JP2010027822A - 箔状の多孔質バルブ金属陽極体およびその製造方法 - Google Patents

箔状の多孔質バルブ金属陽極体およびその製造方法 Download PDF

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【課題】小型低背で高容量の固体電解コンデンサに好適な箔状の多孔質バルブ金属陽極体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、熱処理し、異相成分を除去することにより、バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属多孔質層が形成された多孔質バルブ金属陽極体を製造するにあたって、熱処理後に混合膜ないしはバルブ金属多孔質層の表面に偏析したバルブ金属をスパッタエッチングにより除去するか、もしくは、混合膜の上に、異相成分膜ないしは酸素バリア成分膜を形成して、熱処理することにより、バルブ金属多孔質層の表面へバルブ金属が偏析することを抑制し、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率を10〜70面積%とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体電解コンデンサの陽極体として用いられる多孔質バルブ金属陽極体およびその製造方法に関し、特に、タンタル(Ta)またはニオブ(Nb)からなる箔状の多孔質バルブ金属陽極体に関する。
固体電解コンデンサであるタンタル電解コンデンサおよびニオブ電解コンデンサは、小型、大容量、および高信頼性という特徴を有しており、携帯電話、ノートパソコンに代表される小型電子機器に必要不可欠な電子部品である。近年の電子機器の低背化、高機能化に伴い、タンタル電解コンデンサおよびニオブ電解コンデンサにも、低背化と高容量化が強く要求されている。
従来のタンタル電解コンデンサおよびニオブ電解コンデンサは、タンタル粉末やニオブ粉末を、圧粉成型および焼結した多孔質ペレットを陽極体として用いているが、陽極体の低背化には製法上の限界があり、得られるタンタル電解コンデンサまたはニオブ電解コンデンサの低背化にも、おのずと限界が生じている。
これに対して、タンタル箔やニオブ箔の上に、バルブ金属と、該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を、スパッタリングなどで形成し、真空中または不活性ガス中で熱処理をして、その後、異相成分のみを選択的に除去するという方法で、バルブ金属多孔質層を有する箔状の多孔質バルブ金属陽極体を製造する方法が、特許文献1(特開2006−49816号公報)に記載されている。この方法により得られる箔状の多孔質バルブ金属陽極体により、固体電解コンデンサのさらなる低背化が可能となり、有効な方法といえる。
かかる箔状の多孔質バルブ金属陽極体を用いる場合、固体電解コンデンサの高容量化に応えるには、バルブ金属多孔質層の表面積を大きくする必要がある。混合膜の熱処理温度を低くすれば、バルブ金属の焼結が抑制されるので、バルブ金属多孔質層が微細化して表面積を増加することができる。また、静電容量はバルブ金属多孔質層の厚さに比例するため、バルブ金属多孔質層を厚くすることも有効である。したがって、かかる箔状の多孔質バルブ金属陽極体においては、バルブ金属多孔質層の微細化による表面積の増加と、該多孔質層の厚さを増加させることにより、さらなる高容量化を達成できるものと考えられる。
特開2006−49816号公報
一般に、多孔質バルブ金属陽極体の静電容量は、硫酸溶液などの液体からなる電解質中で測定される。多孔質バルブ金属陽極体の空隙内部にまで硫酸溶液が浸透すると、かかる陽極体の表面積に対応した静電容量が測定される。
しかしながら、表面積の増加を図るために熱処理温度を制御し、かつ、バルブ金属多孔質層を厚く形成した場合において、その静電容量の測定に際して、バルブ金属多孔質層への硫酸溶液の浸透に必要以上の時間を要するという現象が見られることがわかった。
この現象は、かかるバルブ金属多孔質層における浸透性の低下を意味する。かかる浸透性の低下は、固体電解コンデンサの製造にも影響すると考えられ、このような固体電解コンデンサにおいては、二酸化マンガンや導電性高分子などの固体電解質の充填が不十分となって、高い静電容量が発現しない可能性があり、高容量化の観点から好ましくないといえる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、電解質の含浸性を維持しつつ、バルブ金属多孔質層の表面積と厚さの増加を同時に達成することにより、小型低背で高容量の固体電解コンデンサに好適な箔状の多孔質バルブ金属陽極体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る箔状の多孔質バルブ金属陽極体は、バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属多孔質層が形成され、前記バルブ金属多孔質層の表面の空隙率が10〜70面積%であることを特徴とする。
前記バルブ金属箔集電体が、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかからなり、前記バルブ金属多孔質層が、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかからなることが好ましい。
上記の表面特性を具備する多孔質バルブ金属陽極体は、具体的には、以下の製造方法により得ることが可能である。
すなわち、本発明に係る箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法は、バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、該混合膜を熱処理し、該熱処理後の混合膜から異相成分を除去して、バルブ金属多孔質層を形成する工程を含む製造方法に係る。
本発明では、前記異相成分除去後において、得られたバルブ金属多孔質層の表面にスパッタエッチングを施す工程をさらに含むことを特徴とする。
代替的に、かかるスパッタエッチングは、前記バルブ金属と異相成分からなる混合膜を熱処理した後、該熱処理後の混合膜の表面に対して施してもよい。
