添加の前に洗浄工程を要しない。これは遺伝子型決定手法を能率的にすることができる。ddNTPヌクレオチドを、前記アッセイプロトコルに列挙された濃度で試験し、一方でdNTPヌクレオチドを、10xより高い濃度で試験した(非標識dNTPはまた、10xより濃縮された)。dNTP類似体の組み込みはDNA重合化を終結させないから、多重標識化が起こり、アッセイの感度を増加させることができる。テトラメチルローダミン(TAMRA)、ローダミン、3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニン(CY3)およびローダミン6Green(R6G)は、標的蛍光ヌクレオチドであった。なぜならこれらの放射スペクトルは、Luminexレポーター検出システム要求に、良く適合していたからである。
【0097】
NVMAマーカーのための既知の遺伝子型を有するDNAサンプルを取得した。これらのDNAおよびネガティブPCRコントロールを、NVAM−1およびNVMA−2プライマーで増幅し、それからSAP/ExoIで処理し、これらをLuminex SPEアッセイのために調製した。試験されるそれぞれのヌクレオチド類似体のために、異なるUHTをNVMA−3およびNVMA−4伸長プライマー組み合わせに組み込ませ、これらはSNP遺伝子型PCRサンプルのすべてであった。それぞれの集団は、NVMAマーカーからのあるアリルに特異的であった。この実験の結果は、表3に示す。
【0098】
表3において、表はビオチン−dNTP、蛍光−dNTP、およびビオチン−ddNTP蛍光−ddNTPからなるセクションに分割される。これは、それぞれの明瞭なカテゴリー中の優れたヌクレオチドアナログのより容易な分析を可能とし、どのヌクレオチド類似体およびSPEアッセイアプローチを所定の状況で使用すべきか同定する。
【0099】
2.4.3 96ウェルプレート形式SPE遺伝子型決定
種々の量および濃度を有するDNAのプレートをいかにして同じSPEアッセイで実行するか決定するために、最小DNA精製手法、次いで遺伝的分析プロトコルを実施した。このアプローチは、非常に多数(何十万)のサンプルを加工する効率的なやり方である。NVMAマーカーによってすでに遺伝子型決定されたDNAの96ウェルプレートを取得し、そしてSPEアッセイからの結果を比較した。NVMAクロスからのセグレガント(segregant)のゲノムDNAを含むプレート#P005を、Rogers Seeds, Gilroy, CAから取得した。プレート上のDNNAを、NVMA−1およびNVMA−2プライマーを使用して増幅し、そしてサンプルの全てを、臭化エチジウムゲル上で電気泳動し、PCR産物形成を確認した。サンプルの全てを次いで、PCRプレートから新しいPCRプレートに移し、そしてSAP/ExoI処理した。次にこれらを、ヌクレオチド類似体としてビオチン−11−ddATPを使用するSPEアッセイを使用して、処理した。洗浄工程を、SA/PE添加の前に実施し、過剰の非組み込みビオチン標識されたddNTPを除去した。プレートを次いで、マルチプレックスデータモードを使用するLuminex 100において分析し、そして遺伝子型をそれぞれの特異的ミクロスフェアで取得したシグナルに基づいて割り当てた。蛍光シグナルをプロットした。
【0100】
確認された遺伝子型を、Luminex SPEシステムで取得されたものと比較するとき、データセット間に正確な相関があった。存在する唯一の相違は、LUminex SPEアッセイでサンプルがシグナルを示さないときであった。これはあまり重要でないものであり、96ウェルプレート形式遺伝子型決定をするときに小パーセンテージのサンプル脱落をみることは普通である通りである。また、それぞれのミクロスフェアで取得された蛍光シグナルのグラフ表現から、それぞれの遺伝子型「クラスター」が他から良く広がりつつ、遺伝子型コールは実施するのが容易であることを、観察することが容易であった。
【0101】
SPEおよびASPアッセイの産物は一本鎖であるとき、対応するUHTタグの、産物上へ効率的な捕捉は、ビーズ上のUHTタグで起こる。SPEアッセイアプローチについて、これは容易に達成され、なぜならプライマー伸長反応は、UHT性オリゴヌクレオチドの逆鎖を複製しないからである。しかし、ASPアプローチはまた、UHT性タグにPCR中に起こるDNA重合化を伸張することができる。これは、いくつかのアッセイで弱いシグナルを生じさせることができる。
【0102】
2.5 アリル特異的PCR(ASP)
ミクロスフェアアリル特異的PCR(ASP)アッセイは、アリル特異的PCR反応で使用されるアリル特異的プライマーを標識し、そしてLuminex 100ビーズ上ヘのUHT捕捉を含む。該アッセイは基本的に2つの工程を有する:(1)2つのアリル特異的正PCRプライマーおよびビオチニル化普遍逆PCRプライマーでのアリル特異的PCR(SNP位置のアリル特異的PCRプライマー3’末端)、および(2)UHT DNA分子タグを使用してオリゴヌクレオチドコンジュゲート性ミクロスフェア上ヘPCR産物を捕捉、次いでLuminex 100装置での分析。
【0103】
試験されたヌクレオチド類似体は:ビオチン−7−dATP、ビオチン−14−dATP、ビオチン−14−dCTP、ビオチン−16−dUTP、ビオチン−6−dATP、ビオチン−11−dATP、ビオチン−4−dCTP、ビオチン−11−dCTP、Cy3−dCTP、Cy3−dUTP、Rhod−4−dUTP、TAMRA−6−dUTP、TAMRA−6−dUTP、TAMRA−6−dATPおよびTAMRA−6−dCTPを含んだ。アッセイを以下のように実施した。
【0104】
2.5.1 ミクロスフェアアリル特異的PCRアッセイ
アリル特異的PCRを、3つのプライマーPCR反応として実施した。アリル特異的正プライマーを、0.15μM濃度で使用し、一方普遍逆プライマーは、0.3μMで使用した。ヌクレオチド類似体を、PCR反応物中でそれぞれのdNTPの10%濃度に添加するか、普遍逆プライマーを5’ビオチン標識するかいずれかを含んだ、2つの標識化手法を試験した。2つの標識化手法を試験し、これはヌクレオチド類似体を、10%濃度のそれぞれのdNTPのPCR反応へ添加すること、または普遍逆プライマーを5’ビオチン標識するいずれかを含んだ。PCR反応の残りの構成要素は;20ngのゲノムDNA、1xTaq Goldバッファー、0.2μM dNTP、7.5%のグリセロール、2.0mMのMgCl2および1.0単位のTaq Goldを、25.0μlの総反応体積中に含んだ。サンプルを、PE Applied Biosystems 9700において、93℃酵素活性化工程、次いで30サイクルの93℃−30秒、60℃−30秒、および72℃−30秒で増幅した。熱サイクリングは、72℃工程5.0分間、すぐに次いで、4.0℃維持へ低下と結論付けた。増幅工程に続いて、PCR産物をゲル上で電気泳動し、PCR増幅を確認し、そしてDNAサンプルの正確な遺伝子型を決定した。任意のアリル特異的正プライマーのサンプルを取り除くため、5.0μLのPCR産物を、5.0μLのエキソヌクレアーゼI溶液で以下の組成もので処理した;10mMのTris−Cl(pH、8.0)、1.0単位のエキソヌクレアーゼI、および7.5%のグリセロール。サンプルを37℃45分間、次いで酵素不活性化工程95℃10分間でインキュベートした。ExoI精製したサンプルに、10.0μLのTEバッファー(10mMのTris−Cl、0.1mMのEDTA、pH7.5)を添加し、そしてLuminex Hybridization Assayを直ちにそれらについて実施した。より低い濃度のビオチン含有基質が当初反応混合物中にあるから、ストレプトアビジン/フィコエリトリン添加前の基質洗浄工程は必要なかった。
【0105】
Luminex 100におけるバックグラウンドを超える最良のシグナルを示したヌクレオチドは、ビオチン−11dATPであったが、これは近似的にバックグラウンド量の2倍であった。dATPおよびddATPヌクレオチドの「11」位に付着されたビオチンが、それぞれASPおよびSPEアッセイで最良の結果を示したことが注目されるのが興味深い。ビオチン−11−dATP標識化からのPCR産物は、EtBr染色したゲルにおいて顕著により遅い移入を示し、これは標識化が起こったことを示唆した。
【0106】
プロトコルを最適化するために、幾つかの標準的PCR精製手法をアッセイした(Millipore and Qiagen)、これはエキソヌクレアーゼI処理を使用することが好ましいアプローチであることを実証し、なぜならそれはそれに伴う最低のコストを有し、そして実行が最も容易であったからである。加えて、正アリル特異的PCRプライマーを、マーカー特異的配列からUHTドメインを分離する種々のリンカーを有して再合成した。該リンカーは、PCR反応をUHTドメインに伸張することから防止し、これにより、UHTが一本鎖のままであるのを確保し、そしてミクロスフェア上の相補的UHT DNAへのハイブリダイゼーションを増強する。また、エキソヌクレアーゼIは3’ないし5’エキソヌクレアーゼであるから、一本鎖UHT配列を、もしそれがPCR増幅中に伸長するときのみに切断から保護し、こうしてExoI処理がなお使用できることを確保する。前記実験条件からの結果は、表4Bに要約する。NVMAマーカーのためのPCR増幅を、それぞれのSNP遺伝子型からのDNAおよび示すような種々の構造的特性を有する正アリル特異的PCRプライマーを使用してセットアップした。PCR産物を次いで、それぞれのミクロスフェアがSNP部位からのアリルを表す、2つのオリゴヌクレオチドをコンジュゲートしたミクロスフェアを使用してLuminex ASPアッセイハイブリダイゼーションで試験した。表4Aは、2つの別個の実験で種々の連結スペーサーの利用を比較し、一方で表4BはエキソヌクレアーゼIでPCRサンプルを処理することの利益を示す。
【0107】
結局、ExoI処理によって2−3xにシグナルは増加することを実証し、これは近似的に3分の1ないし2分の1の0.15μMのアリル特異的プライマーが、PCR産物つに変換されたことを示唆する。UHTとマーカー特異的配列の間のスペーサーリンカー(Oligo Etc., and MWG Biotech, high Point, NC)の使用は、取得されたシグナルが劇的に増加させた(表4A)。配列5’―cccccccccccc―3’(配列番号51)を有するC12リンカーを使用し、そしてDSリンカーはまた脱塩基性(abasic)スペーサーとよばれた。DSリンカーは塩基のないホスホルアミダイトであり、そして通常のDNAにおけるものと同様にホスホスジエステ結合を生産するが、それに付随するヌクレオチド塩基を欠く。C12およびDSリンカーは、ASPアッセイで使用されるとき、最良の結果を提供した。C12リンカーがそれに付随する最低のコストを有するから、その後のASPアッセイのためにこれを選択した。
【0108】
代替的標識化の試みを、ASP手法を実施する費用を減少させるために試験した。該アッセイヘの理想的修飾は、PCRで非標識dNTPを使用するが、ビオチン標識した逆PCRプライマーを有することであった。UHT性PCR鎖を直接的には標識しないが、PCR産物の反対の鎖がUHT捕捉工程中にそれにハイブリダイズし、そしてビオチニル化PCRプライマーからビオチン標識された。このアッセイからの結果は、有用なシグナルレベルを実証し(表4B)、そしてアッセイの標識化構成要素のコストを、マグニチュードのオーダーを超えて減少させた。
【0109】
ASPアッセイは、SPEアッセイシステムの代替として有用である。ASPアッセイは、比較的実施に簡単であり、そして非常に低廉な酵素であるExoIでの処理のみの追加的コストを有した。
このアッセイのさらなる代替は、DNAの直接的フィコエリトリン(または他の蛍光標識)標識化であり、ASP手法をさらに単純化する。フィコエリトリンは、非常に大きい蛍光分子(240kd)であり、そして通常は、ビオチン標識とともにストレプトアビジンコンジュゲートと使用される。
【0110】
2.5.2 96ウェルプレートAP遺伝子型決定
逆ビオチニル化PCRプライマーASPシステムを、高処理量遺伝子型決定のために使用した。96ウェルNVMAプレートを使用し、これは種々の濃度および量のDNAサンプルを有する。NVMAクロスからのセグレガント(segregants)のゲノムDNAを含んだプレート#006は、Rogers Seeds, Gilroy, CAから取得した。2つの正プライマーは、NVAマーカーのそれぞれのアリルに特異的であり、そしてビオチニル化普遍逆PCRをまた使用した。熱サイクリングに続いて、PCR産物をExoIで処理し、使用されなかったプライマーを除去した。精製したPCR産物を、それぞれのオリゴヌクレオチドがコンジュゲートしたミクロスフェアとのハイブリダイゼーションによって評価し、それからLuminex 100装置で定量した。結果は次いでプロットし、そして遺伝子型を評価した。
【0111】
PCR増幅およびゲル分析すると、サンプルの顕著なパーセンテージはほとんどまたはまったくPCR産物が存在しなかった。アリル特異的PCRは保存的PCRサイクル数を要し、その結果、バックグラウンド値は、非特異的増幅のためには増加しなかった。よって、ASP手法は、比較的高濃度のPCRサンプルのために好ましい。約90%のDNAサンプルは、正確に遺伝子型決定される能力を有し、残りはシグナルを示さなかった。ASPアッセイを最適化するため、使用されるDNAサンプルを定量し、そして近似的に等量で配置し、適当な量のDNAテンプレートがPCR反応のため利用可能であることを確保した。また、1または2の追加的サイクルを、高DNA濃度のこれらのサンプルに及ぼす有害な影響なく低濃度DNAサンプルを増幅する熱サイクリングプログラムに付加した。
【0112】
2.5.3 単一SNP部位ASPアッセイ評価
ASP方法論で遺伝子型を決定するための個々のSNP部位を使用する研究からの結果を分析し、なぜなら、ほとんどの普通のSNPマーカーは、個体のSNPであるからである。追加的ASPプライマーを設計し、これはたったひとつのSNP部位でNVMAマーカーを遺伝子型決定し得る。NVMAマーカー中のSNP部位の両方を標準的Luminex ASPアッセイとともに試験し、これは両方のSNP部位#1および#2を使用し、そのSNPデータを生成した。ASPサンプルのすべてをLuminex 100装置で読み、そしてデータをプロットした。
【0113】
2.6 マルチプレックスASPおよびSNPアッセイ
本アプローチが育種部位の植物の遺伝的分析を実施するため使用し得るか分析するために、NVMAマーカーを、異なるおよび独特なUHTセットでマーカー特異的配列をタグ化することによって、それ自体についてマルチプレックス化した。PCRプレートからのサンプルを、ハイブリダイゼーションプレートに等分するときに、それぞれのプレートからのサンプルを、プレートを互いのトップ上に層化することによってマルチプレックス化した。DNAプレート#3を、3つの別個の96ウェルプレートに反復プレート化し、そしてNVMAマーカーと増幅した。それぞれの別個のPCRプレートにおいて、独特なDNA分子タグをのくみ合わせを使用し、その結果すべての3つのプレートを、Luminex ASPアッセイのため1つの96ウェルプレートに合わせることができた。これを、3つのPCRプレートのそれぞれからの同じウェルの、5μLのPCRサンプルを、新しい96ウェルプレートのそれぞれのウェルに添加することによって実施した。5マイクロリットルのExoI試薬を添加し、そして通常のようにインキュベートした。ハイブリダイゼーション工程では、6つのミクロスフェア集団を、PCR反応で利用したDNA分子タグに特異的に使用し、そして3xSA/PEをまた添加した。96つのサンプルを次いで、Luminex 100を使用して読み、そしてグラフ化した。
【0114】
NVMA 3Xマルチプレックスアッセイからのすべてのデータ点は、「clustering appearance」においておよびSNP遺伝子型において直接的に比較可能であり、たとえ異なるUHTタグを、別個のアッセイで使用したとしてもである。このマルチプレックスアプローチは、実験室のために高度に有用であることができ、それは、大きいDNAサンプル群上または同じDNAサンプルの反復上の同じSNPマーカーを矛盾なくタイプ化する。
【0115】
SPEアッセイは、より高価であるが、またより頑丈でかつより高いシグナルレベル、および首尾よいSNP遺伝子型のより高いレベルを有するという有利性を有する。本発明の実施態様の主要な利益は、該システムが供するマルチプレックス潜在性である。このアッセイで使用する試薬により、3つの別個のプレートを遺伝子型決定しそしてプレートを別個に読む代わりにLuminex 100読みのためそれらを合わせることが可能である。また、追加的NVMAアッセイは、現在利用可能な3xSNP遺伝子型決定よりもなおより高いマルチプレックス潜在性を可能とすることができることができる。アッセイをマルチプレックス様式で実施するとき、通常はたった一回のSNP分析で使用される、PCR後の消耗品の使用を合併する追加的有利性がある。マルチプレックス化するとき、しかし、酵素および他の試薬、たとえばSA/PEの量を典型的にはスケールアップし、得られたデータのインテグリティを確保する。
【0116】
Luminex 100装置は、20000ミクロスフェア/秒までの発展性を有する。SNPあたり獲得される200つのミクロスフェアでのSNP読みの量は、設計されるアッセイでのマルチプレックス化のレベルに依存して、2ないし100/分の範囲であり得る。こうして、本発明は、40000SNP/日まで、またはアッセイの性質、マルチプレックス化の程度、使用されるミクロスフェアリーダーの数などにより依存して、より多い遺伝子型決定を可能とする。
【0117】
DNA分子タグは、ハイブリダイゼーションに基づくシステムを提供し、溶液からのタグ化オリゴヌクレオチドを捕捉することができる。ここで開示するUHT DNA配列を、マルチプレックスミクロスフェアにコンジュゲートさせ、捕捉されたオリゴヌクレオチドの分析を、装置のフローサイトメーター型において容易化することができる。多くの場合に、ASPアッセイは、手法の容易さおよび低コストのため、SNP遺伝子型決定のために望ましい。ある実施態様では、単一のSNPアッセイを、それ自体の上にマルチプレックス化することができ、その結果2、3、5、またはより多い、SNP遺伝子型のプレートをちょうど1つのプレートで読むことができる。
【0118】
本発明の詳細な説明および前提示実施例の観点から、本発明のいくつかの側面を達成することが理解できる。
