JP2009121425A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンの温度上昇を抑えて、ピストンの耐久性を向上させる。
【解決手段】本発明は、冠面61の断熱性能が冠面部位によって異なるように形成したピストン60と、ピストン60とシリンダヘッドとシリンダブロックとによって区画形成され、ピストン60の冠面周縁部とシリンダヘッドとの距離が大きい領域Xと小さい領域Yとを有する燃焼室と、を備える内燃機関であって、ピストン60は、燃焼室の領域X内の冠面61の断熱性能が、燃焼室の領域Y内の冠面61の断熱性能よりも高いことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は内燃機関に関する。
従来の内燃機関として、機関圧縮比を運転状態に応じて変更可能な複リンク式ピストンストローク機構を備えた内燃機関が知られている(例えば、特許文献1参照)。この内燃機関は、クランクピンにロアリンク(第1リンク)を回転自在に連結し、このロアリンクの一端にはアッパピンを介してアッパリンク(第2リンク)を、他端にはコントロールピンを介してコントロールリンク(第3リンク)を回転自在に連結し、このロアリンクの動作をコントロールリンクによって規制している。そして、運転状態に応じてコントロールリンクを制御して第1リンクの傾斜を変えることで、アッパリンクの他端に連結するピストンの上死点位置をコントロールし、圧縮比可変機構を実現しようとするものである。
特開平2005−147068号公報
しかしながら、前述した従来の内燃機関は、燃焼ガスと接触するピストンへの熱流入量が大きかった。そのため、ピストン温度の上昇によって材料の強度が低下し、その結果、ピストンの耐久性が低下するという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、ピストン温度の上昇を抑え、ピストンの耐久性を向上させることを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、冠面(61)の断熱性能が冠面部位によって異なるように形成したピストン(60)と、前記ピストン(60)とシリンダヘッド(30)とシリンダブロック(31)とによって区画形成され、前記ピストン(60)の冠面周縁部と前記シリンダヘッド(30)との距離が大きい領域Xと小さい領域Yとを有する燃焼室(40)と、を備える内燃機関(1)であって、前記ピストン(60)は、前記燃焼室(40)の領域X内の冠面(61)の断熱性能が、その燃焼室(40)の領域Y内の冠面(61)の断熱性能よりも高いことを特徴とする。
ピストンへの熱流入量が大きくなるピストンの冠面周縁部とシリンダヘッドとの距離が大きい領域X内のピストン冠面の断熱性能を他の冠面部位よりも相対的に高くしたので、ピストンへの熱流入量を低減できる。これにより、ノッキングの発生を防ぎつつ、ピストン温度の上昇を抑えて、ピストンの耐久性を向上させることができる。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、複リンク式ピストンストローク機構を備えたエンジン(以下「複リンク式エンジン」という。)1を示す図である。
複リンク式エンジン1は、シリンダブロック31と、その頂部を覆うシリンダヘッド30とを備える。シリンダブロック31には、複数のシリンダ31aが形成される。シリンダ31aには、ピストン60が摺動自在に嵌合する。ピストン60は、冠面61に、ピストン温度を低減させるための断熱膜70を有する。
これらシリンダヘッド30とシリンダブロック31とピストン60とによって、ペントルーフ形の燃焼室40が区画形成される。燃焼室40については、図2を参照して後述する。
シリンダヘッド30には、燃焼室40に開口する吸気通路41及び排気通路42が形成され、吸気通路41の開口を開閉する吸気バルブ43と、排気通路42の開口を開閉する排気バルブ44とが配設される。また、シリンダヘッド30には、電極を燃焼室40の頂壁40aの中心部に突出させた状態で点火栓45が配設される。
複リンク式ピストンストローク機構は、ピストン60とクランクシャフト33とを2つのリンク(アッパリンク(第1リンク)11、ロアリンク(第2リンク)12)で連結するとともに、コントロールリンク(第3リンク)13でロアリンク12を制御して圧縮比を変更する。
アッパリンク11は、その上端がピストンピン21を介してピストン60と連結し、その下端がアッパピン22を介してロアリンク12の一端と連結する。ピストン60は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック31のシリンダ31a内を往復動する。
