JP2009149763A - 低揮発性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

低揮発性ポリアミド樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械的物性に優れ、高温雰囲気下での揮発成分を抑制することによりガス発生量が少なく、かつ低比重であり靭性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 膨潤性フッ素雲母系鉱物の共存下にモノマーを重合して得られたポリアミド樹脂であって、膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01〜20質量%含んだポリアミド樹脂の相対粘度が2.3以上3.3未満であり、前記ポリアミド樹脂100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、銅系耐熱剤をそれぞれ0.01〜5質量部含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機械的物性に優れ、高温雰囲気下での揮発成分を抑制することによりガス発生量が少なく、かつ低比重であり靭性に優れたポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド樹脂は、その優れた物理的および化学的性質から、自動車部品、電気電子部品をはじめ、土木、建築分野で幅広く用いられている。近年、軽量化、薄肉化が望まれており、生産性と両立するために樹脂材料による射出成形品が活用されている。なかでもポリアミド樹脂はさまざまな機構部品用の材料として多く使用されている。最近では、温度その他の条件面で厳しい環境下に曝されるランプ周りのハウジングなどにも使用されるようになってきた。
自動車などのヘッドライト、リアランプのランプソケットにポリアミド樹脂を用いた場合、長時間のランプの点灯により、ランプソケットは高温に曝される。通常、ポリアミド樹脂には、高分子量化される過程において少なからずモノマー成分が残存し、また、ランプの熱に対する高分子の安定化を得るため、少量の耐熱安定剤を処方することが一般的である。しかしながら、そのようなモノマー成分、耐熱安定剤は、熱に対して不安定であり、ガス化、昇華のような過程を経て、樹脂組成物外部に発生してくる。このようなガスや析出物が現れると、自動車のヘッドライトの場合、ヘッドライトのガラスカバー内面に付着し、長期にわたって堆積し続けると透明なガラスを曇らせ、ランプの光強度を弱めることがある。
ランプ周りのハウジングには、これまでガラス繊維や無機フィラーで強化されたポリアミド 6樹脂やポリアミド66樹脂等のポリアミド樹脂組成物が用いられてきた。これは高い耐熱性に加え、高い機械的物性といった広範囲の要求性能を満たす材料だったからである。しかし、必要な性能を保持しながら軽量化の要求に答えるには限界があった。また、これらの材料はガラス繊維や無機フィラーを高配合するため、樹脂成分が少なくなり、ランプのガラスが曇る要因となるガス発生が抑えられていた。しかし、根本的なガス発生防止の処方はされていない。また、ランプの曇りは同じ曇り量においても、曇りの色によりランプ強度が変わってしまい、黄色味を帯びた曇りは白色の曇りに比べてランプ強度が落ちてしまう。
このような背景のもと、低アウトガス性を有するポリアミド樹脂が提案されている(特許文献1)。これによれば軽量化、低アウトガス性は達成しているが、機械的強度が低く実用には向いていないものだった。また、ガスによるガラスの付着物が黄色みを帯びてしまうため、実用上問題があった。
特開2006−2113号公報
本発明は、機械的物性に優れ、高温雰囲気下での揮発成分を抑制することによりガス発生量が少なく、かつ低比重であり靭性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、膨潤性のフッ素雲母系鉱物を配合したポリアミド樹脂に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、銅系耐熱剤を配合することで、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
(1)膨潤性フッ素雲母系鉱物の共存下にモノマーを重合して得られたポリアミド樹脂であって、膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01〜20質量%含んだポリアミド樹脂の相対粘度が2.3以上3.3未満であり、前記ポリアミド樹脂100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、銅系耐熱剤をそれぞれ0.01〜5質量部含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
