JP2009154458A - 回転繰出し式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転カムを操作した際の回転抵抗を小さくできる上、回転カム前端の係止凹部とリフィール後端のスライド駒との係脱性を損なうことのない回転繰出し式筆記具を提供する。
【解決手段】 回転カム50に押し上げられた際のスライド駒21を前記回転カム50の傾斜面51前端側の係止凹部52に係止して、リフィール31,32前端の筆記部31a,32aを突出状態に維持するようにした回転繰出し式筆記具であって、前記係止凹部52は、軸筒後方へ凹んだ底部52aと、該底部52aの端部側で軸筒前方へ突出するとともに前記傾斜面51に連続する突縁部52bとを有し、前記スライド駒21は、前記傾斜面51によって押し上げられて移動し、更に前記突縁部52bによって押し上げられる際に、前記突縁部52bとの接触箇所を後方へ滑らせるように形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転操作されることによりリフィール前端の筆記部を軸筒から突出させる回転繰出し式筆記具に関し、特に、複数のボールペン用リフィールやシャープペンシル用リフィールを単一の軸筒内に備え、これらリフィールの筆記部を回転操作により選択的に出没させるのに好適な回転繰出し式筆記具に関するものである。
従来、この種の回転繰出し式筆記具は、例えば、シャープペンシル用リフィール一本、及びボールペン用リフィール二本等、計三本のリフィールを具備したものが一般的である。
この従来の回転繰出し式筆記具によれば、山形の回転カムが回転操作されることにより、該回転カムの傾斜面がリフィール後端のスライド駒を軸筒前方へ押し上げる。したがって、リフィール前端の筆記部が、軸筒前端の先口から突出することになる。
ところで、前記従来の構成において、仮に、計四本のリフィールを具備した構成とした場合には、軸筒が太くなりすぎないように前記回転カムの傾斜面の角度を比較的急勾配にする必要が生じる。したがって、前記回転カムの回転抵抗が大きくなり、操作感を低下させてしまうおそれがある。
より詳細に説明すれば、図5に示すように、回転カム110を回転させると、スライド駒120が相対的に回転カム110の傾斜面110aを上るようにして移動する。回転カム110を回転させるのに必要な力は、傾斜面110aの傾斜角度aが急であるほど大きくなる。また、スライド駒120が図示しない圧縮スプリングにより後方へ付勢されているため、前記回転力は、スライド駒120が、傾斜面110aの前端側(換言すれば山形の回転カム110の頂部側)に近づくほど、大きくなる。特に、スライド駒120が、回転カム110前端の係止凹部111に係止される手前で、係止凹部111の縁部分111aを乗り越える際(図5によれば、スライド駒120が実線で示す位置にある際)に、回転カム110の回転抵抗が最大になる。
そのため、回転カム110を回転させる際の操作感が低下したり、強引に回転カム110を回そうしたことに起因して、スライド駒120が係止凹部111に係止されず該係止凹部111を乗り越えてしまったり等の問題を生じる場合がある。
そこで、例えば、特許文献1に記載された発明では、前記傾斜面(端面22c(カム面))の前端側の傾斜角度を緩くして、回転カム(カム本体22)の回転抵抗を小さくするようにしている。
しかしながら、特許文献1の発明では、山形の回転カムにおける両側の傾斜面(端面22c,22c)について前記のように前端側の傾斜角度を緩くしているため、係止凹部(22d)の幅が狭くなり、ひいては、該係止凹部にスライド駒を係止した際の安定性が低下したり、スライド駒が係止凹部に係止されず該係止凹部を乗り越えてしまったり等のおそれがある。
特開2005−161829号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、回転カムを操作した際の回転抵抗を小さくできる上、回転カム前端の係止凹部とリスライド駒との係合性を損なうことのない回転繰出し式筆記具を提供することにある。
