JP2009157702A - 基準電源装置及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンドギャップ不良に起因した不具合が生じてもバンドギャップ基準電圧を供給することができる基準電源装置を提供する。
【解決手段】ンドギャップ基準電圧を生成するバンドギャップ基準回路2a,2bと、バンドギャップ基準回路2a,2bの動作状態に応じてバンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路の切り替えを制御する制御装置3とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体集積回路内にバンドギャップ基準電圧を供給する基準電源装置及びそのバックアップ回路の切り替えを制御する制御装置に関するものである。
半導体集積回路(以下、ICと略称する)において正確な信号の生成を行う必要がある場合、基準電圧発生器をIC内に設ける。Si−Geプロセスの場合、バイポーラ素子を使うことができるため、基準電圧としてはバンドギャップ基準電圧を用いるのが一般的である。バンドギャップ基準電圧を発生するバンドギャップ基準回路としては、例えば非特許文献1及び非特許文献2に開示されるものがある。
図5は、非特許文献1のバンドギャップ基準回路を示す回路図であり、図6は、非特許文献2のバンドギャップ基準回路を示す回路図である。図5において、NMOSトランジスタQ1,Q2のベース電流を無視し、コレクタ電流がベース−エミッタ間電圧vbeのみに依存して、exp(vbe/vT)に比例するとすれば、バンドギャップ基準回路100Aでは、基準電圧vrefが下記式(1)で表すことができる。但し、nはNMOSトランジスタQ1,Q2の素子サイズ比或いは素子数の比であり、vTは熱電圧である。
ref=vTln(n) ・・・(1)
図6において、同様に、NMOSトランジスタQ1〜Q4のベース電流を無視し、コレクタ電流がベース−エミッタ間電圧vbeのみに依存して、exp(vbe/vT)に比例するとすれば、バンドギャップ基準回路100Bでは、基準電圧vrefが下記式(2)で表される。但し、mはNMOSトランジスタQ4,Q3の素子サイズ比或いは素子数の比である。
ref=vTln(nm) ・・・(2)
なお、熱電圧vTは、ボルツマン定数k、電子の電荷e、絶対温度TによってkT/eで表される。これにより、バンドギャップ基準回路100A,100Bのいずれにおいても、プロセスばらつきや電源電圧に依存せず、絶対温度Tに比例した電圧(PTAT:Proportional To Absolute Temperature)が得られる。
また、バンドギャップ基準回路100A,100Bにおいて、基準電流値は、基準抵抗R1の値によりvT/R1で決定できる。この基準電流をIC内の各回路に供給して基準抵抗R1と温度特性が等しい抵抗に流すことにより、端子間に生じる電位差も温度のみに依存し、抵抗の比から正確に計算することができる。一般的に基準電流はカレントミラー回路M1を基準として各回路に供給される。以降の説明では、カレントミラー回路M1を構成するPMOSトランジスタのゲート電圧を基準電源の出力電圧voutと考えることにする。
バンドギャップ基準回路100Aでは、NMOSトランジスタQ1,Q2に流れる電流I1,I2の比をカレントミラー回路M1,M2で固定する必要がある。つまり、カレントミラー回路M1,M2がなければ、電流I1,I2が下記式(3)の関係になるのに対し、カレントミラー回路M1,M2によって下記式(4)の束縛条件が与えられる。
2=(1/n)exp(RI1/vT)I1 ・・・(3)
1=I2 ・・・(4)
なお、上記式(3)及び上記式(4)の関係においても、NMOSトランジスタQ1,Q2に電流I1,I2が流れない解も存在する。このため、バンドギャップ基準回路100Aを確実に動作させるには、回路100Aへ強制的に起動電流を供給するスタートアップ回路が必要である。
一方、バンドギャップ基準回路100Bは、NMOSトランジスタQ1,Q2に流れる電流I1,I2が互いに独立であり、電流I1,I2に対して上記式(4)のような束縛条件が必要ない。このため、電流I1,I2が流れない解がなく、スタートアップ回路が不要である。
P.R.グレイ、R.G.メイヤー著、「超LSIのためのアナログ集積回路設計技術」、培風館、1990年12月 G. C. M. Meijer, P. C. Schmale and K.van Zalinge, "A New Curvature-Corrected Bandgap Reference" IEEE J. Solid-State Circuits,Vol. SC-178, pp.609-613,1982
現状のSi−Geプロセスでは、バイポーラ素子の形成過程でSi基板へのGeの打ち込みが行われ、この過程でバイポーラ素子中には有意な確率で格子欠陥が生じる。この格子欠陥の結果、コレクタ−エミッタ間に電位差があると漏洩電流が生じる。