本発明は、その原理およびその実施化応用を本発明の分野の当業者に告げるために例示および例のため詳細に記載したことが理解されるべきである。特定の形式および本発明のプロセスは、提示の特定実施態様の記載に限定されないが、むしろ記載および実施例は、続く請求の範囲およびそれらの均等物の見地からみられるべきである。実施例および前記のあるものは、本発明が機能し得るやり方についてのある結論を含む一方、発明者はこれらの結論および機能によって境界付けられることを意図しないが、可能な説明としてのみそれらを置く。
【0119】
示すような本発明の具体的実施態様は、本発明の限定または消尽として意図せず、そして先行実施例および詳細な説明の観点から、多くの代替、修飾および変形が当分野の当業者に明かであることがさらに理解されるものとする。よって本発明は、以下の請求の範囲および精神内のそのような代替、修飾および変形はすべて含むことを意図する。
【0120】
表4A
【表4】
【0121】
表4B
【表5】
近年、ゲノミクスの分野は急速に歩んでいる。より単純な生物、例えばウイルスおよび細菌の完全なヌクレオチド配列を決定するための努力が開始した。結果として、Hemophilus influenzae(Fleischman et al., Science 269:496-512, 1995)およびある数の他の細菌株(Escherichia coli, Mycobacterium tuberculosis, Helicobacter pylori, Caulobacter jejuni, Mycobacterium leprae)が、いま利用可能である(Nierman et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 10:343-348, 2000に総説)。これに、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)(Goffeau et al., Science 274: 563-567, 1996)、線虫(Cenorhabditis elegans)(C. elegans sequencing consortium, Science 282: 2012-2018, 1998)およびミバエ(Drosophila melanogaster)(Adams et al., Science 287:2185-2195, 2000)を含むある数の真核生物の完全なヌクレオチド配列の決定が続いた。ヒトゲノムの配列は、2001年2月に公開された(International Human Genome Sequence Consortium, Nature, 409:860-921, 2001; Venter et al., Science, 291:1304-1351, 2001)。加えて、ある継続的努力が、現在農業的に重要な植物、例えばイネ(Science 288:239-240, 2000; Sasaki and Burr, Curr. Opin. Plant Biol. 3: 138-141, 2000)および実験的に重要な動物モデル、例えばマウス(News Focus, Science 288: 248-257, 2000)のゲノム配列決定に焦点がある。
【0002】
種々の生物の完全なゲノム配列の利用可能性は、生物学の種種の基本的側面の我々の理解の顕著な進歩を約束する。また非平行的適用利益、例えばある種の疾患のゲノム基礎の理解を提供することがまた約束され、治療的介入のための新規な標的を提供し、診断試験の新規の創出を発展させるなどする。しかし、新しくかつ改善された道具は、ゲノミクスリサーチの可能性を収穫および十分に実施するために必要である。
【0003】
DNA相補性または遺伝子相補性は、多細胞生物の体の種々の細胞で同一であるとしても、種々の細胞の遺伝子発現の量的および質的差異がある。ヒトゲノムを評価すると、概ね約30000−40000遺伝子を含むが、しかし、これらの遺伝子のある分画のみが、所定の細胞で発現される(International Human Genome Sequence Consortium, Nature, 409: 860-921, 2001; Venter et al., Scuence, 291: 1304-1351, 2001)。さらに、種々の細胞型に、発現される遺伝子間の量的な差異がある。すべての細胞がある種のハウスキーピング遺伝子を発現するが、それぞれ区別できる細胞型は、遺伝子の独特な組を追加的に発現する。細胞型間の表現型的相違は、独特に発現されるタンパク質の相補性によって大きくは決定される。細胞型の機能的同一性を構成し、それを他の細胞型から区別するのは、遺伝子およびコードされるタンパク質のこの独特な組の発現である。さらに、発現される遺伝子の相補物およびそれらの発現のレベルは、所定の細胞型の発達段階に依存してかなり変化する。ある種の遺伝子は、細胞の分化の間、特異的に活性化または抑圧される。発現のレベルはまた、発達および分化の間変化する。遺伝子発現の質的および量的変化はまた、細胞分裂の間、例えば細胞周期の種々の相で起こる。生物学的に活性の分子、たとえばホルモン、生長因子およびサイトカインによるシグナル伝達はしばしば、遺伝子発現の調節に関係する。遺伝子発現の全体の変化はまた、加齢の過程で決定的な役割を演じる。
【0004】
前記のような内生または内部因子に加えてある種の外部因子または刺激、例えば環境要因がまた、遺伝子発現プロファイルの変化をもたらす。感染性生物、例えば細菌、ウイルス、真菌および寄生体は、細胞と相互作用し、遺伝子発現の質的および量的側面に影響する。こうして、所定の細胞型によって発現される遺伝子の正確な相補性は、ある数の内生および外生因子によって影響される。これらの変化の結果は、正常な細胞の生存、生長、発達および環境への応答にとって重要である。したがって、遺伝子発現の変化を同定、特徴づけおよび測定することが重要である。そのような分析から得られた知識は、基本生物学の我々の理解を進めるだけでなく、それはそれを種々の目的、例えば感染性および非感染性疾患の診断、新規薬物の同定および開発のためのスクリーニング等の目的のため探索することを可能とする。
【0005】
慣行の、ノーザン分析、RNアーゼ保護分析、およびリアルタイムPCR(RT−PCR)のような遺伝子発現分析方法によるものの他、幾つかの方法が、ゲノム幅規模の遺伝子発現を試験するため現在利用可能である。これらのアプローチは、RNAプロファイリング、ディファレンシャルディスプレイ等として種々言及される。これらの方法を大きく、3種のカテゴリーに分割することができる。(1)ハイブリダイゼーションに基づく方法、例えば差し引きハイブリダイゼーション(Koyama et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 1609-1613, 1987; Zipfel et al., Mol. Cell. Biol. 9: 1041-1048, 1989)、マイクロアレイ(米国特許第6150095号)等、(2)cDNAタグ:EST、遺伝子発現の一連分析(SAGE)(例えば米国特許第5695937および5866330参照)および(3)フラグメントサイズに基づく、しばしばゲルに基づく方法と呼ばれ、ここで、ディファレンシャルディスプレイが、例えばポリアクリルアミドゲル上のDNAフラグメントの電気泳動分離すると生成される(米国特許5871697、5459037、5712126およびPCT出願WO98/51789に記載される)。
【0006】
マイクロアレイに基づく遺伝子分析アプローチは、1度に1またはいくつかの遺伝子よりむしろ、同時的に何十万の遺伝子での実施を可能とする。ヒトおよび他の生物の全体のゲノムが実施されるときに、マイクロアレイ技術は、適当なときに到来した。ゲノム配列決定、特にヒトゲノム配列決定の結果として生成された壮大な配列情報は、高処理量および速度を提供する技術の要求を生み出した。マイクロアレイは、この独特なニッチを満たす。複合生理学的過程のほとんどは、多数の遺伝子の発現の変化を進行または継続させる。マイクロアレイの到来の前に利用可能であった技術は、遺伝子発現のような大規模な変化を監視するのに適しない。DNAマイクロアレイは、何十万の遺伝子の、急速、包括的、適度に定量的な分析を同時的に実施する機会を供する。DNAマイクロアレイは、1cm2の標準的顕微鏡スライド形式のような、小空間の長方形配置に通常配列された既知の配列のDNA分子の整列された組からなる。例えば、200x200のアレイは、それぞれのスポットが既知の配列のプローブに対応する40000スポットを含む。そのようなマイクロアレイを潜在的に使用して、種々の条件で所定の細胞型中の40000遺伝子の発現を同時的に監視できる。該プローブは、cDNA,ESTまたはオリゴヌクレオチドの形態を通常取る。最も好ましくは、30−200塩基の長さの範囲のESTおよびオリゴヌクレオチドであり、これらはハイブリダイゼーションのための理想的な基質を提供する。チップとしても知られるこれらのマイクロアレイを確立するための2つのアプローチがあり、1つは当該合成されたプローブの共有結合に関係し、他はチップ上に直接的にプローブを確立または合成することに関係する。該サンプルまたは試験材料は通常、PCRによって増幅されたRNAからなる。PCRは、出発材料を増幅する、並びに蛍光タグの導入を可能とする二重の目的を供する。マイクロアレイ技術の詳細な議論のために、例えばGraves, Trends Biotechnol. 17:127-134,1999を参照。
【0007】
高密度マイクロアレイを、高正確性機械を使用してアレイ上の正確な位置に、極度に微小な量のDNA溶液を付着することによって確立する。ある数のそれは商業的に入手可能である。Packard Instrumentsによって開拓された代替的アプローチは、インクジェットプリンターが紙上にスポットを付着するのとほとんど同じやりかたでDNAの付着を可能とする。高密度DNAマイクロアレイは、ある数の源、例えばAffymetrix、Incyte、Mergen、Genemed Molecular Biochemicals、Sequenom、Genomic Solutions、Clontech、Research Genetics、OperonおよびStratageneから商業的に入手可能である。現在、DNAマイクロアレイ分析のための標識化は、蛍光に関係し、これは同時に読まれるべき多重独立的シグナルをもたらす。これは同じチップの、異なる蛍光色素で標識化された2種のサンプルとの同時的ハイブリダイゼーションを可能とする。それぞれのスポットの蛍光の、比率の算出は、2種の異なる条件下のそれぞえの遺伝子の発現の相対変化の決定を可能とする。それぞれのスポットでの蛍光の比率の計算は、2つの異なる条件下でのそれぞれの遺伝子の発現の相対的変化の決定を可能とする。例えば、該アプローチを使用する正常組織と対応する腫瘍組織の間の比較は、発現が顕著に変化する遺伝子を同定において助けとなる。こうして、該方法は、同じ細胞の遺伝子発現プロファイルが2または3以上の条件下で比較されるべきときに、特に強力な道具を供する。種々の波長の蛍光を監視する能力を有する高解像度スキャナーは商業的に入手可能である。
【0008】
種のゲノムについてのより大きい情報を取得するように、遺伝的変異または多型の形態の新しいマーカーが、種々の形質について同定された。多型の多くの型が存在すると知られる。多型は、例えばウイルス挿入によって、DNA配列が挿入またはゲノムから欠失されるときに創出できる。配列変異の他の源は、ゲノム中の反復配列によって引き起こされることができ、種々呼ばれる短縦列反復(STR)、数の様々な縦列反復(VNTR)、短い配列反復(SSR)、またはマイクロサテライトである。これらの反復は、ジヌクレオチド、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、またはペンタヌクレオチド反復であることができる。多型は、特定の遺伝子座で見出される反復される配列の数の変異に起因する。
【0009】
最近、単一ヌクレオチド多型(SNP)に注目が置かれている。これはゲノム中のはるかに最も普通の源の変異であり、遺伝的マーカーとして有用である。SNPはヒトDNA多型の近似的に90%をしめる(Collin et al., Genome Res., 8: 1229-1231, 1998)。SNPは集団中に異なる配列代替(アリル)が存在するゲノムDNA中の単一塩基対位置である。用語「SNP」は、単一塩基置換に限定されず、また単一塩基挿入または欠失を含む。加えて、10塩基対またはより少の短い挿入または欠失はまた、しばしばSNPとしてカテゴリー化され、なぜならこれらは、単一塩基多型を検出するため使用される方法論でしばしば検出されるからである。
【0010】
ヌクレオチド置換SNPは、2つの型がある。塩基転移は、1のプリンがその他により、または1のピリミジンがその他のピリミジンによる置換である。塩基転換は、プリンのピリミジンによる、またはその逆の置換である。SNPが観察される典型的頻度は、1000塩基につき約1である(Li and Sadler, Genetics, 129:513-523, 1991; Wang et al., Science 280:1077-1082, 1982; Harding et al., Am. J. Human Genet., 60:772-789, 1997; Taillon-Miller et al., Genome Res., 8: 748-754, 1998)。SNPの頻度は、問題の変化の型および位置で変化する。塩基置換では、3分の2の置換は、C<−>T(G<−>A)型に関係する。頻度のこの変異は、特にCpGジヌクレオチドの、頻繁に起こる5−メチルシトシン脱アミノ反応に関すると考えられる。位置に関して、SNPはこれらがコード領域に発生するよりも、非コード領域でずっと頻繁に発生する。
【0011】
SNPが表現型に影響できる種々のやり方がある。研究は、SNPが、細胞調節に影響し得るmRNAの構造的足場の主要な変化を引き起こすことができることを示した(Shen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96:7871-7876, 1999)。コード領域に位置するとき、SNPの存在は、非機能性である、または減少された機能を有するタンパク質の生産という結果となりうる。非コード調節領域、例えばプロモーター領域中に存在する場合、該SNPは遺伝子の発現を変化させることができる。
【0012】
SNPの検出のためのいくつかの方法が当業界で知られる。これらは、マルチプレックス化アリル特異的診断アッセイ(MASDA; 米国特許5834181)、TaqManアッセイ(米国特許5962233)、分子ビーコン(米国特許5925517)、マイクロタイターアレイ対角線ゲル電気泳動(MADGE,Day and Humphries, Anal. Biochem., 222:389-395, 1994)、特異的アリルのPCR増幅(PASA, Sommer et al.,Mayo Clin. Proc., 64:1361-1372, 1989)アリル特異的増幅(ASA, Nichols, Genomics, 5:535-540, 1989)、アリル特異的PCR(Wu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 86:2757-2760,1989)、amplification refractory mutation system(ARMS, Newton et al., Nuc. Acids Res.,17:2503-2516, 1989)、ビ−PAPA(Liu et al., Genome Res., 7:389-398, 1997)、リガーゼ連鎖反応(LCR, Barany, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:189-193, 1991)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA,米国特許5830711;Landegren et al., Science, 214:1077-1080, 1988; Samotiaki et al., Genomics, 20:238-242, 1994; Day et al., Genomics, 29:152-162, 1995; Grossman et al., Nuc. Acids Res., 22:4527-4534, 1994)、色素標識オリゴヌクレオチドライゲーション(米国特許5945283;Chen et al., Genome Res., 8:549-556, 1998)、制限断片長多型(RFLP、米国特許5324631および5645995)、MALDI−TOF(Bray et al., Hum. Mutat., 17: 296-304, 2001)、インベーダーアッセイ(Hsu et al., Clin. Chem, 47: 1373-1377, 2001)およびminisequencing either alone(米国特許5846710および5888819;Syvanen et al., Am. J. Hum. Genet., 52: 46-59, 1993)またはマイクロアレイと組み合わせ(Shumaker et al., Human Mut., 7:346-354, 1996)または蛍光共鳴エネルギー転移(米国特許5945283;Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:10756-10761, 1997)。
【0013】
利用可能な遺伝的情報の量が増大するにつれ、マス遺伝子発現およびSNA分析の急速、コスト効率的な方法の必要性がまた増大する。多くの利用可能な方法の広範囲の適用は、使用される消耗品、要する装置、関係する労働の量、またはこれら3つのある組み合わせに伴う高コストによって限定される。したがって必要なのは、マススクリーニングを可能とする核酸分析のための方法が、コスト効率的な態様であることである。本発明的発見はこの必要性に合致する。
【0014】
