JP2009152273A - 電解コンデンサ用多孔質電極およびその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用多孔質電極およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解コンデンサの薄型化を可能にするTa、Nb、またはこれらの合金の多孔質体であって、陽極酸化時に高電圧を印加可能で、定格電圧の高い電解コンデンサを作製するのに好適な薄型の多孔質電極を提供する。
【解決手段】TaまたはNbの箔または膜の上に、異相成分であるCuとの混合成膜および異相成分であるCuの除去により、TaまたはNb粒子からなる多孔質膜を形成するに際して、2段階の焼成を行うことにより、多孔質膜を形成する粒子の粒成長を促進し、前記多孔質膜を形成する粒子の質量当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積であるCV値が低い多孔質電極を、電解コンデンサに用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ用多孔質電極およびその製造方法に関し、特に、Ta、Nb、またはこれらの合金を用いた電解コンデンサ用多孔質電極およびその製造方法に関する。
コンデンサは、電子回路を設計する上で必要不可欠な受動部品であり、目的に応じて、種々のコンデンサが選択されて使用される。小型大容量のコンデンサとしては、TaやNbの電解コンデンサが挙げられ、電子回路に広く使用されている。これらのコンデンサにおいて、電極(陽極)として、TaやNbの微粉末を圧粉焼結した多孔質ペレットが用いられる。この多孔質ペレットを陽極酸化処理することで、Ta粒子やNb粒子の表面に陽極酸化皮膜が形成され、コンデンサの誘電体となる。陽極酸化時に印加する電圧(陽極酸化電圧)は、作製しようとするコンデンサの定格電圧を考慮して決定され、通常は、コンデンサの定格電圧の2〜4倍程度の電圧が印加される。
Ta微粉末やNb微粉末で作製される多孔質ペレットの構造の微細さ(多孔質体を形成する粒子の細かさ)は、原料となるTa微粉末やNb微粉末の細かさに依存する。一般的に、この指標として、静電容量Cと陽極酸化電圧(化成電圧)Vとの積であるCV値(単位:μFV)が用いられている。
以下、CV値について簡単に説明する。コンデンサの静電容量Cは、一般に、式1のように表され、真空の誘電率ε0=8.854×10-12(F/m)、比誘電率ε、電極面積S(m2)、誘電体の厚みd(m)、化成定数a(m/V)、および陽極酸化電圧V(V)で決定される。
Figure 2009152273
陽極酸化により酸化皮膜(誘電体)を形成する場合、酸化皮膜(誘電体)の厚さは、印可する電圧Vに比例し、このときの比例定数は化成定数と呼ばれる。したがって、酸化皮膜(誘電体)の厚さdは、化成定数aと陽極酸化電圧Vの積aVで表すことができる。
式1を変形して、式2が得られる。
Figure 2009152273
式2から明らかなように、静電容量Cと陽極酸化電圧Vの積であるCV値は、表面積Sに比例する。表面積Sは、多孔質ペレットの質量当たりの比表面積に比例することから、質量当たりのCV値(μFV/g)は、多孔質ペレットの質量当たりの比表面積に比例することになる。通常、TaやNbの多孔質ペレットにおけるCV値は、質量当たりのCV値を意味する。したがって、質量当たりのCV値が大きいほど、ペレットの比表面積が大きく、すなわち多孔質体を構成する粉末の粒径が小さいことになる。コンデンサ用タンタル粉末、ニオブ粉末のグレード(粒度)を表わす指標として、このCV値が一般的に用いられる。
粒径が小さい微粉末を使用して作製され、質量当たりのCV値が大きいペレットは、比表面積が大きいため、静電容量を大きくするには有利であるが、粒径が小さいため、陽極酸化時に印加可能な電圧に限界がある。陽極酸化電圧が十分に低い場合、すなわち陽極酸化で形成される酸化皮膜が粒径に対して十分に薄い場合は、式2で説明されるように質量当たりのCV値は比表面積に比例してほぼ一定となる。通常、質量当たりのCV値とはCV値が陽極酸化電圧に対してほぼ一定となる領域でのCV値のことをいう。しかしながら、陽極酸化電圧を高く、すなわち酸化皮膜を厚くしすぎると、TaやNbの微粒子がすべて酸化してしまったり、多孔質体の凹凸がつぶれたりすることで、実効表面積が減少して、静電容量が低下し、質量当たりのCV値が、みかけ上、低下する。また、粒子の曲率が大きいことに起因して、陽極酸化皮膜に歪が入りやすくなり、酸化皮膜の絶縁信頼性が低下する。したがって、質量当たりのCV値が大きいペレットは、通常定格電圧が低く、大容量であるコンデンサを作製するときに、選択される。
