JP2007092054A - ポリアミドおよびそれからなるポリアミド組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、上記従来の技術の有する問題点を解決し、成形時のフィルター背圧上昇が少なく、乾燥時や成形する際の熱安定性に良好で、かつ、リサイクル品混合使用時にも色調が悪くならず、ゲル状物などの異物の発生が少なく、成形時の生産性に優れたポリアミドおよびそれからなるポリアミド組成物を提供すること。
【解決手段】 脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミド、または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドであって、該ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸処理後、構造分析した場合、下記構造式(式1)で表されるピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)が、200ppm以下であり、全残存リン原子含有量(PC)が10ppm以上であることを特徴とする。
【化1】
Figure 2007092054

【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム、シ−トなどの成形体、飲料用ボトルをはじめとする中空成形容器、エンジニアリングプラスチックス材などの素材として好適に用いられるポリアミドおよびそれからなるポリアミド組成物に関するものである。特に、成形時のフィルター背圧上昇や異物発生が少なく、それらを乾燥する際や成形する際の熱安定性に良好で、成形時の生産性に優れたポリアミドおよびそれからなるポリアミド組成物に関する。
ポリアミドは物理的、機械的特性に優れていることから中空成形容器、フィルム、シート包装材料、エンジニアリングプラスチックス、繊維などの用途に幅広く使用されている。ナイロン6、ナイロン66などの脂肪族ポリアミドが代表例であるが、これらの他に、パラキシリレンジアミン(PXDA)やメタキシリレンジアミン(MXDA)などの芳香族ジアミン、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を原料として用い、吸水性の低減や弾性率の向上などを実現したポリアミドも多数知られている。
ポリアミドは、ポリエステル等よりも熱に対して比較的不安定であり、熱劣化や熱酸化劣化によりゲル化や黄変等を起こすことがある。
ポリアミドの熱劣化を抑える方法として、ポリアミド中にホスホン酸化合物もしくは亜リン酸化合物およびアルカリ金属を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリアミドの熱劣化を抑える方法として、ポリアミド中に(a)ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、ホスホン酸化合物又は亜リン酸化合物と(b)アルカリ金属と(c)フェニレンジアミン及び/又はその誘導体とを配合する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ポリアミドの融点以下でかつ酸素の存在しない系での熱劣化を防止する方法として、ピロ亜燐酸塩、有機ホスフィン酸のアミド化合物、亜リン酸のモノもしくはジエステルのバリウム塩、オルトリン酸のモノもしくはジエステルの銅塩などを添加する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4,5,6参照)。
また、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるポリアミドのゲル化物の発生防止対策として滑剤、有機リン系安定剤、ヒンダードフェノール類化合物、ヒンダードアミン類化合物から選ばれた少なくとも1種類以上を0.0005〜0.5重量部添加して検討している(例えば、特許文献7参照)。
また、主としてテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなるポリアミドを次亜リン酸塩の存在下に重合する方法(例えば、特許文献8参照)、アジピン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンを次亜リン酸塩の存在下に重合する方法(例えば、特許文献9参照)が開示されている。
これらの技術は、ポリアミドのゲル化の防止には効果があるものの、満足の行くものではなく、成形時のフィルター背圧上昇に影響する詰まり物の減少は何ら解決されておらず、さらに乾燥条件、成形時の温度、溶融時間などの成形条件によっては着色やゲル化の発生およびこれに起因する異物の発生、成形体の外観異常、あるいは透明性悪化が生じ、解決が望まれている。
特開昭49−45960号公報 特開昭49−53945号公報 特公昭45−11836号公報 特公昭45−35667号公報 特公昭45−12986号公報 特公昭46−38351号公報 特開2001−164109号公報 特開平5−43681号公報 特開平3−126725号公報
本発明は、上記従来の技術の有する問題点を解決し、成形時のフィルター背圧上昇や異物発生が少なく、乾燥時や成形する際の熱安定性に良好で、かつ、リサイクル品混合使用時にも色調が悪くならず、ゲル状物などの異物の発生が少なく、成形時の生産性に優れたポリアミドおよびそれからなるポリアミド組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明のポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミド、または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドであって、該ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、下記構造式(式1)で表されるピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)が、200ppm以下であり、全残存リン原子含有量(PC)が10ppm以上であることを特徴とするポリアミドである。
Figure 2007092054
この場合において、下記の式(1)で求められるリン原子含有量(Px)が、100ppm以下であることができる。
Px=PC−(P1+P2+P3+P4) (1)
(式中、PCはポリアミド中の全残存リン原子含有量、P1、P2、P3、P4はそれぞれ、ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量を示す(単位はppm)。)
なお、ポリアミド中の残存リン原子含有量PC、P1、P2、P3およびP4の測定には、後記するリン化合物の構造分析31P−NMR法を用いた。また、Px、PC、P1、P2、P3およびP4は、ポリアミドの重量に対する含有量である。
