JP2004135193A - 表面実装型sawデバイス、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線基板の面積が増大したり、配線基板母材を用いた量産時の生産性の低下を招くという不具合を招くことなく、SAWデバイス外面を被覆する導電性金属被膜を接地してシールド性、耐湿性を高めることができる。
【解決手段】配線基板2と、SAWチップ15と、SAWチップ下面のIDT電極17と絶縁基板上面との間に気密空間Sを形成する第1の封止樹脂20と、SAWチップ外面、第1の封止樹脂、及び接地用環状電極の外面の一部を連続被覆する第2の封止樹脂21と、第2の封止樹脂の外面、及び該第2の封止樹脂により被覆されていない接地用環状電極7の露出部を連続被覆する導電性金属被膜22と、を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】配線基板2と、SAWチップ15と、SAWチップ下面のIDT電極17と絶縁基板上面との間に気密空間Sを形成する第1の封止樹脂20と、SAWチップ外面、第1の封止樹脂、及び接地用環状電極の外面の一部を連続被覆する第2の封止樹脂21と、第2の封止樹脂の外面、及び該第2の封止樹脂により被覆されていない接地用環状電極7の露出部を連続被覆する導電性金属被膜22と、を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板上にフリップチップ実装した弾性表面波チップを樹脂にて封止した構造の弾性表面波デバイスや、その製造工程において発生する種々の不具合を解決した表面実装型弾性表面波デバイス、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波デバイス(SAWデバイス)は、水晶等の圧電基板上に櫛歯状の電極指(IDT電極)を配置した構成を備え、例えばIDT電極に高周波電界を印加することによって弾性表面波を励起し、弾性表面波を圧電反作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得るものである。
図8には従来の表面実装型のSAWデバイスの縦断面図が示されている。このSAWデバイス101は、絶縁基板103、絶縁基板103の底部に設けた表面実装用の外部電極104、絶縁基板の上面に設けた上部電極105、及び外部電極104と上部電極105とを接続する接続導体106とから成る配線基板102と、上部電極105上に導体バンプ110を介して電気的機械的に接続される接続パッド116、及びIDT電極117を夫々下面に備えた圧電基板118を備えたSAWチップ115と、SAWチップ115の下端周縁(裾部)と上部電極105との間に充填されてSAWチップ115の下面と配線基板103の上面との間に弾性表面波伝搬用の気密空間Sを形成する硬化処理前粘度の高い第1の封止樹脂120と、SAWチップ115の外面全体及び第1の封止樹脂120の外面、更には第1の封止樹脂120によって被覆されていない配線基板上面にかけて被覆形成された硬化処理前粘度の低い第2の封止樹脂121と、を有している。
第1の封止樹脂120から成る封止部は、気密空間Sを形成し得るように、スクリーン印刷、ディスペンサによる充填等によってSAWチップ115の裾部に形成される。第2の封止樹脂121は、スクリーン印刷、ディスペンサによる充填等によって形成され、予め第1の封止樹脂により被覆されないように露出形成された配線基板上面の一部に被覆される。
第1の封止樹脂120として、粘度の高い樹脂を使用するのは、SAWの伝搬路である圧電基板118の下面に樹脂が浸入することを防止するためであり、第2の封止樹脂121として粘度の低い樹脂を使用するのは、配線基板の露出部、第1の封止樹脂外面、及びSAWチップ外面との間の密着性を確保するためである。粘度の高い第1の封止樹脂120だけでは、前記被覆対象物との間の密着性を確保することが困難であるため、粘度が低く被覆対象物とのぬれ性の良好な第2の封止樹脂により密着性を高めているものである(特開平6−204293号公報参照)。
【0003】
次に、図9は、配線基板(個片)102を複数シート状に連結した構成の配線基板母材125を用いて図8のSAWデバイス101を製造する手順を説明するための図であり、配線基板母材125上の各個片領域上にSAWチップ115をフリップチップ実装した後で、第1の封止樹脂120によるSAWチップ115の裾部に位置する間隙の封止を行って気密空間Sを形成してから、第2の封止樹脂121を全てのSAWチップ外面及びSAWチップ間の谷間等に対して一括して被覆形成する。その後、配線基板個片102の境界線に沿ってダイシングブレード等によって分割することにより複数個のSAWデバイス個片101を得る。しかし、図8に示したSAWデバイス101にあっては、全ての上部電極105が第1及び第2の封止樹脂120、121によって完全に被覆されてしまうため、接地用の上部電極105と導通した接地用の導電性金属被膜を第2の封止樹脂121の外面に被覆形成しようとしても、接地用の上部電極105と導電性金属被膜との導通を確保する余地が存在しない。
これに対する対策としては、配線基板母材125上における各SAWチップ115間の間隔を広くすると共に、各SAWチップ間に位置する配線基板上に上部電極105の張り出し部を延長形成しておき、第2の封止樹脂121によって被覆されない上部電極の露出部を確保し、この露出部を利用して導電性金属被膜との導通を確保することが有効ではある。しかし、このように構成した場合には、配線基板個片の大型化によるSAWデバイスの大型化と、配線基板母材125の面積の大型化と、配線基板母材一枚当りから製作できるSAWデバイス数が減少するという不具合をもたらす。
【特許文献1】特開平6−204293号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、表面実装用の配線基板上の上部電極上にバンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載し、SAWチップの周辺に第1の封止樹脂等を充填することにより、SAWチップ下方に弾性表面波伝搬用の気密空間を形成し、第1の封止樹脂、及びSAWチップ外面を必要に応じて第2の封止樹脂にて被覆し、更にSAWチップを電磁シールドするための接地用金属被膜を備えたSAWデバイスにおいて、接地用の上部電極を利用して接地用金属被膜の導通を確保することよる配線基板の面積の増大、配線基板母材を用いた量産時の生産性の低下を招くことなく、導電性金属被膜を接地させることができる表面実装型弾性表面波デバイス、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の如き手段を備える。
請求項1の発明に係る表面実装型SAWデバイスは、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、前記SAWチップの接続パッドを配線基板の上部電極に前記導体バンプを介して接続した状態において、接地用環状電極とSAWチップとの近接部を気密封止することにより、SAWチップ下面のIDT電極と絶縁基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂と、前記SAWチップ外面、前記第1の封止樹脂、及び前記接地用環状電極の外面の一部を連続被覆する第2の封止樹脂と、前記第2の封止樹脂の外面、及び該第2の封止樹脂により被覆されていない前記接地用環状電極の露出部を連続被覆する導電性金属被膜と、を備えたことを特徴とする。
配線基板上にフェイスダウン状態でSAWチップをフリップチップ実装し、SAWチップ裾部と配線基板上面との間を全周にわたって封止樹脂により封止し、更にその外面に他の封止樹脂を被覆形成する場合、シールド、及び封止用を兼ねる導電性金属被膜を配線基板上の上部電極と導通確保することが容易でなく、上部電極を大型化して封止樹脂によって被覆されない部分を確保する必要がある。しかし、封止樹脂に被覆されない上部電極を確保するために張り出し部を延長形成しようとすると、配線基板が大型化する。
そこで、本発明では、導電性金属被膜との導通を確保する目的を有した接地用環状電極を、全ての上部電極を包囲するように配線基板上に予め設け、ハーフカット加工によって第2の封止樹脂から露出した接地用環状電極の一部を利用して導電性金属被膜との導通を確保するようにした。また、気密空間を形成するための第1の封止樹脂は、SAWチップと接地用環状電極との近接部に存する隙間(SAW下面のIDT電極から十分に離間している)に充填されるので、その量は僅かでよく、毛細管現象によってIDT電極に達する虞も少ない。
また、樹脂は吸水性を有するため、気密空間内のIDT電極に結露(樹脂中の不純物イオンが浸出)が生じ腐食が発生する虞がある。そこで、SAWチップ外面に被覆した封止樹脂のさらに外面に対して導電性金属被膜を連続形成することにより、気密性、水密性を高めることができ、しかも導電性金属被膜を接地用環状電極の露出部と導通させることにより、シールド効果を発揮することができる。
【0006】
請求項2の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、前記SAWチップの接続パッドを配線基板の上部電極に前記導体バンプを介して接続した状態において、前記SAWチップと接地用環状電極との近接部を気密封止しながら、前記SAWチップ外面と接地用環状電極外面とに連続被覆形成されることにより、SAWチップ下面のIDT電極と絶縁基板上面との間に気密空間を形成する導電性金属被膜と、前記導電性金属被膜の外面に被覆される封止樹脂と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、接地用環状導体の内側部分をSAWチップ下方に外径側から入り込ませた状態で、SAWチップ外面と接地用環状電極とを導電性金属被膜によって連続被覆するようにしたので、第1の封止樹脂を省略して構成、工程を簡略化することができる。また、吸水性を有した樹脂が導電性金属被膜の外側に位置しているので耐湿性を向上させることができ、エポキシ系樹脂に含まれる塩素、ナトリウム等の不純物イオンが水分と共に浸出してIDT電極に付着してこれを腐食させる虞が無くなる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記接地用環状電極の内側部分がSAWチップ下方に入り込んでいることを特徴とする。
上部電極の外側に位置する既存のスペース(デッドスペース)上に、接地用環状導体を配置しておき、この接地用環状導体の一部をSAWチップ下面と対面するように配置したので、SAWチップと接地用環状導体との近接部には僅かな隙間が形成されることとなり、この隙間に比較的粘度の高い第1の封止樹脂を充填することにより、気密空間の気密性を容易に確保することができる。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記接地用環状電極の内周面は、SAWチップの外側面と対向していることを特徴とする。
この発明では、接地用環状電極の内側部分をSAWチップの下方に入り込ませずに、SAWチップ外面と内周面とが対向するように配置するようにしている。このため、SAWチップに対する接地用環状電極の位置精度を緩やかに設定することができ、しかも両者の近接部の位置がIDT電極から更に離間した位置となるので、封止用の樹脂がIDT電極側に浸透する虞がさらに低くなる。
