JP2009133696A - 基板の検査方法及び基板の検査装置 - Google Patents

基板の検査方法及び基板の検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低解像度カメラによる概要検査で詳細検査を必要とする部品を特定し、特定された部品の詳細検査を行う場合、概要検査範囲内の全部品が特定されるまで詳細検査を開始できないという問題がある。
【解決手段】検査機100は、複数の検査ヘッド(ヘッド1、ヘッド2)を備え、複数の検査ヘッドで交互に基板を撮像して検査を行う。ヘッド1は低解像度のカメラが装着された検査ヘッドで、大視野で基板を撮像し、低解像度のカメラが装着された検査ヘッドの検査結果に応じて、高解像度のカメラが装着された他の検査ヘッドであるヘッド2が前記検査ヘッドに替わって小視野の詳細な検査を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数台のカメラを用いてはんだの印刷状態(ずれ・かすれ・にじみ等)を含む基板上の部品の実装状態を検査する方法に関する。
外観検査機は、部品実装機により基板上に実装された部品をカメラで撮像し、得られた画像を画像処理することにより、部品の実装位置ずれおよび実装状態などを検査する装置である。
図8(a)は、従来の1ヘッド検査機の平面図である。検査機900は、下部にカメラが取り付けられたヘッド1を有している。ヘッド1は、X及びY方向に移動可能に構成されている。部品が実装された基板20は、カメラの撮像可能な位置にコンベアレール902で搬送され、検査が終了するまで検査機900の所定の位置に一時停止される。カメラの視野は限られているため、基板が停止している間、ヘッド1が基板20上を移動しながら、ヘッド1に取り付けられたカメラで基板20上に実装された部品の状態を撮像する。従来の外観検査では、基板20上の部品の実装状態をより効率よく撮像及び検査するために、まず低解像度で撮像した画像を用いて概要検査した後、より詳細な検査が必要であると判断される領域だけを高解像度で撮像した画像を用いて詳細検査するという工夫がなされている。そのために、1つのヘッド1に大視野(=低解像度)と小視野(=高解像度)の2台のカメラを備えたり、1台のカメラにズーム機能を備えたりすることにより、1つのヘッドで大視野と小視野との両方を撮像する。
図8(b)は、従来の検査機が基板上の部品を検査する際の撮像順序の一例を示す図である。図8(b)に示すように、基板の表面状態を大視野と小視野とに分けて撮像する場合、例えば、基板20上の検査領域を大視野の区画(ID大1及びID大2)に分割し、さらに、その区画の中でより詳細な検査を必要とする小視野の区画(ID1〜ID5)が定められる。ヘッド1は、まず大視野のカメラを用いて大視野の区画を撮像し(ID大1)、撮像した画像を解析して詳細な検査を要する小視野の区画を特定(ID1〜ID5)する。特定結果に従って、ヘッド1は、カメラの視野をX方向及びY方向に移動させて例えば、ID1→ID2の順に撮像する。このとき、詳細な検査を要しない区画はスキップする。このように1つの大視野の区画ID大1内での各区画の詳細検査が終了すると、検査機900は、ヘッド1をX方向に一区画移動し、次の大視野の区画ID大2の概要検査を行う。この区画ID大2も、ID大1と同様に、大視野で撮像され画像処理されたデータを解析することによって、詳細な検査を要する小視野の区画を特定する。そして、特定された区画につき、小視野のカメラを用いて例えば、ID3→ID4→ID5の順で詳細な検査を行う。
しかしながら、このような外観検査では、1つのヘッド1に2台のカメラを装着したり、ズーム機能を備えたカメラを装着したりすることにより、ヘッド1が重くなる。その結果、ヘッド1の動きを速くするとスムーズな動きができなくなり、撮像した画像がぶれるなどの弊害を生じ、ヘッド1の動きを遅くせざるを得ないという問題がある。
さらに、ヘッド1は、大視野の区画を撮像した後、大視野の区画内にある小視野の区画の詳細検査の要否を判断している間、大視野での撮像も小視野での撮像も開始することができないため、この時間がタクトロスになるという問題がある。
