JP6811124B2 - ノック式筆記具 - Google Patents
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Description
ところで、従来のノック式筆記具では、回転子が勢いよく回転して係止される構造であるため、その係止の際に音が発生する。この係止音は、比較的静かな室内や会議中等、使用環境によっては使用者や周囲の人が耳障りに感じる場合がある。
そこで、例えば、特許文献2に記載の発明では、回転カムに軸筒の内壁面に当接する回転抑制部材を設け、この回転抑制部材と軸筒内壁面との摩擦抵抗により回転カムの回転力や回転スピードを低減するようにしている。
軸筒と、該軸筒の後端から突出するノック体と、該ノック体に対する押圧操作により軸筒内で前進及び回転して係止される回転子と、前記前進により筆記部を軸筒前端から突出させる中芯と、前記中芯を前記回転子に接続する中芯受けとを備え、前記中芯受けは、前記中芯の後端側外周部に嵌り合った筒部と、該筒部から後方へ延設されて前記回転子に接続された接続部とを有し、前記筒部には、間隔を置いた二か所で前記筒部の周壁を貫通する貫通部と、これら貫通部の間に位置し、これら貫通部の並び方向に対する交差方向の両端部が該筒部の周壁に一体化された撓み片部とが設けられ、前記撓み片部には、軸筒径外方向へ突出して前記軸筒の内周面に摺接する摺接突起が設けられていることを特徴とするノック式筆記具。
第1の特徴は、軸筒と、該軸筒の後端から突出するノック体と、該ノック体に対する押圧操作により軸筒内で前進及び回転して係止される回転子と、前記前進により筆記部を軸筒前端から突出させる中芯と、前記中芯を前記回転子に接続する中芯受けとを備え、前記中芯受けは、前記中芯の後端側外周部に嵌り合った筒部と、該筒部から後方へ延設されて前記回転子に接続された接続部とを有し、前記筒部には、間隔を置いた二か所で前記筒部の周壁を貫通する貫通部と、これら貫通部の間に位置し、これら貫通部の並び方向に対する交差方向の両端部が該筒部の周壁に一体化された撓み片部とが設けられ、前記撓み片部には、軸筒径外方向へ突出して前記軸筒の内周面に摺接する摺接突起が設けられている。
これらの構成によれば、摺接突起と軸筒内周面との摩擦抵抗を撓み片部の撓みにより安定させることができる。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、本明細書中、軸筒軸方向とは、軸筒の中心線の延びる方向を意味する。また、「前」とは、軸筒軸方向の一方側であって筆記部の先端方向を意味する。また、「後」とは、軸筒軸方向の前記一方側に対する逆方向側を意味する。また、「軸筒径方向」とは、軸筒軸方向に対し直交する方向を意味する。また、「軸筒径外方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心から離れる方向を意味する。「軸筒径内方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心へ近づく方向を意味する。
このノック式筆記具1は、軸筒10と、該軸筒10の後端から突出するノック体20と、該ノック体20に対する押圧操作により軸筒内で前進及び回転して係止される回転子30と、前記前進により筆記部41を軸筒前端から突出させる中芯40と、中芯40を後方へ付勢する付勢部材50と、中芯40を回転子30に接続する中芯受け60とを備え、ノック体20が前方へ押圧操作されることで、軸筒10の前端から筆記部41を突出させて係止し、この係止状態を、ノック体20が前方へ再度押圧操作されることで解除する。
この軸筒10は、前記のように複数の部材から構成されるが、他例としては、本体筒11、先口12、弾性グリップ13、カム筒14のうち、その一部または全部を一体の部材とすることが可能である。
このノック体20には、カム筒14のスライド溝に嵌り合って前後に案内される突条や、回転子30を回転させるためのカム斜面等が設けられている。
この回転子30は、ノック体20に押圧されて所定量前進すると回転して係止され、ノック体20に再度押圧された際に前記係止状態を解除する。
この回転子30には、カム筒14のスライド溝に嵌って案内される係合部や、該係合部の後端部に設けられて、ノック体20のカム斜面やカム筒14のカム斜面に摺接するカム斜面等が設けられる。
中芯40の後端側は中芯受け60を介して回転子30に受けられている。
また、筆記部41の突出状態にて、ノック体20がノック操作されると、回転子30の前記係止状態が解除され、回転子30が所定量回転して後退し、この後退に伴って筆記部41が軸筒10内に没入する。
