JP4624688B2 - 有機熱安定剤マスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレット - Google Patents
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Description
有機熱安定剤を含有するポリアミド樹脂組成物として、例えば特許文献1には(a)ナイロンベース樹脂及び(b)(i)ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(ii)ホスファイト化合物、(iii)ヒンダードアミン光安定剤を含むナイロン成形組成物が開示されている。該文献における各種添加剤の配合方法は、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドし溶融混練してペレット化する方法が開示されている。
本発明者の検討によれば、前記文献1に従い周知の熱安定剤の組み合わせをドライブレンド後溶融混練することによりペレット内部にのみ存在させた場合は、溶融混練時の熱履歴が加算され、成形加工や高温環境の使用等での劣化を防止する効果が低いことが分かった。また、文献2に従いペレット表面にのみに付着した場合は、付着量のばらつきにより品質が不安定になる問題を生じやすく、また熱安定性を高めるために数千ppmの有機熱安定剤を付着させるとその分散が不均一となり物性の低下を生じやすいことがわかった。
[1] 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)と有機熱安定剤のマスターバッチ(B)とをペレットの状態でブレンドして得られた混合ペレットであり、該マスターバッチ(B)が熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.2〜10重量部のヒンダードフェノール化合物(a)を含有することを特徴とするポリアミド66樹脂混合ペレット、
[2] 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ヒンダードフェノール化合物(a)、可溶性無機リン化合物(b)、可溶性アルミン酸金属塩(c)から選ばれる少なくとも1種の熱安定剤を、ポリアミド66樹脂ペレット内部に含有するポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする[1]に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット、
[4] 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ポリアミド66樹脂の重合を行う工程において、重合が進行しその水分率が0.2〜10重量%の段階でヒンダードフェノール化合物(a)の溶融物を溶融ポリアミド66に配合して得られた、ポリアミド66樹脂ペレット内部に有機熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする[3]に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット、
[7] 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ポリアミド66樹脂100重量部に対し、0.0001〜0.1重量部の可溶性無機リン化合物(b)および0.0001〜0.1重量部の可溶性アルミン酸金属塩(c)を含有するポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリアミド66樹脂混合ペレット、
[9] 可溶性無機リン化合物(b)が、亜リン酸金属塩および次亜リン酸金属塩から選ばれる少なくともひとつの化合物であることを特徴とする[2]、[5]、[6]、[7]および[8]のいずれかに記載のポリアミド66樹脂混合ペレット、
[11] マスターバッチ(B)の熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂より選ばれることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載のポリアミド66樹脂混合ペレット、
[12] ポリアミド66樹脂ペレット(A)100重量部と0.1〜100重量部のマスターバッチ(B)とからなることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載のポリアミド66樹脂混合ペレット、
[13] [1]〜[12]のいずれかに記載のポリアミド66樹脂混合ペレットを用いて成形して得られる成形品、
である。
本発明のポリアミド66は、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有するヘキサメチレン単位とアジピン酸単位とから成る重合体である。本発明のポリアミド66は、本発明の目的を損なわない程度でポリアミド66(ヘキサメチレン単位、アジピン酸単位)以外のアミノ酸単位、ラクタム単位、あるいはジアミン単位および/またはジカルボン酸単位を含有した共重合ポリアミド66であってもかまわない。該共重合ポリアミド66は重合体中に少なくともモル比にして約75%以上のポリアミド66の構造単位を有することが好ましい。
本発明においてポリアミド66樹脂ペレット(A)が含有する熱安定剤としては、有機熱安定剤、可溶性無機リン化合物および可溶性アルミン酸金属塩が挙げられ、これらの化合物群より選ばれる1種または2種以上の化合物を用いることができる。
