JP2009543369A - 電解コンデンサーの製造における改善 - Google Patents

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Abstract

電解コンデンサー用の前駆陽極の製造方法は、a)好適な陽極金属または金属合金から陽極体を形成する工程;b)該金属または金属合金から一部の望ましくない酸素を除去するための条件下で該陽極体が溶融塩電解質中において電気分解を受ける電気脱酸素に該陽極体を供する工程;c)該電解質を除去するために該陽極体を洗浄する工程;およびd)該前駆陽極を形成するために該陽極体上に誘電体層を蒸着する工程を含む。この方法は、固体電解コンデンサー用の多孔性タンタル陽極を製造するのに特に好適である。

Description

本発明は、電解コンデンサー、とりわけ固体電解コンデンサーの製造のための改善された方法、およびかかる方法の製品に関する。本発明は、特に、改善された性能特性を有するタンタルコンデンサーの製造に関する。
電解コンデンサーの初期の製造では、絶縁または誘電体層を作り出すために、電流を通すことによって、好適な陽極金属、例えばアルミニウム、タンタルまたはニオブ、の表面上に酸化物の非常に薄い膜を蒸着する。誘電体層を形成した後、最終コンデンサー製品を形成するために、前駆陽極体(precursor anode body)に導電層、陰極層およびパッケージング層を順に重ねる。固体電解コンデンサーにおいて一般的に使用される導電層は二酸化マンガンである。あるいは、湿式電解コンデンサーでは、液体導電層が使用される。陰極は、一般に蒸着グラファイト層および銀層を含む。
他のコンデンサー設計に比べた電解コンデンサーの利点は、合理的に高い誘電率を有する陽極酸化物とともに、誘電体層の薄さとその表面積の広さからもたらされる高いキャパシタンス率である。五酸化タンタルの誘電特性は電解コンデンサーにおいて特に好適である。タンタルに基づくコンポーネントは、体積効率と確実性から回路設計に有意な有益性を有し、携帯電話機、ポケットベル(登録商標)およびノート型パソコンなどの製品に対してエレクトロニクス産業で広く使用されている。
しかしながら、電解コンデンサーの性能は、金属陽極体中に存在する不純物によって低下する可能性がある。例えば、高レベルの酸素は誘電体層酸化物成長中に不具合を生む可能性があり、最終コンデンサー製品における望ましくなく高いリーク電流につながる。このことが、次には、最終コンデンサー製品のキャパシタンスおよび/または定格電圧の低減につながり、そして結果として体積効率の悪化につながる。
タンタルコンデンサーの製造のための従来の方法は、一部の処理工程の間に望ましくない酸素の不可避的なピックアップを含む。
多孔性陽極体がタンタル粉末を焼結することにより形成される多孔性タンタル電解コンデンサーの特定の場合では、この問題を改善するために、タンタル粉末の供給業者は一般に非常に低いバルク酸素レベルを有するTa粉末を製造するために労をいとわない。しかしながら、脱酸素されたタンタル粉末は取り扱い中に重大な出火危険を及ぼし、安全性を改善するためには、輸送前にその粉末上に五酸化タンタルの二次表面層(パッシベーション層として一般に知られている)を形成する。よって、かかるTa粉末におけるバルク酸素レベルは低いかもしれないが(一部の場合ではおよそ2800ppm)、その粉末の全酸素含量はかなり高くなる。
Taコンデンサーの製造中に、それらの性能を改善するために、酸素濃度レベルを低減する試みがなされてきた。JP 11111575 Aでは、例えば、多孔性タンタル陽極体を炭素およびマグネシウムの存在下で焼結した後、酸洗浄に供して、固体電解コンデンサーに用いる低酸素濃度陽極を得る。しかしながら、今日まで提示された方法は様々な問題、脱酸素工程に関連した著しく特有の不利点を抱えている。前記不利点の例は:誘電体コーティングに影響を及ぼす浸出処理からの残渣、支持体ワイヤーの軟化、および貧弱な陽極表面特性である。
市販のコンデンサー製造の拡大(この場合の製造速度は1週間につき105〜106陽極を超え得る)に好適な方法も特に必要である。
本発明の第1の態様によれば、電解コンデンサー用の前駆陽極の製造方法が提供され、その方法は、
a)好適な陽極金属または金属合金から陽極体を形成する工程;
