JP2005025134A - 感光体ドラム、感光体ドラムの補強部材および画像形成装置 - Google Patents

感光体ドラム、感光体ドラムの補強部材および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な構成で、感光体ドラムから発生する騒音を低減する。
【解決手段】 感光体ドラム12を構成する円筒状の基材61の内部に補強部材70を取り付ける。補強部材70は、略円筒形状の断面を有し、その一部に母線方向に沿ってスリットが形成される本体部71と、このスリット71aの両端側で本体部71から外側に向かって突出する第一の突起72および第二の突起73と、スリット71aに対向する本体部71の外周面から外側に向かって突出する第三の突起74とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で用いられる感光体ドラム等に係り、特に、感光体ドラムから生じる騒音の低減に関する。
従来の画像形成装置として、感光層を有し回転可能に配設される感光体ドラム、この感光体ドラムを所定の電位に帯電する帯電装置、帯電された感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置、形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙等の記録媒体に転写する転写装置、転写後の感光体ドラム表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング装置、を備えたものが知られている。
ここで、感光体ドラムとしては、例えば薄肉の金属製パイプからなる基材の表面に感光層を形成したものが広く用いられている。一方、帯電装置としては、近年、帯電ロールを用いた接触型帯電装置が種々提案され、また、実用化されてきている。帯電ロールを用いた接触型帯電装置では、感光体ドラムの表面に弾性ロールを接触配置し、この帯電ロールにバイアス電圧を印加してその接触部近傍において帯電を行うものが存在する。このような接触型帯電装置では、帯電を均一に行うために交流電圧を印加することが多い。ただし、交流電圧を印加する場合には、印加される交流電圧によって感光体ドラムが振動し、騒音が発生してしまう。特に、感光体ドラムは、上述したような構成を有し軽量であるために振動しやすく、その結果騒音が発生しやすくなっている。
従来、基材の内部に断面が略C字状に形成された充填物を挿入し、感光体ドラムの重量増加によって感光体ドラムを振動させにくくすることで、騒音を低減する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、基材の内部にゴム等の弾性体からなる裏打ち手段を取り付け、発生する振動を弾性体にて吸収することで、騒音を低減する技術も開示されている(特許文献2参照)。
特開平6−19377号公報(第5頁、図5-6) 特開2002−244488号公報(第4-5頁、図4)
しかしながら、特許文献1に記載の充填物を用いた場合には、充填物外周面のどの位置を基材の内面に当接させるかについての設定を行うことができないため、当接状態によっては騒音の低減を図れなくなる場合があった。一方、特許文献2の裏打ち手段を用いた場合には、裏打ち手段の構成が非常に複雑化する他、振動の要因である基材の剛性不足を補うことができないため、騒音の低減を図れなくなる場合があった。なお、このような問題は、接触型帯電装置の他、コロトロン等の非接触型帯電装置を用いた場合にも生じ得る。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、簡易な構成で、感光体ドラムから発生する騒音を低減することにある。
また、本発明の他の目的は、感光体ドラムの振動に伴って生じる帯電ムラを抑制し、良好な画像を得ることにある。
本発明の感光体ドラムは、円筒状の基材と、基材の外周面に形成される感光層と、基材の内部に取り付けられる補強部材とを有し、補強部材は、基材の内面に向かって拡開する付勢力を有した状態で基材に挿入される本体部と、本体部の外周面の円周方向に形成され、本体部から受ける付勢力によって基材の内面に当接する突起部とを有することを特徴としている。
ここで、本体部は、円筒にスリットを形成した断面C字状の形状を有し、突起部は、スリットの両端部位とスリットに対向する部位とに形成されることを特徴とすることができる。また、本体部は、二枚の板を突き合わせた略V字状の形状を有し、突起部は、本体部における二つの自由端の先端部と本体部における折り曲げ部とに形成されることを特徴とすることもできる。
また、他の観点から捉えると、本発明は、感光体ドラムを構成する円筒状の基材に挿入され、基材を補強する感光体ドラムの補強部材であって、断面C字状に形成される本体部と、本体部の外周面に設けられる複数の突起部とを有していることを特徴としている。
ここで、突起部は、本体部の直径方向に略対向して設けられていることを特徴とすることができる。また、自由状態における複数の突起の先端部に接する外周円の直径が、基材の内周の直径よりも大きいことを特徴とすることができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明は、感光体ドラムを構成する円筒状の基材に挿入され、基材を補強する感光体ドラムの補強部材であって、断面V字状に形成される本体部と、二つの自由端側の先端部と突端部とで基材の内面を押圧することを特徴としている。