また、かかるスパッタエッチングを施す代わりに、前記バルブ金属および異相成分からなる混合膜の上に、同様の異相成分からなる異相成分膜を形成し、得られた積層体を熱処理した後、前記混合膜および異相成分膜の異相成分を除去してもよい。
代替的に、前記異相成分膜の代わりに、前記混合膜の上に、酸素バリア成分膜を形成し、得られた積層体を熱処理した後、前記混合膜の異相成分および該酸素バリア成分膜を除去してもよい。
なお、かかる酸素バリア成分膜を、Mg膜、Mg合金膜、CuMg合金膜、またはCuおよびMgの積層膜のうちのいずれかにより形成することが好ましい。 また、前記異相成分膜または前記酸素バリア成分膜の厚さを0.01〜10μmとすることが好ましい。
いずれの態様においても、前記バルブ金属を、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかとすることが好ましい。
また、前記異相成分をCuとすることが好ましい。なお、前記異相成分膜をCuにより形成する場合、該異相成分膜の厚さを0.1〜10μmとする。
前記混合膜は、前記バルブ金属と前記異相成分とを、同時スパッタリングまたは同時蒸着により形成することができる。
本発明により、バブル金属多孔質層の微細化および層厚の増加を図った場合でも、その表面における空隙率を低下させずに、バルブ金属多孔質層における電解質の含浸性が良好に保持することができ、よって、小型低背で高容量の固体電解コンデンサとして好適である高いCV値を有する箔状の多孔質バルブ金属陽極体を提供することができる。
本発明者らは、多孔質バルブ金属用極体において、バルブ金属多孔質層の微細化および層厚の増加を図った場合に、該陽極体の静電容量を測定する際に、電解液の浸透性が低下する現象が生ずるのは、バルブ金属多孔質層の内部の空隙率と比べて、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率が低いためであることを見出した。
そして、かかるバルブ金属多孔質層の表面の空隙率の低下は、熱処理工程でバルブ金属が混合膜の表面に偏析し、異相成分を除去した後でも、バルブ金属多孔質層の表面に残存するために生じており、このバルブ金属の表面偏析を抑制ないしは除去することにより、かかる空隙率の低下を抑制しうるとの知見を得て、本発明を完成したものである。
バルブ金属多孔質層の内部の空隙率と比べて、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率が低い理由は、次のように考えられる。バルブ金属と異相成分の混合膜を熱処理すると、バルブ金属粒子および異相成分粒子が成長する。このとき、バルブ金属の一部が、異相成分の粒子表面や結晶粒界を通じて拡散し、混合膜の表面に偏析する。この表面偏析は、バルブ金属と酸素との親和力が強いために、熱処理雰囲気中に存在する微量の酸素や、成膜後から熱処理工程に至るまでに、大気中で表面に形成された酸化皮膜が駆動力となって生じると考えられる。
このようなバルブ金属の表面偏析が生じても、異相成分粒子が大きい場合は、混合膜の異相成分を除去する工程で、異相成分粒子の表面に偏析しているバルブ金属は、支えを失って脱落するので、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率の低下は生じない。しかし、異相成分粒子が小さい場合、すなわち、熱処理温度を低くすることにより、バルブ金属の焼結を抑制し、高容量化しようとすると、混合膜の異相成分を除去しても、偏析したバルブ金属は、微細な空隙によって支えられ、多孔質層表面に残存する。このような理由から、バルブ金属多孔質層の内部に比べて、バルブ金属多孔質層の表面は、空隙率が減少してしまうと考えられる。
したがって、バルブ金属多孔質層における浸透性の低下は、表面偏析の発生を抑制したり、除去することにより、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率を適切に制御することにより、防止しうることとなる。
バルブ金属多孔質層の表面の空隙率は、10〜70面積%に規制する必要がある。この範囲においては、電解液の浸透性は良好となる。電解液の浸透性は、測定した静電容量値の時間変化で知ることができる。たとえば、陽極酸化した多孔質バルブ金属陽極体を電解質に浸漬してから1分後に測定した静電容量値が、30分後に測定した静電容量値の90%以上であれば、浸透性は良好ということができる。
バルブ金属多孔質層の表面の空隙率が10面積%未満では、電解液の浸透性が不十分である。一方、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率の上限については、バルブ金属多孔質層の内部の空隙が、特別な配向を持って分布しない場合は、内部の空隙率(単位、体積%)と、内部に仮想した任意の断面の空隙率(単位、面積%)は、同じ数値となり、この場合、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率は、バルブ金属多孔質層の内部の空隙率を超えないので、内部の空隙率の上限が、表面の空隙率の上限となる。後述の通り、内部の空隙率が70体積%を超えると、多孔質構造が連続とならず、剥離や崩壊を生じてしまうので、この範囲内に規制され、これに伴って、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率の上限についても、70面積%以下となる。
バルブ金属多孔質層を形成するバルブ金属としては、Ti、Ti合金、Al、Al合金、Ta、Ta合金、Nb、およびNb合金など、種々のものが考えられる。しかしながら、Tiは、陽極酸化皮膜の絶縁性に問題があり、Alは、陽極酸化皮膜の誘電率が小さく、容量密度が小さいので、電解コンデンサとしての実用性を考慮すると、Ta、Nb、Ta合金、またはNb合金であることが好ましい。
バルブ金属箔集電体の表面の一部にも、陽極酸化皮膜は形成されるので、バルブ金属多孔質層を形成するバルブ金属と同様に、バルブ金属箔集電体も、Ta、Nb、Ta合金、またはNb合金であることが好ましい。また、バルブ金属箔集電体は、バルブ金属多孔質層を形成するバルブ金属と同一であることがより好ましい。
次に、上記特性を有する多孔質バルブ金属陽極体を得るための製造方法について説明する。
まず、本発明の対象となる多孔質バルブ金属陽極体の基本的な製造工程について記述する。該工程は、
(工程1)バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程、
