JP2006049816A - 多孔質バルブ金属薄膜、その製造方法および薄膜キャパシタ - Google Patents

多孔質バルブ金属薄膜、その製造方法および薄膜キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】 表面積の大きい多孔質バルブ金属薄膜およびその製造方法、並びにその薄膜を陽極体として利用した容量密度の大きい薄膜キャパシタを提供する。
【解決手段】 1)バルブ金属と異相成分の粒子径が1nm〜1μmの範囲にあり、かつ、バルブ金属と異相成分が均一に分布した薄膜を作製する工程、2)熱処理により粒子径を調整をするとともに適度に焼結を進める工程、3)異相部分を除去する工程、からなる製造方法を用いて、多孔質バルブ金属薄膜を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多孔質バルブ金属薄膜とその製法、それを用いた薄膜キャパシタに関し、特に酸化タンタル、酸化ニオブを利用したものに関する。
薄膜キャパシタは、高周波のハイブリッド電子部品、マルチチップモジュールのようなパッケージ部品における重要な構成部品であり、電子部品の薄型化に伴いその重要性はますます増している。近年さらに部品の高集積化、高密度化に伴い、薄膜キャパシタの面積も小型化が求められており、容量密度(単位面積あたりの容量)の大きな薄膜キャパシタが求められるようになっている。
ここで、薄膜キャパシタは、基本的に基材上に下部電極層、誘電体層、上部電極層が順次積層形成された構成となっている。
薄膜キャパシタの誘電体としては、バルブ金属の一種であるタンタルを陽極酸化させた酸化タンタルが従来から幅広く使用されている。酸化タンタルは優れた誘電特性を持っているからである。ここで、バルブ金属とは、陽極酸化により金属表面がその金属の酸化皮膜で覆われる金属のことである。
酸化タンタルを利用した薄膜キャパシタを形成する方法としては、基板表面に存在する下部電極にスパッタリング、CVDなどの真空プロセスで直接酸化タンタルを形成する方法、基板上に形成したTaの表面を陽極酸化して酸化タンタルを形成する方法などが挙げられるが、これらは平滑な基板に形成された平面的な構造を持つものであるため、その容量密度には限界がある。
キャパシタの容量は、一般に下記数式1のように表され、誘電率と表面積、誘電体の厚さで決定される。
Figure 2006049816
ここで、ε0:真空の誘電率(8.854×10-12(F/m))、ε:比誘電率、S:電極面積(m2)、d:誘電体厚さ(m)、a:化成定数(m/V)、V:陽極酸化電圧(V)である。
陽極酸化により酸化皮膜(誘電体)を形成する場合、酸化皮膜(誘電体)の厚さは印可する電圧に比例する(以下、このときの比例定数を化成定数と記す。)。したがって、酸化皮膜(誘電体)の厚さは、化成定数と陽極酸化電圧の積で表すことができる。
また、誘電体を陽極酸化により形成する電解コンデンサにおいては、容量の指標として、容量Cと陽極酸化電圧Vとの積CV(FV)を用いることが多い。容量の指標CVは前記数式1を変形して得られる下記数式2のように表される。したがって、薄膜キャパシタが平面的な構造であると仮定した場合の理論容量密度は、薄膜キャパシタの電極面積をS0とすると、数式2を変形して求められる下記数式3を用いて求めることができる。
Figure 2006049816
Figure 2006049816
Ta25、Nb25およびAl23を誘電体とした薄膜キャパシタが平面的な構造を持つと仮定した場合の理論容量密度を数式3に基づき求めると、下記に示す表1のようになる。
Figure 2006049816
一方、前記数式2から明らかなようにCVは表面積Sに比例するので、表面積の大きな陽極体を作製することにより容量密度を上げるという手法が、従来より行われている。例えば、エッチングなどで粗面化処理をしたアルミ箔を利用したアルミ電解キャパシタや、タンタル、ニオブなどの多孔質ペレットを利用したタンタル電解キャパシタ、ニオブ電解キャパシタなどがあげられる。
しかし、タンタル、ニオブは耐食性に優れた金属であるため、エッチングして粗面化処理をするのが困難である。また、多孔質ペレットを利用する場合、それぞれの微粉を圧粉焼成して陽極体を作製するのが一般的であるが、圧粉焼成ではペレットの薄型化に限界がある。さらに、多孔質ペレット作製時には、通常、数百nm〜数μm程度の1次粒子を持つスポンジ状の造粒粉末を使用する。そして、造粒粉同士を焼結して連続的な多孔質ペレットを得るために1000℃以上の高温で焼結を行う。しかし、1000℃以上の高温で焼結を行うため、造粒粉内部の1次粒子が粗大化して表面積が減少してしまうと同時に、細孔径も小さくなるため、多孔質体への電解質の含浸が難しくなる。以上のことより、タンタル、ニオブなどの多孔質ペレットを利用したタンタル電解キャパシタ、ニオブ電解キャパシタでは、薄型で細孔径が大きく、かつ、表面積の大きな陽極体を得ることは困難である。
他方、薄型で表面積の大きなタンタル、ニオブの陽極体を得る方法として、タンタル−チタンやニオブ−チタンの合金を真空中で加熱しチタンを蒸発除去して多孔質箔を得る方法が提案されている(非特許文献1)。しかし、この方法では、チタンを蒸発させるために2000℃以上の高温が必要になり、また、細孔径などのコントロールも難しく実用的ではない。
また、タンタル、ニオブなどの粉末をペースト状にして電極基板に塗布・焼成するという方法も提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では、焼結収縮により、陽極体にクラックが生じやすい。また、この方法でも、多孔質ペレットを用いた方法の場合と同様に細孔径が小さくなり、電解液の含浸性に問題がある。
以上のように、タンタル、ニオブなどを用いて、薄型で表面積が大きく、かつ、キャパシタとして好適な陽極体を作製するのは従来困難であった。
米国特許3,889,357号明細書 Thaddeus L. Kolski,"Electrolytic Capacitor Anodes Derived from Tantalum-Titanium and Niobium- Titanium Alloys","JOURNAL OF THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY",(United States),March 1965,Vol.112,No.3,p.272-p.279
