JP2009141133A - フレキシブル基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ランド部の長手方向の先端におけるランド部の剥がれを抑制することができるフレキシブル基板を提供する。
【解決手段】
ランド部14は、基板11の表面に形成された複数のスルーホール15の外縁に沿う領域に形成される。スルーホール15は、円形の孔であって、ランド部14の中央に位置している。ランド部14は、その外周縁上に、スルーホール15からの距離が最も短い点である最短点20と、最も長い点である最長点21と、を有している小判型の形状をしている。そして、カバー領域18が、最長点21におけるスルーホール15から最長点21に向かう方向の幅が、最短点20におけるスルーホール15から最短20点に向かう方向の幅よりも大きくなるように構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、スルーホールが形成された可撓性の基板と、スルーホールの外縁に沿う領域に形成されるランド部と、ランド部と基板とをカバーするカバー部と、を有するフレキシブル基板に関する。
近年、電子機器内部における可動部品への配線や、電子機器の小型化,軽量化によりプリント基板の配置を制限された狭小空間への配線として、フレキシブル基板が使用されている。このフレキシブル基板には、フレキシブル基板を貫通するスルーホールと、スルーホールの外縁に沿う領域に形成される通電性を有するランド部が形成されている。
フレキシブル基板と電子部品との接続部分の断面図を図11に示す。電子部品をフレキシブル基板に実装する際には、フレキシブル基板100に形成されたスルーホール101に電子部品の端子(リード102)を挿通した状態で、リード102とランド部103とをはんだ付けする。はんだは、ランド部103とリード102との間で表面張力により円錐状のはんだフィレット104を形成し、ランド部103とリード102とを固定する。
電子部品の実装においては、はんだの付着量が少ないと、製品の輸送時および動作時の振動や、使用される環境の温度変化、電源のオン/オフに伴う温度変化の熱サイクルによる衝撃などが加わった場合に、クラックを発生する可能性があるため、はんだを十分に付着させてはんだ強度を高めることが重要である。はんだ強度を高めるためには、はんだ付け面積を大きくしてはんだフィレットを大きくするとよく、そのためには、ランド部の面積を大きくすることが考えられる。
しかし、基板にランド部が複数配置され、ランド部同士のピッチが狭い場合には、ランド部の面積を大きくしすぎると、ランド部同士の間隔が小さくなり、はんだが途切れずにブリッジを発生してしまう虞がある。
そこで、従来、図12に示すように、ランド部103の幅を、接近するランド部103が並ぶ方向(図12における矢印方向)と平行な方向に対しては変化させずに、ランド部が並ぶ方向と垂直となる方向に対しては長く延ばした形状とすることで、ランド部の面積を大きくしてクラックを防止しつつ、ランド部同士の間隔を維持することでブリッジの増加を抑制する技術が提案されている。また、ランド部の外周の形状を曲線状に形成することで、クラックおよびブリッジを低減する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−339685号公報
上述した技術のように、ランド部を一方に関して長く延びる形状とすると、ランド部の長手方向(ランド部の延びる方向)の先端において、はんだ付け時や電源のオン/オフに伴う熱サイクルによる衝撃によるランド部の剥がれや、機器の振動によって発生する負荷に基づくランド部の剥がれが発生しやすくなるという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、ランド部の長手方向の先端におけるランド部の剥がれを抑制することができるフレキシブル基板を提供することを目的とする。
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、スルーホールが形成された可撓性の基板と、その基板表面において、スルーホールの外縁に沿う領域に形成されるランド部と、そのランド部の外周部であるカバー領域にてランド部と重なり、ランド部の外側まで基板をカバーするカバー部と、を有するフレキシブル基板である。
そして、上記ランド部は、そのランド部の外周縁上に、スルーホールからランド部の外周縁までの距離が最も短い点である最短点と、最も長い点である最長点と、を有しており、カバー領域の最長点におけるスルーホールから最長点に向かう方向の幅が、上述した最短点におけるスルーホールから最短点に向かう方向の幅よりも大きいことを特徴とする。