ここで、先端部の先端と突端部の先端に接する外周円の直径が、基材の内周の直径よりも大きいことを特徴とすることができる。
さらにまた、他の観点から捉えると、本発明の画像形成装置は、円筒状の基材と基材の外周面に形成される感光層とを有し、回転可能に配設される感光体ドラムと、感光体ドラムの感光層に接触配置され、感光層を所定の電位に帯電する接触帯電部材と、感光体ドラムの基材の内部には基材を補強する補強部材とを備え、補強部材は、基材の内面に向かって拡開する付勢力を有した状態で基材に挿入される本体部と、本体部の外周面の円周方向に形成され、本体部から受ける付勢力によって基材の内面に当接する突起部とを有することを特徴としている。
ここで、接触帯電部材には、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスが印加されることを特徴とすることができる。また、補強部材は、基材の固有振動モードにおける振動の腹に対応した位置に取り付けられることを特徴とすることができる。
本発明によれば、簡易な構成で、感光体ドラムから発生する騒音を低減することができる。
また、本発明によれば、感光体ドラムの振動に伴って生じる帯電ムラを抑制し、良好な画像を得ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
―実施の形態1―
図1は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図1に示す画像形成装置は、本体1に、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、記録用紙(シート)を搬送するシート搬送系40、例えばパーソナルコンピュータや画像読み取り装置等に接続され、受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理系であるIPS(Image Processing System)50とを備えている。
画像プロセス系10は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K、この画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト21上に多重転写させる転写ユニット20、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対してレーザ光を照射する光学系ユニットであるROS(Raster Output Scanner)30を備えている。また本体1には、転写ユニット20によって二次転写された記録用紙(シート)上の画像を、熱および圧力を用いて記録用紙に定着させる定着器29を備えている。更に、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ19Y,19M,19C,19Kが設けられている。
転写ユニット20は、中間転写体である中間転写ベルト21を駆動するドライブロール22、中間転写ベルト21に一定のテンションを付与するテンションロール23、重畳された各色のトナー像を記録用紙に二次転写するためのバックアップロール24、中間転写ベルト21上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置25を備えている。中間転写ベルト21は、このドライブロール22とテンションロール23およびバックアップロール24との間に一定のテンションで掛け回されており、定速性に優れた専用の駆動モータ(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール22により、矢印方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト21は、例えば、チャージアップを起こさないベルト素材(ゴムまたは樹脂)にて抵抗調整されたものが使用されている。クリーニング装置25は、クリーニングブラシ25aおよびクリーニングブレード25bを備えており、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト21の表面から残留トナーや紙粉等を除去して、次の画像形成プロセスに備えるように構成されている。
ROS30は、図示しない半導体レーザ、変調器の他、半導体レーザから出射されたレーザ光(LB-Y,LB-M,LB-C,LB-K)を偏向走査するポリゴンミラー31を備えている。図1に示す例では、ROS30は、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの下方に備えられることから、トナー等の落下による汚損の危険性を有している。そこで、ROS30は、各構成部材を密閉するための直方体状のフレーム32を設け、また、レーザ光(LB-Y,LB-M,LB-C,LB-K)が通過するガラス製のウィンドウ33をこのフレーム32の上方に設けて、走査露光と共にシールド効果を高めるように構成されている。
