JP2009141036A - パッケージ構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SAW素子等の基板1の素子面を封止する感光性耐熱樹脂9の構造体の外表面全域とこれに連なる当該基板の素子面の周縁部分とを電気めっき膜5でコーティングすることで、感光性耐熱樹脂9の構造体(樹脂封止構造)と基板1の素子面とで囲まれ且つ当該素子面を封止する空間の耐湿性を向上させた。
【選択図】図4
Description
1.素子上面を覆う蓋材は、感光性材料を用いたものでなく、機械的に貼り合わせたものである。
2.素子上面を覆う無機材料からなる被覆材は、その構造から考えて、絶縁体であり本発明の金属材料とは明らかに異なる(金属材料を用いた場合、電極材料と接触している部分で短絡が発生する)。
主面の一方に素子として機能するパターンが形成された領域を含む基板と;
前記基板の前記一方の主面と対向して配置され且つ該主面に形成された前記パターンと空隙を以って隔てられる封止層と;
前記基板主面に前記領域を囲むように形成され且つ前記封止層と接合されて前記空隙を封止する空隙形成層と;
前記封止層及び前記空隙形成層の外表面を覆い且つ前記基板の前記一方の主面の周縁上へ延在する金属層とを備えることを特徴とする。
基板1として、例えば、シリコン、サファイヤ、リチウムタンタレート、ガラス、 セラミックスなどから成る結晶性または非結晶性の無機材料、又は樹脂などの有機材料から成る基板が用いられる。また、当該基板に形成されるデバイスや装置の仕様に応じて、絶縁性材料から成る基板のみならず、導電性材料から成る基板なども用いられ、当該基板の材料は任意に選択可能である。上述の如く、本明細書では、本発明によるパッケージ構造が、これをSAWフィルタに適用した例で説明されるため、基板として、上述のとおり、リチウムタンタレート基板1が用いられる。この基板の表面(後述される素子面とは反対側の主面)の上には、サンドブラストで当該表面にパターンを形成するためのレジスト2が形成される。
サンドブラストを用いて、リチウムタンタレート基板1の表面に電極となる穴1aが形成される。
サンドブラストされたリチウムタンタレート基板1の表面に、電気めっきで、はんだバンプを形成するための電気めっき用給電膜(Ti/Cu)3をスパッタで形成した。当該表面に対して第1層と第2層とをこの順に積層した形状を本明細書では、(第1層/第2層)と表記する。本実施例でのチタン膜と銅膜との積層構造(金属膜)は、チタン(50ナノメートル)/銅(1マイクロメートル)として形成される。この下層部のチタンの機能は、その下に位置するリチウムタンタレートと電気めっき用給電膜3との接着を確保することにあり、その膜厚はそれらの接着を維持する最低限で良い。なお、ここで用いたチタン膜(50ナノメートル)は、リチウムタンタレートと電気めっき用給電膜3との接着が確保できる限りにおいて、他の材料膜に置き換えてもよい。
レジスト(この工程では、光硬化型フィルム形状が望ましい)2を用いて、はんだバンプ形成用パターンをリチウムタンタレート基板1の表面に貼り付けた。フィルム状のレジストが好ましい理由として、液状のレジストを基板表面に塗布するプロセスにおける、当該レジストの一部が上記工程(2)で形成した深い凹部に埋め込まれ、その現像工程で当該一部のレジストが当該凹部に残る問題を回避するためである。ここで用いるレジストは、次の工程(5)における給電膜3のめっき工程(後述されるバンプの母材層4,5の形成)、即ち、電気ニッケルめっき、並びに電気錫めっき又は電気錫銀合金めっきに対する耐性が有ればよい。基板表面に貼り付けられたレジストに対し、フォトマスクを介して、所定のパターンに紫外光を照射した後、当該レジスト(露光されたレジスト)を現像して、所定のパターンに成形した。必要に応じて、現像後に上記レジストのパターンをベークした。
電気めっき用給電膜(Ti/Cu)3上に、電気ニッケルめっき5を形成し、その上に電気錫めっきまたは電気錫銀合金めっき4を形成することにより、電極6を形成した。ここでは、電気錫または電気錫銀合金4の下に電気ニッケルめっき5を形成した。従って、電気めっき用給電膜3のレジスト2から露出された表面はニッケルでめっきされ、さらにニッケルのめっき層5上には錫又は錫銀合金のめっき層4が積層される。基板1の穴1aの窪みを低減するため、電気ニッケルめっき5上に電気銅めっきを行うことが有効であり、錫又は錫銀合金のめっき層4を電気銅めっき上に形成するとよい。また、上記電気めっき用給電膜3の露出された表面を電気銅めっきした後、この銅めっき上に電気ニッケルめっき5と、電気錫めっきまたは電気錫銀合金とを順次形成してもよい。
