JP2009041388A - 内燃機関 - Google Patents

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Hideaki Mizuno
秀昭 水野
Kenji Ushijima
研史 牛嶋
Makoto Kobayashi
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2251/00Material properties
    • F05C2251/04Thermal properties
    • F05C2251/048Heat transfer

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

【課題】ピストンの温度を低減して、ピストンの耐久性を向上させることを目的とする。
【解決手段】本発明は、ピストンヘッド(62)にピストンピンボス(63)が結合したピストン(60)と、ピストンヘッド(62)とピストンピンボス(63)との結合部(69)をピストン冠面(61)上に投影したときに、その投影平面上の結合部(69a)を包含するように、ピストン冠面(61)に形成された断熱層(70)と、を備えたことを特徴とする。これにより、ピストン温度を低減して、ピストンの耐久性を向上させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は内燃機関に関する。
従来の内燃機関として、機関圧縮比を運転状態に応じて変更可能な複リンク式ピストンストローク機構を備えた内燃機関が知られている(例えば、特許文献1参照)。この内燃機関は、クランクピンにロアリンク(第1リンク)を回転自在に連結し、このロアリンクの一端にはアッパピンを介してアッパリンク(第2リンク)を、他端にはコントロールピンを介してコントロールリンク(第3リンク)を回転自在に連結し、このロアリンクの動作をコントロールリンクによって規制している。そして、運転状態に応じてコントロールリンクを制御して第1リンクの傾斜を変えることで、アッパリンクの他端に連結するピストンの上死点位置をコントロールし、圧縮比可変機構を実現しようとするものである。
特開2005−147068号公報
しかしながら、前述した従来の内燃機関は、燃焼ガスと接触するピストンの熱的負担が大きかった。そのため、ピストン温度の上昇によって材料の強度が低下し、その結果、ピストンの耐久性が低下するという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、ピストンの温度を低減して、ピストンの耐久性を向上させることを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、ピストンヘッド(62,262,362)にピストンピンボス(63,263,363)が結合したピストン(60,260,360)と、ピストンヘッド(62,262,362)とピストンピンボス(63,263,363)との結合部(69,269,369)をピストン冠面(61,261,361)上に投影したときに、その投影平面上の結合部(69a,269a,369a)を包含するように、ピストン冠面(61,261,361)に形成された断熱層(70,270,370)と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ピストンヘッドとピストンピンボスとの結合部をピストン冠面に投影したときに、その投影平面上の結合部を包含するようにピストン冠面に断熱層を形成したので、燃焼荷重や慣性力などの非常に大きな力が加わるピストンピンボスへの伝熱を抑制することができる。これにより、ピストンピンボスの強度を確保してピストン耐久性を向上させることができる。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、複リンク式ピストンストローク機構を備えたエンジン1を示す図である。
エンジン1は、シリンダブロック31と、その頂部を覆うシリンダヘッド30とを備える。
シリンダブロック31には、複数のシリンダ31aが形成される。シリンダ31aには、ピストン60が摺動自在に嵌合する。これらシリンダヘッド30とシリンダブロック31とピストン60とによって、ペントルーフ形の燃焼室40が区画形成される。
シリンダヘッド30には、燃焼室40に開口する吸気通路41及び排気通路42が形成され、吸気通路41の開口を開閉する吸気バルブ43と、排気通路42の開口を開閉する排気バルブ44とが配設される。また、シリンダヘッド30には、燃料噴射弁46が配設される。燃料噴射弁46は、吸気通路41内で燃料を噴射する。さらに、シリンダヘッド30には、点火栓45が配設される。点火栓45は、燃焼室40の頂壁中心部で火花を飛ばして混合気を点火する。