本発明の幾つかの態様のうち、3’末端および5’末端を有する少なくとも1の標的ポリヌクレオチドを提供することを含むポリヌクレオチド発現を決定するための方法を提供する。該方法は、少なくとも一部が該標的ポリヌクレオチドに、好ましくはストリンジェント条件、高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件、または極度にストリンジェント条件下でハイブリダイズできる、第一のオリゴヌクレオチドプライマーを使用する。このプライマーを使用し、目的のポリヌクレオチドの逆転写によって第一鎖cDNAを取得し、該cDNAはまた、3’末端および5’末端を有し、ここで該第一鎖cDNAの該5’末端は、該第一オリゴヌクレオチドプライマーに対応する配列を含み、かつ、該3’末端は該標的ポリヌクレオチドの5’末端を少なくとも1ヌクレオチド超えて伸長させ、一本鎖伸長物を提供する。第二オリゴヌクレオチドをまた提供し、その少なくとも一部は好ましくはストリンジェント条件、高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で、該一本鎖伸長物にハイブリダイズでき、そして該第二オリゴヌクレオチドプライマーを、テンプレートとして使用して、cDNAの該第一鎖を伸長させ、該第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび該第二オリゴヌクレオチドプライマーに相補的な領域を含む、伸長させた第一鎖cDNAを生産する。該伸長させた第一鎖cDNAを次いで、好ましくは少なくとも1つの検出可能標識の存在下で増幅し、少なくとも1の標識を含む増幅されたcDNAを生産する。該増幅されたcDNAを消化し、消化されたCDNAを生産し、そして該消化されたcDNAは、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件、または極度にストリンジェント条件下で固体粒子にカップリングされた捕捉プローブにハイブリダイズする。ここで該捕捉プローブは、該標的ポリヌクレオチドに特異的であり、かつ、該粒子は該捕捉プローブを同定する。同一性およびその結果の目的の標的ポリヌクレオチドの存在を、該消化されたcDNAが該捕捉プローブにハイブリダイズしたか、および該粒子を使用し、該捕捉プローブの同一性、したがって該標的ポリヌクレオチドの同一性を決定することによって決定する。
【0015】
ある実施態様では、該粒子はミクロビーズである。別の実施態様では、該粒子は、蛍光粒子、例えば蛍光微粒子またはミクロビーズである。なおさらなる実施態様では、該方法は粒子の群、例えば蛍光粒子であってそれぞれの群は独特な検出可能サイン、例えば蛍光サインを有し、そしてそれぞれの群の粒子は、目的のポリヌクレオチドに特異的な異なる捕捉プローブを有する。ここで使用するように、「サイン」は検出可能マーカー、例えば蛍光色素を示し、それは粒子の1の群のメンバーが使用される蛍光粒子の他の群から区別するのを可能とする。なおさらなる実施態様では、標的ポリヌクレオチドの同一性および/または存在を、フローサイトメトリーを使用して達成する。
【0016】
さらなる実施態様は、ここで開示の新規方法によって、試験対象のポリヌクレオチド発現を決定すること;同じ新規方法を使用して、疾患、状態、障害、または素因を有することが知られる参照対象中のポリヌクレオチド発現を決定すること;および当該試験対象のポリヌクレオチド発現を、当該参照対照のポリヌクレオチド発現と比較することを含む、試験対象の疾患、状態、障害、または素因を診断するための方法を提供する。関連実施態様は、ここで開示の新規方法によって試験細胞または組織のポリヌクレオチド発現を決定すること;同じ方法によって既知の生理学的状態の参照細胞または組織のポリヌクレオチド発現を決定すること;および当該試験細胞または組織のポリヌクレオチド発現を、当該参照細胞または組織のポリヌクレオチオ発現と比較することを含む、細胞または組織の生理学的状態を決定する方法を提供する。ある実施態様では、該試験対象および参照対象は、セキツイ動物または維管束植物である。
【0017】
さらなる側面は、少なくとも1プライマー対を提供することを含む単一ヌクレオチド多型(SNP)を検出するための方法を提供する。該プライマー対は、逆プライマーおよび正プライマーを含み、該正プライマーは目的の単一ヌクレオチド多型に特異的な3’末端および該プライマーを同定するハイブリダイゼーションタグを有する。該ハイブリダイゼーションタグは、それが目的のSNAを含むヌクレオチド配列に相補的でないように選択される。該ハイブリダイゼーションタグは該プライマーに直接的に付着し得るか、またはリンカー分子を介してカップリングし得る。該プライマー対を、該プライマーの、一本鎖ポリヌクレオチド上の相補的配列へのハイブリダイゼーションを可能とする、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと合わせる。該プライマーを、プライマー伸長反応によって伸長させ、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む伸長産物を生産する。該伸長産物は、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で捕捉プローブにハイブリダイズし、該ハイブリダイゼーションタグまたはその相補物を使用して捕捉プローブにハイブリダイズする。次に、該捕捉プローブは、例えばミクロビーズにカップリングされ、ここで該粒子は、該捕捉プローブを、例えば蛍光色素の存在によって同定するために供する。該伸長産物のハイブリダイゼーションを、検出可能標識を使用することによって決定し、そしてSNPの同一性および/または存在を、該粒子の同一性に基づいて決定する。これは、該粒子は、どの捕捉プローブにハイブリダイゼーションタグがハイブリダイズするか、それは次にSNPを同定することであり、なぜなら該ハイブリダイゼーションタグは、該プライマーを同定し、したがってSNPを同定するからである。
【0018】
ある実施態様では、逆プライマーは、検出可能標識を含み、一方別の実施態様では、逆プライマーは普遍逆プライマーである。なおさらなる実施態様では、プライマー伸長反応は、例えばPCR増幅において、少なくとも1回、好ましくは多重回反復する。なおさらなる実施態様では、粒子の同一性を、独特な蛍光サインまたはタグに基づいて決定する。さらなる実施態様では、多重プライマー対があり、この場合、それぞれのプライマー対は、異なるSNPについて特異的であり、こうして、多重SNPの検出を同時的に可能とする。なおさらなる実施態様では、SNP(複数もある)の検出を、フローサイトメトリーによる。
【0019】
追加的側面は、単一ヌクレオチド多型(SNP)を検出する方法であって、目的のSNPに特異的な3’末端を有し、かつ該プライマーを同定するために供するハイブリダイゼーションタグを含む少なくとも1ポリヌクレオチオプライマーを提供することを含む方法を提供する。該プライマーを、一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと、ストリンジェント条件、好ましくは高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で合わせ、これにより該プライマーの、該一本鎖ポリヌクレオチドに含まれる相補的配列への、ハイブリダイゼーションを可能とする。該ハイブリダイズしたプライマーを次いで、プライマー伸長反応によって伸長させ、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む伸長産物を生産する。該伸長産物は次いで、粒子、例えばミクロビーズにカップリングされた捕捉プローブにハイブリダイズし、これにより該捕捉プローブを、例えば蛍光色素を使用して、ハイブリダイゼーションタグによって、ストリンジェント条件、高度にストリンジェント条件、非常に高度にストリンジェント条件、または極度にストリンジェント条件下で同定する。伸長産物の、ハイブリダイゼーションタグへのハイブリダイゼーションを、検出可能標識を使用して検出し、そしてSNPの同一性および/または存在を、捕捉プローブにカップリングされた粒子の同一性に基づいて決定する。これは、粒子同一性は、どの捕捉プローブに、該ハイブリダイゼーションタグがハイブリダイズするか、次いでSNPを同定することであり、なぜなら、該ハイブリダイゼーションタグは、プライマーを同定し、したがってSNPを同定するからである。
【0020】
さらなる実施態様では、複数の異なる型のプライマーを使用し、それぞれの型は、異なるSNPに特異的である。さらなる実施態様では、プライマーの群を使用し、それぞれの群は、SNPの異なるアリルについて特異的な少なくとも2のプライマーを含む。なおあさらなる実施態様では、それぞれのプライマーの3’末端は、目的のSNPの位置にすぐに隣接して位置する。なおさらなる実施態様では、該プライマーは単一塩基によって伸長される。
【0021】
さらなる実施態様は、対象の疾患、状態、障害または素因を診断するための方法であって、当該対象からポリヌクレオチドを含む生物学的サンプルを取得すること、および当該ポリヌクレオチドを、ここで記載の新規方法のいずれかによって分析し、単一ヌクレオチド多型の存在または不存在を検出することを含む方法を提供する。ここで、当該単一ヌクレオチド多型は、疾患、状態、障害または素因に連関する。ある実施態様では、該生物学的サンプルを、セキツイ動物または維管束植物から取得する。
【0022】
更なる側面は、約10ないし100ヌクレオチド長の間の非コード配列を同定することを含むハイブリダイゼーションタグを選択する方法を提供し、ここで、該配列は、ヘアピン構造および二重らせん形成能を欠く。約40%ないし約50%の間のGC含量および約2℃を超えないで変化するTmを有する非コード配列をさらに同定し、そしてこれらをハイブリダイゼーションタグのために選択する。
【0023】
以下の詳細な記載を、当業者が本発明を実施するための助けとして提供する。それでもなお、ここで議論する実施態様の修飾および変更を、当業者は本発明の精神および範囲から離れずなすことができるから、この詳細な説明は、本発明の不当に限定するものと解するべきでない。
【0024】
すべての刊行物、特許、特許出願、公開データベース、公開データベース入力物、および本出願での他の引用は、あたかも個々の刊行物、特許、特許出願、公開データベース、公開データベース入力物、または他の引用が具体的に、および個別に指摘され、引用により含まれているかのように、個々に引用によりその全体を含める。
【0025】
本発明的発見は、核酸の分析で使用するための新規方法を提供する。これらの方法は、複合的サンプル中の特異的ポリヌクレオチドの存在を検出するために特に有用であり、かつ、発現分析、例えば遺伝子発現分析のためにそうである。追加的実施態様は、本発明的発見は、単一ヌクレオチド多型(SNP)の検出のための方法を提供する。SNPは、植物およびヒトを含む動物の遺伝的疾患および素因の診断を含む広範囲の用途、並びに有益な表現型を同定するためおよびマーカーに援助された選択においての用途を有する。マルチプレックス可能性を提供することに加えて、該方法は、適合化能性、使用の容易さおよびコスト効率性の利点を有する。
【0026】
ここで使用するように、SNPは単一ヌクレオチド多型を意味する。
ここで使用するように「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、相互交換可能に、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドであれ、そして任意の長さのヌクレオチドのポリマー性(2またはより多いモノマー)形態を意味するために使用する。特に言及してもしなくても、ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、5’末端および3’末端を有するものと認める。ヌクレオチドは通常、ホスホジエステル結合によって結合されるが、該用語はまた、ペプチド核酸、例えばアミノエチルグリシン単位(Nielsen et al., Science, 254:1497, 1991)からなる中性アミド骨格連結を含む、ポリマー性ヌクレオチドを含む。
【0027】
該用語は、分子の一次構造のみに言及する。こうして、該用語は、二本鎖および一本鎖DNAおよびRNA並びに一本鎖でありうるがより典型的には二本鎖でありうるDNA/RNAハイブリッドを含む。加えて、該用語はまた、RNAまたはDNAまたはRNAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域に言及する。そのような領域中の鎖は同じ分子または異なる分子からのものでありうる。該領域は、該分子の全てまたは1または2以上の分子であり得るが、より典型的には、該分子の幾つかの領域のみを含み得る。該用語はまた、既知の型の修飾、例えば標識、メチル化、「キャップ」、1または1以上の天然に存在するヌクレオチドの、類似体、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電結合(メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カーバメート等)であって、ペンダント部分、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジン等を含む)を含むもの、インターカレーター(例えばアクリジン、プソラレン等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された結合を有するもの(例えばアルファアノマー性核酸等)、並びにポリヌクレオチドの非修飾形態を含む。ポリヌクレオチドは、センスおよびアンチセンス、またはコードおよびテンプレート鎖を含む。該用語は、天然に存在するおよび化学的に合成された分子を含む。
【0028】
用語「検出可能標識」は、好ましくは共有結合によって、付着するときに、検出の手段を提供する標識を言う。これらは、この目的のために利用可能な種々の標識を含み、限定しないが、放射性活性標識、例えば放射性核種、発蛍光団または蛍光色素、ペプチド、酵素、抗原、抗体、ビタミンまたはステロイドを含む。例えば、放射性核種、例えば32Pまたは35S、または蛍光色素は、PCRプライマーを標識するために便宜に使用する。化学ルミネセンス色素をまたこの目的のために使用することができる。該標識を目的の分子に直接的に、またはリンカーを介して付着させることができる。好適な標識のより具体的な例は、キサンチン色素、ローダミン色素、ナフチルアミン、ベンズオキサジアゾール、スチルベン、ピレン、アクリジン、Cyanine 3、Cyanine 5、フィコエリトリンコンジュゲート性ストレプトアビジン、Alexa 532、フルオレセイン、テトラメチルローダミン、蛍光ヌクレオチド、ジゴキシゲニン、およびビオチン−デオキシウラシル三リン酸を含む。同様に、ある実施態様では、核酸を、インターカレーティング色素、例えばYOYO、TOTO、Picogreen、臭化エチジウム、などを使用して標識できる。ここで使用するように、「配列」は、モノマーがポリマー形態で存在する線形順序、例えばポリペプチド中のアミノ酸の順序、またはポリヌクレオチド中のヌクレオチドの順序を意味する。
【0029】
ここで使用するように、用語「対象」は、任意の植物または動物を意味する。ここで使用するように、用語「動物」はヒトまたは動物を含む。ここで使用するように、「プライマー」または「オリゴヌクレオチドプライマー」は、精製制限酵素消化におけるように、天然に存在し、または合成的に生産された、妥当な条件下でテンプレートDNAまたはRNA分子にハイブリダイズし、重合化によって、例えばDNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性RNAポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼによってプライマー伸長を開始させ、該テンプレート分子に相補的なDNAまたはRNA分子を生産することのできる、オリゴヌクレオチドを意味する。プライマーはしばしば、約5ないし約50、典型的には約10ないし約30、およびより典型的には約18ないし25ヌクレオチド長の間であり、そしてプライマーダイマーの形成を生じる回文配列(複数もある)含まない。しばしばプライマーは一本鎖であるが、しかし、二本鎖プライマーを使用し得る。ただし、該プライマーはプライマー伸長のために使用するに先立ち鎖を分離すように処理することを条件とする。
【0030】
ここで使用するように用語「ハイブリダイゼーション」は、核酸鎖が、塩基対形成を通じて相補的鎖と結合する過程を意味する。2つの非同一であるが非常に類似の、相補的核酸のハイブリダイゼーションに使用される条件は、該2つの鎖の相補性の程度、および鎖の長さに依存して変化する。こうして該用語は、部分的並びに完全なハイブリダイゼーションを意図する。そのような技術および条件は、当業者に周知である。
【0031】
ここで使用するように、用語「プライマー対」は、核酸分子の反対鎖に結合する2つのプライマーを意味する。
ある開示側面では、標的ポリヌクレオチドの発現を決定する方法を提供する。ポリヌクレオチドはDNAまたはRNAであることができる。任意の種々の型のDNAおよびRNA、例えばmRNA、cRNA、ウイルスRNA、合成RNA、cDNA、ゲノムDNA、ウイルスDNA、プラスミドDNA、合成DNA、増幅DNA、または任意のその組み合わせを使用できる。ポリヌクレオチドを、核酸を含む任意の源から取得できる。源は典型的には原核および真核生物、例えば細菌、酵母、真菌、植物および動物からの細胞および組織を含む。ポリヌクレオチドはまた、ウイルスから取得することができる。組織によって、本来の状態で1または2以上の特異的機能を実行するよう構成される複数の細胞を意味する。非限定的例は、筋肉組織、心臓組織、神経組織、葉組織、茎組織、根組織等を含む。標的ポリヌクレオチドが取得される細胞は、半数体、二数体、または多数体であることができる。
【0032】
ある実施態様では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA、通常はポリAmRNAの、逆転写によって生産されるcDNAである。RNAからのcDNAの生産のための方法は、当業界で周知であり、そして標準的引用、例えばSambrook et al., Molecular Cloning, 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001; Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology, 4th ed ., Wiley, 1999, Innis et al., PCR Protocols, Academic Press, 1990に見出すことができる。例えば、当業界周知標準的方法を使用して、総RNAを目的の細胞または組織から単離する。RNAを、第一鎖cDNA合成のために、さらなる精製なくして使用でき、またはポリAmRNAを、当業界周知標準的方法論を使用して単離できる。取得すると、該RNA、例えばポリAmRNAを、第一オリゴヌクレオチドプライマーと、該プライマーの、該RNAへのハイブリダイゼーションを可能とする条件下で合わせる。ある実施態様では、該プライマーの一部は、該標的ポリヌクレオチドへのハイブリダイズが可能である。例えば、該標的ポリヌクレオチドが、ポリAmRNAであるとき、該第一プライマーは、オリゴ(dT)部分である一連のTを含む部分を含み得る。ある実施態様では、第一プライマーは、配列5’―attctagaggccgaggcggccgacatg-d(T)30-vn―3’(配列番号1)を含み、ここでnはg、c、a、またはt/uであり、vはg、c、またはaである。ハイブリダイゼーションのための条件は通常、ストリンジェント条件、しばしば高ストリンジェント条件、、非常に高度にストリンジェント条件、または極度に高度なストリンジェント条件である。
