JP2005180302A - 内燃機関のピストン駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピストン8のストローク特性の改良と組み合わせて、圧力リングの一本化を可能とし、軽量化・コンパクト化を図る。
【解決手段】 ピストン8の外周に装着されるピストンリングを一本の圧力リングと一本のオイルリングの2本のみとする。ピストン8とクランクシャフト1とを複数のリンク4,5により連係する複リンク式ピストン−クランク機構により、ピストンとクランクシャフトとを一本のリンクにより連係する単リンク式ピストン−クランク機構に比して、単振動に近いピストンストローク特性を実現する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクにより連係した複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関のピストン駆動装置に関する。
特許文献1は、本出願人が先に提案したものであり、複リンク式ピストン−クランク機構を用いた内燃機関の可変圧縮比機構を開示している。この可変圧縮比機構は、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連係するアッパリンクと、の2本のリンクによってピストンとクランクピンとを連係し、かつ、ロアリンクの運動を拘束するように、ロアリンクにコントロールリンクの一端が連結されている。このコントロールリンクの他端は、内燃機関の固定要素である例えばシリンダブロック下部に揺動可能に支持されている。このコントロールリンクの他端の揺動支点位置をカム機構により変位させることで、ピストン上死点位置ひいては機関の圧縮比を変更・制御することができる。
特開2001−227367号公報
ところで、ピストンの外周に装着される複数のピストンリングとして、一般的に、主としてシリンダとの隙間をシールする燃焼室側の圧力リングと、主としてシリンダとの隙間を潤滑するオイル量、特に油膜を調整・確保するクランクシャフト(クランクケース)側のオイルリングと、が含まれる。ピストンリングの数は、当然のことながら、少ないほどフリクションが小さく、ピストンの全高も低く抑制することができる。そこで、ピストンリングの数を最小限、つまり一本のオイルリングと一本の圧力リングの2本のみとするリングの2本化技術が以前より提案されている。しかしながら、現在の大半の内燃機関すなわちエンジンでは、圧力リングを2本設けている。その主な理由として、圧力リングを2本設ける方が高速時のブローバイガスの増大の問題が顕在化し難いことが挙げられる。
図7は、3本のピストンリング、すなわち2本の圧力リング102,103と1本のオイルリング104からなる比較例の三本リング(圧力リング2本)構成を示している。ピストン101の外周には、燃焼室に臨んだピストン冠面側より順に、圧力リングとしてトップリング102及びセカンドリング103の2本が装着され、さらにオイルコントロール用として一本のオイルリング104が装着されている。
圧力リング(102)の基本作用を図8に示す。一般的な4サイクル内燃機関においては、吸入・圧縮・膨張・排気の4行程がある。(1)吸気行程では、圧力リング102は下降するピストン101に押されて浮き上がり、溝の上面に密着して溝内のオイルの進入を防ぐ。(2)圧縮行程では、ピストンが上昇して圧力リングを押す。これによりリングが溝の底面と密着して上方からの混合気を逃さない。(3)燃焼・膨張行程では、燃焼ガスがリングを上から押して溝の底面に押しつける。リングは背圧もかかって外側に押し出されるので、シリンダ105と密着してガスが密封される。(4)排気行程では、ピストンは上昇するものの、ガスの圧力及び排圧により上記の(3)燃焼・膨張行程と同じ状態となり、ガスが逃げるのを防ぐ。
このようにピストンリングのリング溝内での挙動は、わずかな移動であってもガスおよびオイルのシールに対して大きな影響をもっている。リングに作用する慣性力が小さい低速域では図8を参照して上述したような特性を良好に得ることができる。しかしながら、ピストンに作用する慣性力が増大する高速条件では、圧縮行程後半から膨張行程前半にかけて、リングに上向き(燃焼室側)に作用する加速度が大きくなるので、ガス圧が作用していても、これに打ち勝つ加速度条件になると、リングが浮き上がる現象が発生する。
リングが浮き上がるとシール機能が大きく低下するため、ブローバイガスが増加し、出力も大幅に低下するとともに、発生したブローバイが多くなるとクランク室からオイルが持ち去られてオイル消費量が増加するといった問題も発生する。しかしながら、リングの浮き上がりが発生しても、2本の圧力リングを装着していると、リングの圧力条件などの違いで、浮き上がりが必ずしも同時とはならず、互いにカバーし合うため、高速の使用回転域を多少拡大することができる。