(工程2)工程1で得られた混合膜を熱処理する工程、
(工程3)工程2で熱処理された混合膜から異相成分を除去して、バルブ金属多孔質層を形成する工程、
からなる。
以下、上記の各工程について詳細に説明する。
(工程1)バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程
スパッタリング法により、バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属成分と相溶性を持たない異相成分を、スパッタリングすることにより、混合膜を形成する。スパッタリング法によれば、構成する成分の均質性が高い混合膜が得られるので好ましい。スパッタリング法以外にも、真空蒸着法やCVD法などによる成膜を行ってもよい。
この際、同時スパッタリング、ないしは同時蒸着により、混合膜を形成することが好ましい。合金ターゲットまたは合金蒸着材を作製しようと、TaまたはNbなどのバルブ金属と異相成分材料を混合溶融しても、それらは相溶性を持たないので合金成分は不均一となってしまい、そのような合金ターゲットや合金蒸着材料を用いて作製した膜も、成分が不均一となってしまう。安定して製造可能なTaまたはNbなどのバルブ金属ターゲットまたは蒸着材と、異相成分ターゲットまたは蒸着材を原料とする同時スパッタリングまたは同時蒸着では、それぞれの成分を安定して成膜できるので、均一な膜を製造することが可能となる。
TaまたはNbなどのバルブ金属と相溶性を持たない異相成分としては、Ag、Mg、またはCaのような金属元素や、MgO、またはCaOのように、熱力学的に安定な酸化物など、種々のものをあげることができる。これらはいずれも異相成分として使用することが可能であるが、経済性、融点、取扱い性、成膜の容易さ、および熱処理時の挙動などから、総合的に判断するとCuを使用するのが最も実用的である。
異相成分は、組成比で30〜70体積%であることが望ましい。30体積%より少ないと、異相成分が連続層とならず、外界と接するオープンポアができない部分が生じるため、好ましくない。また、70体積%を超えると、バルブ金属が連続層とならず、異相成分を除去することにより、得られるバルブ金属多孔質層膜に、剥離や崩壊が生じるため、好ましくない。
混合膜の厚さは、実質的に、バルブ金属多孔質層の厚さと等しく、得ようとする多孔質バルブ金属陽極体の静電容量から決定されるが、1〜200μmが好ましい。1μm未満では、バルブ金属多孔質層の構造をより微細化しても、高い静電容量を得ることが困難となってしまう。100μmを超えると、コンデンサとしたとき、厚くなってしまう。混合膜を両面に形成する場合には、それぞれの厚さを半分、すなわち0.5〜100μmとすることが好ましい。
(工程2)工程1で得られた混合膜を熱処理する工程
工程1で得られた混合膜を熱処理して、バルブ金属粒子同士、バルブ金属粒子とバルブ金属集電体の間の焼結を進めるとともに、異相成分を粒成長させる。したがって、熱処理温度については、バルブ金属多孔質層の内部の微細構造に影響するため、バルブ金属陽極体の容量から決定されるが、500〜800℃が好ましい。500℃未満では、異相成分の粒成長が不十分なため、次の工程3において、異相成分を除去しようとしても、バルブ金属多孔質層内に残ってしまう。熱処理温度が800℃を超えると、バルブ金属成分の焼結が進行し、粒子径が大きくなって、高い静電容量は得られない。熱処理は、バルブ金属成分の酸化を抑制するために、Arガスなどの不活性雰囲気中、または真空中で行う。
(工程3)工程2で熱処理された混合膜から異相成分を除去して、バルブ金属多孔質層を形成する工程
この工程では、熱処理で、混合膜中のバルブ金属成分および異相成分の粒度を調整した後、異相成分の除去を行う。これらの成分の除去方法として、種々の方法を用いることができるが、操作の簡便さなどから、酸などで溶解除去するのが好ましい。酸の種類は、異相成分のみを選択的に溶解するものを選択する。たとえば、バルブ金属としてTa、Ta合金、Nb、またはNb合金を使用し、異相成分としてCuを使用した場合には、硝酸、または過酸化水素などを好適に使用することができる。これらの溶液で、異相成分および酸素バリア成分を溶解除去した後、水洗および乾燥処理を行うことで、バルブ金属多孔質層を形成することができる。
本発明においては、かかる基本的な製造工程において、バルブ金属多孔質層の形成過程において発生するバルブ金属の表面偏析を抑制ないしは除去する点に特徴がある。以下、本発明の各態様について、この点を中心に詳述する。
[第1態様]
本発明の第1の態様に係る箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法においては、前記バルブ金属多孔質層の形成工程(工程3)の後において、得られたバルブ金属多孔質層の表面に、スパッタエッチングを施す工程(工程4)を追加している。
(工程4)得られたバルブ金属多孔質層の表面にスパッタエッチングを施す工程
異相成分を除去した後、水洗、乾燥して得られたバルブ金属多孔質層の表面に、スパッタエッチングを施すことにより、空隙率の小さい表面を除去し、空隙率のより大きい内部を表面に露出させる。
スパッタエッチングの方法は、高周波スパッタリング、イオン源を用いたイオン照射など、公知技術のいずれを用いてもよい。スパッタエッチングの深さは、露出した表面の空隙率の大きさで決定される。一般的には、空隙率の減少した表面層を確実に除去するには、バルブ金属多孔質層の表面から数nm〜数十nm除去すれば、露出した表面の空隙率は、10面積%以上となる。高周波スパッタリングでスパッタエッチングする場合は、投入する高周波積算電力密度を0.1〜10W/cm2・minとするのが好ましい。0.1W/cm2・minより低いと、表面の除去が不十分で空隙率の大きい内部が露出しない。0.1〜10W/cm2・minとすることで空隙率の大きい内部が確実に露出するので、10W/cm2・minを超えてスパッタエッチングを行うことは処理時間が増大するだけで、コスト高となってしまうため好ましくない。
[第2態様]
本発明の第2の態様に係る箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法においては、第1態様におけるバルブ金属多孔質層の形成後のスパッタエッチングの代わりに、混合膜を熱処理する工程(工程2)の後に、該熱処理後の混合膜の表面にスパッタエッチングを施す(工程2−A)。