【0033】
当業界で周知のように、ストリンジェンシーは、形成されるハイブリッドのTmに関連する。核酸のTm(融解温度)は、50%の塩基が塩基対形成する温度である。例えば、ハイブリッド中の1のパートナーが、近似的に20塩基の短いオリゴヌクレオチドであるならば、50%の二重らせんが典型的にはそのTmで鎖分離する。この場合、そのTmは、オリゴヌクレオチドの濃度に依存する時間依存性平衡を反映する。対照的に、両方の鎖がより長いならば、Tmは、鎖が構造において一緒に保持される状況に対応し、おそらく二重らせんおよび変性領域を変化させることを含む。この場合、該Tmは、時間およびポリヌクレオチド濃度に依存性である分子内平衡を反映する。
【0034】
または当業界で周知であるように、Tmは、ポリヌクレオチドの組成(例えば長さ、二重らせんの型、塩基組成、および正確な塩基対形成の程度)および溶媒の組成(例えば塩濃度、およびホルムアミドのよな変性剤の存在)に依存する。Tmの計算のためのある等式は、Sambrook et al.(Molecular Cloning, 2nd ed. Cold Spring Harbor Press, 1989)に見出され、それは、
Tm=81.5℃−16.6(log10[Na+])=0.41(%G+C)-0.63(%ホルムアミド)-600/L)
ここでLは塩基対のハイブリッドの長さであり、Na+の濃度は、0.01Mないし0.4Mの範囲内であり、G+C含量は、30%ないし75%の範囲内である。RNAに関係するハイブリッドのための等式は、同じ引用に見出すことができる。代替的等式は、Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology, 2nd ed., Appleton and Lange, 1994, Sec 6-8に見出すことができる。
【0035】
ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための方法は、当業界で周知であり、そしてここで引用のような分子生物学の標準的引用に見出される。一般に、ハイブリダイゼーションは通常、高イオン強度(6xSSCまたは6xSSPE)、温度がTm以下の20−25℃の溶液中で通常は実施する。ストリンジェントハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、5xSSPE、50%ホルムアミド、42℃、または5xSSPE、68℃を含む。ストリンジェント洗浄条件はしばしば、予備的実験で実験的に決定するが、通常はTm以下の近似的12-25℃である塩および温度の組み合わせに関係する。高度にストリンジェント洗浄条件のある例は、1XSSC、60℃である。非常に高度のストリンジェント洗浄条件の例は、0.1xSSPE、0.1%SDS、42℃である(Meinkoth and Wahl, Anal., Biochem., 138:267-184, 1984)。極度にストリンジェントな洗浄条件の例は、0.1xSSPE、0.1% SDS、50−65℃である。ある好ましい実施態様では、高度にストリンジェントな洗浄は、1xSSCおよび60℃の条件下で実施する。当業界で良く認識されるように、要因の種々の組み合わせは、実質的に均等なストリンジェンシーを生じることができる。そのような均等な条件は本発明の範囲内である。
【0036】
ある実施態様では、第一オリゴヌクレオチドプライマーの、標的RNAへのハイブリダイゼーションに続いて、第一鎖cDNAを、dNTP類、RNA依存性DNAポリメラーゼ、例えば逆転写酵素、およびプライマー伸長による第一鎖cDNA合成を可能とする条件下で他の必要の成分を提供することによって生産する。cDNA分子を生産することのできる任意の逆転写酵素、例えばニワトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素またはモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素を使用できる。RNアーゼH活性を欠くまたは減少した逆転写酵素を好ましくは本方法で使用できる。好ましい実施態様では、使用される逆転写酵素は、末端トランスフェラーゼ活性を保有する。末端トランスフェラーゼ活性は、テンプレートに独立して、ポリヌクレオチドの3’末端にヌクレオチド、基本的にはデオキシシチジンを付加するポリメラーゼの能力のことをいう。これは、テンプレートRNAの5’末端を少なくとも1ヌクレオチド超えて伸長させる一本鎖伸長物の生産を可能とする。ある実施態様では、使用される逆転写酵素は、Clontech Laboratories, Inc(Palo Alto, CA)から入手可能なPowerScript(登録商標)逆転写酵素である。
【0037】
第二オリゴヌクレオチドプライマーをまた提供する。このプライマーを消化し、プライマーの一部は、該第一鎖cDNAの一本鎖伸長物にハイブリダイズできる。ハイブリダイゼーションのための条件は、通常はストリンジェント条件、しばしば高度にストリンジェント、非常に高度にストリンジェント、または極度にストリンジェント条件である。一本鎖領域がdCまたはポリd(C)領域である場合の状況では、第二プライマーは、ポリG部分を含む。ある実施態様では、第二プライマーは、配列5’―aagcagtggtatcaacgcagactggccattacggccggg―3’(配列番号2)を含む。該第一鎖cDNAの合成を次いで、テンプレートとして該第二プライマーを使用して継続する。ある実施態様では、これを、逆転写酵素が存在するスウィッチングテンプレート(reverse transcriptase present switching templates)によって達成する。生産された、得られるcDNA分子は、第一プライマー、標的ポリヌクレオチドに相補的な部分、および第二プライマーに相補的な部分を含む。
【0038】
ある実施態様では、標的ポリヌクレオチドまたは一本鎖伸長物のいずれかに相補的でないプライマーの部分は、少なくとも1つのエンドヌクレアーゼ認識部位を含み得る。該認識部位は、両方のプライマーにおける同じ制限酵素のためのものであり得、またはそれぞれのプライマーが異なる認識部位を有し得る。プライマーに組みこまれた正確な制限酵素認識部位は、想起される特定用途について変化する。制限酵素認識部位による情報を、標準分子生物学テキスト、例えばここで引用のものおよび公衆に利用可能なデータベース、例えばThe Restriction Enzyme Database(rebase)に見出すことができ、これは、http://rebase.neb.com/rebase/に見出すことができる。ある実施態様では、制限エンドヌクレアーゼ認識部位を、選択し、これは標的配列中に出現しないものである。さらなる実施態様では、標的ポリヌクレオチドが取得される種からのポリヌクレオチドにまれにしか、または全く見出されないように制限部位を選択する。ある実施態様では、第一プライマーは、SfiIB制限部位を含み、および第二プライマーは、SfiIA認識部位を含む。
【0039】
生産されるcDNAを次いで、増幅することができる。増幅の任意の方法を使用でき、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許4965188;4800159;4683202;4683195)、リガーゼ連鎖反応(Wu and Wallace, Genomics, 4: 560-569, 1989; Landegren et al., Science, 241: 1077-1080, 1988)、転写増幅(Kwoh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:1173-1177, 1989)、自己持続的配列決定複製(Guatelli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: 1874-1878, 1990)および核酸に基づく配列増幅(NASABA)を含む。ある実施態様では、増幅を、PCRによって達成する。標的ポリヌクレオチドのサイズおよび出発材料の量に依存して、PCRを、長距離PCRによって(LD-PDR;米国特許5616497および5436149;Barnes et al., Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 91:2216-2220, 1994)または慣行的プライマー伸長PCRによって(米国特許4965188、4800159、4683202、4683195)達成できる。
【0040】
PCRのために使用されるプライマーは、第一鎖cDNA合成のためのと同じであることができる。代替的には、cDNA合成プライマーの途切れ版(truncated versions)を使用し、または途切れおよび非変化プライマーを使用できる。プライマーを途切れさせるとき、それは単一ヌクレオチドを含むプライマーのその部分の除去によって達成する。ある実施態様では、増幅プライマーは、配列番号1のものおよび配列番号2の5’末端から数えて最初の23塩基を使用した。使用されたプライマーは、等しいまたは等しくない量で存在し得る。プライマーの不等の量を有する結果、他の鎖に対して二本鎖ポリヌクレオチドの1の鎖の増加された増幅という結果となる。当業者に周知のように、PCRの最適条件は、そのような要因およびテンプレート配列、プライマーおよび使用されるポリヌクレアーゼで変化する。そのような最適化は、当業界で適宜のものであり、そして当業者が過度な実験なく達成できるとみとめる。
【0041】
増幅中に、検出可能標識またはマーカーを増幅産物に組み込ませる。該標識を、プライマー(その1つまたは両方は、標識を含む)、標識されたヌクレオシド三リン酸(NTP)、または標識されたプライマーおよびNTPの組み合わせを使用することによって組み込ませることができる。当業者は、どの標識を、使用される特定の実験的条件と結合させて使用すべきか知っている。ある種の実施態様では、該標識はビオチン−デオキシウラシル三リン酸およびフィコエリトリンコンジュゲート性ストレプトアビジンである。標識を、目的の分子に直接的に付着、リンカーを介して付着、または粒子たとえばミクロビーズ上に位置させることができる。
【0042】
所望により、増幅されかつ標識されたcDNAを、好適な酵素での消化によってフラグメント化し得る。使用される酵素(複数含む)は、ランダムヌクレアーゼ、例えばDNアーゼまたは非ランダムヌクレアーゼ、例えば制限エンドヌクレアーゼであり得る。制限エンドヌクレアーゼを使用するならば、縮重または非縮重認識配列を有することができる。用語「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」を相互交換可能に、そして最も広い意味で使用し、そして二本鎖DNA配列を特異的に認識し、そしてエンドヌクレオチカルに切断する酵素を意味する。制限エンドヌクレアーゼが「4塩基カッター」、「6塩基カッター」等として言及する場合に、もしあれば縮重を含まず、そのような制限エンドヌクレアーゼの認識配列内のヌクレオチド塩基の数に言及することに注意されたい。例えば、縮重認識配列CCNNGGを有する制限エンドヌクレアーゼ(ここで「N」は2または3以上のヌクレオチドA、G、CまたはTである)は、「4塩基カッター」として言及する。「4塩基カッター」制限エンドヌクレアーゼでの消化は、近似的にいずれも256(44)塩基の消化されたポリヌクレオチドを切断するものという結果となり、一方「5塩基カッター」制限エンドヌクレアーゼでの消化は、近似的にいずれも1024(45)塩基等を切断するものという結果となる。したがって、制限エンドヌクレアーゼを選択するときの1要因は、任意の特定の適用のための制限エンドヌクレアーゼフラグメントの、望まれるサイズおよび数である。ランダムヌクレアーゼを使用するとき、フラグメントのサイズは、周知要因、例えば酵素の濃度、ポリヌクレオチドの濃度、時間および温度に依存する。消化されたcDNAの長さは通常、約50ないし約2000塩基の間、しばしば約75ないし約1000塩基の間、典型的には、約100ないし約1000塩基の間、より典型的には、約150ないし約600塩基の間である。適当な制限エンドヌクレアーゼの選択およびランダムヌクレアーゼでの消化のための条件は、過度な実験なく当業者によってなされることができる。ある実施態様では、消化を、DNアーゼIの使用によって達成する。
【0043】
増幅および所望による消化の次に、標識されたポリヌクレオチドを、典型的にはストリンジェント、より典型的には高度にストリンジェント、非常に高度にストリンジェント、または極度にストリンジェント条件下で捕捉プローブにハイブリダイズさせる。捕捉プローブは、約5ないし約100の間、しばしば約6ないし約75の間、よりしばしば約8ないし約65、普通には約10ないし約50、より普通には約15ないし約40、典型的には約16ないし約35、より典型的には約18ないし約30ヌクレオチド長のポリヌクレオチドを含む。捕捉プローブは、標的ポリヌクレオチド上の配列に相補的な配列を含む。捕捉プローブは、目的のポリヌクレオチドのプラス(コード、センス)鎖、マイナス(テンプレート、アンチセンス)鎖に相補的であることができ、または標的ポリヌクレオチドの両方の鎖に相補的な捕捉プローブの組み合わせを使用できる。ある実施態様では、捕捉プローブがハイブリダイズする標的ポリヌクレオチド上の配列は、その標的ポリヌクレオチドに独特である。ある実施態様では、捕捉プローブは、標的ポリヌクレオチドの3’末端接近してハイブリダイズし、例えば3’末端の約1000、約800または約600塩基以内である。当業者には、多重捕捉プローブを単一標的ポリヌクレオチドのために使用できることが明かである。
【0044】
捕捉プローブは、ポリヌクレオチドの合成についての当業者によって、容易に合成し得る。例えば米国特許4973679;Gait, Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press, 1984; Beaucage and Caruthers, Tetrahedron Letts, 22:1859-1862, 1981; Beaucage and Iyer, Tetrahedron, 48:2223-2311, 1992; Caruthers et al., Nucleic Acisds Res. Symp. Ser., 7:215-223, 1980に記載される。代替的には捕捉プローブは、多くの商業的源からの特注であることができる。捕捉プローブは、プローブを固体基質、例えば粒子に付着させるために、典型的には5’末端上に位置するリンカーを有して合成する。ある実施態様では、5’アミノユニリンカー(Oligo Etc., Seattle, WA)を使用する。
【0045】
捕捉プローブは、固体基質、例えば粒子に結合し、それは捕捉プローブを同定するために供する。ある実施態様では、該基質は、ミクロビーズまたはミクロスフェアである。捕捉プローブの同一性は、異なるサイズ、形状および/または色(標識)のミクロビーズを使用して達成できる。ミクロビーズは、約0.1マイクロメーターないし約1000マイクロメーター、一般に約1ないし約100マイクロメーター、典型的には約2ないし約50マイクロメーター、より典型的には約3ないし25マイクロメーター、通常約6ないし約12マイクロメーターのサイズ範囲であることができる。ミクロビーズを、任意の好適な材料から作成することができ、限定しないが、臭素化ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクロレイン、ポリブタジエン、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリジメチルシルオキサン、ポリイソプレン、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロリド、ポリビニルピリジン、ポリビニルベンジルクロリド、ポリビニルトルエン、ポリビニリデンクロリド、ポリジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ポリラクチド、ポリグリコライド、ポリ(ラクチドーコグリコリド)、ポリアンヒドライド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリホスファゼ、ポリスルホン、またはそれらの組み合わせを含む。他のポリマー材料、例えば炭水化物、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アガー、ゲル、タンパク質性ポリマー、ポリペプチド、真核および原核細胞、ウイルス、脂質、金属、樹脂、ラテックス、ゴム、シリコン、例えば、ポリジメチルジフェニルシロキサン、ガラス、セラミック、チャコール、カオリナイト、ベントナイト等をまた使用できる。ある実施態様では、商業的入手可能Luminexミクロビーズ(Luminex Corp., Austin, TX)を使用する。
【0046】
Luminexミクロビーズは詳細に米国特許6268222およびPCT出願公開WO99/37814およびWO01/13120に議論される。簡単には、ミクロビーズは、1または2以上の蛍光色素で染色されたポリマー性ナノ粒子を組み込んだ微粒子である。所定の集団中のナノ粒子のすべては、同じ濃度の色素で染色され、そして既知の量のこれらのナノ粒子を、異なる色素で染色された既知の量の他のナノ粒子とともに、ミクロスフェアへ組み込ませることによって多重蛍光ミクロスフェアという結果となる。ナノ粒子の異なる集団の量および比率を変化させることによって、独特な放射スペクトルを有するミクロスフェアの多数の明確な集団を確立および区別することが可能である。使用される蛍光色素は、550nmと900nmの間の放射波長を有するシアニン色素として既知の一般的な種類のものである。これらの色素は、メチン基を含み得る;メチン機の数は、色素のスペクトル特性に影響する。ピリジンであるモノメチン色素は典型的には青ないし青緑蛍光放射を有し、一方キノリンは緑ないし黄緑蛍光放射を有する。トリメチン色素類似体は、実質的に赤色波長へシフトし、そしてペンタメチン色素は、なおさらにシフトし、しばしば赤外線蛍光放射を示す。しかし、ビーズの組成と両立する任意の色素を使用できる。
【0047】
ある数の種々のビーズを、ここで記載の方法の実施化で使用し、色素が同じまたは重なる励起スペクトルを有することが要求されないが好ましく、しかし、区別可能な放射スペクトルを保有する。多重クラスのまたは集団の粒子を、ちょうど2つの色素から生産できる。赤/オレンジ色素を有するナノ粒子集団の比率は、集団中の十分な増分によって変化し、その結果取得される比率は、光学的に前者の比率と重ならない。このやりかたでは、多数の異なって蛍光するミクロビーズクラスを生産する。
