JP2002364369A - 燃料噴射式内燃機関 - Google Patents
燃料噴射式内燃機関Info
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Abstract
りに2方向から燃料を噴射し、点火プラグによる着火性
を高め、燃焼効率を向上できるようにする。 【解決手段】 噴射弁14の噴射口14Aから一対の吸
気ポート5B内に向けて燃料を2方向で噴射し、その噴
霧F,Fの中心間距離L1 を各吸気バルブ12のバルブ
ステム12A間の距離Lよりも小さくする。そして、各
吸気バルブ12を開弁したときには、噴射燃料を吸気バ
ルブ12,12の間から燃焼室内へとピストン7上のキ
ャビティ15側に誘導し、濃い混合気をキャビティ15
の内側部分に確保する。また、キャビティ15の表面側
には、アルマイト処理またはセラミックコーティングに
よる表面処理層を形成し、燃焼室内での火炎ガス等に対
する輻射率を高める構成とする。
Description
バルブと排気バルブとを備えた4バルブ式の自動車用エ
ンジン等に好適に用いられる燃料噴射式内燃機関に関す
る。
式内燃機関は、機関の気筒となるシリンダと、該シリン
ダ内に往復動可能に設けられ該シリンダ内に燃焼室を画
成するピストンと、前記シリンダのヘッド側に設けられ
前記燃焼室に対して吸気ポートを開,閉する一対の吸気
バルブと、前記吸気ポート側に設けられ前記燃焼室内に
向けて燃料を噴射する噴射弁とにより構成されている
(例えば、特開平9−317555号公報等)。
は、吸気バルブの開弁時に吸気ポート側から噴射弁によ
る噴射燃料と吸入空気とを燃焼室内に向けて吸入し、こ
れらの燃料と吸入空気との混合気を燃焼室内で火花点火
により爆発、燃焼させてクランク軸側から回転出力を取
出すものである。
ダのヘッド側に一対の吸気バルブと一対の排気バルブと
を備え、所謂4バルブエンジンを構成している。そし
て、前記ピストンの頂部側には、一対の吸気バルブと一
対の排気バルブとに対応して互いに独立して延びる略長
円形状の凹部を2個設け、これらの凹部によりピストン
頂部への燃料の付着、堆積(所謂、デポジットの発生)
を防止する構成としているものである。
来技術は、4バルブエンジンの燃焼改善を図るためにピ
ストンの頂面側に一対の凹部を設ける構成としたもので
あり、噴射弁による燃料の噴射方向との関係で燃焼効率
を向上できるようにしたものではない。
射された燃料、これに伴った混合気が一対の凹部内に供
給されずに、凹部の外側に燃料および混合気が供給され
る場合があり、混合気の燃焼効率を必ずしも向上できな
いという問題がある。
バルブステム周囲に向けて噴射した場合には、噴射燃料
の噴霧がバルブステムの外側を通って燃焼室内に拡が
り、点火プラグから遠い位置に濃い混合気が形成される
ことがあり、混合気に対する効率的な点火を行うのが難
しくなり、燃焼効率が低下するという問題がある。
されたもので、本発明の目的は、2方向の噴射弁を用い
て燃焼室の中心側寄りの位置に2方向から燃料を噴射で
き、混合気の燃焼効率を向上できるようにした燃料噴射
式内燃機関を提供することにある。
部側に円形の凹部からなるキャビティを形成することに
より、該キャビティ内に濃い混合気を確保して点火プラ
グによる着火性を高めることができ、燃焼効率をより向
上できるようにした燃料噴射式内燃機関を提供すること
にある。
の表面側に輻射率を高めるための表面処理層を形成する
ことにより、初期燃焼行程における既燃ガスの輻射を利
用して未燃混合気を効果的に加熱でき、燃焼の促進化を
図ることができるようにした燃料噴射式内燃機関を提供
することにある。
ために本発明は、機関の気筒となるシリンダと、該シリ
ンダ内に往復動可能に設けられ該シリンダ内に燃焼室を
画成するピストンと、前記シリンダのヘッド側に設けら
れバルブステムと一体の弁体が前記燃焼室に対して吸気
ポートを開,閉する一対の吸気バルブと、前記吸気ポー
ト側に設けられ前記燃焼室内に向けて燃料を噴射する噴
射弁とからなる燃料噴射式内燃機関に適用される。
特徴は、前記噴射弁は、前記各吸気バルブのバルブステ
ムよりも内側となる位置に2方向で燃料を噴射し、その
噴霧の中心間距離を前記バルブステム間の距離よりも小
さくする構成としたことにある。
ら2方向に噴射された燃料は、その噴霧の中心間距離が
一対の吸気バルブに対しバルブステム間の距離よりも小
さくなるので、各吸気バルブの開弁時にはバルブステム
よりも内側となる位置から噴射燃料を燃焼室内に吸入で