また、260℃で窒素流通下に加熱処理した際のゲル化時間(以下、「ゲル化時間」と略称することがある)が3時間以上であることができる。
なお、ゲル化時間の測定は、260℃で窒素を30ml/分流通させながら加熱処理を行う測定法であり、測定法の項で説明する。
また、ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとジカルボン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に50モル%以上含有することができる。
また、ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に50モル%以上含有することができる。
また、ポリアミドのチップのカラーb値(Co−b)が、下記式(2)を満足することができる。
−5<(Co−b)<10 (2)
さらにまた、上記いずれかに記載のポリアミドと脂肪族ポリアミドとを主成分として含むポリアミド組成物を構成することができる。
本発明のポリアミドは、成形時のフィルター背圧上昇や異物発生が少なく、乾燥時や成形時の熱安定性および熱酸化安定性が良好であるため、色調に優れており、かつ成形工程で着色し難く、またゲル状物などの異物の発生が少ないので、フィルム、シ−トなどの成形体、飲料用ボトルをはじめとする中空成形容器、エンジニアリングプラスチックス材などの素材として好適に用いられ、これらの成形体を生産性よく製造することができる。また、脂肪族ポリアミドとの組成物としてフィルム、シ−トなどの成形体として用いることができる。
以下、本発明のポリアミドおよびそれからなるポリアミド組成物の実施の形態を具体的に説明する。
本発明のポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミド、または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドであって、該ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、下記構造式(式1)で表されるピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)が、200ppm以下であり、全残存リン原子含有量(PC)が10ppm以上であることを特徴とするポリアミドである。
Figure 2007092054
ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、構造式(式1)で表されるピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)は、より好ましくは150ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、もっとも好ましくは50ppm以下である。P4の含有量が200ppmを越える場合は、成形工程のフィルターの異物詰りが激しくなり、フィルター交換頻度が多くなり生産性が低下したり、また得られた成形体中の異物発生量が多くなり問題である。また、下限値は5ppm以上、さらに好ましくは10ppm以上である。5ppm未満に抑えるためには、原料調合工程から重合工程、乾燥工程などにおける雰囲気中の酸素濃度を低減させるために莫大な設備費をようするなど現実的ではない。
また、下記の式(1)で求められるリン原子含有量(Px)が、100ppm以下であることが好ましい。
Px=PC−(P1+P2+P3+P4) (1)
(式中、PCはポリアミド中の全残存リン原子含有量、P1、P2、P3、P4はそれぞれ、ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量を示す。単位はppm)
上記式(1)で求められるリン原子含有量(Px)は、より好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下、もっとも好ましくは50ppm以下である。リン原子含有量(Px)が100ppmを越える場合は、成形工程のフィルターの異物詰りが激しくなり、フィルター交換頻度が多くなり生産性が低下したり、また得られた成形体中の異物発生量が多くなり問題である。また、下限値は1ppm以上、さらに好ましくは5ppm以上である。1ppm未満に抑えるためには、原料調合工程から重合工程、乾燥工程などにおける雰囲気中の酸素濃度を低減させるためにさらに莫大な設備費を要するなど現実的ではない。
ポリアミド中の構造式(式1)で表されるピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)が200ppm以下であり、かつ、前記式(1)で求められるリン原子含有量(Px)が100ppm以下の場合は、フィルター詰まり低減に対して、より一層効果的であり、このようなポリアミドは長時間連続成形に最適なポリアミドである。
ポリアミド中に存在する、前記のピロリン酸として検出されるリン化合物、あるいは、これと前記の測定溶媒に溶解しないリン化合物(リン原子含有量がPxとして表されるリン化合物)とがフィルターに詰まる原因物質になると考えられる。
また、本発明のポリアミドのゲル化時間は、3時間以上、好ましくは5時間以上、さらに好ましくは7時間以上である。ゲル化時間が3時間未満のポリアミドでは、長時間の連続成形において溶融成形機内において次第にゲル化が起こり、溶融体の溶融粘度が上昇して行き、背圧上昇が非常に早くなるためフィルター交換周期が非常に短くなり、生産性および経済性の低下を来たすことになり問題である。また、このようなポリアミドからの成形体は、ゲル化物による着色した異物状物を含み、また色も悪くなる。特に、延伸成形して得た延伸フィルムや二軸延伸中空成形体では、ゲル状物の存在する個所は正常に延伸されずに肉厚となって、厚み斑の原因となり、商品価値のない成形体が多く発生し、歩留まりを悪くする場合があり、最悪の場合は商品価値のない成形体しか得られないことがある。
ゲル化時間は理想的には無限大であるが、500時間以下、さらには200時間以下、特には100時間以下であることが好ましい。ゲル化時間が500時間以上のポリアミドを製造しようとする際には、高度に精製した原料を用いる、劣化防止剤を大量に必要とする、重合温度を低く保つ必要がある等の生産性に問題が起こることがある。
本発明のポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドまたは芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドのいずれかを分子鎖中に50モル%以上、好ましくは60モル%以上、特に好ましくは70モル%以上含有するポリアミドである。
なお以下においては、本発明のポリアミドを部分芳香族ポリアミドと言うことがある。
本発明のポリアミドが、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドの場合は、かかるポリアミドを構成する芳香族ジアミン成分としては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラ−ビス(2−アミノエチル)ベンゼンなどが挙げられる。