特に、バンドギャップ基準回路100Aのようにスタートアップ回路を必要とする構成のバンドギャップでは、漏洩電流が生じると上記式(3)及び上記式(4)において電流I1,I2が流れない状態の方がより安定になる。この場合、バンドギャップ基準回路100Aの動作が停止する。IC内の各回路には、バンドギャップ基準回路で発生した基準電圧に基づいて電流が供給されるため、バンドギャップに異常動作が起きるとIC全体が機能しなくなる。
なお、Si−Geプロセスの改善により格子欠陥の生じる確率は下げられるが、格子欠陥が全く生じないように制御することは現状では難しい。また、デバイスに流れる電流量を増やせば、漏洩電流の影響を抑えることはできるが、定常的に消費電流が増えることになり、トランジスタの電流密度が上がるので限界もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、バンドギャップ基準回路のバックアップ回路を備えることにより、バンドギャップ不良に起因した不具合が生じてもバンドギャップ基準電圧を供給することができる基準電源装置、及びバックアップ回路の切り替えを制御する制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る基準電源装置は、バンドギャップ基準電圧を生成する複数のバンドギャップ基準回路と、バンドギャップ基準回路の動作状態に応じてバンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路の切り替えを制御する制御装置とを備えるものである。
この発明によれば、バンドギャップ基準回路をバックアップ回路として設け、バンドギャップ基準回路の動作状態に応じてバンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路を切り替えるので、バンドギャップ不良に起因した不具合が生じても、バンドギャップ基準電圧を供給できるという効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による基準電源装置の構成を示す回路図である。図1において、実施の形態1による基準電源装置1は、2つのバンドギャップ基準回路2a,2b、バンドギャップ基準回路2a,2bの切り替えを制御する制御装置3を有する。バンドギャップ基準回路2aの出力Voutは、カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのゲートに接続している。また、カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのゲートには、スイッチSW1の一端が接続されている上、スイッチSW1によってPMOSトランジスタP1のゲートとの接続が開閉される。
カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのソースは、電源ノードに接続されており、ドレインは制御装置3の入力に接続している。制御装置3の出力は、スイッチSW1及びNOT回路4の入力に接続している。スイッチSW1は、制御装置3の出力値に応じて開閉する。一方、NOT回路4の出力は、バンドギャップ基準回路2b及びスイッチSW2に接続しており、スイッチSW2は、NOT回路4の出力値に応じて開閉する。また、バンドギャップ基準回路2bの出力端子Voutは、スイッチSW2の一端に接続しており、PMOSトランジスタP1のゲートとの接続が開閉される。
PMOSトランジスタP1,P2は、ソースが電源ノードに接続しており、ゲートが出力端子Vout、スイッチSW1,SW2に接続している。バンドギャップ基準回路2a,2bは、例えば図5で示した構成の回路を用いることができ、PMOSトランジスタP1,P2は、カレントミラー回路M1,M2のPMOSトランジスタを流れる電流をミラーリングする。
次に動作について説明する。
バンドギャップ基準回路2aから出力された基準電圧がカレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのゲートに印加されると、ドレインを介して基準電流が制御装置3に入力される。つまり、カレントミラー回路M3によりバンドギャップ基準回路2aの出力電圧が基準電流に変換される。
制御装置3は、カレントミラー回路M3からの電流を検知して、バンドギャップ基準回路2aが動作していると判定すると、論理値1の出力信号をスイッチSW1及びNOT回路4に出力する。これにより、スイッチSW1は閉状態となり、バンドギャップ基準回路2aとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとが接続される。