本発明において用いられる有機熱安定剤は、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物及び有機リン化合物からなる群から選ばれる少なくともひとつの化合物であり、ポリアミド66原料の水溶液には可溶でない化合物である。これらの有機熱安定剤は、熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)、有機熱安定剤のマスターバッチ(B)の両方に含有することができるものである。
可溶性無機リン化合物は、(1)リン酸類、亜リン酸類および次亜リン酸類並びに(2)リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類および次亜リン酸金属塩類からなる群から選ばれた可溶性リン酸化合物、可溶性亜リン酸化合物および/または可溶性次亜リン酸化合物である。
該(2)のリン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類および次亜リン酸金属塩類とは、上記(1)のリン化合物と周期律表第1族金属との塩を挙げることができる。好ましい可溶性無機リン化合物は、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムおよび次亜リン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種のものである。より好ましくは亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムあるいはその混合物であり、最も好ましくは次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2)、その水和物(NaH2PO2・nH2O)あるいはその混合物である。可溶性無機リン化合物の含有量は、100重量部のポリアミド66に対し、好ましくは0.0001〜0.1重量部、より好ましくは0.0005〜0.05重量部、最も好ましくは0.001〜0.01重量部である。上記範囲で可溶性無機リン化合物を含有させることにより、本発明の目的をより顕著に達成することができる。
(M2O)X(Al2O3)Y
(式中、X+Y=1であり、かつMは周期律表第1族金属である。)
上記一般式中のアルミニウム(Al)と周期律表第1族金属Mとのモル比Y/Xの値は、好ましくは0.35≦Y/X≦1.25であり、より好ましくは0.35≦Y/X<1.00であり、更に好ましくは0.5≦Y/X≦0.87である。また本発明においては、上記一般式中のMの主たる成分がナトリウムであるアルミン酸ナトリウムが好ましい。可溶性アルミン酸金属塩の含有量は、100重量部のポリアミド66に対し、好ましくは0.0001〜0.1重量部、より好ましくは0.0005〜0.05重量部、最も好ましくは0.001〜0.01重量部である。上記範囲で可溶性アルミン酸金属塩を含有させることにより、本発明の目的をより顕著に達成することができる。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で上記可溶性無機リン化合物や可溶性アルミン酸金属塩以外に、ポリアミド66に含有することができる周知の可溶性化合物、例えば周期律表第1族金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アルコキシド、水酸化物あるいは酢酸銅やヨウ化銅などの銅化合物、更にはヨウ化カリウムや臭化カリウムなどのハロゲン金属塩を含有させてもかまわない。
ポリアミド66樹脂ペレットに含有された熱安定剤の効果により溶融混練加工する際のポリアミド66樹脂の熱劣化を抑制し、有機熱安定剤をマスターバッチとして添加することにより有機熱安定剤の分散性をより高めることができ、成形加工や高温環境の使用等での劣化を防止することが可能である。
本発明において、ポリアミド66樹脂ペレットの内部に熱安定剤を含有することが好ましい。ペレット表面にのみ有機熱安定剤を付着した場合は、付着量のばらつきにより品質が不安定になり易い。また熱安定性を高めるために数千ppmの有機熱安定剤を付着させた場合、その分散が不均一となり物性の低下を生じやすい。従って本発明の熱安定剤を内部に含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)と有機熱安定剤のマスターバッチ(B)とからなる混合ペレットをそのまま成型加工することにより、品質の安定性を高めかつ分散性の悪化を防ぐことが可能となる。
本発明の方法は、熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)の製造方法、有機熱安定剤のマスターバッチ(B)の製造方法、前記(A),(B)の混合方法について順に記載する。
本発明における「混合ペレット」とは、上記のように(A)と(B)をブレンドしたものをいう。
これらの方法のうち好ましい製造方法は、ポリアミド66の重合を行う工程において、重合原料やオリゴマーの水溶液に可溶性無機リン化合物および/または可溶性アルミン酸金属塩を添加し、重合が進行しその水分が0.2〜10重量%の段階でヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物及び有機リン化合物から選ばれる少なくともひとつの有機熱安定剤の溶融物を溶融ポリアミド66に配合し得られた熱安定剤を含有したペレット(A)と、凍結粉砕した熱可塑性樹脂を有機熱安定剤とブレンドし、2軸押出機により溶融混練して得られた有機熱安定剤のマスターバッチ(B)とをブレンダーにて混合する方法である。重合工程で注入する方法が、溶融混練法より熱やせん断を受けにくいため得られるポリアミド樹脂66ペレットの熱劣化は抑制される傾向にある。またこの方法により得られるポリアミド66樹脂ペレットは、熱劣化が起こりやすい重合後期に有機熱安定剤を配合することにより重合工程における劣化を抑制することができる。