一方、質量当たりのCV値が小さいペレットは、比表面積は小さいが、粒径が大きいので、陽極酸化時に高い電圧を印加しても、有効表面積の減少による質量あたりCV値の低下や陽極皮膜の絶縁信頼性の低下が起こりにくい。したがって、定格電圧が大きいコンデンサを作製するときに、選択される。
このように、TaやNbの電解コンデンサにおいては、目的とするコンデンサの静電容量、定格電圧、および形状に適合させて、粒径と陽極酸化電圧が選択される。例えば、Ta粉末のグレード(粒度)に関して言えば、質量当たりのCV値が30000μFV/g〜150000μFV/gの粉末が生産されている(非特許文献1参照)。これらの粉末は、コンデンサ定格電圧には陽極酸化条件や陰極材料の種類などの要因を考慮し、一般的には高定格電圧のコンデンサを製造する場合は低CV粉末、低定格電圧で高容量コンデンサを製造する場合は高CV粉末というように使い分けられている。
ところで、パソコンや携帯電話に代表されるような電子機器において、小型化および低背化が進むのに伴い、電子機器の電子回路を形成する受動部品に関しても同様に、小型化および低背化が求められている。コンデンサに関しても同様であるが、TaやNbの電解コンデンサにおいては、陽極となる微粉末の多孔質ペレットを圧粉焼結により作製していることから、電極の薄型化に限界がある。したがって、TaやNbの電解コンデンサ自身の薄型化にも、おのずと限界が生じる。
このため、TaやNbの電解コンデンサの薄型化を目的として、薄型の多孔質体を形成するための種々の方法が検討されている。これらには、例えば、Ta箔やNb箔を電気化学的にエッチングして表面積を増やす方法や、TaやNbの微粉末スラリーをTa箔やNb箔の上に印刷して焼結する方法などがある。しかしながら、TaやNbは、耐食性が高いために、通常の酸などではエッチングが難しく、また、印刷法は、大きな焼結収縮によるクラックや反り、基板箔との密着性などに問題があり、実用化されていないのが現状である。
これらに対し、特許文献1および非特許文献2に記載されているように、TaやNbの薄型多孔質体の新たな作製方法として、TaやNbと、それらと相溶性を持たない異相成分であるCuとをスパッタリング法で混合成膜し、真空中または不活性ガス中で熱処理をした後に、Cuのみを選択的に除去するという方法が提案されている。この方法における多孔質層のTaおよびNbの粒度、すなわち質量当たりのCV値は、混合成膜後の熱処理温度により制御され、低温で熱処理をするほど、TaおよびNbが微細で、質量当たりのCV値が高い多孔質層が得られ、逆に、高温で熱処理をするほど、TaおよびNbの粒度が粗くなり、質量当たりのCV値が低い多孔質層が得られる。しかしながら、この方法では、スパッタ速度が速いなどスパッタリングしやすさ、コスト的に有利なことから、異相成分として主にCuが使用されているため、熱処理温度をCuの融点以上に上げることができず、質量当たりのCV値を小さくすることに限界がある。したがって、得られる電極を使用して作製される電解コンデンサの定格電圧を高くできないいう問題がある。すなわち低背化の要求に答え、かつ高定格電圧(例えば25V級)の電解コンデンサに適した電極材料を作製することは従来技術では困難であった。
特開2006−049816号公報 「コンデンサー用タンタル粉末の技術開発状況」p.37 技術情報協会セミナー資料 セミナーNo.707464 「多孔質タンタル箔電極の作製およびその陽極体特性」(小向哲史、大迫敏行、電気化学会第73回大会、学術講演要旨集、p.287、平成18年4月1日発行)
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、電解コンデンサの薄型化を可能にするTa、Nb、またはこれらの合金からなる多孔質体であって、陽極酸化時に高電圧を印加してもCV値の低下がないので、定格電圧の高い電解コンデンサを作製するのに好適な薄型の多孔質電極を提供することを目的とする。
本発明の電解コンデンサ用多孔質電極は、Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜と、該箔または膜の上に形成され、TaもしくはTa合金の粒子からなる多孔質膜、または、NbもしくはNb合金の粒子からなる多孔質膜とを有する。
特に、本発明の電解コンデンサ用多孔質電極では、前記多孔質膜がTaまたはTa合金からなる場合には、該多孔質膜を形成する粒子の質量当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積CV値が、70000μFV/g以下であることを特徴とする。