図9(a)は、図8(b)に示した順で基板上の区画を撮像し、画像処理を行う場合の動作の概要を示す図である。図9(b)は、図8(b)に示した順で基板上の区画を撮像する場合のヘッド1の処理手順の一例を示す図である。例えば、図9(a)に示すように、低解像度カメラがID大1の大視野の区画を撮像して得られた画像データを、CPUが画像解析する(図9(b)のS801)。この大視野撮像で概要検査を行い、撮像結果を解析して、問題のありそうな部品を検出する(図9(b)のS802)。問題のありそうな部品があれば、その部品を含む区画(例えば、図9(a)のID2の区画)を特定し、特定した区画を小視野撮像で詳細検査する(図9(b)のS803)。
このように、1ヘッドでは、大視野撮像(S801)の後、詳細検査が必要な部品を検出している間(S802)、どの区画を撮像するべきかが定まらないので、小視野で撮像することができない。そのため、ヘッド1は停止したままで画像解析処理のみを行う。この時間がタクトロスになる。
図10(a)は、図8(b)に示した基板上の区画を図9(b)で示した順で撮像する場合の各動作とタクトとの関係の一例を示す図である。図10(b)は、図9(b)に示した順で基板上の区画を撮像した場合にヘッド1の動きを停止するために生じるタクトロスの例を示すタイミングチャートである。
(1)ヘッド1はまず、ID大1の区画を撮像する。ヘッド1は、この処理に5秒を要する。
(2)次いで、ヘッド1はID大1の画像撮像結果を解析して、ID大1の区画内で詳細に検査する必要があるすべての区画(ここでは、ID1、ID2)を特定する。ヘッド1は、この処理に5秒を要する。この間、ヘッド1は、カメラを低解像度から高解像度に切り替える。しかし、この間、高解像度で撮像するべきID大1内の区画が特定されないので、高解像度での撮像を開始することができず、ヘッド1は待ち状態となる。この待ち時間である5秒が検査機のタクトロスになる。
(3)低解像度での画像データの解析が終了すると、ヘッド1は、画像データの解析結果でID大1内で詳細検査が必要として特定された区画を、高解像度カメラにより順次、撮像する。まず、高解像度カメラによりID1の区画を撮像する。ヘッド1は、この処理に3秒を要する。
(4)高解像度カメラによるID1の区画の撮像が終了すると、ヘッド1はさらに、高解像度カメラによりID2の区画を撮像する。ヘッド1は、この処理に3秒を要する。
(5)上記のように、ID大1内で検出されたすべての区画(ここではID1、ID2)について撮像が終了すると、ヘッド1は、カメラを高解像度から低解像度に切り替え、次の大視野の区画であるID大2の区画を撮像する。ヘッド1は、この処理に5秒を要する。
(6)ここで、ID1、ID2及びID大2について、ヘッド1が撮像した画像を解析し、ID1およびID2の区画に実装された部品に異常がないかを検出するとともに、大視野の区画であるID大2の区画内で詳細に検査する必要があるすべての区画(ここでは、ID3、ID4、ID5)を特定する。この処理に7秒を要する。この場合も、高解像度で撮像するべきID大2内の区画が特定されないので、高解像度での撮像を開始することができず、ヘッド1は待ち状態となるので、この7秒が検査機のタクトロスになる。
(7)上記の(3)と同様に、低解像度での画像データの解析が終了すると、ヘッド1は、画像データの解析結果でID大2内で詳細検査が必要として特定された区画を、高解像度カメラにより順次、撮像する。まず、高解像度カメラによりID3の区画を撮像する。ヘッド1は、この処理に3秒を要する。
(8)さらに、ヘッド1は、高解像度カメラによりID4の区画を撮像する。この処理に4秒を要する。
(9)次いで、ヘッド1は、高解像度カメラによりID5の区画を撮像する。この処理に3秒を要する。
この結果、従来の検査機900ではID1からID5までの区画に分割された基板の詳細検査を完了するまでに38秒を要し、そのうち詳細検査を開始するまでの間の待ち時間を12秒も含んでしまうという問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、1つの検査ヘッドで2段階の検査を行う場合に、最初の段階の検査をすべて完了しなければ次の検査を開始することができないことに起因するタクトロスを低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の基板の検査方法は、カメラが装着された検査ヘッドで基板を撮像し、撮像された画像を解析することによって前記基板への部品の実装状態を検査する基板の検査方法であって、複数の検査ヘッドのうちの1つが基板を撮像し、前記検査ヘッドの検査結果に応じて、他の検査ヘッドが前記検査ヘッドに替わって検査を行うことを特徴とする。
