JP2016216627A - ポリアミド組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テレフタル酸を少なくとも50モル%以上含むジカルボン酸成分と、炭素数8以上のジアミンを少なくとも50モル%以上含むジアミン成分とを原料とする半芳香族ポリアミド(A)50〜95重量部、及び、JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで降温したときに結晶化熱量ΔHcが20J/g以下であり、かつガラス転移点が100℃以上である低結晶性ポリアミド(B)5〜50重量部(ただし、(A)及び(B)の合計を100重量部とする)を含有するポリアミド組成物。
【選択図】なし
Description
物に関し、それを成形してなる成形体は、自動車部品及び電気・電子部品に適用できる。
また、特許文献4に開示されているポリアミドは、共重合していることによりデカメチレンテレフタルアミドの特長である結晶性は低下していて改良が求められている。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、高湿熱剛性、高外観、高流動性、熱滞留安定性の全てを満足するポリアミド組成物、及びそのポリアミド組成物を含有する自動車用の成形品を提供することを課題とする。
[1]テレフタル酸を少なくとも50モル%以上含むジカルボン酸成分と、炭素数8以上のジアミンを少なくとも50モル%以上含むジアミン成分とを原料とする半芳香族ポリアミド(A)50〜95重量部、及び、JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで降温したときに結晶化熱量ΔHcが20J/g以下であり、かつガラス転移点が100℃以上である低結晶性ポリアミド(B)5〜50重量部(ただし、(A)及び(B)の合計を100重量部とする)を含有するポリアミド組成物。
[2]前記炭素数8以上のジアミンが、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン及び1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種である、前記[1]に記載のポリアミド組成物。
[3]ガラス転移点が110℃以上である、前記[1]又は[2]に記載のポリアミド組成物。
[4]前記低結晶性ポリアミド(B)のジアミン成分の50モル%以上が2−メチルペンタメチレンジアミンである、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
[5]前記低結晶性ポリアミド(B)のジカルボン酸成分の50モル%以上がテレフタル酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
[6]前記低結晶性ポリアミド(B)がJIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温したときに融解熱量ΔHmが20J/g以上である、前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
[7]前記ポリアミド(A)がポリデカメチレンテレフタルアミドである、前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
[8]前記低結晶性ポリアミド(B)がポリ2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドである、前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
[9]前記半芳香族ポリアミド(A)及び前記低結晶性ポリアミド(B)の合計100重量部に対して、更に無機充填材(C)を5〜200重量部含有する、前記[1]〜[8]のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
[10]前記[1]〜[9]のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を成形してなる自動車用部品。
なお、本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明のポリアミド組成物は、テレフタル酸を少なくとも50モル%以上含むジカルボン酸成分と、炭素数8以上のジアミンを少なくとも50モル%以上含むジアミン成分とを原料とする半芳香族ポリアミド(A)50〜95重量部、及び、JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで降温したときに結晶化熱量ΔHcが10J/g以下であり、かつガラス転移点が100℃以上である低結晶性ポリアミド(B)5〜50重量部(ただし、(A)及び(B)の合計を100重量部とする)を含有する。
本発明における半芳香族ポリアミド(A)とは、テレフタル酸を50モル%含むジカルボン酸成分と、炭素数8以上のジアミンを少なくとも50モル%以上含むジアミン成分とを原料として構成されるポリアミドである。
炭素数8以上の脂肪族ジアミンとしては、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタンなどが挙げられる。
また、本発明における半芳香族ポリアミド(A)の原料には、ジアミン成分中、炭素数8以上のジアミンが50モル%以上であれば、更に他のジアミン成分を用いてもよい。他のジアミン成分としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。
本発明における低結晶性ポリアミド(B)とは、DSCで100℃/minで降温したときの結晶化エンタルピーΔHcが20J/g以下であり、かつガラス転移点が100℃以上であるポリアミドを示す。低結晶性ポリアミド(B)のDSCで100℃/minで降温したときの結晶化エンタルピーΔHcが20J/g以下であることにより、半芳香族ポリアミド(A)とのポリアミド組成物の溶融流動性を効果的に向上することができる。低結晶性ポリアミド(B)のDSCで100℃/minで降温したときの結晶化エンタルピーΔHcは20J/g以下であり、好ましくは15J/g以下である。
