以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図11は、本発明の第1の実施形態に係る現像剤搬送装置及び画像形成装置を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンタを示す構成図である。また、図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複写機を示す構成図である。
図1及び図2において、1はタンデム型のデジタルカラープリンタ及び複写機の本体を示すものであり、デジタルカラー複写機の場合には、図2に示すように、本体1の上部に、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとしてIPS(Image Processing System)12に送られ、このIPS12では、原稿2の反射率データに対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。また、IPS12は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行なうようになっている。
そして、上記の如くIPS12で所定の画像処理が施された画像データは、同じくIPS12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の原稿再現色材階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13KのROS(Raser Output Scanner)14に送られ、この画像露光装置としてのROS14では、所定の色の原稿再現色材階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。
ところで、上記タンデム型のデジタルカラープリンタ及び複写機本体(画像形成装置)1の内部には、図1及び図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、すべて同様に構成されており、大別して、所定の速度で回転駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置としてのROS14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナー(現像剤)で現像する現像装置17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。
上記ROS14は、図1及び図2に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の原稿再現色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。尚、上記ROS14は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成しても勿論よい。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないf−θレンズを介して回転多面鏡19に照射され、この回転多面鏡19によって偏向走査される。上記回転多面鏡19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない複数枚の反射ミラーを介して感光体ドラム15上に、斜め下方から走査露光される。
上記ROS14は、図1に示すように、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するものであるため、このROS14には、上方に位置する4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像装置17などからトナー等が落下して、汚損される虞れを有している。そのため、ROS14は、その周囲が直方体状のフレーム20によって密閉されているとともに、当該フレーム20の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に露光するため、シールド部材としての透明なガラス製のウインドウ21Y、21M、21C、21Kが設けられている。そして、これらのガラス製のウインドウ21Y、21M、21C、21Kは、画像露光装置としてのROS14のレーザ光LBに沿った光路上において、最も上方に位置する部材となっている。
上記IPS12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通して設けられたROS14に、各色の画像データが順次出力され、このROS14から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像装置17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像(現像剤像)として現像される。
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって配置された中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26によって多重に転写される。この中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、バックアップロール28との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動されるドライブロール27により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するPET等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、バックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力及び静電気力で転写用紙30上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された転写用紙30は、上方に位置する定着器31へと搬送される。上記二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される転写用紙30上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。そして、上記各色のトナー像が転写された転写用紙30は、定着器31によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール32によって本体1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