また、かかるポリアミドを構成する脂肪族ジアミン成分としては、炭素数2〜12の脂肪族ジアミンあるいはその機能的誘導体である。脂肪族ジアミンは直鎖状の脂肪族ジアミンであっても分岐を有する鎖状の脂肪族ジアミンであってもよい。このような直鎖状の脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられる。
本発明のポリアミドが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドの場合は、かかるポリアミドを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸およびその機能的誘導体等が挙げられる。
また、かかるポリアミドを構成する脂肪族ジカルボン酸成分としては、直鎖状の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、さらに炭素数4〜12のアルキレン基を有する直鎖状脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。このような直鎖状脂肪族ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スぺリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸およびこれらの機能的誘導体などを挙げることができる。
また、本発明のポリアミドを構成するジアミン成分として、上記のような芳香族ジアミンや脂肪族ジアミン以外に脂環族ジアミンを使用することもできる。脂環族ジアミンとしては、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミンが挙げられる。
また、本発明のポリアミドを構成するジカルボン酸成分として、上記のような芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸以外に脂環族ジカルボン酸を使用することもできる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
前記のジアミン及び、ジカルボン酸以外にも、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等も共重合成分として使用できる。とりわけ、ε−カプロラクタムの使用が望ましい。
また、共重合成分として、少なくとも一つの末端アミノ基、もしくは末端カルボキシル基を有する分子量が2000〜20000のポリエーテル、又は前記末端アミノ基を有するポリエーテルの有機カルボン酸塩、又は前記末端カルボキシル基を有するポリエーテルのアミノ塩を用いることもできる。具体的な例としては、ビス(アミノプロピル)ポリ(エチレンオキシド)(分子量が2000〜20000のポリエチレングリコール)が挙げられる。
本発明の部分芳香族ポリアミドの好ましい例としては、メタキシリレンジアミン、もしくはメタキシリレンジアミンと全量の30%以下のパラキシリレンジアミンを含む混合キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、特に好ましくは70モル%以上含有するメタキシリレン基含有ポリアミドである。
また、本発明の部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
これらポリアミドの例としては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミド等のような単独重合体、及びメタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピペラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ω―アミノカプロン酸共重合体等が挙げられる。
また、本発明の部分芳香族ポリアミドの好ましいその他の例としては、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、特に好ましくは70モル%以上含有するポリアミドである。
これらポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ポリノナメチレンテレフタルアミド、ポリノナメチレンイソフタルアミド、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸共重合体等が挙げられる。
また、本発明の部分芳香族ポリアミドの好ましいその他の例としては、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸以外に、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等を共重合成分として使用して得た、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、特に好ましくは70モル%以上含有するポリアミドである。
これらポリアミドの例としては、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸/ε−カプロラクタム共重合体等が挙げられる。
本発明のポリアミドは、基本的には従来公知の、水共存下での溶融重縮合法あるいは水不存在下の溶融重縮合法や、これらの溶融重縮合法で得られたポリアミドを更に固相重合する方法などによって製造することが出来る。溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。これらは回分式反応装置から構成されていてもよいし、また連続式反応装置から構成されていてもよい。また溶融重縮合工程と固相重合工程は連続的に運転してもよいし、分割して運転してもよい。
以下に、キシリレン基含有ポリアミド(Ny−MXD6)を例にして、本発明のポリアミドの好ましい回分式製造方法について説明するが、これに限定されるものではない。
即ち、例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との塩、熱分解抑制剤としてアルカリ金属原子を含有するアルカリ金属含有化合物及びリン化合物の水溶液を加圧下および常圧下に加熱し、水および重縮合反応で生ずる水を除去しながら溶融状態で重縮合させる方法により得ることが出来る。