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、表面積の大きい多孔質バルブ金属薄膜およびその製造方法、並びに該多孔質バルブ金属薄膜を陽極体として利用した容量密度の大きい薄膜キャパシタを提供することを目的とする。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜は、バルブ金属からなり、外界とつながっている複数の微細な孔を有する多孔質の薄膜であって、該薄膜の表面積は該薄膜の表面が平滑であると仮定した場合の表面積の2倍以上であることを特徴とする。
前記多孔質の薄膜中の孔の径の大きさは、10nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
また、前記バルブ金属の粒子径は、10nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、前記バルブ金属はNb、Ta、Nb合金、Ta合金のうちのいずれかであることが好ましい。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第一の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を前記異相成分の融点未満の温度で熱処理することにより該薄膜を焼結させ、熱処理後の前記薄膜から異相成分を実質的に選択的に除去することにより、バルブ金属からなる多孔質の薄膜を形成することを特徴とする。なお、ここで、「熱処理後の前記薄膜から異相成分を実質的に選択的に除去する」とは、該薄膜中の異相成分を、本発明の効果に悪影響を与えない程度まで除去するか、あるいはそれ以上除去することを意味する。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第二の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成すると同時に、該薄膜の前記異相成分の融点未満の温度で熱処理することにより該薄膜を焼結させ、熱処理後の前記薄膜より異相成分を実質的に選択的に除去することにより、バルブ金属からなる多孔質の薄膜を形成することを特徴とする。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第三の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上1400℃以下の温度で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、前記バルブ金属に対して熱力学的に安定しており、前記バルブ金属から実質的に選択的に除去することができる酸化物であることを特徴とする。
前記異相成分を構成する酸化物は、MgOおよび/またはCaOであることが好ましい。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第四の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上1030℃以下の温度で真空中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、前記バルブ金属に実質的に溶解せず、前記バルブ金属から実質的に選択的に除去することができる金属であることを特徴とする。なお、ここで、「実質的に溶解しない」とは、前記異相成分が、前記バルブ金属に、本発明の効果に悪影響を与えない程度に溶解することは許容するということを意味する。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第五の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上1060℃以下の温度でアルゴン雰囲気中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、前記バルブ金属に実質的に溶解せず、前記バルブ金属から実質的に選択的に除去することができる金属であることを特徴とする。
前記異相成分を構成する金属は、Cuおよび/またはAgであることが好ましい。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第六の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上600℃以下の温度で真空中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、Mgおよび/またはCaであることを特徴とする。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第七の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上630℃以下の温度でアルゴン雰囲気中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、Mgおよび/またはCaであることを特徴とする。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法の第八の態様は、バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を100〜400℃に加熱した基板上に形成した後、前記異相成分を除去することを特徴とし、前記異相成分は、Mgおよび/またはCaであることが好ましく、また、Cuおよび/またはAgであることも好ましい。
前記異相成分の添加量は、30〜70体積%であることが好ましい。
前記薄膜を、バルブ金属平滑膜または金属箔の片面または両面に形成してもよい。また、前記薄膜は、スパッタリング法または真空蒸着法を用いて形成することができる。
前記バルブ金属は、Nb、Ta、Nb合金、Ta合金のうちのいずれかであることが好ましい。
本発明に係るキャパシタ用陽極体材料の第一の態様は、金属箔と、本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜とからなり、該多孔質バルブ金属薄膜が該金属箔の片面または両面に形成されてなる。
前記金属箔は、バルブ金属であるNb、Ta、Nb合金、Ta合金のうちのいずれかからなることが好ましく、また、Cuからなる金属箔を用いることができる。
本発明に係るキャパシタ用陽極体材料の第二の態様は、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成されたバルブ金属平滑膜と、該バルブ金属平滑膜上に形成された本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜と、から形成されてなる。