シート搬送系40は、画像が記録される記録用紙(シート)を積載して供給する給紙装置41、給紙装置41から記録用紙を取り上げて供給するナジャーロール42、ナジャーロール42から供給された記録用紙を1枚ずつ分離して搬送するフィードロール43、フィードロール43により1枚ずつに分離された記録用紙を画像転写部に向けて搬送する搬送路44を備えている。また、搬送路44を介して搬送された記録用紙に対し、二次転写位置に向けてタイミングを合わせて搬送するレジストロール45、二次転写位置に設けられバックアップロール24に圧接して記録用紙上に画像を二次転写する二次転写ロール46を備えている。更に、定着器29によってトナー画像が定着された記録用紙を本体1の機外に排出する排出ロール47、排出ロール47によって排出された記録用紙を積載する排出トレイ48を有する。また、定着器29によって定着された記録用紙を反転させて両面記録を可能とする両面用搬送ユニット49を備えている。
次に、画像プロセス系10における画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kについて詳述する。
図2は、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの構成を説明するための図であり、ここでは、イエロー(Y)の画像形成ユニット11Yとマゼンタ(M)の画像形成ユニット11Mとが示されている。他の画像形成ユニット11C,11Kも同様に構成されている。
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、トナー像を担持させる像担持ドラムとしての感光体ドラム12、帯電ロール13aを用いて感光体ドラム12を帯電させる帯電器13、帯電器13によって帯電され、ROS30からのレーザ光(LB-Y,LB-M,LB-C,LB-K)によって感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像ロール14aによって現像する現像器14、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム12に対向して設けられ、感光体ドラム12上に現像されたトナー像を中間転写ベルト21上に転写する一次転写ロール15、転写後に感光体ドラム12上に残った残留トナーを除去するクリーニング装置16を備えている。これらのうち、感光体ドラム12の詳細については後述する。
尚、本実施の形態では、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12、帯電器13、およびクリーニング装置16を一体化し、カートリッジ化することで、画像形成装置の本体1からこのカートリッジだけを取り外し、また、カートリッジだけを本体1に対して取り付け可能に構成されている。そして、この各々のカートリッジには、不揮発性メモリ(図示せず)が搭載されている。この不揮発性メモリには、例えば、感光体ドラム12の回転数、高圧電圧印加時間、プリント枚数など、所定の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにて、そのカートリッジが装着された際の、各々のカートリッジ使用履歴情報が格納されている。これらのカートリッジは、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの間で差し替えて用いることもできる。各々のカートリッジに夫々不揮発性メモリが搭載されていることにより、カートリッジが異なるユニットで用いられた場合であっても、トータルとしての自らの使用履歴情報を、カートリッジ自らが保存することができる。その結果、カートリッジ毎に、例えば、正しい寿命を判断することができる。
次に、図1に示す画像形成装置の動作について説明する。図示しない原稿読み取り装置によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各8ビットの反射率データとしてIPS50に入力される。IPS50では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、ROS30に出力される。
ROS30では、入力された色材階調データに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光(LB-Y,LB-M,LB-C,LB-K)を、f−θレンズ(図示せず)を介してポリゴンミラー31に出射している。ポリゴンミラー31では、入射されたレーザ光を各色の階調データに応じて変調し、偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に照射している。画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12では、帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト21上に多重転写される。このとき、黒色のトナー像を形成する黒の画像形成ユニット11Kは、中間転写ベルト21の移動方向の最下流側に設けられ、黒色のトナー像は、中間転写ベルト21に対して最後に一次転写される。
