JP2009138610A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブタイミング調整装置のカム角位相暴れ等の予兆を精度よく検出する内燃機関の制御装置を提供。
【解決手段】カム軸2のカム角位相VTを検出するカム軸側回転角検出装置7、9と、クランク軸112の回転に同期し、かつカム角位相を検出する基準信号として複数のパルス信号を発生する基準信号発生手段とを備える内燃機関の制御装置において、当該検出装置7、9は、カム軸において少なくとも2つのカム角位相信号G1、2を誘起する信号誘起手段116a、bを有し、かつ信号誘起手段が、カム角位相の変動周期の節部、及び節部以外の部位にあたるカム軸に設けられ、当該検出装置7、9の上記カム角位相信号G1、2に基づいて、パルス信号に対する節部及び節部以外の部位でのカム角位相VT、及び当該両カム角位相の差ΔVTを求めるカム角位相情報算出手段と、当該カム角位相差ΔVTに基づいてカム角位相変動を判定する判定手段とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁及び排気弁の少なくとも一方である動弁の開閉タイミング(以下、「バルブタイミング」という。)を調整するバルブタイミング調整装置を設けた内燃機関の制御装置に関する。
従来、クランク軸と共に回転する第一回転体としてのハウジングと、カム軸と共に回転する第二回転体としてのベーンロータとを備えたバルブタイミング調整装置が知られている。この種のバルブタイミング調整装置では、ハウジングのシューとベーンロータのベーンとの間において回転方向に形成した進角室又は遅角室へ作動流体を供給することにより、カム軸をクランク軸に対する進角側又は遅角側へ駆動してバルブタイミングを調整するようにしている(特許文献1等参照)。
こうした構成のバルブタイミング調整装置を備えた内燃機関には、クランク軸に対してカム軸を進角側又は遅角側へ駆動するために、クランク軸の回転角、及びカム軸の回転角を、それぞれ検出するクランク角センサ、及びカム角センサが設けられている。
また、バルブタイミング調整装置においてカム軸には、例えば特許文献2に開示されるように、内燃機関の回転に応じてカム軸を進角させる側又は遅角させる側へ周期的に変動する変動トルクが作用する。ここで変動トルクは、例えばカム軸によって開閉駆動される動弁からのスプリング反力等によって、発生するものである。このような変動トルクがカム軸を通じて伝達されるバルブタイミング調整装置では、当該変動トルクや、進角室及び遅角室への流体供給により発生する回転トルク等、カム軸に作用するトルクがバランスすることによって、クランク軸に対するカム軸の位相(以下、「機関位相」という。)が決まることになる。
特開2000−337178号公報 特開2001−241338号公報
さて、上記内燃機関に搭載されるクランク角センサ及びカム角センサは点火時期制御や燃料噴射時期制御に利用するために設置され、当該制御においてカム角センサの機能が気筒判別を主な目的とするものであるため、カム角センサから出力されるパルス信号は、気筒数に応じたパルス数または特定の気筒に対応したパルスしか出力されないのである。しかも、このカム角センサの上記パルス信号は、気筒の吸気上死点の位置に設定するのが主流であるため、バルブタイミング調整装置により機関位相の調整がなされた場合であっても、吸気上死点近傍の前後範囲内で出力されることになるのである。このように構成される従来技術の内燃機関の制御装置は、バルブタイミング調整装置で調整された機関位相を良好に検出することができるはずである。
しかしながら、発明者らが鋭意研究を行なった結果、以下の問題点を見出した。即ち、点火時期制御や燃料噴射時期制御により内燃機関の機関駆動力が調整されることになるが、その点火または燃料噴射(ガソリン直噴等)による燃焼により駆動力が発生し、気筒単位で回転変動が生じる。そのような回転変動を波形としてみると、カム角センサの上記パルス信号の波形部位は、吸気上死点近傍の前後範囲内にあるため、当該波の節に相当し、回転変動に関係なく、機関位相を常に安定した位相として検出するのである。言い換えると、機関位相の調整異常により機関位相の変動がある場合でも、当該機関位相を、安定した位相と誤認するおそれがある。
また、例えば機関位相の調整異常としては以下のバルブタイミング調整装置の調整状態が考えられる。即ち、特許文献2に開示のように、進角室及び遅角室への流体供給用の電磁スプール弁を制御することによれば、それら双方への流体供給を停止して機関位相を目標位相領域に制限することで、バルブタイミングの実質的な保持が可能となる。しかし、その場合には、変動トルクがピークトルクに達する等して比較的大きくなったときに、進角室又は遅角室が圧縮されて作動流体が流出し、ハウジングに対してベーンロータをばたつかせるおそれがある。こうしたばたつき現象(以下、「カム角位相暴れ」という)は、機関位相を目標位相領域に正しく制限して内燃機関に適したバルブタイミングに調整することを難しくするのみならず、ベーンロータがハウジングと衝突すること(以下、「叩き」という)により打音を生じさせることになるため、望ましくない。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミング調整装置の調整異常を招くおそれのあるカム角位相暴れや叩き等の予兆を精度よく検出する内燃機関の制御装置を提供することにある。
また、別の目的は、バルブタイミング調整装置の調整異常を招くおそれのあるカム角位相暴れや叩き等の予兆を精度よく検出すると共に、内燃機関に適したバルブタイミングの調整と、打音の抑制とを実現可能とする内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至8に記載の発明は、クランク軸から吸気弁及び排気弁の少なくとも一方である動弁を開閉駆動するカム軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、動弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置を備えた内燃機関に用いられ、
カム軸の回転角としてのカム角位相を検出するカム軸側回転角検出装置と、クランク軸の回転角を検出するクランク軸側回転角検出装置が設けられ、クランク軸の回転に同期し、かつカム角位相を検出する基準信号としての所定の単位回転角からなる複数のパルス信号を発生する基準信号発生手段と、を備える内燃機関の制御装置において、
カム軸側回転角検出装置は、カム軸において少なくとも2つのカム角位相信号を誘起する信号誘起手段を有し、かつ2つのカム角位相信号を誘起する信号誘起手段が、カム軸のカム角位相の変動周期において変動周期の節部、及び節部以外の部位にあたるカム軸に設けられており、
カム軸側回転角検出装置において信号誘起手段の節部及び節部以外の部位に対応するカム角位相信号に基づいて、パルス信号に対する節部及び節部以外の部位でのカム角位相、及び節部と節部以外の部位とのカム角位相差を求めるカム角位相情報算出手段と、
カム角位相情報算出手段で算出されたカム角位相差に基づいてカム角位相変動を判定する判定手段と、を備えていることを特徴とする。