請求項5の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板と 該上部電極上に導体バンプを介してフリップチップ実装される接続パッド、及びIDT電極を夫々圧電基板の下面に備えたSAWチップと、該SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成するように配置される第1の封止樹脂と、を備えた表面実装型SAWデバイスの製造方法において、前記接地用環状電極の内側部分の上面と前記SAWチップ下面とが対面近接するように位置決めした上で、前記上部電極と前記SAWチップの接続パッドとを、導体バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、前記SAWチップと前記接地用環状電極との近接部の隙間を第1の封止樹脂により封止することにより前記気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、前記SAWチップ、前記第1の封止樹脂、及び前記接地用環状電極の少なくとも一部を、第2の封止樹脂により連続被覆する第2の封止樹脂形成工程と、前記第2の封止樹脂の外面、前記接地用環状電極の露出部を導電性金属被膜により連続被覆する導電性金属被膜形成工程と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、配線基板個片毎に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項1、2、3、4に記載したSAWデバイスを得ることができる。
【0008】
請求項6の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板を、複数個シート状に連結した大面積の配線基板母材を用いた、表面実装型SAWデバイスの製造方法において、前記接地用環状電極の内側部分の上面と前記SAWチップ下面とが対面近接するように位置決めした上で、前記上部電極と前記各SAWチップの接続パッドとを、バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、前記SAWチップと前記接地用環状電極との近接部の隙間を第1の封止樹脂により封止することにより前記SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ、各第1の封止樹脂、及び各接地用環状電極の各外面を第2の封止樹脂により被覆する第2の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ間の谷間部分をハーフカットすることにより、該谷間に位置する接地用環状電極の一部を露出させる露出部形成工程と、前記第2の封止樹脂、及び接地用環状電極の各外面を導電性金属被膜により連続被覆する導電性金属被膜形成工程と、前記各工程を経た配線基板母材を、配線基板個片毎に切断する切断工程と、を備えたことを特徴とする。
この製造方法では、大面積の配線基板母材を用いたバッチ処理により請求項1、2、3、4に夫々記載のSAWデバイスを量産することができる。予め配線基板上に形成した接地用環状電極を樹脂被覆した後で、ハーフカットによって一部露出させることにより導電性金属被膜との接続箇所を確保しているので、スムーズに連続した工程によってシールド効果と耐湿性を備えたSAWデバイスを量産することができる。特に、露出部形成工程では、SAWチップ間の谷間を埋めるように充填された封止樹脂を、肉厚が厚いダイシングブレードを用いて分断する際に、接地用環状電極の表層を同時に切除するので、極めて簡単に露出部を確保することが可能となり、SAWチップ間の間隔を広く確保する必要もなくなる。請求項7の発明は、請求項5又は6において、前記接地用環状電極の内側部分がSAWチップ下方に入り込んでいることを特徴とする。
これによれば、請求項3の場合と同等の作用効果を奏することができる。
【0009】
請求項8の発明は、請求項5又は6において、前記接地用環状電極の内周面は、SAWデバイスの外側面と対向していることを特徴とする。
これによれば、請求項4の場合と同等の作用効果を奏することができる。
請求項9の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた上部電極、外部電極と上部電極間を導通する接続導体、絶縁基板の側面全周にわたって突設された段差部、及び該段差部上に形成され且つ接地用の外部電極と接続された接地用環状電極、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、前記SAWチップ下面のIDT電極と配線基板上面との間に気密空間を形成するために、SAWチップ裾部と配線基板上面との間に充填される第1の封止樹脂と、前記SAWチップ外面と前記第1の封止樹脂上面にかけて被覆形成される第2の封止樹脂と、前記第2の封止樹脂外面、前記第1の封止樹脂外面、及び接地用環状電極にかけて連続被覆形成された導電性金属被膜と、を備えたことを特徴とする。
この発明では、SAWチップ外面を被覆する封止樹脂を更に被覆するための接地用環状電極の接地を確保するために、予め配線基板内に埋設しておいた接地用環状電極を露出させた上で、接地用環状電極と接続するようにしている。このため、配線基板上に厚肉の接地用環状電極を形成する必要が無くなり、構成が簡略化する。
【0010】
請求項10の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の外部電極、該絶縁基板の上部に夫々設けた上部電極、及び該絶縁基板の肉厚内部に埋設された接地用環状電極から成る配線基板を、複数個シート状に連結した大面積の配線基板母材を用いた、表面実装型SAWデバイスの製造方法であって、前記上部電極と前記各SAWチップの接続パッドとを、導体バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、前記SAWチップ裾部と前記配線基板上面との隙間に第1の封止樹脂を充填することにより、SAWチップ下面のIDT電極と配線基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ、及び各第1の封止樹脂の各外面を第2の封止樹脂により連続被覆する第2の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ間の谷間部分をハーフカットすることにより、該谷間に相当する絶縁基板内部に位置する接地用環状電極を露出させる露出部形成工程と、前記第2の封止樹脂、第1の封止樹脂、及び接地用環状電極の各外面を導電性金属被膜により被覆する導電性金属被膜形成工程と、前記各工程を経た配線基板母材を、配線基板個片毎に切断する切断工程と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、配線基板母材上の各個片領域上に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項9に記載したSAWデバイスを量産することができる。
請求項11の発明は、請求項6又は10において、前記切断工程において使用するダイシングブレードは、前記露出部形成工程でのハーフカットの際に用いるダイシングブレードよりも肉厚が薄いことを特徴とする。
ハーフカットに際しては、配線基板の表層の一部を切除して露出させる狙いがあるため、厚肉のカッタを用いたが、最後の切断をダイシングブレードにて行う場合には、配線基板間の境界線を単に切断するだけでよいので、薄肉のダイシングブレードを用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型弾性表面波デバイス(以下、SAWデバイス、という)の外観斜視図、及び縦断面図である。
このSAWデバイス1は、配線基板2上に搭載したSAWチップ15の外面を封止樹脂及び導電性金属被膜により被覆した構成を備えている。即ち、SAWデバイス1は、セラミック、ガラスエポキシ等から成る絶縁基板3、絶縁基板3の底部(下部)に設けた表面実装用の外部電極4、絶縁基板3の上面(上部)に設けられ且つ接続導体6を介して外部電極4と導通した上部電極5、及び接地用の外部電極4と導通した厚肉の金属膜からなる接地用環状電極7を備えた配線基板2と、上部電極5と導体バンプ10を介して電気的機械的に接続される接続パッド16、及びIDT電極17を夫々圧電基板18の下面に備えたSAWチップ15と、接地用環状電極7とSAWチップ15との近接部(隙間)を封止する第1の封止樹脂20(粘度高い)と、第1の封止樹脂20による封止によってSAWチップ15下面と配線基板上面との間に形成される弾性表面波伝搬用の気密空間Sと、を備えている。
この実施形態においては、各上部電極5の外側の絶縁基板3上面に、全ての上部電極5を包囲するようにタングステン等から成る厚肉の接地用環状電極7を予め形成しておき、接地用環状電極7の一部、この例ではその内側部分をSAWチップ15を構成する圧電基板18の外側部分に近接配置している。具体的には、接地用環状電極7の内側部分(全周)を圧電基板18の下方の空間に入り込ませ、接地用環状電極7の上面を圧電基板18の下面と近接対面させている。接地用環状電極7と圧電基板18との近接部Aは、圧電基板下面の導体部分との接触さえ生じなければ、接触していてもよいし、離間していてもよい。
この近接部Aに形成される間隙全体を封止するように、第1の封止樹脂20を充填する。接地用環状電極7の外周部には段差部7aを設け、この段差部7aを除いた接地用環状電極7の上面、第1の封止樹脂20、及びSAWチップ15の各外面全体(圧電基板下面を除く)を覆うように、第2の封止樹脂21を被覆形成する。
次いで、金属部分が露出した段差部7aから第2の封止樹脂21の外面全体にかけてメッキ、蒸着、スパッタリング等によって導電性金属被膜22を被覆形成する。
接地用の外部電極4と導通した接地用環状電極7を、段差部7aを介して、第2の封止樹脂21を被覆する導電性金属被膜22と導通させることにより、SAWチップの電磁シールド効果を発揮させることができる。
接地用環状電極7は、上部電極5の外周に位置する既存のスペースを利用して絶縁基板3上に形成するものであるため、配線基板2の面積を増大させて大型化を招く原因となることがない。
【0012】
なお、この実施形態では、第2の封止樹脂21の硬化処理前の粘度を、第1の封止樹脂20の硬化処理前の粘度よりも低く設定することにより、第1の封止樹脂の気密空間S内への浸入を防止でき、第2の封止樹脂による、第1の封止樹脂20の外面、SAWチップ外面、接地用環状電極7への密着性を十分に高めることができる。また、第1の封止樹脂の粘度を高く設定することによって、近接部Aの隙間から第1の封止樹脂20が気密空間側へ浸透することを防止できる。
このように本発明のSAWデバイスにおいては、配線基板2上の上部電極5の外側端部を大きく張り出すことによって第1の封止樹脂20による非被覆部分(接地用環状電極の接続用露出部)を形成する必要がないので、従来のSAWデバイスと比較した場合に、配線基板2の面積を小さくすることができる。また、接地用環状電極7を導電性金属被膜22と接続することが可能となるので、シールド効果のみならず、より高い気密効果を得ることができる。