これにより、本発明の基板の検査方法によれば、カメラが装着された1つのヘッドで基板を撮像し、撮像された画像を解析することによって前記基板への部品の実装状態を検査すると、その検査結果に応じて、他の検査ヘッドが前記検査ヘッドに替わって検査を行うことができるので、前記1つのヘッドにより撮像された画像の解析を実行しながら、別のヘッドによる基板の撮像を並行して行うことができ、タクトロスを最小限に抑えることができるという効果がある。
本発明は、上述したような特徴的なステップを備える基板の検査方法として実現することができるだけでなく、基板の検査方法が備えるステップを実行する処理部を備える基板の検査装置として実現することができる。また、上述したような特徴的なステップを備えるヘッド切り替え決定方法として実現することができるだけでなく、ヘッド切り替え決定方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは言うまでもない。
以上のように本発明によれば、一方の検査ヘッドによる撮像が待ち状態になったとき、撮像を他の検査ヘッドと交替して、他のヘッドによる基板撮像動作中に撮像済みの画像データについて画像処理を続行することができるので、基板検査のタクトロスを最小限に抑えることができるという効果がある。また、それぞれ1つの検査ヘッドに低解像度または高解像度の1つのカメラを備えるだけであるので、検査ヘッドの軽量化を図ることができ、これにより、検査ヘッドの高速移動が可能になるとともに、精度のよい撮像結果を得ることかできるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態に係る検査機について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る検査機100を備えた部品実装システムの構成を示す外観図である。図1(a)は実施の形態の検査機100を含む部品実装システムの外観を示す図である。図1(b)は、図1(a)に示した部品実装システムの平面図である。
図1(a)に示すように、本実施の形態の部品実装システムは、複数の実装機と1台の検査機100を備える。複数の実装機は、上流(図1に向かって左手側)から下流(図1に向かって右手側)に向けて基板20を送りながら、実装ヘッドにより部品カセットから部品を吸着して基板上に電子部品を実装する。この後、最下流に位置する検査機100で基板20の表面状態を検査する。それぞれの実装機は、お互いが協調して、交互動作を行なう2つの実装ヘッドを備えている。同様に、本実施の形態の検査機100もまた、視野の異なるカメラを装着し、互いが協調して、交互動作を行う2つの検査ヘッドを備えている。
図2は、検査機100の平面図及び基板の表面状態の検査方法を示す図である。図2(a)は検査機100の平面図である。図2(b)は基板20上で撮像の単位となる区画を示す図である。基板20において破線で囲みハッチングを施した大きい領域ID大1、ID大2は大視野で概要検査を行う区画を示している。また、大視野で概要検査を行う区画の中で破線で囲まれた領域ID1〜ID5は、小視野で詳細検査を行う区画を示している。ただし、小視野で詳細検査を行う区画であっても、概要検査により実装されている部品等に異常がないため詳細検査が不要と判定された領域は、例えば、内部がハッチングされ破線で囲んだ小さい矩形領域(ID1、ID4)で示している。基板20上の小さい円および四角形は、実装された電子部品を示している。
まず、検査機100の中央部には図2(a)に示したコンベアレール902によって上流の実装機から、部品の実装が完了した基板20がX方向に搬送される。図2(a)に示す検査機100の平面図では、ヘッド1が基板20上に進入して大視野のカメラ104で基板20の表面状態を検査しているところを示している。
図3は、検査機100がヘッド1による撮像の後、ヘッド2に交替して撮像を行う一例を示す図である。図3(a)は、ヘッド1が基板20を撮像している間、ヘッド2が基板20上から退避している状態を示す図である。図3(b)は、ヘッド1が基板20上から退避した後、ヘッド2がヘッド1と交替して基板20を撮像する状態を示す図である。図3(a)に示すように、例えば、ヘッド1が基板20上で撮像を行っている間、他方のヘッド2は基板20上から退避して静止している。次いで、ヘッド1による大視野撮像により、撮像した画像を分析した結果から詳細検査が必要な部品が抽出されると、ビーム903がY方向の負の方向にスライドし、ヘッド1を基板20上から退避させる。これに合わせて、ビーム904がY方向の負の方向にスライドし、ヘッド2を基板20上の位置に移動させる。これにより、図3(b)に示すように、ヘッド1は基板20上から退避して静止し、ヘッド2が基板20上の撮像領域を移動して撮像を行う。