かかる発明においては、少なくともカム軸側回転角検出装置及びクランク軸側回転角検出装置を備えた内燃機関の制御装置は、クランク軸側回転角検出装置側のクランク軸の回転に同期して所定の単位回転角からなる複数のパルス信号を発生する基準信号発生手段を利用することによりカム角位相を検出するため、内燃機関の回転変動に関係なく、クランク軸に対するカム軸の回転角位相即ちカム角位相が精度よく検出されることになる。
それに加えて、カム軸側回転角検出装置は、上記カム角位相を安定して検出するためのカム角位相の変動周期における節部となるカム角位相信号(以下、「節部の安定したカム角位相信号」という)、及び上記カム角位相の変動を敢えて検出するための節部以外の部位にあたるカム角位相信号(以下、「節部以外の変動成分を含むカム角位相信号」という)を誘起する信号誘起手段を備え、カム角位相情報算出手段により当該両カム角位相間のカム角位相差を求めると共に、判定手段により当該カム角位相差に基づいてカム角位相変動を判定する構成としている。
このような構成によると、カム角位相差、即ち節部の安定したカム角位相信号と節部以外の変動成分を含むカム角位相信号との間の位相差が求められるので、当該カム角位相差から、カム角位相の変動成分を抽出することができるのである。しかも、当該カム角位相差に基づいてカム角位相変動を判定するので、例えばバルブタイミング調整装置でカム角位相を目標位相に制御する制御時において当該制御によるカム角位相変動への影響(以下、「制御異常の予兆」という)を検出することができるのである。
以上の請求項1に記載の発明によれば、バルブタイミング装置の調整異常を招くおそれのあるカム角位相暴れや叩き等の予兆を精度よく検出することが可能になるのである。
また、請求項2に記載の発明では、カム軸側回転角検出装置は、2つのカム角センサを備え、2つのカム角センサのうちの一方のセンサは、信号誘起手段の節部に対応するカム角位相信号を出力し、2つのカム角センサのうちの他方のセンサは、信号誘起手段の節部以外の部位に対応するカム角位相信号を出力することを特徴とする。
このような構成によると、カム軸側回転角検出装置において、バルブタイミング制御以外の他の制御にも併用する前記信号誘起手段の前記節部に対応するカム角位相信号を出力するカム角センサとは別に、カム角位相変動を検出する他のカム角センサを独立して設置するので、他の制御(点火、燃料噴射制御)のロジックが複雑化するのを回避することができる。
しかも、節部、及び節部以外の部位にあたる各カム角位相信号を、1つのカム角センサによって出力するものではないので、カム角位相差が検出可能な範囲において節部以外の部位を節部に近接させて配置でき、ひいてはカム角位相差を精度よく検出できるのである。
また、請求項3に記載の発明では、判定手段は、制御異常の予兆条件として所定のカム角位相差に相当する境界値が設定され、カム角位相情報算出手段で算出されたカム角位相差と境界値とを比較し、カム角位相変動の異常判定を行なうことを特徴とする。
かかる発明では、カム角位相情報算出手段で算出されたカム角位相差が、制御異常の予兆条件となる所定のカム角位相差に相当する境界値を超える場合には、当該カム角位相差が更に拡大して制御異常に至るおそれがある。
これに対して請求項3に記載の発明によれば、そのような境界値とカム角位相情報算出手段で算出されたカム角位相差を比較してカム角位相変動を判定するので、制御異常に至る前のカム角位相変動において早期に異常か否かを判定することができ、ひいてはカム角位相暴れや叩き等の制御異常(調整異常)を回避することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明によれば、判定手段は、バルブタイミング調整装置によりカム角位相が保持状態に調整される場合において、カム角位相情報算出手段で算出されるカム角位相を繰り返し検出し、当該繰り返し検出されたカム角位相の振幅巾が所定の基準値を越えると判断すると、境界値をより小さい閾値に置き換え、カム角位相変動の異常判定を行なうことを特徴とする。
かかる発明では、バルブタイミング調整装置によりカム角位相が保持状態に調整される場合、即ちバルブタイミング調整装置でカム角位相を目標位相に制御する制御時においては、内燃機関の回転に伴なう動弁の開閉駆動等によりカム軸を進角させる側又は遅角させる側へ周期的に変動する変動トルクに対して、カム角位相を目標位相に制御するのにバルブタイミング調整装置で発生するカム軸を駆動する回転トルクが相対的に小さくなる場合がある。このような場合には、カム角位相暴れや叩き等の制御異常に陥り易い。
これに対して請求項4に記載の発明によれば、バルブタイミング調整装置によりカム角位相が保持状態に調整され、上記制御異常に陥り易い場合において、カム角位相の振幅巾が所定の基準値を越えたと判断されると、境界値をより小さい閾値に置き換え、カム角位相変動の異常判定を行なうので、制御異常(調整異常)を効果的に回避するのが可能となる。
また、請求項5乃至6に記載の発明の如く、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、バルブタイミング調整装置は、クランク軸と共に回転する第一回転体と、カム軸と共に回転し、第一回転体との間において進角室及び遅角室を回転方向に形成する第二回転体であって、進角室又は遅角室へ作動流体が供給されることにより、カム軸をクランク軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する回転トルクを発生する第二回転体と、進角室への作動流体の供給である進角供給及び遅角室への作動流体の供給である遅角供給を制御する供給制御手段であって、クランク軸に対するカム軸のカム角位相を目標位相領域に制限する場合に、カム軸に作用する変動トルクとは逆位相の回転トルクが発生するように進角供給及び遅角供給を交互に繰り返す供給制御手段と、を備えることが好ましい。
このような発明によると、カム角位相(機関位相)を目標位相領域に制限する場合には、進角室への流体供給及び遅角室への流体供給を交互に繰り返して変動トルクと逆位相の回転トルクを発生させることにより、当該回転トルクを変動トルクと対抗させて、第二回転体の第一回転体に対するばたつきを抑制、ひいてはカム角位相暴れや叩きの抑制が図れる。
特に、請求項6に記載の発明によると、判定手段により判定されたカム角位相変動の状態に基づいて目標位相領域内で目標位相を補正する補正手段を備え、補正手段は、カム角位相及びカム角位相変動が目標位相領域内に制限されるまで目標位相を補正する。
これによれば、判定手段により判定されたカム角位相変動の状態に基づいて目標位相領域内で目標位相を補正する補正手段を備えるので、内燃機関の運転状態として、変動トルクの影響を受け易い例えば内燃機関の始動時等の低回転領域にある場合において、目標位相に追従させるカム角位相及びカム角位相変動を目標位相領域内に適正に制限することができる。
請求項7に記載の発明によると、供給制御手段は、変動トルクの変動周期に対して位相を反転させた反転周期の回転トルクを発生するように進角供給及び遅角供給を交互に繰り返す。これによれば、変動トルクの変動周期に対して位相反転させた反転周期の回転トルクは、変動トルクに確実に対抗し得る逆位相のトルクを形成することができる。