一方、前記多孔質膜がNbまたはNb合金からなる場合には、該多孔質膜を形成する粒子の質量当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積CV値が、110000μFV/g以下であることを特徴とする。
本発明の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法では、まず、Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜の上に、TaもしくはTa合金、または、NbもしくはNb合金と、Cuとが、粒子径1nm〜1μmの範囲で均一に分布した薄膜を成膜する。
特に、本発明の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法では、前記成膜後、Cuの融点未満で、1段目の真空熱処理をして、粒成長させた後、酸で異相成分を選択的に溶解し、その後、Cuの融点以上で、2段目の真空熱処理をして、粒成長させることを特徴とする。
または、前記成膜後、Cuの融点未満で、1段目の真空熱処理をして、粒成長させた後、酸でCuを選択的に溶解し、さらに、Cuの融点以上で、MgまたはCa蒸気が存在する不活性ガス雰囲気中において2段目の熱処理をして、粒成長させ、その後、酸でMgまたはCaを溶解除去することを特徴とする。
本発明によって、TaまたはNbの粒子をより粒成長させ、質量当たりのCV値の低い多孔質電極を得ることができ、陽極酸化時に高い電圧(たとえば100V)を印加できるようになる。また、得られた多孔質電極を使用することで、定格電圧が高く(たとえば25V)、薄型のTaまたはNbの電解コンデンサが作製可能となる。
本発明者らは、陽極酸化時に100V程度まで高電圧が印加可能なTaやNbの薄型電極を得るべく検討を行い、Ta、Nb、またはこれらの合金と異相成分であるCuとが、粒子径1nm〜1μmの範囲で均一に分布した薄膜を、Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜の上に混合成膜し、Cuの融点未満で、真空熱処理をして粒成長させた後、いったん酸でCuを選択的に溶解し、その後、再度、熱処理をして粒成長させることにより、質量当たりのCV値の低い多孔質電極を得られるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
このように2段階の熱処理をすることにより、Cuなどの異相成分が存在するために、異相成分の融点未満で熱処理を行っていた従来の手法に比べて、TaやNbの粒子をより粒成長させることができ、得られる多孔質電極に対して、従来よりも高電圧(たとえば100V)での陽極酸化が可能となる。したがって、本発明の多孔質電極を使用することにより、薄型であり、かつ、定格電圧の高い(たとえば25V)Ta電解コンデンサおよびNb電解コンデンサを作製することが可能となる。
本明細書において、TaまたはNbの合金とは、TaまたはNbを主成分とし、電解コンデンサの誘電体となる陽極酸化皮膜の漏れ電流や熱安定性などを改善するような元素が、微量添加された合金を意味する。添加元素としては、具体的にはW、Zr、Ti、Hf、またはAlなどの微量金属元素や、従来のTaペレットおよびNbペレットの原料となる粉末に微量添加されているP、NまたはBなどのドーパントを挙げることができる。また、Ta−Nb合金についても、中間的な特性を示すため、本発明において使用することができることは自明であり、これらの合金に含まれる。
次に、本発明の電解コンデンサ用多孔質電極およびその製造方法について、詳細に説明する。
本発明の電解コンデンサ用多孔質電極は、Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜の上に、TaまたはTa合金の粒子からなる多孔質膜が形成されており、前記多孔質膜を形成する粒子の質量当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積CV値が、70000μFV/g以下である。
Cu存在下においてCu融点未満で真空熱処理をする従来の手法では、Cuの融点(1083℃)以上に温度を上げることができない。Cuの融点以上に温度を上げると、Cuが溶解して、Taの焼結のコントロールが難しくなり、均一粒度が得られなくなる。また、Cuが染み出したり、揮発して、真空炉内部を汚してしまうという生産上の問題もある。Ta粒子の質量当たりのCV値は、熱処理温度により決まるので、従来法でCuの融点(1083℃)の直下で熱処理を行っても70000μFV/g以下とすることはできない。