(2)前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤の配合比が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤/ホスファイト系酸化防止剤=1/2〜2/1であることを特徴とする(1)のポリアミド樹脂組成物。
(3)前記ポリアミド樹脂100質量部に対してトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルを0.1〜4質量部配合してなる(1)または(2)のポリアミド樹脂組成物。
(4)下記に示す耐フォギング性試験を行った厚さ1mmのガラス板(初期ヘイズ値0.5%)のASTM D-523 で測定されるヘイズ値が30%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のポリアミド樹脂組成物。
(イ) 直径30mm、高さ100mmのガラス瓶に巾12.5mm、長さ125mm、厚さ3.2mm
の成形品を3分割し入れ、瓶口に対し厚さ1mmのガラス板を載せ密栓する。
(ロ) ガラス瓶の高さに対し、50mmの深さで油浴に浸漬、180℃で24時間放置する。
(ハ) ガラス瓶を室温(23℃)まで冷却した後、瓶口に載せたガラス板を取り外し、ヘイズ測定に供す。
(5)(1)〜(4)のポリアミド樹脂組成物を使用した成形品。
(6)成形品がランプソケットである(5)の成形品。
本発明によれば、機械的物性に優れ、高温雰囲気下での揮発成分を抑制することによりガス発生量が少なく、かつ低比重であり靭性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるポリアミドとは、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)を主たる原料とするアミド結合を主鎖内に有する重合体である。その原料の具体例としては、アミノカルボン酸としては、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等がある。またラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2,4-ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等がある。またジカルボン酸としては、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等がある。またこれらジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
かかるポリアミドの好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもナイロン6、ナイロン66が好ましく、ナイロン6が特に好ましい。
本発明において用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱物は一般的に次式で示される構造式を有するものである。
α(MgγLiβ)Siδε
(式中で、Mはイオン交換性のカチオンを表し、具体的にはナトリウムやリチウムが挙げ
られる。また、a、b、γ、δおよびεはそれぞれ係数を表し、0≦α≦0.5、0≦β≦0.5、2.5≦γ≦3、10≦δ≦11、1.0≦ε≦2.0、である)
このような膨潤性フッ素雲母の製造法としては、例えば酸化珪素、酸化マグネシウムおよび各種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内に膨潤性フッ素雲母の結晶成長させる溶融法が挙げられる。
一方、タルク〔Mg3Si4O10(OH)2〕を出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤性を付与し、膨潤性フッ素雲母を得る方法もある(特開平2-149415号公報)。この方法では、所定の配合比で混合したタルクと珪フッ化アルカリを、磁性ルツボ内で700〜1200℃の温度下に短時間加熱処理することによって、膨潤性フッ素雲母を得ることができる。
この際、タルクと混合する珪フッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲をはずれる場合には膨潤性フッ素雲母の生成収率が低下する傾向にある。
本発明においては前記した膨潤性フッ素雲母系鉱物の初期粒子径について特に制限はない。初期粒子径とは、本発明において用いるポリアミド組成物を製造するに当たって用いる原料としての膨潤性フッ素雲母系鉱物の粒子径であり、複合材料中の珪酸塩層の大きさとは異なるものである。しかしこの粒子径もまた得られたポリアミド複合材料の物性、特に剛性や耐熱性に少なからず影響を及ぼす。したがって、前記した膨潤性フッ素雲母系鉱物の混合比率を選択するに当たっては、この点も考慮するのが望ましく、必要に応じてジェットミル等で粉砕して粒子径をコントロールすることが好ましい。
ここで、膨潤性フッ素雲母系鉱物をインターカレーション法により合成する場合には、原料であるタルクの粒子径を適切に選択することにより初期粒子径を変更することができる。粉砕との併用により、より広い範囲で初期粒子径を調節することができる点で好ましい方法である。