上記課題を解決するための技術的手段は、軸筒と、該軸筒内で前後方向へスライドするように設けられたスライド駒と、前記スライド駒の前端側に接続されたリフィールと、前記スライド駒を軸筒後方へ付勢する付勢部材と、軸筒内で回動する傾斜面によって前記スライド駒を軸筒前方へ押し上げる回転カムとを備え、前記回転カムに押し上げられた際の前記スライド駒を前記傾斜面前端側の係止凹部に係止して、前記リフィール前端の筆記部を突出状態に維持するようにした回転繰出し式筆記具であって、前記係止凹部は、軸筒後方へ凹んだ底部と、該底部の端部側で軸筒前方へ突出するとともに前記傾斜面に連続する突縁部とを有し、前記スライド駒は、前記傾斜面によって押し上げられて移動し、更に前記突縁部によって押し上げられる際に、前記突縁部との接触箇所を後方へ滑らせるように形成されていることを特徴とする。
更なる技術的手段では、前記スライド駒は、前記傾斜面に対向する対向面を有し、この対向面の前端側を前記傾斜面に対し略点接触し、その点接触箇所を前記突縁部に押し上げられる際に後端側へ滑らせるように形成されていることを特徴とする。
更なる技術的手段では、前記スライド駒は、前記傾斜面に対向する対向面を有し、この対向面は、軸筒周方向に対する傾斜角度が前記傾斜面の軸筒周方向に対する傾斜角度よりも小さい直線状に形成された直線状面部と、該直線状面部の前端側に接続されて前記傾斜面から離間する方向へ延設された逃げ面部とを有し、これら直線状面部と逃げ面部との間の箇所を前記傾斜面に対し略点接触し、その点接触箇所を、前記突縁部に押し上げられる際に前記直線状面部側へ滑らせるようにしていることを特徴とする。
更なる技術的手段では、複数種類のリフィールを具備した回転繰出し式筆記具であって、前記複数種類のリフィールの内、少なくとも一つのリフィールに対応する前記スライド駒について、前記対向面における滑り方向の長さを他のものと異なるようにしたことを特徴とする。
更なる技術的手段では、前記回転カムは、前記突縁部が略円弧状に形成され、この円弧状の突縁部の一端側を前記傾斜面の前端に接続するとともに、同突縁部の他端側を前記係止凹部の底面へ向けていることを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
回転カムを回転させると、スライド駒が先ず傾斜面によって押し上げられて移動する。そして、更にスライド駒が突縁部によって押し上げられる際に、該スライド駒は、突縁部との接触箇所を後方へ滑らせる。
したがって、スライド駒が突縁部によって押し上げられる際における回転カムの回転抵抗を比較的小さくすることができる。しかも、従来技術のように係止凹部の幅を狭く設定する必要もないため、係止凹部とスライド駒との係合性を損なうこともない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
回転繰出し式筆記具1は、軸筒10と、該軸筒10内で前後方向へスライドするように設けられた複数のスライド駒21,22と、各スライド駒21,22の前端側に接続されたリフィール31,32と、各スライド駒21,22を軸筒後方へ付勢する付勢部材40と、軸筒10内で回動する傾斜面51によって各スライド駒21,22を軸筒前方へ押し上げる回転カム50とを備える。
そして、この回転繰出し式筆記具1は、回転カム50に押し上げられた際の各スライド駒21,22を前記傾斜面51前端側の係止凹部52に係止して、各リフィール31,32前端の各筆記部31a,32aを突出状態に維持する。
なお、スライド駒21,22及びリフィール31,32の数は、単数もしくは複数とすることが可能であるが、本実施の形態の好ましい一例によれば、ボールペン用リフィール31を三本、シャープペンシル用リフィール32を一本の計四本とし、そのことに対応して、ボールペン用リフィール31に用いるスライド駒21を一つ、シャープペンシル用リフィール32に用いるスライド駒22を三つ具備している。
軸筒10は、前端側(図1によれば下端側)に先細状の先口部11を有する略筒状の部材である。この軸筒10は単一の筒状部材からなる態様であってもよいし、複数の筒状部材を接続してなる態様であってもよい。
この軸筒10の径は、計四本のリフィール31,32を収納可能であって、且つ握り感触を損ねないように適宜に設定され、従来構造の回転繰出し式筆記具に計四本のリフィールを内在する場合と比較し、細身に形成されている。
なお、図中、軸筒10後端側の符号91はクリップ、符号92は消しゴムを内在する尾栓である。