図9は、高速・低負荷時の比較的リングの浮き上がりが発生し易い条件でのリング挙動の測定例を示している。トップリング102及びセカンドリング103は共に上死点側で浮き上がっているが、浮き上がるタイミングが若干ずれており、また筒内圧のピーク時にはトップリングは浮き上がりが無くなっていて、その後浮き上がる時にはセカンドリングが今度はシールしているなど、互いにカバーし合う領域が多い。圧力リングが一本の場合には、このようなカバー機能が得られないため、シール性の低下が直接的にブローバイガス量に反映する。シール部分も実質的に単一となるため、ブローバイガスに対する抵抗も小さい(圧力リング2本の場合は、それだけでもブローバイに対し、大きな抵抗となる)。
以上のようなことから、従来、圧力リングを一本のみとすることは現実的には非常に困難であるとされてきた。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、複リンク式ピストン−クランク機構を利用して、ピストン加速度特性・ピストン挙動を改良し、これとの組み合わせで、ピストンリングによるシール機能上の課題を解消し、従来では高速性能でのブローバイガスの増加を回避することが非常に困難であったピストンリングの2本化(圧力リングの1本化)を実現し、ピストンリングの摩擦損失の低減化及びピストン全高低減による内燃機関のコンパクト化・軽量化を図ることを主たる目的としている。
本発明の更なる目的は、例えば機関圧縮比を変更可能な複リンク式ピストン−クランク機構に特有の課題である、ピストンストローク領域の必然的な拡大による機関全高の増加を、圧力リングの一本化によるピストン全高の低減化で相殺・吸収し、複リンク式ピストン−クランク機構の採用に伴う内燃機関の大型化・重量増加を有効に低減・防止することにある。
クランクシャフトの回転に連動してシリンダ内を往復動するピストンの外周に装着されるピストンリングを、主としてシリンダとの隙間をシールする一本の圧力リングと、主としてオイル量を調整する一本のオイルリングと、により構成する。ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクにより連係する複リンク式ピストン−クランク機構により、ピストンとクランクシャフトとを一本のリンクにより連係する単リンク式ピストン−クランク機構に比して単振動に近いピストンストローク特性を実現する。
ピストンストローク特性を単振動に近づけることにより、これとの組み合わせで、ピストンリングによるシール機能上の課題を解消し、従来では高速域でのブローバイガスの増加を回避することが非常に困難であった圧力リングの1本化を実現することができる。これにより、ピストンリングの摩擦損失の低減化に加えて、ピストン全高を低く抑制することができ、特に複リンク式ピストン−クランク機構を備える場合の大きな課題である、内燃機関のコンパクト化・軽量化を図ることができる。
以下、この発明に係る内燃機関のピストン駆動装置の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1を参照して、ピストン8は、内燃機関の固定要素としてのシリンダブロック18に形成されたシリンダ19に昇降可能に嵌合しており、クランクシャフト1の回転に連動してシリンダ19内を往復動する。クランクシャフト1は、複数のジャーナル部2と、このジャーナル部2から所定量偏心するクランクピン3と、ジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブ16と、このクランクウェブ16からクランクピン3とは反対側へ延びるカウンタウェイト15と、を有している。
本実施例に係る複リンク式ピストン−クランク機構としての可変圧縮比機構は、ピストン8とクランクシャフト1のクランクピン2とを複数のリンクにより連係する複リンク式ピストン−クランク機構であり、かつ、ピストン位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構である。この可変圧縮比機構は、クランクピン2に回転可能に装着されるロアリンク4と、このロアリンク4とピストン8とを連係するアッパリンク5と、一端がロアリンク4に連結されるとともに、他端が内燃機関の固定要素であるシリンダブロック18側に揺動可能に支持されるコントロールリンク10と、を有している。