b)該金属または金属合金から一部の望ましくない酸素を除去するための条件下で該陽極体が溶融塩電解質中において電気分解を受ける電気脱酸素に該陽極体を供する工程;
c)該電解質を除去するために該陽極体を洗浄する工程;および
d)該前駆陽極を形成するために該陽極体上に誘電体層を蒸着する工程を含む。
本発明は、金属陽極体から望ましくない表面および/またはバルク酸素を除去する便宜な方法を提供し、その方法は工業規模のバッチ処理にとりわけ好適である。
前記方法は、好適な誘電特性を有する酸化物層を形成する全ての陽極金属または金属合金に適用できる。数種類の金属だけが濃厚な、安定した、密着している、電気的絶縁酸化物を形成し、このような金属には、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタルおよびハフニウム(いわゆる「バルブ金属」)が挙げられる。タンタルは、特に、過度のダメージまたは汚染を伴わずに本処理条件に耐えることが分かっている。本発明の方法の利益は、最終コンデンサー製品の体積効率が増加し、そのため、本発明により現在不経済であるより高価な金属または金属合金の使用を実行可能にすることができることである。体積効率の増加の別の利益は、より小さなコンデンサーを製造し得ることであり、コンポーネントのより高いパッキング密度へとつながる。
溶存酸素を含む金属および金属合金は、好適な条件下において、溶融塩電解質中での電気分解により脱酸素されることが示されている。そのため、本発明において、溶存格子間酸素を含む金属または金属合金は電解セルの陰極とされ、そうでない場合には陰極を付ける。電解セルには溶融塩電解質および陰極を含め、陽極は電解質と接触させる。セル電圧は陰極と陽極との間に印加し、その電圧は、陰極電位が陰極から酸素を除去するのに十分であるようなものである。
好ましい実施形態では、印加するセル電圧は、陰極電位が陰極から酸素を除去するのには十分であるが、電解質中で陽イオンを生じて、金属として陰極に蒸着するには不十分であるようなものである。
有利には、印加するセル電圧は、溶融塩電解質の析出を避けるために制御してもよい。
この方法は、電気脱酸素と呼ばれることもあり、固体金属または合金から酸素を除去するために、あるいは固体金属化合物または半金属化合物から酸素を除去するために用いてよい。後者の態様は、例えばFray et al.のWO 99/64638に記載されている。両方の態様は、陽極体の脱酸素に、例えば陽極体の金属中に溶存している酸素を除去するために、あるいは金属酸化物の表面パッシベーション層から酸素を除去するために適用可能であり得る。
本方法は、通常の手段のいずれかにより、例えば、金属箔、エッチド箔、スパッタ膜または粉末処理手段により作製された陽極体に適用することができる。粉末圧縮に続いて焼結を行うことを含む後者の手段は、結果として高表面積を有する多孔性陽極体を形成する。一般に、かかる方法では、タンタル粉末をまず樹脂結合剤と混合し、制御された密度のペレットに機械的にプレスする。次いで、各ペレットを細いタンタルまたはタンタル合金ワイヤー上にプレスして、陽極プレフォームまたは「スラグ」を形成する。次に、これらの陽極プレフォームをトレイに積み上げ、真空下で加熱して、樹脂結合剤をバーンアウトする。最後に、これらの「未焼結」陽極を高温で焼結して、多孔性(一般には50%)を保持しながら十分な強度を付与する。
前記電気脱酸素工程は、前記陽極体を脱酸素するために、陽極酸化前のその製造法におけるいかなる段階においても使用することができる。しかしながら、その後の陽極処理の間に酸素をピックアップする機会を最小限に抑えるために、前記電気脱酸素工程を、前記誘電体層形成前の最終工程として実施することが有利である。
粉末処理手段によって未焼結陽極を形成するときには、焼結工程によって外部保護パッシベーション層からバルクタンタル中に酸素拡散が起こるため、酸素汚染に関する特定の問題が生じる。このことが結果としてバルク酸素レベルの増加をもたらし、典型的な状況においては、バルク酸素がおよそ2800ppmからおよそ6000ppmまで増加し得る。よって、陽極の製造に粉末処理手段を使用する場合には、バルク酸素レベルが低減し得るように焼結工程後に陽極体を脱酸素することが好ましい。
