JP2011066157A - 電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型かつ高表面積で、未焼結微粉末の発生を抑制でき、しかも熱応力に起因する反りの少ない、Taなどの原料金属からなる電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法を提供する。
【解決手段】たとえば、原料金属であるTaと、該Taと相溶しない異相成分であるCuと、該Taと相溶せずかつ該Cuの融点を低下せしめる第3元素であるMgとを、混合して薄膜を基板上に形成した後、得られた薄膜を真空中または不活性ガス中で熱処理することによって、該薄膜中の前記Taと前記Cuとを粒成長させ、その後、該薄膜から該Cuと前記Mgとを除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法に関し、特に、Ta(タンタル)、Ta合金、Nb(ニオブ)、Nb合金の中から選択される少なくとも1種の金属を原料金属とする、電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法に関する。
電子機器の小型・高機能化に伴い、CPUの処理速度も年々高速化し、その動作クロック周波数は数GHzに達している。このような高速化に対応するため、CPU周辺のデカップリングコンデンサに対しては、低ESR(等価直列抵抗)、低ESL(等価直列インダクタンス)、小型大容量(高リップル電流)であることが強く求められるようになっている。また、携帯電話やノートパソコンなどの薄型化に伴い、その電子部品であるコンデンサに対する薄型化の要求も強くなっている。
このような要求を満たすコンデンサとして、表面積の大きなTaやNbの多孔質ペレットを陽極として用い、その表面に陽極酸化で誘電体を形成し、陰極として導電性高分子を多孔質内部に含浸形成した電解コンデンサが挙げられ、広く用いられている。
TaやNbの多孔質ペレットは、TaやNbのサブミクロンの微粉末をリードワイヤと共に圧粉成型した後、高真空下で焼結することによって作製される。このような多孔質ペレットは、表面が微細な凹凸形状になっていて、広い表面積を稼ぐことができ、また、該表面に形成されるTaやNbの酸化物(誘電体)は、誘電率が大きいため、上記電解コンデンサの体積あたりの静電容量は非常に大きい。しかしながら、該多孔質ペレットは、圧粉焼結という製法上、薄型化に限界があるため、上記電解コンデンサの低背化にも自ずと限界がある。
TaやNbを用いた電解コンデンサの薄型化を目的として、薄型の多孔質電極を形成するための種々の方法が検討されている。たとえば、Ta箔やNb箔を電気化学的にエッチングして表面積を増やす方法や、TaやNbの微粉末スラリーをTa箔やNb箔の上に印刷して焼結する方法などがある。しかしながら、TaやNbは、耐食性が高いためエッチングが難しく、印刷法は焼結収縮によるクラックや反り、基板箔との密着性などに問題があり、実用化されていないのが現状である。
これらに対し、特許文献1や非特許文献1および2などに記載されているように、TaやNbの薄型多孔質電極の新たな作製方法として、TaまたはNbと、該TaまたはNbと相溶しない異相成分とを、同時スパッタリングして成膜した後、真空中または不活性ガス中で熱処理して粒成長させ、その後、該異相成分のみを選択的に除去するという方法が提案されている。また、特許文献2には、該異相成分として、Cu(銅)、Ag(銀)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)のうちの中から選択される少なくとも1種の成分を使用することが提案されている。ただし、該異相成分として、これらの成分を2種以上混在させた場合の効果、および、その混在比率については、何らの言及もなされていない。
異相成分を除去した後のTaやNbの多孔質電極の表面積は、混合成膜後の熱処理温度によって制御され、低温で熱処理をするほど、TaやNbの多孔質構造が微細になり、高表面積容量の電極が得られる。この手法によって従来にはなかった、薄型かつ高表面積のTaやNbの多孔質電極が得られる。
しかしながら、低温熱処理で高表面積の電極を得ようとした場合、TaやNbを均一に粒成長させることが難しく、異相成分除去後の多孔質電極にTaやNbのナノオーダーの未焼結微粉末が残留しやすい。このような未焼結微粉末が残留すると、該未焼結粉末が多孔質電極の細孔を塞ぎ、陰極含浸性が悪化して容量出現率(高分子を含浸形成した後の静電容量/硫酸液中での静電容量)が低下したり、ESRや漏れ電流などのコンデンサ特性に悪影響を及ぼしたりする。一方、高温熱処理を行ってTaやNbの焼結を進行させると、該未焼結微粉末は残留しにくくなるが、多孔質電極の表面積が小さくなってしまう。また、高温熱処理をした場合、熱応力に起因する反りが大きくなりやすいなどの問題も生じる。