あるいは、前記多孔質膜として、TaまたはTa合金の代わりに、NbまたはNb合金からなる多孔質膜を形成する。この場合、該多孔質膜を形成する粒子の質量当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積CV値が、110000μFV/g以下である。
前述したTaの場合と同様に、従来の手法では熱処理温度をCuの融点以上に上げられないため、Nb粒子の質量当たりのCV値にも限界がある。Nbの場合には、従来法では110000μFV/g以下とすることはできない。
ここで、Nbの質量当たりのCV値の上限値は、Taの質量当たりのCV値の上限値に比べて、約1.4倍であるが、これはNbの粒子の方がTaの粒子よりも細かいということを意味するわけではない。TaとNbの密度差、化成定数、および誘電率の違いから、TaとNbで、体積当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積が同じ場合(すなわち、TaとNbの粒子径が同じ場合)、Nbの質量当たりのCV値は、Taの2倍近くに大きくなるからである。以上を考慮すると、従来の手法で、Cu融点未満の熱処理で実現できる粒度は、TaおよびNbで同程度か、むしろNbの方がやや大きいことになる。
次に、本発明に係る電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法の各工程について詳細に説明する。
(1)まず、Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜の上に、Ta、Nb、またはこれらの合金と異相成分としてのCuとが、粒子径1nm〜1μmの範囲で均一に分布した薄膜を成膜する。異相成分としては、Ta、Nb、またはこれらの合金に対してほとんど固溶せず、また、成膜して熱処理をした後に、ほぼ完全に除去することができることから、Cuを用いることが好ましい。Cuと同様の働きをする異相成分としては、Ag(融点:1235℃)、Mg(融点:650℃)、Ca(融点:839℃)のような金属元素や、MgO(融点:2800℃)、CaO(融点:2572℃)のような熱力学的に安定な酸化物など、種々の物が挙げられるが、スパッタ速度が速く、取り扱いの容易性、コスト的に有利である点などの点から、Cuを使用するのが最も実用的である。
Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜は、下部電極となる。あるいは、石英などの絶縁基板上に、あらかじめこれらの金属膜を形成し、その上に上記薄膜を成膜してもよいし、これらの金属箔を使用してもよい。金属箔を使用する場合、片面または両面に成膜することができる。
混合成膜時、Ta、Nb、またはこれらの合金と異相成分であるCuとが、粒度1nm〜1μmの範囲になかったり、粒度の分布が不均一であったりすると、続いて行われる熱処理工程で不均一な粒成長が生じ、多孔質膜を形成するTa、Nb、またはこれらの合金の1次粒子径や細孔分布が不均一となる結果を招く。Ta、Nb、またはこれらの合金と、異相成分との混合成膜時における粒度の範囲や分布の均一性は、粒度が数百nm程度であれば、走査電子顕微鏡で容易に確認できる。また、粒度が1nm程度と微細な場合でも、透過電子顕微鏡で確認することができる。なお、Ta、Nb、またはこれらの合金と異相成分の分布は、透過電子顕微鏡のZコントラスト像などの画像により確認することができる。
Ta、Nb、またはこれらの合金とCuとが、均一に分布した薄膜を得る方法としては、粒度が1nm〜1μmの範囲にあるTa、Nb、またはこれらの合金とCuの粒子とを、揮発性のバインダに分散し、塗布後にバインダ成分を蒸発させて固着させる印刷法が実施できる。また、CVD(化学蒸着法)法、スパッタリング法、真空蒸着法など、種々の方法が実施できる。
このように種々の方法があげられるが、スパッタリング法または真空蒸着法を用いることが好ましい。これらの方法を用いた場合の薄膜形成プロセスにおいては、原子あるいはクラスターレベルで飛来した物質が基材に付着して薄膜を形成する。このため、Ta、Nb、またはこれらの合金とCuとが、ナノオーダーで微細であり、かつ、両者の分布が均一となっている連続体からなる薄膜を、再現性良く容易に得ることができる。
成膜時の膜厚は、陽極体の厚みや、多孔質箔の表面積すなわち静電容量を考慮して、任意に調節することができる。同じ成膜条件の場合、成膜した面積に対する実際の表面積は、膜厚に比例して増加するため、膜厚を厚くするにつれて、同じ面積で、より大きな静電容量が得られるようになる。