アッパリンク5は、下端側が第1連結ピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク10は、上端側が第2連結ピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸12を介して機関固定要素としてのシリンダブロック18の下部に回動可能に連結されている。つまり、制御軸12は、シリンダブロック18に回転可能に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aを有し、この偏心カム部12aに上記コントロールリンク10の下端部が回転可能に嵌合している。
上記制御軸12は、図示せぬエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて作動する図示せぬ圧縮比制御アクチュエータによって回動位置が制御される。上記制御軸12が圧縮比制御アクチュエータによって回動されると、偏心カム部12aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク10の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク10の揺動支持位置が変化すると、ピストン8の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン8の位置が変化する。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
図2は、上記の複リンク式ピストン−クランク機構の基本的な動作説明図であって、クランクシャフト1が1回転(360°CA)する間の各部の動作を、90°CA毎に示している。図2の(b)がピストン上死点位置に相当し、この図2(b)から明らかなように、コントロールリンク10の下端の位置が変化すれば、ピストン8が上下に変位して、圧縮比が変化することになる。
上記の複リンク式可変圧縮比機構においては、リンクディメンジョンを適切に選定することにより、単振動に近いピストンストローク特性が得られる。特に、図3に示すように、本実施例に係る複リンク式ピストン−クランク機構A1によれば、ピストンとクランクシャフトのクランクピンとを一本のリンク(コンロッド)により連係した参考例に係る単リンク式ピストン−クランク機構A2に比して、より単振動に近いピストンストローク特性とすることが可能である。そして、図4にピストン加速度の特性を示すように、本実施例A1では参考例A2に比してピストン加速度が平準化され、ピストン上死点付近での最大慣性力が大幅に低減する。また、ピストンの加速度特性が対称形状に近づくため、エンジン全体として慣性2次振動を低減できる。
このように単振動に近いピストンストローク特性を実現することにより、図4に示すように、本実施例の複リンク式ピストン−クランク機構A1によれば、参考例に係る単リンク式ピストン−クランク機構A2に比して、上死点付近でのピストン8の加速度の絶対値が大幅に(約30%)低減される(Δα)。このように上死点付近での加速度の絶対値が低減されれば、ピストン慣性重量による加振力も緩和され、エンジン全体としての振動も低減される。
このような圧縮上死点付近でのピストン加速度の低下によるピストンリングの微視的な挙動について着目すると、上死点付近でのピストン加速度の絶対値が低減されることは、高速での圧力リングの浮き上がり力がそれだけ減ることになり、同じ圧力条件であれば、大幅な高速化が可能となる。従って、圧力リングを1本のみとしても、高速域までリングの浮き上がりの発生を防止し、所期のシール性を確保できる。このように圧力リングを1本のみとすることにより、圧力リングを2本設ける場合に比して、摩擦損失が低減されることに加え、ピストンの全高が短縮できるから、ピストンの小型化・軽量化が可能となり、複リンク式可変圧縮比機構での大きな課題であるリンク連結部の荷重をも大幅に低減することができる。
このように圧力リングを一本とした本実施例のピストン8を図5に示している。ピストン8外周に装着されるピストンリングが、主としてシリンダ19(図1参照)との隙間をシールする一本の圧力リング21と、主としてピストン8とシリンダ19との間を潤滑するオイル(特に油膜)の量を調整する一本のオイルリング22と、の2本のみにより構成されている。各リング21,22は、ピストン8の外周に形成された周方向に延びる圧力リング溝23及びオイルリング溝24にそれぞれ嵌合する。
ピストン位置の変化を伴って圧縮比を変更する可変圧縮比機構では、圧縮比の可変範囲に応じてピストンのストローク領域を余分に必要とする。従って、単リンク式ピストン−クランク機構に比して、エンジン全高が高くなる傾向にあり、エンジンのコンパクト化・軽量化が重要な課題である。上述したように圧力リングを一本化し、セカンドリングを省略できれば、ピストンコンプレッションハイト(ピストンピン中心より上のピストン高さ)を短縮でき、上述したようなピストンストローク領域の拡大分をほぼ相殺することができる。従って、可変圧縮比機構の適用に伴うエンジンの大型化・重量増加を有効に低減・解消することができる。
