JP2009168913A - 膜パターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、現像液と剥離液との溶質を同一材料とすることを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、基板上に水溶性の感光性樹脂を形成する工程と、感光性樹脂を露光する工程と、感光性樹脂を現像液を用いて現像する現像工程と、現像工程の後に基板上に残った感光性樹脂を剥離液を用いて剥離する剥離工程と、膜パターンの材料を堆積する堆積工程と、を有する膜パターンの形成方法であって、剥離液と現像液とが同一の溶質からなり、剥離液の溶質の濃度が、現像液の溶質の濃度よりも高いことを特徴とする膜パターンの形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、膜パターンの形成方法に関する。
フォトリソグラフィーにおけるパターン形成方法は、主にエッチング法とリフトオフ法に大別できる。エッチング法は、基材にあらかじめ素子・回路材料となる膜を成膜し、その上にレジスト等を用いてパターニングを行い、マスクを形成し、不要部分をマスクを介してエッチングによって除去し、その後にレジストを除去して目的の素子・回路を形成する方法である。エッチングにはドライエッチングとウエットエッチングがあり、それぞれ好適に選択されている。
これに対し、リフトオフ法は、基材に形成され、パターニングされたレジスト上に素子・回路材料となる膜を成膜し、その後、レジスト上の不要部分をレジストとともに除去する方法である。
両形成方法ともに、メリットとデメリットがあるが、精度的にはエッチング法が有効であり、コストではリフトオフ法が有効である。
ポジ型レジストとネガ型レジストのいずれのタイプのレジストを用いてもリフトオフ法及びエッチング法を行うことは可能である。
ポジ型レジストは、露光部が溶解して未露光部のパターンを残す材料である。ネガ型レジストは、露光部を硬化させ、露光部のパターンを残す材料である。レジストをパターニングする際には現像液、不要レジストを除去する際には剥離液を用いるが、一般的には現像液と剥離液は同一組成ではない。
一般的に使用されているポジ型レジストは、DNQ(ジアゾナフトキノン)−ノボラック樹脂を用いている。
まず、DNQの現像メカニズムについて説明する。露光部は窒素が排出されてケトカルベンを経由してケテンを生成する。このケテンはノボラック樹脂が持っている水と反応して3−インデンカルボン酸に変化する。このインデンカルボン酸はアルカリ水溶液に溶解し、ノボラック樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を促進する。一方、DNQは疎水性であり、これがノボラック樹脂に添加されるとアルカリ性に対する溶解性を抑制する。この溶解性の差、溶解抑制から溶解促進の変化によりポジ型のパターンを得ることができる。
この基本概念は、化学増幅型系レジストにも応用できる。
次に、DNQの剥離メカニズムについて説明する。未露光部は疎水性であり、アルカリ可溶性がないため、DNQ−ノボラック樹脂を溶解させることのできる有機系溶剤を主成分とした溶液を用いることが必要である。このため、ポジ型レジストは現像液と剥離液は同一の材料で行うことはできない。
一方ネガ型レジストは、環化ゴム−ビスアジド系レジストを用いて説明する。
環化ゴムに芳香族ビスアジド感光剤を混合して露光すると、架橋反応が起こる。この架橋はある一定上の露光量で不溶性3次元網目構造を形成して有機溶媒に溶けにくくなり、ネガ型レジストとなる。硬化部(露光部)と非硬化部(未露光部)は、有機溶剤に対する溶解抑制部のパターンを得ることができる。剥離は、硬化部をより溶解させる極性の強い有機溶剤を用いることで、剥離することが可能となる。ネガ型レジストの場合も現像液と剥離液を同一の材料で行うことは難しい。
本発明は、基板上に水溶性の感光性樹脂を形成する工程と、感光性樹脂を露光する工程と、感光性樹脂を現像液を用いて現像する現像工程と、現像工程の後に基板上に残った感光性樹脂を剥離液を用いて剥離する剥離工程と、膜パターンの材料を堆積する堆積工程と、を有する膜パターンの形成方法であって、
剥離液と現像液とが同一の溶質からなり、剥離液の溶質の濃度が、現像液の溶質の濃度よりも高いことを特徴とする膜パターンの形成方法である
本発明によれば、現像液と剥離液とを同一組成物とすることができる。
本発明は、現像液と剥離液とを用いた感光性樹脂の現像方法で、剥離液と、現像液と、が同一の溶質からなり、剥離液の溶質の濃度が、現像液の溶質の濃度よりも高いことを特徴とする膜パターンの形成方法である。
更に、感光性樹脂が、ネガ型のレジストで、イオン交換可能なカルボン酸基を有することが好ましく、アクリル酸基を有することが更に好ましい。
また、現像液と剥離液とが、アルカリ水溶液であることが好ましく、アルカリ水溶液が、水酸化テトラメチルアンモニウムハイドラド(TMAH)であることが更に好ましい。
TMAH溶液の濃度は、現像液のTMAH濃度は、0.238%以下が好ましい。剥離液のTMAH濃度は、1.5%以上であることが好ましい。