上記転写用紙30は、図1及び図2に示すように、給紙カセット34から所定のサイズのものが、給紙ローラ35及び用紙分離搬送用のローラ対36により用紙搬送路37を介して、レジストロール38まで一旦搬送され、停止される。上記給紙カセット34から供給された転写用紙30は、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト35の二次転写位置へ送出される。
尚、上記デジタルカラープリンタ及び複写機において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された転写用紙30を、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット40では、搬送径路41に沿って設けられた図示しない搬送用のローラ対により、転写用紙30の表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送され、今度は、当該転写用紙30の裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。
図1及び図2中、44Y、44M、44C、44Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置17に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジ(現像剤収容体)をそれぞれ示している。
図3は、上記デジタルカラープリンタ及び複写機の各画像形成ユニットを示す構成図である。
上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図3に示すように、すべてが同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、上述したように、感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、ROS14から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBが走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から、所定の傾斜角度αで露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像装置17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール26の帯電によって中間転写ベルト25上に順次多重に転写される。
尚、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、クリーニングブレード42を備えており、このクリーニングブレード42によって、感光体ドラム15上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、図1及び図2に示すように、クリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置43は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えており、これらのクリーニングブラシ43a及びブレード42によって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
図4は、本発明の実施形態に係る現像剤搬送装置を示す斜視図である。図5は、図4の現像剤搬送装置のトナーカートリッジ等を取り外した状態を示す斜視図である。図6は、図4の現像剤搬送装置を示す正面図である。図7は、現像剤搬送装置の一部(現像剤搬送部材と開閉装置)を示す斜視図である。
現像剤搬送装置50は、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kの各トナーカートリッジに対応して設けられ、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kをデジタルカラープリンタ及び複写機本体1の正面から背面方向に案内して保持する案内部52Y、52M、52C、52Kから構成されている保持部材54、及びトナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kの各トナーカートリッジに対応して設けられ、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kに収容されているトナーを現像装置17に搬送する現像剤搬送部材56Y、56M、56C、56Kから構成されている。
尚、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kは、両端が閉塞された細長円筒状に形成され、内部には、トナーが収容されていると共にトナーを搬送する搬送部材が設けられている。
また、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kには、案内部52Y、52M、52C、52Kの所定位置に位置決めされた際に開口する開口部が円筒面上の後端部に設けられている。
尚、デジタルカラープリンタ及び複写機本体1には、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kの内部に設けられている搬送部材を駆動する駆動源45が設けられている。
案内部52Y、52M、52C、52Kは、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kをデジタルカラープリンタ及び複写機本体1の正面側から背面側にむかう方向に案内して保持するように正面視でU字状に形成されている。