以上述べたように、薄型かつ高表面積で、未焼結微粉末の発生を抑制でき、しかも熱応力に起因する反りの少ない、TaやNbの多孔質電極を得ることは、従来困難であった。
特開2006−049816号公報 特開2007−169766号公報
「タンタル、ニオブコンデンサにおける高周波対応技術と信頼性評価」、技術情報協会出版、p37 「第73回大会講演要旨集」、社団法人電気化学会出版、平成18年4月1日発行、p287
本発明は、上述のような事情に鑑み、薄型かつ高表面積で、未焼結微粉末の発生を抑制でき、しかも熱応力に起因する反りの少ない、TaやNbからなる電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法は、Ta(タンタル)、Ta合金、Nb(ニオブ)、Nb合金の中から選択された少なくとも1種の金属である原料金属と、該原料金属と相溶しない異相成分と、該原料金属と相溶せず、かつ該異相成分の融点を低下せしめる第3元素とを、混合して薄膜を基板上に形成する第1工程と、該第1工程により得られた薄膜を真空中または不活性ガス中で熱処理することによって、該薄膜中の前記原料金属と前記異相成分とを粒成長させる第2工程と、該第2工程により得られた薄膜から前記異相成分と前記第3元素とを除去する第3工程とを備えていることを特徴とする。
本発明の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法においては、前記異相成分をCu(銅)とし、前記第3元素をMg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、希土類元素のうちのいずれか1つの元素とすることが好ましい。
この場合に、前記第3元素をMgとする場合には、Cuに対するMgの添加量を0.1質量%以上16質量%以下とすることが好ましく、特に、該添加量を0.1質量%以上2.8質量%以下とすることが、より好ましい。
ただし、該添加量を0.1質量%以上2.8質量%以下とする場合には、第2工程で行う熱処理の温度を500℃以上[1084.87−129.917×{Cuに対するMgの添加量(質量%)}℃]なる式で計算される温度以下とし、該添加量を2.8質量%を超えて16質量%以下とする場合には、該熱処理の温度を500℃以上725℃以下とすることが好ましい。
これに対して、第3元素をCaとする場合には、Cuに対するCaの添加量を0.1質量%以上11質量%以下とし、かつ、第2工程で行う熱処理の温度を500℃以上917℃以下とすることが好ましい。
本発明により、陰極含浸性に影響を与える未焼結微粉末の発生を抑制しながら、低温熱処理でTaやNbなどの原料金属を均一に粒成長させることができ、もって、薄型かつ高表面積で、熱応力に起因する反りの少ない、コンデンサ特性に優れた電解コンデンサ用多孔質電極を得ることが可能となる。
CuとMgからなる2元系状態図である。 図1におけるJ点、K点付近と、D点、E点付近を模式的に拡大した図である。 CuとCaからなる2元系状態図である。 図3におけるP点、Q点付近と、S点、T点付近と、X点、Y点付近を模式的に拡大した図である。
本発明者は、Ta(タンタル)、Ta合金、Nb(ニオブ)、Nb合金の中から選択された少なくとも1種の金属である原料金属と、該原料金属と相溶しない異相成分とを、混合して薄膜を基板上に形成した後、熱処理により該薄膜中の前記原料金属と前記異相成分とを粒成長させ、その後、該薄膜中の前記異相成分を除去することによって、前記原料金属の多孔質電極を製造する方法において、前記異相成分を除去した後に残留する微粉末は焼結しきれなかった前記原料金属の微粉末であり、前記異相成分の融点を下げて均一な粒成長を促進することが、未焼結微粉末の発生を抑制するのに有効ではないかと考えた。また、このようにすれば熱処理温度を低減できることから、熱応力に起因する多孔質電極(電極箔)の反りの抑制にも効果があるのではないかと考えた。
より具体的に説明すれば、未焼結微粉末の発生を抑制するには、熱処理中において、前記異相成分中の前記原料金属粉末の移動性を向上させる必要があり、そのためには、通常、高い熱処理温度が必要になるが、一方で、熱処理温度を高くすれば、熱応力が高まり、多孔質電極の反りが大きくなる。この相反する2つの問題を解決するためには、多孔質電極の反りを小さく抑えられる熱処理温度において、前記異相成分中の前記原料金属粉末の移動性を向上させることができればよい。