【0013】
次に、図2(a)乃至(d)に基づいて図1のSAWデバイス1の製造手順を説明する。この例では複数の配線基板個片2をシート状に連結一体化した配線基板母材25を用いたバッチ処理によるSAWデバイスの生産方法を示す。なお、この製造工程は、各個片単位でSAWデバイスを製造する場合の工程に対しても転用することができる。
まず、図2(a)に示した如き、絶縁基板3の下面に外部電極4を有すると共に上面に上部電極5及び接地用環状電極7を備え、更に外部電極4と上部電極5との間、及び接地用環状電極7と接地用外部電極4との間を夫々導通する接続導体6を有した配線基板個片2を複数個、シート状に連結した大面積の配線基板母材25を製作する。次いで、図2(b)に示すように、配線基板母材25の各個片領域に対して、下面に接続パッド16とIDT電極17を備えた圧電基板18から成るSAWチップ15の接続パッド16を、上部電極5の上面に導体バンプ10を介して電気的機械的に接続する(フリップチップボンディング)。導体バンプ10は、予め接続パッド16側に形成しておいてもよいし、露出領域5a上に形成してもよい。導体バンプ10は、例えば金等の導体から成るバンプであってもよいし、塊状の樹脂の外周に導体膜を被覆したものであってもよい。
この際、接地用環状電極7の内寄り部分(全周)がSAWチップ15を構成する圧電基板18の下方に外径側から入り込むように位置関係を設定する。
次いで、図2(b)に示した第1の封止樹脂形成工程では、SAWチップ15下面(IDT電極17)と各配線基板個片2の上面との間に気密空間Sを形成するために、前記近接部Aに存する空隙を封止する第1の封止樹脂20(粘度高い)を充填する。換言すれば、SAWチップ15下面と配線基板2上面と環状導体層7の内壁との間に形成される空間が気密空間Sとなるように、近接部Aに対して全周にわたって第1の封止樹脂20を充填する。この工程では、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサ等の方法によって、比較的粘度の高い第1の封止樹脂20を塗布、充填する。粘度の高い樹脂を使用する理由は、毛細管現象等によって近接部Aに存在する微細空間から浸入した液状の樹脂がIDT電極17に付着することを防止するためである。
【0014】
次に、図2(c)の第2の封止樹脂形成工程では、SAWチップ15の外面(上面と側面)、第1の封止樹脂20の外面、接地用環状電極7の上面を、第2の封止樹脂21(粘度低い)により被覆する。第2の封止樹脂21は、スクリーン印刷、ディスペンサ等により被覆形成する。
なお、第2の封止樹脂21の硬化処理前の粘度を、第1の封止樹脂20の硬化処理前の粘度よりも低く設定することにより、第2の封止樹脂による各被覆対象部位への密着性を十分に高めることができる。
次に、図2(c)に示した如く、厚肉のダイシングブレード30を用いて、SAWチップ15間の谷間に相当する部分をハーフカットすることにより、該谷間に位置する第2の封止樹脂21を寸断すると同時に、各配線基板間の境界線に沿った位置に相当する接地用環状導体7の一部(表層部)を露出させる露出部形成工程を実施する。ハーフカットにより露出される接地用環状導体7の露出部は、段差部7aとなる。
ハーフカットされた部分の幅L1は例えば200μm程度である。そして、SAWチップ15間の間隔L2は、このハーフカットされる部分の幅にマージンを考慮して400μm程度に予め設定する。
次に、図2(d)に示すように、第2の封止樹脂21の外面と、ハーフカットにより露出された露出部である段差部7aに対して、メッキ、蒸着、スパッタリング等によって導電性金属皮膜22を形成する。
次いで、同図中に示すように段差7aの中央部に沿って、図2(c)の工程で使用したダイシングブレード30よりも肉厚の薄いダイシングブレード31により、配線基板母材25を個片ごとに分割する切断工程を実施する。この切断工程により、図1に示した如きSAWデバイス個片1を得ることとなる。
【0015】
次に、図3は本発明の他の実施形態(図1の変形例)に係るSAWデバイスの縦断面図であり、この実施形態に係るSAWデバイス1は、第1の封止樹脂を用いない点と、SAWチップ外面(上面、側面)から接地用環状導体7の上面にかけて連続的に導電性金属被膜22を被覆形成した上で、流動性の高い封止樹脂21(図1における第2の封止樹脂に相当)を被覆形成した構成が図1のSAWデバイスと異なっている。
この実施形態に係るSAWデバイス1によれば、第1の封止樹脂を用いず、SAWチップ外面と接地用環状導体上に直接導電性金属被膜22を被覆形成するので、構成を簡略化しながら電磁シールド効果を発揮できるばかりでなく、導電性金属被膜22と封止樹脂21との協働によって気密空間Sの気密性を高く維持することができる。
即ち、接地用環状導体7の内側部分をSAWチップ15下方に外径側から入り込ませた状態で、SAWチップ外面と接地用環状電極とを導電性金属被膜22によって連続被覆するようにしたので、近接部Aの隙間も封止されることができ、第1の封止樹脂を省略して構成、工程を簡略化することができる。また、吸水性を有したエポキシ系等の樹脂が導電性金属被膜の外側に位置しているので耐湿性を向上させることができ、エポキシ系樹脂等に含まれる塩素、ナトリウム等の不純物イオンが水分と共に浸出してIDT電極に付着してこれを腐食させる虞が無くなる。
【0016】
図4は図3の実施形態に係るSAWデバイスの製造工程を説明するための略図である。
図4(a)に先行するフリップチップ実装工程については、図2(a)(b)に示した工程をほぼ流用できるが、本実施形態では、図2(b)における第1の封止樹脂20の被覆を行う代わりに、SAWチップ外面(上面、側面)から接地用環状導体7の上面にかけて連続的に導電性金属被膜22を被覆形成する点が異なっている。
即ち、この工程では、SAWチップ15と接地用環状導体7の近接部Aに存在する隙間を封止して気密空間Sを形成するとともに、SAWチップ外面及び接地用環状導体7の外面を覆うように、導電性金属被膜22を被覆形成する。導電性金属被膜22の形成方法は、メッキ、蒸着、スパッタリング等任意の方法を採用し得る。
次いで、図4(b)に示すように、第2の封止樹脂21により、導電性金属被膜22の外面全体を被覆してから、各SAWチップ15の谷間に相当する部分の中心位置をダイシングブレード32によって切断してSAWデバイス個片を得る。
【0017】
次に、図5(a)及び(b)は夫々本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの構成を示す縦断面図であり、図5(a)及び(b)の各実施形態に係るSAWデバイス1の特徴的な構成は、接地用環状電極7のいずれの部分もSAWチップ15の下方の空間内に入り込んでおらず、接地用環状電極7の内周面がSAWチップの外側面と対面している点にある。
即ち、図5(a)に示したSAWデバイス1は、絶縁基板3の下面に外部電極4、上面に上部電極5、及び厚肉の接地用環状電極7(接続パッド5を包囲する)を備えた配線基板2と、接地用環状電極7の内周面と圧電基板18の外周面が対面するように接地用環状電極7の内側に配置されて下面の接続パッド16と上部電極5との間を導体バンプ10によって接続されるSAWチップ15と、圧電基板18の外周面と接地用環状電極7との間の近接部A(間隙)に充填されて、圧電基板18の下面のIDT電極17と配線基板上面との間に気密空間Sを形成する第1の封止樹脂20と、接地用環状電極7の上面外周に設けた段差部7aを除いた上面と、第1の封止樹脂20外面と、SAWチップ外面を被覆する第2の封止樹脂21と、段差部7aと第2の封止樹脂21の外面にかけて被覆形成される導電性金属被膜22と、を備えている。
接地用環状電極7は、例えばタングステン等の金属材料をメッキその他の方法により上部電極5を包囲するように積層形成した構成を備えている。この例では、タングステン等から成る厚肉の金属膜を2層構造となるように積層しているが一層構造であってもよい。また、この例では、接地用環状電極7の内周面とSAWチップ15を構成する圧電基板18の外周面との間に比較的大きな間隙(近接部A)が形成されているが、このように間隙を広くすることにより、接地用環状電極7の内側に位置する配線基板上に十分な余裕をもってSAWチップ15を搭載することが可能となる。
【0018】
また、図1のSAWデバイスに比して、SAWチップと接地用環状電極との間の近接部Aの位置がIDT電極17よりも離間した位置にあるため、第1の封止樹脂が気密空間内に浸入してIDT電極17に付着する虞も減少する。
また、接地用環状電極7の上面外径側に、その全周にわたって段差部(露出部)7aを形成し、導電性金属被膜22との導通手段としている点も特徴的である。この段差部7aの形成方法は、図2に示したバッチ処理において、図2(c)に示した如き厚肉のダイシングブレード30を用いてSAWチップ15間に位置する第2の封止樹脂21を分断すると同時に接地用環状電極7の表層部分のみを切除(ハーフカット)する方法をそのまま流用する。
なお、図5(a)に示したSAWデバイスの製造工程は、図2に示した製造工程を流用することが可能である。但し、図1と図5(a)のSAWデバイスは、接地用環状電極7とSAWチップ15との位置関係が異なるため、近接部Aの位置も必然的に異なり、その違いに応じて第1の封止樹脂20を充填する位置が異なっているに過ぎない。
次に、図5(b)のSAWデバイス1は、厚肉の接地用環状電極7の内周面を可能な限り、内側に位置するSAWチップ15の圧電基板18の外周面と近接させると共に、両者の近接部Aを封止するように、SAWチップ15外面と接地用環状電極7の上面に対して導電性金属被膜22を被覆形成し、更に導電性金属被膜22の外面に封止樹脂(第2の封止樹脂)21を被覆形成した構成が図5(a)の実施形態と異なっている。この実施形態のSAWデバイスによれば、第1の封止樹脂に代えて導電性金属被膜22を用いているので、製造工数を低減できる。
また、図5(a)及び(b)の各SAWデバイス1によれば、上部電極5の外側に位置する既存スペースを利用して接地用環状電極7を配置し、この接地用環状電極7の一部と導通させながら導電性金属被膜22を被覆形成しているので、SAWデバイスを大型化せずに電磁シールドを確保できる。
【0019】
次に、図6は本発明の他の実施形態に係るSAWデバイス1の構成を示す縦断面図である。このSAWデバイス1は、絶縁基板3の外周面に全周にわたって形成した段差部3a上に接地用環状電極40を備え、この接地用環状電極40を利用して導電性金属被膜22を接地した点が特徴的である。
即ち、図6に示したSAWデバイス1は、絶縁基板3の下面に外部電極4、上面に上部電極5、及び絶縁基板の外周面に全周にわたって設けた段差部3a上に接地用環状電極7を備えた配線基板2と、圧電基板18の下面に接続パッド16及びIDT電極17を備え且つ接続パッド16と上部電極5との間を導体バンプ10によって接続されるSAWチップ15と、圧電基板18の外周面下部及び下面と配線基板との間の間隙に充填されて、圧電基板18の下面のIDT電極17と配線基板上面との間に気密空間Sを形成する第1の封止樹脂20と、SAWチップ外面(上面、側面)と第1の封止樹脂上面に被覆形成される第2の封止樹脂21と、段差部3aと第1の封止樹脂20の外周面と第2の封止樹脂21の外面にかけて被覆形成される導電性金属被膜22と、を備えている。
【0020】