図4は、検査機100が備える構成を示すブロック図である。
検査機100は、「カメラが装着された検査ヘッドで基板を撮像し、撮像された画像を解析することによって前記基板への部品の実装状態を検査する基板の検査装置であって、複数の前記検査ヘッドを備え、複数の前記検査ヘッドのうちの1つが前記基板を撮像し、前記検査ヘッドの検査結果に応じて、他の検査ヘッドが前記検査ヘッドに替わって検査を行う基板の検査装置」の一例であって、より具体的には、「前記1つの検査ヘッドに装着されるカメラは、大視野の低解像度カメラであり、前記他の検査ヘッドに装着されるカメラは、小視野の高解像度カメラであり、前記低解像度カメラが装着された検査ヘッドは、前記低解像度カメラにより基板を撮像することにより、詳細な検査が必要な箇所を特定するための概要検査を実行し、前記高解像度カメラが装着された検査ヘッドは、前記概要検査によって前記詳細な検査が必要な箇所が特定されると、前記概要検査における分析処理と並行して、特定された前記箇所を前記高解像度カメラにより撮像を実行する検査機」の一例である。さらに、本実施の形態の検査機100は、「前記高解像度カメラが装着された前記検査ヘッドは、前記低解像度カメラが装着された前記検査ヘッドが基板上に位置し、前記基板を撮像する間は前記基板上から退避し、前記低解像度カメラが装着された前記検査ヘッドが前記基板上から退避するとともに、前記基板上に進入して前記高解像度カメラにより前記基板を撮像する検査機」の一例である。すなわち、検査機100は、2つの検査ヘッドにそれぞれ解像度の異なるカメラを1つずつ備え、低解像度のカメラを備えた検査ヘッドの検査結果に従って、高解像度のカメラを備えた検査ヘッドが低解像度のカメラを備えた検査ヘッドに替わって詳細な検査を行う検査機である。この検査機100は、表示部102と、入力部103と、機構部120と、機構制御部111と、記憶部114と、通信I/F部115と、カメラ切替タイミング決定部116とを備える。機構部120は、大視野のカメラ104が装着されたヘッド1と、小視野のカメラ105が装着されたヘッド2とを備える。また、実際のハードウェアとして機構制御部111およびカメラ切替タイミング決定部116はCPU(Central Processing Unit)150で構成される。機構制御部111は、カメラ104およびカメラ105により撮像され画像メモリに格納された画像データを画像処理して部品の実装の不具合(実装部品の間違い、実装位置ずれ、部品の実装漏れなど)またははんだ印刷状態の不具合(はんだのずれ・かすれ・にじみ)がないか否かを判定する。
入力部103は、キーボード、タッチパネル、マウスなどであり、後述する実装データやヘッド1およびヘッド2の切替タイミングなどを入力したり変更したりするためのインタフェースである。上述の実装データとは、基板20上のどの部分にどのような部品が実装されるかなどを示すデータである。
記憶部114は、基板20に実装される部品に関する情報を含む実装データ114aや、ヘッド1のカメラ104の撮像領域及びヘッド2のカメラ105の撮像領域などを記憶する記憶媒体である。上述の撮像領域とは所定の区画に区切られた基板上の領域をいう。さらに、記憶部114は、カメラ104及びカメラ105によって撮像された画像データを格納する記憶領域を備える。
機構部120は、上述のヘッド1及びカメラ104と、ヘッド2及びカメラ105を有する。2つの検査ヘッドは、それぞれ、所定の大きさに区切られた区画ごとに基板の表面状態を撮像するカメラ104及びカメラ105を備える。
表示部102は、検査機100のヘッド2が基板20の表面状態を検査した結果などを表示する。
カメラ104は、ヘッド1に取り付けられ、低解像度で大視野の領域を撮像する機能を備える。これにより、ヘッド1の機能は大視野での概要検査のみであるが、ヘッド1を軽量化することができる。この軽量化により、ヘッド1は高速でスムーズに動作することができるとともに、精度よく所定の位置に停止することができるので、カメラ104は、ぶれのない画像を撮像することができる。
カメラ105は、ヘッド2に取り付けられ、高解像度で小視野の領域を撮像する機能を備える。これにより、ヘッド2の機能は小視野での詳細検査のみであるが、ヘッド2を軽量化することができる。ヘッド1と同様、ヘッド2もまた、この軽量化により、高速でスムーズに動作することができるとともに、精度よく所定の位置に停止することができるので、カメラ105は、ぶれのない精密な画像を撮像することができる。