一方、半芳香族ポリアミド(A)の含有量が95重量部を超え、脂肪族ポリアミド(B)の含有量が5重量部未満である場合、ポリアミド組成物の流動性、滞留安定性が低下する。
1)ジカルボン酸・ジアミン塩又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」と略称する場合がある。)。
2)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「熱溶融重合・固相重合法」と略称する場合がある。)。
3)ジカルボン酸・ジアミン塩又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーを更にニーダーなどの押出機で再び溶融して重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・押出重合法」と略称する場合がある。)。
4)ジカルボン酸・ジアミン塩又は、その混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーを更にポリアミドの融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・固相重合法」と略称する場合がある。)。
5)ジカルボン酸・ジアミン塩又はその混合物を固体状態に維持したまま、一段で重合させる方法(以下、「一段固相重合法」と略称する場合がある)。
6)ジカルボン酸となど価なジカルボン酸ハライドとジアミンとを用いて重合させる方法(以下、「溶液法」と略称する場合がある。)。
本実施形態のポリアミドの製造方法においては、ポリアミドの重合サイクル時間の短縮、分子量を向上させる点で、熱溶融重合法を実施することが好ましい。
本実施形態のポリアミドの製造工程において、重合を行う際には、重合時に添加物を加えておくことが好適である。
ジアミンなどを加えることにより、重合度の上昇や調節ができるため、分子量を制御するための方法として有効である。
また、固相重合法以外の方法により用いる反応器に関しては、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、及び、ニーダーなどの押出機型反応器などが挙げられ、これら用いて各種重合反応を行うことができる。
本実施形態のポリアミドの製造方法としての前記固相重合法は、例えば、タンブラー型の反応器、振動乾燥機型の反応器、ナウターミキサー型の反応器、及び攪拌型の反応器などを用いて行うことができる。
重合後、加熱を停止し、好ましくは0〜100℃、より好ましくは室温から60℃に反応温度が低下してから、反応器よりポリアミドを取り出して得ることができる。
本発明のポリアミド組成物は、更に無機充填材(C)を含有してもよい。無機充填剤(C)を含有することにより、成形品の機械強度及び剛性を向上させることができる。更に、温度変化による膨張や収縮などの寸法変化を低減できることから、寸法精度が向上し、加熱条件下におけるそりをより低減することができる。
本実施形態のポリアミド組成物を構成する無機充填材としては、特に限定されるものではなく、公知の材料を用いることができる。
無機充填材としては、強度及び剛性などの観点で、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカ、窒化珪素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸一水素カルシウム、ウォラストナイト、シリカ、カーボンナノチューブ、グラファイト、フッ化カルシウム、クレー、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母、及びアパタイトなどが好ましく、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、タルク、カオリン、マイカ、窒化珪素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ウォラストナイト、及びクレーからなる群から選ばれる少なくとも1種である無機充填材がより好ましい。
扁平状の断面としては、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型などが挙げられる。
前記ガラス繊維や炭素繊維の中でも、優れた機械物性をポリアミド組成物に付与する観点から、ポリアミド組成物中において、数平均繊維径が3〜30μmであり、重量平均繊維長が100〜750μmであり、重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)が10〜100であるガラス繊維又は炭素繊維が、好ましく用いられる。
ポリアミド組成物中の無機充填材の重量平均繊維長は、同様にしてガラス繊維を任意に選択し、倍率1000倍でのSEM写真を用いて繊維長を計測することにより重量平均繊維長を測定することができる。
なお、強化繊維の重量平均繊維長は、ポリアミド組成物のポリアミドのみ燃焼又は溶解させて除去した後、光学顕微鏡を用いて観察し、画像解析装置を用いて任意に選択した強化繊維400本の長さを測定し、平均値を算出することにより求められる。
重量平均繊維長=Σ(Li2)/ΣLi
なお、前記重量平均繊維長は、本実施形態のポリアミド組成物に含有されている状態の強化繊維に対して適用される値である。
強化繊維の材料としては、一般的にポリアミドに使用される強化繊維であれば特に制限はない。
前記強化繊維は、単繊維における平均繊維径に関して特に限定されるものではないが、例えば、直径5〜25μmのものが一般的に使用される。
また、強化繊維としては、単繊維を集束した連続繊維であるロービングを用いることが好ましい。