請求項8に記載の発明によると、供給制御手段は、内燃機関の回転数と変動トルクの変動周期との間の相関情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された相関情報に基づいて内燃機関の実回転数に応じた変動トルクの変動周期を算出する算出部と、を有する。これによれば、内燃機関の実回転数に応じた変動トルクの変動周期をそれら物理量間の相関情報に基づき正確に算出して、当該変動周期に対する反転周期の回転トルクを適正に生じさせることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1、2は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を備えた内燃機関の制御装置の一例を示しており、図1は制御システム全体、図2はクランク角センサ8、第1カム角センサ7、及び第2カム角センサ9の構造の一例を示している。また、図4、5は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1の一例を示している。
内燃機関101は、4サイクル4気筒エンジンに適用した例を示すものであり、クランク軸112からの駆動力が駆動力伝達部材としてのタイミングチェーン13により各スプロケット114、115を介してカム軸2としての吸気側カム軸及び排気側カム軸に伝達されるようになっている。また、吸気側カム軸2には、油圧制御式であり、吸気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置1が設けられている。
このバルブタイミング調整装置1は、内燃機関101の制御システムで検出した「機関位相」としてのクランク軸112に対するカム軸2の回転角(以下、「カム角位相」という)VTに基づいて、当該検出のカム角位相(実バルブタイミング)VTを「目標位相」としての目標バルブタイミングVTaに調整するものである。
(内燃機関の制御システム)
内燃機関の制御システムは、クランク軸側回転角検出装置8、カム軸側回転角検出装置7、9、制御回路36等から構成されている。
吸気側カム軸2の外周側には、「カム軸側回転角検出装置」としてのカム角センサ(以下、第1カム角センサ)7及びカム角センサ(以下、第2カム角センサ)9が設けられ、また、クランク軸112の外周側には、「クランク軸側回転角検出装置」としてのクランク角センサ8が設けられている。クランク角センサ8は、図2(a)に示すように、クランク軸に固定されたロータと、当該ロータに対向して設けられた出力部とからなる。クランク角センサ8は、図2(a)、図3に示すように、該ロータの外周に所定(本実施例では、10°CA)の間隔で歯112aが設けられ、その一部には歯112aが2個分欠損した欠歯部112bが、3箇所設けられている。
また、第1カム角センサ7は、クランク軸112の回転に対し1/2の比率で回転するカム軸2に固定されたロータ116と、そのロータ116に対向して設けられた出力部とからなる。第1カム角センサ7は、図2(b)、図3に示すように、該ロータ116の外周に2つの歯116aが所定(本実施例では、180°CA)の間隔を置いて配置されており、気筒判別のために当該間隔でカム角信号(以下、「第1カム角信号」という)を出力する周知のセンサ構造のものである。
なお、本実施形態では、上記第1カム角センサ7の構造は、ロータ116の外周に設けられた2つの歯116aにより、図3の如く第1気筒及び第3気筒の特定気筒に対応した第1カム角信号を出力するものであるが、当該間隔ごとに出力、即ち気筒数の歯を設けて各気筒において出力するものであってもよく、気筒に応じて第1カム角信号が出力されるものであればいずれの構造であってもよい。
また、第2カム角センサ9は、第1カム角センサ7と同様に、図2(c)、図3に示すように、該ロータの外周に歯116bが設けられるが、当該歯116bは上記歯116aの一方に対し所定(本実施例では、30°CA)の間隔を置いて設置されており、上記歯116aの当該一方の第1カム角信号とは異なる回転角において、当該一方の第1カム角信号に係わるカム角位相(機関位相)に関連した位相情報を出力する。
これらカム角センサ7、9及びクランク角センサ8の出力信号は、制御回路36に入力され、この制御回路36によって吸気弁の実バルブタイミングが演算されると共に、クランク角センサ20の出力パルスの周波数から内燃機関101の回転数が演算される。また、内燃機関101の運転状態を検出する各種センサ(吸気圧センサ92、水温センサ93、スロットルセンサ94等)の出力信号と、図示しないイグニッションスイッチの出力信号も制御回路36に入力される。
この制御回路36は、これら各種の入力信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御を行うと共に、後述する可変バルブタイミング制御を行い、吸気弁の実バルブタイミング(吸気側カム軸2の実カム角位相)を目標バルブタイミング(目標位相)に一致させるようにバルブタイミング調整装置1の制御部30をフィードバック制御するのである。
以上、内燃機関101の制御システムの概略構成について説明した。以下、クランク軸112に対するカム軸2のカム角位相VT、及びカム角位差ΔVTひいてはカム角位変動を検出する構成を図2、3に基づいて説明する。
まず、図3(a)に示すようにクランク角センサ8は、クランク軸112の回転に伴い所定(本実施例では、10°CA)の間隔の多数のパルスのクランク角信号NEを出力し、クランク角信号は、第1気筒の吸気上死点直前で欠歯信号NEが1つ単発で発生し、第3気筒の吸気上死点直前では欠歯信号が2つ連続して発生するようになっている。なお、単発の欠歯信号を単一欠歯信号SK、また2連続で発生する欠歯信号を連続欠歯信号DKという。
図3(b)に示すクランクカンタCCは、内燃機関101の回転に伴うクランク角度に対応してカウントアップすることによりクランク角度を計数する手段であって、所定の基準クランク角位置(本実施例では、第1気筒の吸気上死点直前の単一欠歯信号SK位置)で初期設定した後は、欠歯信号SK、DKに関係なく、クランク角度を計測し、クランク軸112の所定の回転角(本実施例では、720°CA)に到達したとき、そのカウントアップを終了するものである。なお、図3(b)においては、便宜上、制御回路36の内部で演算されるカウント値を表示している。
図3(c)に示すように第1カム角センサ7は、カム軸2の回転に伴いその回転角位置に応じてH/L異なる論理レベルの第1カム角信号G1を出力するものであり、立ち上がり信号のHレベル信号と、立ち下がり信号のLレベル信号を出力する。第1カム角信号G1のHレベル信号は、気筒(第1気筒、第3気筒)を特定し、気筒判別するために用いられる。
また、第1カム角信号G1のLレベル信号は、第1気筒の吸気上死点、及び第3気筒の吸気上死点位置に相当するカム軸2の回転角位置(以下、「節部回転角位置」という)で出力されるように構成されている。図3(d)に示すカム角信号検出ゲートにより上記Hレベル信号が検出されると、第1カム角信号G1が特定され、そのLレベル信号が出力される節部回転角位置でカム角位相VTが検出される。
ここで、カム角位相VTとは、クランク軸112に対するカム軸2の機関位相、即ちカム軸2の節部回転角位置に相当するLレベル信号と、当該Lレベル信号に近接する直前のクランク信号NEとの位相差(以下、「時間演算位相差」という)に基づいて算出される。機関位相は、当該時間演算位相差と、機関位相の基準となるクランク軸112の回転角から上記直前のクランク信号NEの回転角までの位相とで決定されるが、「機関位相の基準となるクランク軸112の回転角から上記直前のクランク信号NEの回転角までの位相」という大部分の位相部分は機械的なクランク軸112の回転角で規定されるので内燃機関の回転変動に左右されず、時間演算位相差のみで内燃機関の回転変動の影響を受けるのである。このため、検出されるカム角位相VTは、内燃機関の回転変動をほとんど受けずに、正確に検出されるのである。
