JP2009154741A - ハンドル用グリップ部材 - Google Patents

Abstract

【課題】コア本体の内面の条溝内において、射出成型時の合成ゴムの流動性を向上させることにより、成形不良の少ないハンドル用グリップ部材を得る。
【解決手段】 コア本体１１の内外面に合成ゴムによる長手方向に沿った内側凸条部１５、外側凸条部１６を形成するために、内部金型をコア本体１１内に挿入すると共に、コア本体１１の外側に外部金型を配置し、通孔を通して内外両面に合成ゴム１７を流し込む。
コア本体１１と合成ゴム１７との密着性を向上させるための条溝１２は横断面が曲線のみにより形成されている。条溝１２内においては、合成ゴム１７は流動性が損われることなく充填され、欠肉やヒケの発生を低減することができる。
【選択図】図３

Description

本発明は、オートバイ等のハンドルパイプに装着して用いるハンドル用グリップ部材に関するものである。

ハンドル用グリップ部材のコア本体の内外両面には、滑り止めのための合成ゴムがモールドされている。

図４は従来のハンドル用グリップ部材の横断面図を示している。ハンドルパイプとの摩擦抵抗を増大するためと、握り手との間にスリップが生じないようにするためと、ヒータを取り付けた場合には電気絶縁性を確保するために、合成ゴム１がコア本体２の内外両面にモールドされている。そして、この合成ゴム１を確実にコア本体２に固定するために複数の条溝３が形成されている。

特開２００５−１９９９１５号公報

しかし図５に示すように、コア本体２の条溝３は円周断面方向に対し通常では角形断面に形成されているために、金型を用いて合成ゴム１を射出成型すると、条溝３の角形によって合成ゴム１の流れが乱されて、合成ゴム１の流動性が悪化し易い。その結果、欠肉、充填率が低く成形後にしぼむ所謂ヒケ、或いは合成ゴム１の合わせ目にしわが生ずる等の様々な不具合が発生し、歩留りの悪化を招きコストアップの大きな要因となっている。

更には、条溝３中の合成ゴム１には外観では分からない空洞等が残存することがあり、使用中のグリップ感が損われたり、耐摩耗性が著しく悪化する等の製品性能自体に影響を及ぼす虞れがある。

本発明の目的は、上述の問題点を解消し、条溝内のゴム部材の流動性を向上させることにより、成形不良が少ないハンドル用グリップ部材を提供することにある。

上述の目的を達成するための本発明に係るハンドル用グリップ部材は、円筒体から成る合成樹脂材から成るコア本体の内面及び外面にゴム部材を射出成型によりモールドし、ハンドルパイプに装着するハンドル用グリップ部材において、前記内面に長手方向に沿った複数列の条溝を設け、これらの条溝の横断面形状を曲線から形成したことを特徴とする。

本発明に係るハンドル用グリップ部材によれば、コア本体の内面に断面を滑らかな曲線により形成した条溝を設けたことにより、コア本体に対するゴム部材の密着性を向上させると共に、ゴム部材の流動性が向上し成形不良を低減することができる。

本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図１は本実施例におけるハンドル用グリップ部材のコア本体の一部を切欠した斜視図、図２はグリップ部材の断面図、図３は部分拡大横断面図をそれぞれ示している。

グリップ部材の骨格部材となるコア本体１１は、オートバイやスノーモービル等のハンドルパイプに装着するために、合成樹脂材により略円筒状に成形されている。またコア本体１１の内面には、一方の端部から他方の端部まで長手方向に複数列の条溝１２が形成されている。更に、コア本体１１の数個所には、合成ゴムをコア本体１１の内外面に射出成型する場合の通路となる通孔１３が形成されている。また、コア本体１１の端部には、このグリップ部材にヒータを取り付けた場合の電線の案内路１４が形成されている。

コア本体１１の内面に合成ゴムによる長手方向に沿った内側凸条部１５、外側凸条部１６を形成するために、内部金型をコア本体１１内に挿入すると共に、コア本体１１の外側に外部金型を配置し、通孔１３を通して射出成型により内外両面に合成ゴム１７を流し込む。

これにより、コア本体１１の内面にハンドルパイプとの摩擦を増加させる複数列の内側凸条部１５、外面に握り手に対する滑り止めとなる複数列の外側凸条部１６が形成される。

この際に、コア本体１１と合成ゴム１７との密着性を向上させるためのコア本体１１の内面の条溝１２は、横断面が曲線のみにより形成されている。

従って、図３の矢印で示すように、条溝１２内において合成ゴム１７は流動性が損われることなく充填され、欠肉やヒケの発生を低減することができる。そして、内側凸条部１５は条溝１２と同一位置に設けると、内側凸条部１５の弾力性が更に向上する利点がある。

なお、コア本体１１は略円筒状としているが、半円筒状に分割して接合することもできる。

上述の実施例においては、通常のオートバイ等のハンドルグリップ部材について説明したが、寒冷地帯において使用するオートバイやスノーモービル等の電熱ヒータ機能を付加したハンドルグリップ部材においても適用可能である。この場合には、コア本体１１の外側にヒータを配置して、合成ゴム１７により覆うことにより電気絶縁性が確保される。

コア本体の一部を切欠した斜視図である。 ハンドル用グリップ部材の横断面図である。 部分拡大横断面図である。 従来のハンドル用グリップ部材の横断面図である。 従来の部分拡大横断面図である。

符号の説明

１１ コア本体
１２ 条溝
１３ 通孔
１５ 内側凸条部
１６ 外側凸条部
１７ 合成ゴム

Claims (3)

1. 円筒体から成る合成樹脂材から成るコア本体の内面及び外面にゴム部材を射出成型によりモールドし、ハンドルパイプに装着するハンドル用グリップ部材において、前記内面に長手方向に沿った複数列の条溝を設け、これらの条溝の横断面形状を曲線から形成したことを特徴とするハンドル用グリップ部材。
2. 前記コア本体に内外面を結ぶ通孔を設け、該通孔を用いて前記ゴム部材を前記内外面に射出成型したことを特徴とする請求項１に記載のハンドル用グリップ部材。
3. 前記条溝と同一位置に前記ゴム部材による内側凸条部を形成したことを特徴とする請求項１に記載のハンドル用グリップ部材。

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