本実施形態のポリアミド組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲で、ポリアミドに慣用的に用いられる添加剤、例えば、顔料及び染料などの着色剤(着色マスターバッチ含む)、難燃剤、フィブリル化剤、潤滑剤、蛍光漂白剤、可塑化剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、流動性改良剤、充填材、補強剤、展着剤、造核剤、ゴム、強化剤並びにその他のポリマーなどを含有することもできる。
フェノール系安定剤は、ポリアミドなどの樹脂や繊維に耐熱性や耐光性を付与する性質を有する。
フェノール系安定剤を用いる場合、ポリアミド組成物中のフェノール系安定剤の配合量は、ポリアミド組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部であり、より好ましくは0.1〜1質量部である。配合量が上記範囲内である場合、耐熱エージング性を一層向上させ、更に発生ガス量を低減させることができる。
リン系安定剤を用いる場合、ポリアミド組成物中のリン系安定剤の配合量は、ポリアミド組成物100質量部に対して、0.01〜1質量部であり、より好ましくは0.1〜1質量部である。配合量が上記範囲内である場合、耐熱エージング性を一層向上させ、更に発生ガス量を低減させることができる。
アミン系安定剤を用いる場合、ポリアミド組成物中のアミン系安定剤の配合量は、ポリアミド組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部であり、より好ましくは0.1〜1質量部である。配合量が上記範囲内である場合、耐光性や耐熱エージング性を一層向上させることができ、更に発生ガス量を低減させることができる。
上記金属塩は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ハロゲン化物としては、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態におけるポリアミド組成物の製造方法としては、上述したポリアミドと、無機充填材と、必要に応じて、上述したその他の添加剤を混合する方法であれば、特に限定されるものではない。
溶融混練時間は、0.5〜5分程度であることが好ましい。
溶融混練を行う装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置、例えば、単軸又は2軸押出機、バンバリーミキサー、及びミキシングロールなどの溶融混練機を用いることができる。
更に なお、ポリアミド組成物に含有されている無機充填材が、重量平均繊維長が1〜15mmの強化繊維である場合のポリアミド組成物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミドを二軸押出機で溶融混練し、溶融したポリアミドを強化繊維のロービングに含浸させ、ポリアミド含浸ストランドを得るプルトルージョン法や、特開2008−221574号公報に記載されているように、含浸ストランドを螺旋状に撚る工程によってポリアミドを十分に含浸させる方法が挙げられる。
本実施形態のポリアミド組成物は、25℃の硫酸相対粘度ηrは2.3以上であることが好ましい。より好ましくは2.3〜7.0であり、更に好ましくは2.5〜5.5であり、特に好ましくは2.8〜4.0である。25℃の硫酸相対粘度ηrが2.3以上であることにより、靭性及び強度などの機械物性に優れたものとなる。溶融流動性の観点から、ポリアミドの25℃の硫酸相対粘度ηrが7.0以下が好ましい。
25℃の硫酸相対粘度の測定は、下記実施例に記載するように、JIS−K6920に準じて98%硫酸中、25℃で測定することができる。
また、ポリアミド組成物における前記各物性の測定値が、前記好ましい範囲にあることにより、耐熱性、成形性、及び耐薬品性に優れるポリアミド組成物を得ることができる。
本実施形態のポリアミド組成物成形品とは、強化材を含まない非強化ポリアミド成形品及び強化材を含むポリアミド組成物成形品を示す。
本実施形態のポリアミド組成物成形品は、前記のポリアミド又は前記のポリアミド組成物を周知の成形方法、例えば、プレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、及び溶融紡糸などを用いて各種成形品を得ることができる。
本実施形態のポリアミド及びポリアミド組成物から得られる成形品は、耐熱性、強度、熱時強度、剛性、熱時剛性、熱時安定性、耐LLC性に優れる。
本実施形態のポリアミド組成物成形品は、強度、耐熱性の観点から、組成物成形品を構成するポリアミドのジカルボン酸成分の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のトランス/シス比率が76/24以上であることが好ましく、80/20以上がより好ましく、85/15以上が更に好ましい。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のトランス体/シス体比率(モル比)は、核磁気共鳴分光法(NMR)により求めることができる。
本実施形態のポリアミド組成物成形品の融点ピーク温度Tm1は、耐熱性の観点から、300℃以上であることが好ましく、310℃以上であることがより好ましい。
本実施形態のポリアミド組成物成形品の融解熱量ΔHm1と結晶化熱量ΔHcは、耐熱性の観点から、40J/g以上であることが好ましく、45J/g以上であることがより好ましく、50J/g以上であることが更に好ましい。また、ポリアミド組成物成形品の融解熱量ΔHmと結晶化熱量ΔHcを決定する際に、無機充填材や造核剤、潤滑剤、安定剤などを含む場合、上記熱量の値は組成物に対するポリアミドの割合で換算し算出する。
本実施形態のポリアミド組成物成形品の融解熱量ΔHm1と結晶化熱量ΔHcの比(ΔHm1/ΔHc)は、耐熱性の観点から、1.1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.8以上であることが更に好ましい。
本実施形態のポリアミド及びポリアミド組成物は、周知の成形方法、例えば、プレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、及び溶融紡糸などを用いて各種成形品を得ることができる。