本実施の形態の保持部材54の案内部52Y、52M、52Cは、樹脂材料にて一体的に形成され、そのうち案内部52Kは、案内部52Y、52M、52Cに対して図示しない着脱機構によって着脱可能に形成されている。ここで案内部52Kを着脱可能な形態を示したが、案内部52Kのみに限らず他のいずれか一色に対応する案内部が着脱可能であってもよく、また全ての案内部が一体的に形成される形態でも構わない。
案内部52Y、52M、52C、52Kには、各案内部のトナーカートリッジが装着される側の面の背面に案内部の長手方向に沿って現像剤搬送部材56Y、56M、56C、56Kが設けられている。
現像剤搬送部材56Y、56M、56C、56Kには、トナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kの装置背面側の対応する位置に設けられている開口部から落下するトナーを受け入れる受け入れ部57が設けられ、この受け入れ部57に落下してきたトナーをデジタルカラープリンタ及び複写機本体1の背面側から正面側にむかう方向に搬送する第1搬送体(第一搬送部)58Y、58M、58C、58Kが設けられている。
第1搬送体58Y、58M、58C、58Kは、両端が閉塞された細長円筒状に形成され、内部には、トナーを搬送する第1搬送部材が設けられている。
尚、デジタルカラープリンタ及び複写機本体1には、第1搬送体58Y、58M、58C、58Kの内部に設けられている第1搬送部材を駆動する駆動源が設けられている。
現像剤搬送部材56M、56C、56Kの第1搬送体58M、58C、58Kには、各現像剤搬送部材に対応して第1搬送体58M、58C、58Kの内部に設けられている第1搬送部材の駆動力の方向を正面視で左方向に変換する伝達機構60M、60C、60Kが先端部に設けられている。
また、現像剤搬送部材56M、56C、56Kには、各現像剤搬送部材に対応して第1搬送体58M、58C、58Kの先端部に連結してトナーを正面視で左方向に搬送する第2搬送体(第二搬送部の一部)62M、62C、62Kが設けられている。
第2搬送体62M、62C、62Kは、その左端部が閉塞された細長円筒状に形成され、内部には、伝達機構60M、60C、60Kに連結して駆動されることによりトナーを搬送する第2搬送部材が設けられている。
また、現像剤搬送部材56M、56C、56Kには、各現像剤搬送部材に対応して第2搬送体62M、62C、62Kの左端部に連結してトナーを下方に搬送する第3搬送体(第二搬送部の一部)64M、64C、64Kが設けられている。
第3搬送体64M、64C、64Kは、細長円筒状に形成され、内部には、第2搬送部材の左端部に連結して駆動されることによりトナーを搬送する第3搬送部材が設けられている。
現像剤搬送部材56Yには、第1搬送体58Yの先端部に連結してトナーを下方に搬送する第3搬送体64Yが設けられている。
第3搬送体64Yは、細長円筒状に形成され、内部には、第1搬送部材の先端部に連結してトナーを搬送する第3搬送部材が設けられている。
第3搬送体64Y、64M、64C、64Kの下端部には、各第3搬送体に対応して第3搬送体64Y、64M、64C、64Kの下端の開口を開閉する開閉装置66Y、66M、66C、66Kが設けられている。
図8は、本発明の実施形態に係る現像剤搬送装置の開閉装置を示す斜視図である。図9は、図8のQ1−Q1線に沿う縦断面図である。図10は、図9の開閉装置の一部を示す拡大図である。図11は、図10のQ2−Q2線に沿う部分を示す平面図である。
図8〜11は、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を開けているときの開閉装置66の状態を示している。
開閉装置66(Y,M,C,K)は、図8、図9等に示すように、現像装置17(Y,M,C,K)にそれぞれ連結する開閉装置本体68、現像剤搬送部材56(Y,M,C,K)の第3搬送体64における現像装置17側の端部にそれぞれ連結する開閉装置連結部70、開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間に設けられ開閉装置本体68と開閉装置連結部70との隙間を密閉する密閉部材72、開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間に設けられ現像剤搬送部材56の第3搬送体64から現像装置17にトナーを搬送する開口を開閉する開閉部材(シャッター)74、及び、密閉部材72と開閉部材74との間に設けられ開閉部材74から密閉部材72を保護する保護部材76から構成されている。
開閉装置本体68は、上面視で矩形状に形成された形状の構造体であり、その中央部68aにトナーを現像装置17に搬送する円状の本体開口69aからなる本体貫通部69が設けられている。
開閉装置本体68の中央部68aの両側端部68bは、現像装置17と連結可能な形状に形成されている(図4参照)。
開閉装置本体68の中央部68aの上面と開閉装置連結部70の下面との間には、後述する開閉部材74が挿入される挿入空間77と、その開閉部材74の左右突出部75が水平方向に移動可能な溝77aが形成されている。そしてこの溝77aの外側には後述する規制突起84が突き当たる突き当て部83が開閉装置本体68に形成されている。
開閉装置連結部70は、上面視で矩形状に形成された形状の構造体であり、その中央部70aの上面側には、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端部と連結する円筒状に形成された円筒突出部71が設けられている。円筒突出部71には、トナーを現像装置17に搬送する円状の開口73aからなる連結部貫通部73が設けられている。連結部貫通部73の下部側の開口73aは、本体貫通部69の本体開口69とその開口縁を合せるように間隔を開けて対向する連通口90として形成されている。
円筒突出部71の外周面には、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端部と連結を良好にする上面が斜面となる断面直角三角形状の外周突出部71aが設けられている。