【0048】
捕捉プローブを次いで、ミクロビーズにカップリングさせる。カップリングの正確な方法は、ミクロビーズ(microbread)の組成そしてもしあれば存在するリンカーの型で変化する。ある実施態様では、捕捉プローブを、周知のカルボジイミドカップリング手法によってミクロビーズにカップリングする。多重捕捉プローブを、単一のマクロビーズにカップリングする。同じ標識または蛍光サインを有する同じクラスまたは群のミクロビーズは、それらが付着される同じ標的ポリヌクレオチドに特異的な捕捉プローブを有する。単一のミクロビーズまたはミクロビーズのクラスに付着された捕捉プローブの配列は、異なるの同じ物であり得る。例えば、コード鎖、テンプレート鎖またはそれらの組み合わせに相補的な捕捉プローブは、単一のミクロビーズまたはミクロビーズのクラスに付着し得る。同様に単一のミクロビーズまたはミクロビーズのクラスは、同じ標的ポリヌクレオチドの異なる領域に相補的な捕捉プローブを含み得る。
【0049】
任意の検出系を使用し、2種の色素の間のスペクトル特徴の相違を検出することができ、固体状態検出器、光電子管、写真フィルム、または目を含み、そのいずれかを、追加的装置、例えばスペクトロメーター、ルミノメーター顕微鏡、プレートリーダー、蛍光スキャンナー、フローサイトメトリー、またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用し、検出系を完成し得る。
【0050】
2種の色素の間の区別を、目視検査によって達成するとき、該2種の色素は好ましくは、知覚性の異なる色の放射波長を有し、目視識別を増強する。該2種の色素の間を区別することが望ましいとき、装置的方法、種々のフィルターおよび回折格子を使用することが、独立的に検出されるべきそれぞれの波長最大を可能とする。
【0051】
ある実施態様では、ミクロビーズを、フローサイトメトリー、例えば蛍光活性化セルソーターを使用して同定し、ここで混合された異なるクラスのビーズは、蛍光色素同一性、ビーズのそれぞれのクラスのサイズおよび/または形状に基づいて互いに物理的に分離でき、そして標的ポリヌクレオチドの存在を、特定クラスのビーズを含むそれぞれの分類されるプールについて検出可能標識の存在に基づいて決定する。捕捉プローブにハイブリダイズされたポリヌクレオチド中に含まれる粒子および標識の両方を検出できる任意のフローサイトメーターを使用できる。多重励起レーザーを有するフローサイトメーターおよび検出器が好ましい。ある実施態様では、Luminex100フローサイトメーターを使用する。当業界で周知のように、最適検出のため必要な正確なセッティングは、使用されるサイトメーター、使用されるポリヌクレオチド標識および使用される粒子のような要因によって変化する。セッティングの最適化およびここに開示の方法を実施化するためのフローサイトメーターの使用のための条件は、過度な実験なく当業者によって達成できる。フローサイトメーターの使用の一般的案内は、テキスト、例えばShapiro, Practical Flow Cytometry, 3rd ed., Wiley-Liss, 1995 およびJaroszeski et al.,Flow Cytometry Protocols Humana Press, 1998に見出すことができる。蛍光ミクロビーズおよびフローサイトメトリーの使用の例は、Smith et al., Clin. Chem., 44: 2054-2056, 1998に見出すことができる。フローサイトメトリーの使用は、1よりも大きいクラスの粒子および複数の捕捉プローブを同時的に使用し、多重標的ポリヌクレオチドの存在を決定する場合の状況でとくに有用である(マルチプレックス分析)。
【0052】
存在する標的ポリヌクレオチドの存在および/または量の検出は、粒子からのシグナルおよび標識された標的ポリヌクレオチドの組み合わせを使用して達成する。該粒子を使用し、例えばミクロビーズの蛍光サインによって所定の標的ポリヌクレオチドに特異的な特定の捕捉プローブを同定する。同定される捕捉プローブを次いで分析し、標的ポリヌクレオチド中の含まれる標識の存在を決定する。標識が捕捉プローブ上に存在するならば、そのとき標的ポリヌクレオチドはサンプル中に存在する。存在する標識の量の定量によって、サンプル中の標的ポリヌクレオチドの量を計算できる。
【0053】
標的ポリヌクレオチドの存在および/または量を同時的に決定する能力は、本方法を、発現プロファイリングに特に好適とする。発現プロファイリングは、ポリヌクレオチド、例えば遺伝子の、異なる状態および生理学的状態での発現の変化の決定に関係する。こうして、ここで記載の方法は、発現パターンの変化に連関する疾患、状態、障害または素因を診断するために有用である。ここで使用するように、用語「素因」は、個々の対象が特定の疾患、状態または障害を発生させる尤度をいう。例えば、増加した素因のある対象は、疾患状態または障害を発生するのが平均より大きい傾向がある。一方減少した素因のある対象は、疾患、状態または障害を発生するのが平均より小さい傾向がある。疾患、状態、障害または素因は、遺伝的であり得、または微生物のためであり得る。この側面では、1または2以上の標的ポリヌクレオチドの発現の情報は、ここで記載の方法を使用して試験対象から取得され、そして目的の疾患、状態、障害または素因を有することが知られる対象からの発現パターンと比較する。ある実施態様では、既知の疾患、状態、障害または素因を有する対象の発現パターンを表すデータを、コンピューター読み取り可能媒体に蓄積し、その結果試験対象からの発現パターンを蓄積された発現パターンと比較できる。
【0054】
同様に、ここで開示の方法を使用し、細胞または組織の発達または生理学的状態を決定できる。この側面では、試験細胞または組織からのポリヌクレオチド発現を、既知の生理学的または発達状態の細胞からの発現パターンと比較する。2発現パターンを比較することによって、試験細胞または組織の発育の生理学的状態を決定することができる。ある実施態様では、既知の発達または生理学的状態の細胞または組織の発現パターンを表すデータを、コンピュータ読み取り可能媒体に蓄積し、その結果試験細胞または組織型からの発現パターンを、蓄積された発現パターンと比較できる。
【0055】
本発明の更なる側面は、高処理量適用のため好適なSNAP分析のための安価、急速、フレキシブル方法を提供する。本方法を使用して、SNPアリルの同定が、PCR戦略例えばアリル特異的PCR(ASP)によって、または単純プライマー伸長方法論、例えば短いプライマー伸長(SPE)によって可能である。両方の場合に、増幅または伸長は、検出可能標識の存在下で実行する。
【0056】
PCRに基づく方法、例えばASPを使用するとき、少なくとも1対のプライマーを使用する。それぞれのプライマー対は、正プライマーおよび逆プライマーを含む。対の正プライマーの3’末端は、目的のSNPのアリルに特異的であり、例えば、プライマーの3’末端は、目的のSNPのアリル塩基に相補的なヌクレオチドを含む。正プライマーはまた、プライマーを同定し、目的のSNPを含むポリヌクレオチドに相補的でないハイブリダイゼーションタグを含み得る。ハイブリダイゼーションタグは、典型的にはプライマーの5’末端上に位置する。逆プライマーは、目的のSNPを含むポリヌクレオチドに特異的であることができ、またはそれは普遍逆プライマーであることができる。逆プライマーはまた、ハイブリダイゼーションタグを含み得る。ある実施態様では、それぞれの可能なSNPアリルに特異的なプライマー対を使用する。さらなる実施態様では、多重SNPに特異的な多重プライマー対を使用する。すなわちマルチプレックス分析である。マルチプレックス分析を使用するとき、それぞれのSNPについて単一プライマー対を使用でき、または目的の種々のSNPについての可能なアリルに対応するプライマー対を使用できる。それぞれのSNPアリルのためのプライマー対の使用は、目的のSNP(複数含む)についてヘテロ接合性の個体を決定するときに助けとなる。
【0057】
プライマー対を、次いで、1または2以上の一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと合わせる。ポリヌクレオチドは、RNA、DNAまたはそれらの組み合わせであり得る。特定の例は、限定しないが、mRNA、cRNA、ウイルスRNA、合成RNA、cDNA、ゲノムDNA、ウイルスDNA、プラスミドDNA、合成DNA,増幅DNAまたは任意のこれらの組み合わせを含む。もしサンプル中に存在するポリヌクレオチオが二本鎖であるならば、これらは、当業界で周知の方法、例えば化学的または熱処理を使用して一本鎖を作成できる。プライマーは、ストリンジェント、典型的に高ストリンジェント条件、非常に高ストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で一本鎖ポリヌクレオチドにハイブリダイズを可能とする。典型的にはストリンジェントハイブリダイゼーション条件を、正プライマーの3’末端上の単一ミスマッチがハイブリダイゼーションを阻害または顕著に減少させるように調節する。「顕著に減少させる」は、ハイブリダイゼーションが、完全に相補的配列で観察されるのと比較したときに、少なくとも50%、典型的には少なくとも75%、より典型的には少なくとも85%、普通は少なくとも90%より普通には少なくとも95%、および好ましくは少なくとも99%減少させることを意味する。当業者に周知であるように、ハイブリダイゼーションのため特異的条件は、典型的には実験的に決定し、そしてここで提供した案内および分子生物学の標準的テキスト、例えばここで引用のものを使用して、当業者によって過度な実験なく達成できる。
【0058】
ひとたびハイブリダイズすると、プライマーを伸長させ、伸長産物を生産する。ある好ましい実施態様では、プライマー伸長は数回、PCRにおけるように反復し、多量の伸長産物を生産する。プライマー伸長のための方法、特にPCRは当業界で周知であり、そしてここに議論した。一般に、該方法は、ポリメラーゼ、しばしば熱安定性ポリメラーゼ、dNTPおよび必要なコファクターを提供し、ついで一連のハイブリダイゼーション、伸長および変性ステップを含む。生産されたハイブリダイゼーション産物は、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む。標識は、伸長産物に、標識されたプライマー、標識されたdNTPまたはそれらの組み合わせを使用することによって組み込ませることができる。ポリヌクレオチドでの使用のために好適な任意の検出可能標識を使用でき、ここで先に記載の物含む。
【0059】
ひとたび生産すると、伸長産物は、ストリンジェント、高度にストリンジェント、非常に高度にストリンジェントまたは極度にストリンジェント条件下でハイブリダイゼーションタグまたはその相補物に相補的な捕捉プローブにハイブリダイズする。捕捉プローブは、次に、固体基質、例えばミクロビーズにカップリングする。粒子は色素または他の基質を含み、特定の捕捉プローブを含む粒子のクラスについて特異的な検出可能シグナルまたはサインを提供する。粒子が蛍光色素を含む場合に、該粒子は独特な蛍光サインを有する。標識された粒子の使用および特に、蛍光色素を含む特定のミクロビーズは、以前記載した。ある実施態様では、Luminex Corp.から商業的利用可能である蛍光ビーズを使用する。
【0060】
伸長産物に組み込ませた標識および粒子の組み合わせを次いで使用し、存在するSNPを同定する。例えば蛍光ミクロビーズを使用するとき、該ミクロビーズは蛍光サインに基づいて同定および所望により分離される。サインは、ビーズに付着された捕捉プローブを同定し、これは次に、目的のSNPを同定するハイブリダイゼーションタグを同定する。ビーズはまた、伸長産物に組み込まれた標識の存在について試験される。標識が存在するならば、そのとき該伸長物が存在し、正プライマーの首尾よいハイブリダイゼーション、そしてこうして、特定のSNPアリルの存在を指摘する。SNPあたりのたったひとつのプライマーを使用するとき、そのとき、標識の不存在は、代替的SNPアリルが存在することを示唆する。ある実施態様では、この分析を、フローサイトメトリーを使用して実施する。標識したビーズおよび会合したポリヌクレオチドを同定するためのフローサイトメーターの使用は、先に議論した。
【0061】
代替的実施態様では、短いプライマー伸長(SPE)を、アリル特異的PCRのかわりに使用する。この実施態様では、少なくとも1のプライマーでその3’末端が、目的のSNPに特異的なものを提供する。このプライマーはまた、ハイブリダイゼーションタグを含む。この実施態様では、プライマーは、SNPに特異的であると考えられ、このとき、それはその3’末端に、目的のSNPのアリル塩基のひとつに相補的な塩基を含む。代替的には、プライマーはSNPに特異的であると考えられ、このとき、それは特異的にハイブリダイズし、その結果その3’末端は目的のSNPの位置にすぐに隣接し、その結果プライマーの3’末端への次の塩基の付加が、SNPの位置に存在する塩基によって方向付けられる。該プライマーを、ストリンジェント条件下で一本鎖ポリヌクレオチドと合わせ、一本鎖ポリヌクレオチドへのプライマー(複数含む)の特異的ハイブリダイゼーションを可能とする。使用されるサンプルが二本鎖ポリヌクレオチドを含むならば、そのときこれらはプライマーハイブリダイゼーションに先立ち一本鎖を作成する。もしSNPの部位に伸長するプライマーを使用するならば、ハイブリダイゼーション条件は、該プライマーの3’末端の単一ミスマッチが先に議論したようなハイブリダイゼーションを阻害または顕著に減少させるように調節される。もし使用されるプライマーがSNP位置にすぐに隣接するならば、そのときハイブリダイゼーション条件は非特異的ハイブリダイゼーションを最小化するように調節される。
【0062】
プライマー(複数含む)を次いで、ポリメラーゼおよび好適なヌクレオシド三リン酸(NTP)を使用して伸長させる。ある実施態様では、プライマー伸長は、1または2以上の鎖終結ヌクレオシド三リン酸、たとえばジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)を反応混合物中に含ませることによって限定される。プライマー(複数含む)がSNP位置にすぐに隣接してハイブリダイズする実施態様では、NTPの単一タイプを、そのプライマー伸長が相補的アリルが存在するときのみに起こるように付加することができる(米国特許5846710参照)。代替的には鎖終結NTP、例えばddNTPを使用し、その結果単一塩基のみが、プライマーの3末端に付加される。この代替を使用するとき、好ましくはそれぞれのddNTPが異なる検出可能標識含む(米国特許5888819参照)。生産された伸長産物は、ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む。標識を、標識されたプライマー、標識されたNTPまたはそれらの組み合わせを使用して伸長産物に組み込ませることができる。先に議論した任意の標識を使用できる。
【0063】
標識された伸長産物を次いで、ストリンジェント、高度にストリンジェント条件、非常に高ストリンジェント条件または極度にストリンジェント条件下で、ハイブリダイゼーションタグに相補的な捕捉プローブにハイブリダイズさせる。該捕捉プローブは、粒子例えば先に議論したものにカップリングさせ、これは捕捉プローブを同定する。存在するSNPアリルの同一性を次いで、伸長産物の、その特異的捕捉プローブへのハイブリダイゼーションを検出し、そして先に議論したように粒子に基づいて捕捉プローブを同定することによってなす。先に議論した検出の方法のいずれかを使用することができ、フローサイトメトリーを含む。
【0064】
SNPの検出のためここで記載の方法は、広範適用を有する。例えば、該方法を使用し、目的の疾患、状態または障害への遺伝的素因について個体をスクリーニングできる。この側面では、ポリヌクレオチドを含む生物学的サンプルを、試験対象から取得する。該サンプル中に含まれるポリヌクレオチドを次いで、本方法を使用して分析し、目的の疾患、情愛または障害に連関するSNPの存在を検出する。
【0065】
ここで開示の方法を使用するSNPの検出はまた、マーカー援助選択において使用できる。SNPは植物および動物の種々の形質と連関する。特に有用なのは、量的形質遺伝子座(QTL)に位置するSNPである。
【0066】
特定SNPの存在の不存在についての選択を実施化することによって、遺伝的進行を、表現型の測定に基づく伝統的選択方法によるよりもより急速に達成できる
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、本発明の応用の例示を提供することを意図する。以下の実施例は、発明の範囲を完全に定義またはそうでなくとも限定することを意図しない。
【0068】
実施例1
発現分析
1.1 総RNA抽出およびPCR産物標識化
凍結した組織サンプルを、自動化組織破壊機を使用して96ウェルプレート中でホモジナイズした。総RNAをBioline 96ウェルRNAキット(Bioline, Boston MA)を使用して、製造者のプロトコルにしたがって使用して組織ホモジネートから抽出し、そして260nmでの吸光度によって定量した。総RNA(1μg)のそれぞれのサンプルを、SMARTキット(Clontech, Palo Alto, CA)によってcDNAに変換した。該cDNAを次いで、同じキットによって27サイクルにおいてPCR増幅し、そしてビオチン−dUTPで標識した。該PCR DNAを次に、1UのDNアーゼIによって、室温で7分間フラグメント化した。反応を、95℃10分加熱することによって停止させた。
【0069】
1.2 捕捉プローブおよびそのミクロスフェアへのカップリング