機構制御部111は、検査機100を制御する処理部である。機構制御部111は、カメラ切替タイミング決定部116で決定されたタイミングで、記憶部114が記憶している情報を参照し、機構部120を制御し、ヘッド1及びヘッド2に部品実装後の基板20の表面状態を検査させる。
ヘッド2の詳細検査を実行する機構制御部111は、ヘッド1の概要検査により、基板20上への部品の実装の不具合や、あらかじめ詳細検査が決められている特定の部品などを含む検査箇所が特定されると、カメラ105によって撮像された該当部分の画像を記憶部114に保持しておき、後に表示部102に表示することなどにより操作者に通知する。
通信I/F(インタフェース)部115は、実装基板生産システムを構成する他の機械やホストコンピュータ(図示せず)などと通信するためのインタフェースであり、例えば、LAN(Local Area Network)アダプタなどである。
カメラ切替タイミング決定部116は、ヘッド1が低解像度のカメラ104による撮像により、大視野の画像データを取得すると、当該ヘッド1を基板上から退避させ、機構制御部111に画像処理されたヘッド1のデータの解析を続行させるよう決定する。この後、カメラ切替タイミング決定部116は、機構制御部111が、概要検査の結果、より詳細な検査を要する部品、最初から詳細検査を予定されている部品、詳細検査が必要なはんだ部分または詳細検査が必要な小視野の領域を1つ検出すると、ヘッド1と交替に、他方のヘッド2を基板上に進入させ、詳細検査を開始させることを決定する。基板上から退避したヘッド1によって撮像されたデータを解析する機構制御部111は、大視野領域内の残りの部分について、詳細検査が必要な箇所の特定を行う。ヘッド1は、引き続き退避後の位置で待機する。低解像度のカメラ104による基板表面の撮像は、撮像すべき領域が図2(b)に示すように、基板上にあらかじめ定められているので、ヘッド2の解析結果に関係なく、あらかじめ定められた順に撮像を行う。従って、カメラ切替タイミング決定部116は、カメラ105による小視野領域の撮像が完了すると、即座に、ヘッド2を基板上から退避させ、ヘッド1による大視野の撮像を開始するよう切り替えを決定する。
図5(a)は、図2(b)に示した順で基板上の区画を撮像し、画像処理を行う場合の動作の概要を示す図である。図5(b)は、図2(b)に示した順で基板上の区画を撮像する場合のヘッド1およびヘッド2の処理手順の一例を示す図である。例えば、図5(a)及び(b)に示すように、ヘッド1により低解像度カメラが大視野の区画を撮像して得られた画像データを、機構制御部111が画像処理する(図5(b)ヘッド1)。機構制御部111は、この大視野撮像による撮像結果を解析して、問題のありそうな部品を検出する。問題のありそうな部品があれば、その部品を含む区画(例えば、図5(a)の破線で囲んだ白抜きの区画)を特定する(図5(b)のヘッド1)。機構制御部111が大視野撮像による撮像結果により詳細検査が必要な区画を1つ特定すると、ヘッド2がヘッド1に交替して、特定された区画を撮像し、機構制御部111は小視野撮像で詳細検査する(図5(b)のヘッド2)。
図6(a)は、図2(b)に示した区画を大視野で概要検査を行うヘッド1と小視野で詳細検査を行うヘッド2とで交互に検査する場合における検査ヘッドの交替のタイミングを示す表である。図6(b)は、図2(b)に示した区画をヘッド1とヘッド2とで交互に検査する場合における検査ヘッドの交替のタイミングを示すタイミングチャートである。なお、図2の説明において、ID1、ID4は異常がない区画で、詳細検査を行わないとしていたが、ここでは、ID1、ID4も詳細検査が必要として説明する。しかし、もちろん、ID1、ID4を異常がない区画として、詳細検査をスキップするものであっても構わない。
図6(a)に示すように、まず、ヘッド1の大視野のカメラ104が、ID大1の区画を撮像する。ヘッド1がこの処理に要する時間は5秒である。この段階ではまだ、機構制御部111はID大1の区画の中で詳細検査が必要な箇所は特定できないが、ヘッド1は基板上から退避する(ヘッド1の動作(1))。
機構制御部111は引き続きヘッド1による撮像結果を解析し、ヘッド2による詳細検査が必要な区画を特定する。機構制御部111は、ID大1の中で詳細検査が必要なすべての区画を特定するためには5秒を要するが(ヘッド1の動作(2))、最初の1区画だけを特定するのにはそれほど時間を要しない。まず、機構制御部111が詳細検査を必要とする最初の区画(例えば、ID1)を特定すると、ヘッド2が基板20上に進入し、特定された区画ID1を撮像する。ヘッド2がID1の区画を撮像するために要する時間は3秒である(ヘッド2の動作(3))。
