JP2009131799A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】噴出器本体11と、この噴出器本体11の前端に設けられたノズル12と、が備えられたトリガー式液体噴出器10であって、ピストン16には、後方に向けて開口しかつその内部にシリンダ17のピストンガイド部32が挿入されるとともに前端にトリガー15が連結された筒状のピストン本体部35と、このピストン本体部35の後端部に設けられ、外周面がシリンダ17の外筒部31の内周面上を前後摺動しかつ内周面がピストンガイド部32の外周面上を前後摺動する摺動筒部36と、が備えられ、この摺動筒部36の内周面とピストンガイド部32の外周面との間には、ピストン本体部35内の前端部とピストンガイド部32の前端部との間の内室37と、外筒部31の内部における後端部と摺動筒部36の後端部との間の液室38と、を連通する連通路39が形成されている。
【選択図】図1
Description
前記噴出器本体は、上下方向に延びる吸い上げ筒部と、この吸い上げ筒部から前方に向けて延設された射出筒部と、前後方向に揺動可能に垂設されたトリガーと、このトリガーの前後動に伴って前後動させられるピストンと、このピストンの前後動に伴って内部が加圧および減圧させられるシリンダと、を備えている。また、前記ノズルに、吸い上げ筒部および射出筒部の各内部を通過した液体を外部に噴出するノズル孔が形成されている。
ここで、前記シリンダには、前方に向けて開口した外筒部と、この外筒部の径方向内側に配置されかつ前方に向けて延設されたピストンガイド部と、が備えられるとともに、前記外筒部の後端部にこの外筒部の内部と前記吸い上げ筒部の内部とを連通させる連通孔が形成されている。
また、前記ピストンには、後方に向けて開口しかつその内部に前記ピストンガイド部が挿入されるとともに前端に前記トリガーが連結された筒状のピストン本体部と、このピストン本体部の後端部に設けられ、内周面と前記ピストンガイド部の外周面との間に隙間を設けた状態で、外周面が前記外筒部の内周面上を前後摺動する摺動筒部と、が備えられている。
以上の構成において、トリガーを後方に移動させることにより、ピストン本体部内にピストンガイド部を進入させ、かつ摺動筒部の外周面を外筒部の内周面上を摺動させつつ、ピストンをシリンダに対して後退移動させることによって、外筒部内の後端部と摺動筒部の後端部との間の液室内の液体を圧縮しつつ前記連通孔を通して吸い上げ筒部内に供給することで、この液体を射出筒部の内部を通過させノズル孔から噴出するように構成されている。
この発明では、摺動筒部が、外筒部の内周面上のみならずピストンガイド部の外周面上をも前後摺動するので、例えば前後方向および上下方向の双方に直交する直交方向に向けた外力がトリガーに作用しても、摺動筒部の内周面および外周面がそれぞれ、ピストンガイド部の外周面および外筒部の内周面に各別に支持されることによって、ピストンがシリンダに対して傾くのを抑制することが可能になり、前記液室内の液体が外部に漏出するのを防ぐことができる。
しかも、摺動筒部の内周面とピストンガイド部との間に前記連通路が形成され、この連通路を介して前記内室と前記液室とが連通しているので、トリガーを後方に移動させてピストンをシリンダに対して後退移動させる過程で連通路を介して前記内室のエアや液体を前記液室に流出させることが可能になり、この内室の内圧が上昇するのを抑制することができる。したがって、前述したように、摺動筒部を、外筒部の内周面上のみならずピストンガイド部の外周面上をも摺動させるようにしたことによって、前記内室の内圧が上昇しトリガーの押し込み量が不足するようになるのを防ぐことが可能になり、吐出障害の発生を防止することができる。
以上より、トリガーの押し込み量を現行同等に維持して吐出障害を生じさせることなく、ピストンがシリンダに対して傾くのを抑制することができる。
この場合、複数の摺動突部のうち前記仮想線上に位置する摺動突部が、他の摺動突部よりも周長が長くなっているので、シリンダに対してピストンが前記直交方向にガタつくのを抑制することが可能になる。したがって、トリガーに前記直交方向に向けた外力が作用したときにピストンがシリンダに対して傾くのをより一層確実に防ぐことが可能になり、トリガーの牽引操作時にピストンがシリンダに対してガタつき易い方向である前記直交方向のガタつきを防止することができる。
この場合、摺動筒部においてその内周面と前記第1環状溝とで区画された内周部分が、径方向に弾性変形可能となっているので、摺動筒部の内周面を、ピストンガイド部の外周面上にその径方向内方に向けて押し付けた状態で、摺動筒部内にピストンガイド部を挿入することが可能になり、ピストンガイド部の外周面上で摺動筒部をその径方向内側から確実に支持することができる。