標的遺伝子の3’末端から600塩基の領域内の25塩基の独特の配列を捕捉プローブとして選択した。多重捕捉プローブを同じポリヌクレオチドまたは異なる位置の3’末端に近い遺伝子から選択することができた。選択した捕捉プローブの融解点(Tm)は、通常は50℃ないし60℃の範囲であり、そして2次構造は好ましくは最小であった(Vector NT1, North Bethesda, MD)。すべての捕捉プローブオリゴヌクレオチドを、5’−アミノユニリンカー(Oligos Etc., Seattle, WA)と合成し、それらカルボキシル化蛍光色素ミクロスフェア(Luminex Corp., Austin, TX)に共有結合させた。具体的には、5x106のカルボキシル化ミクロスフェアを、1分間最大速度でミクロ遠心機で遠心分離し、そして上清をミクロスフェアを妨害することなくピペットによって注意深く除去した。該ミクロスフェアを、0.1M MES(2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸)(Sigma, St. Louis, MO)、pH4.5を含む50μLのバッファー中に再懸濁した。該アミノ置換捕捉プローブを1mMの濃度で1ddH2O中に溶解し、そして1μLの溶液(1nMの捕捉プローブオリゴヌクレオチドを含む)をカップリング反応のためにミクロスフェアに添加した。カップリング反応を、2.5μLの新しく作成した10mg/mLの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)(Aldrich, Milwaukee, WI)であってddH2O中に溶解されたものを添加することによって開始させた。ミクロスフェア、捕捉プローブ、およびEDCの混合物を簡単にボルテックスし、そして室温で暗黒で30分間インキュベートした。30分間のインキュベーション後、第二の2.5μLの新しく調製したEDC溶液(10mg/mL)を反応物に添加し、そして追加的30分間インキュベーションした。この工程を、全部で三回反復した(3回EDC添加)。インキュベーション中、反応物を、ときおり管を指で軽打することによって混合し、ミクロスフェアが懸濁状態であるのを維持した。カップリング反応後、1mLの0.02%Tween20(BioRad, Hercules, CA)をミクロスフェアに添加した。溶液を良く混合し、そしてミクロ遠心機で1分間最大速度で遠心分離した。遊離捕捉プローブオリゴヌクレオチドを含む上清および過剰のEDCを注意深く除去した。ミクロスフェアを、再び1mLの0.1%SDS(Ambion, Austin, TX)において洗浄し、遊離捕捉プローブおよびEDCの除去を確保した、最後に、捕捉プローブコンジュゲート性ミクロスフェアを、0.1MのMES、pH4.5を含む、100mLのバッファー中に再懸濁した。カップリングしたミクロスフェアを、4℃の暗黒の箱で貯蔵し、そして少なくとも6ヶ月にわたり安定に保持した。ミクロスフェアを、TEバッファー(10mMのTris、1mMのEDTA)において希釈し、そして100x倍でセルカウンタースライド中で数えた。単一ハイブリダイゼーションアッセイのために、約7500の、それぞれのセットのカップリングミクロスフェアを使用した。カップリング効率およびハイブリダイゼーション特異性を、カップリングしたミクロスフェアがそれらの対応するビオチニル化相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることによって評価した。
【0070】
1.3 標的の、捕捉プローブがカップリングされたミクロスフェアへのハイブリダイゼーション
1xハイブリダイゼーションバッファーは、3Mのテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC、Sigma, St. Louis, MO)、0.1%のSDS、50mMのトリスHCl、pH8.0および4mMのEDTApH8.0を含んだ。ストックハイブリダイゼーション溶液は、1.5xとして調製し、そして50℃で貯蔵し、沈殿を抑制した。最初の工程では、20μLにおけるPCR DNAフラグメント標的サンプルを、95℃10分間加熱することによって変成させた。捕捉プローブコンジュゲート性ミクロスフェア(色あたり約7500ビーズ)を、40μLの1.5xハイブリダイゼーションバッファー中に混合し、そして次に、変成した標的サンプルに添加した。ハイブリダイゼーション混合物を速やかにボルテックスし、そして48℃1時間エンペンドルフミクロチューブインキュベーター(Eppendorf Scientific, Inc., Westbury, NY)においてインキュベートし、300rpmの速度で振とうした。インキュベーション後、ハイブリダイゼーション混合物を、ミクロ遠心で1分間14000gで遠心分離した。上清をミクロスフェアを妨害することなく注意深くピペットで除去した。ミクロスフェアを、50μLの1xはいぶりダイゼーション溶液の添加によって洗浄し、指で軽打することによって混合し、48℃で5分間振とうなくインキュベートし、そして1分間最大速度でスピンし、そして上清を除去した。ミクロスフェアを全部で3回洗浄した後、50μLの1xTMACおよび0.5μLの1mg/mlのストレプトアビジンコンジュゲート性R−フィコエリトリン(Molecular Probes, Inc., Eugene, OR)をミクロスフェアに添加した。溶液を簡単にボルテックスし、そして暗黒で10分間室温でインキュベートした。ミクロスフェア(35μL)を、Luminex100システムで分析し、そしてすくなくとも200事象のそれぞれのセットのミクロスフェアをカウントした。
【0071】
実施例1の方法を使用して得た代表的な結果を、表1に示す。この実施例では、3つの化学的処理に応答した、11の異なる遺伝子の発現の差異を、取得した。発現レベルを、平均蛍光強度(MFI)の単位において与える。
【0072】
表1
【表1】
【0073】
実施例2
SNP分析
2.1 普遍ハイブリダイゼーションタグ(UHT)の設計
一連のDNAハイブリダイゼーションタグを、Luminexミクロスフェアへのコンジュゲーションのために誘導した。DNAハイブリダイゼーションタグを、「普遍ハイブリダイゼーションタグ(UHT)」と命名した。なぜなら、UHTがSNPプライマー配列の設計に組み込まれたかに依存して、DNAタグ(オリゴヌクレオチドの形態における)およびミクロスフェアを任意のSNPマーカーアッセイのために使用し得たからである。UHT配列を生成するためのランダムDNA配列の源を誘導するため、次に使用されないであろう生物から非コードイントロンDNA配列を、選択した。それらが関連する良好なハイブリダイゼーション特性を有するであろうランダムシリーズの18マーを生成するためのさらなるオプションは、多量のDNA配列を分析することのできるソフトウェアを要求する。イントロンDNA配列を選択し、なぜなら、それはコードDNAに見出される高度の選択的圧力を有さず、DNA配列のランダム性質を増加させるからである。これは、アッセイのインテグリティを妨害する、非特異的相互作用を最小化するのを確保するために重要である。
【0074】
選択されたイントロン性DNA配列を、GenBank 受託番号#U31961に見出されるDrosophila ubx遺伝子座の50kbイントロン3から選択した。近似的に50kbのDNA配列を含むUbx遺伝子の第三イントロンを、OLIGO5.0ソフトウェアに移入した。サーチアルゴリズムを次いでカスタマイズし、約60℃のTm、そして最適にはヘパリン構造および二重らせん形成能を欠く18塩基長を有するDNA配列についてサーチした。追加的に、融解点(Tm)を、それぞれのUHT配列が、2℃を超えないで変化するのみで、かつ、約40ないし50%の「GC」含量を含むようにセットした。これらのセッティングで、すべてのUHT配列の得られる特性がバックグラウンド人工物の欠如により同じ温度範囲で非常に特異的ハイブリダイゼーションするであろうと仮説された。DNA配列サーチからの生の出力を分析し、そしてトリムし、独特なUHT DNA配列(表2)配列番号3−46)のリストを含んだ。
【0075】
使用したオリゴヌクレオチドは、正確なUHT DNA配列を有し、そして5’末端にユニリンカーアミノ−リンカー修飾を保有し、カルボキシル化ミクロスフェアへのコンジュゲーションを可能とした。また、相補的配列を有するビオチン標識したオリゴヌクレオチドを取得し、ハイブリダイゼーション特異性を測定した。Luminexハイブリダイゼーション実験を計画し、それぞれのUHT配列の特異的ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドおよび非特異的オリゴヌクレオチドの混合物で、それぞれのUHT配列を試験した。シグナルを、それぞれの条件から測定した。承認のための基準は、3000蛍光単位またはより高の特異的シグナルおよび前記35のS/N比率であった。(表2参照)。
【0076】
表2
【表2】
【0077】
2.2 ベジタブルマーカー「A」(NVMA、VegA)プライマー構成
ベジタブルマーカー「A」は、完全な連鎖不平衡状態にある2つの近接SNPの組み合わせである。それは入り組んだ概念であるが、基本的には、連鎖不平衡は、DNA鎖によって物理的に連鎖している2つの遺伝的マーカーを比較することによってなされるべきものである。例えば、突然変異してないDNA鎖は、二本鎖DNA分子上に、2つのアリル、SNP1、(または同じ位置の2つの代替的塩基)を有する第一SNPマーカーを含む。時間が進行するにつれ、第二SNPが発生し、なぜならこれはDNAの同じ一本鎖上の単一事象であり、新しいSNP2アリルがSNP1のアリルのうちのたった1つと連関するであろうからである。時間が進行し、そして2つのSNPの間で多くの組換え事象が発生するにつれ、SNP2のアリル1は、SNP1のどちらかのアリルと連関することができる。このとき、SNP2は、SNP1と完全な連鎖不平衡状態にある。時間が再び進行し、多くの組換え事象が2つのSNPの間で発生するにつれ、SNP2のアリル1は再び、ハプロタイプ分析によってSNP1の両方のアリルとともに見出すことができ、そしてSNP2のアリル2はまた、SNP1の両方のアリルととともに見出すことができる。これらの連関数が50%に等しいとき、そのとき2つのSNPは完全な連鎖平衡状態にある。連鎖は、一般に平衡に向かって進行する。しかし、それぞれの状態の程度が変化することは、2つの遺伝的マーカーを比較するとき見出すことができる。
【0078】
VegAのためのゲルに基づくアッセイは、NVMA−3およびNVMA−4位の2つの正プライマーおよび普遍逆PCRプライマーであるNVMA−2を使用する。
【化1】
【0079】
PCRサンプルをゲル上で電気泳動するとき、これらはある種のDNAバンドパターンを与え、これは遺伝子型が割り当てられるのを可能とする。類似のアッセイセットアップを、Luminex ASP手法と使用し、これはLuminex 100からのデータ出力とゲル遺伝子型の直接的な比較を可能とする。Luminex SPEアッセイを実施したとき、ゲノムDNAを最初にNVMA-1およびNVMA-2で増幅し、同じ反応において一緒にNVMA−3およびNVMA-4の両方を使用してプライマー伸長してフォローアップした。
【0080】
短いプライマー伸長(SPE)手法を実施するため、標準的PCRプライマーで最初の増幅工程、次いでUHTタグを含むアリル特異的伸長プライマーでのプライマー伸長を実施した。正PCRプライマーは、NVMA−1でありそして逆PCRプライマーは、NVMA−2であった。NVMA−3プライマーは、アリル1に特異的な伸長プライマーであり、一方NVMA−4プライマーはアリル2に特異的な伸長プライマーである。NVMA−3プライマーの最初の18塩基は、UHT#1配列でタグ化され、および類似に、NVMA−4プライマーの5’末端はUHT#2配列でタグされた。
【0081】
アリル特異的PCR(ASP)手法は、より単純なアプローチであり、そしてUHTとマーカー関連配列の間のC12リンカーを含む2つのアリル特異的な正プライマー、および1つのビオチン標識した普遍逆プライマーを使用するPCR増幅を要するのみである。使用したNVMA特異的正プライマーは、NVMA−3およびNVMA−4であり、それぞれアリル1およびアリル2遺伝子型を表す。普遍逆プライマーは、NVMA−2であった。ASPアッセイアプローチを実施したとき、この手法で使用したサンプルをアガロースゲル上で電気泳動し、直接的に遺伝子型決定子、そして蛍光ミクロスフェア手法から取得された結果と比較した。
【0082】
2.3 UHTの試験
SNPアッセイを使用する前に、UHT配列を、Luminexシステムと組み合わせて一連の合成オリゴヌクレオチドを使用する有用なDNA分子タグとしての、これらの成績について試験した。それぞれのUHT配列について、正(forward)鎖オリゴヌクレオチドを、5’ユニリンカー標識(Oligo Etc., Wilsoville, OR)で取得し、そして逆鎖を、5’ビオチン標識(Life Technologies. Rockville, MD)で合成した。多くのアミノリンカーは、ミクロスフェアにコンジュゲートするオリゴヌクレオチドのために利用可能であるが、該ユニリンカーが最良のコンジュゲーション効率およびコンシステンシーを生産した。
【0083】
該ユニリンカー標識したUHTオリゴヌクレオチドを、1.25x106のDevelopment Microspheresにコンジュゲートさせた。該Development Microspheresは一般に、ある種のアッセイ系を最初に試験するために使用する。なぜなら、これらは高価ではない傾向があり、次いでマルチプレックス化ミクロスフェア。これらはしかし、たった単色であり、その結果アッセイを、これらを使用してマルチプレックス化できない。UHTオリゴヌクレオチドを、以下のカルボジイミドカップリング手法を使用してDevelopmentミクロスフェアにコンジュゲートさせた。
【0084】
2.3.1 オリゴヌクレオチド/ミクロスフェアのカルボジイミドコンジュゲーション
Luminexミクロスフェアをボルテックスし、10秒間超音波処理し、次いで、8000gで1.0分間遠心分離した。上清をミクロスフェアペレットから除去し、そしてミクロスフェアを、MESバッファー(0.1Mの(2−[N−モルフォリノ]エタンスルホン酸、150mMのNaCl、5.0NのKOHで4.5へのpH)で2.5x104または1.0x105ミクロスフェア/μL再懸濁した。それぞれのカップリング反応のために、50μLのミクロスフェア/MES懸濁物を、ミクロ遠心管に、1.0μLの1.0mM溶液(H2O中)のユニリンカー標識したオリゴヌクレオチド(Oligo Etc.)とともに配置した。2.5μLの新しく作成した10mg/mlのEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドヒドロクロリド)(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)を添加し、そして室温で30分間インキュベートした。さらに2.5μLの新しいバッチの10mg/mLのEDC溶液を添加し、そしてインキュベーションをさらに30分間継続した。1.0mLのMESバッファー/0.02%のTween20を添加し、そしてミクロスフェアを8000gで1.0分管遠心分離した。上清を除去し、そしてミクロスフェアを含むペレットをもう1回1.0mLのMES/Tween溶液で洗浄した。この次に、MESバッファー/0.1%SDS溶液でのミクロスフェアの2x1.0mL洗浄であった。最後に、ミクロスフェアを、100μLのMESバッファーに再懸濁しそしてカウントした。
【0085】
Development Micrrospheresは典型的には、マルチプレックス化のためには使用しないが、このユニプレックス形式のような一般試験目的のためには有用である。コンジュゲーション効率それとともにそれぞれのUHT DNA配列の潜在的有用性を試験するため、Lumineハイブリダイゼーションアッセイを以下のように実施した。
【0086】
2.3.2 Luminexハイブリダイゼーションアッセイ
合成オリゴヌクレオチドおよび/または目的の遺伝子型決定サンプルを、TEバッファー(10mMのTris-Cl、0.1mMのEDTA、pH、7.5)で20μLの体積に作成した。これらを乾燥熱ブロック装置上で95℃10分間に渡り変成させた。このサンプルに、35μLの1.5xTMAC(テトラメチルアンモニウムクロリド)バッファー(4.5M TMAC、0.15% SDS、75mM Tris-Cl、6.0mM EDTA、pH8.0)を添加し、5−10000ミクロスフェア/アッセイを含むものとした。サンプルを次いで、10分間のさらなる熱ブロックにおいて55℃ハイブリダイゼーション温度に直ちに置いた。1:400希釈のストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲート(Molecular Probes;Eugene, OR)を1.0xTMAC(3.0M TMAC、0.1% SDS、50.0mM Tris-Cl、4.0mM EDTA、pH,8.0)で作成し、そして50μLをそれぞれのサンプルに添加した。(もしサンプルが直接的蛍光標識化を有し、そしてビオチンをアッセイで使用しなかったならば、50μLの1.0xTMAC単独、SA/PEなしを添加した)。サンプルをさらに55℃5分間以上インキュベートし、それからLuminex 100装置で分析した。
【0087】
それぞれのUHT試験のために、ポジティブコントロールサンプルは、UHT DNA配列の正確なオリゴヌクレオチド相補物からなり、そしてネガティブコントロールは、他のUHTに対して4つのランダム非特異的相補的オリゴヌクレオチドからなった。相補的オリゴヌクレオチドの全ては、5’ビオチン標識を有し、そして50μLのハイブリダイゼーションサンプル中の最終濃度は、10.0nMであり、これはビオチン基質で蛍光シグナルの最大レベルを有するように先の実験から決定した濃度であった。ひとたび全てのUHT試験サンプルを読むと、これらを得られた最高の特異的シグナルに基づいて検討し、シグナル/ノイズ値は非特異的シグナルをこえる特異的シグナルの比率から誘導した。カットオフ点を決定した、UHT試験結果の例は、表3に示す。それぞれの個々のUHTの最適化は、これらのSNPマーカーアッセイにおけるUHT試験によって容易に達成する。
【0088】
2.3.3 SNP識別
Luminexシステムを、アッセイの過程の間に一本鎖のままであるように選択された一連のUHT配列と使用し(ハイブリダイゼーション人工物を最小化する)、そして代替的分子技術を使用し、SNP識別を提供した。これは、マーカー特異的DNA配列を、使用されるUHTの3’側に付着させ、SNP多型を試験することに関係し、これらを次いで検出のため適当に標識した。目的の最初の標識はビオチンであり、というのはこれはストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲート(SA/PE)が続くことができるからであり、これは消光の効率のために、Luminexシステムで得られ得る感度の最高量を可能とする。直接的蛍光標識化をまた、このアプローチで供される潜在性を比較するため試験し、これは蛍光コンジュゲートをLuminexハイブリダイゼーションアッセイの最後に添加する最終工程が必要ないという事実のために実行するのがより簡単である。ストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲートの、Luminexハイブリダイゼーション中の最終濃度は、近似的に3.3nMであった。したがって、ビオチン基質の展開中のアッセイにおける絶対量は、その濃度の約10倍より顕著により多いことはできず、最小には高ビオチン濃度のためSA/PEの添加の前の洗浄工程を要した。