複リンク式ピストンストローク機構は、ピストン60とクランクシャフト33とを2つのリンク(アッパリンク(第1リンク)11、ロアリンク(第2リンク)12)で連結するとともに、コントロールリンク(第3リンク)13でロアリンク12を制御して圧縮比を変更する。
アッパリンク11は、その上端がピストンピン21を介してピストン60と連結し、その下端がアッパピン22を介してロアリンク12の一端と連結する。ピストン60は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック31のシリンダ31a内を往復動する。
ロアリンク12は、その一端がアッパピン22を介してアッパリンク11に連結し、その他端がコントロールピン23を介してコントロールリンク13に連結する。また、ロアリンク12は、その略中央の連結孔に、クランクシャフト33のクランクピン33bが挿入され、クランクピン33bを中心軸として揺動する。ロアリンク12は左右の2部材に分割可能である。クランクシャフト33は、複数のジャーナル33aとクランクピン33bとカウンタウェイト33cとを備える。ジャーナル33aは、シリンダブロック31及びラダーフレーム34によって回転自在に支持される。クランクピン33bは、ジャーナル33aから所定量偏心しており、ここにロアリンク12が揺動自在に連結する。カウンタウェイト33cは、ジャーナル33aとクランクピン33bとをつなぐアーム部に設けられ、回転部分の重量アンバランスを取り除く。
コントロールリンク13は、その一端がコントロールピン23を介してロアリンク12に連結し、その他端が連結ピン24を介してコントロールシャフト25に連結する。コントロールリンク13は、この連結ピン24を中心として揺動する。またコントロールシャフト25にはギアが形成されており、そのギアがアクチュエータ51の回転軸52に設けられたピニオン53に噛合する。アクチュエータ51によってコントロールシャフト25が回転させられ、連結ピン24が移動する。
図2は複リンク式ピストンストローク機構による圧縮比変更方法を説明する図である。
複リンク式ピストンストローク機構は、コントロールシャフト25を回転して連結ピン24の位置を変更することで、圧縮比を変更できる。例えば図2(A)、図2(C)に示すように連結ピン24を位置Pにすれば、上死点位置(TDC)が高くなり高圧縮比になる。
そして図2(B)、図2(C)に示すように、連結ピン24を位置Qにすれば、コントロールリンク13が上方へ押し上げられ、コントロールピン23の位置が上がる。これによりロアリンク12はクランクピン33bを中心として反時計方向に回転し、アッパピン22が下がり、ピストン上死点(TDC)におけるピストン60の位置が下降する。したがって圧縮比が低圧縮比になる。
また複リンク式ピストンストローク機構によるエンジンは、圧縮比が一定である通常のエンジン(以下「ノーマルエンジン」という)に比べて、ピストンが上死点付近に滞在する期間が長いという特性がある。この特性によって、ノーマルエンジンと比べて、高圧縮比にしてもノッキングが生じにくく、また超希薄燃焼であっても比較的大きな燃焼エネルギを得ることができ、燃焼性が安定する。この点について、図3を参照して説明する。
図3は、複リンク式ピストンストローク機構のピストン挙動を示す図であり、図3(A)は図3(B)の点線部の拡大図である。図3には、ノーマルエンジンと同じ圧縮比にした複リンク式ピストンストローク機構のピストン挙動が細実線で示されている。
ピストン60が上死点から所定の距離内にあるときを、ピストン上死点付近滞在期間と定義すると、図3から明らかなように複リンク式ピストンストローク機構は、同じ圧縮比であるノーマルエンジンに比べて、ピストン上死点付近滞在期間が長い。
また、複リンク式ピストンストローク機構を高圧縮比に設定したときのピストン上死点付近滞在期間T1は、低圧縮比に設定したときのピストン上死点付近滞在期間T2よりも長い。すなわち図3(A)において、T1>T2である。
このように複リンク式ピストンストローク機構は、ノーマルエンジンに比べてピストン上死点付近滞在期間が長い。さらに高圧縮比にしたときのほうが、低圧縮比にしたときよりもピストン上死点付近滞在期間が長い。ピストン60が上死点付近に長く滞在するということは、燃焼中に高圧縮状態が長く維持されるということである。高圧縮状態が長く維持されると、ノッキングを生じにくくなり、超希薄燃焼であっても比較的大きな燃焼エネルギを得ることができるので燃焼性が安定する。