本発明者は、この発想を元に鋭意研究を重ねた結果、上述したような原料金属の多孔質電極の製造方法において、前記異相成分中に、前記原料金属と相溶せず、かつ、該異相成分の融点を低下せしめるような第3元素を添加することにより、未焼結微粉末の発生を抑制でき、かつ、多孔質電極の反りを小さく抑えられるとの知見を得て、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法は、前記原料金属と、該原料金属と相溶しない異相成分とに、さらに、該原料金属と相溶せず、かつ該異相成分の融点を低下せしめる第3元素を添加して、これらの混合薄膜を形成し、熱処理して粒成長させ、熱処理後の薄膜から、前記異相成分と前記第3元素とを除去することを特徴とするものである。
以下、本発明に係る電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法の実施形態について、具体的に説明する。
なお、以下の実施形態では、原料金属としてTaを採用しているが、原料金属としてTa合金、Nb、Nb合金などを採用する場合も、同様の工程で多孔質電極を製造できる。
また、本明細書において、TaまたはNbの合金とは、TaまたはNbを主成分とし、電解コンデンサの誘電体となる陽極酸化皮膜の漏れ電流や熱安定性などを改善するような元素が、微量添加された合金も含む。添加元素としては、具体的にはW(タングステン)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、またはAl(アルミニウム)などの金属元素や、従来のTaペレットおよびNbペレットの原料となる粉末に微量添加されているP(リン)、N(窒素)、またはB(ホウ素)などのドーパントを挙げることができる。
また、Ta−Nb合金についても、TaとNbとの中間的な特性を示すため、本発明において、原料金属として使用できることは自明であり、TaまたはNbの合金に含まれるものとする。
(1)Taと異相成分と第3元素とを混合して薄膜を基板上に形成する第1工程
異相成分としては、Cu(銅)、Ag(銀)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)などのTaと相溶しない金属元素、MgOやCaOなど熱力学的に安定な酸化物を使用できるが、スパッタリングの容易さや経済性などからCuが最も好ましい。
第3元素としては、Taと相溶せず、かつ異相成分の融点を低下せしめるような元素が選択され、異相成分がCuの場合には、希土類元素やMg、Caなどが挙げられるが、取扱いの容易性や経済性、スパッタリングの容易さを考慮すると、Mgであることが好ましい。
混合成膜の方法(Taと異相成分と第3元素とを混合して薄膜を基板上に形成する方法)としては、Ta微粒子と異相成分微粒子と第3元素微粒子とを、または、Ta微粒子と異相成分および第3元素の合金微粒子とを、揮発性のバインダに分散させ、塗布後にバインダ成分を蒸発させて固着させる印刷法が考えられる。また、CVD(化学蒸着法)法、スパッタリング法、真空蒸着法など、種々の方法が考えられる。
これらの方法のうち、スパッタリング法は、原子あるいはクラスタレベルで飛来した物質が基板に付着して薄膜を形成してゆくため、Ta、異相成分および第3元素の分布が均一な薄膜を、再現性よく容易に得ることができる。したがって、混合成膜の方法としては、スパッタリング法を用いることが好ましい。
スパッタリング法の場合、Taと異相成分と第3元素とを所定の割合で混合した焼結ターゲットもしくはTaターゲットに異相成分や第3元素のチップを埋め込んだ埋込み複合ターゲットをスパッタリングする方法、Taと異相成分と第3元素のターゲットをそれぞれ用意して3元同時スパッタリングする方法、Taターゲットと、異相成分および第3元素の合金ターゲットを用意して2元同時スパッタリングする方法のうちのいずれかを選択することができる。Taと異相成分と第3元素のスパッタリング率の違いなどから、3元同時スパッタリングまたは2元同時スパッタリングの方が、組成制御、再現性の点などが容易である。
また、Ta、異相成分および第3元素の成膜組成比は、最終的に得られる多孔質電極の空隙率および第3元素添加後の異相成分の融点を考慮して決定される。
最終的に得られる多孔質電極における空隙は、異相成分および第3元素が除去されて形成される。したがって、混合成膜時のTaと異相成分と第3元素の合計体積に対する異相成分と第3元素の合計体積の比率が多孔質電極の空隙率に相当する。この体積比率は、成膜方法によっても微細構造が異なるので、目的によって調整する必要がある。一般的には、前記体積比率が30〜70体積%とすることが望ましい。成膜方法によっては膜が特別な配向を持たない場合があり、体積比率が30%以下では、異相成分が連続層とならず、外界と接するオープンポアができない部分が生じる可能性があるためである。一方、体積比率が70%を超える場合は、Taが連続体とならず、異相成分および第3元素を除去すると剥落する可能性があるためである。ただし、これは目安であり、体積比率を制限するものではない。成膜方法によって異なる膜の配向の程度や得られる薄膜の使用目的によっては、この範囲外の体積比率を採用してもよい。