この際、メタキシリレンジアミンを貯蔵するタンクおよびアジピン酸を貯蔵するタンクは、別々に、窒素ガス雰囲気とし、これら窒素ガス雰囲気中の酸素濃度を20ppm以下とすることが好ましい。より好ましくは16ppm、最も好ましくは15ppmとすることが好ましい。貯蔵タンク内の窒素ガス雰囲気中の酸素含有量が20ppmを越える場合は、得られたポリアミド中に残存するピロリン酸由来のリン原子含有量(P4)、あるいは、式(1)から求められるリン原子含有量(Px)が多くなり、成形時のフィルター詰まりの原因となる。また、得られたポリアミドの熱安定性も劣ることとなる。また、貯蔵タンク内の雰囲気の酸素濃度を抑える方法としては、タンク内に窒素などの不活性ガスを流入させて、空気を窒素ガスに置換し、その後に窒素ガスなどの不活性ガスを流しておく方法が好ましい。また、各原料中の酸素含有量を減らす方法としては、缶底部より不活性ガスをバブリングするのが好ましい。使用される不活性ガスとしては、酸素含有量が12ppm以下の窒素ガス、より好ましくは1ppm以下の窒素ガスを使用することが好まれる。
また、前記原料と各種添加剤と水とを混ぜ合わせ、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との塩を調整する工程においても、窒素ガス雰囲気中の酸素濃度を20ppm以下、さらに好ましくは18ppm以下、より好ましくは16ppm、最も好ましくは15ppmとすることが好ましい。更に酸素濃度を下げる方法として、前記の塩水溶液中に不活性ガス、例えば、窒素ガスを使用し、バブリングする方法が挙げられる。この工程においても、酸素含有量が20ppmを越えると、得られたポリアミド中に残存するピロリン酸由来のリン原子含有量(P4)、あるいは、式(1)から求められるリン原子含有量(Px)が多くなり、成形時のフィルター詰まりの原因となり問題となる。また、得られたポリアミドの熱安定性も劣ることとなる。
また、前記の塩を調整する際の温度としては、熱酸化劣化による着色を抑えるためや副反応や添加剤の熱酸化劣化反応を抑えるために、140℃以下が好ましく、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは120℃以下、最も好ましくは110℃以下である。また、下限については、前記塩の固化が起こらない温度することが好ましく、30℃以上、より好ましくは40℃以上である。
次いで、前記の調製された塩水溶液を重合缶に移送し重縮合するが、塩水溶液中の水を蒸発させる際に未反応物質の飛散を防ぐためや系内への酸素の混入を防ぐために、缶内に圧力を0.5〜1.5MPa掛けながら、徐々に昇温させて、留出する水を系外に除き、缶内温度を230℃にした。この時の反応時間は、好ましくは1〜7時間であり、より好ましくは2〜6時間、更に好ましくは3〜5時間である。急激な温度上昇は添加剤の高分子量化やポリマーの副反応を進める一因ともなり、後工程におけるゲル化等の樹脂の熱安定性低下の原因となるため、好ましくはない。その後、缶内圧を30〜90分かけて、徐々に放圧し、常圧に戻した。更に温度を上昇させ、常圧で攪拌し、重合反応を進めた。重合温度は好ましくは280℃以下、より好ましくは270℃以下、更に好ましくは265℃以下、最も好ましくは260℃以下である。重合温度が280℃を越えるような高温であると、添加剤の高分子量化やポリマーの熱酸化反応や副反応をより進行させることなり、好ましくない。下限はポリマー融点を基準にし、固化しない範囲の温度が好ましい。重合時間については、短いほど好ましいが、好ましくは2.0時間以内、より好ましくは1.5時間以内、更に好ましくは1.0時間以内である。
目標粘度に達した時点で攪拌を停止させ、放置し、ポリマー中の気泡を取り除いた。脱泡時間としては、好ましくは60分以内であり、より好ましくは45分以内であり、更に好ましくは30分以内である。高温度での長時間の放置は熱劣化を進め、フィルター詰まり原因となるピロリン酸構造のリン化合物などの含有量が多くなるので、好ましくない。反応缶下部の取り出し口より溶融樹脂を取り出し、冷却固化させてストランドカッタなどのチップカッターで樹脂チップを得た。この際、キャスティングに要する時間が長いと、取り出し口での熱酸化劣化の影響を大きく受けたり、缶内などの樹脂が熱劣化を受け、ゲル化物が生成したり着色したりし、またフィルタ−詰まり原因物質が増加するため好ましくない。また、キャスティングが短くすぎると、取り出し口より出たストランド状のポリマー温度が高くなりすぎるため、樹脂や添加剤の熱酸化劣化を受けやすくなり、ポリマーの熱安定性の低下の一因となりうる。よって、キャスティング時間は、回分式反応缶の場合、好ましくは10〜100分であり、より好ましくは15〜80分、さらに好ましくは15〜60分である。キャスティング中の反応釜内の溶融ポリマー温度は、その融点より数度〜10℃程度高い温度で維持することが重要であり、温度がこれより高いとフィルタ−詰まり原因物質が増加するため好ましくない。また、ストランド状ポリマー温度は好ましくは20〜70℃、より好ましくは30〜65℃の範囲である。その他の方法として、取り出し口でのポリマーの熱酸化劣化を防ぐ方法としては、不活性ガスを吹き掛ける方法が挙げられる。
また、本発明のゲル化時間が3時間以上のポリアミドは、例えば、次のようにして製造することが可能である。すなわち、一例として、前記ポリアミドのアミノ末端基とカルボキシル末端基のモル比を等モルから若干ずらすことが挙げられる。カルボキシル末端基量が過剰になるように原料を添加して製造する場合、ポリアミドのアミノ末端基量(当量/トン)/カルボキシル末端基量(当量/トン)の比は、0.9800〜0.9990であり、好ましくは0.9850〜0.9980、より好ましくは0.9900〜0.9975の範囲に管理することで可能である。また、アミノ末端基量が過剰になるように原料を添加して製造する場合、アミノ末端基量(当量/トン)/カルボキシル末端基量(当量/トン)の比は、1.0010〜1.0200であり、好ましくは1.0020〜1.0150、より好ましくは、1.040〜1.0025の範囲に管理することで可能である。アミノ末端基量(当量/トン)/カルボキシル末端基量(当量/トン)の比が1に近いとゲル化時間が3時間未満となり、フィルターの背圧上昇が非常に激しくなり好ましくない。
前記ポリアミド製造時にリン化合物およびアルカリ金属化合物を添加することが好ましいが、ポリアミド中の全残存リン原子含有量(PC)とアルカリ金属原子含有量(M)は、下記式(3)、(4)の範囲を満たすことが好ましい。なお、リン化合物、アルカリ金属とも製造時に系外に飛散することはほとんどないので、下記式(3)、(4)は、得られたポリアミド中の含有量と共に、ポリアミドの製造時の添加量としても望ましい範囲である。
10≦PC<400ppm (3)
1.2<(M/PC)モル比<7 (4)
全残存リン原子含有量(PC)に関して、下限はより好ましくは15ppm、さらに好ましくは20ppm以上である。上限としては好ましくは370ppm、さらに好ましくは350ppm以下である。また、M/PCモル比に関しても、下限はより好ましくは1.3、さらに好ましくは1.5以上である。全残存リン原子含有量(PC)が10ppmより小さい場合は、ポリマーの色調を悪化させ、また熱安定性に劣り、好ましくはない。また、逆に全残存リン原子含有量(PC)が400ppm以上になると、添加剤にかかる原料費が多くなり、コストアップの一因となったり、溶融成形時のフィルターの異物詰りが大きくなり、後工程での生産性の低下が懸念される。また、M/PCモル比が1.2以下であると、粘度上昇が激しく、ゲル化物の混入が多くなる危険性がある。また、逆にM/PCモル比が7以上であると、反応速度が非常に遅く、生産性の低下が否めない。