本発明者らは、表面層に存在する酸素の除去に加えて、本発明の方法がいくつかの先行技術の表面脱酸素法とは違ってバルク金属または金属合金から溶存格子間酸素を大幅に減少させることにも効果的であることを見出した。このことによりその後に形成される誘電体層の品質が向上し、結果としてショートの危険性を低くし、最終コンデンサーの性能の改善につながる。
予期せぬことに、本発明者らは、金属マトリックス中のタンタル原子の拡散距離が短いことにもかかわらず、格子間酸素を含むTa金属は、電気脱酸素後に機械的完全性を保持し、陽極体のさらなる処理も可能であることを見出した。このことによって、製造業者が焼結処理によって付与される増加した機械的強度を利用できるだけでなく、バルク酸素レベルを陽極酸化前に低減することも可能である。
本発明のさらなる利点は、電気脱酸素は、陽極体の完全性を損なうことなく、かかる格子間酸素を除去することができることから、危険の少ない、より高いバルク酸素のTa(あるいは他の金属または合金)粉末を出発材料として使用することができるということである。例えば、6000ppmまたは10000ppmまたは14000ppmを超える酸素レベルを有するTa粉末を出発材料として使用してよい。
従来のコンデンサー製造法では、陽極酸化による誘電体層の形成は、まとまった量の陽極体に対して実施される。典型的な方法では、全ての陽極の底がアルミニウムストリップから等距離にあるように厳しく制御されたピッチおよび長さで、焼結した陽極体を、まとまった量で、アルミニウムストリップに溶接する。次いで、1以上のストリップを支持フレームに入れ、そのフレームをその後誘電体層形成用の陽極酸化容器に移す。この陽極酸化処理は、陽極の外部および内部表面に対して均一で完全な酸化物の厚さを与えるように慎重に制御される。この段階において使用する温度は、酸素の二次バルク拡散に必要な温度より低い。
好適には、本発明は、既存の処理方法を利用し、複数の陽極体をバッチとして脱酸素する。1つの好ましい方法では、電気脱酸素の前に複数の陽極体を、金属ストリップなどの導電支持体に固定する。前記支持体は電気脱酸素セルにおいて好適であるべきである。好ましくは、前記金属ストリップは、電解セルの温度より高い融点を有する耐食金属または合金、例えば鋼を含む。より好ましくは、複数の支持体をラッキングシステムに取り付け;支持ラックまたはフレームにおいて陽極体を処理することにより、取り扱いをより簡単にする。有利には、例えば電気ブラシコネクターを支持体またはラッキングシステムと接触させることにより、導電支持体を電解セルの陰極とする。フレームおよび/または金属ストリップは陽極酸化容器中での後の使用に好適であることが便宜である。
電解セルの溶融塩電解質への陽極の浸漬の深さを制御することが望ましいことがある。前記陽極体は電解質で完全に覆われることが好ましいが、トロリー線は一部のみ浸漬する。これにより、陽極を支持体に固定する前に、後半の処理に必要なコンポーネント(陰極絶縁用のポリマー碍子など)をトロリー線に載せることが可能になり、それらのコンポーネントは必ずしも電解質に導入する必要はない。さらに、電気脱酸素の間に起こり得るトロリー線の軟化が改善され得る。
別の好ましい方法では、電気脱酸素中に1バッチの陽極体をバスケット内に保持し、そのバスケットを電解セルの陰極とする。より好ましくは、確実に全ての陽極体を陰極と電気接触させるために、電気分解中に陽極体を攪拌する。
電気脱酸素段階の間、前記陽極体は電解セルの陰極とされるか、または陰極と電気接触して保持され、セル電圧を、行う脱酸素処理に好適なレベルに設定する。このレベルは陰極から酸素を除去するのに十分なレベルであるが、電解質から塩素が発生する電圧より低いことも好ましい。好適には、電解セルの陽極は炭素を含む。
最良の結果を出すには、電解セルの温度は、電気分解を通じて500〜1200℃、または好ましくは700〜1000℃に維持すべきであり、それにより拡散処理を支援する。しかしながら、電解セルのある特定領域(例えばラッキングシステム)の局部冷却または加熱は必要であり得る。炭素陽極および塩化カルシウム電解質を使用する500〜1200℃での電気脱酸素の場合、小規模セル(実験室規模のセルなど)のセル電圧は、1.4V〜3.2Vの範囲にあってよい。大型のセルでは、IR損失などの損失を克服し、陰極電位を所望のレベルに維持するためにより高いセル電圧が必要であり得る。