本実施形態では、更に、図3(f)に示すように第2カム角センサ9は、第2カム角信号G2する。当該第2カム角信号G2は、上記第1カム角信号G1とは異なる回転角(本実施例では、第1気筒の吸気上死点直前のBDTC30°CA)において、第1カム角信号G1に係わるカム角位相(機関位相)VTに関連した位相情報を出力するものである。
なお、ここで、第1気筒側の第1カム角信号G1によるカム角位相と、第3気筒側の第1カム角信号G1によるカム角位相を区別するため、カム角位相VTにおいて第1気筒側のカム角位相、及び第3気筒側のカム角位相を、VT1、VT3とする。
また、第1カム角センサ7の第1カム角信号G1で検出されるカム角位相を、第1カム角位相VTといい、第2カム角センサ9の第2カム角信号G2で検出されるカム角位相を、第2カム角位相VTFという。
以上のように第1カム角センサ7及び第2カム角センサ9において、図3(e)のカム角位相変動に示すように、第1カム角センサ7の第1カム角位相VTは、カム角位相変動の当該位相変動周期ωにおいて、変動周期ωの節部のカム角位相、即ち変動するカム角位相の中心位相(平均カム角位相)である。
また、第2カム角センサ9の第2カム角位相VTFは、変動周期ωの節部以外の部位でのカム角位相、即ちカム角位相変動を含むカム角位相である。
本実施形態では、制御回路36は、上記第1カム角センサ7の第1カム角信号G1及び第2カム角センサ9の第2カム角信号G2に基づいて、第1カム角位相VT及び第2カム角位相VTFと、当該両カム角位相間のカム角位相差ΔVTを求めるカム角位相情報算出手段を備えている。
第1カム角位相VT及び第2カム角位相VTFの算出方法については上述した通りであるので省略する。カム角位相ΔVTの算出方法としては、上記第3気筒側の第1カム角信号G1において第2カム角位相VTFと第1カム角位相VTとの差(VTF−VT)を求める。第1カム角位相VTはカム角位相変動の変動周期ωにおいて安定して検出される節部のカム角位相であり、第2カム角位相VTFはカム角位相変動を含むカム角位相であるため、第2カム角位相VTFと第1カム角位相VTとの差(VTF−VT)を求めることで、カム角位相差ΔVTから、カム角位相VTの変動成分を抽出できるのである。
また、制御回路36は、カム角位相差ΔVTに基づいてカム角位相変動を判定し、カム角位相変動により引き起こされるカム角位相暴れや叩きなどの制御異常(調整異常)の予兆があるか否かを判断する判定手段を更に備えている。
次に、制御回路36のメモリ内に記憶されたプログラムを実行することで得られる制御処理を、以下図9に基づいて説明する。図9において、S(Sはステップ)10〜70の制御処理は上記第1カム角センサ7及び第1カム角センサ9に係わるクランク軸112に対するカム軸2のカム角位相差(機関位相)VT及びカム角位相差変動(機関位相変動)に関する制御処理であり、S80の制御処理は、後述するバルブタイミング調整装置1の制御部30に関する制御処理を示すものである。なお、S80の制御処理は、後述のバルブタイミング調整装置1の制御部30の構成を有するものに限らず、油圧制御式のバルブタイミング調整装置であればいずれのものにも適用できる。
制御回路36は、イグニッションスイッチがオン、即ち制御回路36の電源オン中は、内燃機関101の運転状態を各種センサによって検出して、当該検出した運転状態に応じて適切な目標位相VTaを算出している。
S10では、制御回路36は、内燃機関101のクランク軸112に対するカク軸2のカム角位相VT及びカム角位相差ΔVTを検出する。
S20では、当該検出されたカム角位相差ΔVTに基づいて、カム角位相差ΔVTが境界値ΔVTcを超える値になっているか否かを判定する。ここで、境界値ΔVTcとは、上記カム角位相暴れや叩きなどの制御異常(調整異常)が予見される予兆条件に相当する、カム角位相変動成分を含む所定のカム角位相差のものである。
カム角位相差ΔVTの大きさが境界値ΔVTcを超えると判定される場合には、S60へ移行し、S60では上記制御異常(調整異常)が予見される予兆条件を満足するので、「カム角位相変動が更に大となる予兆状態である」と判断する。
カム角位相差ΔVTの大きさが境界値ΔVTcより小さいと判定される場合には、S30へ移行する。
ここで、上記カム角位相暴れや叩きなどの制御異常(調整異常)は、バルブタイミング調整装置1の制御(調整)条件として目標位相VTaが目標位相領域に制限される場合、即ち目標位相VTaが保持モードにある場合において、カム角位相変動が増大し易く、ひては上記制御異常(調整異常)に陥り易いのである。そこで、S30〜50の制御処理では、このように上記制御異常(調整異常)に陥り易い上記保持モードにおいて、保持モードに対応して更に厳しくした予兆条件で、その制御異常(調整異常)の予兆を検出するものである。
S30では、「目標位相VTaが保持モード」にあるか否かを判定する。目標位相VTaが保持モードにあると判定される場合には、S40へ移行し上記境界値ΔVTCの値を、より小さい閾値ΔVTccに置き換える。なお、上記保持モードであっても、内燃機関101の運転状態が低回転領域である場合は、それ以外の高回転領域の場合と比べて、目標位相VTaに追従するように制御されるカム角位相VTの振幅幅が比較的大きくなるため、「当該繰り返し検出されたカム角位相VTの振幅幅が所定の基準値を越える」という保持モード時境界値変更の制限条件を、上記「目標位相VTaが保持モード」の判定条件に加えることが好ましい。これにより、内燃機関101の高回転領域で保持モードにある場合において、複雑な予兆判定のための上記制御処理の実施を回避でき、ひいてはバルブタイミング制御以外の他の制御(点火制御、燃料噴射制御)における高回転領域での高応答な制御処理と両立できる。
S50では、目標位相VTaの保持モードにおいて、カム角位相差ΔVTの大きさが上記境界値ΔVTc(=ΔVTcc)を超える値になっているか否かを判定する。カム角位相差ΔVTの大きさが境界値ΔVTcを超えると判定される場合には、S60へ移行する。
なお、S30において「目標位相VTaが保持モード」にないと判定される場合、及びS50においてカム角位相差ΔVTの大きさが上記境界値ΔVTc(=ΔVTcc)より小さいと判定される場合においては、S80へ移行する。
S60で「カム角位相変動が更に大となる予兆状態である」と判断されると、S70では、目標位相VTaを補正する。例えば保持モードにおいて、目標位相VTa領域内で目標位相VTaを補正する。そして後述のS80のバルブタイミング制御において、カム角位相VT、及びカム角位相差ΔVTに係わるカム角位相変動が目標位相VTa領域内で制限されるまで上記目標位相VTaを補正する。
以上、上記第1カム角センサ7及び第1カム角センサ9に係わるクランク軸112に対するカム軸2のカム角位相差(機関位相)VT及びカム角位相差変動(機関位相変動)に関する制御処理を説明した。以下、バルブタイミング調整装置1、及びバルブタイミング調整装置1によるバルブタイミング制御であるS80の制御処理の詳細内容を説明する。
(バルブタイミング調整装置)