本発明のポリアミドの製造時に用いられるリン原子を含有する化合物としては、下記化学式(A−1)〜(A−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007092054
Figure 2007092054
Figure 2007092054
Figure 2007092054
(ただし、式(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)において、R〜Rは水素、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはアリールアルキル基、X〜Xは水素、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アリールアルキル基またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいは各式中のX〜XとR〜Rのうちそれぞれ1個は互いに連結して環構造を形成してもよい)
化学式(A−1)で表されるホスフィン酸化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸エチル、
Figure 2007092054
または
Figure 2007092054
の化合物およびこれらの加水分解物、ならびに上記ホスフィン酸化合物の縮合物などがある。
化学式(A−2)で表されるホスホン酸化合物としてはホスホン酸、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸リチウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウムなどがある。
化学式(A−3)で表される亜ホスホン酸化合物としては、亜ホスホン酸、亜ホスホン酸ナトリウム、亜ホスホン酸リチウム、亜ホスホン酸カリウム、亜ホスホン酸マグネシウム、亜ホスホン酸カルシウム、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチルなどがある。
化学式(A−4)で表される亜リン酸化合物としては、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸リチウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸などがある。
本発明のポリアミドの製造の際には、下記化学式(B)で表されるアルカリ金属含有化合物を添加する。
Z−OR(B)
(ただし、Zはアルカリ金属、Rは水素、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、−C(O)CHまたは−C(O)OZ’、(Z’は水素、アルカリ金属))
化学式(B)で表されるアルカリ化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、炭酸ナトリウムなどが挙げられるが、とりわけ、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムを使用するのが好ましい。但し、いずれもこれらの化合物に限定されるものではない。
本発明のポリアミドに前記リン化合物や前記アルカリ金属含有化合物を配合するには、ポリアミドの重合前の原料、重合中にこれらを添加するかあるいは前記重合体に溶融混合してもよい。
また、これらの化合物は同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。
本発明のポリアミドの相対粘度は、1.5〜4.0、好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは1.7〜2.5、さらに好ましくは1.8〜2.0の範囲である。相対粘度が1.5以下では分子量が小さすぎて、本発明のポリアミドからなるフィルムなどの成形体の機械的性質に劣ることがある。逆に相対粘度が4.0以上では、重合に長時間を要し、ポリマーの劣化、ゲル化や好ましくない着色の原因となる場合があるだけでなく、生産性が低下しコストアップ要因となることがある。
また、本発明のポリアミドのチップの形状は、シリンダ−型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は通常1.0〜5mm、好ましくは1.2〜4.5mm、さらに好ましくは1.5〜4.0mmの範囲である。例えば、シリンダ−型の場合は、長さは1.0〜4mm、径は1.0〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの重量は3〜50mg/個の範囲が実用的である。
また、本発明のポリアミドの(Co−b)値が下記式(2)を満たすことが望ましい。
−5<(Co−b)<10 (2)
(Co−b)値が10以上であると、ボトル、フィルム、シート等の成形体の色相が黄色くなりすぎ商品価値が落ちてしまう。
本発明のポリアミドは、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法等の各種の成形技術によって、目的とする最終成形体に成形できる。成形体としては、シート(単層、多層)、延伸フィルム(単層、多層)、中空成形体などの包装材料、自動車部品、機械機器部品、紙との積層体等が挙げられる。
本発明のポリアミドには、本発明の目的を損なわない範囲内で、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、酸化防止剤、酸素吸収剤、酸素捕獲剤、コバルト化合物などの酸化触媒、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、ガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム等の繊維またはフィラー類の各種添加剤を添加することができる。また、機械的特性、特に曲げ特性、耐屈曲性等を改良するために変性ポリオレフィン、アイオノマー樹脂、エラストマー等を添加することもできる。
さらに、本発明のポリアミドをエンジニアリングプラスチックスとして耐熱性用途の成形体用途などとして使用する場合には、カーボンブラック、銅酸化物、ハロゲン化アルカリ金属等の耐候性改良材、ヒンダ−ドフェノール系、チオエーテル系、ホスファイト系等の熱安定剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ヒンダ−ドフェノール系等の光安定剤、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、低分子量ポリオレフィン等の離型剤、低級脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の流動性改良剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、顔料、染料等を含有させても良い。