【0089】
2.4 短いプライマー伸長(SPE)
DNA配列決定で使用されるものと類似のプライマー伸長方法を開発した。関連方法は、ときにSingle Basepair Extension(SBE)またはミニシーケンシングと呼ばれ、そして単一の伸長プライマーへ、SNP部位に見出される2塩基のうち1つを組み込ませる1bpの伸長である。SNPアッセイに組み込まれるべきそれぞれの別個の塩基は、それ自身の蛍光タグを有し、そして伸長産物を、PE Applied Biosystems 377ゲル装置(または類似のもの)において分析し、どのヌクレオチド類似体(複数含む)が伸長プライマーに組み込まれたか決定する。基本的には、SPEアッセイは、2つの工程において実施する:(1)2つのアリル特異的プライマーを使用して(SNP部位に伸長プライマーの3’末端)、テンプレートしてSNP部位を有するPCR産物、およびビオチンー11−ddATPを含むヌクレオチド混合物を使用して、伸長および標識化、および(2)UHT DNA分子タグを使用して、伸長産物の、オリゴヌクレオチドがコンジュゲートしたミクロスフェア上への捕捉、次いでLuminex 100装置におけるデータ獲得。
【0090】
SNP検出のミクロフルイドマルチプレックス化は、SNPマーカーのすべてのために、たった1つの標識されたヌクレオチドを使用しつつ、2つのアリル特異的プライマーでの小さい長さのDNA重合化を実施することに関係した。アリル特異的プライマーとSNP部位の間にマッチがあったときにのみ起こる伸長で、SNP検出がアリル特異的プライマーに存在した。これはプライマーの1より多いbp伸長であるからであるが、伸長時間またはddNTPヌクレオチド組み込みの欠如のためにプライマーを完全には伸長せず、該方法は短いプライマー伸長アッセイまたはSPEと名づけられた。
【0091】
2.4.1 ヌクレオチド類似体オプション
現在利用可能な種々のプライマー伸長プロトコルは、Thermosequenase(登録商標)を、プライマー伸長アッセイにおけるDNAポリメラーゼ酵素として使用し、しかしDNAを重合化することのできる任意の酵素を使用できる。以下のSPEアッセイは、Thermosequenase(登録商標)を使用して実施した。
【0092】
この酵素で蛍光的に標識したdNTPおよびddNTPの組み込みを試験する多くの研究がなされたが、ビオチン標識した基質を指向するのはほとんどなかった。したがって、多くの商業的入手可能ビオチン類似体を、蛍光的に標識したヌクレオチド類似体と並行して試験し、どれが最良のシグナル特性を生産するかをみた。
【0093】
表3は、SPEアッセイでの使用のため試験した種々のヌクレオチド類似体を示す。PCRを実施し、ミクロスフェア短いプライマー伸長アッセイ(以下)において説明の通りである。PCR産物を、NVMAマーカーからのPCRプライマーで、ホモ接合性「稔性(Fertile)」またはホモ接合性「不稔性(Sterile)」ゲノムDNAサンプルから増幅した。該PCRアンプリコンを次いで、シュリンプアルカリフォスファターゼ(SAP)およびエキソヌクレアーゼIで処理し、残留PCRプライマーおよびdNTPを分解した。精製したPCR産物を次いで、別個の伸長反応で使用し、前列挙のそれぞれの個々のヌクレオチド類似体を試験した。伸長反応後、伸長産物を、オリゴヌクレオチドタグ化ミクロスフェアで捕捉し、そしてシグナルを、Luminex 100装置を使用して定量した。
【0094】
表3
【表3】
【0095】
2.4.2 ミクロスフェア短いプライマー伸長アッセイ
PCR反応物を、PE Applied Biosystems(Foster City, CA)96ウェルPCRプレートにおいて、20ngの植物ゲノムDNAを使用して調製した。PCR反応混合物は:300nM正および逆PCRプライマー、1xTaq Goldバッファー、0.2μMのdNTP、7.5%のグリセロール、2.0mMのMgCl2および1.0単位のTaq Gold(PE Applied Biosystems, Foster City, CA)を全部で25.0μLの反応体積で含んだ。サンプルを、93℃酵素活性化工程、次いで30サイクルの、93℃−30秒、60℃−30秒、および72℃30秒でPE Applied Biosystems 9700中で増幅した。熱サイクリングを、72℃5分間、すぐに次いで、4.0℃保持まで低下させた。アガロースゲル電気泳動によるPCR産物出現の確認後、5.0μLのPCR産物を、1.0Uのシュリンプアルカリホスファターゼ(USB)および1.0UのエキソヌクレアーゼI(USB)を10.0mMのTris−Cl、pH8.0中に含む、5.0μLのSAP/EXO精製混合物に添加した。該サンプルを、37℃45分、次いで95℃10分間インキュベーションした。これらのサンプルに、1.0UのThermosequwnase(登録商標)(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)、100.0nMのそれぞれのアリル特異的伸長プライマー、1xThermosewuenase(登録商標)バッファー、0.4μMのヌクレオチド類似体(NEN, Roche, Amersham)、2.0μMのdCTP/dGTP/dTTP(PE Applied Biosystems)、および7.5%のグリセロールを含む、10μLのSPE混合物を添加した。サンプルを、9700サーモサイクラーに置き、1分間の95℃インキュベーション、次いで40サイクルの95℃−10秒、および60℃30秒を進行させた。変性工程を次いで、SPEサンプルを含むPCRプレートにおいて直接的に実施した。なぜならサンプル体積は20.0μLであったからである。Luminex手法に要する唯一の修飾は、1x洗浄工程であり、これは、ビオチン標識ヌクレオチド類似体を使用したならば、ストレプトアビジン/フィコエリトリンコンジュゲートの添加前に要した。100μLの1xTMACをそれぞれのウェルに添加し、そしてプレートを3000gで2.0分間遠心分離した。上清をそれぞれのウェルのミクロスフェアペレットから除去し、その結果10−20μL残った。100μLの1:800希釈のストレプトアビジン/フィコエリトリンをそれぞれのサンプルに添加し、そしてLuminex 100で読む前に、55℃で少なくとも5.0分間インキュベートした。
【0096】
ビオチン−11−ddATPヌクレオチド類似体に加えて、UHT伸長プライマーを標識するために使用できる多くの他のヌクレオチドがある。ビオチンコンジュゲート性dNTPの多くは、シグナルの強レベルを有する;例えばビオチン−14−dATPおよびビオチン−6−dATPはまた、低い非特異的シグナルを示す。R6Gコンジュゲート性ddNTPはまた、SPEアッセイのため有用な特徴を有する。これらの構成要素を使用して、SN/PE添加工程の必要性はなく、そして同様に、SA/PE添加の前に洗浄工程を要しない。これは遺伝子型決定手法を能率的にすることができる。ddNTPヌクレオチドを、前記アッセイプロトコルに列挙された濃度で試験し、一方でdNTPヌクレオチドを、10xより高い濃度で試験した(非標識dNTPはまた、10xより濃縮された)。dNTP類似体の組み込みはDNA重合化を終結させないから、多重標識化が起こり、アッセイの感度を増加させることができる。テトラメチルローダミン(TAMRA)、ローダミン、3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニン(CY3)およびローダミン6Green(R6G)は、標的蛍光ヌクレオチドであった。なぜならこれらの放射スペクトルは、Luminexレポーター検出システム要求に、良く適合していたからである。
【0097】
NVMAマーカーのための既知の遺伝子型を有するDNAサンプルを取得した。これらのDNAおよびネガティブPCRコントロールを、NVAM−1およびNVMA−2プライマーで増幅し、それからSAP/ExoIで処理し、これらをLuminex SPEアッセイのために調製した。試験されるそれぞれのヌクレオチド類似体のために、異なるUHTをNVMA−3およびNVMA−4伸長プライマー組み合わせに組み込ませ、これらはSNP遺伝子型PCRサンプルのすべてであった。それぞれの集団は、NVMAマーカーからのあるアリルに特異的であった。この実験の結果は、表3に示す。
【0098】
表3において、表はビオチン−dNTP、蛍光−dNTP、およびビオチン−ddNTP蛍光−ddNTPからなるセクションに分割される。これは、それぞれの明瞭なカテゴリー中の優れたヌクレオチドアナログのより容易な分析を可能とし、どのヌクレオチド類似体およびSPEアッセイアプローチを所定の状況で使用すべきか同定する。
【0099】
2.4.3 96ウェルプレート形式SPE遺伝子型決定
種々の量および濃度を有するDNAのプレートをいかにして同じSPEアッセイで実行するか決定するために、最小DNA精製手法、次いで遺伝的分析プロトコルを実施した。このアプローチは、非常に多数(何十万)のサンプルを加工する効率的なやり方である。NVMAマーカーによってすでに遺伝子型決定されたDNAの96ウェルプレートを取得し、そしてSPEアッセイからの結果を比較した。NVMAクロスからのセグレガント(segregant)のゲノムDNAを含むプレート#P005を、Rogers Seeds, Gilroy, CAから取得した。プレート上のDNNAを、NVMA−1およびNVMA−2プライマーを使用して増幅し、そしてサンプルの全てを、臭化エチジウムゲル上で電気泳動し、PCR産物形成を確認した。サンプルの全てを次いで、PCRプレートから新しいPCRプレートに移し、そしてSAP/ExoI処理した。次にこれらを、ヌクレオチド類似体としてビオチン−11−ddATPを使用するSPEアッセイを使用して、処理した。洗浄工程を、SA/PE添加の前に実施し、過剰の非組み込みビオチン標識されたddNTPを除去した。プレートを次いで、マルチプレックスデータモードを使用するLuminex 100において分析し、そして遺伝子型をそれぞれの特異的ミクロスフェアで取得したシグナルに基づいて割り当てた。蛍光シグナルをプロットした。
【0100】
確認された遺伝子型を、Luminex SPEシステムで取得されたものと比較するとき、データセット間に正確な相関があった。存在する唯一の相違は、LUminex SPEアッセイでサンプルがシグナルを示さないときであった。これはあまり重要でないものであり、96ウェルプレート形式遺伝子型決定をするときに小パーセンテージのサンプル脱落をみることは普通である通りである。また、それぞれのミクロスフェアで取得された蛍光シグナルのグラフ表現から、それぞれの遺伝子型「クラスター」が他から良く広がりつつ、遺伝子型コールは実施するのが容易であることを、観察することが容易であった。
【0101】
SPEおよびASPアッセイの産物は一本鎖であるとき、対応するUHTタグの、産物上へ効率的な捕捉は、ビーズ上のUHTタグで起こる。SPEアッセイアプローチについて、これは容易に達成され、なぜならプライマー伸長反応は、UHT性オリゴヌクレオチドの逆鎖を複製しないからである。しかし、ASPアプローチはまた、UHT性タグにPCR中に起こるDNA重合化を伸張することができる。これは、いくつかのアッセイで弱いシグナルを生じさせることができる。
【0102】
2.5 アリル特異的PCR(ASP)
ミクロスフェアアリル特異的PCR(ASP)アッセイは、アリル特異的PCR反応で使用されるアリル特異的プライマーを標識し、そしてLuminex 100ビーズ上ヘのUHT捕捉を含む。該アッセイは基本的に2つの工程を有する:(1)2つのアリル特異的正PCRプライマーおよびビオチニル化普遍逆PCRプライマーでのアリル特異的PCR(SNP位置のアリル特異的PCRプライマー3’末端)、および(2)UHT DNA分子タグを使用してオリゴヌクレオチドコンジュゲート性ミクロスフェア上ヘPCR産物を捕捉、次いでLuminex 100装置での分析。
【0103】
試験されたヌクレオチド類似体は:ビオチン−7−dATP、ビオチン−14−dATP、ビオチン−14−dCTP、ビオチン−16−dUTP、ビオチン−6−dATP、ビオチン−11−dATP、ビオチン−4−dCTP、ビオチン−11−dCTP、Cy3−dCTP、Cy3−dUTP、Rhod−4−dUTP、TAMRA−6−dUTP、TAMRA−6−dUTP、TAMRA−6−dATPおよびTAMRA−6−dCTPを含んだ。アッセイを以下のように実施した。
【0104】
2.5.1 ミクロスフェアアリル特異的PCRアッセイ
アリル特異的PCRを、3つのプライマーPCR反応として実施した。アリル特異的正プライマーを、0.15μM濃度で使用し、一方普遍逆プライマーは、0.3μMで使用した。ヌクレオチド類似体を、PCR反応物中でそれぞれのdNTPの10%濃度に添加するか、普遍逆プライマーを5’ビオチン標識するかいずれかを含んだ、2つの標識化手法を試験した。2つの標識化手法を試験し、これはヌクレオチド類似体を、10%濃度のそれぞれのdNTPのPCR反応へ添加すること、または普遍逆プライマーを5’ビオチン標識するいずれかを含んだ。PCR反応の残りの構成要素は;20ngのゲノムDNA、1xTaq Goldバッファー、0.2μM dNTP、7.5%のグリセロール、2.0mMのMgCl2および1.0単位のTaq Goldを、25.0μlの総反応体積中に含んだ。サンプルを、PE Applied Biosystems 9700において、93℃酵素活性化工程、次いで30サイクルの93℃−30秒、60℃−30秒、および72℃−30秒で増幅した。熱サイクリングは、72℃工程5.0分間、すぐに次いで、4.0℃維持へ低下と結論付けた。増幅工程に続いて、PCR産物をゲル上で電気泳動し、PCR増幅を確認し、そしてDNAサンプルの正確な遺伝子型を決定した。任意のアリル特異的正プライマーのサンプルを取り除くため、5.0μLのPCR産物を、5.0μLのエキソヌクレアーゼI溶液で以下の組成もので処理した;10mMのTris−Cl(pH、8.0)、1.0単位のエキソヌクレアーゼI、および7.5%のグリセロール。サンプルを37℃45分間、次いで酵素不活性化工程95℃10分間でインキュベートした。ExoI精製したサンプルに、10.0μLのTEバッファー(10mMのTris−Cl、0.1mMのEDTA、pH7.5)を添加し、そしてLuminex Hybridization Assayを直ちにそれらについて実施した。より低い濃度のビオチン含有基質が当初反応混合物中にあるから、ストレプトアビジン/フィコエリトリン添加前の基質洗浄工程は必要なかった。
【0105】
Luminex 100におけるバックグラウンドを超える最良のシグナルを示したヌクレオチドは、ビオチン−11dATPであったが、これは近似的にバックグラウンド量の2倍であった。dATPおよびddATPヌクレオチドの「11」位に付着されたビオチンが、それぞれASPおよびSPEアッセイで最良の結果を示したことが注目されるのが興味深い。ビオチン−11−dATP標識化からのPCR産物は、EtBr染色したゲルにおいて顕著により遅い移入を示し、これは標識化が起こったことを示唆した。
【0106】
プロトコルを最適化するために、幾つかの標準的PCR精製手法をアッセイした(Millipore and Qiagen)、これはエキソヌクレアーゼI処理を使用することが好ましいアプローチであることを実証し、なぜならそれはそれに伴う最低のコストを有し、そして実行が最も容易であったからである。加えて、正アリル特異的PCRプライマーを、マーカー特異的配列からUHTドメインを分離する種々のリンカーを有して再合成した。該リンカーは、PCR反応をUHTドメインに伸張することから防止し、これにより、UHTが一本鎖のままであるのを確保し、そしてミクロスフェア上の相補的UHT DNAへのハイブリダイゼーションを増強する。また、エキソヌクレアーゼIは3’ないし5’エキソヌクレアーゼであるから、一本鎖UHT配列を、もしそれがPCR増幅中に伸長するときのみに切断から保護し、こうしてExoI処理がなお使用できることを確保する。前記実験条件からの結果は、表4Bに要約する。NVMAマーカーのためのPCR増幅を、それぞれのSNP遺伝子型からのDNAおよび示すような種々の構造的特性を有する正アリル特異的PCRプライマーを使用してセットアップした。PCR産物を次いで、それぞれのミクロスフェアがSNP部位からのアリルを表す、2つのオリゴヌクレオチドをコンジュゲートしたミクロスフェアを使用してLuminex ASPアッセイハイブリダイゼーションで試験した。表4Aは、2つの別個の実験で種々の連結スペーサーの利用を比較し、一方で表4BはエキソヌクレアーゼIでPCRサンプルを処理することの利益を示す。
【0107】
結局、ExoI処理によって2−3xにシグナルは増加することを実証し、これは近似的に3分の1ないし2分の1の0.15μMのアリル特異的プライマーが、PCR産物つに変換されたことを示唆する。UHTとマーカー特異的配列の間のスペーサーリンカー(Oligo Etc., and MWG Biotech, high Point, NC)の使用は、取得されたシグナルが劇的に増加させた(表4A)。配列5’―cccccccccccc―3’(配列番号51)を有するC12リンカーを使用し、そしてDSリンカーはまた脱塩基性(abasic)スペーサーとよばれた。DSリンカーは塩基のないホスホルアミダイトであり、そして通常のDNAにおけるものと同様にホスホスジエステ結合を生産するが、それに付随するヌクレオチド塩基を欠く。C12およびDSリンカーは、ASPアッセイで使用されるとき、最良の結果を提供した。C12リンカーがそれに付随する最低のコストを有するから、その後のASPアッセイのためにこれを選択した。
【0108】
代替的標識化の試みを、ASP手法を実施する費用を減少させるために試験した。該アッセイヘの理想的修飾は、PCRで非標識dNTPを使用するが、ビオチン標識した逆PCRプライマーを有することであった。UHT性PCR鎖を直接的には標識しないが、PCR産物の反対の鎖がUHT捕捉工程中にそれにハイブリダイズし、そしてビオチニル化PCRプライマーからビオチン標識された。このアッセイからの結果は、有用なシグナルレベルを実証し(表4B)、そしてアッセイの標識化構成要素のコストを、マグニチュードのオーダーを超えて減少させた。
【0109】
ASPアッセイは、SPEアッセイシステムの代替として有用である。ASPアッセイは、比較的実施に簡単であり、そして非常に低廉な酵素であるExoIでの処理のみの追加的コストを有した。
このアッセイのさらなる代替は、DNAの直接的フィコエリトリン(または他の蛍光標識)標識化であり、ASP手法をさらに単純化する。フィコエリトリンは、非常に大きい蛍光分子(240kd)であり、そして通常は、ビオチン標識とともにストレプトアビジンコンジュゲートと使用される。