ところで、複リンク式ピストンストローク機構は、各リンク11,12,13の配置を適当に調節することができる。これにより、ピストン上死点位置において、アッパリンク11の姿勢を略直立にすることができる。その結果、燃焼時にピストンにかかる最大スラスト荷重を低減できるため、ピストンスカートを従来より短縮しても、ピストンの強度を確保することができる。そして、ピストンスカートを短縮することで、ピストンスカートとカウンタウェイトとの干渉を回避し、ピストンストロークを拡大することができる。
図4は、ピストンスカートの短縮化によってピストンストロークを拡大したエンジン(以下「ロングストロークエンジン」という。)のピストンストロークについて、ノーマルエンジンのピストンストロークと比較して説明する図である。図4(A)が、ノーマルエンジンのピストンストロークを示す図である。図4(B)が、ロングストロークエンジンのピストンストロークを示す図である。
ピストン160を1本のコンロッド111で連結するノーマルエンジンは、図4(A)に示すように、上死点位置におけるコンロッド111の姿勢を略直立にすることができない。そのため、燃焼時にピストン160にかかる最大スラスト荷重を低減できず、ピストンスカート165を短縮することができない。その結果、ピストンスカート165の下方をクランクシャフト133のカウンタウェイト133cが通過することになる。
これに対して、ロングストロークエンジンのピストン60は、図4(B)に示すように、各リンク11,12,13を調整することで、上死点位置におけるアッパリンク11の姿勢を略直立にすることができる。そのため、ピストンスカート65を周方向に短縮してもピストン60の耐久性を確保できる。このようなピストンスカート65を短縮したピストン60を用いることで、カウンタウェイト33cがピストンピン21の側方を通過できる。これにより、このピストンスカート65の高さ分だけピストンストロークが拡大する。
図5は、ロングストロークエンジンに用いられるピストン60と、従来のノーマルエンジンに用いられるピストン160との形状の違いを説明する図である。図5(A)が、ピストンピンと直交する方向から見たノーマルエンジンに用いられるピストン160の側面図である。図5(B)が、ピストンピンと直交する方向から見たロングストロークエンジンに用いられるピストン60の側面図である。
図5(A)(B)に示すように、両ピストン160,60共に、ピストンヘッド162,62と、ピストンピンボス163,63と、ピストンスカート165,65とを備える。
ピストンヘッド162,62は、所定の肉厚を持った円盤形状をしている。ピストンヘッド162,62の側面には、複数本のピストンリング溝164,64が形成される。
ピストンピンボス163,63は、ピストンヘッド162,62に結合される。ピストンピンボス163,63は、ピストンピンを保持する。
ピストンスカート165,65は、ピストンヘッド162,62の側面からピストン160,60が嵌合するシリンダ面に沿って下方に延びるように形成される。
ここで、図5(B)に示すように、ロングストロークエンジンのピストンスカート65は、ノーマルエンジンのピストンスカート165よりも周方向の長さが短縮されている。また、ピストンピンボス63のピストンピン軸線方向の幅も、ピストンピンボス163のピストンピン軸線方向の幅よりも狭くなっている。これは、カウンタウェイトがピストンピンの側方を通過できるようにするため、ロングストロークエンジンの場合は、ピストンピンの長さを短くする必要があることに伴ったものである。
このように、ロングストロークエンジンに用いられるピストンピンは、ノーマルエンジンのピストンピンより短いため、ピストンピンボス63の幅も、ノーマルエンジンのピストンピンボス163の幅より狭くなっている。これにより、ロングストロークエンジンに用いられるピストン60と、ノーマルエンジンに用いられるピストン160とでは、燃焼荷重を受けたときの形状の変化に相違が生じる。以下では、図6を参照してその相違について説明する。
図6は、燃焼荷重を受けたときのロングストロークエンジン及びノーマルエンジンのピストン形状の変化について説明する図である。図6(A)は、ノーマルエンジンのピストン160の形状の変化を示す断面図である。図6(B)は、ロングストロークエンジンのピストン60の形状の変化を示す断面図である。
図6(A)(B)に示すように、ピストン160,60の形状は、ピストン冠面161,61に燃焼荷重を受けて変形する。
しかしながら、前述したように、ロングストロークエンジンは、ピストンピンを短くする必要があるため、燃焼荷重を支持するピストンピンボス63のピストンピン軸線方向の幅を広くできない。つまり、ピストン中心軸からノーマルエンジンのピストンピンボス163の端部までの距離c1に対して、ロングストロークエンジンのピストンピンボス63の端部までの距離c2が短くなる。そうすると、ピストン60のピストンピンは、ピストン160よりも燃焼荷重をピストン中心軸側で支持することになり、燃焼荷重による変形が大きくなる。また、燃焼荷重や慣性力などの非常に大きな力が加わるピストンピンボス63の幅が狭くなることで、ピストン60の耐久性も低下する。