次に、図7(a)及び(b)は、図6のSAWデバイスの製造工程を要約して説明する図であり、
この例では複数の配線基板個片2をシート状に連結一体化した配線基板母材25を用いたバッチ処理によるSAWデバイスの生産方法を示す。なお、この製造工程は、各個片単位でSAWデバイスを製造する場合の工程に対しても転用することができる。
まず、図7(a)に示した配線基板母材25は、絶縁基板3の下面に外部電極4を有すると共に上面に上部電極5を備え、更に外部電極4と上部電極5との間を導通する接続導体6を有する。更に、配線基板母材25の肉厚内部には、各配線基板個片2の境界線に沿って内部導体としての接地用環状電極40が埋設されている。即ち、接地用環状電極40は、各配線基板個片2の境界線に沿って帯状に埋設されており、各配線基板個片を包囲した状態となっている。また、各接地用環状電極30は、接地用の外部電極4と接続導体6により接続されている。
図7(a)に示すフリップチップ実装工程では、配線基板母材25の各個片領域に対して、下面に接続パッド16とIDT電極17を備えた圧電基板18から成るSAWチップ15の接続パッド16を、上部電極5の上面に導体バンプ10を介して電気的機械的に接続する(フリップチップボンディング)。導体バンプ10は、予め接続パッド16側に形成しておいてもよいし、露出領域5a上に形成してもよい。導体バンプ10は、例えば金等の導体から成るバンプであってもよいし、塊状の樹脂の外周に導体膜を被覆したものであってもよい。
【0021】
次いで、同図に示すように、各SAWチップ15間の谷間に第1の封止樹脂20を充填して圧電基板18の裾部全周と配線基板上面との間の隙間を封止し、気密空間Sを形成する。次いで、SAWチップ外面(上面、側面)、及び第1の封止樹脂20上面を第2の封止樹脂により全面被覆し、各SAWチップ15間の谷間に相当する部分を厚肉のダイシングブレード30によりハーフカットする。即ち、このハーフカットにおいては、第2の封止樹脂21、第1の封止樹脂20を切断すると共に、配線基板母材内に埋設された各接地用環状電極40の上面が露出する深さまで配線基板上面を切除する。図7(a)中にはハーフカット済みの部分(切断溝部45)と、ハーフカットしていない部分が併存している状態を示している。
次いで、図7(b)では、まずハーフカットによって形成された切断溝部45内面全体を含む第2の封止樹脂外面に、メッキ、蒸着、スパッタリング等によって導電性金属膜22を成膜する。この際、切断溝部45の内底部に位置する接地用環状電極40の上面にも導電性金属膜22が被覆形成されている。
更に、同図に示すように肉厚の薄いダイシングブレード31を用いて、各切断溝部45の内底面(段差部3a)に位置する導電性金属膜22及び接地用環状電極40の幅方向中心部を、その直下の絶縁基板部分と共に切断分割する。この結果、図6に示したSAWデバイス1を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表面実装用の配線基板上の上部電極上にバンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載し、第1の封止樹脂によりSAWチップ下方に弾性表面波伝搬用の気密空間を形成し、第1の封止樹脂、及びSAWチップ外面を必要に応じて第2の封止樹脂にて被覆し、更にSAWチップを電磁シールドするための接地用金属被膜を備えたSAWデバイスにおいて、接地用の上部電極を利用して接地用金属被膜の導通を確保することよる配線基板の面積の増大、配線基板母材を用いた量産時の生産性の低下を招くことなく、導電性金属被膜を接地させることができる。
即ち、請求項1の発明に係る表面実装型SAWデバイスによれば、導電性金属被膜との導通を確保する目的を有した接地用環状電極を、全ての上部電極を包囲するように配線基板上に予め設け、第2の封止樹脂から露出した接地用環状電極の一部を利用して導電性金属被膜との導通を確保するようにした。第1の封止樹脂は、SAWチップと接地用環状電極との近接部に存する隙間(SAW下面のIDT電極から十分に離間している)に充填されるので、その量は僅かでよく、毛細管現象によってIDT電極に達する虞も少ない。
請求項2の発明によれば、第1の封止樹脂を省略して構成、工程を簡略化することができる。また、吸水性を有した樹脂が導電性金属被膜の外側に位置しているので耐湿性を向上させることができる。
請求項3の発明では、上部電極の外側に位置する既存のスペース(デッドスペース)上に、接地用環状導体を配置しておき、この接地用環状導体の一部をSAWチップ下面と対面するように配置したので、SAWチップと接地用環状導体との近接部には僅かな隙間が形成されることとなり、この隙間に比較的粘度の高い第1の封止樹脂を充填することにより、気密空間の気密性を容易に確保することができる。
【0023】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記接地用環状電極の内周面は、SAWチップの外側面と対向していることを特徴とする。
この発明では、接地用環状電極の内側部分をSAWチップの下方に入り込ませずに、SAWチップ外面と内周面とが対向するように配置するようにしている。このため、SAWチップに対する接地用環状電極の位置精度を緩やかに設定することができ、しかも両者の近接部の位置がIDT電極から更に離間した位置となるので、封止用の樹脂がIDT電極側に浸透する虞がさらに低くなる。
請求項5の発明によれば、配線基板個片毎に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項1、2、3、4に記載したSAWデバイスを得ることができる。
請求項6の発明によれば、大面積の配線基板母材を用いたバッチ処理により請求項1、2、3、4に夫々記載のSAWデバイスを量産することができる。
請求項7の発明によれば、請求項3の場合と同等の作用効果を奏することができる。
請求項8の発明によれば、請求項4の場合と同等の作用効果を奏することができる。
請求項9の発明では、配線基板上に厚肉の接地用環状電極を形成する必要が無くなり、構成が簡略化する。
請求項10の発明によれば、配線基板母材上の各個片領域上に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項9に記載したSAWデバイスを量産することができる。
請求項11の発明では、ハーフカットに際しては、配線基板の表層の一部を切除して露出させる狙いがあるため、厚肉のカッタを用いたが、最後の切断をダイシングブレードにて行う場合には、配線基板間の境界線を単に切断するだけでよいので、薄肉のダイシングブレードを用いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型弾性表面波デバイスの外観斜視図、及び縦断面図。
【図2】(a)乃至(d)は図1のSAWデバイスの製造工程を説明する図。
【図3】本発明の変形例に係るSAWデバイスの構成を示す縦断面図。
【図4】(a)及び(b)は図3のSAWデバイスの製造方法の一例を示す工程図。
【図5】(a)及び(b)は夫々本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図。
【図6】本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図。
【図7】(a)及び(b)は図6のSAWデバイスの製造方法の一例を示す工程図。
【図8】従来例に係るSAWデバイスの縦断面図。
【図9】(a)及び(b)は図8に示したSAWデバイスを製造する手順を示す工程図。
【符号の説明】
1 SAWデバイス、 2 配線基板、3 絶縁基板、4 外部電極、5 上部電極、6 接続導体、7 接地用環状電極、7a 段差部、10 導体バンプ、15 SAWチップ、16 接続パッド、17 IDT電極、18 圧電基板、20 第1の封止樹脂20、21 第2の封止樹脂、A 近接部、25 配線基板母材、30、31 ダイシングブレード、40 接地用環状電極、45 切断溝部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板上にフリップチップ実装した弾性表面波チップを樹脂にて封止した構造の弾性表面波デバイスや、その製造工程において発生する種々の不具合を解決した表面実装型弾性表面波デバイス、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波デバイス(SAWデバイス)は、水晶等の圧電基板上に櫛歯状の電極指(IDT電極)を配置した構成を備え、例えばIDT電極に高周波電界を印加することによって弾性表面波を励起し、弾性表面波を圧電反作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得るものである。
図8には従来の表面実装型のSAWデバイスの縦断面図が示されている。このSAWデバイス101は、絶縁基板103、絶縁基板103の底部に設けた表面実装用の外部電極104、絶縁基板の上面に設けた上部電極105、及び外部電極104と上部電極105とを接続する接続導体106とから成る配線基板102と、上部電極105上に導体バンプ110を介して電気的機械的に接続される接続パッド116、及びIDT電極117を夫々下面に備えた圧電基板118を備えたSAWチップ115と、SAWチップ115の下端周縁(裾部)と上部電極105との間に充填されてSAWチップ115の下面と配線基板103の上面との間に弾性表面波伝搬用の気密空間Sを形成する硬化処理前粘度の高い第1の封止樹脂120と、SAWチップ115の外面全体及び第1の封止樹脂120の外面、更には第1の封止樹脂120によって被覆されていない配線基板上面にかけて被覆形成された硬化処理前粘度の低い第2の封止樹脂121と、を有している。
第1の封止樹脂120から成る封止部は、気密空間Sを形成し得るように、スクリーン印刷、ディスペンサによる充填等によってSAWチップ115の裾部に形成される。第2の封止樹脂121は、スクリーン印刷、ディスペンサによる充填等によって形成され、予め第1の封止樹脂により被覆されないように露出形成された配線基板上面の一部に被覆される。
第1の封止樹脂120として、粘度の高い樹脂を使用するのは、SAWの伝搬路である圧電基板118の下面に樹脂が浸入することを防止するためであり、第2の封止樹脂121として粘度の低い樹脂を使用するのは、配線基板の露出部、第1の封止樹脂外面、及びSAWチップ外面との間の密着性を確保するためである。粘度の高い第1の封止樹脂120だけでは、前記被覆対象物との間の密着性を確保することが困難であるため、粘度が低く被覆対象物とのぬれ性の良好な第2の封止樹脂により密着性を高めているものである(特開平6−204293号公報参照)。
【0003】
次に、図9は、配線基板(個片)102を複数シート状に連結した構成の配線基板母材125を用いて図8のSAWデバイス101を製造する手順を説明するための図であり、配線基板母材125上の各個片領域上にSAWチップ115をフリップチップ実装した後で、第1の封止樹脂120によるSAWチップ115の裾部に位置する間隙の封止を行って気密空間Sを形成してから、第2の封止樹脂121を全てのSAWチップ外面及びSAWチップ間の谷間等に対して一括して被覆形成する。その後、配線基板個片102の境界線に沿ってダイシングブレード等によって分割することにより複数個のSAWデバイス個片101を得る。しかし、図8に示したSAWデバイス101にあっては、全ての上部電極105が第1及び第2の封止樹脂120、121によって完全に被覆されてしまうため、接地用の上部電極105と導通した接地用の導電性金属被膜を第2の封止樹脂121の外面に被覆形成しようとしても、接地用の上部電極105と導電性金属被膜との導通を確保する余地が存在しない。