次に、図4、5に基づいてバルブタイミング調整装置1の構成を説明する。バルブタイミング調整装置1は、作動流体として作動油を用いる油圧制御式であり、内燃機関101のクランク軸112の駆動力をカム軸2へ伝達する駆動力伝達系において油圧駆動される駆動部10、並びに駆動部10への作動油供給を制御する「供給制御手段」としての制御部30を備えている。
(駆動部)
まず、駆動部10について説明する。駆動部10において、「第一回転体」としてのハウジング18は、スプロケット11及びシューハウジング12から構成されている。
シューハウジング12は有底円筒状に形成され、回転方向に略等間隔となる箇所から径方向内側へ突出する仕切部として複数のシュー12a、12b、12cを有している。各シュー12a〜12cの突出側端面は、図5の紙面垂直方向から見て円弧状であり、ベーンロータ14のボス部14aの外周壁面に摺接する。回転方向において隣り合うシュー12a〜12cの間には、それぞれ収容室50が形成される。各収容室50は、対応するシューの側面とシューハウジング12の内周壁面とで囲まれており、図5の紙面垂直方向から見て扇状である。
スプロケット11は円筒状に形成され、シューハウジング12の開口側に同軸上にボルト固定されている。スプロケット11は、タイミングチェーン113を介してクランク軸112と連繋している。これによりハウジング18は、内燃機関の運転によりクランク軸112からスプロケット11へ駆動力が伝達されるときに、クランク軸112と共に回転する。なお、このときハウジング18は、図5の時計方向へ回転する。
「第二回転体」としてのベーンロータ14はハウジング18内に収容されており、ベーンロータ14の軸方向の両端面はスプロケット11の内側面及びシューハウジング12の内底面に摺接する。ベーンロータ14は、円柱状のボス部14aと、ベーン14b、14c、14dとを有している。ボス部14aの外周壁面において各シュー12a〜12cの突出側端面が摺接する部分に設けられた凹部には、シール部材15が嵌合装着されている。
円筒状のブッシュ20は、シューハウジング12の底部の内周側に相対回転可能に挿入された状態で、ボス部14aの一端部に同軸上に嵌合している。ボス部14aは、同軸上のカム軸2に対してブッシュ20と共にボルト固定されている。したがって、カム軸2及びブッシュ20と共にベーンロータ14は、図5の時計方向へ回転する。また、ベーンロータ14は、ハウジング18に対してカム軸2と共に相対回転可能である。なお、図5において、矢印Xは、ハウジング18に対するベーンロータ14の進角側Xへの相対回転方向を表し、また矢印Yは、ハウジング18に対するベーンロータ14の遅角側Yへの相対回転方向を表している。
各ベーン14b〜14dは、ボス部14aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から径方向外側へ突出し、それぞれ対応する収容室50内に収容されている。各ベーン14b〜14dの突出側端面は、図5の紙面垂直方向から見て円弧状に形成され、シューハウジング12の内周壁面に摺接する。各ベーン14b〜14dの突出側端面に設けられた凹部には、シール部材16が嵌合装着されている。
各ベーン14b〜14dは、それぞれ対応する収容室50を回転方向に二分することによって、進角室と遅角室とをハウジング18との間に形成している。具体的には、シュー12aとベーン14bの間に進角室51、シュー12bとベーン14cの間に進角室52、シュー12cとベーン14dの間に進角室53がそれぞれ形成されている。また、シュー12cとベーン14bの間に遅角室55、シュー12aとベーン14cの間に遅角室56、シュー12bとベーン14dの間に遅角室57がそれぞれ形成されている。
したがって、ベーンロータ14がハウジング18に対して進角側Xの最端位置にあるときには、各進角室51〜53の容積が最大となり、各遅角室55〜57の容積が最小となる。一方、ベーンロータ14がハウジング18に対して遅角側Yの最端位置にあるときには、各遅角室55〜57の容積が最大となり、各進角室51〜53の容積が最小となる。
進角室51〜53はそれぞれ、スプロケット11に形成された進角通路61〜63と連通し、それら進角通路61〜63はいずれも、カム軸2に形成された進角通路71と連通している。一方、遅角室55〜57はそれぞれ、ベーンロータ14に形成された遅角通路65〜67と連通し、それら遅角通路65〜67はいずれも、カム軸2に形成された遅角通路72と連通している。
ベーン14bには、ストッパピン26が収容されている。ストッパピン26は、圧縮コイルスプリング28の復原力によりシューハウジング12の底部の嵌合リング27に嵌合することで、ベーンロータ14をハウジング18に対する遅角側Yの最端位置に拘束する。一方、ストッパピン26は、ベーン14bに形成された通路29を通じて遅角室55から供給される作動油の圧力を受けて、嵌合リング27からの離脱位置に軸方向変位することで、ハウジング18に対するベーンロータ14の相対回転を許容する。
(制御部)
次に、制御部30について説明する。制御部30において、進角通路73及び遅角通路74はそれぞれ、カム軸2の進角通路71及び遅角通路72と連通する。
切換制御弁31は、進角通路73、遅角通路74、ポンプ通路75及びドレイン通路76、77と接続されている。ここでポンプ通路75には、流体供給源であるオイルポンプ4が設置されており、オイルポンプ4はポンプ通路75の上流側を通じてオイルタンク5から作動油を汲み上げ、ポンプ通路75の下流側を通じて作動油を切換制御弁31側へと吐出する。なお、本実施形態のオイルポンプ4は、クランク軸112によって駆動される即ち内燃機関101の駆動力を得て回転駆動されるメカポンプである。また、ドレイン通路76、77は、切換制御弁31からオイルタンク5側へ作動油を排出可能に設けられている。
切換制御弁31は、通電により電磁駆動部32が発生する駆動力と、リターンスプリング33が当該駆動力の反対向きに発生する復原力との釣り合いに応じて、スプール34を軸方向移動させる周知構造の電磁スプール弁である。上述の如き通路73〜77の接続形態にある切換制御弁31は、電磁駆動部32に与えられる駆動電流に従ったスプール34の軸方向移動によって、ポンプ通路75及びドレイン通路76、77のうち進角通路73及び遅角通路74にそれぞれ連通する通路を切り換える。
具体的に、電磁駆動部32に与えられる駆動電流が基準値Iよりも小さい値となるときには、図6に示すように進角通路73がポンプ通路75と連通し、オイルポンプ4からの吐出油がポンプ通路75を通じて進角通路73へ供給される。またこのとき、図6に示すように遅角通路74がドレイン通路76と連通し、遅角通路74の作動油がドレイン通路76を通じてオイルタンク5へ排出される。
電磁駆動部32に与えられる駆動電流が基準値Iよりも大きい値となるときには、図7に示すように遅角通路74がポンプ通路75と連通し、オイルポンプ4からの吐出油がポンプ通路75を通じて遅角通路74へ供給される。またこのとき、図7に示すように進角通路73がドレイン通路77と連通し、進角通路73の作動油がドレイン通路77を通じてオイルタンク5へ排出される。
電磁駆動部32に与えられる駆動電流が基準値Iとなるときには、図8に示すように、進角通路73及び遅角通路74と、ポンプ通路75及びドレイン通路76、77との間の連通が遮断される。したがって、オイルポンプ4からの吐出油は進角通路73及び遅角通路74のいずれにも供給されず、また進角通路73及び遅角通路74の作動油は、それら通路73、74に滞留することとなる。
