JP2009133040A - 化繊混抄紙及びウェットワイパー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
米坪が10〜50g/m2の範囲にあり、紙厚が100〜300μmの範囲にあり、パルプと熱融着バインダー繊維を含み、レーヨン繊維は含まず、前記パルプと熱融着バインダー繊維の重量比が7.5:2.5〜6.0:4.0である化繊混抄紙により解決される。
【選択図】なし
Description
このため、対人用途のウェットワイパーは、基材として柔らかさと親水性に優れるレーヨン繊維を含むスパンレース不織布が主に利用されてきた。
また、使い捨て物品であるウェットワイパーはコストが重視されるもののレーヨン繊維は高価なため、そのコストダウンの妨げとなっている。
そこで、本発明の課題は、レーヨン繊維を使用せずに、十分な親水性及び柔らかさを確保し、さらに拭取り操作にともなう表面の毛羽立ち、毛玉の発生がないウェットワイパー及びそのウェットワイパー用の基材シートに用いるに適する化繊混抄紙の提供することにある。
この化繊混抄紙は、水を250重量%含んだ状態での学振型摩擦試験機による表面摩耗試験の結果が7回以上であるのが望ましい。
また、パルプが針葉樹晒クラフトパルプを含み、熱融着バインダー繊維がPET/PE芯鞘構造の熱融着バインダー繊維を含むのが望ましい。
また、上記化繊混抄紙を用いた基材シートに薬液を含浸してウェットワイパーとするのが望ましい。
<化繊混抄紙>
本発明の化繊混抄紙は、主に人体の清拭用のウェットワイパーの基材に用いるのに極めて適するものである。この用途に用いるのがよい。
その本発明の化繊混抄紙は、米坪が10〜50g/m2、好適には15〜40g/m2とする。米坪はJIS P 8124に基づいて測定する。米坪が10g/m2未満であると紙の地合が悪くなり、50g/m2を超えると紙が硬くなり適さない。
また、紙厚は、100〜300μm、好適には100〜200μmとする。紙厚が100μm未満であると薄くなり手肉感がなくなる、300μmを越えると厚すぎて拭き取り面に沿いにくくなる。
かかる化繊混抄紙は、パルプ及び熱融着バインダー繊維を含む抄紙原料を、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、クレープ加工パート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして混抄してシート態様にする。
好ましくは、パルプは、バージンパルプである。また、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が80〜100%含まれているがよく、特には100%で針葉樹晒クラフトパルプであるのがよい。針葉樹晒クラフトパルプは長く太い繊維であることから、強度が強い紙となるので望ましい。
熱融着バインダー繊維として特に適するのは、PET(ポリエチレンテレフタレート)/PE(ポリエチレン)芯鞘構造の熱融着バインダー繊維を含むものである。特にこれを100%含むのがよい。
熱融着バインダー繊維の繊維長は限定されないが、繊維長は3mm以上100mm以下であることが好ましい。更に好ましくは3mm以上10mm以下である。
用いる繊維の繊維太さは、0.2〜6.0dtex、好適には1.0〜3.0dtexである。繊維の太さが0.2dtex未満であると、乾燥時および湿潤時の引張強度が不足する。反対に6.0dtexを超えると剛性が高くなり、柔らかさに劣るようになる。
他方、本発明の化繊混抄紙は、水を自重の250%含浸させた状態で測定した、JIS L 1096Eのハンドルオメーター法によるソフトネスが60g以下である。最適には15〜45gであるのが良い。60g以上であると硬くなり、拭き取りにくいものとなる。
なお、水分を自重の250%重量%含浸させることとしたのは、一般的な対人用ウェットペーパーの水分率がこの程度であることにより、荷重200gとしたのは汚れを拭き取る操作をしたときに皮膚に加わる荷重が概ねこの程度であることによる。また、移動摩擦子側に測定試料、固定面側に人工皮革を固定したのは、通常拭き取り操作はワイパーで皮膚上を摺るように拭き取ることからである。さらに、7回を境として良否の判定を行うようにしたのは、皮膚の汚れを拭き取る際に、7回程度往復移動させて拭き取ることが多いことによる。