ロアリンク12は、その一端がアッパピン22を介してアッパリンク11に連結し、その他端がコントロールピン23を介してコントロールリンク13に連結する。また、ロアリンク12は、その略中央の連結孔に、クランクシャフト33のクランクピン33bが挿入され、クランクピン33bを中心軸として揺動する。ロアリンク12は左右の2部材に分割可能である。クランクシャフト33は、複数のジャーナル33aとクランクピン33bとカウンタウェイト33cとを備える。ジャーナル33aは、シリンダブロック31及びラダーフレーム34によって回転自在に支持される。クランクピン33bは、ジャーナル33aから所定量偏心しており、ここにロアリンク12が揺動自在に連結する。カウンタウェイト33cは、ジャーナル33aとクランクピン33bとをつなぐアーム部に設けられ、回転部分の重量アンバランスを取り除く。
コントロールリンク13は、その一端がコントロールピン23を介してロアリンク12に連結し、その他端が連結ピン24を介してコントロールシャフト25に連結する。コントロールリンク13は、この連結ピン24を中心として揺動する。またコントロールシャフト25にはギアが形成されており、そのギアがアクチュエータ51の回転軸52に設けられたピニオン53に噛合する。アクチュエータ51によってコントロールシャフト25が回転させられ、連結ピン24が移動する。
図2は、ペントルーフ形の燃焼室40の構造を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のB−B断面図、図2(C)は図2(A)のC−C断面図である。
図2(A)に示すように、ペントルーフ形の燃焼室40の頂壁40aには、ペントルーフ稜線80を挟んで一方に吸気通路41の開口41aが形成され、他方に排気通路42の開口42aが形成される。
また、図2(A)(B)に示すように、ペントルーフ形の燃焼室40では、ピストン冠面61の周縁部において、ピストン冠面61の周縁部と燃焼室頂壁40aとの距離が大きい領域Xが存在する。領域Xは、ピストン冠面61の周縁部とペントルーフ稜線80の近傍の燃焼室頂壁40aとの間に形成される領域である。
一方で、図2(A)(C)に示すように、ペントルーフ形の燃焼室40では、ピストン冠面61の周縁部において、ピストン冠面61の周縁部と燃焼室頂壁40aとの距離が小さい領域Yが存在する。領域Yは、ピストン冠面61の周縁部とペントルーフ稜線80からピストン冠面61の周縁部へ向かって下り傾斜している燃焼室頂壁40aとの間に形成される領域である。
ここで、ピストン冠面61と燃焼室頂壁40aとの距離が大きい領域Xは、ピストン60が上死点位置にきたとき、領域Yよりも局所的に圧力が低くなる。そのため、領域Xには、領域Yよりも火炎が早く到達する。したがって、領域Xはノッキングの起点になりにくい。また、領域Xには、領域Yよりも火炎が早く到達するので、領域Xの近傍のピストン冠面61の温度は、領域Yの近傍のピストン冠面61の温度よりも高くなる。
一方で、ピストン冠面61と燃焼室頂壁40aとの距離が小さい領域Yは、ピストン60が上死点位置にきたとき、領域Xよりも局所的に圧力が高くなる。そのため、火炎伝播が遅くなる。したがって、領域Yはノッキングの起点になりやすい。
図3は複リンク式ピストンストローク機構による圧縮比変更方法を説明する図である。
複リンク式ピストンストローク機構は、コントロールシャフト25を回転して連結ピン24の位置を変更することで、圧縮比を変更する。例えば図3(A)、図3(C)に示すように連結ピン24を位置Pにすれば、上死点位置(TDC)が高くなり高圧縮比になる。
そして図3(B)、図3(C)に示すように、連結ピン24を位置Qにすれば、コントロールリンク13が上方へ押し上げられ、コントロールピン23の位置が上がる。これによりロアリンク12はクランクピン33bを中心として反時計方向に回転し、アッパピン22が下がり、ピストン上死点(TDC)におけるピストン60の位置が下降する。したがって圧縮比が低圧縮比になる。
また複リンク式エンジン1は、ピストン60とクランクシャフト33とを1つのリンク(コンロッド)で連結し、圧縮比が一定である通常のエンジン(以下「ノーマルエンジン」という)に比べて、ピストン60が上死点付近に滞在する期間が長いという特性がある。