本発明における膨潤性フッ素雲母系鉱物の共存下にモノマーを重合して得られたポリアミドとは、ポリアミドマトリックス中に膨潤性フッ素雲母系鉱物の珪酸塩層が分子レベルで分散されたものである。ここで、珪酸塩層とは膨潤性フッ素雲母系鉱物を構成する基本単位であり、膨潤性フッ素雲母系鉱物の層構造を崩すこと(以下、「劈開」という)によって得られる板状の無機結晶である。本発明における珪酸塩層とは、この珪酸塩層の一枚一枚、もしくは層間にポリアミド分子鎖が挿入されているが、その積層構造が完全には崩れていない状態を意味し、必ずしも一枚一枚にまで劈開されている必要はない。また、分子レベルで分散されるとは、膨潤性フッ素雲母系鉱物の珪酸塩層がポリアミドマトリックス中に分散する際に、それぞれが平均1nm以上の層間距離を保ち、互いに塊を形成することなく存在している状態をいう。ここで塊とは原料である膨潤性フッ素雲母系鉱物が全く劈開していない状態を指す。また層間距離とは前記珪酸塩層の重心間距離である。かかる状態は、ポリアミド複合材料の試験片について、例えば、透過型電子顕微鏡観察をおこなうことにより確認することができる。
膨潤性フッ素雲母系鉱物配合ポリアミドの製造法としては、一般的な押出機を用いて、ポリアミドと膨潤性フッ素雲母系鉱物とを溶融混練する方法があるが、本発明のように、ポリアミドを形成するモノマーに対して、膨潤性フッ素雲母系鉱物を所定量存在させた状態でモノマーを重合することにより、膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド中に十分細かく分散し、本発明の効果が最も顕著に現れる。
本発明におけるポリアミドに含まれる膨潤性フッ素雲母系鉱物は、0.01〜20質量%である必要があり、好ましくは0.01〜18質量%であり、さらに好ましくは0.01〜15質量%である。ポリアミドに含まれる膨潤性フッ素雲母系鉱物が20質量%を超えると、靭性の低下が大きくなるので好ましくない。また、ポリアミド樹脂に含まれる膨潤性フッ素雲母系鉱物が0.01質量%以下だと、本発明の目的とする機械的強度、耐熱性、寸法安定性の改良効果が得られない。
本発明におけるポリアミド樹脂の相対粘度は、2.3以上3.3未満である必要があり、特に2.4以上3.2未満であることが好ましい。相対粘度2.3未満になると、高温雰囲気下でのガス発生量が多く、相対粘度3.3以上になるとポリアミド樹脂と他の添加剤との混ざりが悪くなるため、本発明の目的とする効果が得られない。
本明細書中、ポリアミド樹脂の相対粘度は、96質量%濃硫酸を溶媒とし、25℃、濃度1g/dlの条件下で測定された値を用いている。
本発明においては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、銅系耐熱剤を併用して用いることが必要である。それらの相乗効果によって、機械的物性に優れ、高温雰囲気下での揮発成分を抑制することによりガス発生量が少ないポリアミド樹脂組成物を得ることができる。また、得られたポリアミド樹脂組成物を成形してヘッドライトのランプソケットに用いた場合でも、経時的にガスが発生しガラス内面に堆積する付着物が黄色、または茶色味を帯びることがなく、ヘッドライトの光の照射を大きく阻害することがない。ポリアミド樹脂組成物にポリアミド66を用いた場合は、特に茶色味を帯びた付着物が問題になる傾向があったが、その場合においても、十分ガスの発生を抑制し、若干の発生ガスがガラス内面に堆積したとしても白色であるため、ヘッドライトの光の照射を大きく阻害しない。
本発明におけるヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、少なくとも1つのフェノール基を含有し、その芳香族部分が置換基としてフェノール性ヒドロキシル基を有する炭素に直接隣接する少なくとも1つの位置、好ましくは両方の位置で置換される有機化合物を意味する。ヒドロキシル基に隣接する置換基は、1個から10個の炭素原子を有するアルキル基から適切に選択されたアルキル遊離基であり、好ましくは、三級ブチル基である。ヒンダードフェノールの分子量は、適切なものは、260以上、好ましくは500以上、より好ましくは600以上である。最も好ましいものとしては、高温での低揮発性、特に配合物の成形に使用される加工温度で低揮発性を有するヒンダードフェノールであり、昇温速度10℃/minで常温から400℃まで加熱した時の10%TGA減量温度が、290℃以上、より好ましくは300℃以上、最も好ましくは310℃以上である。
例えばトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4‘−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6−1−ブチルフェノール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスファスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4、6−トリス(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチルカルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2‘−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4‘−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス[3,3‘−ビス−(4’−ヒドロキシ−3‘−T−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5‘−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、d−α−トコフェロールなどが挙げられる。これらは単独であるいはこれらの混合物で用いることができる。適切なヒンダードフェノール 化合物には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のIrganox 1010やIrganox 1098がある。
本発明のヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合量は、膨潤性フッ素雲母系鉱物を含むポリアミド樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部未満でなければならなく、0.05質量部以上4質量部未満であることが好ましく、0.1質量部以上3質量部未満であることがさらに好ましい。0.01質量部未満では、高温雰囲気下でのガス発生抑制力が小さいため好ましくない。また、5質量部以上の場合は機械的強度の低下が著しく好ましくない。
ホスファイト系酸化防止剤としては、無機化合物でも有機化合物でもよく、特に制限はない。好ましいリン系化合物としては、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸カリウムなどの無機リン酸塩、トリフェニルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどの有機リン化合物が挙げられる。これらは単独であるいはこれらの混合物で用いることができる。なかでも、旭電化社製の商品名アデカスタブPEP−24GやPEP−36が好適に使用できる。
本発明のホスファイト系酸化防止剤の配合量は、膨潤性フッ素雲母系鉱物を含むポリアミド樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部未満でなければならなく、0.05質量部以上4質量部未満であることが好ましく、0.1質量部以上3質量部未満であることがさらに好ましい。0.01質量部未満では、高温雰囲気下でのガス発生抑制力が小さいため好ましくない。また、5質量部以上の場合は機械的強度の低下が著しく好ましくない。
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤の配合比には特に限定はないが本発明をより効果的にするために、配合比をヒンダードフェノール系酸化防止剤/ホスファイト系酸化防止剤=1/2〜2/1の範囲で配合することが好ましい。さらに好ましくは1/1.6〜1.6/1である。ヒンダードフェノール系酸化防止剤/ホスファイト系酸化防止剤==1/2〜2/1の範囲で配合することにより相乗効果が大きくなるため、高温雰囲気下でのガス発生が抑制されやすい。
本発明で用いられる銅系耐熱剤は、ポリアミドを熱安定化する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、硫酸銅、リン酸銅、ホウ酸銅、硝酸銅、ステアリン酸銅、キレート剤に配位した銅錯塩等が挙げられ、なかでもハロゲン化銅が好ましく、ヨウ化第一銅が好適に使用できる。なお、これらの銅化合物は単独で用いても良く、2種以上を混合しても良い。
本発明の銅系耐熱剤の配合量は、膨潤性フッ素雲母系鉱物を含むポリアミド樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部未満でなければならなく、0.02質量部以上3質量部未満であることが望ましく、0.02質量部以上1質量部未満であることがさらに好ましい。0.01質量部未満では、高温雰囲気下でのガス発生抑制力が小さいため好ましくない。また、5質量部以上の場合は機械的強度の低下が著しく好ましくない。
なお本発明によれば、より機械的物性の向上や、高温雰囲気下での揮発成分を抑制し更にガス析出量を少なくするために、1分子中に2個以上の反応性を有する官能基を持つ有機化合物を配合しても良い。例えば、官能基がエポキシ基、酸無水物基、オキサゾリン基、カルボン酸基、アミノ基、イソシアネート基を有するものが挙げられる。中でも、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル化合物、トリグリシジルイソイアヌレートなどのグリシジルシアヌレート化合物のようなエポキシ基を有する化合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体のような酸無水物基をモノマーとする化合物が特に好適に用いることができる。