前記絶縁基板は、アルミナ、石英、表面熱酸化シリコンのいずれかであることが好ましく、また、ポリイミド系樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板、ポリエーテルイミド系樹脂基板、ポリエーテルケトン系樹脂基板のいずれかであることも好ましい。
本発明に係るキャパシタ用陽極体の第一の態様は、本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の表面に該バルブ金属の酸化皮膜を形成してなる。
本発明に係るキャパシタ用陽極体の第二の態様は、本発明に係るキャパシタ用陽極体材料の第一の態様および第二の態様の多孔質バルブ金属薄膜の表面に該バルブ金属の酸化皮膜を形成してなる。
本発明に係る薄膜キャパシタの第一の態様は、本発明に係るキャパシタ用薄膜陽極体の第一の態様および第二の態様を陽極に用いてなる。
本発明に係る薄膜キャパシタの第二の態様は、本発明に係るキャパシタ用薄膜陽極体の第一の態様および第二の態様のキャパシタ用陽極体と、該キャパシタ用陽極体の表面酸化皮膜上に形成された電気伝導層と、該電気伝導層上に形成された陰極と、からなる。前記電気伝導層には、固体電解質を用いることができ、該固体電解質は、例えば二酸化マンガンまたは導電性高分子である。
本発明に係るバルブ金属薄膜は、微細孔が均一に分布した多孔質であるため、表面積が大きくなるだけでなく、電解質が十分に浸透しやすい。このため、本発明に係るバルブ金属薄膜を陽極体として用いた薄膜キャパシタは、容量密度が従来のものに比べて格段に大きくなる。
本発明者は、薄膜キャパシタの陽極体の表面積を飛躍的に増大させるためには3次元的に捉えていく必要があると考えた。3次元的に考えていけば、表面積を増大させることに理論的には上限がないからである。
本発明者は、この着想を具体化するため、鋭意研究を進め、陽極酸化することで表面が酸化皮膜で覆われるバルブ金属薄膜を多孔質化し、外界とつながっている微細な孔を多数設けることで、薄膜キャパシタの陽極体としての表面積を飛躍的に増大させることができることを知見し、本発明をするに至った。なお、バルブ金属に設けた多数の微細な孔が外界とつながっている必要がある理由は、外界とつながっていないと、設けた微細な孔に電解質が入り込まず、薄膜キャパシタの陽極体として機能しないからである。
このような構造とすることで、前記薄膜の表面積は該薄膜の表面が平滑であると仮定した場合の表面積の2倍以上とすることができる。
また、本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜は、後述するような方法で製造されることにより微細孔が均一に分布しているため、薄膜の厚みを増すことでその表面積を厚さにほぼ比例して容易に増加させることができる。一方、前述のように、キャパシタの容量は電極の表面積に比例して大きくなる(前記数式1及び数式2参照)。したがって、本発明で得られる多孔質バルブ金属薄膜は、薄膜の厚みを増すことで容易に容量密度を大きくすることができ、容量密度の大きい薄膜キャパシタを作製するための陽極体として好適である。
次に、本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜を製造する方法について説明する。
本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜の製造方法は、1)バルブ金属と異相成分の粒子径が1nm〜1μmの範囲にあり、かつ、バルブ金属と異相成分が均一に分布した薄膜を作製する工程、2)熱処理により粒子径を調整するとともに適度に焼結を進める工程、3)異相部分を除去する工程からなる。
以下、各工程について詳細に説明する。
1)バルブ金属と異相成分の粒子径が1nm〜1μmの範囲にあり、かつ、バルブ金属と異相成分が均一に分布した薄膜を作製する工程
まず始めに、バルブ金属と異相成分の粒度が1nm〜1μmの範囲にあり、かつ、バルブ金属と異相成分が均一に分布した薄膜を作製する。この時、バルブ金属と異相成分の粒度が1nm〜1μmの範囲になかったり、バルブ金属と異相成分の分布が不均一であったりすると、続いて行われる熱処理工程で不均一な粒成長が生じ、最終的に得られる多孔質バルブ金属薄膜の1次粒子径や細孔分布が不均一となる結果を招く。バルブ金属と異相成分の粒度の範囲や分布の均一性は、粒度が数百nm程度であれば走査電子顕微鏡で容易に確認できる。また、粒度が1nm程度と微細な場合でも透過電子顕微鏡で確認することができる。なお、バルブ金属と異相成分の分布は、透過電子顕微鏡のZコントラスト像などの画像により確認することができる。
バルブ金属と異相成分の粒度が1nm〜1μmの範囲にあり、かつ、バルブ金属と異相成分が均一に分布した薄膜を得る方法としては、粒度が1nm〜1μmの範囲にあるバルブ金属と異相成分の粒子を揮発性のバインダーに分散させ、塗布後にバインダー成分を蒸発させて固着させる印刷法が考えられる。また、CVD(化学蒸着法)法、スパッタリング法、真空蒸着法など種々の方法が考えられる。
このように種々の方法が考えられるが、スパッタリング法または真空蒸着法を用いることが好ましい。これらの方法を用いた場合の薄膜形成プロセスにおいては、原子あるいはクラスターレベルで飛来した物質が基板に付着して薄膜を形成してゆく。そのため、バルブ金属と異相成分の粒度が微細であり、かつ、バルブ金属と異相成分の分布が均一となっている連続体からなる薄膜を、再現性良く容易に得ることができるからである。
スパッタリング法または真空蒸着法による成膜で用いる基板としては、基本的には種々の金属箔基板、絶縁基板を用いることができる。金属箔を基板として用いる場合は、バルブ金属と異相成分が均一に分布した薄膜を該金属箔の片面に形成するだけでなく、両面に形成してもよい。ただし、基板の耐熱性等に起因して、後工程における熱処理温度等に制限がでてくる場合もある。
薄膜キャパシタの特性や、ハンドリング性、各種用途への適用等を考慮すると、金属箔基板としてはNb箔、Ta箔、Nb合金箔、Ta合金箔、Cu箔などが好ましい。薄膜キャパシタを作製する場合には上部電極と下部電極を絶縁する必要があるが、バルブ金属であるNb箔、Ta箔、Nb合金箔、Ta合金箔を基板として用いると、陽極酸化時に多孔質体とともに、バルブ金属箔基板上にも信頼性の高い絶縁皮膜を形成することができ、比較的簡便なプロセスで薄膜キャパシタを作製することができるという点で好ましい。また、Cu箔を基板として使用した場合は、上部電極と下部電極の間に樹脂や酸化物で絶縁層を設ける必要があり、バルブ金属箔を使用した場合に比べてプロセスはやや煩雑になるが、Cu箔は古くからプリント配線板などで広く使用されている安価な材料であり、コスト面やプリント配線板プロセスへの適用といった点で好ましい。