き、燃焼室の中心側に近い位置に濃い混合気を形成する
ことができる。
噴射口を中心として各吸気バルブのバルブステム間のな
す角度をθa としたときに、前記噴射弁は角度θa より
も小さい噴霧角θb をもって燃料を噴射する構成として
いる。これにより、噴射弁は噴霧角θb の範囲内で燃料
を2方向に噴射することができ、噴射弁の噴射口を中心
として各吸気バルブのバルブステム間のなす角度θa の
範囲よりも外側部位に燃料が噴射され、噴霧が大きく拡
がるのを防止できる。
ストンの頂部側に、直径がバルブステム間の距離よりも
大きい円形の凹窪部からなるキャビティを形成してい
る。これにより、ピストンの頂部側に形成したキャビテ
ィ内に向けて燃料と混合気を供給でき、この部分に濃い
混合気を形成することができる。
ィは、平面形状が円形の底部と、該底部の外周側から立
上がり該底部の周囲を取囲む周壁部とからなり、該周壁
部は、シリンダのヘッド側に設けられた点火プラグの位
置を基準として形成される凹湾曲状の円弧面により構成
している。
成したキャビティの周壁部により、点火プラグの周囲を
取り囲むようにして濃い混合気をキャビティの内側に確
保でき、点火プラグによる混合気への着火性を高めるこ
とができる。
ィの周壁部に形成した円弧面は、シリンダ内でピストン
が上死点位置にあるときに点火プラグを中心とした円弧
により構成している。これにより、シリンダ内でピスト
ンが上死点位置に達したときに点火プラグを中心とした
円弧面としてキャビティの周壁部を形成でき、点火プラ
グによる着火時に濃い混合気をプラグ周囲に確保するこ
とができる。
表面に、燃焼室内で発生する火炎の輻射率を高めるため
の表面処理層を形成してなる構成としている。これによ
り、キャビティ表面の輻射率を高め、初期燃焼行程では
既燃ガスの輻射を利用して未燃混合気を加熱できると共
に、燃焼を促進でき、混合気の燃焼効率を向上すること
ができる。
燃料噴射式内燃機関を、自動車用エンジンに適用した場
合を例に挙げ添付図面の図1ないし図8に従って詳細に
説明する。
体を示し、該エンジン本体1は、クランク軸が回転可能
に設けられたクランクケース(いずれも図示せず)と、
後述のシリンダブロック2およびシリンダヘッド4等と
により構成されている。
リンダブロックで、該シリンダブロック2には機関の気
筒となる複数のシリンダ3(1気筒のみ図示)が形成さ
れ、これらのシリンダ3内には後述のピストン7が往復
動可能に挿嵌されている。
リンダヘッドで、該シリンダヘッド4には吸気通路5と
排気通路6とが形成されている。そして、吸気通路5
は、図2に示す如く隔壁5Aによって一対の吸気ポート
5Bに分岐され、該各吸気ポート5Bは後述の吸気バル
ブ12により燃焼室10に対して連通、遮断されるもの
である。また、シリンダヘッド4の排気通路6も、吸気
通路5と同様に一対の排気ポート6A(一方のみ図示)
を有している。
たピストンで、該ピストン7は、ピストンリング8,9
を介してシリンダ3内に摺動可能に挿嵌され、その頂部
側には後述のキャビティ15が形成されている。そし
て、ピストン7はシリンダヘッド4との間でシリンダ3
内に燃焼室10を画成し、この燃焼室10内に発生する
後述の燃焼ガスにより、ピストン7はシリンダ3内を
上,下に駆動されるものである。
プラグで、該点火プラグ11は、各吸気ポート5Bと各
排気ポート6Aとの中間に位置して燃焼室10のほぼ中
心となる位置に配設されている。そして、点火プラグ1
1は、ピストン7がシリンダ3内で下死点から上死点へ
と摺動変位する圧縮行程等で、燃焼室10内に供給され
た混合気に点火を行うものである。
設けられた吸気バルブで、該各吸気バルブ12は、バル
ブステム12Aと、該バルブステム12Aの先端側に一
体に設けられた弁体12Bとからなり、バルブステム1
2Aはカム軸(図示せず)の回転に従って駆動される。
これにより、吸気バルブ12の弁体12Bは開,閉弁さ
れ、吸気ポート5Bを燃焼室10に対して開,閉するも
のである。
気ポート5Bからの燃料と吸入空気との混合気が燃焼室
10内に向けて吸入されるものである。また、一対の吸
気バルブ12,12は、図2に示すようにバルブステム
12Aが距離Lをもって配設されている。
設けられた排気バルブで、該各排気バルブ13も、バル
ブステム13Aと、該バルブステム13Aの先端側に一
体に設けられた弁体13Bとからなり、バルブステム1
3Aはカム軸(図示せず)の回転に従って駆動される。
そして、排気バルブ13の開弁時には、燃焼室10内か
ら排気ポート6Aに向けて排気ガスが排出されるもので