そして開閉装置連結部70の中央部70aの円筒突出部71を除く上面部分のうち開閉部材74が取り付けられる側には、円筒突出部71と同じ方向に向けて突出する2つの引掛部80が形成されている。この引掛部80によって、後述する保護部材76の先端突出部が湾曲部81から上方に向けて撓むように支持されて開閉装置本体68の上面と保護部材76との間に隙間(案内誘導空間)Sを形成している。
密閉部材72は、断面矩形状の本体開口69の開口縁(開口の周囲部分)を覆うように円環状に形成され、例えば、発泡ウレタン等の素材から成形されている。
密閉部材72は、圧縮された状態で本体開口69と連結部開口73との間に設けられ、圧縮された密閉部材72の反発力の作用で本体開口69aの周囲部分と連結部開口73aの周囲部分との間に形成される隙間を密閉する。
尚、密閉部材72は、その上面部が開閉装置連結部70の(連結部貫通部73の下部側の開口73aの周囲部分の)下面に接着されている。一方、密閉部材72の下面部は、開閉装置本体68の本体開口69aの周囲部分の上面に対して接着されていない。
開閉部材74は、長方形の板状に形成されたものである。その先端側の部分は、先端に近づくにつれて薄くなるように上面から下面に向けて傾斜した先端傾斜面部74aとして形成されている。
開閉部材74は、その先端部の左右両側部分に、開閉装置本体68の上面と開閉装置連結部70の下面との間に形成された挿入空間77に沿う溝77aに挿入されて、この溝77aに案内されながら移動する左右突出部75が設けられている。
開閉部材74の後端部には、開閉部材74を開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間(挿入空間77)に挿入してトナーを現像装置17に搬送する円状の開口(連通口90)を閉じる際に把持する上面から突出した把持部82が設けられている。
また、開閉部材74の把持部82から少し先端部側に位置する両側面には、左右突出部75と同じ方向に突出する規制突起84が設けられている。この規制突起84は、開閉部材74が連結部貫通部73の連通口90を閉じるために挿入空間77内に対して水平方向に移動した場合に、開閉装置本体68に設けられた突き当て部83と干渉して開閉部材74がそれ以上押し込まれるのを防止する。
図8及び図9に示す開閉装置66は、連通口90が開閉部材74で遮断されずに連通しているときの状態を示している。この際、開閉部材74は、挿入空間77の内部から引き出された後、溝77aに挿入された左右突出部75を回転中心として下方に回動し、開閉部材74の長手方向が円筒突出部71に沿う方向すなわち紙面上下方向に向いて吊り下げられた状態に保持される。そして、連通口90を閉じる際には、開閉部材74は、把持部82を把持して左右突出部75を中心にして回動させられて、水平方向を向くような状態になるまで持ち上げられ、挿入空間77に挿入できる状態に保持される。
保護部材76は、図9〜図12等に示すように矩形薄板状に形成され、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の素材から成形されている。
そして、保護部材76は、図12等に示すように、その前記連結部開口73a(90)と対向する部分に、その開口73aの内径に対応した大きさの孔部76aが形成されている。また、保護部材76は、その孔部76aが存在する後方側端部76bに、開閉装置本体68の中央部68aの上面に突出して形成される突出部68cの一部に差し入れて水平方向の位置を保持する保持孔76cが設けられた突出端部76dを形成している。また、保護部材76は、その孔部76aをはさんで後方側端部76bとは反対側の部分に、切り欠き部76eと切り欠き孔76fとが形成された湾曲部81を有している。さらに、保護部材76は、その湾曲部81と連続する前側端部76gの左右側部に、突出する左右突出部76hを形成している。
保護部材76の孔部76aが形成された部分は、図10、11等に示すように、密閉部材72(の下面部)と開閉装置本体68の開口69aの周囲部分との間に存在するように配置されている。
保護部材76は、その後方端部76bが、突出端部76dの保持孔76cを開閉装置本体68の中央部68a上面にある突出部68cの一部に差し入れることにより水平方向に対してずれないように保持されている。また、保護部材76は、その前側端部76gが、開閉装置本体68の中央部68aの上面から上方に向けて撓むように湾曲部81を開閉装置連結部70の中央部70aの下面に接触させた状態で支持されると共に、その前側端部76gにある左右突出部76cを開閉装置連結部70の引掛部80に引掛けている。
図13は、本発明の実施形態に係る現像剤搬送装置50の開閉装置66の開閉動作途中の状態を示す斜視図である。図14は、図13の縦断面図である。図15は、図14の一部拡大断面図である。
図13〜図15は、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を閉じる過程にあるときの開閉装置66の状態を示している。
開閉装置66は、開閉部材74を開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間の挿入空間77内に挿入してトナーを現像装置17に搬送する連通口90を閉じる際に、開閉部材74の長手方向が水平方向となるように移動させる。
この開閉部材74が水平方向に移動されるように挿入される際、開閉部材74の先端部の傾斜面部74aが、開閉装置本体68の上面と保護部材76との間の隙間(案内誘導空間)Sに導入される。このとき開閉部材74は、開閉装置本体68の上面に案内される状態で進入するとともにその傾斜面部74aが保護部材76の下面側に潜りこんだ状態で進入する。これにより、保護部材76は、密閉部材72により開閉装置本体68の上面の側(下方)に押し付けられた状態あるが、開閉部材74の挿入により上方に持ち上げられる状態になる。
一方、保護部材76は、その孔部76aの周囲部分となる上面部分が、開閉装置本体68の下面に貼り付けられた密閉部材72により開閉装置本体68の上面の側(下方)に押された状態にある。このため、保護部材76は、その保護部材76を上方に持ち上げるように進入する開閉部材74を、圧縮された状態で配置されることに伴って発生する密閉部材72の反発力の作用により開閉装置本体68の上面に押し付けるように案内する。
図16は、本発明の実施形態に係る現像剤搬送装置50の開閉装置66の閉じ状態を示す斜視図である。図17は、図16の縦断面図である。