つまり、複リンク式エンジン1のピストンクランク機構は、上死点から下死点までのピストンストローク量がピストンクランク機構における上死点から下死点までのピストンストローク量と同一で、クランクシャフト中心とピストン(燃焼室)との距離がほぼ等しいノーマルエンジンのピストンクランク機構に比べて、ピストン60の往復運動が単振動運動に近い特性となるよう、上死点と下死点におけるピストンストローク特性が略対称で、ノーマルエンジンのピストンクランク機構に比べてピストン下死点前後のピストンストローク速度が大きく、かつピストン上死点前後のピストンストローク速度が小さくなるように、上死点前から上死点にかけて、及び下死点前から下死点にかけてはノーマルエンジンのピストンクランク機構に比べてピストン60を引き下げる方向にロアリンク12がコントロールリンク13の揺動によってクランクピン回りに揺動し、上死点から上死点後にかけて、及び下死点から下死点後にかけてはノーマルエンジンのピストンクランク機構に比べてピストン60を引き上げる方向にロアリンク12がコントロールリンク13の揺動によってクランクピン回りに揺動するように、各リンクや各支点のアライメントが設定されている。
この点について、図4を参照して説明する。
図4は、複リンク式エンジン1のピストン挙動を示す図であり、図4(A)は図4(B)の実線で囲われた部分の拡大図である。図4には、ノーマルエンジンと同じ圧縮比にした複リンク式エンジン1のピストン挙動が細実線で示されている。
ピストン60が上死点から所定の距離内にあるときを、ピストン上死点付近滞在期間と定義すると、図4から明らかなように複リンク式エンジン1は、同じ圧縮比であるノーマルエンジンに比べて、ピストン上死点付近滞在期間が長い。
また、複リンク式ピストンストローク機構を高圧縮比に設定したときのピストン上死点付近滞在期間L1は、低圧縮比に設定したときのピストン上死点付近滞在期間L2よりも長い。すなわち図4(A)において、L1>L2である。
このように複リンク式エンジン1は、ノーマルエンジンに比べてピストン上死点付近滞在期間が長くなる。そのため、複リンク式エンジン1は、ノーマルエンジンに比べて筒内圧が上昇するので、燃焼ガスの温度も高くなる。したがって、複リンク式エンジン1は、ノーマルエンジンに比べて、ピストン60への熱流入量が大きくなり、ピストン60の耐久性が低下するという問題点がある。
ピストン60の耐久性を向上させるには、燃焼ガスに接触するピストン冠面61に断熱層を形成して、ピストン60への熱流入量を軽減することが有効である。しかしながら、断熱材は蓄熱作用をも有するため、断熱材自体の温度が高くなってしまい、ノッキングの起点になりやすい。
そこで本発明では、火炎伝播が早いためにピストン60への熱流入量は大きいものの、一方でノッキングの起点にはなりにくい領域Xの近傍のピストン冠面61に断熱膜70を形成する。これにより、領域X内のピストン冠面61の断熱性能を、領域Y内のピストン冠面61の断熱性能よりも高くする。
図5は、本発明の第1実施形態によるピストンを示す図である。なお、図5(A)はピストン60の冠面61を上から見た図である。図5(B)は、図5(A)のB−B断面図である。
断熱膜70は、ピストン冠面61に形成される。断熱膜70は、ピストン冠面61と燃焼室頂壁40aとの距離が大きい領域Xの近傍を覆うように形成される。これにより、火炎伝播が早く、温度が上昇しがちな領域Xの近傍からのピストン60への熱流入量を低減できる。したがって、ピストン60の温度上昇を抑えることができる。このとき、火炎伝播が早い領域Xは、ノッキングの起点にはなりにくいので、耐ノッキング性能を確保しつつ、ピストン60の温度上昇を抑えることができる。
また、断熱膜70は、ピストン中心Rの近傍を覆うように形成される。これにより、温度が上昇しがちな点火栓直下からのピストン60への熱流入量を低減できるので、ピストン60の温度上昇を一層抑えることができる。
さらに、断熱膜70は、ピストンヘッド62とピストンピンボス63の結合部69をピストン冠面61と同一平面上に投影したときに、結合部69の投影69aを包含するように形成される。これにより、ピストン冠面61からピストンピンボス63への伝熱を抑制できる。その結果、燃焼荷重や慣性力などの非常に大きな力が加わるピストンピンボス63の熱的負担を軽減して、ピストン60の耐久性を向上させることができる。さらに熱変形によるピストンピンとピストンピンボス63との磨耗を抑制できる。
なお、断熱膜の厚さにより、単にピストン冠面上に被膜を形成するようにしてもよいし、ピストン冠面61の一部を窪ませて、その部分に被膜を形成してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、ピストン冠面61と燃焼室頂壁40aとの距離が大きい領域Xの近傍に断熱膜70を形成して、領域X内のピストン冠面61の断熱性能を、領域Y内のピストン冠面61の断熱性能よりも高くした。そのため、火炎伝播が早く、温度が上昇しがちな領域Xの近傍からのピストン60への熱流入量を軽減できるので、ピストン60の温度上昇を抑えることができる。このとき、火炎伝播が早い領域Xは、ノッキングの起点にはなりにくく、一方で火炎伝播の遅い領域Yには、断熱膜70が形成されていない。そのため、耐ノッキング性能を確保しつつ、ピストン60の温度上昇を抑えることができる。