一方、シート搬送系40では、画像形成のタイミングに合わせてナジャーロール42が回転し、給紙装置41から所定サイズの記録用紙が供給される。フィードロール43により1枚ずつ分離された記録用紙は、搬送路44を経てレジストロール45に搬送され、一旦、停止される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト21の移動タイミングに合わせてレジストロール45が回転し、記録用紙は、バックアップロール24および二次転写ロール46によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて下方から上方に向けて搬送される記録用紙には、圧接力および所定の電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された記録用紙は、定着器29によって熱および圧力で定着処理を受けた後、排出ロール47によって本体1の上部に設けられた排出トレイ48に排出される。尚、排出トレイ48にそのまま排出せずに、図示しない切り替えゲートによって搬送方向を切り替え、定着器29によって定着された記録用紙を両面用搬送ユニット49によって反転させることもできる。この反転された記録用紙をレジストロール45に搬送した後、前述と同様な流れによって、印刷されていない他の面について画像を形成することで、記録用紙の両面に画像を形成することが可能となる。
次に、感光体ドラム12について詳細に説明する。図3は、感光体ドラム12を示した図であり、図3(a)は感光体ドラム12の側面図、図3(b)〜(d)は図3(a)のIIIb−IIIb、IIIc−IIIc、IIId−IIId断面図をそれぞれ示している。また、図4は、感光体ドラム12に取り付けられる補強部材70の斜視図を示している。
感光体ドラム12は、円筒状の基材61と、この基材61の外周面に形成された感光層62と、基材61の片側端部に固定して取り付けられる駆動ギア63と、基材61の逆側の端部に固定して取り付けられる軸受けフランジ64とを有している。ここで、基材61は、たとえばアルミニウムからなり、その直径は30mm、厚さは1mmである。また、感光層62は、樹脂材料をベースとした有機感光体からなる。さらに、駆動ギア63および軸受けフランジ64は、基材61の両端を塞ぐようになっている。
そして、基材61内側に形成される中空部には、三個の補強部材70(具体的には70a、70b、70c)が挿入配置されている。本実施の形態では、補強部材70bが基材61の軸方向略中央に、補強部材70a、70cが基材61の軸方向両端部側に取り付けられている。この補強部材70aの取り付け位置については、任意に選定して差し支えないが、感光体ドラム12の固有振動モード(曲げ、捻れ)における振動の腹に対応した位置に取り付けることが効果的である。
補強部材70は、略円筒形状の断面を有し、その一部に母線方向に沿ってスリット71aが形成される(略C字状の)本体部71と、このスリット71aの両端側で本体部71から外側に向かって突出する第一の突起72および第二の突起73と、スリット71aに対向する本体部71の外周面から外側に向かって突出する第三の突起74とを有している。これにより、本実施の形態では、補強部材70の略直径方向に第一の突起72、第二の突起73と第三の突起74とが形成されるようになっている。この補強部材70は、例えばABS樹脂の成型体で構成され、十分な剛性を有しているとともに、所定の弾性も有している。
また、補強部材70の第一の突起72、第二の突起73、第三の突起74の各先端と接する外接円の直径は、感光体ドラム12の基材61(図3参照)の中空部の直径よりもわずかに大きくなるように設定されている。そして、基材61に補強部材70を取り付ける際には、スリット71aを狭めるように本体部71を挟んだ状態で基材61内に押し込むことで、基材61内に補強部材70を挿入することができる。また、基材61内に挿入された補強部材70は、自身の復元力により元の状態つまりスリット71aを拡げる状態に戻ろうとすることで、基材61の内壁に圧接して固定される。このとき、本実施の形態では、図3(b)(c)に示すように、第一の突起72、第二の突起73、第三の突起74の三ヶ所が基材61の内壁に圧接して内側から基材61を押圧するため、基材61に対して十分な補強を行うことができる。また、本実施の形態では、図3(b)(c)に示すように、補強部材70aおよび補強部材70bの取り付け角度を90°ずらして配置しており、全方向に対する剛性を確保することができるようになっている。
本実施の形態にかかる画像形成装置では、感光体ドラム12に対して帯電ロール13aを圧接配置して接触帯電を行っている。そして、帯電ロール13aには、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスが印加されており、帯電ロール13aに接触する感光体ドラム12は、印加される交流電圧によって振動しようとする。