得られた熱安定剤を含有したポリアミド66樹脂ペレット(A)と有機熱安定剤のマスターバッチ(B)とをブレンドすることにより、熱安定剤をより均一に分散させることができ、その後の成形加工や高温環境での使用等の熱履歴やせん断に高い熱安定性を示す。
またポリアミド66原料可溶性熱安定剤を配合することにより、その熱安定性はより高まる。
本発明の製造方法の可溶性アルミン酸金属塩は前記と同様である。可溶性アルミン酸金属塩の配合量は、ポリアミド66原料100重量部に対し、好ましくは0.0001〜0.1重量部、より好ましくは0.0005〜0.05重量部、最も好ましくは0.001〜0.01重量部である。上記範囲で可溶性アルミン酸金属塩を配合することにより、本発明の目的をより顕著に達成できる傾向にある。
本発明のポリアミド66樹脂ペレットには、ポリアミドに慣用的に用いられる周知の添加剤例えば顔料及び染料、難燃剤、潤滑剤、蛍光漂白剤、可塑化剤、その他の有機酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、核剤、強化剤を配合することができる。また、ポリアミド66以外のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂やゴム等のその他の樹脂も配合することもできる。
本発明の有機熱安定剤のマスターバッチを構成する熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。
(1)分子量(RV)
溶媒として90%蟻酸を用いて、3gサンプル/30ml蟻酸の濃度で、25℃の温度条件下で行った。ペレットを用いて測定した。
(2)成形品の黄色度
射出成形機(日精樹脂(株)製PS−40E)を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度80℃に設定し、射出8秒、冷却13秒の射出成形条件で1mm厚みの平板を成形した。該平板を5枚重ねて、日本電色社製色差計ND−300Aを用い、反射測定でb値を測定し黄色度を評価した。b値が大きいほど黄色度が大きいことを示す。
射出成形機(日精樹脂(株)製PS−40E)を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度80℃に設定し、射出8秒、冷却13秒の射出成形条件で2mm厚みの評価用試験片を得たのち、ASTM D638に準じて引張強度及び引張伸度の測定を行った。
(4)熱分解によるガス成分量(重量%)
10mgの試料をTG−DTA装置(理学電機(株)製、Thermo Plus2 TG8120)にセットし、炉内に窒素を30ml/分で流通させる窒素雰囲気で測定した。温度条件は、100℃/分で室温から280℃まで昇温し、280℃で60分間保持した。加熱前の重量(W0)と280℃で60分保持した後の重量(W1)を測定し、下記式からガス成分の量(重量%)を求めた。
ガス成分の量(重量%)=(W0−W1)×100/W0
(5)水分率(重量%)
測定サンプル約0.7gを水分気化装置(三菱化学社製VA−06型)を用いて、185℃の温度条件下、カールフィッシャー法により測定した。
・有機熱安定剤A(融点約160℃):N,N‘−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 TMIrganox1098)
・有機熱安定剤B(融点約120℃):ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 TMCHIMASSORB 944FD)
・有機熱安定剤C(融点約185℃):トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 TMIrgafos168)
ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)を含有する50重量%水溶液を用いた。該水溶液を約3000kg/hrの速度で濃縮層/反応器に注入し、約90%まで濃縮した。次いでフラッシャーに排出し、圧力をゆっくり大気圧まで降圧した。次の容器に移送し、約280℃の温度、−35000Paの減圧下で保持した。次いで、溶融ポリアミド66は排出ラインで移送され、押出されてストランドとなり、冷却、カッティングされペレットとなる。該連続法の重合において、排出ラインにプランジャーポンプを連結し、加熱溶融した有機熱安定剤Aを100重量部のポリアミド66に対して0.1重量部注入した。この注入段階でのポリアミド66の相対粘度(VR)は46、水分率は約0.9重量%であった。得られたペレットは水分率0.08重量%まで乾燥し、相対粘度(VR)が50の有機熱安定剤Aがペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(A)を得た。
有機熱安定剤がペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(A)100重量部に対し、有機熱安定剤のマスターバッチ(AA)5重量部をブレンダーにて混合し、有機熱安定剤Aのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