異相成分と第3元素の組成比は、第3元素添加による異相成分の融点低下、生成する金属間化合物やその融点を考慮して決定される。
異相成分としてCu、第3元素としてMgを添加する場合における、CuとMgの組成比、および、融点低下について、状態図に基づいて説明する。
図1に、CuとMgの2元系状態図を示す(状態図出典:Journal of Phase Equilibria ,13(2),(1992))。
Cuが100質量%の場合の融点は1084.87℃である。線KHは固相線と呼ばれ、状態図上のある組成から垂直に線を引いたときに、固相線と交わる点の温度を固相線温度という。
固相線よりも下側の領域(固相線温度以下)では、CuとMgの固溶体(固体)のみが存在することを示す。
Cuが100質量%の状態からMgを添加するにつれ、固相線KHに沿って固相線温度(加熱により液相が出現し始める温度)が低下し、Mgの添加量が2.8質量%の場合(H点)では、725℃となり、この温度以下では固体のみが存在する。
Mgをさらに添加し、添加量が16質量%までは加熱により液相が出現し始める温度は725℃で変化せず、この温度は共晶温度と呼ばれる。
Mgをさらに添加すると、添加量が43.4質量%までは共晶温度は552℃となる。
領域ACHGFは、CuとMgの固溶体と金属間化合物MgCu2とが共存する領域である。
領域KHCEは、CuとMgの固溶体が存在する領域である。
領域FGIは、液相と金属間化合物MgCu2とが共存する領域である。
領域GHKは、液相と、CuとMgの固溶体とが共存する領域である。
第1工程の混合成膜に引き続いて行なわれる、第2工程の熱処理を、固相線温度以上または共晶温度以上で行うと、液相が出現する。
たとえば、領域GHK内に位置する、Mgが5質量%で温度が800℃の点で第2工程の熱処理を行う場合には、液相と、CuとMgの固溶体(固相)とが共存した状態での熱処理となるため、異相成分が液相の箇所と固相の箇所とで粒成長の状態に差異が生じ、結果的にTaの粒成長が局在化して均一な多孔質構造が得られないこととなる。さらには、融解したCuとMgが流出したり、急激に揮発したりして、炉壁に付着し、炉を損傷させる懸念もある。
このように、第2工程での熱処理は、液相が存在する領域で行うことは好ましくない。
具体的には、CuとMgの総質量に対するMg量が16質量%を超えて43.4質量%以下の範囲では、552℃を超える温度で、同じく2.8質量%を超えて16質量%以下の範囲では、725℃を超える温度で、同じく0質量%以上2.8質量%以下の範囲では、図1中の線KHで示される温度を超える温度で、第2工程の熱処理を行うことは好ましくない。
また、CuとMgの総質量に対するMg量は、特に、0.1質量%以上16質量%以下の範囲であることが好ましい。
この理由は、CuとMgの総質量に対するMg量を0.1質量%未満にすると、Mgを添加しない場合との融点の差が僅かであるため、実質的にMgを添加しない場合の焼結挙動と変わりがなく、十分な焼結促進効果を得られない可能性があるためであり、また、CuとMgの総質量に対するMg量を16質量%よりも多くすると、第2工程の熱処理温度を552℃以下にすることが必要となり、熱処理温度の設定範囲が狭まるためである。
CuとMgの総質量に対するMg量を、2.8質量%を超えて16質量%以下の範囲にする場合には、液相が存在しない、725℃以下の温度で第2工程の熱処理を行うことが好ましい。すなわち、図1における領域ABHGF内で熱処理を行うことが好ましい。この領域は、CuとMgの固溶体と金属間化合物MgCu2とが共存し、かつ、液相が存在しない領域である。
なお、この領域でも十分に焼結促進効果を得られるが、金属間化合物であるMgCu2が脆いために膜のハンドリング(取扱い)に困難をきたす場合がある。また、スパッタリングで成膜を行う場合に使用する合金ターゲットは、CuとMgの固溶体(低Mg濃度)とMgCu2(高Mg濃度)の2相組織とからなるターゲットとなる。このようなMg濃度差が大きい2相組織を有するターゲットをスパッタリングして得られた混合膜では、当然のことながら膜面内でのMg濃度分布が大きくなることが懸念される。
CuとMgの総質量に対するMg量を0.1質量%以上2.8質量%以下の範囲にする場合には、液相が存在しない、図1中の線KHで示される温度以下の温度で第2工程の熱処理を行うことが好ましい。