絶縁基板としてはアルミナ、石英、表面熱酸化シリコンの他、ポリイミド系、ポリサルフォン系、ポリエーテルイミド系、ポリエーテルケトン系の樹脂基板が好ましい。
バルブ金属と異相成分が均一に分布した薄膜は、金属箔基板の上に直接成膜してもよいし、絶縁基板にまず緻密質のバルブ金属平滑膜を成膜した後、その上に成膜してもよい。これら金属箔または緻密質金属平滑膜が、最終的に薄膜キャパシタとなった時の下部電極となる。
また、バルブ金属と異相成分の組成比は最終的に得られる多孔質薄膜の空隙率を考慮して決定する。本発明の範囲内においては、異相成分が多いほど、空隙率の大きい多孔質薄膜となる傾向がある。異相成分にはバルブ金属と選択的に除去可能な成分を用いているので、最終的に得られる多孔質バルブ金属薄膜中に残留しないからである。具体的には、異相成分としては、除去の容易さからバルブ金属に対して実質的に溶解しない金属成分、またはバルブ金属に対して熱力学的に安定な酸化物などから選択するのが好ましい。例えば、バルブ金属がタンタル、ニオブの場合、金属の異相成分としてはMgまたはCaのようなアルカリ土類金属のほか、CuまたはAgなどの金属を用いることが好ましい。これらの金属はタンタル、ニオブにほとんど溶解しない。特に、Mgは酸化物還元法で電解コンデンサ用タンタル、ニオブパウダーを製造する時の還元剤として用いられる場合があり、パウダー中にppmオーダーでしか残留しないことが知られている。また、酸化物の異相成分としてはMgOやCaOを用いることが好ましい。
異相成分の添加量は、成膜方法によっても微細構造が異なるので、目的によって調整する必要があるが、一般的には30〜70体積%添加するのが望ましい。成膜方法によっては膜が特別な配向を持たない場合があり、このような場合には異相成分の添加量が30%以下では、異相成分が連続層とならず外界と接するオープンポアができない部分が生じる可能性があるからである。一方、異相成分を70%を超えて添加した場合は、バルブ金属が連続層とならず、異相成分を除去すると膜から剥落する可能性があるからである。ただし、これは目安であり、異相成分の添加量を制限するものではない。成膜方法によって異なる膜の配向の程度や得られる薄膜の使用目的によっては、この範囲外の添加量を採用してもよい。
2)熱処理により粒子径を調整するとともに適度に焼結を進める工程
前述の工程により得られた薄膜を不活性雰囲気中または真空中で熱処理し、バルブ金属粒子同士の焼結を進めるとともに、異相成分の結晶粒を成長させる。バルブ金属粒子同士の焼結を進めることが必要な理由は、バルブ金属からなる構造体の一体性を確保するためであり、異相成分の結晶粒を成長させることが必要な理由は、異相成分除去後の空隙の大きさがある程度以上の大きさでないと電解質が充填できなくなってしまうからである。
熱処理雰囲気および温度は、前述の工程により得られた薄膜についてのバルブ金属と異相成分の分布および組成、ならびに異相成分の融点や蒸気圧などを考慮して決定する。熱処理は基本的に異相成分の融点未満の温度で行う。熱処理温度が融点を超えると熱処理中に異相成分が溶け出てしまい、Ta粒子の焼結を阻害し空隙を維持する役割を果たさなくなる。また、異相成分の融点に近い温度で熱処理する場合や、Mgのように、蒸気圧が高い金属を異相成分として用いる場合は、真空中で熱処理をすると異相成分の揮発が起こり、上記した場合と同様に焼結の阻害と空隙を維持する役割を果たさなくなる。このような場合はArなどの不活性雰囲気中で熱処理を行うことで異相成分の揮発を抑えることができる。
一般的には熱処理温度が低いほど構造は微細となり、表面積の大きい多孔質バルブ金属薄膜が得られる。ただし、200℃以下では焼結が進行せず粒子同士の結合が弱くなり、異相成分を除去した後にバルブ金属からなる構造体が一体性を維持できない場合があるので、200℃以上で熱処理することが好ましい。200〜600℃程度の低い温度領域で熱処理を行う場合は、異相成分の粒成長の観点から、異相成分としては融点の低いアルカリ土類金属であるMg(融点650℃)等を用いることが好ましい。
なお、スパッタリングや真空蒸着法を用いる場合は、基板加熱しながら薄膜形成を行うことにより、バルブ金属と異相成分からなる薄膜形成を行うと同時に粒子径を調整することも可能である。この方法では、基板上に膜が堆積する過程で加熱するため、成膜後に加熱した場合よりも低温(100〜400℃)でバルブ金属と異相成分を粒成長させることができる。そのため、耐熱性の低い樹脂基板を使用するときに特に有効な方法である。
ところで、従来のタンタル、ニオブなどの電解キャパシタの製造方法においては、前述したように、通常数百nm〜数μm程度の1次粒子を有するスポンジ状の造粒粉末を圧粉焼成し、造粒粉末間を焼結して多孔質ペレットとして陽極体を作製するのが一般的である。これらの方法では粉末粒度にもよるが、通常1000℃以上の高温で焼結を行う。しかし、造粒粉内部の1次粒子は微細で、焼結を物理的に阻害するものも存在しないので、1000℃以上の高温での熱処理では、1次粒子の成長が急激に進んで表面積が減少してしまうため好ましくない。さらに、焼結による表面積の減少は急激でコントロールすることが難しい。
また、従来のタンタル、ニオブなどの電解キャパシタの製造方法においては、焼結の進行と同時に空隙も小さくなるため、電解質の含浸が困難となる部分が生じ、多孔質体のうちキャパシタの容量として寄与できる部分が減ってしまい、容量出現率が低下してしまっていた。
これに対して、本発明に係る方法では、最初にバルブ金属および異相成分からなる膜を形成した段階ですでにバルブ金属からなる一体的な連続構造体が形成されているため、連続構造体を得るという目的での熱処理は、200℃以上1060℃未満の低温での熱処理で十分である。熱処理温度がこのように低温であるため、焼結後の粒子も0.2μm以下に止めることができる。また、細孔径をさらに大きくするという目的で、異相成分としてMgO、CaOなどの酸化物を用いて1060℃以上1400℃以下の高温で熱処理することもできる。このような高温で熱処理しても異相成分の存在がバルブ金属粒子の粒成長を物理的に阻害するため、1μm以下の微細な構造が得られ、かつ、焼結のコントロールも容易である。
熱処理後のバルブ金属および異相成分の粒子径は10nm〜1μmの範囲に入ることが好ましい。