工程(5)における電気錫めっき、又は電気錫銀合金めっきの後に、工程(4)で形成したレジスト2を剥離する。液状のレジストもフィルム状のレジストも、アルカリや有機溶剤を用いることで剥離される。ここでは、フィルム状のレジストを用いたため、その剥離に最適である水酸化ナトリウムの3%溶液を40℃に加熱し、これに図1に示される工程(5)の断面構造を有する素子を浸漬した。
リチウムタンタレート基板1の表裏を反転して、その別の表面(上記穴1aが形成されない面,後の「素子面」)を、その穴1aの底面に形成された給電膜3が露出されるまで研磨し、図に示すように、この面内に電極端子の表面(給電膜3をなすチタン膜)を出す。この面、即ち、リチウムタンタレート基板1の「先述した工程(5)で電極6が形成された表面」に対する反対面には、アルミニウム(又は、アルミ銅合金 例えばAl05Cu)が、スパッタ成膜される。本実施例では、このスパッタ膜を、0.2マイクロメートルの厚さで形成した後、その上にレジストを塗布した。このスパッタ成膜されたベタ膜(Solid Film)上に塗布されるレジストは、後述するベタ膜のエッチング工程(ドライエッチング又は、ウェットエッチング)に耐性を有する限り、その種類は制約されない。ベタ膜に塗布されたレジストは、乾燥ベークの後に、フォトマスクを介して、所定のパターンに成形された紫外光で照射される(レジストの露光処理)。次に、露光されたレジスト(レジスト膜)をレジスト現像液により、所定のパターンに成形した。
感光性耐熱樹脂(フィルム形状が望ましい)9をリチウムタンタレート基板1の素子面上に設けて、IDT8と後述する封止部材とを隔てる空隙を確保した。この工程で用いた感光性耐熱樹脂は、フィルム状のアクリル系樹脂で、これをラミネータによりリチウムタンタレート基板1の素子面に貼り付けた。基板1に貼り付けられたアクリル系樹脂フィルムは、フォトマスクを介して、所定のパターンに成形された紫外光で照射され、その後、紫外光で照射されない部分(非露光部分)は現像液(1%炭酸ナトリウム溶液)を用いて溶解除去された。アクリル系樹脂フィルムでパターンを形成した後、当該アクリル系樹脂フィルムのベークを160〜200℃/60分で行った。なお、本工程で用いる感光性耐熱樹脂の材料は、アクリル系樹脂フィルムに限定されず、これを感光性エポキシ系樹脂や感光性ポリイミド系樹脂などの耐熱樹脂に置き換えることも可能である。図2(8)には、その素子面に形成された感光性耐熱樹脂9が上述した露光と現像で所謂「空隙形成層」に成形された後のリチウムタンタレート基板1の断面が示される。
上述したように、本実施例では、基板(圧電基板)1の表面にSAW素子を成す電極7やIDT8(素子パターン)がアルミニウム又はこれを含む材料で形成されるため、当該表面で感光性耐熱樹脂9を「空隙形成層(9a)」に成形する工程で、アルカリ現像液による感光性耐熱樹脂9のパターニングは避けられていた。その理由は、感光性耐熱樹脂の現像液がアルカリの場合、アルミニウムやこれを含む合金は、その材質によって当該現像液で浸食されることにある。しかし、図10を参照して以下に説明される代替工程(7)〜(8)により、アルミニウム又はこれを含む材料で形成された素子パターンのアルカリ現像液による浸食は回避され得る。
代替工程の起点として、図2を参照して先述した工程(7)が完了したときのリチウムタンタレート基板1の断面図が示される。
リチウムタンタレート基板1の素子面には、これに形成されたIDT(Inter Digital Transducer)8を保護するためのレジスト2が形成される。
感光性耐熱樹脂(フィルム形状が望ましい)9を用いて、リチウムタンタレート基板1の素子面に、IDT8と後述する封止部材とを隔てる空隙を確保する空隙形成層9aを形成した。空隙形成層9aは、上述したそれと同様に、感光性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂に代表される感光性耐熱樹脂9で形成される。図示されずも、感光性耐熱樹脂9のベタ膜が上記レジスト2を含むリチウムタンタレート基板1の素子面全域に形成され、続いてこのベタ膜が部分的に露光され、最後にベタ膜の非露光部分がアルカリ現像液で除去されて図10(7−2)に示す如き空隙形成層9aに成形される。電極7及びIDT8は、夫々の輪郭を含めてレジスト2及び感光性耐熱樹脂9の膜(空隙形成層9a)の少なくとも一方に覆われるため、アルカリ現像液に浸食されることはない。その後、空隙形成層9aは、IDT8を覆うように形成されたレジスト2を完全に硬化させない程度の温度でベークされる。ノボラックタイプのポジ型レジストでIDT8を保護する場合、この工程における感光性耐熱樹脂9のベーク温度は140℃以下であることが望ましい。