1分子中に2個以上の官能基を有する有機化合物の配合量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.1〜4.0質量部であり、好ましくは0.2〜3.0質量部、さらに好ましくは0.3〜2.0質量部の範囲である。配合量が0.1質量部未満の場合には、ポリアミド樹脂組成物の剛性、靱性に劣り、高温雰囲気下での揮発成分の抑制効果が小さくなるため好ましくない。一方、この配合量が4.0質量部を越えると、ポリアミド 樹脂組成物の流動性が著しく低下し、成形加工性が悪化するばかりか、物性を低下させる傾向があるため好ましくない。
本発明の製造方法は、構成成分を成形時にドライブレンドしても良いし、溶融混練しても良い。また、ポリアミド樹脂成分以外をマスターチップとして一度溶融混練し、チップブレンドしても良い。その際、樹脂組成物を製造するのに用いられる溶融混練装置としてはバンバリミキサー、ロールミキサー、ニーダー、単軸押出機、多軸押出機などを使用することができる。
本発明の樹脂組成物にはその特性を大きく損なわない限り、必要に応じてさらに他の重合体を配合してもよい。この場合、その配合量は樹脂組成物に対して30質量%以下であることが望ましい。このような重合体としては、スチレン系重合体、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、PMMA、ポリ塩化ビニル、フェノキシ樹脂、液晶ポリマー、ポリオレフィンエラストマーなどが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物にはその特性を大きく損なわない限りにおいて顔料、本発明以外の熱安定剤や酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、他の強化材などを添加することもできる。このような熱安定剤や酸化防止剤としてはヒンダードアミン類、イオウ化合物がある。耐候剤としては一般的なベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類が用いられる。難燃剤としては一般のリン系難燃剤やハロゲン系難燃剤が用いられる。強化材としては、たとえばクレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、カリウム明バン、ナトリウム明バン、鉄明バン、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ほう酸、ほう砂、ほう酸亜鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイド、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、チッ化ホウ素、マイカ、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例および比較例における成形品の物性測定は次のように行った。
<測定法>
(1) 陽イオン交換容量
日本ベントナイト工業会標準試験方法によるベントナイト(粉状)の陽イオン交換容量測定方法(JBAS-106-77)に基づいて求めた。
すなわち、浸出液容器、浸出管および受器を縦方向に連結した装置を用いて、まず初めに、膨潤性層状珪酸塩をpH=7に調製した1N酢酸アンモニウム水溶液により、その層間のイオン交換性カチオンの全てをNH4 +に交換する。その後、水とエチルアルコールを用いて十分に洗浄してから、前記したNH4 +型の膨潤性層状珪酸塩を10質量%の塩化カリウム水溶液中に浸し、試料中のNH4 +をK+へと交換する。引き続いて、前記したイオン交換反応に伴い浸出したNH4 +を0.1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定することにより、原料である膨潤性層状珪酸塩の陽イオン交換容量(ミリ当量/100g)を求めた。
無機灰分(質量%)={無機灰分質量(g)}/{焼却処理前の試料の全質量(g)}×100
(2) 灰分
ペレット約5gをルツボに入れ、秤量した後、400℃×2h、さらに600℃×3hで焼却処理し、デシケーター中で吸湿を抑制しながら、室温まで十分に冷却した後、ルツボ中の残渣を無機灰分(質量%)として、下式で算出した。
無機灰分(質量%)={無機灰分質量(g)}/{焼却処理前の試料の全質量(g)}×100
(3) ポリアミド樹脂の相対粘度
96質量%濃硫酸中に、ポリアミド複合材料の乾燥ペレットの濃度が1g/dlになるように溶解させ、G-3ガラスフィルターにより無機成分を濾別した後測定に供した。測定はウベローデ型粘度計を用い、25℃でおこなった。