ヘッド2がID1の区画を撮像している間に、これと並行して機構制御部111はヘッド1によるID大1の画像データを解析して、ID大1の中で詳細検査が必要な残りの区画を特定する(ヘッド1の動作(2))。この結果、ID大1の中で詳細検査が必要な区画として、ID2の区画が特定されるので、ヘッド2は、ID1の撮像が完了した後、ID2の区画を撮像することができる。ID2の区画をヘッド2が撮像するのに要する時間は3秒である(ヘッド2の動作(4))。機構制御部111の解析結果によりID大1の区画にこれ以上詳細検査が必要な区画がないことが分かると、ヘッド2は基板上から退避する。
ヘッド1による大視野での概要検査は、ヘッド2の詳細検査の結果に影響を受けないので、ヘッド1はヘッド2が基板20上から退避すると同時に、基板20上に進入し、次の大視野の区画ID大2を撮像する。ヘッド1が大視野の区画ID大2を撮像するために要する時間は5秒である(ヘッド1の動作(5))。ヘッド1は、ID大2の区画を撮像した後、基板20上から退避する。
次いで、機構制御部111が、ヘッド1による撮像結果を解析して、大視野の区画ID大2内で詳細検査を要するすべての箇所を特定する。この処理に機構制御部111は、7秒を要する(ヘッド1の動作(6))。しかし、この場合も、最初の1区画だけ特定するためにはそれほど時間を要しない。この場合、例えば、機構制御部111はID大2の区画の中で、まず最初に詳細検査を要する箇所としてID3の区画を特定する。
機構制御部111によって、ID3の区画が特定されると、ヘッド2が基板20上に進入し、ID3の区画を撮像する。この処理に要する時間は3秒である(ヘッド2の動作(7))。この処理と並行して、機構制御部111はヘッド1の撮像画像を解析しており(ヘッド1の動作(6))、詳細検査を要する次の箇所としてID4の区画を特定する。
ヘッド2は、ID3の区画の撮像が終了すると、ID4の区画を撮像する。この処理に要する時間は、4秒である(ヘッド2の動作(8))。この処理の間も並行して、機構制御部111はヘッド1によるID大2の撮像画像を解析しており(ヘッド1の動作(6))、詳細検査を要する次の箇所としてID5の区画を特定する。
ヘッド2は、ID4の区画の撮像が終了すると、特定されたID5の区画の撮像を行う(ヘッド2の動作(9))。ヘッド2がこの処理に要する時間は3秒である。
なお、図6(b)では、ヘッド1の動作(2)として、機構制御部111による撮像画像の解析処理の開始と、ヘッド2の動作(3)であるID1の撮像開始とが同時であるように図示されているが、厳密にいえば、ID大1の撮像が終了した後、機構制御部111がID大1の撮像画像を解析して、詳細検査を要する最初の区画を特定して、初めて、ヘッド2の動作(3)であるID1の撮像を開始することができる。しかし、実際には、機構制御部111は、ヘッド1のID大1の撮像(1)が終了しなくても、ヘッド1のID大1の撮像(1)中から、ID大1の撮像結果の解析を開始することができる。これにより、ヘッド2は、ヘッド1によるID大1の撮像が終了すると同時に、ID大1の中で最初に特定された詳細検査が必要な箇所であるID1の撮像を開始することができる。ヘッド1によるID大2の撮像(5)が終了すると同時に、ヘッド2によるID3の撮像(7)を開始する場合についても同様にして、ほぼ同時にタイミングをあわせることができる。
このようにすることによって、同じ処理を行う場合であっても、図10(a)および(b)に示したように、従来のように1ヘッドで処理を行った場合では38秒を要したのに対し、本実施の形態のように、低解像度のカメラ104を備えるヘッド1と高解像度のカメラ105を備えるヘッド2との2ヘッドで処理を行った場合では、26秒で検査を終了することができている。すなわち、1ヘッドで検査を行った場合と比較すると本実施の形態の2ヘッドによる検査では、検査時間を12秒も短縮できている。これは、ヘッド1とヘッド2との連携により、図10(b)の(2)及び(6)に示したようなタクトロスをなくすことができたためである。