レジスト2が、ドライエッチングプロセスにより剥離されて、IDT8は空隙形成層9aに囲まれた空間に露出される。
160〜200℃/60分のベークにより空隙形成層9aが硬化されることで、リチウムタンタレート基板1は、図2(8)を参照して前述したリチウムタンタレート基板1と類似した断面を呈する。本工程により、代替工程は完了する。
本工程では、リチウムタンタレート基板1の素子面の空隙形成層9aに囲まれた領域が、この空隙形成層9aと同じ感光性耐熱樹脂9のフィルム(9b)で覆われる。空隙形成層9aのいわば「壁」で囲まれた上記「素子面の領域」にはSAW素子を機能させるIDT8が形成されているため、当該領域は「機能領域」とも記される。感光性耐熱樹脂9のフィルム(9b)は、空隙形成層9aの「壁」の上面に連続的に接して、当該空隙形成層9aとともに機能領域を封止し、これに形成されたSAW素子を保護するため、封止層9bとも記される。本実施例では、空隙形成層9aと同じ材料(感光性耐熱樹脂9)からなる封止層9bを、空隙形成層9aの上面に貼り付けて相互の密着性を高めているが、封止層9bの材料は空隙形成層(パッケージ空隙層)9aと同じである必要はなく、また、その厚さも適宜変更し得る。本工程で封止層9bに用いた感光性耐熱樹脂は、フィルム状のアクリル系樹脂であり、これをラミネータを用いて、空隙形成層9aに貼り付けた。封止層9bを成す感光性耐熱樹脂9のフィルムは、封止層9bより広い面積で用意され、空隙形成層9a(枠状の上面)に圧接された後、フォトマスクで所定のパターンに成形された紫外光で部分的に照射される。感光性耐熱樹脂のフィルム(9b)の紫外光で照射されない部分を現像液(1%炭酸ナトリウム溶液)を用いて溶解除去し、パターニングした後、当該フィルムのパターンを160〜200℃で60分間ベークした。
リチウムタンタレート等の圧電材料から成る基板1に比べて、その素子面を囲む感光性耐熱樹脂9の空隙形成層9a及び封止層9bは、所望の構造に成形し易い反面、耐湿性に劣る。本工程では、感光性耐熱樹脂9で実現された薄型のSAW素子封止構造の耐湿性を高めるべく、その外表面に電気めっきで、金属又は合金の膜を形成する。このめっき膜は、感光性耐熱樹脂9からなるSAW素子封止構造の外表面に電気めっき膜用給電膜(Ti/Cu)3を形成し、この給電膜3に電圧を印加して、その表面に金属又は合金の材料を析出させる。給電膜3(金属膜)は、チタン(50ナノメートル)/銅(1マイクロメートル)の積層構造を有する。この積層構造の下層部となるチタン膜は、これとこの下に位置する感光性樹脂材料9及びリチウムタンタレート基板1との接着強度を確保することにあり、その膜厚は当該接着強度を維持し得る最低限でかまわない。チタン膜の所要膜厚は、スパッタの条件、チタンの膜質などによっても変動する。
リチウムタンタレート等の圧電材料の母基板(例えば、ウェハ)から複数のSAW素子を切り出し、夫々個片化するとき、SAW素子間を分離するスクライブライン(切断部)となる領域(パターン)を当該母基板の主面内に確保する必要がある。本実施例では、感光性耐熱樹脂9の構造物(空隙形成層9a及び封止層9b)の隣接し合う一対を隔てる隙間にレジスト2を塗布し、スクライブラインを形成するためのパターンを形成した。母基板の主面における当該隙間は、個片化されたSAW素子における基板1の周縁(空隙形成層9aの外表面に接する)の一部を成す。パッケージ構造体(基板1の素子面)に凹凸があるため、フィルム状のレジストではスクライブラインのパターン形成が困難である。それ故、本工程では、レジスト2として、液状レジストを用いた。母基板の主面(基板1の素子面側)の全域に液状のレジストを塗布した後、当該レジストを乾燥ベークし、硬化されたレジストをフォトマスクにより所定のパターンに成形された紫外光で照射した。そして、レジスト現像液を用いてレジストから未露光部分を除去し、所定のパターン(レジストパターン2)に成形した。
電気めっき用給電膜(Ti/Cu)3上に、電気ニッケルめっき5を形成した。ニッケルめっき層5は、給電膜3への電圧印加により、そのレジストパターン2から露出された表面に形成され、スクライブラインとなる領域には形成されない。