また、Ta、Nb、またはこれらの合金とCuとの成膜組成比は、最終的に得られる多孔質電極の空隙率を考慮して決定する。Cuが多いほど空隙率の大きい多孔質電極が得られる。Cuは、Ta、Nb、およびこれらの合金にほとんど固溶せず、酸で選択的に除去可能であるため、最終的に得られる多孔質膜の中に、ほとんど残留しないためである。
成膜組成比は、最終的に得られる多孔質電極の空隙率を考慮して決定する。Cuの添加量は、成膜方法によって微細構造が異なることから、目的によって調整する必要があるが、一般的には、30〜70%の範囲にある必要がある。これは、Cuを選択的に除去し、TaまたはNbの多孔質膜を得るためには、Cu、Ta、およびNbが、それぞれつながっている必要がある。Cuが体積比で30%以下の場合、Cuのつながりが悪くなり、引き続き行なわれる選択エッチングの工程でCuが除去されずに、表面積の大きな多孔質構造が得られない。また、逆に、Cuが体積比で70%以上の場合、TaまたはNbのつながりが悪くなり、得られた多孔質構造の強度が弱くなる。ただし、これはあくまでも目安であり、Cuの添加量を制限するものではない。成膜方法によって異なる多孔質膜の配向の程度や、多孔質膜の設計によっては、上記の範囲外で、Cuを添加してもよい。
(2)次に、異相成分であるCuの融点未満で、1段目の真空熱処理をして、粒成長させた後、酸でCuを選択的に溶解する。
前述の工程で得られた混合膜について、第1の真空熱処理を行い、Ta、Nb、またはこれらの合金とCuとをそれぞれ粒成長させる。これにより、Ta、Nb、またはこれらの合金による多孔質構造の一体性を確保すると共に、Cuの選択的な溶解が可能となる。この時の粒成長が不十分であると、Cuを溶解したとき、多孔質膜が壊れたり、Cuを選択的に溶解することができず、後述する2段目の熱処理の時に粒成長が進まず、本発明の効果が十分に得られない。
1段目の真空熱処理の温度としては、Cuの融点未満の温度とする。特に、異相成分としてCuを用いる場合、1000℃以上、Cuの融点未満であることが好ましい。1段目の真空熱処理の後に形成される空隙は、Cuの粒度により決定される。すなわち、高温で1段目の真空熱処理をしてCuを粒成長させるほど、空隙の大きな構造が得られる。2段目の熱処理は、Cuが存在しない状態で行われるが、2段目の熱処理では、表面積の減少とともに、多孔質構造の焼結収縮が進行し、空隙が小さくなる。1段目の真空熱処理時に形成される空隙が十分に大きくない場合、2段目の熱処理中の焼結収縮により、空隙が潰れてしまい、コンデンサ製造工程における陰極の含浸が難しくなる。このような理由から、この工程で、できるだけ1段目の真空熱処理の温度を上げて粒成長させておくことが好ましい。
1段目の真空熱処理で粒成長させた後、異相成分であるCuの除去を行う。除去方法として種々の方法を用いることができるが、操作の簡便さなどから、TaおよびNbの優れた耐食性を利用して、酸などで溶解除去するのが好ましい。酸の種類としては、過酸化水素、および硝酸など、酸化性の酸を使用することができる。また、塩化鉄や塩化銅などを使用することもできる。これらでCuを溶解除去した後、水洗および乾燥処理を行うことで、Ta、Nb、またはこれらの合金の多孔質膜を得ることができる。
(3)異相成分であるCuの融点以上で、2段目の熱処理をして、粒成長させる。
異相成分であるCuの除去後に、2段目の熱処理をすることで、さらに粒成長をさせることができる。この工程では、Cuがすでに除去されている状態のため、Cuの融点以上の温度に熱処理温度を上げることができる。熱処理温度は、目的とする質量当たりのCVに応じて選択される。2段目の熱処理温度が1段目の熱処理温度以下の場合は粒成長が起こらずに効果が得られない。また、高温で熱処理をするほど、より粒成長させることができ、より高い電圧で陽極酸化が可能になるが、熱処理温度を上げすぎると焼結により空隙が潰れてしまい、陰極の含浸形成が困難になるおそれがあるため、熱処理温度は目的とするCVおよび陽極酸化電圧、陰極含浸性を考慮して調整される。
熱処理雰囲気としては、真空雰囲気か、Mg蒸気またはCa蒸気が存在する不活性ガス雰囲気か、いずれかを選択することができる。Cuを除去した状態のTa粒子またはNb粒子の表面には、自然酸化膜が形成されており、真空熱処理時には、酸素が内部拡散して酸素量が増加する。酸素量の増加は、陽極酸化皮膜の絶縁性の低下を招く。この場合、酸素量の増加は、表面自然酸化膜の内部拡散分でわずかではあるが、皮膜の絶縁性はわずかに低下する。ただし、真空熱処理の場合は、後処理が必要なく、真空熱処理が終了して取り出した段階で電極が得られるために、操作としては簡便である。Mg蒸気またはCa蒸気が存在する不活性ガス雰囲気中で熱処理をすると、脱酸することができるが、装置が煩雑になり、また、熱処理後の試料には、MgまたはCaが付着しているため、再度、酸洗浄する必要が生じる。