有機熱安定剤Aの代わりに有機熱安定剤Bを用いる以外は実施例1と同様にして実施し、有機熱安定剤Bがペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(B)を得た。該ポリアミド66樹脂ペレット(B)を凍結粉砕し、得られたポリアミド66樹脂パウダー100重量部に対し、粉状の有機熱安定剤B2重量部をブレンダーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練後押出されてストランドとなり、冷却、カッティングされ有機熱安定剤Bのマスターバッチ(BB)を得た。
有機熱安定剤がペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(B)100重量部に対し、有機熱安定剤のマスターバッチ(BB)5重量部をブレンダーにて混合し、有機熱安定剤Bのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
有機熱安定剤Aの代わりに有機熱安定剤Cを用いる以外は実施例1と同様にして実施し、有機熱安定剤Cがペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(C)を得た。該ポリアミド66樹脂ペレット(C)を凍結粉砕し、得られたポリアミド66樹脂パウダー100重量部に対し、粉状の有機熱安定剤C2重量部をブレンダーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練後押出されてストランドとなり、冷却、カッティングされ有機熱安定剤Cのマスターバッチ(CC)を得た。
有機熱安定剤がペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(C)100重量部に対し、有機熱安定剤のマスターバッチ(CC)5重量部をブレンダーにて混合し、有機熱安定剤Cのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)を含有する50重量%水溶液に次亜リン酸ナトリウムを配合した。以後の操作は実施例1と同様にして実施し、可溶性無機リン化合物を含有しかつ有機熱安定剤Aのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)を含有する50重量%水溶液に次亜リン酸ナトリウムとアルミン酸ナトリウム(Y/X=0.59)とを配合した。以後の操作は実施例1と同様にして実施し、可溶性無機リン化合物と可溶性アルミン酸金属塩とを含有しかつ有機熱安定剤Aのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
有機熱安定剤Aを配合せず実施例1と同様にして実施し、ポリアミド66樹脂ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1の有機熱安定剤Aがペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(A)を凍結粉砕し、得られたポリアミド66樹脂パウダー100重量部に対し、粉状の有機熱安定剤B2重量部をブレンダーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練後押出されてストランドとなり、冷却、カッティングされ有機熱安定剤のマスターバッチ(AB)を得た。
有機熱安定剤がペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(A)100重量部に対し、有機熱安定剤のマスターバッチ(AB)5重量部をブレンダーにて混合し、有機熱安定剤AおよびBのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1の有機熱安定剤Aがペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(A)を凍結粉砕し、得られたポリアミド66樹脂パウダー100重量部に対し、粉状の有機熱安定剤C2重量部をブレンダーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練後押出されてストランドとなり、冷却、カッティングされ有機熱安定剤のマスターバッチ(AC)を得た。
有機熱安定剤がペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(A)100重量部に対し、有機熱安定剤のマスターバッチ(AC)5重量部をブレンダーにて混合し、有機熱安定剤AおよびCのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
参考例1の有機熱安定剤Bがペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(B)を凍結粉砕し、得られたポリアミド66樹脂パウダー100重量部に対し、粉状の有機熱安定剤C2重量部をブレンダーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練後押出されてストランドとなり、冷却、カッティングされ有機熱安定剤のマスターバッチ(BC)を得た。
有機熱安定剤Bがペレット内部に存在するポリアミド66樹脂ペレット(B)100重量部に対し、有機熱安定剤のマスターバッチ(BC)5重量部をブレンダーにて混合し、有機熱安定剤BおよびCのマスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
実施例3のポリアミド66樹脂ペレット(C)を用いて、有機熱安定剤のマスターバッチをブレンドせずに評価した。評価結果を表2に示す。