さて、図4に示す制御部30において制御回路36は、メモリ36aを有するマイクロコンピュータからなり、切換制御弁31への通電を制御する機能と共に、内燃機関の運転を制御する機能を備えている。具体的に制御回路36には、切換制御弁31の他、カム角センサ7、9やクランク角センサ8等の複数のセンサが電気接続されている。制御回路36は、クランク軸112に対するカム軸2のカム角位相(機関位相)に関して実位相及び目標位相を各センサの出力に基づき算出し、それら位相の算出結果に応じて切換制御弁31への通電、即ち当該弁31に与える駆動電流を制御する。
以上、バルブタイミング調整装置1の駆動部10及び制御部30について説明した。以下、駆動部10に作用する変動トルクについて説明する。
(変動トルク)
内燃機関の運転時には、カム軸2によって開閉駆動される「動弁」としての吸気弁からの動弁用のスプリング反力に応じて、変動トルクがカム軸2及びベーンロータ14に作用する。ここで図10に例示するように、変動トルクは、クランク軸112に対するカム軸2のカム角位相(機関位相)VTを遅角させる方向の正トルクと、当該カム角位相(機関位相)VTを進角させる方向の負トルクとの間において、周期的に変動するものである。そして、特に本実施形態の変動トルクは、カム軸2とそれを軸受するジャーナル(図示しない)との間のフリクションに起因して、正トルクのピークトルクTc+が負トルクのピークトルクTc−よりも大きくなる傾向を示す。したがって、変動トルクの平均トルク(以下、「平均変動トルク」という。)Tcaは、本実施形態では、正トルクの側である遅角側Yに偏っていると共に、図11に示すように内燃機関101の回転数が高くなるほど増大することとなる。
以上、駆動部10に作用する変動トルクについて説明した。以下、バルブタイミング調整装置1の特徴的作動について説明する。
(特徴的作動)
内燃機関101の停止状態においては、圧縮コイルスプリング28の復原力によって、ストッパピン26が嵌合リング27に嵌合する。かかる停止状態の内燃機関が始動すると、オイルポンプ4が駆動されると共に、制御回路36が切換制御弁31に与える駆動電流を基準値Iよりも大きい値に制御することにより、遅角通路74がポンプ通路75と連通する。すると、オイルポンプ4の吐出油がポンプ通路75及び遅角通路74、72、65〜67を経て、各遅角室55〜57へ供給される。その結果、ストッパピン26は、通路29を通じて遅角室55からの作動油の圧力を受けることになるため、当該油圧が所定値まで上昇することにより、ストッパピン26が圧縮コイルスプリング28の復原力に抗して嵌合リング27から離脱する。したがって、ベーンロータ14がハウジング18に対して相対回転可能な状態となる。
この後、制御回路36は、切換制御弁31への通電を制御することにより、ポンプ通路75及びドレイン通路76、77のうち進角通路73及び遅角通路74と連通する通路を逐次切り換えて、バルブタイミング、即ちカム角位相(機関位相)VTを調整する。以下、バルブタイミング調整のための詳細作動を説明する。
(1)進角作動
まず、バルブタイミングを進角させる場合の作動について説明する。内燃機関101においてアクセルのオフ状態又は出力トルクが必要な低・中速高負荷状態を表す運転条件が成立すると、制御回路36は、切換制御弁31に与える駆動電流を基準値Iよりも小さい値に制御することにより、進角通路73をポンプ通路75と連通させると共に、遅角通路74をドレイン通路76と連通させる。その結果、オイルポンプ4の吐出油がポンプ通路75及び進角通路73、71、61〜63を経て、各進角室51〜53へ供給される。またこのときには、各遅角室55〜57の作動油が遅角通路65〜67、72、74及びドレイン通路76を経て、オイルタンク5へ排出される。これらにより、各進角室51〜53に面するベーン14b〜14dに作動油の圧力が印加され、ハウジング18に対する進角側Xへベーンロータ14を相対回転駆動するように回転トルクTが発生する。その結果、クランク軸112に対するカム軸2のカム角位相(機関位相)VT、ひいてはバルブタイミングが進角することとなる。
(2)遅角作動
次に、バルブタイミングを遅角させる場合の作動について説明する。内燃機関101において軽負荷となる通常運転状態を表す運転条件が成立すると、制御回路36は、切換制御弁31に与える駆動電流を基準値Iよりも大きい値に制御することにより、遅角通路74をポンプ通路75と連通させると共に、進角通路73をドレイン通路77と連通させる。その結果、オイルポンプ4の吐出油がポンプ通路75及び遅角通路74、72、65〜67を経て、各遅角室55〜57へ供給される。またこのときには、各進角室51〜53の作動油が進角通路61〜63、71、73及びドレイン通路77を経て、オイルタンク5へ排出される。これらにより、各遅角室55〜57に面するベーン14b〜14dに作動油の圧力が印加され、ハウジング18に対する遅角側Yへベーンロータ14を相対回転駆動するように回転トルクTが発生する。その結果、クランク軸112に対するカム軸2のカム角位相(機関位相)VT、ひいてはバルブタイミングが遅角することとなる。
(3)保持作動
次に、バルブタイミングを実質的に保持する場合の作動について説明する。アクセルの保持状態等、内燃機関101の運転安定状態を表す運転条件が「制限条件」として成立すると、制御回路36は、繰返供給処理を実行する。
具体的に繰返供給処理では、上記(1)の進角作動と同様に切換制御弁31への駆動電流を制御して作動油を各進角室51〜53へ供給する進角供給と、上記(2)の遅角作動と同様に切換制御弁31への駆動電流を制御して作動油を各遅角室55〜57へ供給する遅角供給とを、図12(b)の如く交互に繰り返す。このとき、クランク軸112に対するカム軸2のカム角位相(機関位相)についてカム角及びクランク角センサ7、8の出力に基づいた実位相P即ちカム角位相VTを算出し、当該実位相Pを所定の目標位相VTa領域ΔPに制限するように切換制御弁31への駆動電流を調整することで、バルブタイミングを実質的に保持する。
ここで、特に本実施形態の繰返供給処理では、内燃機関101の回転数と変動トルクの変動周期ω(図11参照)との間の相関を表す相関情報に基づいて、現在の内燃機関101の実回転数Nに応じた変動周期ωを算出する。そして、図12(a)及び図12(c)の如く、この算出周期ωに対して位相(進角・遅角)を反転させた反転周期の回転トルクTを変動トルクのピークトルクTc+,Tc−よりも小さく発生するように、進角供給及び遅角供給を交互に繰り返すのである。なお、内燃機関101の回転数と変動トルクの変動周期ωとの間の相関情報については、バルブタイミング調整装置1と共に車両に搭載される内燃機関101の仕様に応じて、マップ、テーブル又は演算式等の形態で予め設定されるものであり、「記憶部」としてのメモリ36aに記憶されて、制御回路36において変動周期ωの算出に利用されるようになっている。
ここで、変動トルクの変動周期ωをカム角センサ7、9及びクランク角センサ8の出力から学習し、その学習結果に基づいてメモリ36aを相関情報を随時更新するように構成することが好ましい。本実施形態の第1カム角センサ7及び第1カム角センサ9によりカム角位相差ΔVTに基づいてカム角位相変動の変動周期を算出でき、ひいてはカム角位相変動と相関のある変動トルクの変動周期ωを求めることができるのである。これによれば、内燃機関101及びバルブタイミング調整装置1の個体差、即ち製品ばらつきによる誤差を上記学習により補正できるのである。