真空熱処理、Mg蒸気中熱処理、およびCa蒸気中熱処理のそれぞれに、以上のようなメリットおよびデメリットがあるため、熱処理の雰囲気は、目的とする電極の性能に応じて選択することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。本実施例および比較例では、陽極体に液体電解質を充填した後の静電容量および漏れ電流を測定している。以下では、コンデンサとして実用性の高いTaおよびNbを基板に使用する実施例に関して詳細に説明するが、Ta合金またはNb合金を基板に使用しても、同様の効果を得ることができた。
(実施例1)
純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲット(いずれもφ152.4mm、高純度化学研究所製)を用い、スパッタ装置としては多元スパッタ装置(株式会社アルバック製、SH−450)を用いた。基板ホルダに基板として厚さ50μmのTa箔(東京電解株式会社製)を固定し、1.3Pa(10mtorr)のアルゴン雰囲気中で、Ta−60vol%CuとなるようにTaとCuの電力比を調整し、Ta−Cu合金膜を9μm成膜した。片面を成膜した後に、Ta箔を裏返し、裏面にも、同様にしてTa−Cu合金膜を9μm成膜した。
膜の組成およびスパッタで基板に付着したTaの質量を求めるため、Nb箔に成膜した試料を2cm2角に切断し、化学分析でTaとCuの付着量を調べた。分析溶出量から、膜組成はTa−60vol%Cuであることが確認され、スパッタによるTa付着量は12mg/cm2であった。
この試料を、高温真空炉(東京真空製、turbo−vac)に装入し、5.0×10-3Pa以下の真空下、1050℃×60minで1段目の熱処理を行った後、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および真空乾燥を行なった。その後、高温真空炉(東京真空製、turbo−vac)に装入し、5.0×10-3Pa以下の真空下、1400℃×60minで、2段目の熱処理を行って、実施例1の多孔質電極を得た。
得られた多孔質電極を10mm角に切断し、スポットウエルダで直径0.2mmのNbワイヤーをリードとして取り付けたのち、電気伝導度10mS/cm、80℃のリン酸水溶液中で、初期電流密度0.01mA/μFV、電圧40V、60V、80V、100V、時間6hの定電圧化成を行って、誘電体となるTa25を形成した。
陽極酸化処理(化成処理)を施した多孔質電極について、40質量%の硫酸中でLCRメータ(Agilent製、4263B)を用い、印加バイアス1.5V、周波数120Hz、実効値1.0Vrmsで静電容量を測定した。測定した静電容量と、化成電圧と、成膜後に求めたスパッタによるTa付着質量とから、Taの質量当たりのCV(μFV/g)を算出した。その後、エレクトロメータ(ADVANTEST製、R8340)を用い、化成電圧の0.7倍の直流電圧を印加し、電圧印加5分後の漏れ電流を測定した。漏れ電流を規定するために、測定した漏れ電流を、静電容量と測定時の印加電圧で割り、漏れ電流(nA/μFV)を算出した。静電容量は、表面積に比例し、印加電圧は、陽極酸化皮膜の厚みに比例するため、漏れ電流(nA/μFV)は、陽極酸化皮膜の抵抗率の逆数に比例する。すなわち、この値が低いほど、陽極酸化皮膜の体積抵抗率が大きく、絶縁性に優れた陽極酸化皮膜が形成されていることを示す。一般的なコンデンサ用Taペレットの漏れ電流の指標としては、10nA/μFV以下という値がある。測定結果を表1に示す。
(実施例2)
純度99.99%のNbターゲットおよびCuターゲット(いずれもφ152.4mm、高純度化学研究所製)を用い、スパッタ装置としては多元スパッタ装置(株式会社アルバック製、SH−450)を用いた。基板ホルダに基板として厚さ50μmのNb箔(東京電解株式会社製)を固定し、1.3Pa(10mtorr)のアルゴン雰囲気中で、Nb−60vol%CuとなるようにNbとCuの電力比を調整し、Nb−Cu合金膜を9μm成膜した。片面を成膜した後に、Nb箔を裏返し、裏面にも、同様にしてNb−Cu合金膜を9μm成膜した。
その後、実施例1と同様にして膜組成を調べたところ、分析溶出量から、膜組成はNb−60vol%Cuであることが確認され、スパッタによるNb付着量は6.2mg/cm2であった。