(工程2−A)熱処理後の混合膜の表面にスパッタエッチングを施す工程
熱処理した混合膜の表面に、スパッタエッチングを施して、その表面を除去し、空隙率の大きい混合膜の内部を露出させる。この工程の後、混合膜を工程3に供すると、バルブ金属多孔質層内部と同様の空隙率を有する表面を発現させることができる。
スパッタエッチングの方法、および、その処理の程度は、第1態様の工程4と同様である。
[第3態様]
本発明の第3の態様に係る箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法においては、スパッタエッチングにより、バルブ金属多孔質層の表面ないしは熱処理後の混合膜の表面から、バルブ金属の表面偏析が生じている表面を除去する代わりに、工程1で得られた混合膜の熱処理前において、該混合膜の上に、異相成分からなる異相成分膜を形成し(工程1−A)、その後、かかる異相成分膜が表面に形成された混合膜(混合膜と異相成分膜の積層体)について、熱処理を施し(工程2′)、その後、混合膜と異相成分膜の異相成分を除去する(工程3′)。
(工程1−A)混合膜の上に、異相成分からなる異相成分膜を形成する工程
スパッタリング法により、バルブ金属成分と相溶性を持たない異相成分からなる異相成分膜を、混合膜の表面に形成する。TaおよびNbなどと相溶性を持たない異相成分としては、Cuが好適に使用できる。
このように混合膜の表面に異相成分膜(特に、Cu膜)を形成しておくと、熱処理工程(工程2′)におけるバルブ金属の偏析は、混合膜の表面ではなく、異相成分膜の結晶粒界やその表面に形成されることになる。このような場所に偏析したバルブ金属は、混合膜の表面から離れているため、混合膜の異相成分および異相成分膜の異相成分を除去する工程(工程3′)において、支えを失って脱落する。このようにして、バルブ金属多孔質層表面における空隙率の低下は抑制される。
Cuを使用する場合、異相成分膜の厚さは、0.1〜10μmとすることが好ましい。厚さが0.1μm未満では、バルブ金属の表面偏析が混合膜の表面に残るので、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率が低下する。厚さが10μmを超えても、空隙率の低下を抑制する効果が、効果的ではなくなり、コスト面から好ましくない。
異相成分膜を形成する異相成分としては、Cuが好ましいものの、その他、Mg、Caなどの金属元素を使用することもできる。この場合、後述する酸素バリア膜と同様に、異相成分膜の厚さは、0.01μm以上あれば十分となる。
かかる異相成分膜は、混合膜から異相成分を除去する工程において、かかる混合膜の異相成分と同時に除去される(工程3′)。
なお、バルブ金属としてTa、Ta合金、Nb、またはNb合金を使用し、混合膜および異相成分膜における異相成分としてCuを使用した場合には、硝酸、塩化第二鉄、塩化第二銅または過酸化水素などを好適に使用することができる。一方、混合膜および異相成分膜の異相成分として、Mg、Caなどの金属元素を使用した場合、塩酸を好適に使用することができる。
[第4態様]
本発明の第4の態様に係る箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法においては、第3態様における異相成分膜の形成の代わりに、工程1で得られた混合膜の熱処理前において、該混合膜の上に、酸素バリア成分膜を形成し(工程1−B)、その後、かかる酸素バリア成分膜が表面に形成された混合膜(混合膜と酸素バリア成分膜の積層体)について、熱処理を施し(工程2″)、その後、混合膜と異相成分膜の異相成分を除去する(工程3″)。
混合膜の表面に、バルブ金属よりも酸素を吸収しやすい酸素バリア成分膜を形成しておくと、バルブ金属の表面偏析を抑制することができる。酸素バリア成分膜は、熱処理雰囲気中に存在する微量の酸素に対して、ゲッターとして働くほか、成膜後から熱処理工程に至るまでに表面が酸化しても(この場合、酸素バリア成分膜の表面が酸化する)、酸素バリア成分膜の元素と酸素との親和力が大きいため、熱処理中にバルブ金属が表面偏析しにくくなるためと考えられる。
酸素バリア成分としては、Na、Ca、またはMgのような金属元素や、これらの合金が挙げられる。これらを酸素バリア成分として使用することが可能であるが、取扱い性、および成膜の容易さなどから判断すると、MgまたはMg合金を使用するのが最も実用的である。また、CuとMgの積層膜としても同様の効果が得られる。この場合、混合膜の表面に積層させる順序は、どちらが先でも効果は同様である。さらに、CuMg合金の膜でも、同じ効果が得られる。
なお、かかる酸素バリア成分は、Ta、Nbなどのバルブ金属と相溶性がないことを要するが、一般的には、上記の金属元素は、バルブ金属との相溶性を有しない。
また、酸素バリア成分は、前記異相成分と一部の金属元を共通にするが、この態様は、混合膜の異相成分とは異なる金属元素を酸素バリア成分膜に適用し、かつ、該金属元素が上記の酸素バリア特性を備える場合をいうものとする。したがって、本態様では、混合膜の異相成分としてCuが適用された場合に、上記のNa、Ca、Mgなどの酸素バリア特性を有する金属元素を用いて、酸素バリア成分膜を形成する場合などが含まれる。
(工程1−B)混合膜の上に、酸素バリア成分膜を形成する工程
工程1で得られた混合膜の表面に、酸素バリア成分を、スパッタリング法によりスパッタすることにより、酸素バリア成分膜を形成する。
混合膜の上に形成する酸素バリア成分膜の厚さは、0.01〜10μmが好ましい。酸素バリア成分膜の厚さが0.01μm未満では、酸素を吸収するには不十分であり、バルブ金属の表面偏析が混合膜の表面に残るので、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率が低下してしまう。酸素バリア成分膜の厚さが10μmを超えても、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率の低下を抑制する効果はあるが、コスト面から好ましくない。
本態様では、混合膜と酸素バリア成分膜の積層体について熱処理を施した後、かかる酸素バリア成分膜を、混合膜の異相成分と同時に除去する(工程3″)。
なお、この場合も、これらの成分の除去方法として種々の方法を用いることができるが、操作の簡便さなどから、酸などで溶解除去するのが好ましい。酸の種類は、異相成分および酸素バリア成分のみを選択的に溶解するものを選択する。