バルブ金属の粒子径については、10nm以下では、バルブ金属粒子同士の連結が弱く、バルブ金属構造体としての一体性が不十分となるからである。また、バルブ金属の粒子径が1μm以上では異相成分除去後の多孔質バルブ金属薄膜の表面積が十分に大きくならないからである。
異相成分の粒子径については、10nm以下では、異相成分除去後の空隙が小さすぎ、電解質が浸透しにくくなってしまうためである。また、異相成分の粒子径が1μm以上では異相成分除去後の多孔質バルブ金属薄膜の表面積が十分に大きくならないからである。
なお、本発明の方法は、成長が急激に進みやすい0.2μm程度以下の微細な1次粒子に対しては焼結の進行に伴う弊害を抑制するという点で特に効果が大きいが、0.2μm以上の粒度の1次粒子に対しても焼結の進行に伴う弊害を抑制するという点での効果は当然に発揮でき、本発明の方法は、1次粒子の粒度が1μm程度までは十分に効果を発揮する。
従来の方法としては、粉末をペースト状にして電極基板に塗布・焼成するといった方法も試みられているが、この方法の場合は、焼結収縮により、陽極体にクラックが生じやすい。
これに対して本発明に係る方法では、最初にバルブ金属および異相成分からなる膜を形成した段階で、すでにバルブ金属からなる一体的な連続構造体が形成されており、さらに、異相成分も存在しているため、熱処理時にも焼結収縮が抑えられる。このため、熱処理を行なっても空隙率の減少がほとんど見られず、クラックなどが生じにくい。
3)異相成分を除去する工程
熱処理で粒度を調整した後、異相成分の除去を行う。除去方法として種々の方法を用いることができるが、操作の簡便さなどから、タンタル、ニオブなどの優れた耐食性を利用して酸などで溶解除去するのが好ましい。酸の種類は異相成分のみを選択的に溶解するものを選択する。例えば、異相成分としてCu、Agを使用した場合には硝酸、過酸化水素などを使用することができ、Mg、Ca、MgO、CaOなどを使用した場合には塩酸などを使用することができる。これらの溶液で異相成分を溶解除去した後、水洗、乾燥処理を行うことで、多孔質バルブ金属薄膜を得ることができる。
このようにして得られた多孔質バルブ金属薄膜は、空隙が均一に分布し、かつ、表面積も大きい。
ここで、本発明に係る方法の効果を定量的に表現するためには、多孔質薄膜の表面積を測定することが必要となるが、厳密に測定することは困難である。
そこで、本発明者は、キャパシタの電極の表面積と静電容量が比例する(前記数式1参照)ことに着目し、陽極酸化後の静電容量からキャパシタの電極の表面積、すなわち多孔質バルブ金属薄膜の表面積を推定し、評価することとした。
具体的には、同条件で陽極酸化した緻密平滑膜と静電容量を比較することにより、得られた多孔質バルブ金属薄膜の表面積が、薄膜形成部の面積(薄膜表面が平滑であると仮定したときの薄膜の表面積)に対して少なくとも2倍以上の表面積を有しているかどうかについて判断することができる。なお、薄膜形成部の面積(薄膜表面が平滑であると仮定したときの薄膜の表面積)に対して少なくとも2倍以上の表面積を有しているかどうかということが、本発明による十分な効果が発揮されていると判断するための基準となる。
また、このような評価法を用いることにより、薄膜の厚みを増すことでその表面積が増加していくことも定量的に把握することができる。
ただし、表面積は1つのパラメータのみでは一義的には決まらず、膜厚、バルブ金属と異相成分の組成比、熱処理温度などに依存する。膜厚については、膜厚が厚いほど多孔質構造が3次元的に積み重なって表面積が大きくなる。組成比については、異相成分の含有割合が30〜70体積%程度の場合には、異相成分の組成比が多くなるほど、膜がポーラスになって表面積が大きくなる。熱処理温度については、熱処理温度が低いほど熱処理時の粒成長が起こりにくく表面積が大きくなるが、低すぎるとバルブ金属の構造体は一体性がなくなり連続体にはならないため、熱処理温度は200℃以上であることが好ましい。
本発明の条件を満たすように作製された多孔質バルブ金属薄膜は、キャパシタ用薄膜陽極体として好適に用いることができる。なお、本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜は、絶縁基板上に形成されたバルブ金属膜、あるいはバルブ金属箔上に形成することができる。
また、本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜は、異相成分の選択次第で、Ta、Nb、Alなどバルブ金属の種類を選ばずに製造することが可能であるが、その酸化物の誘電特性を考慮すると、バルブ金属がNb、Ta、Nb合金、Ta合金であるものが、実用性が高い。異相成分としては種々の金属元素、酸化物などの選択が可能であるが、Nb、Ta、Nb合金、Ta合金に対する溶解度や安定度、除去の難易などを考慮すると、異相成分として、Mg、Caなどのアルカリ土類金属、Cu、Agなどの金属またはMgO、CaOなどの酸化物を用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例1〜7並びに比較例1〜4では、陽極体に液体電解質を充填した後の静電容量を測定しており、実施例8では、陽極体に固体電解質(二酸化マンガン)を充填した後の静電容量を測定している。
なお、本発明における異相成分は除去後に細孔となりバルブ金属膜を多孔質化する役割を果たすので、バルブ金属に対する溶解度や安定度、除去の難易などを考慮して異相成分を選択すれば、いずれのバルブ金属でも表面積の大きい多孔質薄膜を得ることができる。したがって、以下では、薄膜キャパシタとして実用性の高いNb、Taに関して詳細に説明し、他のバルブ金属の実施例については割愛する。
(実施例1)
水素化粉砕Nb(東京電解株式会社製、純度99.9%、粒度60〜200mesh)およびMgO(関東化学株式会社製、純度99.99%)をそれぞれ体積率で50%になるように秤量し、ロッキングミキサー(愛知電機製)を用いて100rpmで時間1hだけ混合した後、24.5MPaの圧力で温度1400℃、時間1hのホットプレスを行って、60mmφのターゲットを作製した。
次に、厚さ0.1mm、幅10mm、長さ10mmのNb箔(東京電解株式会社製、純度99.9%)を基板としてスパッタリング装置(SPF−210H、アネルバ製)にセットした後、作製したターゲットを用いて10mTorrのアルゴン雰囲気中でスパッタパワー200WでRFスパッタを行い、厚さ850nmの成膜を行った。これを真空中で温度600℃、時間1hの熱処理を行ったのち、6.7mol/Lの塩酸中に時間1hだけ浸漬し、MgOを溶出除去した。