比較例1で得られたポリアミド66樹脂ペレット100重量部に対して、有機熱安定剤Aを0.2重量部、ポリエチレングリコールを0.03重量部を配合し、ブレンダーで攪拌して有機熱安定剤Aがペレット表面に付着したポリアミド66樹脂ペレットを得た。評価結果を表3に示す。
ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)15kgを用いた。該原料を含有する50重量%水溶液に、有機熱安定剤Bを25.9g(100重量部のポリアミド66に対して0.2重量部に相当)を配合した。シリコーン系消泡剤を配合し40Lの重合槽に仕込み、約50℃の温度条件で混合し窒素で置換した。次に温度を約50から約150℃まで昇温した。この際槽内の圧力をゲージ圧にして約0.05〜0.15MPaに保つため水を系外に除去しながら加熱を続けたが、水と同時に槽内のポリアミド66原料が排出され重合を継続することができなかった。
Claims (13)
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)と有機熱安定剤のマスターバッチ(B)とをペレットの状態でブレンドして得られた混合ペレットであり、該マスターバッチ(B)が熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.2〜10重量部のヒンダードフェノール化合物(a)を含有することを特徴とするポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ヒンダードフェノール化合物(a)、可溶性無機リン化合物(b)、可溶性アルミン酸金属塩(c)から選ばれる少なくとも1種の熱安定剤を、ポリアミド66樹脂ペレット内部に含有するポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ヒンダードフェノール化合物(a)を含有するポリアミド66樹脂ペレットであって、該ヒンダードフェノール化合物(a)の含有量が、ポリアミド66樹脂100重量部に対し、0.01〜1重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ポリアミド66樹脂の重合を行う工程において、重合が進行しその水分率が0.2〜10重量%の段階でヒンダードフェノール化合物(a)の溶融物を溶融ポリアミド66に配合して得られた、ポリアミド66樹脂ペレット内部に有機熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする請求項3に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、可溶性無機リン化合物(b)を含有するポリアミド66樹脂ペレットであって、該可溶性無機リン化合物(b)の含有量が、ポリアミド66樹脂100重量部に対し、0.0001〜0.1重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ポリアミド66樹脂の重合を行う工程において、ポリアミド66原料あるいはそのオリゴマー100重量部に対して0.0001〜0.1重量部の可溶性無機リン化合物を配合して重合して得られたポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする請求項5に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ポリアミド66樹脂100重量部に対し、0.0001〜0.1重量部の可溶性無機リン化合物(b)および0.0001〜0.1重量部の可溶性アルミン酸金属塩(c)を含有するポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 熱安定剤を含有するポリアミド66樹脂ペレット(A)が、ポリアミド66樹脂の重合を行う工程において、ポリアミド66原料あるいはそのオリゴマー100重量部に対して0.0001〜0.1重量部の可溶性無機リン化合物(b)及び0.0001〜0.1重量部の可溶性アルミン酸金属塩(c)とを配合してポリアミド66の重合を行うことで得られたポリアミド66樹脂ペレットであることを特徴とする請求項7に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 可溶性無機リン化合物(b)が、亜リン酸金属塩および次亜リン酸金属塩から選ばれる少なくともひとつの化合物であることを特徴とする請求項2、5、6、7および8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 可溶性アルミン酸金属塩(c)がアルミン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項2、7および8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- マスターバッチ(B)の熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂より選ばれることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- ポリアミド66樹脂ペレット(A)100重量部と0.1〜100重量部のマスターバッチ(B)とからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂混合ペレット。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂混合ペレットを用いて成形して得られる成形品。
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