図3を参照して説明された上記工程(11)で形成されたレジスト2を剥離する。レジスト2の剥離は、これが液状のレジストであれ、フィルム状のレジストであれ、アルカリ溶液や有機溶剤が用いられる。本工程では、液状レジストの剥離剤として一般的に用いられている有機溶剤(アセトン)でレジスト2を剥離した。その後、電気めっき用給電膜3として用いた銅層(Cu)をウェットエッチングで母基板の主面のスクライブラインとなる領域(個片化されたSAW素子の基板1の周縁)から除去した。銅のエッチングには、塩化鉄や、アルカリ系エッチング液等の種類があるが、本工程では硫酸と過酸化水素水との混合液を主成分とするエッチング液を用いた。本工程での銅層のエッチングは、これに10秒以上の時間を掛けないと、その制御が困難となり、SAW素子の製造工程での実施の観点では不利であるが、余りに長い時間を(例えば、5分超)を掛けて当該エッチングを行うと、銅層のサイドエッチングが大きくなり、タクトタイムも長くなる。そのため、銅層のエッチング液及びエッチング条件は、適宜実験により求めるのがよい。その後、電気めっき用給電膜3として形成したチタン層(Ti)をウェットエッチングで母基板主面のスクライブライン領域から除去した。チタンのエッチングには、過酸化水素を主成分とするエッチング液、及びフッ化水素を含有するエッチング液のいずれを用いても良い。
本工程では、SAW素子とその外部回路とを電気的に接続する電極6を成す錫又は錫銀合金のめっき層4の表面がリフローされて、基板1の素子面とは反対側の主面に球状又は半球状のはんだバンプ4aが形成される。このめっき層4の表面には、必要に応じてフラックスが塗布されて、めっき層4のリフローが助長される。本実施例では、基板1の主面から突き出ためっき層4の各々の端面に、半球状のはんだバンプ4aが形成される。その後、母基板に形成された複数のSAW素子は、そのダイシングにより個片化され、図4(14)に示す如き断面を有する個別チップに分割された。
本工程は、実施例1にて前述した工程(1)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(2)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(3)に対応する。
本実施例でのチタン膜と銅膜との積層構造(金属膜)は、チタン(50ナノメートル)/銅(1マイクロメートル)として形成される。給電膜3の下層部を成すチタンの機能は、その実施例1と同様に当該給電膜3とその下面に接するリチウムタンタレート(基板1の材料)との接着を確保することにあり、その膜厚はそれらの接着を維持する最低限で良い。なお、ここで用いたチタン膜(50ナノメートル)は、リチウムタンタレートと電気めっき用給電膜3との接着を確保できる限りにおいて、他の材料膜に置き換えても良い。
本工程は、実施例1にて前述した工程(4)に対応する。
フィルム状のレジストが好ましい理由として、上記工程(2)で形成された深い凹部上記工程(2)で形成された(穴1a)埋め込まれたレジストが、その現像工程後も当該凹部に残されるという問題を回避するためである。ここで用いるレジストは、工程(5)に記述される給電膜3上へのめっき工程(後述されるバンプの母材層5,10の形成)、即ち、電気ニッケルめっき、並びに電気銅めっきに対する耐性が有ればよい。基板1の表面に貼り付けられたレジストに対し、フォトマスクを介して、所定のパターンに成形された紫外光を照射した後、当該レジスト(露光されたレジスト)を現像して、所定のパターンを形成した。必要に応じて、現像後に上記レジストのパターンをベークした。
本工程は、実施例1にて前述した工程(5)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(6)に対応する。
本工程では、上記工程(6)における穴1aの埋め込み(めっきによる穴1aの充填)にて、当該穴1aの開口から基板1の素子面から凸にはみ出た余剰のめっきを研磨で除去して、当該素子面を平坦にした。
本工程は、実施例1にて前述した工程(7)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(8)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(9)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(10)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(11)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(12)に対応する。
本工程は、実施例1にて前述した工程(13)に対応する。
本工程では、リチウムタンタレート等の圧電材料の母基板(基板1として図示)の裏面(上記素子面とは反対側の表面)を研磨し、工程(5)で形成された電極6(ニッケル膜5の底面)を当該裏面から露出させた。