これに対し、本実施の形態では、補強部材70の外周面に複数の突起(第一の突起72、第二の突起73、第三の突起74)を設けることにより、補強部材70が基材61を内部から押圧する位置を特定した。これにより、基材61の任意の位置(本実施の形態では固有振動モードの腹に対応する位置の近傍)に対して十分な補強を行うことができ、基材61および感光体ドラム12の剛性を高めることができる。その結果、感光体ドラム12の振動を抑制すること、つまり、感光体ドラム12で生じる騒音を低減することができる。特に、帯電ロール13aに交流電圧を印加して帯電を行うような場合においては、印加される交流電圧によって感光体ドラム12が振動しやすくなるが、本実施の形態で用いた補強部材70を基材61内に取り付けることにより、基材61の振動およびこの振動に伴う騒音の発生を抑制することが可能になる。また、基材61内に補強部材70を取り付けることにより、基材61が振動することによって生じる曲げや潰れを抑えることができるため、帯電ロール13aとの接触状態を略一定に保つことつまり帯電ムラを少なくすることができ、良好な画像を得ることができる。また、基材61の厚さは従来のままでよいため、基材61の加工性を低下させたり、コスト増につながったりするという懸念もない。
なお、本実施の形態では、複数の短い補強部材70を基材61内に複数取り付ける例について説明を行ったが、これに限られるものではなく、基材61の軸方向長さと同じ長さを有する補強部材70を用いてもよい。また、本実施の形態では、基材61の外周面に三個の突起(第一の突起72、第二の突起73および第三の突起74)を設ける例について説明を行ったが、四個以上の突起を設けてもよい。さらに、本実施の形態では、帯電ロール13aを用いて感光体ドラム12を帯電する例について説明を行ったが、例えばコロトロン等の非接触帯電装置を用いて帯電を行う場合にも、同様に適用できる。
―実施の形態2―
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、補強部材70の形状を実施の形態1とは異ならせたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、実施の形態1と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5は、感光体ドラム12を示した図であり、図5(a)は感光体ドラム12の側面図、図5(b)〜(d)は図5(a)のVb−Vb、Vc−Vc、Vd−Vd断面図をそれぞれ示している。また、図6は、感光体ドラム12に取り付けられる補強部材70の斜視図を示している。
補強部材70は、略V字状の断面を有しており、第一の板部81と第二の板部82とを有している。第一の板部81の自由端側には第一の先端部83が形成され、第二の板部82の自由端側には第二の先端部84が形成されている。そして、第一の板部81と第二の板部82とが合流する折り曲げ部分には突端部85が形成されている。この補強部材70は、例えばABS樹脂の成型体で構成され、十分な剛性を有しているとともに、所定の弾性も有している。
また、実施の形態1と同様に、補強部材70の第一の先端部83、第二の先端部84、突端部85の各先端と接する外接円の直径は、感光体ドラム12の基材61(図3参照)の中空部の直径よりもわずかに大きくなるように設定されている。そして、基材61に補強部材70を取り付ける際には、第一の板部81と第二の板部82を外側から挟んだ状態で基材61内に押し込むことで、基材61内に補強部材70を挿入することができる。また、基材61内に挿入された補強部材70は、自身の復元力により元の状態に戻ろうとすることで、基材61の内壁に圧接して固定される。このとき、本実施の形態では、図5(b)(c)に示すように、第一の先端部83、第二の先端部84、突端部85が基材61の内壁に圧接して内側から基材61を押圧するため、基材61に対して十分な補強を行うことができる。また、本実施の形態では、図5(b)(c)に示すように、補強部材70aおよび補強部材70bの取り付け角度を90°ずらして配置しており、全方向に対する剛性を確保することができるようになっている。
本実施の形態では、補強部材70を略V字状に構成することにより、第一の先端部83、第二の先端部84、突端部85を形成し、補強部材70が基材61を内部から押圧する位置を特定した。これにより、実施の形態1と同様、感光体ドラム12より生じる騒音を低減すること、および、帯電ムラに伴う画質不良を抑制することができる。
―実施の形態3―
本実施の形態は、実施の形態1、2と略同様であるが、補強部材の構成を実施の形態1、2とは異ならせたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1、2と同様のものについては、実施の形態1、2と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は、感光体ドラム12の基材61内に補強部材70を収容した状態を示す図である。補強部材70は、略V字状の形状を有する二本のピン91、92を接着部93において接着したものからなる。これらピン91、92は、例えばABS樹脂の成型体で構成され、十分な剛性を有しているとともに、所定の弾性も有している。