これに対する対策としては、配線基板母材125上における各SAWチップ115間の間隔を広くすると共に、各SAWチップ間に位置する配線基板上に上部電極105の張り出し部を延長形成しておき、第2の封止樹脂121によって被覆されない上部電極の露出部を確保し、この露出部を利用して導電性金属被膜との導通を確保することが有効ではある。しかし、このように構成した場合には、配線基板個片の大型化によるSAWデバイスの大型化と、配線基板母材125の面積の大型化と、配線基板母材一枚当りから製作できるSAWデバイス数が減少するという不具合をもたらす。
【特許文献1】特開平6−204293号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、表面実装用の配線基板上の上部電極上にバンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載し、SAWチップの周辺に第1の封止樹脂等を充填することにより、SAWチップ下方に弾性表面波伝搬用の気密空間を形成し、第1の封止樹脂、及びSAWチップ外面を必要に応じて第2の封止樹脂にて被覆し、更にSAWチップを電磁シールドするための接地用金属被膜を備えたSAWデバイスにおいて、接地用の上部電極を利用して接地用金属被膜の導通を確保することよる配線基板の面積の増大、配線基板母材を用いた量産時の生産性の低下を招くことなく、導電性金属被膜を接地させることができる表面実装型弾性表面波デバイス、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の如き手段を備える。
請求項1の発明に係る表面実装型SAWデバイスは、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、前記SAWチップの接続パッドを配線基板の上部電極に前記導体バンプを介して接続した状態において、接地用環状電極とSAWチップとの近接部を気密封止することにより、SAWチップ下面のIDT電極と絶縁基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂と、前記SAWチップ外面、前記第1の封止樹脂、及び前記接地用環状電極の外面の一部を連続被覆する第2の封止樹脂と、前記第2の封止樹脂の外面、及び該第2の封止樹脂により被覆されていない前記接地用環状電極の露出部を連続被覆する導電性金属被膜と、を備えたことを特徴とする。
配線基板上にフェイスダウン状態でSAWチップをフリップチップ実装し、SAWチップ裾部と配線基板上面との間を全周にわたって封止樹脂により封止し、更にその外面に他の封止樹脂を被覆形成する場合、シールド、及び封止用を兼ねる導電性金属被膜を配線基板上の上部電極と導通確保することが容易でなく、上部電極を大型化して封止樹脂によって被覆されない部分を確保する必要がある。しかし、封止樹脂に被覆されない上部電極を確保するために張り出し部を延長形成しようとすると、配線基板が大型化する。
そこで、本発明では、導電性金属被膜との導通を確保する目的を有した接地用環状電極を、全ての上部電極を包囲するように配線基板上に予め設け、ハーフカット加工によって第2の封止樹脂から露出した接地用環状電極の一部を利用して導電性金属被膜との導通を確保するようにした。また、気密空間を形成するための第1の封止樹脂は、SAWチップと接地用環状電極との近接部に存する隙間(SAW下面のIDT電極から十分に離間している)に充填されるので、その量は僅かでよく、毛細管現象によってIDT電極に達する虞も少ない。
また、樹脂は吸水性を有するため、気密空間内のIDT電極に結露(樹脂中の不純物イオンが浸出)が生じ腐食が発生する虞がある。そこで、SAWチップ外面に被覆した封止樹脂のさらに外面に対して導電性金属被膜を連続形成することにより、気密性、水密性を高めることができ、しかも導電性金属被膜を接地用環状電極の露出部と導通させることにより、シールド効果を発揮することができる。
【0006】
請求項2の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、前記SAWチップの接続パッドを配線基板の上部電極に前記導体バンプを介して接続した状態において、前記SAWチップと接地用環状電極との近接部を気密封止しながら、前記SAWチップ外面と接地用環状電極外面とに連続被覆形成されることにより、SAWチップ下面のIDT電極と絶縁基板上面との間に気密空間を形成する導電性金属被膜と、前記導電性金属被膜の外面に被覆される封止樹脂と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、接地用環状導体の内側部分をSAWチップ下方に外径側から入り込ませた状態で、SAWチップ外面と接地用環状電極とを導電性金属被膜によって連続被覆するようにしたので、第1の封止樹脂を省略して構成、工程を簡略化することができる。また、吸水性を有した樹脂が導電性金属被膜の外側に位置しているので耐湿性を向上させることができ、エポキシ系樹脂に含まれる塩素、ナトリウム等の不純物イオンが水分と共に浸出してIDT電極に付着してこれを腐食させる虞が無くなる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記接地用環状電極の内側部分がSAWチップ下方に入り込んでいることを特徴とする。
上部電極の外側に位置する既存のスペース(デッドスペース)上に、接地用環状導体を配置しておき、この接地用環状導体の一部をSAWチップ下面と対面するように配置したので、SAWチップと接地用環状導体との近接部には僅かな隙間が形成されることとなり、この隙間に比較的粘度の高い第1の封止樹脂を充填することにより、気密空間の気密性を容易に確保することができる。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記接地用環状電極の内周面は、SAWチップの外側面と対向していることを特徴とする。
この発明では、接地用環状電極の内側部分をSAWチップの下方に入り込ませずに、SAWチップ外面と内周面とが対向するように配置するようにしている。このため、SAWチップに対する接地用環状電極の位置精度を緩やかに設定することができ、しかも両者の近接部の位置がIDT電極から更に離間した位置となるので、封止用の樹脂がIDT電極側に浸透する虞がさらに低くなる。
請求項5の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板と 該上部電極上に導体バンプを介してフリップチップ実装される接続パッド、及びIDT電極を夫々圧電基板の下面に備えたSAWチップと、該SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成するように配置される第1の封止樹脂と、を備えた表面実装型SAWデバイスの製造方法において、前記接地用環状電極の内側部分の上面と前記SAWチップ下面とが対面近接するように位置決めした上で、前記上部電極と前記SAWチップの接続パッドとを、導体バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、前記SAWチップと前記接地用環状電極との近接部の隙間を第1の封止樹脂により封止することにより前記気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、前記SAWチップ、前記第1の封止樹脂、及び前記接地用環状電極の少なくとも一部を、第2の封止樹脂により連続被覆する第2の封止樹脂形成工程と、前記第2の封止樹脂の外面、前記接地用環状電極の露出部を導電性金属被膜により連続被覆する導電性金属被膜形成工程と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、配線基板個片毎に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項1、2、3、4に記載したSAWデバイスを得ることができる。
【0008】
請求項6の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、及び、各上部電極と各接地用環状電極を夫々外部電極と導通する接続導体、を備えた配線基板を、複数個シート状に連結した大面積の配線基板母材を用いた、表面実装型SAWデバイスの製造方法において、前記接地用環状電極の内側部分の上面と前記SAWチップ下面とが対面近接するように位置決めした上で、前記上部電極と前記各SAWチップの接続パッドとを、バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、前記SAWチップと前記接地用環状電極との近接部の隙間を第1の封止樹脂により封止することにより前記SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ、各第1の封止樹脂、及び各接地用環状電極の各外面を第2の封止樹脂により被覆する第2の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ間の谷間部分をハーフカットすることにより、該谷間に位置する接地用環状電極の一部を露出させる露出部形成工程と、前記第2の封止樹脂、及び接地用環状電極の各外面を導電性金属被膜により連続被覆する導電性金属被膜形成工程と、前記各工程を経た配線基板母材を、配線基板個片毎に切断する切断工程と、を備えたことを特徴とする。
この製造方法では、大面積の配線基板母材を用いたバッチ処理により請求項1、2、3、4に夫々記載のSAWデバイスを量産することができる。予め配線基板上に形成した接地用環状電極を樹脂被覆した後で、ハーフカットによって一部露出させることにより導電性金属被膜との接続箇所を確保しているので、スムーズに連続した工程によってシールド効果と耐湿性を備えたSAWデバイスを量産することができる。特に、露出部形成工程では、SAWチップ間の谷間を埋めるように充填された封止樹脂を、肉厚が厚いダイシングブレードを用いて分断する際に、接地用環状電極の表層を同時に切除するので、極めて簡単に露出部を確保することが可能となり、SAWチップ間の間隔を広く確保する必要もなくなる。請求項7の発明は、請求項5又は6において、前記接地用環状電極の内側部分がSAWチップ下方に入り込んでいることを特徴とする。
これによれば、請求項3の場合と同等の作用効果を奏することができる。
【0009】
請求項8の発明は、請求項5又は6において、前記接地用環状電極の内周面は、SAWデバイスの外側面と対向していることを特徴とする。
これによれば、請求項4の場合と同等の作用効果を奏することができる。