また、スライド駒21,22は、それぞれリフィール31,32後端に接続される接続部21a,22aと、後述する回転カム50に係合する係合部21b,22bとから一体的に構成されている。
図1に示す一例によれば、一方の接続部21aは、スペーサ部材21cを介してボールペン用リフィール31に接続されるようになっている。
また、他方の接続部22aは、シャープペンシル用リフィール32の後端部に対し直接的に接続されるようになっている。
また、一方の係合部21bは、接続部21aに対し軸筒遠心方向へ突出するように設けられる。
そして、この係合部21bは、図2に示すように、回転カム50の傾斜面51に対向する対向面21b1を有し、この対向面21b1の前端側を前記傾斜面51に対し略点接触し、その点接触箇所を回転カム50の突縁部52bに押し上げられる際に後端側へ滑らせるように形成されている。
前記対向面21b1は、スライド駒21の係合部21bを、軸筒前方(図示例によれば下方)へ頂部を向けた平面視略二等辺三角形状に形成することで、その左右両側の側面部分にそれぞれ形成される。
より詳細に説明すれば、前記対向面21b1は、略平面視略直線状の直線状面部21b11と、該直線状面部21b11の前端側(図2によれば上端側)に連続する凸曲面部21b12と、該凸曲面部21b12に連続するとともに傾斜面51から離間する方向へ延設された逃げ面部21b13と、直線状面部21b11の後端側(図2によれば下端側)に連続する係止曲部21b14とから構成される。
直線状面部21b11は、軸筒周方向に対する傾斜角度θ1を、回転カム50の傾斜面51の軸筒周方向に対する傾斜角度θ2よりも小さく設定した略直線状の部分である。
凸曲面部21b12は、回転カム50における略直線状の傾斜面51に対し、略点接触するように形成された曲面部分である。
この点接触は図2の展開図に示すように軸筒周方向における点接触であればよいが、本実施の形態の好ましい一例では、軸筒径方向(図2における奥行き方向)においても略点接触となるようにしている。この構成によれば、スライド駒21と回転カム50との摩擦抵抗を、より軽減することができる。
逃げ面部21b13は、回転カム50に対し接触しないように形成される部分であり、図示例によれば、前記凸曲面部21b12から前方へ延設されるとともに、軸筒10の軸心と略平行する略直線状に形成される。
係止曲部21b14は、左右両側の直線状面部21b11を接続するようにして、係合部21bの後端側(図2によれば下端側)に形成された円弧状の部分であり、回転カム50の係止凹部52に対する係脱性を良好にしている。
また、シャープペンシル用リフィール32に対応するスライド駒22は、前述したスライド駒21と略同様の構成となるため図示を省略するが、詳細には、スライド駒21の対向面21b1と略同構成の対向面(図示せず)を有し、この対向面について滑り方向の長さを、前記スライド駒21の対向面21b1の滑り方向の長さL(詳細には略直線状面部21b11の長さ)よりも短く形成している。
この構成によれば、ボールペン用リフィール31の筆記部31aを突出させるために回転カム50を回転させる操作と、シャープペンシル用リフィール32の筆記部32aを突出させるために回転カム50を回転させる操作とで、突縁部52bに相対するスライド駒21の滑り量を変化させることができ、ひいては、筆記者が、回転カム50を回転させる際の操作感により、ボールペン用リフィール31又はシャープペンシル用リフィール32を選択して突出させることができる。
なお、前記とは逆に、シャープペンシル用リフィール32に対応するスライド駒22の前記対向面(図示せず)における滑り方向の長さを、ボールペン用リフィール31用のスライド駒21の対向面21b1の滑り方向の長さLよりも長く形成してもよい。
更に他例としては、インク色の異なる複数種類のボールペン用リフィール31について、スライド駒21の対向面21b1の滑り方向の長さLを変えて、筆記者が筆記部を視認することなく回転カム50の操作感によりインク色を選択できるようにすることも可能である。
また、付勢部材40は、ボールペン用リフィール31とシャープペンシル用リフィール32をそれぞれ後方へ付勢するようにして、軸筒10内に係止されている。