また、本発明のポリアミドをフィルム用途に使用する場合には、滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性を改善するために、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の無機粒子、蓚酸カルシウムやなどの不活性粒子を含有させることが出来る。
本発明のポリアミド組成物は、本発明の部分芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドとを主成分として含む。本発明のポリアミド組成物中の部分芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドの配合割合は、100/1〜1/100(重量比)である。
本発明で規制した範囲外の部分芳香族ポリアミドを用いる場合は、成形工程のフィルターの異物詰りが激しくなり、フィルター交換頻度が多くなり生産性が低下し問題である。また、フィルター装置を装填できない場合には、未溶融異物やゲル状物が発生し易くなり、得られたフィルムなどの成形体に異物やフィッシュアイなどの発生が多くなったりして問題である。特に成形時の雰囲気中に酸素が存在する場合には前記のような成形体の品質劣化が顕著となる。
また、本発明のポリアミド組成物に用いられる脂肪族ポリアミドは、具体的には、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン46およびこれらの共重合体、混合物などの脂肪族ポリアミド樹脂が挙げられる。好ましい脂肪族ポリアミド樹脂は、ナイロン6およびナイロン66である。脂肪族ポリアミドの配合量は、本発明のポリアミド100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは2重量部〜10重量である。
本発明に用いられる脂肪族ポリアミドのチップの形状は、シリンダ−型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は、本発明のポリアミドのそれと同一範囲であることが好ましい。また、チップの重量も同様である。
本発明のポリアミド組成物は、従来公知の方法により本発明のポリアミドと前記の脂肪族ポリアミドを混合して得ることができる。例えば、本発明のポリアミドチップと前記の脂肪族ポリアミドチップとをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドしたもの、さらにドライブレンドした混合物を一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合したもの、さらには必要に応じて溶融混合物を高真空下または不活性ガス雰囲気下で固相重合したものなどが挙げられる。
また、本発明のポリアミド組成物は、本発明のポリアミドと脂肪族ポリアミドとの溶融混合体を成形加工した形状であることもできる。成形加工した状態とは、ストランド状やチップ状、シリンダー状に限らず、中空成形体状、シート状、フィルム状およびこれらの粉砕物であっても良く、特にその形状を限定するものではない。
本発明のポリアミド組成物には前記の種々の添加剤や樹脂などを添加することが出来る。
そして、本発明のポリアミド組成物はシート、フィルムなど前記の用途に用いることが出来る。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定させるものではない。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以下に説明する。
(1)ポリアミドの相対粘度(RV)
試料0.25gを96%硫酸25mlに溶解し、この溶液10mlをオストワルド粘度管にて20℃で測定、下式より求めた。
RV=t/t
(但し t:溶媒の落下秒数 t:試料溶液の落下秒数)
(2)ポリアミド中のリン化合物の構造分析(31P−NMR法)
試料340〜350mgを重ベンゼン/1,1,1,3,3,3―ヘキサフロロイソプロパノール=1/1(vol比)混合溶媒2.5mlに室温で溶解させ、トリ(t−ブチルフェニール)リン酸(以下、TBPPAと略称)をPとして樹脂に対して約100ppm添加し、室温でさらにトリフロロ酢酸を0.1ml加え、30分後にフーリエ変換核磁気共鳴装置(BRUKER社製AVANCE500)にてポリアミド中のリン化合物の構造分析(31P−NMR法)を行った。なお、31P共鳴周波数は202.5MHz、検出パルスのフリップ角は45°、データ取り込み時間 1.5秒、遅延時間 1.0秒、積算回数 1000〜20000回、測定温度は室温、プロトン完全デカップリングの条件で分析を行った。
得られたNMRチャートより、各リン化合物のピーク積分値を算出し、以下のようにして下記の式(F)〜(I)よりP1:ポリアミド中の次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(ppm)、P2:ポリアミド中の亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(ppm)、P3:ポリアミド中のリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(ppm)、P4:ポリアミド中のピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(ppm)を計算した。
先ず、TBPPAに対応するリン化合物のPピーク積分値を100ppmとし、15ppm〜−15ppmの領域に観察される、ポリアミド中の各リン化合物に対応するPピーク積分値の合計である全Pピーク積分値PNを算出する。
次に、NMRスペクトルに観察される全てのリン化合物のPピーク相対値(Ps)を下記式Aから求める。
Pピーク相対値(Ps)=PN/PC ・・・・(式A)
(PNはポリアミドの全Pピーク積分値(ppm)、PCはポリアミド中の全残存P含有量(ppm)である。ここで、ポリアミド中の全残存P含有量PCは下記(4)の分析方法により求める。Pピーク相対値が1より大きい場合は、Pピーク相対値=1とする。)
次に、ポリアミド中の次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン化合物の割合(P1r)、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン化合物の割合(P2r)、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン化合物の割合(P3r)およびピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン化合物の割合(P4r)を下記式B、C、D、Eから求める。