このようなMgの範囲において、図1における領域CDJHは、CuとMgの固溶体のみが存在する領域であることから、熱処理中の焼結挙動が安定しており、脆い金属間化合物MgCu2が生成しないため、ハンドリングが容易となる。また、図1における領域BCHにおいては、CuとMgの固溶体に少量の金属間化合物MgCu2が交じり合っている状態であることから、前記領域CDJHにおける熱処理中の焼結挙動と実質的に変わりがなく、熱処理中の焼結挙動が安定しており、金属間化合物MgCu2は少量含まれるが、ハンドリング上問題となることはない。
また、前記領域CDJHの混合膜を得るためのスパッタリングの合金ターゲットは、CuとMgの固溶体の単相となり、該合金ターゲット中のMgの分布も均一であるため、成膜時の膜面内でのMg濃度分布を容易に均一にすることができる。また、前記領域BCHの混合膜を得るためのスパッタリングの合金ターゲットは、CuとMgの固溶体に少量の金属間化合物MgCu2が交じり合っている状態であることから、Mgの濃度分布は実質的に均一となるため、成膜時の膜内でのMg濃度分布も実質上容易に均一にすることができる。
以上のことから、CuとMgの総質量に対するMg量は、0.1質量%以上2.8質量%以下の範囲であることが、より好ましい。
次に、異相成分としてCu、第3元素としてCaを添加する場合における、CuとCaの組成比、および、融点低下について、状態図を基づいて説明する。
図3にCuとCaの2元系状態図を示す(状態図出典:Journal of Phase Equilibria ,13(2),(1992))。
Cuが100質量%の場合の融点は1084.87℃である。
CuにCaを添加し、添加量が11質量%までは共晶温度は917℃で変化しない。
Caをさらに添加すると、添加量が39.2質量%までは共晶温度は567℃となる。
領域PQRVUTSは、Cuと金属間化合物Cu5Caとが共存する領域である。
領域STUXYは、液相とCuとが共存する領域である。
領域UVWは、液相と金属間化合物Cu5Caとが共存する領域である。
第1工程の混合成膜に引き続いて行なわれる、第2工程の熱処理を、共晶温度以上で行うと、液相が出現する。
たとえば、領域STUXY内に位置する、Caが3質量%で温度が960℃の点で第2工程の熱処理を行う場合には、液相とCu(固相)とが共存した状態での熱処理となるため、異相成分が液相の箇所と固相の箇所とで粒成長の状態に差異が生じ、結果的にTaの粒成長が局在化して均一な多孔質構造が得られない。さらには、融解したCuとCaが流出したり、急激に揮発したりして、炉壁に付着し、炉を損傷させる懸念もある。
このため、第2工程での熱処理は、液相が存在する領域で行うことは好ましくない。
具体的には、CuとCaの総質量に対するCa量が11質量%を超えて39.2質量%以下の範囲では567℃を超える温度で、同じく0質量%以上11質量%以下の範囲では917℃を超える温度で、第2工程の熱処理を行うことは好ましくない。
また、CuとCaの総質量に対するCa量は、特に、0.1質量%以上11質量%以下の範囲であることが好ましい。
この理由は、CuとCaの総質量に対するCa量を0.1質量%以下にすると、Caを添加しない場合との融点の差が僅かであるため、実質的にCaの添加がない場合の焼結挙動と変わりがなく、十分な焼結促進効果を得られない可能性があるためであり、また、CuとCaの総質量に対するCa量を11質量%よりも多くすると、熱処理温度を567℃以下にすることが必要となり、第2工程の熱処理温度の設定範囲が狭まるためである。
CuとCaの総質量に対するCa量を0.1質量%以上11質量%以下の範囲にする場合には、液相が存在しない、917℃以下の温度で第2工程の熱処理を行うことが好ましい。すなわち、図3における領域QRVUT内で熱処理を行うことが好ましい。この領域は、Cuと金属間化合物Cu5Caとが共存し、かつ、液相が存在しない領域である。
第3元素として、希土類元素を適用する場合も、Cuと各希土類元素との組成比、融点低下などを考慮して、適切な組成および熱処理温度を選択しうる。また、異相成分として、Cu以外の適用可能な元素を採用した場合にも、第3元素との組成比、融点低下などを考慮して、適切な組成および熱処理温度を選択しうる。
Taと異相成分と第3元素とからなる薄膜は、Taなどの金属箔を基板として、その上に直接成膜してもよい。また、絶縁基板にまず始めにTa薄膜を成膜し、その上に成膜してもよい。これら金属箔またはTa薄膜が、最終的に薄膜キャパシタにした時の集電体となる。成膜する基板としては、基本的には種々の金属箔基板や絶縁基板を用いることが可能である。ハンドリングやアプリケーションを考慮すると、金属箔としてはNb箔、Ta箔、Nb合金箔、Ta合金箔、Ti箔、Al箔、Cu箔などが好ましく、絶縁基板としてはアルミナ、石英、表面熱酸化シリコン基板などが好ましい。中でも、Nb箔、Ta箔、Nb合金箔、Ta合金箔または、絶縁基板上にTa膜またはNb膜を形成したものは、陽極酸化によって基板表面自体に緻密な絶縁皮膜が形成されるため、これらの基板を使用することが最も好ましい。