また、点火栓直下のピストン中心Rの近傍に断熱膜70を形成して、ピストン冠面61の中央部の断熱性能を、領域Y内のピストン冠面61の断熱性能よりも高くした。そのため、温度が上昇しがちな点火栓直下からのピストン60への熱流入量を軽減できるので、ピストン60の温度上昇を一層抑えることができる。
このように、ピストン60の温度上昇を抑えることで、ピストン60の強度及び剛性の低下を抑えることができる。
さらに、ピストンヘッド62とピストンピンボス63の結合部69をピストン冠面61と同一平面上に投影したときに、結合部69の投影69aを包含するようにピストン冠面に断熱膜70を形成して、結合部69が投影された部位のピストン冠面61の断熱性能を、領域Y内のピストン冠面61の断熱性能よりも高くした。これにより、ピストン冠面61からピストンピンボス63への伝熱を抑制できる。その結果、燃焼荷重や慣性力などの非常に大きな力が加わるピストンピンボス63の熱的負担を軽減して、ピストン60の耐久性を向上させることができる。さらに熱変形によるピストンピン21とピストンピンボス63との磨耗を抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図6を参照して説明する。本実施形態は、ピストン冠面61に2種類の断熱膜70,71を形成した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、以下の各実施形態では前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図6は、本発明の第2実施形態によるピストン60を示す図である。なお、図6(A)はピストン60の冠面61を上から見た図である。図6(B)は、図6(A)のB−B断面図である。
ピストン冠面61には、断熱膜70と、断熱膜70よりも厚さの薄い断熱膜71とが形成される。ピストン冠面61は、断熱膜70と断熱膜71とによって完全に覆われる。
断熱膜70は、第1実施形態と同様に、ピストン冠面61と燃焼室頂壁40aとの距離が大きい領域Xの近傍と、点火栓直下のピストン中心Rの近傍と、ピストンヘッド62及びピストンピンボス63の結合部69の投影69aとを覆うように形成される。
断熱膜71は、ピストン冠面61と燃焼室頂壁40aとの距離が小さい領域Yの近傍を覆うように形成される。本実施形態では、断熱膜71は、断熱膜70で覆われた部分以外を覆うように形成される。
以上説明した本実施形態によれば、領域Xの近傍に形成した断熱膜70よりも薄膜の断熱膜71を領域Yの近傍に形成して、領域X内のピストン冠面61の断熱性能を、領域Y内のピストン冠面61の断熱性能よりも高くした。これにより、領域Yの近傍にも断熱膜71を形成した分だけピストン60への熱流入量をより軽減できるので、ピストン60の温度上昇を一層抑えることができる。また、領域Yに形成された断熱膜71は領域Xに形成された断熱膜70よりも薄いので、断熱材の蓄熱作用も弱い。したがって、耐ノック性能を維持しつつ、ピストンの耐久性を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図7を参照して説明する。本実施形態は、ピストンヘッド62に円形のキャビティ66を形成し、ピストン冠面61に形成する断熱膜70の範囲を変更した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図7は、本発明の第3実施形態によるピストン60を示す図である。なお、図7(A)はピストン60の冠面61を上から見た図である。図7(B)は、図7(A)のB−B断面図である。
ピストンヘッド62には、円形のキャビティ66が形成される。キャビティ66は、ピストン中心Rの近傍が最も深くなるように形成される。キャビティ66は、外周部からピストン中心Rにかけて、徐々に深さが深くなるように形成される。
断熱膜70は、キャビティ66に形成される。キャビティ内はピストン冠面61と燃焼室頂壁40aとの距離が大きくなるので、火炎伝播が早くなる。したがって、キャビティ66に断熱膜70を形成することで、温度が上昇しがちなキャビティ66からピストン60への熱流入量を軽減できる。これにより、ピストン60の温度上昇を抑えることができる。また、第1実施形態と同様に、断熱膜70は、ピストン冠面61の周縁部と燃焼室頂壁40aとの距離が大きい領域Xの近傍にも形成される。