このように構成されたフレキシブル基板であれば、ランド部におけるスルーホールからの距離が最も長い最長点、つまり、長手方向の先端部分におけるカバー領域の幅が、スルーホールからの距離が最も短い点におけるカバー領域の幅よりも大きくなる。ランド部を一方に長く延びた形状とすると、その長手方向の先端にて熱や衝撃の影響でランドが剥離しやすくなるが、上述したフレキシブル基板では、長手方向においてカバー部にカバーされるランド部の面積が大きくなるため、ランド部の長手方向の先端において、ランド部の基板からの剥がれを抑制することができる。
なお、ここでいうスルーホールからランド部の外周縁までの距離とは、ランド部の外周縁上の任意の点から、スルーホールの外周縁のうち最短の点までの距離である。
請求項2に記載の発明は、スルーホールが形成された可撓性の基板と、その基板表面において、スルーホールの外縁に沿う領域に形成されるランド部と、そのランド部の外周部であるカバー領域にてランド部と重なり、ランド部の外側まで基板をカバーするカバー部と、を有するフレキシブル基板である。
そして、上記ランド部は、そのランド部の外周縁上に、スルーホールからランド部の外周縁までの距離が最も短い点である最短点と、最も長い点である最長点と、を有しており、上述したカバー領域のうち、ランド部の外周縁からスルーホールに向かう方向の幅が最も大きい領域が、最長点の近傍に位置することを特徴とする。
このように構成されたフレキシブル基板であれば、最長点が位置する長手方向の端部側において、カバー領域の幅が最も大きい部分が位置することとなる。そのため、上述したフレキシブル基板では、長手方向においてカバー部にカバーされるランド部の面積が大きくなるため、ランド部の長手方向の先端におけるランド部の剥がれを抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のフレキシブル基板であって、上記基板には、ランド部が形成されるスルーホールが複数形成されており、スルーホールそれぞれは、スルーホールからランド部の最長点に向かう方向と直交する方向に沿って並んで配置されることを特徴とする。
このように構成されたフレキシブル基板であれば、ランド部の基板からの剥離を抑制できることに加え、はんだ付けによりランド部に電子部品のリードを固定する際に、はんだがランド部の長手方向に広がってはんだフィレットを形成するため、はんだ強度が増加し、クラックの発生を抑制できる。さらに、上述した長手方向と直交する方向にスルーホールが並ぶため、ランド部が接近する方向にはランド部同士の間隔を維持することができ、ブリッジの発生の増加を抑制できる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)構成
本実施例のフレキシブル基板10は、図1に示すように、可撓性を有する基板11と、基板11の表面に形成され、フレキシブル基板10と電子部品の端子とが接続する接続部12と、接続部12と電気的に接続しており、基板11の端部に形成される外部端子13と、からなる。このフレキシブル基板10は、基板11の可撓性を利用して、可動部品への配線や、プリント基板の配置の制限により配線や基板を曲げる必要がある箇所における配線として用いられる。
接続部12は、平行な2列に並んだ複数のランド部14からなる。ランド部14は、基板11の表面に形成された複数のスルーホール15の外縁に沿う領域に形成され、通電性を有しており、電子部品をフレキシブル基板10に実装する際に、電子部品の端子とはんだ付けにより固定される。
基板11のスルーホール15周辺の断面図を図2に示す。ランド部14は、基板11の表面においてスルーホール15の外縁に沿う領域において広がっている。このランド部14は、基板11の両面にあり、スルーホール15の内壁面を介して接続している。また、このランド部14は、基板11の表面に貼着されている銅箔層16と接続している。
基板11の表面および銅箔層16の表面をカバーするように絶縁性のカバー部17が配置されている。このカバー部17は、ランド部14の外周部であるカバー領域18にてランド部14と重なる。
基板11上に配置された接続部12の一部を基板11表面と垂直な方向から見た図を図3に示す。
スルーホール15は、円形の孔であって、ランド部14の中央に位置している。ランド部14は、その外周縁上に、スルーホール15からの距離が最も短い点である最短点20と、最も長い点である最長点21と、を有している小判型の形状をしている。なお、スルーホール15から最短点20に向かう方向(図3におけるX方向)と、スルーホール15から最長点21に向かう方向(図3におけるY方向)は直交する。
カバー領域18は、最長点21におけるスルーホール15から最長点21に向かう方向の幅(図3におけるA)が、最短点20におけるスルーホール15から最短20点に向かう方向の幅(図3におけるB)よりも大きくなるように構成されている。
上述したX方向に関して、カバー領域18の内周縁より内側の領域(以降、カバー領域18の開口部19という)の長さをC,ランド部14の長さをLとすると、上述したY方向に関して、カバー領域18の開口部19の長さをC+α,ランド部14の長さをL+βとして表すことができるが、α,βは以下のようにして定められる。