図16は、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を閉じている開閉装置66の状態を示している。
開閉部材74の挿入により連通口90を閉じる際には、開閉部材74の長手方向が水平方向となるように移動して規制突起84が開閉装置本体68の突き当て部83に突き当たって停止することで、連通口90を閉じる。すなわち、停止するまで挿入された開閉部材74の一部が、開閉装置本体6と開閉装置連結部70の各貫通部69,73の対向する開口69a,73aどうしの間に介在し、これにより、その開口69a,73aどうしの間を遮断した状態にする。
保護部材76は、開閉部材74を開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間の挿入空間77内に挿入して連通口90を閉じる際に、保護部材76が開閉部材74と密閉部材72との間に介在する。これにより、保護部材76は、開閉部材74が密閉部材72に接触することを防止して、密閉部材72が開閉部材74との接触により開閉装置連結部70の下面から剥がれたり、密閉部材72が千切れて破損したりすることを防止する。
密閉部材76は、開閉部材74を開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間に挿入してトナーを現像装置17に搬送する円状の開口69を閉じる際に、その挿入される開閉部材74で持ち上がれる状態になる保護部材76を介して圧縮された状態となり、この圧縮により発生する密閉部材72の反発力の作用で開閉部材74と開閉装置連結部70との隙間を密閉する。
[第2の実施形態]
図18〜図22は、本発明の第2の実施形態に係る現像剤搬送装置及びそれを備える画像形成装置における開閉装置を示す図である。図18はその開閉装置を有する現像剤搬送装置において現像剤搬送部材の内部からトナーを吸引して除去する清掃作業を行うときの状態を示す説明図、図19はその開閉装置の斜視図、図20は図19のQ1−Q1線に沿う断面図、図21はその開閉装置における開閉部材の2つの状態を示す斜視図、図22は図21の開閉部材を分解した状態を示す上面図及び側面図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置1及び現像剤搬送装置50では、その製造過程等の検査作業時に、現像剤搬送装置50の保持部材54にトナーカートリッジ44を装着して現像剤搬送部材56の内部にトナーを存在させた状態にしてから行う検査工程が存在する。そして、その検査作業が終了した後は、画像形成装置1及び現像剤搬送装置50は、トナーカートリッジ44を取り外した状態にしてから出荷等の搬送が行われる。
しかし、その出荷等の搬送を行う前に、現像剤搬送部材56の内部に残存するトナーを除去する必要がある。このトナーの除去方法としては、その現像剤搬送部材56を未使用品と交換する方法もあるが、工数が増えてしまう等のデメリットがあるため、現像剤搬送部材56の内部に残存するトナーを吸引して除去する清掃作業を行う方法を採用することがある。
この清掃作業は、図18に示すように、現像剤搬送装置50の保持部材54に例えばトナーカートリッジ44と同じ外観形状の清掃用カートリッジ49を装着し、その清掃用カートリッジ49を吸引掃除機200に接続する。清掃用カートリッジ49は、中空構造の構造体であり、トナーの排出用に使用する開口部を保持部材54のトナー受け入れ部57に対向させた状態で装着するとともに、その装着挿入手前側の側面に形成した開口部49aに掃除機200と接続する接続ホース202が取り付けられて使用するものである。
一方、この清掃作業は、掃除機200の吸引力を、清掃用カートリッジ49を介して現像剤搬送部材56の内部に及ばせてトナーを吸引することで行うものであるが、その吸引力が現像剤搬送部材56の先に接続されている現像装置17の装置内にも及んでしまうため、その作業時には吸引力を現像装置17に及ばせないようにする観点から開閉装置66を閉じた状態にする必要がある。
ところが、開閉装置66を閉じた状態で清掃作業を行った場合は、現像剤搬送部材56の内部が密閉状態に近いため清掃装置200の吸引力がその内部に十分に発生せず、トナーを十分に吸引できないことがある。この対策として、現像剤搬送部材56を現像装置17から取り外した状態で清掃作業を行うことも考えられるが、その場合は、その取り外し作業のための工数が増えるというデメリットがある。
そこで、この実施形態では、その清掃作業を良好に行うために適した開閉装置を備えた現像剤搬送装置50及びそれを用いた画像形成装置の構成例について例示する。
この実施形態における開閉装置66Aは、図19〜図22に示すように、吸気用の開口部を設けた開閉部材74Aを適用して変更した以外は第1の実施形態に係る現像剤搬送装置及び画像形成装置における開閉装置66と同じ構成からなるものである。この開閉装置66Aでは、開閉部材74Aとして、図21、図22等に示すように、外装体91と、外装体91の内部に出し入れ自在に装着される差込体92とで構成される二重構造のものを適用している。
外装体91は、その長手方向に対して差込体92が差し込まれて収容される収容空間部93が形成されている。外装体91の挿入先端部側の上面には、開閉装置連結部70の連結部開口73a(連通口90)と対向する部分に上面開口94が収容空間部93とつながった状態で形成されている。上面開口94は、開口13aと同じ形状で形成するほか、開口13aよりも小さい開口面積で形成することも可能である。また、外装体91の挿入先端部側の左右両側面には、収容空間部93とつながった状態の側面開口95が形成されている。
差込体92は、外装体91の収容空間部93の内部全体を埋める状態で差し込まれる形状の差込み部分を有している。また、差込体92の挿し込み後端部の上面には、差込体92の出し入れをする際に把持する把持部96が設けられている。この把持部96は、差込体92を外装体91に差し込んで収容した際に、外装体91の把持部82の手前に形成された収容切欠き部91aに収容される。