NOT回路4は、制御装置3から論理値1の信号を入力すると、これを反転させて論理値0の信号をバンドギャップ基準回路2b及びスイッチSW2に出力する。論理値0の出力信号が入力されている間、バンドギャップ基準回路2bは動作を停止する。また、スイッチSW2は開状態となり、バンドギャップ基準回路2bとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとの接続が遮断される。
このようにして、基準電源装置1は、バンドギャップ基準回路2aからの基準電圧を出力する。このため、基準電源装置1を搭載したICは、内部の回路へ供給する電流値を、バンドギャップ基準回路2aからの基準電圧に基づいて決定する。
一方、制御装置3は、カレントミラー回路M3から電流が殆ど流れなくなり、バンドギャップ基準回路2aが正常に動作していないと判定すると、論理値0の信号を出力する。これにより、スイッチSW1は開状態となり、バンドギャップ基準回路2aとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとの接続が遮断される。
また、NOT回路4は、制御装置3から論理値0の信号を入力すると、これを反転させて論理値1の信号をバンドギャップ基準回路2b及びスイッチSW2に出力する。論理値1の出力信号が入力されると、バンドギャップ基準回路2bは起動する。また、スイッチSW2は閉状態となり、バンドギャップ基準回路2bとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとが接続される。
このようにして、基準電源装置1は、バンドギャップ基準回路2bからの基準電圧を出力する。このため、基準電源装置1を搭載したICは、内部の回路へ供給する電流値を、バンドギャップ基準回路2bからの基準電圧に基づいて決定する。
なお、バンドギャップ基準回路2bを常に起動させておき、スイッチSW1,SW2の開閉制御のみで、バンドギャップ基準回路2a,2bの切り替えを行うように構成しても構わない。
(1)バンドギャップ基準回路の構成
また、バンドギャップ基準回路2aが正常に動作していない場合、バンドギャップ基準回路2aの出力値に応じてカレントミラー回路M3からの電流が殆ど流れない状態になる方が判定が容易である。具体的には、図5に示した構成であれば、不具合時に電流の流れない解が安定化し、カレントミラー回路M3からの電流が殆ど流れない。このとき、制御装置3は、カレントミラー回路M3から電流が流れてこないことを契機に論理値0の信号を出力する。これにより、上述のようにしてバンドギャップ基準回路2bへの切り替えが実行される。
一方、図6に示した構成では、NMOSトランジスタQ1,Q2を流れる電流I1,I2が独立である。このため、トランジスタ不良が起きた場合であっても、ある程度の電流が流れてしまい、制御装置3での判定が難しくなる。そこで、図2に示すように、図6中の抵抗R2の代わりにカレントミラー回路M2を設けて電流I1,I2の比を固定する。この場合、図2に示す回路のトランジスタモデルをさらに詳細なものに置き換えてシミュレーションを行うと、上記式(3)のように電流I1,I2の間に非線形な関係があることが認められる。
これにより、カレントミラー回路M1,M2で上記式(4)の束縛条件を与えると、バンドギャップ基準回路2a,2bは、電流I1,I2の流れる状態と流れない状態を解として持つようになる。この構成では、スタートアップ回路を設けることにより、通常動作時には電流の流れる解を安定化させられ、バンドギャップ不良の場合には電流の無い解が安定する。
(2)制御装置の構成
また、バンドギャップ基準回路のバンドギャップ不良を電流の有無で判定する制御装置3の構成としては、例えば図3に示すものが考えられる。図3に示す制御装置3は、カレントミラー回路M4,M5を備える。カレントミラー回路M4,M5を構成するPMOSトランジスタのゲートは互いに共通接続するとともに、カレントミラー回路M4を構成するPMOSトランジスタのソースが接続している。また、カレントミラー回路M4を構成するPMOSトランジスタのソースは、抵抗R3を介して電源ノードに接続している。
カレントミラー回路M4,M5を構成する各PMOSトランジスタのドレインは、接地されている。カレントミラー回路M3は、無負荷であればバンドギャップ基準回路2aの基準電圧の出力を受けて基準電流をコピーするが、ここでは能動負荷となるカレントミラー回路M5に接続される。つまり、カレントミラー回路M5のPMOSトランジスタのソースが、カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのドレイン、スイッチSW1及びNOT回路4の入力と接続している。
この構成において、想定している電源電圧の範囲内でカレントミラー回路M4に流れる電流が基準電流の半分程度以下になるように抵抗R3を選択することで、カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのドレイン出力は、バンドギャップ基準回路2aが正常動作する間は論理値1(ハイ)となり、バンドギャップ不良でバンドギャップ基準回路2a内の基準電流が流れない場合は論理値0(ロウ)となる。