このように、変動トルクの変動周期ωに対して反転周期となる回転トルクTを進角供給及び遅角供給の繰り返しにより発生することによれば、変動トルクと確実に対抗する逆位相トルクをベーンロータ14及びカム軸2に作用させることができる。したがって、比較的大きな変動トルクの作用下にあっても、当該変動トルクを回転トルクTにより相殺して各室51〜53、55〜57の容積変動を低減することが可能となるので、図12(d)の如く、カム角位相(機関位相)VTを変動させるようなベーンロータ14のハウジング18に対するばたつきが抑制され得るのである。また、ひいてはハウジング18及びベーンロータ14間の衝突による打音の発生を抑制することが可能となる。
ここで、第1カム角センサ7の歯116a、第1カム角センサ9の及び歯116bは特許請求の範囲に記載の「信号誘起手段」に相当し、クランク角センサ8の歯112a及び欠歯部112bが「基準信号発生手段」に相当する。
また、第1カム角位相信号G1の第3気筒側のLレベル信号は、「節部の安定したカム角位相信号」に相当し、また、第2カム角位相信号G2は「節部以外の変動成分を含むカム角位相信号」に相当する。
以上説明した本実施形態では、カム角センサ7、9は、節部の安定したカム角位相信号、及び節部以外の変動成分を含むカム角位相信号を誘起する信号誘起手段116a、116bを備え、カム角位相情報算出手段により当該両カム角位相VT、VTF間のカム角位相差ΔVTを求めると共に、判定手段により当該カム角位相差ΔVTに基づいてカム角位相変動を判定する構成としている。
このような構成によると、カム角位相差ΔVT、即ち「節部の安定したカム角位相信号」に対応するカム角位相VTと「節部以外の変動成分を含むカム角位相信号」に対応するカム角位相VTFとの間の位相差ΔVTが求められるので、当該カム角位相差ΔVTから、カム角位相VTの変動成分を抽出することができるのである。しかも、当該カム角位相差ΔVTに基づいてカム角位相変動を判定するので、バルブタイミング調整装置1でカム角位相(機関位相)VTを目標位相VTaに制御する制御時において当該制御によるカム角位相変動への影響として、「制御異常の予兆」を検出することができるのである。
以上によれば、バルブタイミング装置1の調整異常を招くおそれのあるカム角位相暴れや叩き等の予兆を精度よく検出することが可能になるのである。
また、以上説明した本実施形態においては、カム角センサ7、9において、バルブタイミング制御以外の他の制御にも併用する信号誘起手段116aの節部に対応するカム角位相信号を出力する第1カム角センサ7とは別に、カム角位相変動を検出する第2カム角センサ9を独立して設置するので、他の制御(点火、燃料噴射制御)のロジックが複雑化するのを回避することができる。
しかも、節部、及び節部以外の部位にあたる各カム角位相信号G1、G2を、1つのカム角センサによって出力するものではないので、カム角位相差ΔVTが検出可能な範囲において節部以外の部位を節部に近接させて配置でき、ひいては回転変動の過度な影響を排除しつつ、制御異常に起因する変動成分を含むカム角位相差ΔVTを精度よく検出できるのである。
また、以上説明した本実施形態では、制御回路36において上記判定手段は、制御異常の予兆条件として所定のカム角位相差に相当する境界値ΔVTcが設定され、カム角位相差ΔVTと境界値ΔVTcとを比較し、カム角位相変動の異常判定を行なう構成とした。
かかる発明では、カム角位相差ΔVTが、制御異常の予兆条件となる境界値ΔVTcを超える場合には、当該カム角位相差ΔVTが更に拡大して制御異常に至るおそれがある。
これに対して上記構成によれば、そのような境界値ΔVTcとカム角位相差ΔVTを比較してカム角位相変動を判定するので、制御異常に至る前のカム角位相変動において早期に異常か否かを判定することができ、ひいてはカム角位相暴れや叩き等の制御異常(調整異常)を回避することが可能となる。
ここで、バルブタイミング調整装置1により目標位相VTaが保持モード、即ちカム角位相VTが保持状態に調整される場合においては、内燃機関101の回転に伴なう動弁の開閉駆動等によりカム軸2を進角させる側又は遅角させる側へ周期的に変動する変動トルクに対して、カム角位相VTを目標位相VTaに制御するのにバルブタイミング調整装置1で発生する回転トルクが相対的に小さくなる場合がある。このような場合には、カム角位相暴れや叩き等の制御異常に陥り易い。
これに対して本実施形態では、バルブタイミング調整装置1により保持モードに調整され、上記制御異常に陥り易い場合において、繰り返し検出されるカム角位相VTの振幅巾が所定の基準値を越えたと判断されると、境界値ΔVTcをより小さい閾値ΔVTccに置き換え、カム角位相変動の異常判定を行なうので、制御異常(調整異常)を効果的に回避するのが可能となる。
また、以上説明した本実施形態では、制御回路36は、判定手段により判定されたカム角位相変動の状態に基づいて目標位相VTa領域内で目標位相VTaを補正する補正手段を備え、補正手段は、カム角位相VT及びカム角位相変動が目標位相VTa領域内に制限されるまで目標位相VTを補正する構成とした。
このように構成することにより、内燃機関101の運転状態として、変動トルクの影響を受け易い例えば内燃機関101の始動時等の低回転領域にある場合において、目標位相VTaに追従させるカム角位相VT及びカム角位相変動を目標位相領域内に適正に制限することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えばカム角センサ7、9において、第1カム角センサ7とは別に第2カム角センサ9を独立して設置すると説明したが、これに限らず、1つのカム角センサによって出力するものであってもよい。
また、以上説明した本実施形態おいて、バルブタイミング調整装置1の制御部30は、目標位相VTaの保持モードにおいて、進角室51、52、53への流体供給及び遅角室55、56、57への流体供給を交互に繰り返して変動トルクと逆位相の回転トルクを発生させることにより、当該回転トルクを変動トルクと対抗させる構成とした。このような構成を有するものに限らず、油圧制御式のバルブタイミング調整装置であればいずれのものにも適用できる。
また、以上説明した本実施形態では、平均変動トルクTcaと反対側へカム軸2を付勢するアシストスプリング等の弾性部材を設けるようにしてもよい。このような弾性部材を設けた場合にあっても、進角供給及び遅角供給の繰り返しによって、ベーンロータ14のばたつきを抑制することが可能となるのである。
また、以上説明した本実施形態では、ハウジング18がクランク軸と共に回転し、ベーンロータ14がカム軸2と共に回転する例を示した。しかし、本発明は、ベーンロータ14がクランク軸と共に回転し、ハウジング18がカム軸2と共に回転するバルブタイミング調整装置にも適用することができる。
また、以上説明した本実施形態では、吸気弁のバルブタイミングを制御するバルブタイミング調整装置に本発明を適用した例を示したが、本発明は、排気弁のバルブタイミングを制御する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用することもできる。