この試料を、高温真空炉(東京真空製、turbo−vac)に装入し、5.0×10-3Pa以下の真空下、1050℃×60minで1段目の熱処理を行った後、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および真空乾燥を行なった。その後、高温真空炉(東京真空製、turbo−vac)に装入し、5.0×10-3Pa以下の真空下、1300℃×60minで、2段目の熱処理を行って、実施例2の多孔質電極を得た。
得られた多孔質電極について、実施例1と同様に陽極酸化を行い、陽極酸化を施した多孔質電極について、静電容量と漏れ電流を測定して評価した。測定結果を表1に示す。
(実施例3)
純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲット(いずれもφ152.4mm、高純度化学研究所製)を用い、スパッタ装置としては多元スパッタ装置(株式会社アルバック製、SH−450)を用いた。基板ホルダに基板として厚さ50μmのNb箔(東京電解株式会社製)を固定し、1.3Pa(10mtorr)のアルゴン雰囲気中で、Ta−60vol%CuとなるようにNbとCuの電力比を調整し、Ta−Cu合金膜を9μm成膜した。片面を成膜した後に、Nb箔を裏返し、裏面にも、同様にしてTa−Cu合金膜を9μm成膜した。
その後、実施例1と同様にして膜組成を調べたところ、分析溶出量から、膜組成はTa−60vol%Cuであることが確認され、スパッタによるTa付着量は13.2mg/cm2であった。
この試料を、高温真空炉(東京真空製、turbo−vac)に装入し、5.0×10-3Pa以下の真空下、1050℃×60minで1段目の熱処理を行った後、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および真空乾燥を行なった。その後、円筒形のNb製容器(φ75mm×120mm)および縦型電気炉を用意し、Nb製容器の底に、Nb製のバケットを設置し、バケットの内部に10gのCaを装入した後、上部に試料を装入した。さらに、Nb製容器に蓋をした後、縦型電気炉のステンレス製の反応容器に、Nb製容器を装入し、ステンレス製の反応容器蓋をした。その後、反応容器の内部をアルゴン置換した後、アルゴンガスを100ml/minの割合で供給しつつ、縦型電気炉の発熱体により、Nb製容器の内部を1350℃×60min保持して、2段目の熱処理を行った。冷却後、試料を取り出し、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Caを溶解除去した。その後、純水洗浄および真空乾燥を行なって、実施例3の多孔質電極を得た。
得られた多孔質電極について、実施例1と同様に陽極酸化を行い、陽極酸化を施した多孔質電極について、静電容量と漏れ電流を測定して評価した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例3で得られた試料を、高温真空炉(東京真空製、turbo−vac)に装入し、5.0×10-3Pa以下の真空下、1050℃×60minで1段目の熱処理を行った後、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および真空乾燥を行なって、比較例1の多孔質電極を得た。
得られた多孔質電極について、実施例1と同様に陽極酸化を行い、陽極酸化を施した多孔質電極について、静電容量と漏れ電流を測定して評価した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2で得られた試料を、高温真空炉(東京真空製、turbo−vac)に装入し、5.0×10-3Pa以下の真空下、1050℃×60minで1段目の熱処理を行った後、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および真空乾燥を行なって、比較例2の多孔質電極を得た。
得られた多孔質電極について、実施例1と同様に陽極酸化を行い、陽極酸化を施した多孔質電極について、静電容量と漏れ電流を測定して評価した。測定結果を表1に示す。
(比較例3)
2段目の熱処理条件を1050℃×60minとした以外は、実施例2と同様の操作を行なって、多孔質電極を得た。
得られた多孔質電極について、実施例1と同様に陽極酸化を行い、陽極酸化を施した多孔質電極について、静電容量と漏れ電流を測定して評価した。測定結果を表1に示す。
Figure 2009152273
(発明の評価)