図7は、ヘッド1とヘッド2との交互動作を説明するフローチャートである。カメラ切替タイミング決定部116は、基板20のすべての大視野の区間について詳細検査が完了し、検査を終了したか否かを判定する(S701)。検査が終了していれば、その基板の検査を終了する。検査が終了していなければ、ヘッド1による大視野の区画を撮像する(S702)。次に、ヘッド1の撮像結果として得られた画像データの中で、すべての部品について詳細検査が必要な部品であるか否かの解析が終了したか否かを判定する(S703)。S702において撮像した大視野の区画の中ですべての部品について詳細検査を完了していれば、S701の処理に戻り、基板上のすべての大視野の区画について検査を完了したか否かを調べる。また、S702において撮像した大視野の区画の中で、まだ詳細検査が必要か否かの解析を完了していない部品があれば、その部品を抽出し(S704)、抽出した部品について詳細検査が必要か否かを解析する(S705)。その部品について詳細検査が必要であると解析した場合、その部品を含む小視野の区画を特定してヘッド2に高解像度のカメラ105による撮像を行わせる(S706)。その後、S703の処理に戻り、S702で撮像した大視野の区画の中で、すべての部品について詳細検査が必要な部品であるか否かの解析が終了したか否かを判定する。S705において、解析が完了していない部品について詳細検査が不要であると判定した場合も、S703の処理に戻り、S702で撮像した大視野の区画の中で、すべての部品について詳細検査が必要な部品であるか否かの解析が終了したか否かを判定する。
このように、大視野の区画の中ですべての部品について詳細検査が必要か否かを解析し、詳細検査が必要であれば詳細検査を実行し、必要でなければ解析が終わっていない部品について詳細検査が必要か否かの解析を繰り返す。これによって大視野の区画の中のすべての部品について必要な部品についてだけ詳細検査を行うことができる。
以上のように、本実施の形態の検査機100によれば、大視野の低解像度カメラ104と、小視野の高解像度カメラ105とをそれぞれヘッド1とヘッド2とに備え、大視野撮像の撮像結果を解析する処理と、小視野撮像処理とを並行して行うことにより、タクトロスを低減することができるという効果がある。また、それぞれのヘッドに1つのカメラを備えるので、検査ヘッドの軽量化を実現することができ、その結果、精度の高い撮像結果を得ることができるという効果がある。
なお、上記実施の形態では、基板への部品の実装後に、部品の実装状態を検査する検査機について説明したが、本発明の検査機は部品実装後の状態のみを検査する場合に限定されず、例えば、基板への部品の実装前に、クリームはんだのずれ・かすれ・にじみなどの印刷状態を検査するものであってもよい。
また、本実施の形態では、ヘッドが2つの場合についてのみ説明したが、ヘッドの数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、片方のヘッドが基板20上で撮像を行っている間は、他方のヘッドは基板20上から退避していると説明したが、撮像中のヘッドの動作の邪魔にならない位置であれば基板20上であってもよい。
以上、本発明の基板の検査方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、部品実装機による部品の実装を検査する基板検査機に適用でき、特に、複数の検査ヘッドにより交互に基板に対して処理を行なう検査機等に適用できる。
(a)は実施の形態の検査機を含む部品実装システムの外観を示す図である。(b)は、図1(a)に示した部品実装システムの平面図である。 (a)は検査機の平面図である。(b)は基板上で撮像の単位となる区画を示す図である。 (a)は、ヘッド1が基板を撮像している間、ヘッド2が基板上から退避している状態を示す図である。(b)は、ヘッド1が基板上から退避した後、ヘッド2がヘッド1と交替して基板を撮像する状態を示す図である。 本実施の形態の検査機が備える構成を示すブロック図である。 (a)は、図2(b)に示した順で基板上の区画を撮像し、画像処理を行う場合の動作の概要を示す図である。(b)は、図2(b)に示した順で基板上の区画を撮像する場合の検査ヘッドおよび検査ヘッドの処理手順の一例を示す図である。 (a)は、図2(b)に示した区画を大視野で概要検査を行う検査ヘッドと小視野で詳細検査を行う検査ヘッドとで交互に撮像する場合における検査ヘッドの交替のタイミングを示す表である。(b)は、図2(b)に示した区画を検査ヘッドと検査ヘッドとで交互に撮像する場合における検査ヘッドの交替のタイミングを示すタイミングチャートである。 ヘッド1とヘッド2との交互動作を説明するフローチャートである。 (a)は、従来の1ヘッド検査機の平面図である。(b)は、従来の検査機が基板上の部品を検査する際の撮像順序の一例を示す図である。 (a)は、図8(b)に示した順で基板上の区画を撮像し、画像処理を行う場合の動作の概要を示す図である。(b)は、図8(b)に示した順で基板上の区画を撮像する場合のヘッドの処理手順の一例を示す図である。 (a)は、図8(b)に示した基板上の区画を図9(b)で示した順で撮像する場合の各動作とタクトとの関係の一例を示す図である。(b)は、図9(b)に示した順で基板上の区画を撮像した場合にヘッドの動きを停止するために生じるタクトロスの例を示すタイミングチャートである。