開閉部材74Aは、差込体92を外装体91の収容空間部93の終端部まで差し込むことで一体化された状態なる(図21の右部)。このとき開閉部材74Aは、外装体91の上面開口94と側面開口95が差込体92の存在により塞がれて閉じた状態になる(図24参照)。また、開閉部材74Aは、差込体92を外装体91の収容空間部93において上面開口94及び側面開口95と対峙しない位置まで引き出して移動させた場合には、上面開口94と側面開口95が収容空間部93を介してつながった状態になる(図26参照)。つまり、上面開口94、収容空間部93及び側面開口95によって通気路100が形成される。
この開閉装置66Aは、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を開けた状態にするときには、図18及び図19に示すように、差込体92を外装体91の収容空間部93に差し込んで一体化された状態の開閉部材74Aを、開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間の挿入空間77の内部から引き出して吊り下げた状態にする。
これにより、開閉装置連結部70の連通口90が開閉部材74Aで遮断されずに連通した状態に保たれる結果、第3搬送体64における下端の開口が開けられた状態になる。
また、この開閉装置66Aは、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を閉じる状態にするときには、図22及び図23に示すように、差込体92を外装体91の収容空間部93に差し込んで一体化された状態の開閉部材74Aを、開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間の挿入空間77の内部に挿し入れ、外装体91の規制突起84が開閉装置本体68の突き当て部83に突き当たって停止するまで挿入する。図22は開閉装置の斜視図、図23の上部は図22のQ1−Q1線に沿う断面図、図23の下部はその上部のQ3−Q3線に沿う断面図である。
これにより、開閉装置連結部70の連通口90が開閉部材74Aで遮断されて閉じた状態に保たれる結果、第3搬送体64における下端の開口が閉じられた状態になる。つまり、開閉部材74Aは、前記したように外装体91の上面開口94と側面開口95が差込体92の存在により塞がれて閉じた状態になることにより、連通口90を遮断した状態にする。また、開閉装置66Aにおける保護部材76は、開閉部材74Aを挿入空間77の内部に挿入して連通口90を閉じる際に、第1の実施形態の場合と同様に、開閉部材74Aと密閉部材72との間に介在する。
そして、この開閉装置66Aは、前記した製造過程等における検査作業を行った後の清掃作業を行うときには、図24及び図25に示すように、挿入空間77の内部に挿入した状態にある開閉部材74Aの差込体92を外装体91の収容空間部93から上面開口94及び側面開口95と対峙しない位置まで引き出した状態にする。図24は開閉装置の斜視図、図25の上部は図24のQ1−Q1線に沿う断面図、図25の下部はその上部のQ3−Q3線に沿う断面図である。
これにより、開閉装置連結部70の連通口90が開閉部材74Aの外装部91の下面部で遮断されて閉じた状態に保たれる一方で、その外装体91の上面開口94が開閉装置装着部70の連結開口部73aと対向した状態においてその上面開口94と側面開口95が前記したように収容空間部93を介してつながって通気路100を形成した状態になる(図26の上部)。
また、開閉装置66Aにおいては、保護部材67の突出部76dが取り付けられる開閉装置本体68の突出部68cに外部と通じる第1の隙間202が存在するとともに、開閉装置本体68の突き当て部83の裏側に外部と通じる第2の隙間203が存在し、その2つの隙間202,203がいずれも開閉部材74Aが挿入される挿入空間77とつながった状態にある。2つの隙間202,203は、密閉部材72の外側に位置しており、外部の空気を取り入れることが可能な空気取り入れ口として機能する。また、開閉部材74Aは、挿入空間77内に挿入した際、外装体91の挿入先端部の面が、開閉装置本体68の突出部68cと接触せずに間隔をあけた状態で停止するように設定される。
この結果、開閉装置66Aは、空気取り入れ口としての2つの隙間202,203から挿入空間77を通して開閉部材74Aの通気路100(側面開口95から連結開口部73aを通して上面開口94に通じる空間)とつながった状態になる。
このような状態にある開閉装置66Aが接続された現像剤搬送部材56(第3搬送部材64)の内部には、清掃作業時に掃除機200を作動させて吸引を行い始めると、以下のようにして外部の空気(E)が取り入れられる。すなわち、開閉装置66Aにおいては、図26に矢付き点線で示すように、外部の空気(E)が、まず2つの隙間202,203から取り入れられて、挿入空間77の開閉部材74Aとの間の隙間を通して開閉部材74Aにおける外装体91の側面開口95、連結開口部73a及び上面開口94で構成される通気路100に導入された後、最後に、その上面開口94から開閉装置装着部70の貫通部73を通して現像剤搬送部材56(第3搬送体64)に送られる。
これにより、現像剤搬送部材56では、図18(図7)に示すように、開閉装置66A側から取り入れられた外部の空気(E)が、その第3搬送体64、第2搬送体62、第1搬送体58の順で内部を通過して送られた後、保持部材54のトナー受け入れ部57を通して清掃用カートリッジ49内に送られ、最後に接続ホース202を介して掃除機200に至る。このように掃除機200を使用した清掃作業時を行う際に、現像剤搬送部材56の内部に開閉装置66Aを介して外部の空気(E)が取り入れられるため、清掃装置200の吸引力が現像剤搬送部材56の内部で十分に発生し、その内部に残存するトナーが十分に吸引されて除去される。
この清掃作業時には、現像剤搬送部材56を現像装置17から取り外す必要がない。また、この清掃作業が終了した後は、開閉装置66Aにおける差込体92を外装体91の収容空間部93の奥まで押し込んで通気路100を閉じた状態にし、また前記清掃用カートリッジ49を保持部材54から取り外す。
なお、この開閉装置66Aにおいては、上記開閉部材74Aに代えて、図27及び図28に示す開閉部材74Bを適用することができる。
開閉部材74Bは、上記開閉部材74Aにおける側面開口95に代えて、外装体91の挿入先端部の面(先端面)に、収容空間部93とつながった状態の先端面開口97を形成した以外は第2の実施形態における開閉部材74Aと同じ構成からなっている。