前記電解質は溶融塩、または塩の混合物を含むべきであり、溶融塩は脱酸素されている金属または金属合金の等価な塩より安定している。さらに、溶融塩、または塩の混合物は、好ましくは、その融点と沸点とに大きな開きがあり、コンデンサー陽極体などでの酸素および他の種の拡散を改善するために高温操作を受ける。好適な電解質としては、バリウム、カルシウム、セシウム、リチウム、ストロンチウムおよびイットリウムの塩化物または他の塩が挙げられる。CaCl2は電解質として特に好適である。脱酸素処理を最適化するためには、陰極から陽極への連続酸素輸送を確実にするために、電解質中の酸化物イオンの好適な濃度も望ましい。
電気脱酸素処理は、所望の酸素レベルに達するまで適用される。一般に、これは24〜48時間後であろうが、バッチサイズに応じて決まる。
好ましくは、電気分解は、酸素レベルが14000ppm、10000ppmまたは6000ppmを下回るまで、あるいは3000ppmを下回るまで、より好ましくは2000ppmを下回るまで、さらに好ましくは1000ppmを下回るまで行われる。
出発材料の品質に応じて、酸素の5倍、10倍あるいは20倍の低減が容易に達成できる。
粉末冶金手段により製造された陽極体は、高多孔性であることから電気脱酸素処理において特に好適である。
電気脱酸素後に陽極体上に誘電体を形成するために従来の方法を用いる場合には、二次的な問題を避けるために、水などの好適な溶媒を使用して、脱酸素された陽極体から電解質を十分に洗浄して、誘電体を形成する前に全ての汚染を除去しなければならない。所望により、加圧浸出または攪拌を含む方法を用いて、多孔性陽極体への溶媒の浸透を向上させてもよい。あるいは、陽極体から電解質を蒸留してもよく、または洗浄法と蒸留法の併用を利用してもよい。
特に陽極体が高温である間に、陽極体により大気中の酸素がピックアップされないことを確実にするために、後の電気脱酸素工程を行うことが好ましい。これを行う1つの方法は、例えばアルゴンなどの不活性雰囲気中で処理することにより、または真空下で陽極を処理することにより、雰囲気を制御することである。
前記前駆陽極の製造における最終工程は、誘電体層を形成するために脱酸素された陽極体を陽極酸化することである。一般に、陽極酸化は弱酸中での電気分解による。
本発明のさらなる態様では、前記誘電体層は、有利には陽極体表面上に形成してよく、電気脱酸素処理後に陽極体を酸素に曝露しない。この工程には、電気脱酸素処理により陽極体中のバルク酸素濃度を低レベルまで減少させ、この低レベルの酸素がその後、誘電体層の形成後に前駆陽極中に、そして最終コンデンサー製品中にとどまり、結果としてコンデンサーの性能の改善につながるという利点がある。
好ましくは、この工程は、電気分解セルの陰極にある陽極体のバルク酸素含量が所定のレベル(14000ppm、10000ppm、6000ppmあるいは2000ppm、1000ppmまたは750ppmなど)を下回るまで電気分解セルを作動させることにより行ってよい。この時点で、陽極体が電気分解セルの陽極として接続されるように電気分解セルの極性を逆転させる。これには、陽極電位の制御により、制御された条件下で陽極体を酸化して、陽極体表面上に酸化物誘電体層を形成する効果がある。電気分解セルの極性の逆転は純電気的工程であるため、低バルク酸素含量の陽極体上に直接誘電体層を形成することができ、例えば別進行で誘電体層を形成する前に陽極体から電気分解セルの電解質を洗い流す必要性がなくなる。このようにして、この低バルク酸素含量が保持され得る。
陽極電位および電気分解セルにおける逆極性の適用時間の長さを制御することにより、有利には誘電体層の厚さの精密制御を可能にし得、最終コンデンサー製品のキャパシタンスだけでなくリーク電流も改善し得る。
電気脱酸素工程と誘電体形成工程との間に電気脱酸素セルの他のパラメーターを変更することは有利であり得る。例えば、電気脱酸素セルの温度を好ましい電気脱酸素温度から好ましい誘電体形成温度へ変えてよい。好ましくは、例えば、陽極体の低バルク酸素含量を維持するために、電気脱酸素セル温度を変更しながら、陰極における電気分解電位を維持すべきである。
誘電体層の形成後、前駆陽極を電解質から取り出し、さらなる処理の前に、上記のように、洗浄してよい。誘電体層が形成されたために、陽極体は、例えば大気曝露によるさらなる酸化から保護される。