このように、複リンク式ピストン−クランク機構により、ピストンストローク特性を単振動に近づけることにより、圧力リングの1本化に伴う問題点を効果的に解消できるだけでなく、ピストン軽量化による複リンク機構に特有のトライボロジー課題の解決や、ピストンコンプレッションハイト短縮化によるストローク範囲拡大可能など、大きな付加価値が得られることがわかった。
本実施例の複リンク式ピストン−クランク機構では、図2にも示すように、上死点(b)から膨張行程(c)の途中まで、アッパリンク5がほぼ直立状態に維持されるため、ピストン8をシリンダ19に押し付けるサイドスラスト力は殆ど発生しない。また、アッパリンク5とロアリンク4との連結中心である連結ピン6は、ピストン全行程(又はその大部分)にわたって、シリンダ軸線と平行にピストンピン7を通る基準線Lに対して常に一方の側(図2では左側)に存在する。従って、ピストン全行程において、基準線Lに対するアッパリンク5の傾斜方向が一方(図2では上側が右側に傾斜する方向)に限定され、スラスト力が一方(図2では右側)にしか作用せず、ピストン8とシリンダ19とが実質的に一方の側(図2では右側)でのみ摺接するように、スラスト力の特性が単純化されている。これにより、ピストンの変形、挙動が極めて単純化されるため、その対策が容易であり、オイル消費特性を大幅に改善することができる。つまり、このような安定したピストン挙動を与える複リンク式ピストン−クランク機構を用いることにより、ピストンリングの2本化(圧力リングの1本化)に伴うオイル消費量の増加を効果的に低減・解消することができる。
図6には、本実施例に適用可能な圧力リングの合口形状及び先端形状の様々な例を示している。合口形状としては、パッドジョイント、テーパジョイント及びダブルアングルすなわちラップジョイントが挙げられる。先端形状としては、トップリングに好適に用いられるにバレルフェイスの他、セカンドリングに好適に用いられるテーパフェイスが挙げられる。上記の合口形状のうち、周方向に突出する凸部25,26及び周方向に凹んだ凹部27,28が互いに嵌合するラップジョイントがガスシール性の面で最も優れている反面、上方に上がったオイルが戻り難い。従来のエンジンではブローバイ阻止に有効な向きとは逆向きに装着し、オイル上がり対策としていた例もある。上述した本実施例のピストン挙動であれば、ダブルアングルすなわちラップジョイント式の一本の圧力リングを、ブローバイ阻止に有効な向きに装着しても、オイル消費を十分に抑制・低減することが可能で、燃費性能を向上させることが可能となる。
以上の説明より把握し得る技術思想について、その作用効果とともに列記する。
(1)クランクシャフト1の回転に連動してシリンダ19内を往復動するピストン8の外周に装着されるピストンリングを、主としてシリンダ19との隙間をシールする一本の圧力リング21と、主としてオイル量を調整する一本のオイルリング22と、により構成し、かつ、ピストン8とクランクシャフト1とを複数のリンク4,5により連係し、ピストンとクランクシャフトとを一本のリンクにより連係する単リンク式ピストン−クランク機構に比して単振動に近いピストンストローク特性を実現する複リンク式ピストン−クランク機構を有する。
ピストンストローク特性を単振動に近づけることにより、これとの組み合わせで、ピストンリングによるシール機能上の課題を解消し、従来では高速域でのブローバイガスの増加を回避することが非常に困難であった圧力リング21の1本化を実現することができる。このため、ピストンリングによる摩擦損失が軽減されるとともに、ピストン全高を低く抑制して、特に複リンク式ピストン−クランク機構での大きな課題である、エンジンのコンパクト化・軽量化を図ることができる。
(2)上記複リンク式ピストン−クランク機構は、4ストローク内燃機関の少なくとも圧縮行程及び燃焼行程では、上記ピストンが実質的にシリンダの一方の側にのみ摺接するように設定されている。
つまり、図2に示すように、筒内ガス圧力が増大する上死点(b)から膨張行程(c)にかけては、スラスト力が一方の側にしか作用せず、ピストン8とシリンダ19とが実質的に一方の側でのみ摺接するように、スラスト力の特性が単純化されている。これにより、ピストン8の変形、挙動が極めて単純化されるため、その対策が容易であり、オイル消費特性を大幅に改善することができる。つまり、このような安定したピストン挙動を与える複リンク式ピストン−クランク機構を用いることにより、ピストンリングの2本化(圧力リングの1本化)に伴うオイル消費の増加を効果的に低減・解消することができる。