バルブ金属としてTa、Ta合金、Nb、またはNb合金を使用し、混合膜および異相成分膜における異相成分としてCuを使用し、酸素バリア成分膜として、Mg膜、Ca膜、Mg膜とCu膜の積層膜、MgCu合金膜を用いた場合には、硝酸、過酸化水素水を好適に使用することができる。
本発明においては、いずれの製造方法の態様においても、異相成分ないしは酸素バリア成分を溶解除去した後、水洗および乾燥処理を行うことで、バルブ金属多孔質層を形成することができるが、バルブ金属多孔質層ないしは混合膜の表面に生ずるバルブ金属の表面偏析を抑制ないしは除去することができ、よって、バルブ金属多孔質層の表面の空隙率は、10面積%以上に維持される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)を用い、基板ホルダにバルブ金属箔集電体となるTa箔(50mm×50mm、厚さ50μm、東京電解株式会社製)を取り付けた。スパッタリングターゲットは、純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲット(いずれもΦ152.4mm、株式会社高純度化学研究所製)とした。
先ず、スパッタリング装置内を1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、TaターゲットおよびCuターゲットにそれぞれ直流電力を投入し、混合膜の組成がTa−60体積%Cuとなるように同時スパッタを行い、バルブ金属箔集電体の上に厚さ5μmの混合膜を形成した。
続いて、混合膜の表面に、酸素バリア成分膜としてMgを厚さ0.02μm形成した。次に、Ta箔を裏返して基板ホルダに取り付け、同様の同時スパッタを行った。
さらに、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10-3Pa以下で加熱を開始して、650℃×60minの熱処理を行った。
その後、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、CuおよびMgを選択的に溶解し、その後、純水洗浄および乾燥を行なった。
以上により、Taからなるバルブ金属箔集電体の両面に、Taからなるバルブ金属多孔質層が形成された多孔質バルブ金属陽極体を作製した。
得られた本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、バルブ金属多孔質層の表面をSEMで観察したところ、多孔質構造による空隙が観察された。さらに、ImageJ(パブリックドメインの画像解析ソフト)を用いて、SEM画像から表面の空隙率を求めた。その結果を表1に示す。
また、得られた本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を10mm角に切断し、スポットウエルダで直径0.3mmのNbワイヤーをリードとして取り付けた後、陽極酸化処理を行って、誘電体皮膜を形成した。すなわち、電気伝導度10mS/cm、80℃のリン酸水溶液中で、初期電流密度0.01mA/μFV、電圧10V、時間6hの定電圧化成を行うことにより、誘電体となるTa25を形成した。その後、イオン交換水で洗浄した後、40℃で12時間乾燥することにより、誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体を得た。
誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体について、30質量%の硫酸中でLCRメータ(4263B、Agilent製)を用い、印加バイアス1.5V、周波数120Hz、実効値1.0Vrmsの条件で静電容量を、硫酸溶液浸漬してから1分後と30分後において、測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例2)
混合膜の厚さを10μmにしたことと、酸素バリア成分膜の厚さを0.1μmにしたことと、高温真空炉による熱処理を700℃×60minにしたこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例3)
混合膜の厚さを20μmにしたことと、酸素バリア成分膜の厚さを6μmにしたことと、高温真空炉による熱処理を750℃×60minにしたこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例4)
混合膜を、組成Ta−50体積%Cu、厚さ10μmにしたことと、酸素バリア成分膜を、厚さ0.5μmのCuと、その上に厚さ0.5μmのMgにしたことと、高温真空炉による熱処理を750℃×60minにしたこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例5)
バルブ金属箔集電体をNb箔(50mm×50mm、厚さ100μm、東京電解株式会社製)にしたことと、酸素バリア成分膜の厚さを0.5μmにしたことと、高温真空炉による熱処理を750℃×60minにしたこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例6)
混合膜の厚さを10μmにしたことと、酸素バリア成分膜を厚さ0.05μmのCuMg合金にしたことと、高温真空炉による熱処理を750℃×60minにしたこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例7)
バルブ金属箔集電体をNb箔(50mm×50mm、厚さ50μm、東京電解株式会社製)にしたことと、混合膜を、組成Nb−60体積%Cu、厚さ10μmにしたことと、酸素バリア成分膜を、厚さ0.1μmのCuと、その上に厚さ0.1μmのMgにしたことと、高温真空炉による熱処理を715℃×60minにしたこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
混合膜の厚さを10μmとしたことと、酸素バリア成分膜を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
混合膜の厚さを10μmにしたことと、酸素バリア成分膜の厚さを0.005μmにしたことと、高温真空炉による熱処理を750℃×60minにしたこと以外は、実施例1と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例1と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2010027822