(2)熱処理により薄膜中のTaと第3元素を含む異相成分とを粒成長させる第2工程
粒成長が必要な理由は、第1に、Ta、および、第3元素を添加した異相成分のそれぞれの連続性を確保するためである。かかる連続性が必要な理由は、Taの連続性が確保されていないと、第3工程で第3元素を含む異相成分を除去した後に、Taの多孔質構造が崩れてしまうためであり、また、第3元素を含む異相成分の連続性が確保されていないと、第3工程で第3元素および異相成分を十分に除去することができなくなるためである。
また、第2に、第3工程で第3元素を含む異相成分を除去した後の空隙の大きさがある程度以上の大きさでないと、コンデンサ製造工程で固体電解質の形成ができなくなってしまうためである。
第1工程において成膜された膜は、Ta、Cu、Mgが微細に混合された状態であり、成膜条件によってはCuとMgは一部合金化している。第2工程における熱処理により、TaとCuが分離して、それぞれ粒成長し、この過程でMgはTaとは合金化せずに、Cuに固溶したり、Cuとの金属間化合物を形成する。
熱処理の雰囲気としては、Ar(アルゴン)などの不活性雰囲気または真空を選択することができる。
熱処理温度は、目的とする粒径や第3元素を含む異相成分の融点を考慮して決定される。すなわち、前述のように、熱処理温度を第3元素を含む異相成分の融点以下の温度とすることが好ましく、組成に応じて、固相線温度ないしは共晶温度以下とすることがさらに好ましい。また、熱処理温度が低いほど一般的に多孔質構造が微細となるため、より好ましい。ただし、熱処理温度が低すぎる場合には、粒成長が不十分となって、Taや異相成分の連続性が不十分となる懸念が生じる。このため、熱処理温度の下限については500℃以上とすることが好ましい。
(3)薄膜中の異相部分と第3元素とを除去する第3工程
異相成分と第3元素の除去には、種々の方法を用いることができるが、操作の簡便さなどから、Taの優れた耐食性を利用して酸などで溶解除去するのが好ましい。酸の種類は異相成分と第3元素のみを選択的に溶解するものを選択する。たとえば、異相成分としてCu、第3元素としてMgを添加した場合、硝酸や過酸化水素、塩化第2鉄、塩化第2銅溶液などを用いることができる。これらの溶液で異相成分と第3元素を溶解除去した後、水洗、乾燥処理を行うことで、Taの多孔質電極を得ることができる。
このようにして得られたTaの多孔質電極は、薄型で表面積が広く、かつ、異相成分に第3元素を添加しているため、Taの焼結が促進され、コンデンサ特性に悪影響を及ぼす未焼結のTa微粉末の残留が少ない。また、目的の粒径に調整するための熱処理温度が低くて済むため、熱応力に起因する多孔質電極の反りも小さい。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
実施例1では、原料金属としてTa、異相成分としてCu、第3元素としてMgを採用した。
(第1工程)
スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)を用い、基板ホルダに、基板(バルブ金属箔集電体)となるTa箔(50mm×50mm、厚さ50μm、東京電解株式会社製)を取り付けた。スパッタリングターゲットとして、純度99.99%のTaターゲット、Cuターゲット、およびMgターゲットを用いた(いずれもφ152.4mm、株式会社高純度化学研究所製)。
まず、スパッタリング装置内を1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、Taターゲット、Cuターゲット、およびMgターゲットに、それぞれ直流電力を投入し、混合膜(薄膜)の組成が体積比率でTa−51体積%Cu−6.9体積%Mgとなるように3元同時スパッタリングを行い、Ta箔の上に厚さ10μmの混合膜を形成した。この場合のCuとMgの総質量に対するMg量は2.6質量%である。
3元同時スパッタリング終了後、スパッタリングにより保護層として0.1μmの厚さのCu層を形成した。
(第2工程)
第1工程により得られた、混合膜を形成した箔を、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10-3Pa以下で加熱を開始して、680℃×60minの熱処理を行った。
(第3工程)
第2工程で熱処理された、混合膜を形成した箔を、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、CuおよびMgを選択的に溶解した後、純水洗浄および乾燥を行なった。
以上の操作により、Ta箔片面にTa多孔質層が形成されたTa多孔質電極箔が得られた。
(検査)