本実施の形態では、二本のピン91、92をクロスするように接着して補強部材70を構成しているため、基材61の内側から略円周に沿って六か所で基材61を押圧できることから、さらに基材61の剛性を高めることができる。これにより、実施の形態1、2と同様、感光体ドラム12(図3参照)より生じる騒音を低減すること、および、帯電ムラに伴う画質不良を抑制することができる。
本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。 画像形成ユニットの構成を説明するための図である。 (a)は実施の形態1における感光体ドラムの側面図、(b)〜(d)は(a)のIIIb−IIIb、IIIc−IIIc、IIId−IIId断面図である。 実施の形態1で用いられる補強部材の斜視図である。 (a)は実施の形態2における感光体ドラムの側面図、(b)〜(d)は(a)のVb−Vb、Vc−Vc、Vd−Vd断面図である。 実施の形態2で用いられる補強部材の斜視図である。 実施の形態3で用いられる補強部材の側面図である。
符号の説明
1…本体、10…画像プロセス系、11Y,11M,11C,11K…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、13…帯電器、13a…帯電ロール、14…現像器、15…一次転写ロール、16…クリーニング装置、20…転写ユニット、21…中間転写ベルト、40…シート搬送系、50…IPS(Image Processing System)、61…基材、62…感光層、63…駆動ギア、64…軸受けフランジ、70(70a〜70c)…補強部材、71…本体部、71a…スリット、72…第一の突起、73…第二の突起、74…第三の突起、81…第一の板部、82…第二の板部、83…第一の先端部、84…第二の先端部、85…突端部、91…ピン、92…ピン、93…接着部

Claims (11)

  1. 円筒状の基材と、
    前記基材の外周面に形成される感光層と、
    前記基材の内部に取り付けられる補強部材と
    を有し、
    前記補強部材は、
    前記基材の内面に向かって拡開する付勢力を有した状態で前記基材に挿入される本体部と、
    前記本体部の外周面の円周方向に形成され、当該本体部から受ける付勢力によって前記基材の内面に当接する突起部と
    を有することを特徴とする感光体ドラム。
  2. 前記本体部は、円筒にスリットを形成した断面C字状の形状を有し、
    前記突起部は、前記スリットの両端部位と当該スリットに対向する部位とに形成されることを特徴とする請求項1記載の感光体ドラム。
  3. 前記本体部は、二枚の板を突き合わせた略V字状の形状を有し、
    前記突起部は、前記本体部における二つの自由端の先端部と当該本体部における折り曲げ部とに形成されることを特徴とする請求項1記載の感光体ドラム。
  4. 感光体ドラムを構成する円筒状の基材に挿入され、当該基材を補強する感光体ドラムの補強部材であって、
    断面C字状に形成される本体部と、
    前記本体部の外周面に設けられる複数の突起部と
    を有していることを特徴とする感光体ドラムの補強部材。
  5. 前記突起部は、前記本体部の直径方向に略対向して設けられていることを特徴とする請求項4記載の感光体ドラムの補強部材。
  6. 自由状態における前記複数の突起の先端部に接する外周円の直径が、前記基材の内周の直径よりも大きいことを特徴とする請求項4記載の感光体ドラムの補強部材。
  7. 感光体ドラムを構成する円筒状の基材に挿入され、当該基材を補強する感光体ドラムの補強部材であって、
    断面V字状に形成される本体部と、
    二つの自由端側の先端部と突端部とで前記基材の内面を押圧することを特徴とする感光体ドラムの補強部材。
  8. 前記先端部の先端と前記突端部の先端に接する外周円の直径が、前記基材の内周の直径よりも大きいことを特徴とする請求項7記載の感光体ドラムの補強部材。
  9. 円筒状の基材と当該基材の外周面に形成される感光層とを有し、回転可能に配設される感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムの前記感光層に接触配置され、当該感光層を所定の電位に帯電する接触帯電部材と
    前記感光体ドラムの前記基材の内部には当該基材を補強する補強部材と
    を備え、
    前記補強部材は、
    前記基材の内面に向かって拡開する付勢力を有した状態で前記基材に挿入される本体部と、
    前記本体部の外周面の円周方向に形成され、当該本体部から受ける付勢力によって前記基材の内面に当接する突起部と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記接触帯電部材には、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスが印加されることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 前記補強部材は、前記基材の固有振動モードにおける振動の腹に対応した位置に取り付けられることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
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