噴出器本体11は、上下方向Aに延びる吸い上げ筒部13と、この吸い上げ筒部13から前方に向けて延設された射出筒部14と、前後方向Bに揺動可能に垂設されたトリガー15と、このトリガー15の前後動に伴って前後動させられるピストン16と、このピストン16の前後動に伴って内部が加圧および減圧させられるシリンダ17と、を備えている。
さらに、内筒19の内周面において吐出弁23の下方でかつパイプ21の上端よりも上方に位置する部分には、下方に向かうに従い漸次縮径したテーパ筒部19eが突設されている。そして、このテーパ筒部19e内に球状の吸い込み弁24が配置されている。この吸い込み弁24によって、内筒19内において吐出弁23と吸い込み弁24との間に位置する部分と、パイプ21内とを連通および遮断できるようになっている。
さらに、ノズル嵌合筒25の上方には、前後方向Bにおいて射出筒部14の前部と対応する位置でトリガー15の上端部を、上下方向Aおよび前後方向Bの双方に対して直交する直交方向Cに延びる軸線回りに回動可能に支持する装着板26aが設けられている。これにより、トリガー15は前後方向Bに揺動可能に設けられている。
また、この装着板26aの前端部には、下方に向けて延設されて下端がトリガー15の上部に係合された弾性板部26bが連結されている。これにより、トリガー15を牽引すると弾性板部26bが弾性変形し、その後、この牽引を解除したときに、弾性板部26bが復元変形することにより、トリガー15が前方に揺動するようになっている。
また、このシリンダ収納筒部27の上面と、射出筒部14の後部における下面と、を連結し、かつ後端縁が外筒18の外周面においてシリンダ収納筒部27と射出筒部14との間に位置する部分に接続された垂下板28が設けられている。さらに、シリンダ収納筒部27の後端面には、前方に向けて嵌合突部29が突設されている。
そして、シリンダ収納筒部27内にシリンダ17の外筒部31が嵌合されている。また、シリンダ収納筒部27の内周面とシリンダ17の外筒部31の外周面とは、前後方向Bの両端部が気密に当接し、かつ前後方向Bに沿ってこれらの両端部同士の間に位置する部分には隙間が設けられて筒状空間Vが形成されている。また、外筒部31には、その内部と筒状空間Vとを連通する第1連通孔31aが形成されている。
ここで、本実施形態では、シリンダ17の外筒部31およびピストンガイド部32と、ピストン16のピストン本体部35および摺動筒部36と、は前後方向Bに沿って延びる共通軸と同軸に配置されている。以下、この共通軸を中心軸線Oという。
ここで、この摺動筒部36の後端面には、第1環状溝36aと、この第1環状溝36aよりも大径の第2環状溝36bとが形成されている。また、摺動筒部36の前端面には第3環状溝36cが形成されている。なお、これらの第1環状溝36a、第2環状溝36bおよび第3環状溝36cはそれぞれ中心軸線Oと同軸に配置されている。
また、摺動筒部36の内周面における後端部は、その縦断面視で後方に向かうに従い漸次縮径しており、この摺動筒部36においてこの後端部における内周面と第1環状溝36aとで区画された内周部分36eが径方向に弾性変形可能となっている。
ここで、ピストンガイド部32の外周面には、摺動筒部36の内周面が前後摺動する複数の摺動突部32a、32bが周方向に間隔をあけて形成されており、これらの周方向で隣り合う摺動突部32a、32b同士の間と摺動筒部36の内周面とで画成された部分が前記連通路39となっている。
これらの摺動突部32a、32bのうち、前後方向Bおよび上下方向Aの双方に直交する直交方向Cに沿って延在しかつピストンガイド部32および摺動筒部36の共通軸線である前記中心軸線Oを通る仮想線L上に位置する摺動突部32aは、他の摺動突部32bよりも周長が長くなっている。
その後、トリガー15を離すと、このトリガー15は弾性板部26bの弾性復元力により前方に揺動し、これに追従してピストン16もシリンダ17に対して前進移動して液室38内が負圧化する。これにより、容器体内の液体がパイプ21から吸い上げられ、吸い込み弁24を開いてテーパ筒部19e内および連通孔33を介して液室38内に流入する。一方、トリガー15の前方に向けた揺動に追従してピストン16が後端位置から前進すると、容器体内が負圧化するため、外気が第1連通孔31a、筒状空間V、第2連通孔27aおよび第3連通孔19dをこの順に通過して容器体内へ導入される。
以上より、トリガー15の押し込み量を現行同等に維持して吐出障害を生じさせることなく、ピストン16がシリンダ17に対して傾くのを抑制することができる。