以下、本発明を説明する。
(1)感光性樹脂材料
本発明で使用する樹脂膜形成材料としては、感光性樹脂を用いることができる。使用する感光性樹脂は、水溶性の感光性樹脂であることが好ましい。水溶性の感光性樹脂とは、後述する現像工程における現像を、水が50重量%以上含む現像剤で行うことができる感光性樹脂をいう。
感光性樹脂としては、樹脂構造中に感光基を有するタイプのものであっても、樹脂に感光剤が混合されたタイプのものでもよい。いずれのタイプの感光性樹脂成分においても、光反応開始剤や光反応禁止剤を適宜混合しておくことで使用することができる。
また、現像液に可溶な感光性樹脂塗膜が光照射によって現像液に不溶化するタイプ(ネガタイプ)であっても、現像液に不溶な感光性樹脂塗膜が光照射によって現像液に可溶化するタイプ(ポジタイプ)であってもよい。
本発明では、水溶性の感光性樹脂として、イオン交換可能な樹脂を用いることが好ましい。特に、イオン交換基を有する樹脂で、とりわけ、形状の整ったパターンを形成しやすいことから、カルボン酸基を有するものが好ましい。水溶性の感光性樹脂を用いることにより、良好な作業環境を維持しやすくなる。
この水溶性の感光性樹脂の組成として、ポリマー成分、モノマー成分、架橋剤、界面活性剤、安定剤等で構成される。現像液としては、水の含有率が70重量%以上の現像剤で現像できるものが好ましい。さらに好ましくは、水の含有率が90重量%以上の現像剤で現像できるものが好ましい。
(2)露光・現像・剥離工程
感光性樹脂の塗布工程、乾燥工程、露光工程と、露光されたレジストを現像する現像工程と、現像工程後に基板上に残ったレジストを剥離する剥離工程について説明する。
塗布工程は、膜パターンを形成すべき基板上に前述の感光性樹脂を塗布する工程である。この塗布は、各種印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷など)、スピンナー法、ディッピング法、スプレー法、スタンプ法、ローリング法、スリットコーター法、インクジェット法などを用いて行うことができる。
乾燥工程は、上記塗布工程において基板上に塗布した感光性樹脂塗膜中の溶媒を揮発させて塗膜を乾燥する工程である。この塗膜の乾燥は、室温で行うこともできるが、乾燥時間を短縮するために加熱下で行うことが好ましい。加熱乾燥は、例えば無風オーブン、乾燥機、ホットプレートなどを用いて行うことができる。塗布する電極・配線形成用組成物の配合や塗布量などによっても相違するが、一般的には50〜120℃の温度下に1〜30分間置くことで行うことができる。
露光工程は、上記乾燥工程において乾燥された基板上の感光性樹脂膜を、所定のパターン、即ち、製造される膜のパターン(例えば所定の電極や配線の形状)に応じて露光する工程である。光照射領域と非照射領域の選択は通常のフォトレジストによるマスク形成における手法と同様にして行うことができる。
現像工程は、上記露光工程で露光された感光性樹脂膜について、樹脂膜の残すべき領域以外の領域を除去する工程である。本発明のネガタイプの場合、光照射を受けていない感光性樹脂膜は現像液に可溶で、光照射を受けた露光部の感光性樹脂膜が現像液に不溶化するので、現像液に不溶化していない非光照射部の感光性樹脂膜を現像液で溶解除去することで現像を行うことができる。
現像液としては、純水でも可能である。しかしながら、従来の現像時間と同等の時間で現像が完了することが好ましいので、アルカリ水溶液、好ましくは有機アルカリ水溶液であり、より好ましくはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウムハイドラド)を用いることが好ましい。
現像液としてTMAHを用いた場合、現像時のTMAH濃度は、現像時に感光性樹脂膜の剥がれ、及び、パターンの精度の劣化が無く、且つ、従来の現像時間と同等の時間で現像が完了することが好ましい。
剥離工程は、現像後に、基板上に残った感光性樹脂膜を除去(剥離)する工程であり、露光によって硬化したレジストとこのレジスト上に堆積した膜を剥離する工程である。剥離液も現像液と同様に、アルカリ水溶液、好ましくは有機アルカリ水溶液であり、より好ましくはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウムハイドラド)である。
現像後に、基板上に残った感光性樹脂膜は硬化しているため、現像液と同じ濃度では、剥離することができない、あるいは、剥離可能であっても、剥離に長時間かかるため、現像液よりも濃度の濃い溶液を使用する。TMAHの濃度は、レジスト組成と露光、現像の組み合わせで最適値が適宜決められる。
剥離方法は、ディップ法、パドル法、のほかに超音波洗浄機を用いた方法や、機械的なブラシ法等も用いることができる。ただし、膜パターンにダメージを与えないことが必要である。
(3)膜パターンの形成方法
膜パターンの形成を、エッチング法を用いる場合と、リフトオフ法を用いる場合と、について説明する。
エッチング法を用いる場合は、感光性樹脂を塗布する前に、堆積膜を形成し、その後、感光性樹脂を塗布し、露光・現像後、感光性樹脂膜をマスクとして堆積膜のエッチングが行われ膜パターンが形成される。