上記のように回転子30の回転及び進退により筆記部41を出没させる回転カム機構は、例えば、特開2004−209881号公報に記載されたリフィール進退ユニットの機構や、その他の周知の機構を適用することが可能である。
この中芯受け60の材質は、例えば硬質合成樹脂材等、後述する撓み片部61dを弾性的に撓ませるものであればよい。
この嵌合部61aと中芯40との嵌り合いには、中芯40の着脱交換が可能な程度に緩く嵌合した態様や、中芯40外周面との間に若干の隙間を有して嵌合した態様等を含む。
撓み片部61dと貫通部61cの周方向長さは、略同一である。
また、この撓み片部61dは、軸筒周方向において、その中央寄りの幅Wが、両端部側の幅よりも狭くなっている。すなわち、撓み片部61dの端縁61d3が、図2(a)に示すように、軸筒周方向において略弓形に凹湾曲している。
これらの構成によれば、撓み片部61dを径内方向へ十分に撓ませることができる。
詳細に説明すれば、この摺接突起61d1の外径Dは、図3(b)に示すように、薄肉部61d2の外径よりも大きく、さらに、筒部本体61eの外径よりも大きく、かつ、カム筒14の内径よりも若干大きく設定されている。
この薄肉部61d2は、摺接突起61d1がカム筒14の内周面に圧接された際に、径内方向へ撓んで、摺接突起61d1とカム筒14との摩擦抵抗を適宜に調整する。
したがって、中芯受け60は、カム筒14内にて、回転子30と一体的に回転可能かつ進退可能である。
初期位置においては、図6(a)に示すように、中芯40が付勢部材50により後方へ付勢されて、筆記部41が軸筒10内に位置し、回転子30及び中芯受け60が軸筒10内の後端寄りに静止している。
外部から押圧操作によりノック体20が前方へ移動すると、このノック体20に押されて回転子30も前進し、回転子30と一体的に中芯受け60も前進する。
前記回転の際、中芯受け60の摺接突起61d1は、カム筒14の内周面に圧接されて適度な摩擦抵抗を受ける。
したがって、回転子30及び中芯受け60の回転速度が低下し、回転子30がカム筒14内に係止される際の音の発生を抑制することができる。
しかも、摺接突起61d1をカム筒14内周面に摺接させた状態で、撓み片部61dを適宜に撓ませるようにしているため、中芯受け60の径方向寸法に多少のばらつきが生じたとしても、摺接突起61d1とカム筒14内周面の摩擦抵抗がばらつくのを防ぐことができ、一定の品質を維持することがきる。
10:軸筒
20:ノック体
30:回転子
40:中芯
41:筆記部
60:中芯受け
61:筒部
61a:嵌合部
62:接続部
61c:貫通部
61d:撓み片部
61d1:摺接突起
61d2:薄肉部
s:隙間
Claims (5)
- 軸筒と、該軸筒の後端から突出するノック体と、該ノック体に対する押圧操作により軸筒内で前進及び回転して係止される回転子と、前記前進により筆記部を軸筒前端から突出させる中芯と、前記中芯を前記回転子に接続する中芯受けとを備え、
前記中芯受けは、前記中芯の後端側外周部に嵌り合った筒部と、該筒部から後方へ延設されて前記回転子に接続された接続部とを有し、
前記筒部には、間隔を置いた二か所で前記筒部の周壁を貫通する貫通部と、これら貫通部の間に位置し、これら貫通部の並び方向に対する交差方向の端部が該筒部の周壁に一体化された撓み片部とが設けられ、前記撓み片部には、軸筒径外方向へ突出して前記軸筒の内周面に摺接する摺接突起が設けられていることを特徴とするノック式筆記具。 - 前記二か所の貫通部は、軸筒軸方向に間隔を置いて設けられていることを特徴とする請求項1記載のノック式筆記具。
- 前記撓み片部は、前記交差方向における中央寄りに前記摺接突起を有し、
前記摺接突起は、前記筒部における他の部分よりも軸筒径外方向へ突出していることを特徴とする請求項1又は2記載のノック式筆記具。 - 前記筒部は、その内周面の後端寄りに前記中芯の外周面に嵌り合う嵌合部を有し、この嵌合部よりも前側に前記撓み片部を配置するとともに、この撓み片部と前記中芯の外周面との間に隙間を有することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のノック式筆記具。
- 前記撓み片部は、前記交差方向において、前記摺接突起と前記筒部の周壁に対する接続部分との間に、軸筒径方向の肉厚が前記摺接突起の部分よりも薄い薄肉部を有することを特徴とする請求項3又は4記載のノック式筆記具。
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