まず、αとβとの関係は、上述したようにカバー領域18におけるAの幅がBの幅よりも大きいため、β>αとなる。
次に、α,βそれぞれについて検討する。αとはんだ面積(開口部19の面積からスルーホール15の面積を引いた面積)の関係を図4に示す。αを増加させると、はんだ面積が増大するためはんだ強度は増加するが、はんだ面積が増加しすぎると、はんだフィレットが大きくなりすぎるため、はんだ不濡れなどの弊害が生じる。また、上述したβとランド面積の関係を図5に示す。βを増加させると、ランド部の面積を大きくできるため、はんだ強度の増加が可能となるが、βが増加しすぎると、熱逃げによるはんだ不良を発生する虞がある。
よって、β>α、かつ、はんだ不濡れやはんだ不良などの弊害のおこらない範囲でαとβの値が定められる。
なお、基板11に形成される複数のスルーホール15それぞれは、スルーホール15からランド部14の最長点21に向かう方向と直交する方向に沿って並んで配置されている。また、本実施例においては、ランド部14がハードディスクドライブの端子(リード)の配置と一致するように形成されている。
フレキシブル基板10とハードディスクドライブ30とを接続した状態を図6に示す。ハードディスクドライブ30は、コネクタ31介してフレキシブル基板10に接続される。コネクタ31に形成された複数のリード32それぞれは、フレキシブル基板10のランド部14とはんだ付けにより固定される。
外部端子13は、上述した銅箔層16を介してランド部14と電気的に接続している。この外部端子13を他の基板や電子部品と接続することで、それらとランド部14に接続した電子部品とを接続する。
(2)効果
このように構成されたフレキシブル基板10であれば、ランド部14の長手方向の先端である最長点21におけるカバー領域18の幅(図3におけるA)が、最短点20のカバー領域18の幅(図3におけるB)よりも大きくなるため、ランド部14の最長点21付近をカバーするカバー領域の面積が大きくなる。ランド部14においては、最長点21の位置が、最も熱膨張や振動などの負荷を受けて、基板から剥離する危険が大きくなるが、その位置をカバーするカバー領域18の面積を大きくすることで、ランド部14の長手方向の先端におけるランド部14の剥がれを抑制することができる。
また、ランド部14が一方に長く形成されていることから、はんだ付けによりランド部14に電子部品のリードを固定する際に、ランド部14におけるはんだフィレットを形成する面積を大きくすることができるため、クラックの発生を抑制できる。さらに、ランド部14における長手方向と直交する方向にランド部14が近接して並んでいるため、ランド部14の面積を大きくしても、ランド部14同士の間隔を狭くすることがなく、ブリッジの増加を抑制できる。
(3)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、ランド部14の形状が小判型である構成を例示したが、ランド部が一方の方向に長い形状であれば、その具体的な形状は特に限定されない。例えば、図7(a)に示すように、ランド部40の形状が略長方形であるものや、図7(b)に示すように、ランド部41の形状が楕円形であるものを用いてもよい。
また、上記実施形態においては、ランド部14におけるカバー領域18の開口部19の形状は、ランド部14より小さい小判型である構成を例示したが、開口部は、最長点におけるスルーホールから最長点に向かう方向のカバー領域の幅が、最短点におけるスルーホールから最短点に向かう方向のカバー領域の幅よりも大きくなるように構成されていれば、その具体的な形状は特に限定されない。例えば、図8(a)に示すように、開口部42の形状が六角形のものや、図8(b)に示すように、開口部43の形状が曲線形のものと刷ることが考えられる。図8(a),(b)それぞれにおいて、Cが最長点におけるカバー領域の幅であり、Dが最短点におけるカバー領域の幅であって、C>Dとなっている。
また、上記実施形態においては、ランド部14を平行な2列に配置する構成を例示したが、ランド部14の配置は特に制限されない。なお、近接するランド部14同士は、ランド部14の長手方向と直交する方向に配置することで、ブリッジの増加を抑制できる。
(1)構成
本実施例のフレキシブル基板は、基本的に実施例1のフレキシブル基板10と同様に、基板,接続部,外部端子,を有している。
基板上に配置された接続部の一部を基板表面と垂直な方向から見た図を図9に示す。
実施例1のフレキシブル基板10と同様に、スルーホール50は、円形の孔であって、ランド部51の中央に位置している。ランド部51は、その外周縁上に、スルーホール50からの距離が最も短い点である最短点52と、最も長い点である最長点53と、を有している小判型の形状をしている。なお、スルーホール50から最短点52に向かう方向(図9におけるX方向)と、スルーホール50から最長点53に向かう方向(図9におけるY方向)は直交する。