そこで、本発明では、燃焼ガスに接触するピストン冠面61に断熱膜を形成して熱的負担を軽減し、ロングストロークエンジンのピストン60の耐久性を向上させると共に、その変形を抑制する。
図7は、本発明の第1実施形態によるピストン60を示す図である。図7(A)は、ピストンピン軸線方向と直交する方向から見たピストン60の断面図である。図7(B)はピストン60の冠面61を上から見た図である。
断熱膜70は、ピストン冠面61に形成される。断熱膜70は、ピストン冠面61の中心を通るピストン中心軸を中心とした円形に形成される。
このとき、断熱膜70の半径bを、ピストン冠面61の半径aよりも小さくする。断熱膜70は、蓄熱作用を有する。したがって、図7(B)に示すように、ピストン冠面61の外周近傍に断熱膜70を形成しないことで、ノッキングが発生しがちなピストン冠面61の外周周辺の温度上昇を抑制することができる。
さらに、断熱膜70の半径bを、ピストン中心軸からピストンピンボス63の端部までの距離cよりも長くする。すなわち、図7(B)に示すように、ピストンヘッド62とピストンピンボス63の結合部69をピストン冠面61と同一平面上に投影したときに、
そのピストン冠面61に投影された結合部69の投影69aを包含するようにピストン冠面61に断熱膜70を形成する。これにより、ピストン冠面61からピストンピンボス63への伝熱を抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、断熱膜70をピストン中心軸を中心とした円形とした。これにより、点火栓45に近く、温度が上昇しやすいピストン中心軸近傍のピストン60の温度上昇を抑制することができる。
また、断熱膜70の半径bを、ピストン冠面61の半径aよりも小さくした。このように、ピストン冠面61の外周近傍に断熱膜70を形成しないことで、ノッキングが発生しがちなピストン冠面61の外周周辺の温度上昇を抑制することができる。
さらに、断熱膜70の半径bを、ピストン中心軸からピストンピンボス部までの距離cよりも長くした。すなわち、ピストンヘッド62とピストンピンボス63の結合部69をピストン冠面61と同一平面上に投影したときに、結合部69の投影69aを包含するようにピストン冠面61に断熱膜70を形成する。これにより、ピストン冠面61からピストンピンボス63への伝熱を抑制することができる。その結果、燃焼荷重や慣性力などの非常に大きな力が加わるピストンピンボス63の熱的負担を軽減して、ピストン60の耐久性を向上させることができる。さらに熱変形によるピストンピン21とピストンピンボス63との磨耗を抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図8を参照して説明する。本実施形態は、ピストンヘッド262に断面が円形のキャビティ266を形成し、冠面261に形成する断熱膜270の範囲を変更した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。なお、以下の各実施形態では上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図8は、本発明の第2実施形態によるピストン260を示す図である。図8(A)は、ピストンピン軸線方向と直交する方向から見たピストン260の断面図である。図8(B)はピストン260の冠面261を上から見た図である。
ピストンヘッド262には、断面が円形のキャビティ266が形成される。これにより、ピストン260が上死点位置に達したときに燃焼室40との隙間が特に狭くなるスキッシュ部267が、ピストン冠面261に形成される。
断熱膜270は、ピストンヘッド262のキャビティ266に形成される。このように、スキッシュ部267に断熱膜270を形成しないことで、スキッシュエリアでのノッキングの発生を抑制できる。