(実施例8)
スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)を用い、基板ホルダにバルブ金属箔集電体となるTa箔(50mm×50mm、厚み50μm、東京電解株式会社製)を取り付けた。スパッタリングターゲットは、純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲット(いずれもΦ152.4mm、株式会社高純度化学研究所製)とした。
先ず、スパッタリング装置内を1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、TaターゲットおよびCuターゲットにそれぞれ直流電力を投入し、混合膜の組成がTa−60体積%Cuとなるように同時スパッタを行い、バルブ金属箔集電体の上に厚さ5μmの混合膜を形成した。次に、Ta箔を裏返して基板ホルダに取り付け、同様の同時スパッタを行った。
さらに、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10-3Pa以下で加熱を開始して、650℃×60minの熱処理を行った。
その後、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および乾燥を行なった。
さらに、スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)の基板ホルダ(直径45cm)に取り付け、1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、200W、2分間の高周波電力を投入して、Ta多孔質層表面をスパッタエッチングした。投入されたスパッタエッチング高周波積算電力密度は0・25W/cm2・minである。次に、裏返して基板ホルダに取り付け、同様の同時スパッタを行った。
以上により、Taからなるバルブ金属箔集電体の両面に、Taからなるバルブ金属多孔質層が形成された多孔質バルブ金属陽極体を作製した。
得られた本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、バルブ金属多孔質層の表面をSEMで観察したところ、多孔質構造による空隙が観察された。さらに、ImageJ(パブリックドメインの画像解析ソフト)を用いて、SEM画像から表面の空隙率を求めた。その結果を表2に示す。
また、得られた本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を10mm角に切断し、スポットウエルダで直径0.2mmのNbワイヤーをリードとして取り付けた後、陽極酸化処理を行って、誘電体皮膜を形成した。すなわち、電気伝導度10mS/cm、80℃のリン酸水溶液中で、初期電流密度0.01mA/μFV、電圧10V、時間6hの定電圧化成を行うことにより、誘電体となるTa25を形成した。その後、イオン交換水で洗浄した後、40℃で12時間乾燥することにより、誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体を得た。
誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体について、40質量%の硫酸中でLCRメータ(4263B、Agilent製)を用い、印加バイアス1.5V、周波数120Hz、実効値1.0Vrmsの条件で静電容量を、硫酸溶液浸漬してから1分後と30分後において、測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例9)
スパッタエッチングの条件を、200W、10分間の高周波電力、高周波積算電力密度として1.25W/cm2・minとしたこと以外は、実施例8と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例8と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例10)
厚さ20μmとしたこと以外は、実施例8と同様に、バルブ金属箔集電体の上に混合膜を形成した。
さらに、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10-3Pa以下で加熱を開始して、750℃×60minの熱処理を行った。
その後、スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)の基板ホルダに取り付け、1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、200W、10分間の高周波電力を投入して、Ta多孔質層表面をスパッタエッチングした。投入されたスパッタエッチング高周波積算電力密度は1.25W/cm2・minである。次に、裏返して基板ホルダに取り付け、同様の同時スパッタを行った。
さらに、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および乾燥を行なった。
以上により、Taからなるバルブ金属箔集電体の両面に、Taからなるバルブ金属多孔質層が形成された多孔質バルブ金属陽極体を作製した。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例8と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例11)
Ta箔に代えて、Nb箔を用いたことと、厚さ20μmとしたこと以外は、実施例8と同様に、バルブ金属箔集電体の上に混合膜を形成した。
さらに、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10-3Pa以下で加熱を開始して、750℃×60minの熱処理を行った。
さらに、スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)の基板ホルダに取り付け、1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、200W、30分間の高周波電力を投入して、Ta多孔質層表面をスパッタエッチングした。投入されたスパッタエッチング高周波積算電力密度は3.75W/cm2・minである。次に、裏返して基板ホルダに取り付け、同様の同時スパッタを行った。