第2工程で熱処理を行った箔は、バイメタル効果により膜面を内側にして緩やかに反っていた。これを50mm角に切断し、反り高さaと箔の両端部間隔bとから、以下の式で曲率半径を求めた。
曲率半径r=(a2+1/4b2)/2a
ここで、反りの量は基板の剛性でも変化するが、本明細書の実施例および比較例では同じ基板を使用するため、膜応力による反りの大小は相対的に比較することができる。その結果を表1に示す。
また、第3工程により得られた電極箔表面のSEM観察を行い、表面におけるTaの微粉末の有無を確認した。さらに、ImageJ(パブリックドメインの画像解析ソフト、開発元:National Institutes of Health)を用いて、SEM画像から表面の空隙率を算出した。その結果を表1に併せて示す。
また、第3工程により得られた多孔質電極箔を10mm角に切断し、スポットウェルダで直径0.3mmのNbワイヤーをリードとして取り付けた後、陽極酸化処理を行って、誘電体皮膜を形成した。すなわち、電気伝導度10mS/cm、80℃のリン酸水溶液中で、初期電流密度0.01mA/μFV、電圧10V、6時間の定電圧化成を行うことにより、誘電体となるTa25を形成した。その後、イオン交換水で洗浄した後、40℃で12時間乾燥することにより、誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体を得た。
そして、該誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体について、30質量%の硫酸中でLCRメータ(4263B、Agilent製)を用い、印加バイアス電圧1.5V、周波数120Hz、実効値1.0Vrmsの条件で静電容量を、硫酸溶液浸漬してから1分後と30分後において測定した。1分後の静電容量をA、30分後の静電容量をBとして、A/Bを求め、電解液の浸透性を評価した。電解液浸透性が十分に浸透していない部分は静電容量が低くなる。A/Bが100%に近いほど、電解液が短時間で浸透しており、電解液浸透性が良好なことを示す。また、30分後の静電容量と化成電圧とスパッタリングで付着したTaの質量から、多孔質部分のTaのCV値(μFV/g)を算出した。このCV値であるCV/gは比表面積に比例するため、CV/gの値が小さいほど比表面積が小さく、より粒成長が促進されていることを示す。測定結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1との相違点は、第2工程での熱処理温度を730℃×60minとした点である。それ以外は、実施例1と同様の操作を行った。各種条件および検査結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1との相違点は、第2工程での熱処理温度を650℃×60minとした点である。それ以外は、実施例1と同様の操作を行った。各種条件および検査結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1との相違点は、第1工程における3元同時スパッタリングを、混合膜(薄膜)の組成が体積比率でTa−41体積%Cu−19体積%Mgとなるように行った点、および、この場合のCuに対するMgの添加量を8.2質量%とした点である。それ以外は、実施例1と同様の操作を行った。各種条件および検査結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1との相違点は、第1工程における3元同時スパッタリングを、混合膜(薄膜)の組成が体積比率でTa−31体積%Cu−29体積%Mgとなるように行った点、および、この場合のCuに対するMgの添加量を15.5質量%とした点である。それ以外は、実施例1と同様の操作を行った。各種条件および検査結果を表1に示す。
[比較例1]
比較例1では、原料金属としてTa、異相成分としてCuを用い、第3元素は用いなかった。
TaとCuとの混合成膜を行う第1工程では、実施例1と同じスパッタリング装置を用いるとともに、スパッタリングターゲットとして、純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲットを用い(いずれもΦ152.4mm、株式会社高純度化学研究所製)、Ta−60体積%Cuとなるように2元同時スパッタリングを行い、基板であるTa箔の上に厚さ10μmの混合膜を形成した。2元同時スパッタリング終了後、保護層として0.1μmの厚さのCu層を形成した。