P1r=Ps×(次亜リン酸由来のリン化合物のPピーク積分値XP1)/PN・・・(式B)
P2r=Ps×(亜リン酸由来のリン化合物のPピーク積分値XP2)/PN ・・・(式C)
P3r=Ps×(リン酸由来のリン化合物のPピーク積分値XP3)/PN ・・・(式D)
P4r=Ps×(ピロリン酸由来のリン化合物のPピーク積分値XP4)/PN・・・(式E)
次に、下記の式により、ポリアミド中に残存する次亜リン酸由来のリン原子含有量(P1)、ポリアミド中に残存する亜リン酸由来のリン原子含有量(P2)、ポリアミド中に残存するリン酸由来のリン原子含有量(P3)およびポリアミド中に残存するピロリン酸由来のリン原子含有量(P4)を求める。
ポリアミド中の、次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P1)
=PC×P1r ・・・・(式F)
ポリアミド中の、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P2)
=PC×P2r ・・・・(式G)
ポリアミド中の、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P3)
=PC×P3r ・・・・(式H)
ポリアミド中の、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)
=PC×P4r ・・・・(式I)
ここで、P1に対応するのは次亜リン酸(下記(化9))であり、この構造に起因するピークは9〜12ppmの範囲に、P2に対応するのは亜リン酸(下記(化10))であり、この構造に起因するピークは4〜7ppmの範囲に、P3に対応するのはリン酸(下記(化11))であり、この構造に起因するピークは0〜2ppmの範囲に、P4に対応するのはピロリン酸(下記(化12))であり、この構造に起因するピークは−12〜−10ppmの範囲に見られた。
Figure 2007092054
Figure 2007092054
Figure 2007092054
Figure 2007092054
次いで、下記式(1)によりリン原子含有量(Px)を求めた。
Px=PC−(P1+P2+P3+P4) (1)
(式中、PCはポリアミド中の全残存リン原子含有量、P1、P2、P3、P4はそれぞれ、ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸処理後、構造分析した場合、次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量を示す。単位はppm)
図1にPのNMRスペクトルを示す。
(3)ポリアミド中の全残存リン原子含有量(PC)
試料を炭酸ソーダ共存下において乾式灰化分解するか、硫酸・硝酸・加塩素酸系または硫酸・加酸化水素水系において湿式分解し、リンを正リン酸とした。次いで、1mol/L硫酸溶液中においてモリブデン酸塩を反応させて、リンモリブデン酸とし、これを硫酸ヒドラジンで還元して生ずるヘテロポリ青の830nmの吸光度を吸光光度計(島津製作所社製、UV−150−02)で測定して比色定量した。
(4)ポリアミドのNa含有量(Na)の分析
試料を白金ルツボにて、灰化分解し、6mol/L塩酸を加えて蒸発乾固した。1.2mol/L塩酸で溶解し、その溶液を原子吸光(島津製作所社製、AA−640−12)で定量した。
(5)ポリアミドチップおよび成形体のカラーb値((Co−b))
カラーメーター(日本電色社製、Model 1001DP)を使用し、カラーb値を測定した。
(6)背圧上昇試験
水分率を300ppmに調湿したポリアミドを一軸押出機(ヒーター設定温度285℃、平均滞留時間10分)を使用し、溶解させ、GPを使用し、3〜6g/minで一定量押出した。ポリマー中の異物を濾過径20μmのフィルターで濾過し、GPの二次側の圧力を経時的に記録した。4hr流した後のその圧力差を下記式にあてはめ、背圧上昇係数(K*)を求めた。
K*=[ΔP(MPa)/T(hr)]/[Q(kg/hr)/S(cm)] (5)
式(5)において、
△P(MPa) :GP二次圧の4hr後の圧力−初期圧
T(hr) :ポリアミドをフィルターに濾過した時間 (4hr)
Q(kg/hr):ポリアミドの吐出量 (3〜6g/min)
S(cm) :フィルターの濾過面積 (1.538cm
(7)ゲル化時間
内容量約20mlの枝付き試験管に100℃で24時間減圧乾燥したポリアミド樹脂3gを入れ、減圧窒素置換を3回行なった後、30ml/分の窒素ガスを流しながら、260℃恒温のオイルバス中に浸漬して加熱し、0.5時間ないし1時間毎にサンプリングした。
加熱処理した試料0.25gを96%硫酸25mlに室温で16時間溶解し、ガラスろ過器(1Gるつぼ形ガラスろ過器、ポアサイズ160〜250μm、柴田科学社製)で溶液をろ過し、ガラスフィルター上で不溶分を視認するまでに要した加熱処理時間をゲル化時間とした。
(Ny−MXD6(A))
攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた調整缶に精秤したメタキシリレンジアミンおよびアジピン酸および水を所定量加え、窒素ガスにより加圧、放圧の操作を5回繰り返し、窒素置換を行い、雰囲気窒素中の酸素含有量9ppm以下とした。その時の内温は80℃とした。更に、添加剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)や次亜リン酸ナトリウム(NaHPO・HO)を加え、攪拌して均一な塩水溶液とした。この際も、雰囲気窒素中の酸素含有量9ppm以下に維持した。
この溶液を攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応缶に移送し、缶内温度190℃、缶内圧1.0MPaとして、徐々に昇温させて留出する水を系外に除き、缶内温度を230℃にした。この時までの反応時間は5時間であった。その後、缶内圧を60分かけて、徐々に放圧し、常圧に戻した。更に温度を255℃まで上昇させ、常圧で20分攪拌し、所定の粘度まで到達させ、反応を終了した。その後、10分間放置し、ポリマー中の気泡を取り除き、反応缶下部より溶融樹脂を押出し、冷水で冷却固化しながらキャスティングを行った。キャスティング時間は約50分間であり、反応缶〜ダイスまでの間のポリマー温度は約250℃に維持した。また、冷却固化した樹脂温度は50℃であった。
なお、アミノ末端基量(当量/トン)/カルボキシル末端基量(当量/トン)の比は0.9900、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6(B))
重合時間を延長する以外はNy−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6(C))
添加剤の使用量を変える以外は、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の4.0倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6(D))