以上の本発明の化繊混抄紙は、レーヨン繊維を含まないにもかかわらず、柔らかがあり濡れた状態で擦っても、毛羽立ち、毛玉の発生が極めてし難い、さらには汚れの裏抜けもし難い。従って、ウェットワイパーの基材として適する。
次いで、本発明の化繊混抄紙を用いたウェットワイパーについて説明する。
本発明のウェットワイパーは、上述の本発明の化繊混抄紙を用いた基材シートに既知の薬液を含浸させたものである。
基材シートは、化繊混抄紙をそのまま用いることもできるが、前記熱融着繊維が溶融する温度範囲で熱カレンダー処理をして、熱融着バインダー繊維とパルプ繊維とを融着させたものを基材シートとするのがよい。さらに、その後にエンボス加工をするのがよい。
エンボス加工するのであれば、好適にはそのエンボス加工は、ヒートスチールマッチエンボス加工である。
ヒートスチールエンボス加工は、一方の金属ロールのエンボス付与凸部が、他方のロールのエンボス付与凹部に嵌るように構成されている一対の熱した金属ロール間にシートを通して当該シートにエンボスを付与するする方法である。
従って、シート表面の凸エンボスが、シート裏面の凹エンボスになる態様となるとともに熱融着バインダー繊維が融着する。
このように熱カレンダー処理したのちヒートスチールマッチエンボス加工を行う利点として、予めカレンダー処理の際に熱融着バインダー繊維が溶融されているので、エンボス加工時に金属ロールにシートが付着する事故がないという製造上の利点がある。
この場合中間層とする紙は、繊維原料がパルプ100%でる抄紙原料を抄紙した紙である。そのパルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどが挙げられる。より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチドケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
好ましくは、パルプは、バージンパルプである。また、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が80〜100%含まれているがよく。特には100%で針葉樹晒クラフトパルプであるのがよい。
さらに、この積層状態にした後にはエンボス加工を施すのがよい。このエンボス加工は上述したヒートスチールエンボス加工が好適である。積層しない場合と同様に、柔らかさを維持しつつ厚みが発現し、手肉感と薬液保持性が向上するとともに、エンボスによる表面の凹凸により拭き性能も向上する。さらに、弾力感も得られる。
なお、薬液は本発明では限定されるものではない。既知の薬液が利用できる。例えば、メタノール、エタノール、グリセリン等のアルコール、水、メントール等の冷涼剤、香料などを適宜の配合割合で含む既知の薬液を用いることができる。
なお、試験方法は、乾燥引張り強度及び湿潤引張強度についてはJIS P 8113に基づいて測定し、米坪についてはJIS P 8124に基づいて測定し、紙厚についてはマイクロゲージ法により測定した。また、密度については米坪及び紙厚から算出し、乾燥時及び水を自重の250重量%含浸させた時のソフトネスについてはJIS L 1096Eのハンドルオメーター法に準じて測定した。
Claims (5)
- 米坪が10〜50g/m2の範囲にあり、紙厚が100〜300μmの範囲にあり、
パルプと熱融着バインダー繊維を含み、レーヨン繊維は含まず、前記パルプと熱融着バインダー繊維の重量比が7.5:2.5〜6.0:4.0であり、かつ、水を自重の250重量%含浸させた状態で測定した、JIS L 1096Eのハンドルオメーター法によるソフトネスが60g以下であることを特徴とする化繊混抄紙。 - 前記化繊混抄紙は、水を自重の250重量%含んだ状態での学振型摩擦試験機を用いた表面摩耗試験の結果が7回以上である請求項1記載の化繊混抄紙。
- 熱融着バインダー繊維が、芯鞘構造を有し、融着温度が100〜160℃である請求項1又は2記載の化繊混抄紙。
- パルプが針葉樹晒クラフトパルプを含み、熱融着バインダー繊維がPET/PE芯鞘構造の熱融着バインダー繊維を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の化繊混抄紙。
- 請求項1〜4の何れか1項の化繊混抄紙を用いた基材シートに薬液が含浸されていることを特徴とするウェットワイパー。
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