以下、実施例1と同様の操作を行なった。各種条件および検査結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1との相違点は、第2工程での熱処理温度を860℃×60minとした点である。それ以外は、比較例1と同様の操作を行なった。各種条件および検査結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例1との相違点は、第2工程での熱処理温度を1000℃×60minとした点である。それ以外は、比較例1と同様の操作を行なった。各種条件および検査結果を表1に示す。
Figure 2011066157
(実施例および比較例の評価)
実施例1、4、5および比較例1は、同じ熱処理条件(680℃×60min)であるが、実施例1、4、5では、得られた膜の表面には微粉がほとんどなく開口が存在するのに対して、比較例1では、微粉で空隙が閉塞していた。
また、実施例1、4、5は、比較例1より低いCV値である。しかしながら、実施例2と比較例2の比較では、同じCV値(130,000μFV/g)を、実施例2の方がより低い熱処理温度で得ている。よって、実施例1、4、5についても、比較例1と同様のCV値を得るためにさらに熱処理温度を下げることが可能であることが理解される。
これらの結果から、第3元素であるMgの添加によって低い温度でも粒成長が促進されることが確認できる。
また、実施例1〜5のSEM表面観察結果および電解液浸透性は、いずれもTaの微粉末がほとんどなく、高い空隙率と電解液浸透性を示しており、第3元素であるMgの添加によって均一粒成長が促進された結果であると考えられる。
これに対し、比較例1および2は、Taの未焼結微粉末が空隙を覆うように残留しており、空隙率が小さく、電解液浸透性も小さい。
比較例3においては、第3元素であるMgを添加しなくても、高温熱処理で粒成長させることにより未焼結微粉末が除去され、空隙率、電解液浸透性とも高くなるが、焼結が進行しすぎて、CV値が70,000μFV/gとなって、電極の表面積、すなわち得られる静電容量が小さくなってしまう。
また、実施例3から、本発明の効果によって、低い熱処理温度で、CV値240,000μFV/gと表面積が広く、かつ、空隙率、電解液浸透性に優れた電極材料が得られることが理解される。
また、実施例と比較例との同じ粒径(CV値)における曲率半径を比較すると、いずれも実施例の方が曲率半径が大きく、反りが低減されていることが確認される。これは第3元素であるMgを添加することによって粒成長が促進されるため、より低温で同じTa粒径、すなわちCV値に調整することができ、その結果、熱応力による反りが抑制されるためであると考えられる。

Claims (5)

  1. Ta、Ta合金、Nb、Nb合金の中から選択された少なくとも1種の金属である原料金属と、該原料金属と相溶しない異相成分と、該原料金属と相溶せずかつ該異相成分の融点を低下せしめる第3元素とを、混合して薄膜を基板上に形成する第1工程と、該第1工程により得られた薄膜を真空中または不活性ガス中で熱処理することによって、該薄膜中の前記原料金属と前記異相成分とを粒成長させる第2工程と、該第2工程により得られた薄膜から前記異相成分と前記第3元素とを除去する第3工程とを備えていることを特徴とする、電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
  2. 前記異相成分をCuとし、前記第3元素をMg、Ca、希土類元素のうちのいずれか1つの元素とすることを特徴とする、請求項1に記載の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
  3. 前記第3元素をMgとし、CuとMgの総質量に対するMg量を0.1質量%以上、16質量%以下とし、かつ、0.1質量%以上、2.8質量%以下とする場合には、第2工程で行う熱処理の温度を500℃以上、[1084.87−129.917×{CuとMgの総質量に対するMg量(質量%)}℃]なる式で計算される温度以下とし、2.8質量%を超えて、16質量%以下とする場合には、該熱処理の温度を500℃以上、725℃以下とすることを特徴とする、請求項2に記載の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
  4. 前記CuとMgの総質量に対するMg量を、0.1質量%以上、2.8質量%以下の範囲とすることを特徴とする、請求項3に記載の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
  5. 前記第3元素をCaとし、CuとCaの総質量に対するCa量を0.1質量%以上、11質量%以下とし、かつ、第2工程で行う熱処理の温度を500℃以上、917℃以下とすることを特徴とする、請求項2に記載の電解コンデンサ用多孔質電極の製造方法。
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