さらに、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および乾燥を行なった。
以上により、Taからなるバルブ金属箔集電体の両面に、Taからなるバルブ金属多孔質層が形成された多孔質バルブ金属陽極体を作製した。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例8と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例12)
厚さ20μmとしたこと以外は、実施例9と同様に、バルブ金属箔集電体の上に混合膜を形成した。
さらに、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10-3Pa以下で加熱を開始して、750℃×60minの熱処理を行った。
その後、スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)の基板ホルダに取り付け、1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、200W、30分間の高周波電力を投入して、Ta多孔質層表面をスパッタエッチングした。投入されたスパッタエッチング高周波積算電力密度は3.75W/cm2・minである。次に、裏返して基板ホルダに取り付け、同様の同時スパッタを行った。
さらに、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および乾燥を行なった。
以上により、Taからなるバルブ金属箔集電体の両面に、Taからなるバルブ金属多孔質層が形成された多孔質バルブ金属陽極体を作製した。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例8と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表2に示す。
(比較例3)
スパッタエッチングの条件を、100W、1分間の高周波電力、高周波積算電力密度として0.06W/cm2・minとしたこと以外は、実施例9と同様に、本比較例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本比較例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例8と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表2に示す。
(比較例4)
スパッタエッチングを行わなかったこと以外は、実施例8と同様に、本比較例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本比較例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例8と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2010027822
(実施例13)
スパッタリング装置(SBH−2206、株式会社アルバック製)を用い、基板ホルダにバルブ金属箔集電体となるTa箔(50mm×50mm、厚み50μm、東京電解株式会社製)を取り付けた。スパッタリングターゲットは、純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲット(いずれもΦ152.4mm、株式会社高純度化学研究所製)とした。
先ず、スパッタリング装置内を1×10-4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、TaターゲットおよびCuターゲットにそれぞれ直流電力を投入し、混合膜の組成がTa−60体積%Cuとなるように同時スパッタを行い、バルブ金属箔集電体の上に厚さ5μmの混合膜を形成した。
さらに、異相成分膜として、Cuを厚さ0.1μm、形成した。次に、Ta箔を裏返して基板ホルダに取り付け、同様の同時スパッタを行い、さらに、異相成分膜として、Cuを厚さ0.1μm、形成した。
その後、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10-3Pa以下で加熱を開始して、650℃×60minの熱処理を行った。
さらに、2.3mol/Lの硝酸に浸漬し、Cuを選択的に溶解した。その後、純水洗浄および乾燥を行なった。
以上により、Taからなるバルブ金属箔集電体の両面に、Taからなるバルブ金属多孔質層が形成された多孔質バルブ金属陽極体を作製した。
得られた本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、バルブ金属多孔質層の表面をSEMで観察したところ、多孔質構造による空隙が観察された。さらに、ImageJ(パブリックドメインの画像解析ソフト)を用いて、SEM画像から表面の空隙率を求めた。その結果を表3に示す。
また、得られた本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を10mm角に切断し、スポットウエルダで直径0.2mmのNbワイヤーをリードとして取り付けた後、陽極酸化処理を行って、誘電体皮膜を形成した。すなわち、電気伝導度10mS/cm、80℃のリン酸水溶液中で、初期電流密度0.01mA/μFV、電圧10V、時間6hの定電圧化成を行うことにより、誘電体となるTa25を形成した。その後、イオン交換水で洗浄した後、40℃で12時間乾燥することにより、誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体を得た。
誘電体皮膜が付された多孔質バルブ金属陽極体について、40質量%の硫酸中でLCRメータ(4263B、Agilent製)を用い、印加バイアス1.5V、周波数120Hz、実効値1.0Vrmsの条件で静電容量を、硫酸溶液浸漬してから1分後と30分後において、測定した。測定結果を表3に示す。
(実施例14)
混合膜の厚さを10μmとしたことと、異相成分膜の厚さを1μmとしたことと、熱処理の温度を700℃としたこと以外は、実施例13と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例13と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表3に示す。