例えば、前記実施形態のようにピストンガイド部32に摺動突部32a、32bを形成しないで、このピストンガイド部32の外周面をその全域にわたって平滑面にする一方、ピストン16の内周面に複数の摺動突部32a、32bを形成してもよい。
また、摺動突部32a、32bは、ピストンガイド部32の外周面およびピストン16の内周面のうちの少なくとも一方に形成すればよい。なお、ピストンガイド部32の外周面およびピストン16の内周面の双方に摺動突部32a、32bを形成する場合には、互いをかみ合わせないようにするのが好ましい。
さらに、ピストンガイド部32または/およびピストン16に形成する複数の摺動突部32a、32bは、全て同形同大にしてもよい。
さらにまた、ピストンガイド部32の外周面または/およびピストン16の内周面に前記中心軸線O方向に延びる溝を形成し、この溝の非形成部分により前述の摺動突部32a、32bと同様の作用効果を奏功させるようにしてもよい。
さらにまた、これに代えて、例えば図4に示されるように、周長の長い摺動突部32aに形成する縦溝40、および周長の短い摺動突部32bに形成する縦溝40の各幅を互いに同等にし、周長の長い摺動突部32aに形成する縦溝40の個数を、周長の短い摺動突部32bに形成する縦溝40の個数よりも多くしてもよい。
図3および図4に示されるような摺動突部32a、32bを採用しても、図2で示した摺動突部32a、32bと同様の作用効果を奏功させることができる。
11 噴出器本体
12 ノズル
13 吸い上げ筒部
14 射出筒部
15 トリガー
16 ピストン
17 シリンダ
31 外筒部
32 ピストンガイド部
32a、32b 摺動突部
33 連通孔
35 ピストン本体部
36 摺動筒部
36a 第1環状溝
36b 第2環状溝
36e 内周部分
37 内室
38 液室
39 連通路
A 上下方向
B 前後方向
C 直交方向
L 仮想線
O 中心軸線(共通軸線)
Claims (3)
- 噴出器本体と、この噴出器本体の前端に設けられたノズルと、が備えられ、
前記噴出器本体は、上下方向に延びる吸い上げ筒部と、この吸い上げ筒部から前方に向けて延設された射出筒部と、前後方向に揺動可能に垂設されたトリガーと、このトリガーの前後動に伴って前後動させられるピストンと、このピストンの前後動に伴って内部が加圧および減圧させられるシリンダと、を備えるとともに、前記ノズルに、吸い上げ筒部および射出筒部の各内部を通過した液体を外部に噴出するノズル孔が形成されたトリガー式液体噴出器であって、
前記シリンダには、前方に向けて開口した外筒部と、この外筒部の径方向内側に配置されかつ前方に向けて延設されたピストンガイド部と、が備えられるとともに、前記外筒部の後端部にこの外筒部の内部と前記吸い上げ筒部の内部とを連通させる連通孔が形成され、
前記ピストンには、後方に向けて開口しかつその内部に前記ピストンガイド部が挿入されるとともに前端に前記トリガーが連結された筒状のピストン本体部と、このピストン本体部の後端部に設けられ、外周面が前記外筒部の内周面上を前後摺動しかつ内周面がピストンガイド部の外周面上を前後摺動する摺動筒部と、が備えられ、
この摺動筒部の内周面と前記ピストンガイド部との間には、ピストン本体部内の前端部とピストンガイド部の前端部との間の内室と、前記外筒部内の後端部と前記摺動筒部の後端部との間の液室と、を連通する連通路が形成されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 請求項1記載のトリガー式液体噴出器であって、
前記ピストンガイド部の外周面には、前記摺動筒部の内周面が前後摺動する摺動突部が周方向に間隔をあけて複数形成されるとともに、周方向で隣り合う摺動突部同士の間が前記連通路とされ、
これらの摺動突部のうち、前後方向および上下方向の双方に直交する直交方向に沿って延在しかつ前記ピストンガイド部および摺動筒部の共通軸線を通る仮想線上に位置する摺動突部は、他の摺動突部よりも周長が長くなっていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 請求項1または2に記載のトリガー式液体噴出器であって、
前記摺動筒部の後端面には、前記ピストンガイド部および摺動筒部の共通軸線を中心とした第1環状溝と、この第1環状溝よりも大径でかつ前記共通軸と同軸に配置された第2環状溝とが形成されるとともに、前記摺動筒部の後端部における内周面は、後方に向かうに従い漸次縮径し、この摺動筒部においてその内周面と前記第1環状溝とで区画された内周部分は、径方向に弾性変形可能となっていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
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