本発明の各態様では、前駆陽極が形成された後、続けて、導電層、陰極層およびパッケージング層を重ねることによって、最終コンデンサー製品が作り出される。固体電解コンデンサーの場合、導電層は、一般に、前駆陽極を硝酸マンガン溶液に浸漬することによって形成され、この硝酸マンガン溶液は誘電体の完全被覆が達成されるまで「酸化」マンガンに熱分解され得る。次に、マンガン陽極(manganesed anode)の外層をグラファイト、次いで、銀添加樹脂でコーティングしてよく、この銀添加樹脂はマンガンへの陰極接続と外部電気接触を形成する。陽極は接触フレームに取り付け、検査前に樹脂で封入してよい。
上記工程のそれぞれの間に数多くの検査段階と、さらに誘電体への熱損傷を修復するいくつかのプロセスも存在してよい。
本発明の別の態様は、上記方法によって製造された前駆陽極を提供する。
本発明のさらなる態様は、上記方法によって得られた陽極を含む最終コンデンサー製品を提供する。
本発明のさらに別の態様は、陽極、誘電体層、導電媒体、陰極およびパッケージングを含む誘電体コンデンサーを提供し、この誘電体コンデンサーにおいて陽極における酸素レベルは3000ppmを下回り、好ましくは2000ppmを下回り、より好ましくは1000ppmを下回る。
次の実施例により本発明を説明する:
実施例1
16個の焼結タンタル陽極体のバッチをステンレス鋼ストリップに溶接し、電気脱酸素セルの陰極に電気的に接続した。これらのタンタル陽極体を、塩化カルシウム電解質、炭素陽極および不活性雰囲気を用いて3.0Vにおいてセル温度950℃で24時間電気分解した。陽極バッチをセルから取り出したときに、陽極体が機械的に結合されていたため、コンデンサーを形成するためのさらなる処理が可能であることが分かった。
サンプル陽極体のその後の解析では、バルク酸素レベルの望ましい低減が明らかになり、陽極の酸素濃度の23倍の低減が測定された。
実施例2
実施例1に記載の条件下で電気脱酸素セルにおいて電気分解により焼結タンタル陽極体を処理した。しかしながら、電気脱酸素処理後、電解質から陽極体を取り出す前に、セルの極性を逆転させた。この処理の間に、陽極体を3.0Vにおいて20分間電気分解して、その表面上に誘電体酸化物層を形成した。次いで、コンデンサーを形成するためのさらなる処理の前に、陽極体/陽極前駆体をセルから取り出し、洗浄した。この実施例の変形では、陽極酸化工程のために電気分解電解質の温度を950℃から低下させてよい。

Claims (29)

  1. 電解コンデンサー用の前駆陽極の製造方法であって、
    a)好適な陽極金属または金属合金から陽極体を形成する工程;
    b)該金属または金属合金から一部の望ましくない酸素を除去するための条件下で該陽極体が溶融塩電解質中において電気分解を受ける電気脱酸素に該陽極体を供する工程;および
    c)前記前駆陽極を形成するために該陽極体上に誘電体層を蒸着する工程を含む
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記陽極体がタンタルを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)が焼結工程を含む粉末冶金法によって前記陽極体を形成することを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 工程b)が工程a)の焼結工程の直後に行われることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. その後の処理工程において、前記外部誘電体層が固体導電層でコーティングされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記固体導電層が二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記最終コンデンサー製品を形成するために、後半の処理工程が陰極蒸着およびパッケージング工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 複数の陽極体がバッチ中で脱酸素することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 複数の陽極体が電気脱酸素の前に導電支持体に固定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記支持体が、好ましくは鋼またはアルミニウムを含む金属ストリップであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 複数の支持体がラッキングシステムに取り付けられることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の方法。