これにより、制御装置3は、上述したようなスイッチSW1,SW2の開閉制御でバンドギャップ基準回路2aとバンドギャップ基準回路2bの切り替えを行うことができる。図3に示す制御装置3はCMOS回路のみで構成されるので、バイポーラ素子の形成不良による影響を受けることもない。
以上のように、この実施の形態1によれば、バンドギャップ基準電圧を生成するバンドギャップ基準回路2a,2bと、バンドギャップ基準回路2a,2bの動作状態に応じてバンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路の切り替えを制御する制御装置3とを備えるので、バンドギャップ不良に起因した不具合が生じてもバンドギャップ基準電圧を供給することができる。例えば、バンドギャップ基準回路のバックアップ回路がない場合に電源起因でIC不良が発生する確率をpとすると、バックアップがある場合の不良率はp2に低下する。
また、上記実施の形態1によれば、バンドギャップ基準回路2aから入力したバンドギャップ基準電圧を基準電流に変換する変換処理部としてカレントミラー回路M3を備え、制御装置3がカレントミラー回路M3からの基準電流の有無に基づいてバンドギャップ基準回路2aの動作状態を判定する。このように構成することにより、バンドギャップ基準回路2aにおけるバンドギャップの不具合に起因した動作不良を的確に判定することができる。
さらに、上記構成において、バンドギャップ基準回路2a,2bごとに設けられ、対応するバンドギャップ基準回路との接続を開閉するスイッチSW1,SW2を備え、バンドギャップ基準回路2aにゲートが接続するPMOSトランジスタからなり、バンドギャップ基準回路2aの基準電圧を受けると、基準電流をコピーするカレントミラー回路M3を変換処理部として有し、制御装置3が、カレントミラー回路M3のPMOSトランジスタのドレイン及びスイッチSW1とソースが接続し、ドレインが接地されたPMOSトランジスタからなるカレントミラー回路M5と、カレントミラー回路M5のPMOSトランジスタと互いのゲートが接続するとともに、ゲートにソースが接続し、ドレインが接地されたPMOSトランジスタからなるカレントミラー回路M4と、カレントミラー回路M4のPMOSトランジスタのソースと電源ノードとの間を接続する抵抗R3とを有し、バンドギャップ基準回路2aの基準電圧に応じたカレントミラー回路M3のPMOSトランジスタのドレイン出力値に基づいて、スイッチSW1を開閉することにより、バンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路の切り替えを制御する。このように構成することにより、バンドギャップ基準回路2aにおけるバンドギャップの不具合に起因した動作不良を的確に判定することができると共に、CMOS回路のみで構成されることから、バイポーラ素子の形成不良による影響を受けることもない。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による基準電源装置の構成を示す回路図である。図4において、実施の形態2による基準電源装置1Aは、3つのバンドギャップ基準回路2a〜2c、バンドギャップ基準回路2a〜2cの切り替えを制御する制御装置3a,3bを有する。バンドギャップ基準回路2aの出力Voutは、カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのゲートに接続している。
また、カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのゲートには、スイッチSW1の一端も接続されている上、スイッチSW1によってPMOSトランジスタP1のゲートとの接続が開閉される。カレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのソースは、電源ノードに接続されており、ドレインは制御装置3aの入力に接続している。
制御装置3aの出力は、スイッチSW1及びNOT回路4の入力に接続している。スイッチSW1は、制御装置3aの出力値に応じて開閉する。一方、NOT回路4の出力は、バンドギャップ基準回路2b及びAND回路5の入力に接続している。
バンドギャップ基準回路2bの出力端子Voutは、カレントミラー回路M6を構成するPMOSトランジスタのゲートに接続している。また、カレントミラー回路M6を構成するPMOSトランジスタのゲートには、スイッチSW2の一端が接続されている上、スイッチSW2によってPMOSトランジスタP1のゲートとの接続が開閉される。
カレントミラー回路M6を構成するPMOSトランジスタのソースは、電源ノードに接続されており、ドレインは制御装置3bの入力に接続している。制御装置3bの出力は、スイッチSW2及びAND回路5の反転入力に接続している。スイッチSW2は、制御装置3bの出力値に応じて開閉する。