得られた試料を水洗、乾燥した後、スポット溶接でNb箔裏面に直径0.2mmのNbワイヤーをリードとして取り付けた。これを80℃のリン酸水溶液中で電圧10V、時間10hの陽極酸化処理を行って誘電体層を形成した。そして、得られた試料について、40質量%の硫酸中でLCRメータ(4263B、Agilent製)を用い、印加バイアス1.5V、周波数120Hz、実効値1.0Vrmsで静電容量を測定した。その結果を表2に示す。測定した静電容量には成膜していない面(Nb箔裏面)の容量も含まれるので、測定した静電容量からこの部分の静電容量(比較例1の結果より2.87/2=1.435μF)を差し引いて、多孔質膜の部分についての静電容量を求めた。そして、求めた静電容量の値を、成膜した部分の面積(1cm2)で除して、容量密度(単位面積あたりの容量)を求めた。
(実施例2)
成膜後の熱処理を真空中で温度1200℃とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1で基板として使用したNb箔に、実施例1と同様の陽極酸化処理を施し、静電容量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006049816
比較例1の陽極体No.3については、表1に示したNb25の理論容量密度とほぼ同等の容量密度を有するのがわかる。これに対し、実施例1の陽極体No.1は、比較例1の陽極体No.3の約10.6倍の容量密度を有する。したがって、実施例1の陽極体No.1は、比較例1の陽極体No.3(Nb箔)に対して10.6倍以上の表面積を有していると考えられる。このように表面積が大きくなっている理由は、実施例1の陽極体No.1は多孔質薄膜となっているためと思われる。また、実施例2の陽極体No.2は陽極体No.3の3.6倍の容量密度を有する。すなわち、1200℃という高温で熱処理したにも関わらず、比較例1の陽極体No.3に対して3.6倍以上の表面積を有していると考えられる。これは異相成分であるMgOが高温においても安定に存在し、Nb粒子の焼結を阻害したためと考えられる。
(実施例3)
純度99.99%のTaおよびMgターゲット(いずれもφ152.4mm、高純度化学研究所製)を用い、直流スパッタ装置(SBH−2206、アルバック製)で10mtorrのアルゴン雰囲気中で石英基板上に成膜を行った。成膜は、基板上に10mm角の膜が形成されるとともに、該10mm角の膜の上部にさらに幅1mmのリード部を有するパターンが形成されるように、石英基板にメタルマスクを施して行った。
まず始めにTaのみを400nm成膜し、その後、TaとMgの同時スパッタにより、Ta−60vol%Mgを300nm成膜した。これをアルゴン雰囲気中で、温度400℃、時間1hの熱処理を行ったのち、6.7mol/Lの塩酸中に時間1hだけ浸漬して、Mgを溶出除去した。
これらを水洗、乾燥した後、80℃のリン酸水溶液中で電圧10V、時間10hの陽極酸化処理を行って誘電体層を形成し、実施例1と同様にして静電容量測定を行なって容量密度を算出した。結果を表3に示す。
(実施例4)
基板としてポリイミドフィルム(厚さ75μm、宇部興産製)を用い、基板を約300℃に加熱した後にTaターゲットとMgターゲットを用いて同時スパッタを行った以外は実施例3と同様の成膜操作を行った。なお、実施例3および実施例5〜7では基板を加熱せずにスパッタリングを行っている。
成膜後は熱処理を行わず、成膜したままの状態の膜を6.7mol/Lの塩酸中に時間1hだけ浸漬して、Mgを溶出除去した。
これを水洗、乾燥した後、80℃のリン酸水溶液中で電圧10V、時間10hの陽極酸化処理を行って誘電体層を形成し、実施例1と同様にして静電容量測定を行なって容量密度を算出した。結果を表3に示す。
(実施例5)
純度99.99%のTaおよびCuターゲット(いずれもφ152.4mm、高純度化学研究所製)を用い、直流スパッタ装置(SBH−2206、アルバック製)で10mtorrのアルゴン雰囲気中で石英基板上に成膜を行った。成膜は、基板上に10mm角の膜が形成されるとともに、該10mm角の膜の上部にさらに幅1mmのリード部を有するパターンが形成されるように、石英基板にメタルマスクを施して行った。
まず始めにTaのみを400nm成膜し、その後、TaとCuの同時スパッタにより、Ta−43vol%Cuを200nm成膜した。これを真空中で、温度600℃および800℃、時間1hの熱処理を行ったのち、6.7mol/Lの硝酸中に時間1hだけ浸漬して、Cuを溶出除去した。
これらを水洗、乾燥した後、80℃のリン酸水溶液中で電圧10V、時間10hの陽極酸化処理を行って誘電体層を形成し、実施例1と同様にして静電容量測定を行なって容量密度を算出した。結果を表3に示す。
(実施例6)
組成がTa−43vol%Cuの膜において、膜の厚さを650nmとし、焼鈍温度を600℃、800℃、および1000℃とした以外は実施例5と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(実施例7)
Ta−Cuの組成をTa−65vol%とし、膜の厚さを650nmとし、熱処理温度および熱処理雰囲気を600℃(真空中)、800℃(真空中)、1000℃(真空中)、1050℃(アルゴン雰囲気)とした以外は実施例5と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1と同じ成膜条件で石英基板上にTaのみを400nm成膜し、実施例1と同条件で陽極酸化処理を行い、静電容量を測定した。結果を表3に示す。
(比較例3)
Ta−Cuの組成をTa−65vol%とし、膜の厚さを650nmとし、熱処理温度を1050℃、熱処理雰囲気を真空中とした以外は実施例5と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
Ta−Cuの組成をTa−65vol%とし、膜の厚さを650nmとし、熱処理温度を1100℃、熱処理雰囲気をアルゴン雰囲気とした以外は実施例5と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
Figure 2006049816
表3からわかるように、Taの緻密平滑膜からなる比較例2の陽極体No.4の容量密度は9.6μFV/cm2であるのに対し、TaターゲットとMgターゲットを用いるか、またはTaターゲットとCuターゲットを用いて同時スパッタし、その後、本発明に係る製造方法の範囲内の条件で熱処理を施して多孔質膜化した実施例3〜7の各試料(陽極体No.5〜15)の容量密度は26.6〜88.5μFV/cm2である。すなわち、実施例3〜7の各試料(陽極体No.5〜15)は、実施例1と同じ条件で陽極酸化処理をした緻密平滑膜からなる比較例2の陽極体No.4に比べて、2.8〜9.2倍の容量密度を有する。