また、図8(B)に示すように、ピストン冠面261に形成される断熱膜270は、ピストンピン軸線と同方向の長さL1が、ピストン冠面261と同一平面上でピストンピン軸線と直交する方向の長さL2より長い略矩形である。このとき、ピストンヘッド262とピストンピンボス263の結合部269をピストン冠面261と同一平面上に投影したときに、結合部269の投影269aを包含するようにピストン冠面261に断熱膜270を形成する。これにより、ピストン冠面261からピストンピンボス263への伝熱を抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、断熱膜270の溶射範囲を狭くすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図9を参照して説明する。本実施形態は、ピストンヘッド362に断面が円形のキャビティ366を形成し、冠面361に形成する断熱膜370の範囲を変更した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。
前述した本発明の第1、第2実施形態では、燃焼ガスに接触するピストン冠面61,261に断熱膜70,270を形成して熱的負担を軽減し、ロングストロークエンジンのピストン60,260の変形を抑制していた。断熱膜70,270を例えばセラミック溶射によって形成したときは、無数の微細な気孔によって効果的な断熱がなされる。
しかしながら、MPI(Multi Point Injection)式の内燃機関や筒内直噴式の内燃機関は、噴射された燃料が気化する時間的余裕が少ないため、液状のままピストン冠面61,261に達する燃料の割合が多くなる。すると、断熱膜70,270をなす無数の微細な気孔に、燃焼室40に導入された混合気のうち気化しきれなかった液状の燃料が染み込んで燃費が悪化する。また、断熱膜70,270に染み込んだ燃料は、十分に空気と接触できないため、燃焼行程において不完全燃焼を起こし、特に低温始動時などにおいて未燃ハイドロカーボンの排出量を増大させる原因となる。
そこで本実施形態では、ピストン冠面361に形成されるセラミクス等の多孔質の断熱膜370の形状を、液状燃料の染み込みが抑制される形状とする。
図9は、本発明の第3実施形態によるピストン360を示す図である。図9(A)は、ピストンピンと直交する方向から見たピストン360の断面図である。図9(B)はピストン360の冠面361を上から見た図である。
MPI式の内燃機関の場合、ピストン冠面361のうち、特に吸気弁43側に液状燃料が到達しやすい。これは、排気弁44側と比べて燃料がピストン冠面361に到達するまでの時間が短く、燃料が気化する時間的余裕が少ないためである。一方、高温の排気と接触する排気弁44の近傍は、低温の新気と接触する吸気弁43の近傍と比べて高温になりやすい。そのため、排気弁44近傍では、自己着火によるノッキングが発生しやすい。
そこで、本実施形態では、図9(B)に示すように、断熱膜370を、ピストンピン軸線と同方向の長さL1が、ピストン冠面361と同一平面上でピストンピン軸線と直交する方向の長さL2より長くなるように形成する。
さらに、断熱膜370を、ピストン中心軸を通るピストンピンの軸線と同方向の長さL1に対して、吸気弁43側のピストンピンの軸線と同方向の長さL3が短くなるように形成する。同様に、ピストン中心軸を通るピストンピンの軸線と同方向の長さL1に対して、排気弁44側のピストンピンの軸線と同方向の長さL4も短くなるように形成する。なお、本実施形態では、L3>L4となるようにしているが、これに限られるものではない。
このように、液状燃料が到達しやすい吸気弁43側のピストン冠面361aと、高温となりやすい排気弁44側のピストン冠面361bとを非断熱領域としている。これにより、断熱膜370への液状燃料の染み込みを抑制することができるので、燃費が向上し、未燃ハイドロカーボンの排出量が低減する。また、排気弁44近傍での自己着火によるノッキングを抑制できる。
以上説明した本実施形態によれば、液状燃料が到達しやすい吸気弁43側のピストン冠面361aと、高温となりやすい排気弁44側のピストン冠面361bとを非断熱領域とした。これにより、断熱膜370への液状燃料の染み込みを抑制することができる。そのため、要求出力を満たすために断熱膜370への染み込み分だけ余分に燃料を噴射する必要もないので、燃費が向上する。また、断熱膜370への燃料染み込み量が減少すれば、それだけ未燃ハイドロカーボンの排出量を低減することができる。さらに、高温となりやすい排気弁44近傍での自己着火によるノッキングを抑制できる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
たとえば、第3実施形態において、ピストン冠面361上に吸気弁43との干渉を避けるためのバルブリセス部を形成したときには、バルブリセス部周辺の領域を断熱層を形成しない非断熱領域とすることが望ましい。吸気弁43に対向するバルブリセス部は、吸入行程で開弁している吸気弁43の傘部と近接する部分である。そのため、ピストン360が上死点付近に位置する間に吸気弁43の傘部に付着した液状燃料がピストン冠面361に付着しやすいからである。