請求項9の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた上部電極、外部電極と上部電極間を導通する接続導体、絶縁基板の側面全周にわたって突設された段差部、及び該段差部上に形成され且つ接地用の外部電極と接続された接地用環状電極、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、前記SAWチップ下面のIDT電極と配線基板上面との間に気密空間を形成するために、SAWチップ裾部と配線基板上面との間に充填される第1の封止樹脂と、前記SAWチップ外面と前記第1の封止樹脂上面にかけて被覆形成される第2の封止樹脂と、前記第2の封止樹脂外面、前記第1の封止樹脂外面、及び接地用環状電極にかけて連続被覆形成された導電性金属被膜と、を備えたことを特徴とする。
この発明では、SAWチップ外面を被覆する封止樹脂を更に被覆するための接地用環状電極の接地を確保するために、予め配線基板内に埋設しておいた接地用環状電極を露出させた上で、接地用環状電極と接続するようにしている。このため、配線基板上に厚肉の接地用環状電極を形成する必要が無くなり、構成が簡略化する。
【0010】
請求項10の発明は、絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の外部電極、該絶縁基板の上部に夫々設けた上部電極、及び該絶縁基板の肉厚内部に埋設された接地用環状電極から成る配線基板を、複数個シート状に連結した大面積の配線基板母材を用いた、表面実装型SAWデバイスの製造方法であって、前記上部電極と前記各SAWチップの接続パッドとを、導体バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、前記SAWチップ裾部と前記配線基板上面との隙間に第1の封止樹脂を充填することにより、SAWチップ下面のIDT電極と配線基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ、及び各第1の封止樹脂の各外面を第2の封止樹脂により連続被覆する第2の封止樹脂形成工程と、前記各SAWチップ間の谷間部分をハーフカットすることにより、該谷間に相当する絶縁基板内部に位置する接地用環状電極を露出させる露出部形成工程と、前記第2の封止樹脂、第1の封止樹脂、及び接地用環状電極の各外面を導電性金属被膜により被覆する導電性金属被膜形成工程と、前記各工程を経た配線基板母材を、配線基板個片毎に切断する切断工程と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、配線基板母材上の各個片領域上に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項9に記載したSAWデバイスを量産することができる。
請求項11の発明は、請求項6又は10において、前記切断工程において使用するダイシングブレードは、前記露出部形成工程でのハーフカットの際に用いるダイシングブレードよりも肉厚が薄いことを特徴とする。
ハーフカットに際しては、配線基板の表層の一部を切除して露出させる狙いがあるため、厚肉のカッタを用いたが、最後の切断をダイシングブレードにて行う場合には、配線基板間の境界線を単に切断するだけでよいので、薄肉のダイシングブレードを用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型弾性表面波デバイス(以下、SAWデバイス、という)の外観斜視図、及び縦断面図である。
このSAWデバイス1は、配線基板2上に搭載したSAWチップ15の外面を封止樹脂及び導電性金属被膜により被覆した構成を備えている。即ち、SAWデバイス1は、セラミック、ガラスエポキシ等から成る絶縁基板3、絶縁基板3の底部(下部)に設けた表面実装用の外部電極4、絶縁基板3の上面(上部)に設けられ且つ接続導体6を介して外部電極4と導通した上部電極5、及び接地用の外部電極4と導通した厚肉の金属膜からなる接地用環状電極7を備えた配線基板2と、上部電極5と導体バンプ10を介して電気的機械的に接続される接続パッド16、及びIDT電極17を夫々圧電基板18の下面に備えたSAWチップ15と、接地用環状電極7とSAWチップ15との近接部(隙間)を封止する第1の封止樹脂20(粘度高い)と、第1の封止樹脂20による封止によってSAWチップ15下面と配線基板上面との間に形成される弾性表面波伝搬用の気密空間Sと、を備えている。
この実施形態においては、各上部電極5の外側の絶縁基板3上面に、全ての上部電極5を包囲するようにタングステン等から成る厚肉の接地用環状電極7を予め形成しておき、接地用環状電極7の一部、この例ではその内側部分をSAWチップ15を構成する圧電基板18の外側部分に近接配置している。具体的には、接地用環状電極7の内側部分(全周)を圧電基板18の下方の空間に入り込ませ、接地用環状電極7の上面を圧電基板18の下面と近接対面させている。接地用環状電極7と圧電基板18との近接部Aは、圧電基板下面の導体部分との接触さえ生じなければ、接触していてもよいし、離間していてもよい。
この近接部Aに形成される間隙全体を封止するように、第1の封止樹脂20を充填する。接地用環状電極7の外周部には段差部7aを設け、この段差部7aを除いた接地用環状電極7の上面、第1の封止樹脂20、及びSAWチップ15の各外面全体(圧電基板下面を除く)を覆うように、第2の封止樹脂21を被覆形成する。
次いで、金属部分が露出した段差部7aから第2の封止樹脂21の外面全体にかけてメッキ、蒸着、スパッタリング等によって導電性金属被膜22を被覆形成する。
接地用の外部電極4と導通した接地用環状電極7を、段差部7aを介して、第2の封止樹脂21を被覆する導電性金属被膜22と導通させることにより、SAWチップの電磁シールド効果を発揮させることができる。
接地用環状電極7は、上部電極5の外周に位置する既存のスペースを利用して絶縁基板3上に形成するものであるため、配線基板2の面積を増大させて大型化を招く原因となることがない。
【0012】
なお、この実施形態では、第2の封止樹脂21の硬化処理前の粘度を、第1の封止樹脂20の硬化処理前の粘度よりも低く設定することにより、第1の封止樹脂の気密空間S内への浸入を防止でき、第2の封止樹脂による、第1の封止樹脂20の外面、SAWチップ外面、接地用環状電極7への密着性を十分に高めることができる。また、第1の封止樹脂の粘度を高く設定することによって、近接部Aの隙間から第1の封止樹脂20が気密空間側へ浸透することを防止できる。
このように本発明のSAWデバイスにおいては、配線基板2上の上部電極5の外側端部を大きく張り出すことによって第1の封止樹脂20による非被覆部分(接地用環状電極の接続用露出部)を形成する必要がないので、従来のSAWデバイスと比較した場合に、配線基板2の面積を小さくすることができる。また、接地用環状電極7を導電性金属被膜22と接続することが可能となるので、シールド効果のみならず、より高い気密効果を得ることができる。
【0013】
次に、図2(a)乃至(d)に基づいて図1のSAWデバイス1の製造手順を説明する。この例では複数の配線基板個片2をシート状に連結一体化した配線基板母材25を用いたバッチ処理によるSAWデバイスの生産方法を示す。なお、この製造工程は、各個片単位でSAWデバイスを製造する場合の工程に対しても転用することができる。
まず、図2(a)に示した如き、絶縁基板3の下面に外部電極4を有すると共に上面に上部電極5及び接地用環状電極7を備え、更に外部電極4と上部電極5との間、及び接地用環状電極7と接地用外部電極4との間を夫々導通する接続導体6を有した配線基板個片2を複数個、シート状に連結した大面積の配線基板母材25を製作する。次いで、図2(b)に示すように、配線基板母材25の各個片領域に対して、下面に接続パッド16とIDT電極17を備えた圧電基板18から成るSAWチップ15の接続パッド16を、上部電極5の上面に導体バンプ10を介して電気的機械的に接続する(フリップチップボンディング)。導体バンプ10は、予め接続パッド16側に形成しておいてもよいし、露出領域5a上に形成してもよい。導体バンプ10は、例えば金等の導体から成るバンプであってもよいし、塊状の樹脂の外周に導体膜を被覆したものであってもよい。
この際、接地用環状電極7の内寄り部分(全周)がSAWチップ15を構成する圧電基板18の下方に外径側から入り込むように位置関係を設定する。
次いで、図2(b)に示した第1の封止樹脂形成工程では、SAWチップ15下面(IDT電極17)と各配線基板個片2の上面との間に気密空間Sを形成するために、前記近接部Aに存する空隙を封止する第1の封止樹脂20(粘度高い)を充填する。換言すれば、SAWチップ15下面と配線基板2上面と環状導体層7の内壁との間に形成される空間が気密空間Sとなるように、近接部Aに対して全周にわたって第1の封止樹脂20を充填する。この工程では、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサ等の方法によって、比較的粘度の高い第1の封止樹脂20を塗布、充填する。粘度の高い樹脂を使用する理由は、毛細管現象等によって近接部Aに存在する微細空間から浸入した液状の樹脂がIDT電極17に付着することを防止するためである。
【0014】
次に、図2(c)の第2の封止樹脂形成工程では、SAWチップ15の外面(上面と側面)、第1の封止樹脂20の外面、接地用環状電極7の上面を、第2の封止樹脂21(粘度低い)により被覆する。第2の封止樹脂21は、スクリーン印刷、ディスペンサ等により被覆形成する。
なお、第2の封止樹脂21の硬化処理前の粘度を、第1の封止樹脂20の硬化処理前の粘度よりも低く設定することにより、第2の封止樹脂による各被覆対象部位への密着性を十分に高めることができる。
次に、図2(c)に示した如く、厚肉のダイシングブレード30を用いて、SAWチップ15間の谷間に相当する部分をハーフカットすることにより、該谷間に位置する第2の封止樹脂21を寸断すると同時に、各配線基板間の境界線に沿った位置に相当する接地用環状導体7の一部(表層部)を露出させる露出部形成工程を実施する。ハーフカットにより露出される接地用環状導体7の露出部は、段差部7aとなる。
ハーフカットされた部分の幅L1は例えば200μm程度である。そして、SAWチップ15間の間隔L2は、このハーフカットされる部分の幅にマージンを考慮して400μm程度に予め設定する。
次に、図2(d)に示すように、第2の封止樹脂21の外面と、ハーフカットにより露出された露出部である段差部7aに対して、メッキ、蒸着、スパッタリング等によって導電性金属皮膜22を形成する。
次いで、同図中に示すように段差7aの中央部に沿って、図2(c)の工程で使用したダイシングブレード30よりも肉厚の薄いダイシングブレード31により、配線基板母材25を個片ごとに分割する切断工程を実施する。この切断工程により、図1に示した如きSAWデバイス個片1を得ることとなる。
【0015】
次に、図3は本発明の他の実施形態(図1の変形例)に係るSAWデバイスの縦断面図であり、この実施形態に係るSAWデバイス1は、第1の封止樹脂を用いない点と、SAWチップ外面(上面、側面)から接地用環状導体7の上面にかけて連続的に導電性金属被膜22を被覆形成した上で、流動性の高い封止樹脂21(図1における第2の封止樹脂に相当)を被覆形成した構成が図1のSAWデバイスと異なっている。
この実施形態に係るSAWデバイス1によれば、第1の封止樹脂を用いず、SAWチップ外面と接地用環状導体上に直接導電性金属被膜22を被覆形成するので、構成を簡略化しながら電磁シールド効果を発揮できるばかりでなく、導電性金属被膜22と封止樹脂21との協働によって気密空間Sの気密性を高く維持することができる。