符号の説明
20 基板
100、900 検査機
102 表示部
103 入力部
104、105 カメラ
111 機構制御部
114 記憶部
114a 実装データ
115 通信I/F部
116 カメラ切替タイミング決定部
120 機構部
150 CPU
1、2 ヘッド
902 コンベアレール
903、904 ビーム

Claims (7)

  1. カメラが装着された検査ヘッドで基板を撮像し、撮像された画像を解析することによって前記基板への部品の実装状態もしくははんだの印刷状態を検査する基板の検査方法であって、
    複数の検査ヘッドのうちの1つが基板を撮像し、前記検査ヘッドの検査結果に応じて、他の検査ヘッドが前記検査ヘッドに替わって検査を行う
    ことを特徴とする基板の検査方法。
  2. 前記1つの検査ヘッドに装着されるカメラは、大視野の低解像度カメラであり、前記他の検査ヘッドに装着されるカメラは、小視野の高解像度カメラであり、
    前記低解像度カメラが装着された検査ヘッドは、前記低解像度カメラにより基板を撮像することにより、詳細な検査が必要な箇所を特定するための概要検査を実行し、
    前記高解像度カメラが装着された検査ヘッドは、前記概要検査によって前記詳細な検査が必要な箇所が特定されると、前記概要検査における分析処理と並行して、特定された前記箇所を前記高解像度カメラにより撮像を実行する
    ことを特徴とする請求項1記載の基板の検査方法。
  3. 前記高解像度カメラが装着された前記検査ヘッドは、前記低解像度カメラが装着された前記検査ヘッドが基板上に位置し、前記基板を撮像する間は前記基板上から退避し、前記低解像度カメラが装着された前記検査ヘッドが前記基板上から退避するとともに、前記基板上に進入して前記高解像度カメラにより前記基板を撮像する
    ことを特徴とする請求項2記載の基板の検査方法。
  4. カメラが装着された検査ヘッドで基板を撮像し、撮像された画像を解析することによって前記基板への部品の実装状態もしくははんだの印刷状態を検査する基板の検査方法であって、
    高解像度カメラが装着された前記検査ヘッドと、低解像度カメラが装着された前記検査ヘッドとにより検査を行い、
    前記高解像度カメラが装着された前記検査ヘッドは、前記低解像度カメラが装着された前記検査ヘッドが基板上に位置し、前記基板を撮像する間は前記基板上から退避し、前記低解像度カメラが装着された前記検査ヘッドが前記基板上から退避するとともに、前記基板上に進入して前記高解像度カメラにより前記基板を撮像する
    ことを特徴とする基板の検査方法。
  5. カメラが装着された検査ヘッドで基板を撮像し、撮像された画像を解析することによって前記基板への部品の実装状態もしくははんだの印刷状態を検査する基板の検査装置であって、
    複数の前記検査ヘッドを備え、複数の前記検査ヘッドのうちの1つが前記基板を撮像し、前記検査ヘッドの検査結果に応じて、他の検査ヘッドが前記検査ヘッドに替わって検査を行う
    ことを特徴とする基板の検査装置。
  6. 前記1つの検査ヘッドに装着されるカメラは、大視野の低解像度カメラであり、前記他の検査ヘッドに装着されるカメラは、小視野の高解像度カメラである
    ことを特徴とする請求項5記載の基板の検査装置。
  7. カメラが装着された検査ヘッドで基板を撮像し、撮像された画像を解析することによって前記基板への部品の実装状態もしくははんだの印刷状態を検査する基板の検査装置のためのプログラムであって、コンピュータに、複数の前記検査ヘッドのうちの1つが前記基板を撮像し、前記検査ヘッドの検査結果に応じて、他の検査ヘッドが前記検査ヘッドに替わって検査を行うよう検査ヘッドの制御を実行させるプログラム。
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