複リンク式ピストンストローク機構を備えたロングストロークエンジンを示す図である。 複リンク式ピストンストローク機構による圧縮比変更方法を説明する図である。 複リンク式ピストンストローク機構のピストン挙動を示す図である。 ピストンスカートの短縮化によってピストンストロークを拡大したロングストロークエンジンのピストンストロークについて、ノーマルエンジンのピストンストロークと比較して説明する図である。 ロングストロークエンジンに用いられるピストンと、従来のノーマルエンジンに用いられるピストンとの形状の違いを説明する図である。 燃焼荷重を受けたときのロングストロークエンジン及びノーマルエンジンのピストン形状の変化について説明する図である。 本発明の第1実施形態によるピストンを示す図である。 本発明の第2実施形態によるピストンを示す図である。 本発明の第3実施形態によるピストンを示す図である。
符号の説明
11 アッパリンク
12 ロアリンク
13 コントロールリンク
21 ピストンピン
22 アッパピン
23 コントロールピン
33 クランクシャフト
33b クランクピン
33c カウンタウェイト
60 ピストン
61 ピストン冠面
62 ピストンヘッド
63 ピストンピンボス
69 結合部
69a 結合部の投影(投影平面上の結合部)
70 断熱膜(断熱層)
260 ピストン
261 ピストン冠面
262 ピストンヘッド
263 ピストンピンボス
266 キャビティ
269 結合部
269a 結合部の投影(投影平面上の結合部)
270 断熱膜(断熱層)
360 ピストン
361 ピストン冠面
362 ピストンヘッド
363 ピストンピンボス
369 結合部
369a 結合部の投影(投影平面上の結合部)
370 断熱膜(断熱層)

Claims (9)

  1. ピストンヘッドにピストンピンボスが結合したピストンと、
    前記ピストンヘッドと前記ピストンピンボスとの結合部をピストン冠面上に投影したときに、その投影平面上の前記結合部を包含するように、前記ピストン冠面に形成された断熱層と、
    を備える内燃機関。
  2. 前記断熱層は、前記ピストン冠面の中心を通るピストン中心軸を中心とした円形である
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記ピストン冠面は、前記ピストンの外周近傍の領域に前記断熱層を形成しない非断熱領域を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記断熱層は、前記ピストンピンボスに保持されるピストンピンの軸線と同方向の長さに対して、前記ピストン冠面と同一平面上でその軸線と直交する直交線方向の長さが短い
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記断熱層は、前記ピストン冠面の中心を通る前記ピストンピンボスに保持されるピストンピンの軸線と同方向の長さに対して、吸気弁側のその軸線と同方向の長さが短い
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
  6. 前記断熱層は、前記ピストン冠面の中心を通る前記ピストンピンボスに保持されるピストンピンの軸線と同方向の長さに対して、排気弁側のその軸線と同方向の長さが短い
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関。
  7. 前記ピストンは、前記ピストンヘッドにキャビティを備え、
    前記キャビティより外側の前記ピストン冠面を、前記断熱層を形成しない非断熱領域とした
    ことを特徴とする請求項4から6までのいずれか1つに記載の内燃機関。
  8. 前記ピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記アッパリンクにアッパピンを介して連結されるロアリンクと、
    前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されるコントロールリンクと、
    から構成され、機関圧縮比の変更が可能な複リンク式ピストンストローク機構を備える
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1つに記載の内燃機関。
  9. 前記ピストンピンボスに保持されたピストンピンの側方が前記クランクシャフトのカウンタウェイトを通過する
    ことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関。
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