この開閉部材74Bは、差込体92を外装体91の収容空間部93の終端部まで差し込むことで一体化された状態なる(図27の右部)。このとき開閉部材74Bは、外装体91の上面開口94と先端面開口97が差込体92の存在により塞がれて閉じた状態になる(図29参照)。また、開閉部材74Bは、差込体92を外装体91の収容空間部93において先端面開口97から離間して上面開口94と対峙しない位置まで引き出して移動させた場合には、上面開口94と先端開面口97が収容空間部93を介してつながった状態になる(図30参照)。つまり、上面開口94、収容空間部93及び先端面開口97によって通気路105が形成される。
この開閉部材74Bを適用した開閉装置66Aは、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を閉じる状態にするときには、差込体92を外装体91の収容空間部93に差し込んで一体化された状態の開閉部材74Bを、開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間の挿入空間77の内部に挿し入れ、外装体91の規制突起84が開閉装置本体68の突き当て部83に突き当たって停止するまで挿入する(図22、図29参照)。
これにより、開閉装置66Aは、図29に示すように、開閉装置連結部70の連通口90が開閉部材74Bで遮断されて閉じた状態に保たれる結果、第3搬送体64における下端の開口が閉じられた状態になる。つまり、開閉部材74Bは、前記したように外装体91の上面開口94と先端面開口97が差込体92の存在により塞がれて閉じた状態になることにより、連通口90を遮断した状態にする。
そして、この開閉装置66Aは、前記した製造過程等における検査作業を行った後の清掃作業を行うときには、挿入空間77の内部に挿入した状態にある開閉部材74Bの差込体92を外装体91の収容空間部93から上面開口94及び側面開口95と対峙しない位置まで引き出した状態にする(図24、図30参照)。
これにより、開閉装置66Aは、図30に示すように、開閉装置連結部70の連通口90が開閉部材74Aの外装部91の下面部で遮断されて閉じた状態に保たれる一方で、その外装体91の上面開口94が開閉装置装着部70の連結開口部73aと対向した状態においてその上面開口94と先端面開口97が前記したように収容空間部93を介してつながって通気路105を形成した状態になる。
また、開閉装置66Aにおいては、前記したように開閉装置本体68の突出部68cに外部と通じる第1の隙間202が存在し、その隙間202が開閉部材74Bが挿入される挿入空間77とつながった状態にある。隙間202は、密閉部材72の外側に位置しており、外部の空気を取り入れることが可能な空気取り入れ口として機能する。なお、この開閉部材74Bにおいては、挿入空間77内に挿入した際、外装体91の挿入先端部の面が開閉装置本体68の突出部68cと接触するように設定しても差し支えない。
この結果、開閉装置66Aは、空気取り入れ口としての隙間202が挿入空間77を通して開閉部材74Bの通気路105(先端面開口97から連結開口部73aを通して上面開口94に通じる空間)とつながった状態になる。
このような状態にある開閉装置66Aが接続された現像剤搬送部材56(最初に第3搬送部材64)の内部には、清掃作業時に掃除機200を作動させて吸引を行い始めると、図30に矢付き点線で示すように、外部の空気(E)が、隙間202から取り入れられて、その隙間202と対向する開閉部材74Bにおける外装体91の先端面開口97を先頭に、連結開口部73a及び上面開口94を加えて構成される通気路105に導入された後、最後に、その上面開口94から開閉装置装着部70の貫通部73を通して現像剤搬送部材56に送られる。
また、第2の実施形態では、開閉部材74A,74Bについて、その外装部91に上面開口94を設けるが側面開口95又は先端面開口97を設けない構造とし、製造過程等における検査作業を行った後の清掃作業を行うときには、挿入空間77の内部に挿入した状態にある開閉部材74A,74Bの外装体91の収容空間部93から差込体92をすべて抜き出した状態にして使用する構成にすることもできる。この場合は、外装体91の収容空間部93と上面開口94が通気路となるとともに、収容空間部93の開口が空気取り入れ口として機能することになり、この結果、外部の空気(E)がその通気路を介して取り入れられた後、その上面開口94から開閉装置装着部70の貫通部73を通して現像剤搬送部材56に送られることになる。
[第3の実施形態]
図31〜図34は、本発明の第3の実施形態に係る現像剤搬送装置及びそれを備える画像形成装置における開閉装置を示す図である。図31はその開閉装置の斜視図、図32は図31のQ2−Q2線に沿う断面図、図33はその開閉装置における開閉部材の2つの状態を示す斜視図、図34は図33の開閉部材の上面図、矢印J方向から見た側面図及び矢印K方向から見た端面図である。
この実施形態における開閉装置66Dは、吸気用の開口部を設けた開閉部材74として、二重構造でない構造の開閉部材74Dを適用して変更した以外は第1及び第2の実施形態における開閉装置66Aと同じ構成からなるものである。
開閉部材74Dは、図33、図34等に示すように、第1の実施形態における開閉部材74における挿入先端部側の上面に開閉装置連結部70の連結部開口73a(連通口90)と対向する上面開口121が形成するとともに、その挿入先端部側の傾斜面74aに傾斜面開口122を形成し、その上面開口121と傾斜面開口122とつなぐ内部空間部123を形成した構造のものである。上面開口121は、開口13aと同じ形状で形成するほか、開口13aよりも小さい開口面積で形成することも可能である。また、傾斜面開口122は、開閉部材74Dを挿入空間77に挿入して開口13a(連通口90)を遮断した状態にする際(図36)、傾斜面開口122が密閉部材72と対向する位置で停止して塞がれた状態になるように形成される(図36参照)。