添加剤の使用量を変える以外は、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の3.5倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6(E))
添加剤の使用量を変える以外は、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6/MXDI(F))
原料としてメタキシリレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸を表1に記載した組成に対応するように調整すること以外はNy−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6/MXD・CHDA(G))
原料としてメタキシリレンジアミン、アジピン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)を表1に記載した組成に対応するように調整すること以外はNy−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6(H))
Ny−MXD6(A)の場合と同様の反応装置を用い、添加剤の使用量を変え、原料塩調整缶では窒素ガス置換を行わず雰囲気中の酸素濃度が約100ppmのままで反応缶に移送し、缶内温度190℃、缶内圧1.0MPaとして、徐々に昇温させて留出する水を系外に除いた。ここまでの缶内温度、反応時間はNy―MXD6(A)とほぼ同一条件とした。その後、缶内圧を60分かけて、徐々に放圧し、常圧に戻した。さらに温度を285℃まで上昇させ、常圧で20分攪拌し、所定の粘度まで到達させ、反応を終了した。70分間放置し、ポリマー中の気泡を取り除いた後、反応缶下部より溶融樹脂を押出し、Ny−MXD6(A)と同様にしてキャスティングを行った。
なお、アミノ末端基量(当量/トン)/カルボキシル末端基量(当量/トン)の比を1.0とし、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の1.9倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
(Ny−MXD6(I))
上記のリン原子含有化合物、およびアルカリ化合物は添加せずに、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。表1に特性を示す。
(実施例1)
Ny−MXD6(A)を用いて前記(5)、(6)および(7)の方法で評価を実施した。
結果を表1に示す。
背圧上昇試験は問題なかった。
(実施例2)
Ny−MXD6(B)を用いて前記(5)、(6)および(7)の方法で評価を実施した。
結果を表1に示す。
背圧上昇試験は問題なかった。
(実施例3)
Ny−MXD6(C)を用いて前記(5)、(6)および(7)の方法で評価を実施した。
結果を表1に示す。
背圧上昇試験は問題なかった。
(実施例4〜7)
表1に記載の各種のポリアミドを用いて前記(5)、(6)及び(7)の方法で評価を実施した。
結果を表1に示す。
背圧上昇試験は問題なかった。
(比較例1)
Ny−MXD6(D)を用いて前記(5)、(6)および(7)の方法で評価を実施した。
結果を表1に示す。
背圧上昇試験での背圧上昇係数は高く問題であった。
(比較例2)
Ny−MXD6(E)を用いて前記(5)、(6)および(7)の方法で評価を実施した。
結果を表1に示す。
背圧上昇試験は問題なかったが色相が悪かった。
Figure 2007092054
以上、本発明のポリアミドについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明のポリアミドは、成形時のフィルター背圧上昇が少なく、乾燥時や成形時の熱安定性および熱酸化安定性が良好であるため、色調に優れており、かつ成形工程で着色し難く、またゲル状物などの異物の発生が少ないので、フィルム、シ−トなどの成形体、飲料用ボトルをはじめとする中空成形容器、エンジニアリングプラスチックス材などの素材として好適に用いられ、これらの成形体を生産性よく製造することが出来る。また、脂肪族ポリアミドとの組成物としてフィルム、シ−トなどの成形体として用いることが出来る。
代表例の31P−NMRスペクトル

Claims (7)

  1. 脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミド、または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドであって、該ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、下記構造式(式1)で表されるピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)が、200ppm以下であり、全残存リン原子含有量(PC)が10ppm以上であることを特徴とするポリアミド。
    Figure 2007092054
  2. 下記の式(1)で求められるリン原子含有量(Px)が、100ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド。
    Px=PC−(P1+P2+P3+P4) (1)
    (式中、PCはポリアミド中の全残存リン原子含有量、P1、P2、P3、P4はそれぞれ、ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量を示す。単位はppm)
  3. 260℃で窒素雰囲気下に加熱処理した際のゲル化時間が3時間以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリアミド。
  4. ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとジカルボン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に50モル%以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド。
  5. ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に50モル%以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド。
  6. ポリアミドのチップのカラーb値(Co−b)が、下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド。
    −5<(Co−b)<10 (2)
  7. 請求項1〜6に記載のポリアミドと脂肪族ポリアミドとを主成分として含むポリアミド組成物。
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