本実施例の開口部54は、図9におけるX方向およびY方向に沿った外周縁を有する矩形の開口に、2箇所の最長点53に向かう切り込みが形成されてなる形状である。カバー領域55のうち、ランド部51の外周縁からスルーホール50に向かう方向のカバー領域55の幅が最も大きい領域(図9におけるE)の位置が、ランド部51における最長点53の近傍に位置するように構成されている。
(2)効果
このように構成されたフレキシブル基板であれば、最長点53が位置する端部において、カバー領域55の幅が最も大きい部分が位置することとなる。そのため、上述したフレキシブル基板では、長手方向の先端においてカバー領域55にカバーされるランド部51の面積が大きくなるため、ランド部51の長手方向の先端におけるランド部の剥がれを抑制することができる。
(3)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、ランド部51におけるカバー領域55の開口部54の形状は、切り込みを有する矩形である構成を例示したが、カバー領域のうち、ランド部の外周縁からスルーホールに向かう方向のカバー領域の幅が最も大きい領域の位置が、ランド部における最長点の近傍に位置するように構成されていれば、その具体的な形状は特に限定されない。例えば、図10に示すように、その形状が六角形のものなどが考えられる。図10におけるFが、ランド部60からスルーホール50に向かう方向のカバー領域61の幅が最も大きい領域である。
実施例1のフレキシブル基板の全体像を示す斜視図 実施例1のフレキシブル基板の断面図 実施例1のフレキシブル基板における接続部を示す図 αとはんだ面積の関係を示す図 βとランド面積の関係を示す図 フレキシブル基板とハードディスクドライブとを接続した状態を示す斜視図 実施例1の変形例を示す図 実施例1の変形例を示す図 実施例2のフレキシブル基板における接続部を示す図 実施例2の変形例を示す図 フレキシブル基板に電子部品のリードがはんだ付けされた状態を示す図 従来のブリッジおよびクラック対策を施したランドの形状を示す図
符号の説明
10…フレキシブル基板、11…基板、12…接続部、13…外部端子、14…ランド部、15…スルーホール、16…銅箔層、17…カバー部、18…カバー領域、19…開口部、20…最短点、21…最長点、30…ハードディスクドライブ、31…コネクタ、32…リード、40…ランド部、41…ランド部、42…開口部、43…開口部、50…スルーホール、51…ランド部、52…最短点、53…最長点、54…開口部、55…カバー領域、60…ランド部、61…カバー領域、100…フレキシブル基板、101…スルーホール、102…リード、103…ランド部、104…はんだフィレット

Claims (3)

  1. スルーホールが形成された可撓性の基板と、
    前記基板表面において、前記スルーホールの外縁に沿う領域に形成されるランド部と、
    前記ランド部の外周部であるカバー領域にて前記ランド部と重なり、前記ランド部の外側まで前記基板をカバーするカバー部と、を有するフレキシブル基板であって、
    前記ランド部は、前記ランド部の外周縁上に、前記スルーホールから前記外周縁までの距離が最も短い点である最短点と、最も長い点である最長点と、を有しており、
    前記カバー領域の前記最長点における前記スルーホールから前記最長点に向かう方向の幅が、前記最短点における前記スルーホールから前記最短点に向かう方向の幅よりも大きい
    ことを特徴とするフレキシブル基板。
  2. スルーホールが形成された可撓性の基板と、
    前記基板表面において、前記スルーホールの外縁に沿う領域に形成されるランド部と、
    前記ランド部の外周部であるカバー領域にて前記ランド部と重なり、前記ランド部の外側まで前記基板をカバーするカバー部と、を有するフレキシブル基板であって、
    前記ランド部は、前記ランド部の外周縁上に、前記スルーホールから前記外周縁までの距離が最も短い点である最短点と、最も長い点である最長点と、を有しており、
    前記カバー領域のうち、前記外周縁から前記スルーホールに向かう方向の幅が最も大きい領域が、前記最長点の近傍に位置する
    ことを特徴とするフレキシブル基板。
  3. 前記基板には、前記ランド部が形成されたスルーホールが複数形成されており、
    前記スルーホールそれぞれは、前記スルーホールから前記ランド部における前記最長点に向かう方向と直交する方向に沿って並んで配置される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフレキシブル基板。
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