また、回転カム50は、筒部53(図1参照)と、該筒部53前端の基端部53aから山形状に突出する左右対称の傾斜面51,51(図2及び図3参照)と、これら傾斜面51,51の頂部側に形成された係止凹部52とから構成される。
筒部53は、周方向へ回動可能であるとともに軸方向へ移動不能となるように、軸筒10内に係合した筒状の部材であり、外部に露出する部分(図示例によればクリップ51等)が摘まれて回転操作されるようになっている。
この筒部53の前端部は、リフィール31,32の没入状態を維持するための基端部53aとされる。この基端部53aは、後述する傾斜面51の後端に接続された面であり、軸筒周方向へわたっている。
また、各傾斜面51は、前記基端部53aに対し傾斜角度θ2の勾配で、斜め前方へ延設された斜面であり、図2及び図3に示す一例によれば展開図上において略直線状となるように形成されている。
また、係止凹部52は、軸筒後方へ凹んだ底部52aと、該底部52aの端部側で、内側傾斜面52cを介して軸筒前方へ突出するとともに回転カム50の傾斜面51に連続する突縁部52bとを有し、スライド駒21における係合部21bの後端部に対し係脱するように形成される。
底部52aは、軸筒周方向へわたる平坦な面である。
内側傾斜面52cは、底部52aの端部から斜め前方へ延びる略直線状の面である。この内側傾斜面52cの軸筒周方向に対する傾斜角度θ3は、スライド駒21の対向面21b1の軸筒周方向に対する傾斜角度θ2よりも若干小さく設定されている。この構成によれば、係止凹部52に対しスライド駒21をより深くまで係合させ易く、ひいては、係止凹部52内にスライド駒21を係合した際の安定性を向上することができる。
また、突縁部52bは、前方へ突出する円弧状に形成され、その一端側を前記内側傾斜面52cに接続するとともに、他端側を回転カム50の傾斜面51へ接続している。この突縁部52bの形状によれば、スライド駒21を係止凹部52内へ係合する際の回転カム50の回転抵抗を比較的小さくできる上、スライド駒21を係止凹部52外へ離脱する際の回転カム50の回転抵抗も比較的小さくすることができる。
次に、上記構成の回転繰出し式筆記具1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
外部からの操作により回転カム50が軸筒周方向へ回転されると、スライド駒21が、回転する回転カム50の傾斜面51に押し上げられて、軸筒前方へ移動する。更に、スライド駒21は、傾斜面51前端の突縁部52bに押し上げられる。
前記スライド駒21の動きを、回転カム50に相対する動きとして説明すれば、先ず、スライド駒21は、図3に示すように、傾斜面51を略直線的に上るようにして移動する。この際、スライド駒21は、対向面21b1前端側の凸曲面部21b12を傾斜面51に対し略点接触させて、前記傾斜面51上を移動する。
次に、スライド駒21は、突縁部52bを乗り越えようとする際に、突縁部52bとの点接触箇所を、該スライド駒21における対向面21b1の前端側から後端側へ滑らせる。より詳細に説明すれば、対向面21b1前端側の凸曲面部21b12と傾斜面51と点接触が、直線状面部21b11と突縁部52bとの点接触に変化する。
そして、スライド駒21は、前記点接触箇所を対向面21b1の後端側に位置した状態で、突縁部52bを乗り越え、係止凹部52に嵌り合う。
スライド駒21が係止凹部52に嵌まり合った状態では、図2において二点差線で示されるように、スライド駒21における係合部21bの後端側頂部が、係止凹部52における底部52aに当接する。この状態において、スライド駒21の対向面21b1と、係止凹部52の内側傾斜面52cとの間には、若干の隙間(余裕空間)が確保される。
よって、回転カム50の単位回転量あたりのスライド駒21の軸筒前方への移動量は、前記のようにしてスライド駒21が突縁部52bを乗り越える前では略一定量となるが、スライド駒21が突縁部52bを乗り越えようとする際には、前述した滑りによって減少する。
そのため、回転カム50の回転抵抗が減少し、回転カム50を回転操作する際の操作感を向上することができる。しかも、前記滑りにより、突縁部52bを乗り越える際のスライド駒21の移動量が比較的小さくなるため、スライド駒21が急激に移動して係止凹部52に係止されずに該係止凹部52を乗り越えてしまうようなことを防ぐことができ、スライド駒21と係止凹部52との係合性が良好である。