本工程では、工程(15)で母基板(基板1として図示)の裏面から露出させられた電極6に、電気めっきで、はんだバンプを形成するための電気めっき用給電膜(Ti/Cu)3がスパッタで形成される。本工程では、母基板の裏面全域に、チタン膜(50ナノメートル厚)と銅膜(1マイクロメートル厚)とを順次積層して、給電膜3となる金属膜(その積層構造)を形成した。当該積層構造の下層部を成すチタン膜の機能は、その下に位置するリチウムタンタレート(基板1の材料)と給電膜3との接着を確保することにあり、その膜厚はそれらの接着力を維持する最低限でかまわない。なお、本工程では、50ナノメートル厚のチタン膜を給電膜3の基板1への接着力維持のために用いたが、このチタン膜に代えて、給電膜3とリチウムタンタレート基板1の表面との接着を確保し得る他の材料の膜を用いても良い。
本工程では、工程(16)で給電膜(金属膜の積層構造)3に覆われた母基板(基板1として図示)の裏面に、はんだバンプ形成用のレジスト2のパターンが貼り付けられる。ここで用いるレジスト2は、本工程に続く工程(18)に記される母基板の裏面への電気ニッケルめっき、及び電気錫めっき又は電気錫銀合金めっきに対する耐性が有れば、その種類は問われない。母基板の裏面に貼り付けられたレジスト2は、フォトマスクを通して所定のパターン(本工程では当該裏面の電極6が形成された領域を露出する)に成形された紫外光で照射され、その後、レジスト2の被露光部分がレジスト現像液で除去されて、図8(17)に示されるパターン(上記所定のパターン)に成形された。レジスト2のパターンは、必要に応じて、現像後にベークされる。
本工程では、電気めっき用給電膜(Ti/Cu)3の上記レジスト2のパターンから露出された領域上に、電気ニッケルめっき5を施し、さらに当該ニッケルめっき層5の上に電気錫めっきまたは電気錫銀合金めっき4を施して、ニッケル膜5と錫又は錫銀合金の膜4との積層構造から成る電極6を形成した。
本工程では、上記電気錫又は電気錫銀合金めっきが施された母基板(基板1として図示)の裏面から工程(17)で形成したレジスト2が剥離される。レジスト2の剥離は、これが液状のレジストであれ、フィルム状のレジストであれ、アルカリ溶液や、有機溶剤を用いることが出来る。本工程では、フィルム状のレジスト2を用いたため、その剥離に最適である水酸化ナトリウムの3%溶液を40℃に加熱して用いた。
本工程は、実施例1にて前述した工程(14)に対応する。
Claims (7)
- 主面の一方に素子として機能するパターンが形成された領域を含む基板と、
前記基板の前記一方の主面と対向して配置され且つ該主面に形成された前記パターンと空隙を以って隔てられる封止層と、
前記基板主面に前記領域を囲むように形成され且つ前記封止層と接合されて前記空隙を封止する空隙形成層と、
前記封止層及び前記空隙形成層の外表面を覆い且つ前記基板の前記一方の主面の周縁上へ延在する金属層とを備えることを特徴とするパッケージ構造体。 - 前記封止層及び前記空隙形成層は、感光性アクリル樹脂、感光性エポキシ樹脂、及び感光性ポリイミド樹脂の群から選ばれる少なくとも1種を含む材料から成ることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造体。
- 前記封止層及び前記空隙形成層を成す前記材料は、前記感光性アクリル樹脂、前記感光性エポキシ樹脂、及び前記感光性ポリイミド樹脂の群から選ばれる1種を主成分として含む混合物であることを特徴とする請求項2に記載のパッケージ構造体。
- 前記封止層及び前記空隙形成層の外表面を覆い且つ前記基板の前記一方の主面の周縁に延在して形成された少なくとも1層の導体からなる給電層を備え、
前記金属層は前記給電層上に金属又は合金をめっきして成ることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造体。 - 前記給電層は、前記封止層及び前記空隙形成層の外表面及び該外表面に接する前記基板の前記一方の主面周縁にスパッタ蒸着された金属及び合金の少なくとも一方から成る層であることを特徴とする請求項4に記載のパッケージ構造体。
- 前記基板は圧電材料により形成され、且つ該基板の前記一方の主面に形成された前記パターンは、該主面に複数の線状の導体層を並べて成る表面弾性波素子の櫛歯状電極であることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造体。
- 前記基板の主面の他方には、該基板を通して前記パターンに電気的に接続される端子が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造体。
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