AND回路5の出力は、バンドギャップ基準回路2c及びスイッチSW3に接続している。スイッチSW3は、AND回路5の出力値に応じて開閉する。また、バンドギャップ基準回路2bの出力端子Voutは、スイッチSW3の一端に接続しており、スイッチSW3によってPMOSトランジスタP1のゲートとの接続が開閉される。
PMOSトランジスタP1,P2は、ソースが電源ノードに接続しており、ゲートが出力端子Vout、スイッチSW1,SW2に接続している。バンドギャップ基準回路2a〜2cは、例えば図5で示した構成の回路を用いることができ、PMOSトランジスタP1,P2は、カレントミラー回路M1,M2のPMOSトランジスタを流れる電流をミラーリングする。
なお、制御装置3a,3bとしては、例えば上記実施の形態1の図3に示した構成であってもよい。この場合、制御装置3bにおいては、カレントミラー回路M6のPMOSトランジスタのドレインとカレントミラー回路M5のPMOSトランジスタのソースとが接続されるとともに、カレントミラー回路M5のPMOSトランジスタのソースは、スイッチSW2及びAND回路5の反転入力に接続する。
次に動作について説明する。
バンドギャップ基準回路2aから基準電圧がカレントミラー回路M3を構成するPMOSトランジスタのゲートに印加されると、ドレインを介して基準電流が制御装置3aに入力される。制御装置3aは、カレントミラー回路M3からの電流を検知することにより、バンドギャップ基準回路2aが動作していると判定すると、論理値1の出力信号をスイッチSW1及びNOT回路4に出力する。
これにより、スイッチSW1は閉状態となり、バンドギャップ基準回路2aとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとが接続される。NOT回路4は、制御装置3aから論理値1の信号を入力すると、これを反転させて論理値0の信号をバンドギャップ基準回路2b及びAND回路5に出力する。これにより、AND回路5も論理値0の信号を出力する。論理値0の出力信号が入力されている間、バンドギャップ基準回路2b,2cは動作を停止する。
バンドギャップ基準回路2bが動作を停止していると、基準電圧がカレントミラー回路M6を構成するPMOSトランジスタのゲートに印加されない。このため、制御装置3bは、カレントミラー回路M6からの電流が殆ど流れない状態であるので、バンドギャップ基準回路2bが動作していないと判定し、論理値0の信号を出力する。これにより、スイッチSW2は開状態となり、バンドギャップ基準回路2bとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとの接続が遮断される。
また、AND回路5の出力値が論理値0であると、スイッチSW3は開状態となり、バンドギャップ基準回路2cとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとの接続が遮断される。
このようにして、基準電源装置1Aは、バンドギャップ基準回路2aからの基準電圧を出力する。これにより、基準電源装置1Aを搭載したICでは、内部の回路へ供給する電流値をバンドギャップ基準回路2aからの基準電圧に基づいて決定する。
一方、制御装置3aは、カレントミラー回路M3から電流が殆ど流れなくなり、バンドギャップ基準回路2aが正常に動作していないと判定して論理値0の信号を出力する。これにより、スイッチSW1は開状態となり、バンドギャップ基準回路2aとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとの接続が遮断される。このとき、NOT回路4は、制御装置3aから論理値0の信号を入力すると、これを反転させて論理値1の信号をバンドギャップ基準回路2b及びAND回路5に出力する。
論理値1の出力信号を入力すると、バンドギャップ基準回路2bは起動する。これにより、バンドギャップ基準回路2bの基準電圧がカレントミラー回路M6を構成するPMOSトランジスタのゲートに印加され、ドレインを介して基準電流が制御装置3bに入力される。制御装置3bは、カレントミラー回路M6からの電流を検知することにより、バンドギャップ基準回路2bが動作していると判定すると、論理値1の出力信号をスイッチSW2及びAND回路5の反転入力に出力する。
AND回路5は、NOT回路4から論理値1の信号を入力するが、制御装置3bからの出力を反転するため、論理値0の信号を出力する。これにより、スイッチSW3は開状態を維持し、バンドギャップ基準回路2cとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとの接続が遮断されたままとなる。
このようにして、基準電源装置1Aは、バンドギャップ基準回路2aの代わりに、バンドギャップ基準回路2bからの基準電圧を出力する。これにより、基準電源装置1Aを搭載したICでは、内部の回路へ供給する電流値をバンドギャップ基準回路2bからの基準電圧に基づいて決定する。