【0110】
2.5.2 96ウェルプレートAP遺伝子型決定
逆ビオチニル化PCRプライマーASPシステムを、高処理量遺伝子型決定のために使用した。96ウェルNVMAプレートを使用し、これは種々の濃度および量のDNAサンプルを有する。NVMAクロスからのセグレガント(segregants)のゲノムDNAを含んだプレート#006は、Rogers Seeds, Gilroy, CAから取得した。2つの正プライマーは、NVAマーカーのそれぞれのアリルに特異的であり、そしてビオチニル化普遍逆PCRをまた使用した。熱サイクリングに続いて、PCR産物をExoIで処理し、使用されなかったプライマーを除去した。精製したPCR産物を、それぞれのオリゴヌクレオチドがコンジュゲートしたミクロスフェアとのハイブリダイゼーションによって評価し、それからLuminex 100装置で定量した。結果は次いでプロットし、そして遺伝子型を評価した。
【0111】
PCR増幅およびゲル分析すると、サンプルの顕著なパーセンテージはほとんどまたはまったくPCR産物が存在しなかった。アリル特異的PCRは保存的PCRサイクル数を要し、その結果、バックグラウンド値は、非特異的増幅のためには増加しなかった。よって、ASP手法は、比較的高濃度のPCRサンプルのために好ましい。約90%のDNAサンプルは、正確に遺伝子型決定される能力を有し、残りはシグナルを示さなかった。ASPアッセイを最適化するため、使用されるDNAサンプルを定量し、そして近似的に等量で配置し、適当な量のDNAテンプレートがPCR反応のため利用可能であることを確保した。また、1または2の追加的サイクルを、高DNA濃度のこれらのサンプルに及ぼす有害な影響なく低濃度DNAサンプルを増幅する熱サイクリングプログラムに付加した。
【0112】
2.5.3 単一SNP部位ASPアッセイ評価
ASP方法論で遺伝子型を決定するための個々のSNP部位を使用する研究からの結果を分析し、なぜなら、ほとんどの普通のSNPマーカーは、個体のSNPであるからである。追加的ASPプライマーを設計し、これはたったひとつのSNP部位でNVMAマーカーを遺伝子型決定し得る。NVMAマーカー中のSNP部位の両方を標準的Luminex ASPアッセイとともに試験し、これは両方のSNP部位#1および#2を使用し、そのSNPデータを生成した。ASPサンプルのすべてをLuminex 100装置で読み、そしてデータをプロットした。
【0113】
2.6 マルチプレックスASPおよびSNPアッセイ
本アプローチが育種部位の植物の遺伝的分析を実施するため使用し得るか分析するために、NVMAマーカーを、異なるおよび独特なUHTセットでマーカー特異的配列をタグ化することによって、それ自体についてマルチプレックス化した。PCRプレートからのサンプルを、ハイブリダイゼーションプレートに等分するときに、それぞれのプレートからのサンプルを、プレートを互いのトップ上に層化することによってマルチプレックス化した。DNAプレート#3を、3つの別個の96ウェルプレートに反復プレート化し、そしてNVMAマーカーと増幅した。それぞれの別個のPCRプレートにおいて、独特なDNA分子タグをのくみ合わせを使用し、その結果すべての3つのプレートを、Luminex ASPアッセイのため1つの96ウェルプレートに合わせることができた。これを、3つのPCRプレートのそれぞれからの同じウェルの、5μLのPCRサンプルを、新しい96ウェルプレートのそれぞれのウェルに添加することによって実施した。5マイクロリットルのExoI試薬を添加し、そして通常のようにインキュベートした。ハイブリダイゼーション工程では、6つのミクロスフェア集団を、PCR反応で利用したDNA分子タグに特異的に使用し、そして3xSA/PEをまた添加した。96つのサンプルを次いで、Luminex 100を使用して読み、そしてグラフ化した。
【0114】
NVMA 3Xマルチプレックスアッセイからのすべてのデータ点は、「clustering appearance」においておよびSNP遺伝子型において直接的に比較可能であり、たとえ異なるUHTタグを、別個のアッセイで使用したとしてもである。このマルチプレックスアプローチは、実験室のために高度に有用であることができ、それは、大きいDNAサンプル群上または同じDNAサンプルの反復上の同じSNPマーカーを矛盾なくタイプ化する。
【0115】
SPEアッセイは、より高価であるが、またより頑丈でかつより高いシグナルレベル、および首尾よいSNP遺伝子型のより高いレベルを有するという有利性を有する。本発明の実施態様の主要な利益は、該システムが供するマルチプレックス潜在性である。このアッセイで使用する試薬により、3つの別個のプレートを遺伝子型決定しそしてプレートを別個に読む代わりにLuminex 100読みのためそれらを合わせることが可能である。また、追加的NVMAアッセイは、現在利用可能な3xSNP遺伝子型決定よりもなおより高いマルチプレックス潜在性を可能とすることができることができる。アッセイをマルチプレックス様式で実施するとき、通常はたった一回のSNP分析で使用される、PCR後の消耗品の使用を合併する追加的有利性がある。マルチプレックス化するとき、しかし、酵素および他の試薬、たとえばSA/PEの量を典型的にはスケールアップし、得られたデータのインテグリティを確保する。
【0116】
Luminex 100装置は、20000ミクロスフェア/秒までの発展性を有する。SNPあたり獲得される200つのミクロスフェアでのSNP読みの量は、設計されるアッセイでのマルチプレックス化のレベルに依存して、2ないし100/分の範囲であり得る。こうして、本発明は、40000SNP/日まで、またはアッセイの性質、マルチプレックス化の程度、使用されるミクロスフェアリーダーの数などにより依存して、より多い遺伝子型決定を可能とする。
【0117】
DNA分子タグは、ハイブリダイゼーションに基づくシステムを提供し、溶液からのタグ化オリゴヌクレオチドを捕捉することができる。ここで開示するUHT DNA配列を、マルチプレックスミクロスフェアにコンジュゲートさせ、捕捉されたオリゴヌクレオチドの分析を、装置のフローサイトメーター型において容易化することができる。多くの場合に、ASPアッセイは、手法の容易さおよび低コストのため、SNP遺伝子型決定のために望ましい。ある実施態様では、単一のSNPアッセイを、それ自体の上にマルチプレックス化することができ、その結果2、3、5、またはより多い、SNP遺伝子型のプレートをちょうど1つのプレートで読むことができる。
【0118】
本発明の詳細な説明および前提示実施例の観点から、本発明のいくつかの側面を達成することが理解できる。
本発明は、その原理およびその実施化応用を本発明の分野の当業者に告げるために例示および例のため詳細に記載したことが理解されるべきである。特定の形式および本発明のプロセスは、提示の特定実施態様の記載に限定されないが、むしろ記載および実施例は、続く請求の範囲およびそれらの均等物の見地からみられるべきである。実施例および前記のあるものは、本発明が機能し得るやり方についてのある結論を含む一方、発明者はこれらの結論および機能によって境界付けられることを意図しないが、可能な説明としてのみそれらを置く。
【0119】
示すような本発明の具体的実施態様は、本発明の限定または消尽として意図せず、そして先行実施例および詳細な説明の観点から、多くの代替、修飾および変形が当分野の当業者に明かであることがさらに理解されるものとする。よって本発明は、以下の請求の範囲および精神内のそのような代替、修飾および変形はすべて含むことを意図する。
【0120】
表4A
【表4】
【0121】
表4B
【表5】
Claims (35)
- ポリヌクレオチド発現を決定する方法であって:
(a)ポリヌクレオチドが3’末端および5’末端を有する、少なくとも1の標的ポリヌクレオチドを提供する;
(b)第一オリゴヌクレオチドプライマーを提供し、ここで当該第一プライマーの一部は、当該標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズできる;
(c)当該標的ポリヌクレオチドの逆転写によって第一鎖cDNAを取得し、当該第一鎖cDNAは5’末端および3’末端を有し、ここで当該第一鎖cDNAの当該5’末端は当該第一オリゴヌクレオチドプライマーに対応する配列を含み、かつ、当該第一鎖cDNAの当該3’末端は、当該標的ポリヌクレオチドの5’末端を超えて伸長し、一本鎖伸長物を提供する、少なくとも1ヌクレオチドを含む;
(d)第二オリゴヌクレオチドプライマーを提供し、ここで当該第二オリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも一部は、当該一本鎖伸長物にハイブリダイズすることができる;
(e)当該第二オリゴヌクレオチドプライマーを使用して、当該第一鎖cDNAを伸張させ、テンプレートとして供し、当該第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび当該第二オリゴヌクレオチドプライマーに相補的な領域を含む伸長された第一鎖cDNAを生産する;
(f)少なくとも1の検出可能標識の存在下で、当該伸長された第一鎖cDNAを増幅し、増幅されたcDNAを生産し、その結果当該増幅されたcDNAは当該少なくとも1の検出可能標識を含む;
(g)当該増幅されたcDNAを消化して消化されたcDNAを生産する;
(h)当該消化されたcDNAを、固体粒子にカップリングされた捕捉プローブに、ストリンジェント条件下でハイブリダイズさせ、ここで当該捕捉プローブは、当該標的ポリヌクレオチドに特異的であり、かつ、当該粒子が当該捕捉プローブを同定する;そして
(i)当該消化されたcDNAが当該捕捉プローブにハイブリダイズしたか決定し、それによって当該標的ポリヌクレオチドを同定する;
ことを含む方法。 - 当該粒子が蛍光粒子である、請求項1の方法。
- 当該蛍光粒子が蛍光ミクロビーズである、請求項2の方法。
- 請求項2または3の方法であって、当該蛍光粒子が蛍光粒子の複数の群を含み、該粒子のそれぞれの群が独特な蛍光サインを有し、かつ、単一の標的ポリヌクレオチドに特異的な捕捉プローブを含む、方法。
- 当該蛍光粒子がミクロビーズである、請求項4の方法。
- 請求項5の方法であって、当該消化されたcDNAが当該捕捉プローブにハイブリダイズしたか決定し、それによって当該標的ポリヌクレオチドを同定することが、フローサイトメトリーによって達成される方法。
- 多重捕捉プローブが、当該標的ポリヌクレオチド上の異なる位置の該同じ標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする請求項6の方法。
- 当該第一オリゴヌクレオチドプライマーが、配列ny(t)xvnを含む、請求項7の方法であって、ここでxが4と50の間の整数あり、かつyが10と50の間の整数である、方法。
- 当該第二オリゴヌクレオチドプライマーが配列ny(g)xを含む、請求項8の方法であって、ここでyが10と50の間の整数であり、かつxが1と6の間の整数である、方法。
- 当該第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび当該第二オリゴヌクレオチドプライマーが制限部位を含む、請求項9の方法。
- 試験対象の疾患、状態、障害または素因を診断する方法であって:(a)試験対象におけるポリヌクレオチド発現を、請求項1ないし10のいずれかの方法によって決定すること;(b)当該疾患、状態、障害または素因を有することが既知の参照対象におけるポリヌクレオチド発現を、(a)の方法によって決定すること;および(c)当該試験対象におけるポリヌクレオチド発現を、当該参照対象におけるポリヌクレオチド発現と比較すること;を含む方法。
- 細胞または組織の生理学的状態を決定する方法であって:(a)試験細胞または組織におけるポリヌクレオチド発現を、請求項1ないし10のいずれかの方法によって決定すること;(b)既知の生理学的状態の参照細胞または組織におけるポリヌクレオチド発現を、(a)の方法によって決定すること;および(c)当該試験細胞または組織におけるポリヌクレオチド発現を、当該参照細胞または組織におけるポリヌクレオチド発現と比較すること;を含む方法。
- 単一ヌクレオチド多型を決定する方法であって:
(a)少なくとも1対のプライマー対を提供すること、ここで当該プライマー対は、逆プライマーおよび、目的の単一ヌクレオチド多型のアリルに特異的な3’末端および該プライマーを同定するハイブリダイゼーションタグを含む正プライマーを含み、当該ハイブリダイゼーションタグは目的の当該単一ヌクレオチド多型を含む配列に相補的ではない;
(b)当該少なくとも1対のプライマー対を、一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと、当該プライマーの、当該一本鎖ポリヌクレオチド中の相補的配列ヘのハイブリダイゼーションを可能とするストリンジェント条件下で合わせること;
(c)ハイブリダイズしたプライマーを、プライマー伸長によって伸長させ、伸長産物を生産すること、ここで当該伸長産物は、当該ハイブリダイゼーションタグと検出可能標識を含む;
(d)当該伸長産物を、当該ハイブリダイゼーションタグまたはその相補物によって、ストリンジェント条件下で、捕捉プローブにハイブリダイズさせること、ここで当該捕捉プローブは粒子にカップリングされ、当該粒子が当該捕捉プローブを同定する;
(e)当該伸長産物の、当該捕捉プローブへのハイブリダイゼーションを、当該検出可能標識の存在によって検出すること;および
(f)当該単一ヌクレオチド多型の同一性を、当該粒子の同一性に基づいて決定すること;
を含む方法。 - 当該逆プライマーが当該検出可能標識を含む、請求項13の方法。
- 当該逆プライマー対が普遍逆プライマーである、請求項14の方法。
- (c)が少なくとも1回反復される、請求項13の方法。
- 当該少なくとも1対のプライマー対が、複数の単一ヌクレオチド多型に特異的な複数のプラマー対を含む、請求項13の方法。
- 当該検出が、フローサイトメトリーによるものである、請求項13の方法。
- 対象の疾患、状態、障害または素因を診断する方法であって、当該対象からポリヌクレオチドを含む生物学的サンプルを取得し、そして当該ポリヌクレオチドを分析し、請求項13−18のいずれかの方法によって単一ヌクレオチド多型の存在または不存在を検出することを含む方法;ここで当該単一ヌクレオチド多型が、疾患、状態、障害または素因と連関する。
- 単一ヌクレオチド多型を検出する方法であって:
(a)プライマーを同定するハイブリダイゼーションタグを含む少なくとも1のオリゴヌクレオチドプライマーを提供すること、ここで当該プライマーは、目的の単一ヌクレオチド多型に特異的な3’末端を有する;
(b)当該少なくとも1のプライマーを、一本鎖ポリヌクレオチドを含むサンプルと、当該プライマーの、当該一本鎖ポリヌクレオチド中の相補的配列へのハイブリダイゼーションを可能とするストリンジェント条件下で合わせること;
(c)ハイブリダイズしたプライマーを、プライマー伸長によって伸長させ、伸長産物を生産すること、ここで当該伸長産物は当該ハイブリダイゼーションタグおよび検出可能標識を含む;
(d)当該伸長産物を当該ハイブリダイゼーションタグによって、ストリンジェント条件下で、捕捉プローブにハイブリダイズさせること、ここで当該捕捉プローブは、当該捕捉プローブを同定する粒子にカップリングされる;
(e)当該伸長産物の、当該捕捉プローブヘのハイブリダイゼーションを、当該検出可能標識を使用して検出すること;および
(f)当該単一ヌクレオチド多型を、当該粒子の同一性に基づいて決定すること;
を含む方法。 - 当該少なくとも1のプライマーが、異なる単一ヌクレオチド多型にそれぞれ特異的な複数のプライマーを含む、請求項20の方法。
- 当該少なくとも1のプライマーが、少なくとも2のプライマーの群を含む、請求項20の方法であって、当該群中のそれぞれのプライマーが、目的の単一ヌクレオチド多型の異なるアリルに特異的な3’末端を有する、方法。
- 複数の当該プライマー群のそれぞれが、異なる、目的の単一ヌクレオチド多型に特異的であることをさらに含む、請求項22の方法。
- 当該プライマーの3’末端が、目的の単一ヌクレオチド多型の位置にすぐ隣接する、請求項20の方法。
- 当該プライマー伸長が、単一塩基プライマー伸長物である、請求項24の方法。
- 当該単一塩基伸長が、単一の型のヌクレオシド三リン酸のみを使用することによって達成される、請求項25の方法。
- 当該単一塩基伸長が、少なくとも1の鎖終結ヌクレオシド三リン酸を使用することによって達成される請求項25の方法。
- 当該鎖終結ヌクレオチド三リン酸がジデオキシヌクレオシド三リン酸である、請求項27の方法。
- 当該単一塩基伸長が、それぞれ独特な標識を含む複数の鎖終結ヌクレオシド三リン酸を使用することによって達成される、請求項25の方法。
- 当該鎖終結ヌクレオチド三リン酸がジデオキシヌクレオシド三リン酸である、請求項29の方法。
- 対象の疾患、状態、障害または素因を診断する方法であって、当該対象からのポリヌクレオチドを含む生物学的サンプルを取得すること、および当該ポリヌクレオチドを分析し、請求項20−30のいずれかの方法によって単一ヌクレオチド多型の存在または不存在を検出すること、を含む方法;ここで当該単一ヌクレオチド多型は、疾患、状態、障害または素因と連関する。
- ハイブリダイゼーションタグを選択する方法であって:約10ないし約30ヌクレオチド長の間の非コード配列を同定すること、ここで当該配列がヘアピン構造および二重らせん形成能を欠く;約40%ないし約50%の間のGC含量および、2℃を超えないで変わるTmを有するこれらの配列を同定すること;およびそのような配列をハイブリダイゼーションタグとして選択することを含む方法。
- 請求項32の方法によって生産されるハイブリダイゼーションタグ。
- 配列番号3、4、5、6、9、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、24、25、26、28、29、30、31、32、36、38、40、41、42、43、および45からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む普遍ハイブリダイゼーションタグ。
- 配列番号3、4、5、6、9、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、24、25、26、28、29、30、31、32、36、38、40
、41、42、43、および45からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなる普遍ハイブリダイゼーションタグ。
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