本発明の実施形態による制御システム全体の概略構成を示す構成図である。 図1中のクランク軸側回転角検出装置及びカム軸側回転角検出装置を示す図であって、図2(a)はクランク角センサの構造、図2(b)は第1カム角センサの構造、図2(c)は第2カム角センサの構造を説明する模式図である。 第1カム角センサ及び第2カム角センサによる出力信号と、カム軸の位相波形との関係を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す構成図であって、駆動部に関する部分は図5のIV−IV線断面図である。 図4のV−V線断面図である。 図4の制御部の作動を説明するための模式図である。 図4の制御部の作動を説明するための模式図である。 図4の制御部の作動を説明するための模式図である。 バルブタイミング調整装置によるカム角位相(機関位相)調整ための制御処理を示すフローチャートである。 図4の駆動部に作用する変動トルクについて説明するための模式図である。 図4の駆動部に作用する平均変動トルクについて説明するための模式図である。 図4のバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置
2 カム軸
4 オイルポンプ
5 オイルタンク
7 第1カム角センサ
8 クランク角センサ
9 第2カム角センサ
10 駆動部
12 シューハウジング
12a、12b、12c シュー
14 ベーンロータ(第二回転体)
18 ハウジング(第一回転体)
30 制御部(供給制御手段)
31 切換制御弁
36 制御回路
36a メモリ(記憶部)
50 収容室
51、52、53 進角室
55、56、57 遅角室
61、62、63、71、73 進角通路
65、66、67、72、74 遅角通路
75 ポンプ通路
76、77 ドレイン通路
101 内燃機関
112 クランク軸
112a 歯
112b 欠歯部
113 タイミングチェーン
114、115 スプロケット
116 ロータ
116a 歯
116b 歯
Tca 平均変動トルク
C+、TC− ピークトルク
Tv 回転トルク
X 進角側
Y 遅角側
ω 変動周期

Claims (8)

  1. クランク軸から吸気弁及び排気弁の少なくとも一方である動弁を開閉駆動するカム軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、当該動弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置を備えた内燃機関に用いられ、
    前記カム軸の回転角としてのカム角位相を検出するカム軸側回転角検出装置と、
    前記クランク軸の回転角を検出するクランク軸側回転角検出装置が設けられ、前記クランク軸の回転に同期し、かつ前記カム角位相を検出する基準信号としての所定の単位回転角からなる複数のパルス信号を発生する基準信号発生手段と、
    を備える内燃機関の制御装置において、
    前記カム軸側回転角検出装置は、前記カム軸において少なくとも2つのカム角位相信号を誘起する信号誘起手段を有し、かつ当該2つのカム角位相信号を誘起する前記信号誘起手段が、前記カム軸の前記カム角位相の変動周期において当該変動周期の節部、及び前記節部以外の部位にあたる前記カム軸に設けられており、
    前記カム軸側回転角検出装置において前記信号誘起手段の前記節部及び前記節部以外の部位に対応するカム角位相信号に基づいて、前記パルス信号に対する前記節部及び前記節部以外の部位でのカム角位相、及び当該両カム角位相間のカム角位相差を求めるカム角位相情報算出手段と、
    前記カム角位相情報算出手段で算出された前記カム角位相差に基づいてカム角位相変動を判定する判定手段と、
    を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記カム軸側回転角検出装置は、2つのカム角センサを備え、
    前記2つのカム角センサのうちの一方のセンサは、前記信号誘起手段の前記節部に対応するカム角位相信号を出力し、
    前記2つのカム角センサのうちの他方のセンサは、前記信号誘起手段の前記節部以外の部位に対応するカム角位相信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記判定手段は、
    制御異常の予兆条件として所定のカム角位相差に相当する境界値が設定され、
    前記カム角位相情報算出手段で算出された前記カム角位相差と前記境界値とを比較し、カム角位相変動の異常判定を行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記バルブタイミング調整装置により前記カム角位相が保持状態に調整される場合において、
    前記カム角位相情報算出手段で算出される前記カム角位相を繰り返し検出し、当該繰り返し検出されたカム角位相の振幅巾が所定の基準値を越えると判断すると、前記境界値をより小さい閾値に置き換え、カム角位相変動の異常判定を行なうことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記バルブタイミング調整装置は、
    前記クランク軸と共に回転する第一回転体と、
    前記カム軸と共に回転し、前記第一回転体との間において進角室及び遅角室を回転方向に形成する第二回転体であって、前記進角室又は前記遅角室へ作動流体が供給されることにより、前記カム軸を前記クランク軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する回転トルクを発生する第二回転体と、
    前記進角室への作動流体の供給である進角供給及び前記遅角室への作動流体の供給である遅角供給を制御する供給制御手段であって、前記クランク軸に対する前記カム軸の前記カム角位相を目標位相領域に制限する場合に、前記カム軸に作用する変動トルクとは逆位相の前記回転トルクが発生するように前記進角供給及び前記遅角供給を交互に繰り返す供給制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 前記判定手段により判定されたカム角位相変動の状態に基づいて前記目標位相領域内で前記目標位相を補正する補正手段を備え、
    前記補正手段は、前記カム角位相及び前記カム角位相変動が前記目標位相領域内に制限されるまで前記目標位相を補正することを特徴とする請求項5に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記供給制御手段は、前記変動トルクの変動周期に対して位相を反転させた反転周期の前記回転トルクを発生するように前記進角供給及び前記遅角供給を交互に繰り返すことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記供給制御手段は、
    前記内燃機関の回転数と前記変動トルクの変動周期との間の相関情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記相関情報に基づいて前記内燃機関の実回転数に応じた前記変動周期を算出する算出部と、
    を有することを特徴とする請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
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