(3)上記圧力リングの合口形状をダブルアングルつまりラップジョイント形状とした。つまり、上述したようにピストン挙動を適正化することにより、オイル消費量の増大を伴うことなく、ガスシール性に優れたダブルアングル形の圧力リングを採用することができる。
(4)上記複リンク式ピストン−クランク機構が、クランクシャフト1のクランクピン2に回転可能に装着されるロアリンク4と、このロアリンク4とピストン8とを連係するアッパリンク5と、一端がロアリンク4に連結されるとともに、他端が内燃機関のシリンダブロック18等の固定要素に揺動可能に支持されるコントロールリンク10と、を有する。このような複リンク式ピストン−クランク機構によれば、上述したようにピストンストローク特性を単振動に近づけることを実現できる。
(5)上記コントロールリンク10の他端の揺動支点位置を機関運転条件に応じて変更することにより、機関圧縮比を変更・制御する可変圧縮比手段を有する。これにより、複リンク式ピストン−クランク機構を利用して機関圧縮比を機関運転条件に応じて連続的かつ幅広く制御することができる。また、コントロールリンク10をロアリンク4に連係しているため、制御軸やカム機構等を利用した可変圧縮比手段を比較的スペースに余裕のあるクランクシャフト1の斜め下方のクランクケース内に容易に収容・配置することが可能で、機関搭載性に優れている。
(6)上記可変圧縮比手段は、軽負荷条件では機関圧縮比を高くする。これにより、ノッキング等による燃焼安定性の低下を回避しつつ、軽負荷条件では機関圧縮比を高くして、燃費向上効果を得ることができる。
(7)上記可変圧縮比手段は、機関の回転速度上昇に応じて機関圧縮比を高くする。これにより、ノッキング等による燃焼安定性の低下を回避しつつ、機関の回転速度上昇に応じて機関圧縮比を高くして、燃費向上効果を得ることができる。
この発明の一実施例に係る複リンク式ピストン−クランク機構を示す構成説明図。 上記複リンク式ピストン−クランク機構の基本的な動作を示す動作説明図。 上記複リンク式ピストン−クランク機構のピストン−ストローク特性を示す特性図。 上記複リンク式ピストン−クランク機構のピストン加速度特性を示す特性図。 上記実施例に係るピストンリングを二本化したピストンの分解斜視図。 圧力リングの合口形状及び先端形状の様々な例を示す説明図。 比較例に係るピストンリングを三本備えたピストンの説明図。 圧力リングの基本作用説明図。 圧力リングの浮き上がり現象を説明するための特性図。
符号の説明
4…ロアリンク
5…アッパリンク
7…ピストンピン
8…ピストン
10…コントロールリンク

Claims (7)

  1. クランクシャフトの回転に連動してシリンダ内を往復動するピストンの外周に装着されるピストンリングを、主としてシリンダとの隙間をシールする一本の圧力リングと、主としてオイル量を調整する一本のオイルリングと、により構成し、
    かつ、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクにより連係し、ピストンとクランクシャフトとを一本のリンクにより連係する単リンク式ピストン−クランク機構に比して単振動に近いピストンストローク特性を実現する複リンク式ピストン−クランク機構を有する内燃機関のピストン駆動装置。
  2. 上記複リンク式ピストン−クランク機構は、4ストローク内燃機関の少なくとも圧縮行程及び燃焼行程では、上記ピストンが実質的にシリンダの一方の側にのみ摺接するように設定されている請求項1に記載の内燃機関のピストン駆動装置。
  3. 上記圧力リングの合口形状をダブルアングルとした請求項1又は2に記載の内燃機関のピストン駆動装置。
  4. 上記複リンク式ピストン−クランク機構が、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に装着されるロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連係するアッパリンクと、一端がロアリンクに連結されるとともに、他端が内燃機関の固定要素に揺動可能に支持されるコントロールリンクと、を有する請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のピストン駆動装置。
  5. 上記コントロールリンクの他端の揺動支点位置を機関運転条件に応じて変更することにより、機関圧縮比を変更・制御する可変圧縮比手段を有する請求項4に記載の内燃機関のピストン駆動装置。
  6. 上記可変圧縮比手段は、軽負荷条件では機関圧縮比を高くする請求項5に記載の内燃機関のピストン駆動装置。
  7. 上記可変圧縮比手段は、機関の回転速度上昇に応じて機関圧縮比を高くする請求項5又は6に記載の内燃機関のピストン駆動装置。
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