リフトオフ法を用いる場合、現像が終了した後、基板上に形成された感光性樹脂膜の現像により除去された領域に形成したい堆積膜を、基板全面に堆積すればよい。膜堆積工程は、一般的に用いられる蒸着法、スパッタ法、CVD法等方法は問わず用いることができる。基板上に残る感光性樹脂パターンの断面形状は、逆テーパー形状であることが好ましい。感光性樹脂パターンを逆テーパー状にするのはネガ型の感光性樹脂を用いた方が形成し易いので、リフトオフ法を用いる場合はネガ型の感光性樹脂を用いることが好ましい。
一方、エッチング法に異方性ドライエッチング法を用いる場合、感光性樹脂パターンの断面の形状が逆テーパー状であると、感光性樹脂パターンの陰になる部分のエッチングができなくなるので、感光性樹脂の断面形状は順テーパー形状であることが好ましい。感光性樹脂パターンの断面形状を順テーパー形状にするためには、ポジ型の感光性樹脂を用いることが好ましい。
(実施例)
(実施例1)
ガラス製の基板(75mm×75mm×厚さ2.8mm)上にネガ型の感光性樹脂(メタクリル酸−メチルメタクリル酸―エチルアクリレート−n−ブチルアクロレート−アゾビスイソブチロニトリル重合体)をスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートにて100℃で10分間乾燥した。メタクリル酸−メチルメタクリル酸―エチルアクリレート−n−ブチルアクロレート−アゾビスイソブチロニトリル重合体は、カルボン酸基を有する樹脂である。
次いで、フォトマスクを用いて感光性樹脂の塗膜のパターンを形成する領域を、超高圧水銀ランプ(照度=8mW/cm2)にて露光し、TMAHを用いてパドル法で40秒間現像を行った。
TMAHの濃度と、現像状態を表1に示す。
Figure 2009168913
現像状態の評価は、
○:問題なく現像できた
△:パターンの精度が悪くなった(一部樹脂パターンの欠損がある)
×:未露光部の樹脂パターンも剥がれてしまった
とした。
(実施例2)
実施例1の方法を用いて、樹脂パターンを形成した基板上にプラズマ−CVD法を用い、シリコン酸化膜を100nm堆積した。
次いでTMAHを用い、超音波法にて2分間処理してレジストを剥離した。
TMAHの濃度と、剥離状態を表1に示す。
Figure 2009168913
剥離状態の評価は、
○:残渣が残らずに剥離できた
△:残渣が残っていた
×:樹脂パターンがほとんどそのまま残っていた
とした。
表1及び2の結果から、現像液のTMAH濃度は、0.238%以下が好ましい。剥離液のTMAH濃度は、1.5%以上であることが好ましい。
水溶性の感光性樹脂であるので、TMAH濃度が0%であっても現像は可能であるが、現像時間の点で、0.119%以上であることが好ましく、パターンの精度の点から、0.238%以下であることが好ましい。
剥離の際のTMAH濃度は、残渣の点から、1.5%以上であることが好ましく、下地等の影響を考慮すると4%以下であることが好ましい。
なお、表1及び2に記載した濃度と現像状態、剥離状態は、感光性樹脂の種類、現像液の溶質、剥離液の溶質により変わり得る。
問題なく現像を行える現像液の濃度の上限よりも残渣が残らずに剥離できる剥離液の濃度の下限の方が高くなるような感光性樹脂、現像液、剥離液を選択すれば、本発明を適用することが出来る。

Claims (8)

  1. 基板上に水溶性の感光性樹脂を形成する工程と、前記感光性樹脂を露光する工程と、前記感光性樹脂を現像液を用いて現像する現像工程と、前記現像工程の後に前記基板上に残った前記感光性樹脂を剥離液を用いて剥離する剥離工程と、膜パターンの材料を堆積する堆積工程と、を有する膜パターンの形成方法であって、
    前記剥離液と前記現像液とが同一の溶質からなり、前記剥離液の溶質の濃度が、前記現像液の溶質の濃度よりも高いことを特徴とする膜パターンの形成方法。
  2. 前記感光性樹脂が、ネガ型のレジストであることを特徴とする請求項1記載の膜パターンの形成方法。
  3. 前記ネガ型のレジストが、イオン交換可能なカルボン酸基を有することを特徴とする請求項2に記載の膜パターンの形成方法。
  4. 前記ネガ型のレジストが、アクリル酸基を有することを特徴とする請求項3に記載の膜パターンの形成方法。
  5. 前記現像液と前記剥離液とが、アルカリ水溶液であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の膜パターンの形成方法。
  6. 前記アルカリ水溶液が、水酸化テトラメチルアンモニウムハイドラド(TMAH)であることを特徴とする請求項5に記載の膜パターンの形成方法。
  7. 前記現像工程の後に、前記堆積工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の膜パターンの形成方法。
  8. 前記感光性樹脂を形成する工程の前に、前記堆積工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の膜パターンの形成方法。
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