前述したように、質量当たりのCV(μFV/g)は比表面積に比例し、漏れ電流(nA/μFV)は陽極酸化皮膜の抵抗率に反比例するので、陽極酸化電圧によって実効表面積と酸化皮膜の膜質が変化しなければ、質量当たりのCVと漏れ電流は理論上一定値となる。通常、質量当たりのCV値とは陽極酸化電圧に対してCV値がほぼ一定値を示す領域でのCVを指す。現実には、陽極酸化電圧が高くなるにつれて表面の凹凸のつぶれが進行し、質量当たりのCVは減少する。また、曲率が大きい微細な粒子表面に厚い陽極酸化皮膜を形成すると、化成破壊などにより皮膜の絶縁性が低下し、漏れ電流が増加する。CV低下や漏れ電流変化が少ない電圧範囲が陽極酸化可能な電圧範囲すなわちコンデンサ製造可能な電圧範囲となる。
本発明の電解コンデンサ用多孔質電極は、いずれも100Vで陽極酸化しても質量当たりのCVの低下はほとんどなく、漏れ電流もほとんど変化せず、一般的なTaペレットの指標である10nA/μFVを下回っている。したがって、本発明による多孔質電極は高電圧での陽極酸化が可能であり、例えば25V級の高定格電圧の電解コンデンサの製造に適している。
2段目の熱処理を、Ca蒸気雰囲気中で行った実施例3は、いずれの陽極酸化電圧でも、実施例1に比べて漏れ電流が小さい傾向にある。これは、Caの脱酸素の効果により、実施例3の多孔質電極は、実施例1に比べて含有酸素量が低く、形成された酸化皮膜の絶縁性がやや高いためと考えられる。
一方、比較例1および2の多孔質電極は、質量当たりのCV値が大きく、陽極酸化電圧が40Vでは、本発明の多孔質電極と同等の漏れ電流特性を示す。しかしながら、陽極酸化電圧が60V以上では、CV値(μFV/g)の低下が見られ、漏れ電流の上昇も確認される。これは、比較例の多孔質電極においては、粒成長が不十分のため、実効表面積の低下による重量当たりCV値の見かけ上の低下と、陽極酸化皮膜の絶縁性の低下が起こったためと考えられる。比較例3の多孔質電極は2段目の熱処理が1段目と同じ温度のため、粒成長が起こらずに効果が得られていない。すなわち、比較例1〜3の多孔質電極はいずれも、低電圧で陽極酸化して低定格電圧のコンデンサを製造するのには適しているが、高電圧で陽極酸化することで特性が著しく落ちるため、高定格電圧のコンデンサを製造することはできない。
以上、説明したように、本発明の多孔質電極は、高電圧(たとえば100V)で陽極酸化することができ、薄型で定格電圧の高い(たとえば25V)電解コンデンサを作製するときの多孔質電極として好適である。

Claims (5)

  1. Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜と、該箔または膜の上に形成され、TaまたはTa合金の粒子からなる多孔質膜とを有し、前記多孔質膜を形成する粒子の質量当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積であるCV値が、70000μFV/g以下であることを特徴とする電解コンデンサ用多孔質電極。
  2. Ta、Nb、またはこららの合金からなる箔または膜と、該箔または膜の上に形成され、NbまたはNb合金の粒子からなる多孔質膜とを有し、前記多孔質膜を形成する粒子の質量当たりの静電容量と陽極酸化電圧の積であるCV値が、110000μFV/g以下であることを特徴とする電解コンデンサ用多孔質電極。
  3. Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜の上に、TaもしくはTa合金、または、NbもしくはNb合金と、Cuとが、粒子径1nm〜1μmの範囲で均一に分布した薄膜を成膜し、Cuの融点未満で、1段目の真空熱処理をして、粒成長させた後、酸でCuを選択的に溶解し、その後、Cuの融点以上で、2段目の真空熱処理をして、粒成長させることを特徴とする電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
  4. Ta、Nb、またはこれらの合金からなる箔または膜の上に、TaもしくはTa合金、または、NbもしくはNb合金と、Cuとが、粒子径1nm〜1μmの範囲で均一に分布した薄膜を成膜し、Ta、Ta合金、Nb、またはNb合金からなる箔または膜の上に混合成膜し、Cuの融点未満で、1段目の真空熱処理をして、粒成長させた後、酸でCuを選択的に溶解し、さらに、Cuの融点以上で、MgまたはCa蒸気が存在する不活性ガス雰囲気中において2段目の熱処理をして、粒成長させ、その後、酸でMgまたはCaを溶解除去することを特徴とする電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
  5. 前記1段目の真空熱処理の温度を、1000℃以上とすることを特徴とする請求項3または4に記載の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
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