即ち、接地用環状導体7の内側部分をSAWチップ15下方に外径側から入り込ませた状態で、SAWチップ外面と接地用環状電極とを導電性金属被膜22によって連続被覆するようにしたので、近接部Aの隙間も封止されることができ、第1の封止樹脂を省略して構成、工程を簡略化することができる。また、吸水性を有したエポキシ系等の樹脂が導電性金属被膜の外側に位置しているので耐湿性を向上させることができ、エポキシ系樹脂等に含まれる塩素、ナトリウム等の不純物イオンが水分と共に浸出してIDT電極に付着してこれを腐食させる虞が無くなる。
【0016】
図4は図3の実施形態に係るSAWデバイスの製造工程を説明するための略図である。
図4(a)に先行するフリップチップ実装工程については、図2(a)(b)に示した工程をほぼ流用できるが、本実施形態では、図2(b)における第1の封止樹脂20の被覆を行う代わりに、SAWチップ外面(上面、側面)から接地用環状導体7の上面にかけて連続的に導電性金属被膜22を被覆形成する点が異なっている。
即ち、この工程では、SAWチップ15と接地用環状導体7の近接部Aに存在する隙間を封止して気密空間Sを形成するとともに、SAWチップ外面及び接地用環状導体7の外面を覆うように、導電性金属被膜22を被覆形成する。導電性金属被膜22の形成方法は、メッキ、蒸着、スパッタリング等任意の方法を採用し得る。
次いで、図4(b)に示すように、第2の封止樹脂21により、導電性金属被膜22の外面全体を被覆してから、各SAWチップ15の谷間に相当する部分の中心位置をダイシングブレード32によって切断してSAWデバイス個片を得る。
【0017】
次に、図5(a)及び(b)は夫々本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの構成を示す縦断面図であり、図5(a)及び(b)の各実施形態に係るSAWデバイス1の特徴的な構成は、接地用環状電極7のいずれの部分もSAWチップ15の下方の空間内に入り込んでおらず、接地用環状電極7の内周面がSAWチップの外側面と対面している点にある。
即ち、図5(a)に示したSAWデバイス1は、絶縁基板3の下面に外部電極4、上面に上部電極5、及び厚肉の接地用環状電極7(接続パッド5を包囲する)を備えた配線基板2と、接地用環状電極7の内周面と圧電基板18の外周面が対面するように接地用環状電極7の内側に配置されて下面の接続パッド16と上部電極5との間を導体バンプ10によって接続されるSAWチップ15と、圧電基板18の外周面と接地用環状電極7との間の近接部A(間隙)に充填されて、圧電基板18の下面のIDT電極17と配線基板上面との間に気密空間Sを形成する第1の封止樹脂20と、接地用環状電極7の上面外周に設けた段差部7aを除いた上面と、第1の封止樹脂20外面と、SAWチップ外面を被覆する第2の封止樹脂21と、段差部7aと第2の封止樹脂21の外面にかけて被覆形成される導電性金属被膜22と、を備えている。
接地用環状電極7は、例えばタングステン等の金属材料をメッキその他の方法により上部電極5を包囲するように積層形成した構成を備えている。この例では、タングステン等から成る厚肉の金属膜を2層構造となるように積層しているが一層構造であってもよい。また、この例では、接地用環状電極7の内周面とSAWチップ15を構成する圧電基板18の外周面との間に比較的大きな間隙(近接部A)が形成されているが、このように間隙を広くすることにより、接地用環状電極7の内側に位置する配線基板上に十分な余裕をもってSAWチップ15を搭載することが可能となる。
【0018】
また、図1のSAWデバイスに比して、SAWチップと接地用環状電極との間の近接部Aの位置がIDT電極17よりも離間した位置にあるため、第1の封止樹脂が気密空間内に浸入してIDT電極17に付着する虞も減少する。
また、接地用環状電極7の上面外径側に、その全周にわたって段差部(露出部)7aを形成し、導電性金属被膜22との導通手段としている点も特徴的である。この段差部7aの形成方法は、図2に示したバッチ処理において、図2(c)に示した如き厚肉のダイシングブレード30を用いてSAWチップ15間に位置する第2の封止樹脂21を分断すると同時に接地用環状電極7の表層部分のみを切除(ハーフカット)する方法をそのまま流用する。
なお、図5(a)に示したSAWデバイスの製造工程は、図2に示した製造工程を流用することが可能である。但し、図1と図5(a)のSAWデバイスは、接地用環状電極7とSAWチップ15との位置関係が異なるため、近接部Aの位置も必然的に異なり、その違いに応じて第1の封止樹脂20を充填する位置が異なっているに過ぎない。
次に、図5(b)のSAWデバイス1は、厚肉の接地用環状電極7の内周面を可能な限り、内側に位置するSAWチップ15の圧電基板18の外周面と近接させると共に、両者の近接部Aを封止するように、SAWチップ15外面と接地用環状電極7の上面に対して導電性金属被膜22を被覆形成し、更に導電性金属被膜22の外面に封止樹脂(第2の封止樹脂)21を被覆形成した構成が図5(a)の実施形態と異なっている。この実施形態のSAWデバイスによれば、第1の封止樹脂に代えて導電性金属被膜22を用いているので、製造工数を低減できる。
また、図5(a)及び(b)の各SAWデバイス1によれば、上部電極5の外側に位置する既存スペースを利用して接地用環状電極7を配置し、この接地用環状電極7の一部と導通させながら導電性金属被膜22を被覆形成しているので、SAWデバイスを大型化せずに電磁シールドを確保できる。
【0019】
次に、図6は本発明の他の実施形態に係るSAWデバイス1の構成を示す縦断面図である。このSAWデバイス1は、絶縁基板3の外周面に全周にわたって形成した段差部3a上に接地用環状電極40を備え、この接地用環状電極40を利用して導電性金属被膜22を接地した点が特徴的である。
即ち、図6に示したSAWデバイス1は、絶縁基板3の下面に外部電極4、上面に上部電極5、及び絶縁基板の外周面に全周にわたって設けた段差部3a上に接地用環状電極7を備えた配線基板2と、圧電基板18の下面に接続パッド16及びIDT電極17を備え且つ接続パッド16と上部電極5との間を導体バンプ10によって接続されるSAWチップ15と、圧電基板18の外周面下部及び下面と配線基板との間の間隙に充填されて、圧電基板18の下面のIDT電極17と配線基板上面との間に気密空間Sを形成する第1の封止樹脂20と、SAWチップ外面(上面、側面)と第1の封止樹脂上面に被覆形成される第2の封止樹脂21と、段差部3aと第1の封止樹脂20の外周面と第2の封止樹脂21の外面にかけて被覆形成される導電性金属被膜22と、を備えている。
【0020】
次に、図7(a)及び(b)は、図6のSAWデバイスの製造工程を要約して説明する図であり、
この例では複数の配線基板個片2をシート状に連結一体化した配線基板母材25を用いたバッチ処理によるSAWデバイスの生産方法を示す。なお、この製造工程は、各個片単位でSAWデバイスを製造する場合の工程に対しても転用することができる。
まず、図7(a)に示した配線基板母材25は、絶縁基板3の下面に外部電極4を有すると共に上面に上部電極5を備え、更に外部電極4と上部電極5との間を導通する接続導体6を有する。更に、配線基板母材25の肉厚内部には、各配線基板個片2の境界線に沿って内部導体としての接地用環状電極40が埋設されている。即ち、接地用環状電極40は、各配線基板個片2の境界線に沿って帯状に埋設されており、各配線基板個片を包囲した状態となっている。また、各接地用環状電極30は、接地用の外部電極4と接続導体6により接続されている。
図7(a)に示すフリップチップ実装工程では、配線基板母材25の各個片領域に対して、下面に接続パッド16とIDT電極17を備えた圧電基板18から成るSAWチップ15の接続パッド16を、上部電極5の上面に導体バンプ10を介して電気的機械的に接続する(フリップチップボンディング)。導体バンプ10は、予め接続パッド16側に形成しておいてもよいし、露出領域5a上に形成してもよい。導体バンプ10は、例えば金等の導体から成るバンプであってもよいし、塊状の樹脂の外周に導体膜を被覆したものであってもよい。
【0021】
次いで、同図に示すように、各SAWチップ15間の谷間に第1の封止樹脂20を充填して圧電基板18の裾部全周と配線基板上面との間の隙間を封止し、気密空間Sを形成する。次いで、SAWチップ外面(上面、側面)、及び第1の封止樹脂20上面を第2の封止樹脂により全面被覆し、各SAWチップ15間の谷間に相当する部分を厚肉のダイシングブレード30によりハーフカットする。即ち、このハーフカットにおいては、第2の封止樹脂21、第1の封止樹脂20を切断すると共に、配線基板母材内に埋設された各接地用環状電極40の上面が露出する深さまで配線基板上面を切除する。図7(a)中にはハーフカット済みの部分(切断溝部45)と、ハーフカットしていない部分が併存している状態を示している。
次いで、図7(b)では、まずハーフカットによって形成された切断溝部45内面全体を含む第2の封止樹脂外面に、メッキ、蒸着、スパッタリング等によって導電性金属膜22を成膜する。この際、切断溝部45の内底部に位置する接地用環状電極40の上面にも導電性金属膜22が被覆形成されている。
更に、同図に示すように肉厚の薄いダイシングブレード31を用いて、各切断溝部45の内底面(段差部3a)に位置する導電性金属膜22及び接地用環状電極40の幅方向中心部を、その直下の絶縁基板部分と共に切断分割する。この結果、図6に示したSAWデバイス1を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表面実装用の配線基板上の上部電極上にバンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載し、第1の封止樹脂によりSAWチップ下方に弾性表面波伝搬用の気密空間を形成し、第1の封止樹脂、及びSAWチップ外面を必要に応じて第2の封止樹脂にて被覆し、更にSAWチップを電磁シールドするための接地用金属被膜を備えたSAWデバイスにおいて、接地用の上部電極を利用して接地用金属被膜の導通を確保することよる配線基板の面積の増大、配線基板母材を用いた量産時の生産性の低下を招くことなく、導電性金属被膜を接地させることができる。
即ち、請求項1の発明に係る表面実装型SAWデバイスによれば、導電性金属被膜との導通を確保する目的を有した接地用環状電極を、全ての上部電極を包囲するように配線基板上に予め設け、第2の封止樹脂から露出した接地用環状電極の一部を利用して導電性金属被膜との導通を確保するようにした。第1の封止樹脂は、SAWチップと接地用環状電極との近接部に存する隙間(SAW下面のIDT電極から十分に離間している)に充填されるので、その量は僅かでよく、毛細管現象によってIDT電極に達する虞も少ない。
請求項2の発明によれば、第1の封止樹脂を省略して構成、工程を簡略化することができる。また、吸水性を有した樹脂が導電性金属被膜の外側に位置しているので耐湿性を向上させることができる。
請求項3の発明では、上部電極の外側に位置する既存のスペース(デッドスペース)上に、接地用環状導体を配置しておき、この接地用環状導体の一部をSAWチップ下面と対面するように配置したので、SAWチップと接地用環状導体との近接部には僅かな隙間が形成されることとなり、この隙間に比較的粘度の高い第1の封止樹脂を充填することにより、気密空間の気密性を容易に確保することができる。