膜厚の影響については、膜厚が異なる実施例5と実施例6との比較から、膜厚が増加すると静電容量が増大することがわかる。すなわち、本発明の多孔質バルブ金属薄膜からなる陽極体は、立体的な多孔質構造であるため、膜厚の増加とともに表面積が増加する。
異相成分の含有量の影響については、異相成分であるCuの含有割合(vol%)が異なる実施例6と実施例7との比較から、本実施例の範囲では、異相成分であるCuの含有割合(vol%)が大きいほど容量密度が大きくなることがわかる。すなわち、本実施例の範囲では、異相成分であるCuの含有割合(vol%)が大きいほど表面積の大きい多孔質膜が得られる。
スパッタリングによる成膜後の熱処理温度の影響については、実施例5〜7からわかるように、該熱処理温度が600〜1000℃の範囲内では該熱処理温度が低いほど容量密度が大きくなっており、表面積の大きな多孔質体が得られている。
これに対して、該熱処理温度を1100℃とし、Cuの融点(1083℃)以上に熱処理温度を上げた比較例4の陽極体No.17は、多孔質部の膜厚が650nmあるにもかかわらず、容量密度が16.1μFV/cm2であり、比較例2の容量密度の約1.7倍程度であり、十分な効果が得られていない。したがって、該熱処理温度は異相成分の融点未満とすることが必要であると考えられる。
熱処理雰囲気の影響については、熱処理雰囲気がアルゴンである実施例7の陽極体No.15と熱処理雰囲気が真空である比較例3の陽極体No.16との比較から、スパッタリングによる成膜後の熱処理温度が1050℃の場合、真空中で熱処理するよりも、アルゴン雰囲気中で熱処理するほうが大きい容量密度が得られることがわかる。すなわち、熱処理温度を1050℃とし、真空中で熱処理をした比較例3の陽極体No.16の容量密度は15.2μFV/cm2であり、比較例2の約1.6倍程度であり、十分な効果が得られていないのに対し、同じ熱処理温度でアルゴン雰囲気中で熱処理をした実施例7の陽極体No.15の容量密度は43.2μFV/cm2であり、比較例2の約4.5倍となっており、十分な効果が得られている。一方、実施例7の陽極体No.14の容量密度は比較例2の約5.7倍程度であり、熱処理温度が1000℃の場合、真空中で熱処理をした場合であっても、十分な効果が得られている。したがって、異相成分がCuの場合、熱処理温度がCuの融点(1083℃)直下の温度で熱処理する場合には、アルゴン雰囲気中で熱処理しなければ十分な効果が得られないと考えられる。
なお、実施例4は、成膜後に熱処理を行っておらず、成膜したままの状態の膜を6.7mol/Lの塩酸中に時間1hだけ浸漬して、異相成分であるMgを溶出除去しているが、容量密度が41.1μFV/cm2であり、比較例2の4.3倍程度あり、容量密度は十分に大きくなっている。したがって、薄膜形成のためのスパッタリングに際して基板を加熱することにより、薄膜形成後に熱処理をしなくても、容量密度の大きい陽極体を得ることができると考えられる。
(実施例8)
実施例5〜7の多孔質薄膜陽極体のうち、陽極体No.7、9、12、14について、細孔に固体電解質を充填した。具体的には、比重1.2の硝酸マンガン水溶液中に浸漬し、大気中で、温度300℃、時間1hの熱処理を行うという手順を陽極体No.7、9、12、14の多孔質薄膜陽極体に対して10回繰り返し、細孔に固体電解質を充填した。硝酸マンガン含浸後の多孔質薄膜陽極体の熱処理(温度300℃、時間1h)により、含浸された硝酸マンガンは熱分解により二酸化マンガンとなる。
その後、多孔質膜の上面にAg電極を厚さ100nmだけスパッタリングにより成膜し、固体電解質充填後の静電容量の測定を行った。表4に、陽極体No. 7、9、12、14についての測定結果を示す。
Figure 2006049816
固体電解質を充填した実施例8における陽極体No.7、9、12、14は、いずれも容量出現率が90%以上であり、固体電解質の含浸性が良好である。固体電解質の含浸性の良否がESR(equivalent series resistance、等価直列抵抗)などのキャパシタ特性を左右するため、本発明による陽極体を使用することで、良好な特性を有するキャパシタが得られることが期待できる。
以上説明したように、本発明に係る多孔質バルブ金属薄膜を用いて作製した薄膜キャパシタは静電容量が大きく、キャパシタとして有用である。

Claims (32)

  1. バルブ金属からなり、外界とつながっている複数の微細な孔を有する多孔質の薄膜であって、該薄膜の表面積は該薄膜の表面が平滑であると仮定した場合の表面積の2倍以上であることを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜。
  2. 前記多孔質の薄膜中の孔の径の大きさが、10nm〜1μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質バルブ金属薄膜。
  3. 前記バルブ金属の粒子径が、10nm〜1μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質バルブ金属薄膜。
  4. 前記バルブ金属が、Nb、Ta、Nb合金、Ta合金のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質バルブ金属薄膜。
  5. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を前記異相成分の融点未満の温度で熱処理することにより該薄膜を焼結させ、熱処理後の前記薄膜から異相成分を実質的に選択的に除去することにより、バルブ金属からなる多孔質の薄膜を形成することを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  6. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成すると同時に、該薄膜の前記異相成分の融点未満の温度で熱処理することにより該薄膜を焼結させ、熱処理後の前記薄膜より異相成分を実質的に選択的に除去することにより、バルブ金属からなる多孔質の薄膜を形成することを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  7. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上1400℃以下の温度で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、前記バルブ金属に対して熱力学的に安定しており、前記バルブ金属から実質的に選択的に除去することができる酸化物であることを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  8. 