(4) 比重 : ASTM D297-93−16に準じて測定した。
(5)曲げ強度、弾性率 :巾12.5mm、長さ125mm、厚さ3.2mmの試験片を用いて、ASTM D790に準じて測定した。曲げ強度が120MPa以上、曲げ弾性率が3.0GPa以上を合格とした。
(6) アイゾット衝撃強度 : (2)と同様な試験片を用いて、ASTM D256に準じて測定した。30J/m以上を合格とした。
(7) 耐フォギング性試験 :直径30mm、高さ100mmのガラス瓶に(2)と同様の試験片を3等分に切断したものを入れ、蓋としてガラス瓶上部に50mm角の厚み1mmのガラス板(初期ヘイズ値0.5%)を載せ密栓した。180℃油浴中にガラス瓶が50mm漬かる状態で固定し放置した。24時間後ガラス瓶を油浴から取り出し、室温まで冷却後、上部ガラス板を取り外し、日本電色工業社製SZ-Σ90ヘイズメーターにより上部ガラス板のヘイズを測定した。ヘイズが30%以下で合格とした。また、試験後の上部ガラス板の付着物の色調を目視で判断し、白色を合格とした。
(8) 熱変形温度(HDT) : (2)と同様の試験片を用いて、ASTM D648に準じて、荷重0.45MPaで測定した。180℃以上を合格とした。
<原料>
(1) 膨潤性フッ素雲母
ボールミルにより平均粒子径が4.0μmとなるように粉砕したタルクに対し、平均粒子径が10μmの珪フッ化ナトリウムを全量の15質量%となるように混合した。これを磁性ルツボに入れ、電気炉にて850℃で1時間反応させることにより、平均粒径4.0μmの膨潤性フッ素雲母(M-1)を得た。この膨潤性フッ素雲母の組成は、Na0.60Mg2.63Si4O10F1.77、陽イオン交換容量は110ミリ当量/100gであった。
なお、陽イオン交換容量は日本ベントナイト工業会標準試験方法によるベントナイト(粉状)の陽イオン交換容量測定方法(JBAS-106-77)に基づいて求めた。
(2) ポリアミド
1)ポリアミド(N−1):
膨潤性フッ素雲母400gをε-カプロラクタム1kgおよび水500gとを混合して得た溶液中に加え、室温下、ホモミキサーを用いて1.5時間かく拌し分散液を得た。この分散液の全量を、予めε-カプロラクタム9kgを仕込み、95℃で溶融させておいた内容積30リットルのオートクレーブに投入し、撹拌しながら260℃に加熱し、圧力0.7MPaまで昇圧した。その後、徐々に水蒸気を放出しつつ温度260℃、圧力0.7MPaを1時間維持し、さらに1時間かけて常圧まで放圧し、窒素を流通させながら20分間重合した。重合が終了した時点で、前記反応生成物をストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してポリアミド樹脂組成物からなるペレットを得た。次いで、このペレットを95℃の熱水で8時間精錬した後、乾燥し、ポリアミド(N−1)を得た。得られたポリアミド(N-1)の灰分4.3%、相対粘度2.8であった。
2) ポリアミド(N−2):
膨潤性フッ素雲母50gに変えた以外はポリアミドN−1と同様に重合、精錬、乾燥を行った。得られたポリアミド(N-2)の灰分0.6%、相対粘度2.8であった。
2) ポリアミド(N−3):
膨潤性フッ素雲母1000gに変えた以外はポリアミドN−1と同様に重合、精錬、乾燥を行った。得られたポリアミド(N-3)の灰分11.0%、相対粘度は2.8であった。
2) ポリアミド(N−4):
ナイロン66塩10kgに対して、3kgの水と膨潤性フッ素雲母400gをそれぞれ配合し、これを内容量30リットルの反応缶に入れ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の存在下でナイロン66塩の重合を行い、強化ナイロン66樹脂組成物を得た。重合反応は次のように行った。すなわち、230℃で攪拌しながら、内圧が18MPaになるまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱しその圧力を保持した。280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、さらに2時間重合を行った。重合が終了した時点で強化ナイロン66樹脂組成物を払い出し、これを切断した後、乾燥し、ポリアミド(N−2)を得た。得られたポリアミド(N-4)の灰分4.0%、相対粘度は2.8であった。
3) ポリアミド(N−5):ナイロン6 (ユニチカ社製ナイロン6樹脂 A1030BRL、灰分なし、相対粘度2.5)
4) ポリアミド(N−6):ナイロン66 (ユニチカ社製ナイロン66樹脂 A125、灰分なし、相対粘度2.8)
(3) ヒンダードフェノール系酸化防止剤
1)(A−1) : N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド] (チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製Irganox1098)