(実施例15)
混合膜の厚さを20μmとしたことと、異相成分膜の厚さを6μmとしたことと、熱処理の温度を750℃としたこと以外は、実施例13と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例13と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表3に示す。
(実施例16)
Ta箔に代えて、厚さ100μmのNb箔を用いたことと、混合膜の組成がTa−60体積%Cuとなるようにしたことと、異相成分膜の厚さを0.6μmとしたことと、熱処理の温度を700℃としたこと以外は、実施例13と同様に、本実施例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本実施例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例13と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表3に示す。
(比較例5)
混合膜の厚さを10μmとしたことと、異相成分膜を形成しなかったこと以外は、実施例13と同様に、本比較例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本比較例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例13と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表3に示す。
(比較例6)
混合膜の厚さを10μmとしたことと、異相成分膜の厚さを0.05μmとしたことと、熱処理の温度を750℃としたこと以外は、実施例13と同様に、本比較例の多孔質バルブ金属陽極体を得た。
本比較例の多孔質バルブ金属陽極体について、実施例13と同様に、表面の空隙率および静電容量を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2010027822

Claims (12)

  1. バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属多孔質層が形成された箔状の多孔質バルブ金属陽極体であって、前記バルブ金属多孔質層の表面の空隙率が10〜70面積%であることを特徴とする箔状の多孔質バルブ金属陽極体。
  2. 前記バルブ金属箔集電体が、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかからなり、前記バルブ金属多孔質層が、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の多孔質バルブ金属陽極体。
  3. バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、該混合膜を熱処理し、該熱処理後の混合膜から異相成分を除去して、バルブ金属多孔質層を形成し、その後、得られたバルブ金属多孔質層の表面にスパッタエッチングを施す工程を含む、箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  4. バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、該混合膜を熱処理し、該熱処理後の混合膜の表面にスパッタエッチングを施し、その後、前記混合膜の異相成分を除去して、バルブ金属多孔質層を形成する工程を含む、箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  5. バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、該混合膜の上に、該異相成分からなる異相成分膜を形成し、得られた積層体を熱処理し、その後、前記混合膜の異相成分および前記異相成分膜を除去して、バルブ金属多孔質層を形成する工程を含む、箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  6. バルブ金属箔集電体の少なくとも一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、該混合膜の上に、酸素バリア成分膜を形成し、得られた積層体を熱処理し、その後、前記混合膜の異相成分および前記酸素バリア成分膜を除去して、バルブ金属多孔質層を形成する工程を含む、箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  7. 前記酸素バリア成分膜を、Mg膜、Mg合金膜、CuMg合金膜、またはCuおよびMgの積層膜のうちのいずれかにより形成する、請求項6に記載の箔状の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  8. 前記異相成分膜または前記酸素バリア成分膜の厚さを0.01〜10μmとする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  9. 前記バルブ金属を、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかとする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  10. 前記異相成分をCuとする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  11. 前記異相成分をCuとし、かつ、前記異相成分膜の厚さを0.1〜10μmとする、請求項5に記載の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
  12. 前記混合膜を、前記バルブ金属と前記異相成分とを、同時スパッタリングまたは同時蒸着により形成する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の多孔質バルブ金属陽極体の製造方法。
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