前記異相成分が、MgOおよび/またはCaOである請求項7に記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  9. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上1030℃以下の温度で真空中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、前記バルブ金属に実質的に溶解せず、前記バルブ金属から実質的に選択的に除去することができる金属であることを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  10. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上1060℃以下の温度でアルゴン雰囲気中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、前記バルブ金属に実質的に溶解せず、前記バルブ金属から実質的に選択的に除去することができる金属であることを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  11. 前記異相成分が、Cuおよび/またはAgであることを特徴とする請求項9または10に記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  12. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上600℃以下の温度で真空中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、Mgおよび/またはCaであることを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  13. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を形成し、該薄膜を200℃以上630℃以下の温度でアルゴン雰囲気中で熱処理した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法であって、前記異相成分が、Mgおよび/またはCaであることを特徴とする多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  14. バルブ金属と異相成分とからなり、前記バルブ金属の粒子径と前記異相成分の粒子径がともに1nm〜1μmの範囲内にある薄膜を100〜400℃に加熱した基板上に形成した後、前記異相成分を除去する多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  15. 前記異相成分が、Mgおよび/またはCaであることを特徴とする請求項14に記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  16. 前記異相成分が、Cuおよび/またはAgであることを特徴とする請求項14に記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  17. 前記異相成分の添加量が30〜70体積%である請求項5〜16のいずれかに記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  18. 前記薄膜を、バルブ金属平滑膜または金属箔の片面または両面に形成することを特徴とする請求項5〜17のいずれかに記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  19. 前記薄膜を、スパッタリング法または真空蒸着法を用いて形成することを特徴とする請求項5〜18のいずれかに記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  20. 前記バルブ金属がNb、Ta、Nb合金、Ta合金のうちのいずれかであることを特徴とする請求項5〜19のいずれかに記載の多孔質バルブ金属薄膜の製造方法。
  21. 金属箔と、請求項1〜4のいずれかに記載された多孔質バルブ金属薄膜とからなり、該多孔質バルブ金属薄膜が該金属箔の片面または両面に形成されてなるキャパシタ用陽極体材料。
  22. 前記金属箔が、Nb、Ta、Nb合金、Ta合金のうちのいずれかからなる請求項21に記載のキャパシタ用陽極体材料。
  23. 前記金属箔がCuからなる請求項21に記載のキャパシタ用陽極体材料。
  24. 絶縁基板と、該絶縁基板上に形成されたバルブ金属平滑膜と、該バルブ金属平滑膜上に形成された請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質バルブ金属薄膜と、から形成されてなるキャパシタ用陽極体材料。
  25. 前記絶縁基板は、アルミナ、石英、表面熱酸化シリコンのいずれかである請求項24に記載のキャパシタ用陽極体材料。
  26. 前記絶縁基板は、ポリイミド系樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板、ポリエーテルイミド系樹脂基板、ポリエーテルケトン系樹脂基板のいずれかである請求項24に記載のキャパシタ用陽極体材料。
  27. 請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質バルブ金属薄膜の表面に該バルブ金属の酸化皮膜を形成してなるキャパシタ用薄膜陽極体。
  28. 請求項21〜26のいずれかに記載のキャパシタ用陽極材料の多孔質バルブ金属薄膜の表面に該バルブ金属の酸化皮膜を形成してなるキャパシタ用陽極体。
  29. 請求項27または28に記載のキャパシタ用薄膜陽極体を陽極に用いてなる薄膜キャパシタ。
  30. 請求項27または28に記載のキャパシタ用陽極体と、該キャパシタ用陽極体の表面酸化皮膜上に形成された電気伝導層と、該電気伝導層上に形成された陰極と、からなる薄膜キャパシタ。
  31. 前記電気伝導層が固体電解質からなる請求項30に記載の薄膜キャパシタ。
  32. 前記固体電解質は、二酸化マンガンまたは導電性高分子である請求項31に記載の薄膜キャパシタ。
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