2)(A−2) : テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] (チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製Irganox1010)
(4) ホスファイト系酸化防止剤
1)(B−1) : ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト (旭電化社製PEP−24G)
2) (B−2) : サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト (旭電化社製PEP−36)
(5) 銅系耐熱剤(C−1) : ヨウ化銅(試薬特級)
(6) 有機化合物(D−1) : トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル (坂本薬品社製SR−TMP)
実施例1〜3、比較例1〜6
実施例、比較例を表1に示した配合で原料を混合した後、2軸押出機(TEM37、東芝機械社製)で、溶融混練しペレット化した。押出温度は実施例2および比較例5は280℃、その他は260℃で行った。得られたペレットを乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製IS−80G)を用い、シリンダー温度は押出温度と同じ温度、金型温度80℃で試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種の性能評価を行った。その結果を表1に掲げた。
実施例1〜6は、機械物性、耐フォギング性、耐熱性に優れたものとなった。
膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド中に十分細かく分散することにより、ガス透過性や添加剤のブリードアウトが著しく低下する。そのため、ポリアミド樹脂の分解などによって発生するガスがポリアミド樹脂中に閉じ込められ揮発しにくい性質があり、また、押出機で練り込まれた酸化防止剤や耐熱剤などの添加剤がブリードアウトしにくく、ポリアミド中で最大限に効果が発揮できる。以上の性質から、本発明は高温雰囲気下においてもガス発生が少なく、ガラス等を曇らすことがない。
比較例1〜3は、本発明に必要なフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、銅系耐熱剤のいずれかが未添加もしくはすべて未添加のため、高温雰囲気下におけるガス析出量が多く、耐フォギング性試験で劣る結果となった。比較例4、5は膨潤性フッ素雲母が未添加であるポリアミドを使用したため、機械的強度が劣る結果となった。比較例6は、本発明の範囲を超えてフェノール系酸化防止剤を添加したため、機械的強度および耐熱性に劣る結果となった。




Claims (6)

  1. 膨潤性フッ素雲母系鉱物の共存下にモノマーを重合して得られたポリアミド樹脂であって、膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01〜20質量%含んだポリアミド樹脂の相対粘度が2.3以上3.3未満であり、前記ポリアミド樹脂100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、銅系耐熱剤をそれぞれ0.01〜5質量部含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤の配合比が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤/ホスファイト系酸化防止剤=1/2〜2/1であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミド樹脂100質量部に対してトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルを0.1〜4質量部配合してなる請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 下記に示す耐フォギング性試験を行った厚さ1mmのガラス板(初期ヘイズ値0.5%)のASTM D-523 で測定されるヘイズ値が30%以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載のポリアミド樹脂組成物。
    (イ)直径30mm、高さ100mmのガラス瓶に巾12.5mm、長さ125mm、厚さ3.2mmの成形品を3分割し入れ、瓶口に対し厚さ1mmのガラス板を載せ密栓する。
    (ロ) ガラス瓶の高さに対し、50mmの深さで油浴に浸漬、180℃で24時間放置する。
    (ハ) ガラス瓶を室温(23℃)まで冷却した後、瓶口に載せたガラス板を取り外し、ヘイズ測定に供す。
  5. 請求項1〜4記載のポリアミド樹脂組成物を使用した成形品。
  6. 成形品がランプソケットである請求項5に記載の成形品。
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