  12. 前記支持体が前記電解セルの陰極とされることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記陽極体のバッチが電気脱酸素中にバスケット内に保持されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  14. 前記バスケットが前記電解セルの陰極とされることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記陽極体が電気分解中に攪拌されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記陽極体における酸素濃度が所望のレベルに達するまで電気分解が行われることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記所望の酸素レベルが3000ppm以下、より好ましくは2000ppm以下、さらに好ましくは1000ppm以下であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記脱酸素された陽極のその後の酸化を防止するために工程b)と工程c)との間で雰囲気が制御されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記誘電体層を蒸着する前に前記電解質を除去するために前記陽極体を洗浄する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 工程c)が、陽極酸化することによるか、または溶融塩電解質と接触して前記陽極体に陽極電位を印加することにより実施されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記陽極酸化工程が電気脱酸素工程b)と同じ溶融塩電解質中において行われることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法によってもたらされる前駆陽極。
  23. 複数のタンタル陽極の製造のためのバッチ法であって、
    a)好適な陽極金属または金属合金から複数の陽極体を形成する工程;
    b)該金属または金属合金から一部の望ましくない酸素を除去するための条件下で該陽極体が溶融塩電解質中において電気分解を受ける電気脱酸素に該陽極体を供する工程;および
    c)前記前駆陽極を形成するために該陽極体上に誘電体層を蒸着する工程、
    ならびに次の工程:
    d)該誘電体層を固体導電層でコーティングする工程;
    e)陰極層を蒸着する工程;および
    f)最終コンデンサー製品を形成するためにパッケージング工程を行う工程
    のうちの1以上を含むかまたは含まず、
    および所望により少なくとも工程b)〜工程c)の間に、好ましくは少なくとも工程b)〜工程e)の間に、上記陽極が現位置で導電支持体上にとどまることを特徴とする方法。
  24. 前記誘電体層を蒸着する前に前記電解質を除去するために前記陽極体を洗浄する工程を含むことを特徴とする請求項23に記載のバッチ法。
  25. 溶融塩電解質中における、好ましくは前記電気脱酸素工程b)で使用された溶融塩電解質中における前記陽極体の陽極酸化により前記誘電体層を蒸着する工程を含むことを特徴とする請求項23に記載のバッチ法。
  26. 多数の陽極体を製造するための多段階バッチ法の一部として前駆タンタル陽極を脱酸素するための電気脱酸素工程の使用。
  27. 以上に記載された任意の新規特徴または新規特徴の組合せ。
  28. 以上に実質的に詳述したとおりの方法。
  29. 以上に実質的に詳述したとおりの前駆陽極またはコンデンサー製品。
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