次に、前述した回転カム50の回転抵抗の減少を、図4および計算式を用いて、幾何学的に説明する。
図4(a)は、スライド駒21の対向面21b1の前端側が傾斜面51に接触した状態を示す模式図である。
図中、矢印Fは、付勢部材40の付勢力が回転カム50に対し作用した力を示す。この力は、回転カム50の傾斜面51に対する垂直方向の力としてあらわされる。
矢印Fnと矢印Fsは、それぞれ前記矢印Fの分力を示す。
矢印Sは、スライド駒21が傾斜面51を上ろうとする力を示す。この矢印Sの力は、前記矢印Fsの力の反力となる。
角度2θは、回転カム50における左右の傾斜面51,51間の角度を示す。
角度2Φは、スライド駒21における左右の対向面21b1,21b1間の角度を示す。
図4(a)に示す状態において、スライド駒21と傾斜面51間の摩擦係数をμとすれば、以下の(1)式が成り立つ。
S=Fs+μFn=Fcosθ+μsinθ・・・(1)
ここで、前記摩擦係数μを無視すれば、以下の(2)式が成り立つ。
S=Fcosθ・・・(2)
また、図4(b)は、傾斜面51前端側に対するスライド駒21の接触点が該スライド駒21の後端側へ移動した状態を示す模式図である。
図中、矢印Fは、付勢部材40の付勢力が回転カム50に対し作用した力を示す。この力は、スライド駒21の対向面21b1(詳細には直線状面部21b11)に対する垂直方向の力としてあらわされる。
矢印Fαyと矢印Fαxは、それぞれ前記矢印Fの分力を示す。
矢印S’は、スライド駒21が傾斜面51を上ろうとする力を示す。この矢印Sの力は、矢印Fs’で示す力の反力となる。
矢印Fs”は、前記Fαyについて傾斜面51に沿う方向の分力である。
矢印Fs’は、前記Fαxについて傾斜面51に沿う方向の分力である。
一点鎖線で示すL1−L1は、スライド駒21における左右の対向面21b1,21b1間の角度を二等分する直線である。
一点鎖線で示すL2−L2は、回転カム50における左右の傾斜面51,51間の角度を二等分する直線であり、L1−L1に平行する。
角度Φは、二等分線L1−L1と対向面21b1との間の角度である。L1−L1とL2−L2が平行であるため、L2−L2と対向面21b1との間の角度もΦとなる。
角度θは、二等分線L2−L2と傾斜面51との間の角度である。
角度αは、矢印Fと傾斜面51との間の角度である。
角度βは、矢印Fαyと矢印Fs”との間の角度であり、且つ、矢印Fs’に直交する直線と二等分線L2−L2との間の角度でもある。すなわち、図4(b)中において、この角度βを有する二つの三角形は相似である。
図4(b)に示す状態においては、以下の(3)式が成り立つ。
S’=Fs’−Fs”・・・(3)
付勢部材40の付勢力Fは、スライド駒21の対向面21b1に対し、略垂直に発生する。以下に、前記付勢力Fの分力からFs’、Fs”を求める。
二等分線L2−L2に対し平行な分力Fαxと垂直な分力Fαyを、それぞれ求めると、以下の(4)式と(5)式のようになる。
Fαx=Fcos(α+θ)・・・(4)
Fαy=Fsin(α+θ)・・・(5)
FαxとFαyについて、それぞれ傾斜面51方向の分力Fs’、Fs”を求めれば、以下の(6)式と(7)式のようになる。
Fs’=Fαxcosθ=Fcos(α+θ)×cosθ・・・(6)
Fs”=Fαycosβ=Fsin(α+θ)× cosβ・・・(7)
図4(b)中、対向面21b1と矢印Fが直角であるから、以下の(8)(9)式が成り立つ。
Φ+θ+α=π/2・・・(8)
∴α=π/2−Φ−θ・・・(9)
同図中、角度βを有する三角形において以下の(10)(11)式が成り立つ。
θ+β=π/2・・・(10)
∴β=π/2−θ・・・(11)
前記(6)(7)式のFs’とFs”に対し、それぞれ前記(9)(11)式のαとβを代入すれば、以下の(12)(13)式が成り立つ。
Fs’=Fcos(π/2−Φ)×cosθ・・・(12)
Fs”=Fsin(π/2−Φ)×cos(π/2−θ)・・・(13)
ここで、例えば、角度θ=20゜、角度Φ=27゜とし、(2)(12)(13)(3)式より、S(=Fs)、Fs’、Fs”、S’(=Fs’−Fs”)を求めれば、それぞれ以下の数値になる。
S=0.94×F