本実施形態のポリアミド及びポリアミド組成物から得られる成形品は、耐熱性、強度、熱時強度、剛性、熱時剛性、熱時安定性、耐LLC性に優れる。
従って、本実施形態のポリアミド及びポリアミド組成物は、自動車用、電気及び電子用、産業資材用、押出用途並びに日用及び家庭品用などの各種部品材料として好適に用いることができる。
自動車吸気系部品としては、特に限定されるものではなく、例えば、エアインテークマニホールド、インタークーラーインレット、エキゾーストパイプカバー、インナーブッシュ、ベアリングリテーナー、エンジンマウント、エンジンヘッドカバー、リゾネーター、及びスロットルボディなどが挙げられる。
自動車燃料系部品では、特に限定されるものではなく、例えば、燃料デリバリーパイプ及びガソリンタンクケースなどが挙げられる。
外装部品としては、特に限定されるものではなく、例えば、モール、ランプハウジング、フロントグリル、マッドガード、サイドバンパー、及びドアミラーステイ、ルーフレールなどが挙げられる。
電気及び電子用としては、特に限定されるものではなく、例えば、コネクター、スイッチ、リレー、プリント配線板、電子部品のハウジング、コンセント、ノイズフィルター、コイルボビン、及びモーターエンドキャップなどに用いられる。
日用及び家庭品用としては、特に限定されるものではなく、例えば、ボタン、食品容器、及びオフィス家具などに用いられる。
押出用途としては、特に限定されるものではなく、例えば、フィルム、シート、フィラメント、チューブ、棒、及び中空成形品などに用いられる。
実施例及び比較例に用いた原材料及び測定方法を以下に示す。
なお、本実施例において、1kg/cm2は、0.098MPaを意味する。
(1)テレフタル酸(TPA) 和光純薬工業製 商品名 テレフタル酸
(2)1,10−ジアミノデカン(デカメチレンジアミン)(C10DA) 商品名:1,10−デカンアミン(小倉合成工業社製)
(3)2−メチルペンタメチレンジアミン(2MPD) 東京化成工業製 商品名 2−メチル−1,5−ジアミノペンタン
(4)ポリアミド610 (PA610) 旭化成ケミカルズ製
<(1)ガラス転移温度Tg、融点Tm1、Tm2(℃)、融解熱量ΔHm、結晶化熱量ΔHc>
JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて測定した。測定条件は、窒素雰囲気下、試料約10mgを昇温速度20℃/minでサンプルの融点に応じて300〜350℃まで昇温したときに現れる吸熱ピーク(融解ピーク)の最も高温側に現れた吸熱ピーク温度をTm1(℃)とし、昇温の最高温度の溶融状態で温度を2分間保った後、降温速度20℃/minで30℃まで降温し、30℃で2分間保持した後、昇温速度20℃/minで同様に昇温したときに現れる吸熱ピーク(融解ピーク)の最も高温側に現れた吸熱ピーク温度を融点Tm2(℃)とした。Tm1、Tm2全ピーク面積をそれぞれ融解熱量ΔHm1、△Hm2(J/g)とした。
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[PS−40E:日精樹脂株式会社製]を用いて、射出+保圧時間25秒、冷却時間15秒、金型温度を120℃、溶融樹脂温度を(A)半芳香族ポリアミドのTm2+20℃に設定し、ISO 3167、多目的試験片A型の成形片を成形した。
上記多目的試験片(A型)を成形後の絶乾状態(dry as mold)で、試験前質量(吸水前質量)を測定した。80℃の純水中に48時間浸漬させた。その後、水中から試験片を取り出し、表面の付着水分をふき取り、恒温恒湿(23℃、50RH%)雰囲気下に30分放置後、試験後質量(吸水後質量)を測定した。吸水前質量に対しての吸水後質量の増分を吸水量とし、吸水前質量に対する吸水量の割合を、試行数n=3で求め、その平均値を組成物の吸水率(%)とした。
ポリアミドペレットから多目的試験片(A型)を得る際に、冷却時間を調整することによって、スクリューでの滞留時間を6分間(平均値)として、試験片の射出成形をおこなった。滞留6分間の試験片のηrのポリアミドペレットのηrを100としたときの相対値を滞留時のηr維持率を計算し、±15%未満のものを○、±15%以上のものを△で表した。
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物のペレットから平板プレート成形片を以下のとおり作製した。射出成形機[FN−3000:日精樹脂株式会社製]を用いて、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpm、金型温度をTg+20℃、シリンダー温度=(Tpm-1+10)℃〜(Tpm-1+30)℃に設定し、充填時間が1.0±0.1秒の範囲となるように、射出圧力及び射出速度を適宜調整し、ポリアミド組成物ペレットから平板プレート成形片(13cm×13cm、厚さ3mm)を作製した。このようにして作製した平板プレート成形片を目視で確認し、均一に見えるものを○、斑模様になっているものを×、その間を△として表した。
製造例1:ポリアミド10Tの製造
デカメチレンジアミンとテレフタル酸を全量2.1kgになるように等モル量添加し、更に、デカメチレンジアミン全量に対して0.5mol%のデカメチレンジアミンを追加で添加した。これらの原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度240℃で2時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕した。常圧窒素気流下、240℃で固相重合し、ηr=2.30、融点318℃のポリアミド10Tを得た。
2−メチルペンタメチレンジアミンとテレフタル酸を全量2.1kgになるように等モル量添加し、更に2−メチルペンタメチレンジアミンを全量に対して0.5mol%の2−メチルペンタメチレンジアミンを過剰に添加した。これらの原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始し、缶内温度214℃、缶内圧力1.7MPaに到達した後、水を留出させながら缶内圧力を1.7MPaで2時間保持したところ、缶内温度は241℃に上昇した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、常圧窒素気流下、240℃で固相重合し、ηr=2.20、融点302℃のポリアミド2Me5Tを得た。
ノナメチレンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをモル%が85:15になるように添加し、その混合液とテレフタル酸を全量2.1kgになるように等モル量添加し、更にノナメチレンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの全量に対して0.5mol%のノナメチレンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合液(85/15モル%比)を過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度230℃で2時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、常圧窒素気流下で、240℃で固相重合し、ηr=2.43、融点308℃のポリアミド9Tを得た。
2−メチルペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩(2Me5T塩)、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩(6T塩)を50/50重量%比になるように配合した。2−メチルペンタメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン全量に対して0.5mol%の2−メチルペンタメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン(50/50重量%比)の混合液を過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始し、缶内温度214℃、缶内圧力1.7MPaに到達した後、水を留出させながら缶内圧力を1.7MPaで2時間保持したところ、缶内温度は241℃に上昇した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、40Pa、240℃で固相重合し、ηr=2.20、融点302℃のポリアミド6Tを得た。
以下、上記の製造例により得られたポリアミドを用いてポリアミド組成物を作製し、得られたポリアミド組成物について上記の測定項目を実施したので、説明する。
上記の製造例又は比較製造例のポリアミドを、窒素気流中で乾燥し、水分含有率を約0.2質量%に調整して用いた。かかるポリアミドを、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の2軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、ポリアミド組成物のペレットを作製した。具体的には、押出機の上流側供給口からダイまでを、上記(比較)製造例により製造した(A)半芳香族ポリアミドの融点(Tm2)+20℃に設定した。スクリュー回転数250rpm、及び吐出量25kg/hで、表1に記載の割合となるように、上流側供給口より半芳香族ポリアミド、低結晶性ポリアミド及び核剤をドライブレンドした後に供給した。これらを溶融混練し、ポリアミド組成物のペレットを作製した。
Claims (10)
- テレフタル酸を少なくとも50モル%以上含むジカルボン酸成分と、炭素数8以上のジアミンを少なくとも50モル%以上含むジアミン成分とを原料とする半芳香族ポリアミド(A)50〜95重量部、及び、JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで降温したときに結晶化熱量ΔHcが20J/g以下であり、かつガラス転移点が100℃以上である低結晶性ポリアミド(B)5〜50重量部(ただし、(A)及び(B)の合計を100重量部とする)を含有するポリアミド組成物。
- 前記炭素数8以上のジアミンが、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン及び1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
- ガラス転移点が110℃以上である、請求項1又は2に記載のポリアミド組成物。
- 前記低結晶性ポリアミド(B)のジアミン成分の50モル%以上が2−メチルペンタメチレンジアミンである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記低結晶性ポリアミド(B)のジカルボン酸成分の50モル%以上がテレフタル酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記低結晶性ポリアミド(B)がJIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温したときに融解熱量ΔHmが20J/g以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記ポリアミド(A)がポリデカメチレンテレフタルアミドである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記低結晶性ポリアミド(B)がポリ2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記半芳香族ポリアミド(A)及び前記低結晶性ポリアミド(B)の合計100重量部に対して、更に無機充填材(C)を5〜200重量部含有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を成形してなる自動車用部品。
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