以上説明した本実施形態によれば、火炎伝播が早くノッキングの起点とはなりにくい一方で、ピストンへの熱流入量が多くなるキャビティ内と領域Xの近傍に断熱膜70を形成した。これにより、耐ノッキング性能を確保しつつ、ピストン60の温度上昇を抑え、ピストンの耐久性を向上させることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、各実施形態では、ピストン冠面61に断熱膜70を形成していたが、ピストンヘッド62を断熱材料と非断熱材料とで構成し、ピストン60を構成しても良い。
また、第2実施形態では、領域Yに薄膜の断熱膜71を用いたが、厚さは同じで断熱効果の低い材料を用いても良い。
第1実施形態による複リンク式エンジンを示す図である。 ペントルーフ形の燃焼室の構造を示す図である。 複リンク式ピストンストローク機構による圧縮比変更方法を説明する図である。 複リンク式エンジンのピストン挙動を示す図である。 第1実施形態によるピストンを示す図である。 第2実施形態によるピストンを示す図である。 第3実施形態によるピストンを示す図である。
符号の説明
1 複リンク式エンジン(内燃機関)
11 アッパリンク
12 ロアリンク
13 コントロールリンク
21 ピストンピン
22 アッパピン
23 コントロールピン
30 シリンダヘッド
33 クランクシャフト
33b クランクピン
40 燃焼室
45 点火栓
60 ピストン
61 ピストン冠面
62 ピストンヘッド
63 ピストンピンボス
69 結合部
69a 冠面上に投影された結合部
70 断熱膜
71 断熱膜
80 ペントルーフ稜線

Claims (8)

  1. 冠面の断熱性能が冠面部位によって異なるように形成したピストンと、
    前記ピストンとシリンダヘッドとシリンダブロックとによって区画形成され、前記ピストンの冠面周縁部と前記シリンダヘッドとの距離が大きい領域Xと小さい領域Yとを有する燃焼室と、
    を備える内燃機関であって、
    前記ピストンは、前記燃焼室の領域X内の冠面の断熱性能が、その燃焼室の領域Y内の冠面の断熱性能よりも高い
    ことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記ピストンは、冠面中央部の断熱性能が、前記燃焼室の領域Y内の冠面の断熱性能よりも高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記ピストンは、ピストンヘッドとピストンピンボスとの結合部を前記ピストンの冠面上に投影したときの、その結合部が投影された冠面の断熱性能が、前記燃焼室の領域Y内の冠面の断熱性能よりも高い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記ピストンの冠面に形成する断熱膜の厚さを厚くすることで、そのピストンの断熱性能を高くする
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1つに記載の内燃機関。
  5. 前記燃焼室は、ペントルーフ形の燃焼室である
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1つに記載の内燃機関。
  6. 前記燃焼室の領域Xは、前記ピストンの冠面周縁部とペントルーフ稜線付近のシリンダヘッドとの間に形成される領域である
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
  7. 前記燃焼室の領域Yは、前記ピストンの冠面周縁部とペントルーフ稜線からピストンの冠面周縁部へ向かう下り傾斜面との間に形成される領域である
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関。
  8. 前記ピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記アッパリンクにアッパピンを介して連結されるロアリンクと、
    前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されるコントロールリンクと、
    を有し、機関圧縮比の変更が可能な複リンク式ピストンストローク機構を備える
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1つに記載の内燃機関。
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