開閉装置66Dは、この開閉部材74Dを挿入空間77に挿入して開口13a(連通口90)を遮断した状態にした位置(図36)から更に挿入空間77内に押し込むため、図31、図35に示すように、開閉部材73の規制突起84を突き当てて停止させる開閉装置本体68の突き当て部83に、規制突起84が乗り上げて奥側に進入できる再挿入部85を形成している。また、開閉部材74Dを更に押し込んだときに、その挿入先端側の傾斜面74aが開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間から突出した状態になるように、図32に示すように、開閉装置本体68の突出部68cの間に開閉部材74の挿入先端部が通過できる幅の開口204を形成している。この開口204は空気取り入れ口として機能する。
この開閉部材74Bを適用した開閉装置66Dは、現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を閉じる状態にするときには、開閉部材74Dを、開閉装置本体68と開閉装置連結部70との間の挿入空間77の内部に挿し入れ、外装体91の規制突起84が開閉装置本体68の突き当て部83に突き当たって停止するまで挿入する(図35、図36参照)。
これにより、開閉装置66Dは、図36に示すように、開閉装置連結部70の連通口90が開閉部材74Dで遮断されて閉じた状態に保たれる結果、第3搬送体64における下端の開口が閉じられた状態になる。このときの開閉部材74Dは、その傾斜面74aの傾斜面開口122が密閉部材72の直下に位置して塞がれた状態になるため、上面開口121及び内部空間部123も一端部(開口122のある端部)が閉じた空間となり、連通口90を遮断した状態になる。
そして、この開閉装置66Dは、前記した製造過程等における検査作業を行った後の清掃作業を行うときには、図37、図38に示すように、挿入空間77の内部に挿入した状態にある開閉部材74Dを少し持ち上げて更に押し込むことで規制突起84を再挿入部85に進入させた状態にする。
これにより、開閉装置66Dは、図38に示すように、その傾斜面74aのある挿入先端部が開閉装置本体68の開口204に入り込むように移動し、その傾斜面開口122が密閉部材72と対向する位置から外れて密閉部材72の外側に位置し、外部と通じた状態になる。この結果、空気取り入れ口としての隙間204が開閉部材74Dの傾斜面開口122及び内部空間部123を通して上面開口121に通じる空間(通気路)とつながった状態になる。
このような状態にある開閉装置66Dが接続された現像剤搬送部材56(最初に第3搬送部材64)の内部には、清掃作業時に掃除機200を作動させて吸引を行い始めると、外部の空気(E)が、隙間204から取り入れられて、その隙間204に存在する開閉部材74Dにおける傾斜面74aの傾斜面開口122から内部空間部内に導入された後、図38に矢付き点線で示すように、その上面開口94から開閉装置装着部70の貫通部73を通して現像剤搬送部材56に送られる。
また、この清掃作業が終了した後は、開閉部材74Dを挿入空間77の内部から引き出して規制突起84が突き当て部83に接触する位置まで戻す(図35、図36)。
[第4の実施形態]
図39〜図40は、第4の実施形態に係る現像剤搬送装置及びそれを備える画像形成装置における現像剤搬送部材を示す図である。
この実施形態における現像剤搬送装置50は、吸気用の開口部を設けた現像剤搬送部材56を適用した以外は第1の実施形態における現像剤搬送装置50と同じ構成からなるものである。
現像剤搬送部材56は、その第3搬送体64の一部(第2搬送体62との接続部を兼ねる部分)に、外部と通じる貫通口131を設けるとともに、その第3搬送体64の一部に貫通口131を通過する状態で回転する貫通口開閉体135を取り付けたものである。貫通口開閉体135の周囲には、貫通口131と対向する開口部136が形成されている。この貫通口131は、平常時には、図39に示すように、貫通口開閉体135の開口部136以外の部分が対向して閉じた状態に保たれている。
そして、現像剤搬送装置50において前記した製造過程等における検査作業を行った後の清掃作業を行うときには、第1の実施形態の場合と同様に開閉装置66の開閉部材74を挿入空間77に挿入して現像剤搬送部材56の第3搬送体64における下端の開口を閉じる状態にしたうえで(図16、図17参照)、図40に示すように、貫通口開閉体135を回してその開口部136が第3搬送体64の一部にある貫通口131と対向した状態にする。この結果、貫通口開閉体135の開口部136が、貫通孔131を通して第3搬送体64の内部とつながった状態になる。
このような状態にある開閉装置66が接続された現像剤搬送部材56(最初に第3搬送部材64)の内部には、清掃作業時に掃除機200を作動させて吸引を行い始めると、外部の空気(E)が、図40に矢付き点線で示すように、貫通口開閉体135の開口部136から取り入れられて、第3搬送体64の貫通口131を通して第3搬送体64の内部に導入される。この場合、第3搬送体64の貫通口131が現像剤搬送部材56の全体において開閉装置66と近い位置に設けられているので、掃除機200の吸引力が第3搬送体64の末端部(開閉装置66と近い位置)まで及ぶ。
なお、現像剤搬送部材56に設ける通気用の貫通口131(その開閉体を含む)は、その第1搬送体58と第2搬送体62の接続部(この例では伝達機構60)から開閉装置66までの範囲内の任意の位置に設けることができる。これにより、ほぼ水平状態に配置されている第1搬送体58の内部に掃除機の吸引力を及ぼし、その第1搬送体58の内部に残留しているトナーを十分に吸引して除去することができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、前記各実施形態における各開閉装置66において、その保護部材76を次のように設けることもできる。すなわち、保護部材76は、密閉部材72と開閉装置連結部70との間に少なくとも存在するとともに、開閉部材74が挿入空間77に挿入されて密閉部材72と開閉装置連結部70との間に浸入する際にその開閉部材74と密閉部材72との間に介在するように設けることができる。この場合、密閉部材72は、その下面部が改正装置本体68の上面部(本体貫通部69の開口69aの周囲部分)に接着され、その上面が開閉装置連結部70の下面に接着されない。また、このような状態で保護部材76を設けた開閉装置66においては、その保護部材76が、開閉部材74を案内するように開閉装置連結部70の下面との間に隙間(前記隙間Sに相当する導入用の隙間)を形成して支持されるように設置するとよい。