この状態からさらにバンドギャップ基準回路2bに不具合が生じてカレントミラー回路M6から電流が殆ど流れなくなると、制御装置3bは、バンドギャップ基準回路2bが正常に動作していないと判定し、論理値0の信号を出力する。これにより、スイッチSW2は開状態となり、バンドギャップ基準回路2bとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとの接続が遮断される。
一方、AND回路5は、NOT回路4から論理値1の信号を入力するとともに、制御装置3bからの論理値0の信号を反転入力して論理値1の信号を出力する。AND回路5から論理値1の出力信号を入力すると、バンドギャップ基準回路2cは起動する。また、スイッチSW3は閉状態となり、バンドギャップ基準回路2cとPMOSトランジスタP1,P2のゲートとが接続される。
このようにして、基準電源装置1Aは、バンドギャップ基準回路2a,2bの代わりに、バンドギャップ基準回路2cからの基準電圧を出力する。このため、基準電源装置1Aを搭載したICは、内部の回路へ供給する電流値を、バンドギャップ基準回路2cからの基準電圧に基づいて決定する。
なお、バンドギャップ基準回路2b,2cを常に起動させておき、スイッチSW1〜SW3の開閉制御のみで、バンドギャップ基準回路2a〜2cの切り替えを行うように構成しても構わない。
以上のように、この実施の形態2によれば、バンドギャップ基準電圧を生成するバンドギャップ基準回路2a〜2cと、バンドギャップ基準回路2a〜2cの動作状態に応じてバンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路の切り替えを制御する制御装置3a,3bとを備えるので、バンドギャップ不良に起因した不具合が生じてもバンドギャップ基準電圧を供給することができる。例えば、バンドギャップ基準回路のバックアップ回路がない場合に電源起因でIC不良が発生する確率をpとすると、N個のバックアップ回路を設けることにより、電源起因のICの不良率をpN+1まで低下させることができる。
この発明の実施の形態1による基準電源装置の構成を示す回路図である。 図1中のバンドギャップ基準回路の構成例を示す回路図である。 図1中の制御装置の構成例を示す回路図である。 この発明の実施の形態2による基準電源装置の構成を示す回路図である。 非特許文献1のバンドギャップ基準回路を示す回路図である。 非特許文献2のバンドギャップ基準回路を示す回路図である。
符号の説明
1,1A 基準電源装置、2a,2b バンドギャップ基準回路、3,3a,3b 制御装置、4 NOT回路、5 AND回路、M1〜M6 カレントミラー回路、P1,P2 PMOSトランジスタ、Q1〜Q4 NMOSトランジスタ、R1〜R3 抵抗、SW1〜SW3 スイッチ。

Claims (4)

  1. バンドギャップ基準電圧を生成する複数のバンドギャップ基準回路と、
    前記バンドギャップ基準回路の動作状態に応じて、バンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路の切り替えを制御する制御装置とを備えた基準電源装置。
  2. バンドギャップ基準回路から入力したバンドギャップ基準電圧を基準電流に変換する変換処理部を備え、
    制御装置は、前記変換処理部からの基準電流の有無に基づいて前記バンドギャップ基準回路の動作状態を判定することを特徴とする請求項1記載の基準電源装置。
  3. バンドギャップ基準回路ごとに設けられ、対応するバンドギャップ基準回路との接続を開閉するスイッチを備え、
    変換処理部は、前記バンドギャップ基準回路にゲートが接続する第1の電界効果トランジスタからなり、前記バンドギャップ基準回路の基準電圧を受けると基準電流をコピーするカレントミラー回路であり、
    制御装置は、前記第1の電界効果トランジスタのドレイン及び前記スイッチとソースが接続し、ドレインが接地された第2の電界効果トランジスタと、前記第2の電界効果トランジスタと互いのゲートが接続するとともに、前記ゲートにソースが接続し、ドレインが接地された第3の電界効果トランジスタと、前記第3の電界効果トランジスタのソースと電源ノードとの間を接続する抵抗とを有し、前記バンドギャップ基準回路の基準電圧に応じた前記第1の電界効果トランジスタのドレイン出力値に基づいて前記スイッチを開閉することにより、バンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップ基準回路の切り替えを制御することを特徴とする請求項2記載の基準電源装置。
  4. 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の制御装置。
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