Fs’=0.43×F
Fs”=0.30×F
S’=0.12×F
すなわち、スライド駒21の進行方向の力S,S’は、スライド駒21が図4(a)の状態から図4(b)の状態に移動した際に小さくなり、前記計算例によれば約13%程度になる。よって、回転カム50の回転抵抗も小さくなる。
なお、上記実施の形態によれば、回転カム50の両側に傾斜面51,51を設けて回転カム50の前部側を略山形状に構成し、一方の傾斜面51に押し上げられて前進したスライド駒21が、他方の傾斜面51に沿って後退するようにしたが、他例としては、前記傾斜面51,51の内の一方を省き、単一の傾斜面51により押し上げられて前進したスライド駒21が、回転カム50の逆方向の回転により同傾斜面51に沿って後退する構成とすることも可能である。この場合には、スライド駒21の対向面21b1,21b1も、その一方を省くことが可能である。
本発明に係わる回転繰出し式筆記具の一例を示す断面図である。 スライド駒の一例を示す拡大図である。 スライド駒が回転カムによって押し上げられている状態を示す模式図である。 (a)はスライド駒が傾斜面に接触した状態を示す模式図であり、(b)はスライド駒が突縁部に接触した状態を示す模式図である。 従来の回転繰出し式筆記具において、スライド駒が回転カムによって押し上げられている状態を示す模式図である。
符号の説明
1:回転繰出し式筆記具 10:軸筒
21,22:スライド駒 21b1:対向面
40:付勢部材 50:回転カム
21:スライド駒 51:傾斜面
52:係止凹部 31:ボールペン用リフィール
32:シャープペンシル用リフィール 31a,32a:筆記部
52a:底部 52b:突縁部

Claims (5)

  1. 軸筒と、該軸筒内で前後方向へスライドするように設けられたスライド駒と、前記スライド駒の前端側に接続されたリフィールと、前記スライド駒を軸筒後方へ付勢する付勢部材と、軸筒内で回動する傾斜面によって前記スライド駒を軸筒前方へ押し上げる回転カムとを備え、前記回転カムに押し上げられた際の前記スライド駒を前記傾斜面前端側の係止凹部に係止して、前記リフィール前端の筆記部を突出状態に維持するようにした回転繰出し式筆記具であって、
    前記係止凹部は、軸筒後方へ凹んだ底部と、該底部の端部側で軸筒前方へ突出するとともに前記傾斜面に連続する突縁部とを有し、
    前記スライド駒は、前記傾斜面によって押し上げられて移動し、更に前記突縁部によって押し上げられる際に、前記突縁部との接触箇所を後方へ滑らせるように形成されていることを特徴とする回転繰出し式筆記具。
  2. 前記スライド駒は、前記傾斜面に対向する対向面を有し、この対向面の前端側を前記傾斜面に対し略点接触し、その点接触箇所を前記突縁部に押し上げられる際に後端側へ滑らせるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の回転繰出し式筆記具。
  3. 前記スライド駒は、前記傾斜面に対向する対向面を有し、
    この対向面は、軸筒周方向に対する傾斜角度が前記傾斜面の軸筒周方向に対する傾斜角度よりも小さい直線状に形成された直線状面部と、該直線状面部の前端側に接続されて前記傾斜面から離間する方向へ延設された逃げ面部とを有し、これら直線状面部と逃げ面部との間の箇所を前記傾斜面に対し略点接触し、その点接触箇所を、前記突縁部に押し上げられる際に前記直線状面部側へ滑らせるようにしていることを特徴とする請求項1記載の回転繰出し式筆記具。
  4. 複数種類のリフィールを具備した回転繰出し式筆記具であって、
    前記複数種類のリフィールの内、少なくとも一つのリフィールに対応する前記スライド駒について、前記対向面における滑り方向の長さを他のものと異なるようにしたことを特徴とする請求項2又は3記載の回転繰出し式筆記具。
  5. 前記回転カムは、前記突縁部が略円弧状に形成され、この円弧状の突縁部の一端側を前記傾斜面の前端に接続するとともに、同突縁部の他端側を前記係止凹部の底面へ向けていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の回転繰出し式筆記具。
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