【0023】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記接地用環状電極の内周面は、SAWチップの外側面と対向していることを特徴とする。
この発明では、接地用環状電極の内側部分をSAWチップの下方に入り込ませずに、SAWチップ外面と内周面とが対向するように配置するようにしている。このため、SAWチップに対する接地用環状電極の位置精度を緩やかに設定することができ、しかも両者の近接部の位置がIDT電極から更に離間した位置となるので、封止用の樹脂がIDT電極側に浸透する虞がさらに低くなる。
請求項5の発明によれば、配線基板個片毎に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項1、2、3、4に記載したSAWデバイスを得ることができる。
請求項6の発明によれば、大面積の配線基板母材を用いたバッチ処理により請求項1、2、3、4に夫々記載のSAWデバイスを量産することができる。
請求項7の発明によれば、請求項3の場合と同等の作用効果を奏することができる。
請求項8の発明によれば、請求項4の場合と同等の作用効果を奏することができる。
請求項9の発明では、配線基板上に厚肉の接地用環状電極を形成する必要が無くなり、構成が簡略化する。
請求項10の発明によれば、配線基板母材上の各個片領域上に、SAWチップの搭載、樹脂被覆、接地用露出部の形成、導電性金属被膜の被覆形成による接地用露出部との接続を行うことにより、請求項9に記載したSAWデバイスを量産することができる。
請求項11の発明では、ハーフカットに際しては、配線基板の表層の一部を切除して露出させる狙いがあるため、厚肉のカッタを用いたが、最後の切断をダイシングブレードにて行う場合には、配線基板間の境界線を単に切断するだけでよいので、薄肉のダイシングブレードを用いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型弾性表面波デバイスの外観斜視図、及び縦断面図。
【図2】(a)乃至(d)は図1のSAWデバイスの製造工程を説明する図。
【図3】本発明の変形例に係るSAWデバイスの構成を示す縦断面図。
【図4】(a)及び(b)は図3のSAWデバイスの製造方法の一例を示す工程図。
【図5】(a)及び(b)は夫々本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図。
【図6】本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図。
【図7】(a)及び(b)は図6のSAWデバイスの製造方法の一例を示す工程図。
【図8】従来例に係るSAWデバイスの縦断面図。
【図9】(a)及び(b)は図8に示したSAWデバイスを製造する手順を示す工程図。
【符号の説明】
1 SAWデバイス、 2 配線基板、3 絶縁基板、4 外部電極、5 上部電極、6 接続導体、7 接地用環状電極、7a 段差部、10 導体バンプ、15 SAWチップ、16 接続パッド、17 IDT電極、18 圧電基板、20 第1の封止樹脂20、21 第2の封止樹脂、A 近接部、25 配線基板母材、30、31 ダイシングブレード、40 接地用環状電極、45 切断溝部。
Claims (11)
- 絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、を備えた配線基板と、
圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、
前記SAWチップの接続パッドを配線基板の上部電極に前記導体バンプを介して接続した状態において、接地用環状電極とSAWチップとの近接部を気密封止することにより、SAWチップ下面のIDT電極と絶縁基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂と、
前記SAWチップ外面、前記第1の封止樹脂、及び前記接地用環状電極の外面の一部を連続被覆する第2の封止樹脂と、
前記第2の封止樹脂の外面、及び該第2の封止樹脂により被覆されていない前記接地用環状電極の露出部を連続被覆する導電性金属被膜と、
を備えたことを特徴とする表面実装型SAWデバイス。 - 絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、を備えた配線基板と、
圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、
前記SAWチップの接続パッドを配線基板の上部電極に前記導体バンプを介して接続した状態において、前記SAWチップと接地用環状電極との近接部を気密封止しながら、前記SAWチップ外面と接地用環状電極外面とに連続被覆形成されることにより、SAWチップ下面のIDT電極と絶縁基板上面との間に気密空間を形成する導電性金属被膜と、
前記導電性金属被膜の外面に被覆される封止樹脂と、
を備えたことを特徴とする表面実装型SAWデバイス。 - 前記接地用環状電極の内側部分がSAWチップ下方に入り込んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面実装型SAWデバイス。
- 前記接地用環状電極の内周面は、SAWチップの外側面と対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面実装型SAWデバイス。
- 絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、を備えた配線基板と 該上部電極上に導体バンプを介してフリップチップ実装される接続パッド、及びIDT電極を夫々圧電基板の下面に備えたSAWチップと、該SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成するように配置される第1の封止樹脂と、を備えた表面実装型SAWデバイスの製造方法において、
前記接地用環状電極の内側部分の上面と前記SAWチップ下面とが対面近接するように位置決めした上で、前記上部電極と前記SAWチップの接続パッドとを、導体バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、
前記SAWチップと前記接地用環状電極との近接部の隙間を第1の封止樹脂により封止することにより前記気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、
前記SAWチップ、前記第1の封止樹脂、及び前記接地用環状電極の少なくとも一部を、第2の封止樹脂により連続被覆する第2の封止樹脂形成工程と、
前記第2の封止樹脂の外面、前記接地用環状電極の露出部を導電性金属被膜により連続被覆する導電性金属被膜形成工程と、
を備えたことを特徴とする表面実装型SAWデバイスの製造方法。 - 絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の複数の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた複数の上部電極、全ての上部電極を包囲するように絶縁基板上部に配置された接地用環状電極、を備えた配線基板を、複数個シート状に連結した大面積の配線基板母材を用いた、表面実装型SAWデバイスの製造方法において、
前記接地用環状電極の内側部分の上面と前記SAWチップ下面とが対面近接するように位置決めした上で、前記上部電極と前記各SAWチップの接続パッドとを、バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、
前記SAWチップと前記接地用環状電極との近接部の隙間を第1の封止樹脂により封止することにより前記SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、
前記各SAWチップ、各第1の封止樹脂、及び各接地用環状電極の各外面を第2の封止樹脂により被覆する第2の封止樹脂形成工程と、
前記各SAWチップ間の谷間部分をハーフカットすることにより、該谷間に位置する接地用環状電極の一部を露出させる露出部形成工程と、
前記第2の封止樹脂、及び接地用環状電極の各外面を導電性金属被膜により連続被覆する導電性金属被膜形成工程と、
前記各工程を経た配線基板母材を、配線基板個片毎に切断する切断工程と、
を備えたことを特徴とする表面実装型SAWデバイスの製造方法。 - 前記接地用環状電極の内側部分がSAWチップ下方に入り込んでいることを特徴とする請求項5又は6に記載の表面実装型SAWデバイスの製造方法。
- 前記接地用環状電極の内周面は、SAWデバイスの外側面と対向していることを特徴とする請求項5又は6に記載の表面実装型SAWデバイスの製造方法。
- 絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の外部電極、該絶縁基板の上部に設けた上部電極、絶縁基板の側面全周にわたって突設された段差部、及び該段差部上に形成され且つ接地用の外部電極と接続された接地用環状電極、を備えた配線基板と、
圧電基板、該圧電基板下面に夫々形成され前記上部電極上に導体バンプを介して接続される接続パッド、及びIDT電極、を備えたSAWチップと、
前記SAWチップ下面のIDT電極と配線基板上面との間に気密空間を形成するために、SAWチップ裾部と配線基板上面との間に充填される第1の封止樹脂と、
前記SAWチップ外面と前記第1の封止樹脂上面にかけて被覆形成される第2の封止樹脂と、
前記第2の封止樹脂外面、前記第1の封止樹脂外面、及び接地用環状電極にかけて連続被覆形成された導電性金属被膜と、
を備えたことを特徴とする表面実装型SAWデバイス。 - 絶縁基板、該絶縁基板の下部に設けた表面実装用の外部電極、該絶縁基板の上部に夫々設けた上部電極、及び該絶縁基板の肉厚内部に埋設された接地用環状電極から成る配線基板を、複数個シート状に連結した大面積の配線基板母材を用いた、表面実装型SAWデバイスの製造方法であって、
前記上部電極と前記各SAWチップの接続パッドとを、導体バンプを介して接続するフリップチップ実装工程と、
前記SAWチップ裾部と前記配線基板上面との隙間に第1の封止樹脂を充填することにより、SAWチップ下面のIDT電極と配線基板上面との間に気密空間を形成する第1の封止樹脂形成工程と、
前記各SAWチップ、及び各第1の封止樹脂の各外面を第2の封止樹脂により連続被覆する第2の封止樹脂形成工程と、
前記各SAWチップ間の谷間部分をハーフカットすることにより、該谷間に相当する絶縁基板内部に位置する接地用環状電極を露出させる露出部形成工程と、前記第2の封止樹脂、第1の封止樹脂、及び接地用環状電極の各外面を導電性金属被膜により被覆する導電性金属被膜形成工程と、
前記各工程を経た配線基板母材を、配線基板個片毎に切断する切断工程と、
を備えたことを特徴とする表面実装型SAWデバイスの製造方法。 - 前記切断工程において使用するダイシングブレードは、前記露出部形成工程でのハーフカットの際に用いるダイシングブレードよりも肉厚が薄いことを特徴とする請求項6又は10に記載の表面実装型SAWデバイスの製造方法。
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