ある。
設けられた噴射弁で、該噴射弁14は、図2に示すよう
に噴射口14Aを有し、該噴射口14Aから一対の吸気
ポート5B,5Bおよび燃焼室10内に向けて2方向で
燃料を噴射する2方向噴射弁により構成されている。
のバルブステム12Aよりも内側となる位置に2方向の
噴霧F,Fとして燃料を噴射し、それぞれの噴霧Fを形
成する燃料は、吸気通路5の隔壁5Aとバルブステム1
2Aとの間に噴射されるものである。このため、噴射弁
14の噴射口14Aから2方向に噴射された燃料の噴霧
F,Fは、その中心間距離L1 がバルブステム12A間
の距離Lよりも小さく(L1 <L)なっている。
心点aに対し、各バルブステム12Aの中心点b,c間
で規定される角度をθa とすると、燃料の噴霧F,Fに
よる噴霧角θb は、この角度θa よりも小さい角度(θ
b <θa )に設定されているものである。
側に形成されたキャビティで、該キャビティ15は、図
1、図2に示すように円形の凹窪部として形成され、そ
の直径Dは、バルブステム12A間の距離Lよりも大き
い寸法(D>L)となっている。そして、図5に示すよ
うにキャビティ15は、平面形状が円形の平坦面として
形成された底部15Aと、該底部15Aの外周側から上
向きに立上がり底部15Aの周囲を取囲む周壁部15B
とにより構成されている。
点火プラグ11のポイント11Aを基準とした凹湾曲状
の円弧面により形成されている。即ち、キャビティ15
の周壁部15Bは、図5に示す如くピストン7が上死点
位置にあるときに、点火プラグ11のポイント11Aを
中心とした半径Rの円弧からなる凹湾曲面により形成さ
れている。
た表面処理層で、該表面処理層16は、燃焼室10内で
発生する火炎の輻射率を高めるため、例えば黄褐色アル
マイト処理をキャビティ15の表面に施すことにより形
成されている。また、表面処理層16は、例えばアルミ
ナ(酸化アルミニウム)等のセラミックコーティングを
キャビティ15の表面に施すことにより形成してもよ
い。
17は、表面処理を行っていないもので(例えば、アル
ミニウムの金属面)、照射光の波長を2〜10μmの範
囲で変えても輻射率は、例えば0.3以下の低い輻射率
となってしまう。
8は、例えば黄褐色アルマイト処理による表面処理層1
6をキャビティ15の表面に形成した場合で、この場合
には輻射率を0.4〜1.0の範囲まで高くすることが
できる。
例えばアルミナ(酸化アルミニウム)のセラミックコー
ティングによる表面処理層16をキャビティ15の表面
に形成した場合で、この場合も輻射率を0.3〜1.0
の範囲まで高くすることができる。
述の如き構成を有するもので、次にその作動について説
明する。
点と下死点との間を往復動することにより、吸気行程→
圧縮行程→燃焼(膨脹)行程→排気行程を繰返す。そし
て、吸気バルブ12が開弁する前に、噴射弁14は噴射
口14Aから一対の吸気ポート5B,5B内に向けて2
方向で燃料を噴射する。
に例示するように2方向の噴霧F,Fとなって各吸気バ
ルブ12のバルブステム12Aよりも内側となる位置
で、吸気通路5の隔壁5Aとバルブステム12Aとの間
に噴射される。
吸気バルブ12が開弁すると、各吸気ポート5Bから燃
焼室10内に向けて燃料と吸入空気との混合気が吸入さ
れ、このときの燃料と混合気は、燃焼室10内でピスト
ン7上のキャビティ15側へと誘導されるようになる。
ブステム12Aよりも内側に噴射された燃料は、各吸気
バルブ12が開弁したときに図4中に示す斜線部分20
のように、吸気バルブ12,12の間から燃焼室10内
でピストン7上のキャビティ15側へと誘導され、この
斜線部分20に濃い混合気を形成する。
において、混合気がシリンダ3内での空気流動の影響を
受けても、混合気の大半はキャビティ15内またはその
周囲に確保されるようになり、濃い混合気がキャビティ
15から流出するの抑えることができる。
入ると、ピストン7のキャビティ15により濃い混合気
は点火プラグ11の周囲に導かれるようになり、点火プ
ラグ11による混合気への着火性を向上できる。
理層16により火炎ガスに対する輻射率を高めているか
ら、初期燃焼行程ではキャビティ15の表面による既燃
ガスの輻射を利用して未燃混合気を加熱することがで
き、これにより混合気の燃焼を促進することができる。
ネルギによって、ピストン7はシリンダ3内で下死点側
へと駆動されるので、このときの駆動力をクランク軸か
ら回転出力として取出すことにより、エンジンのプロペ
ラシャフト等を高トルクで回転駆動することができる。
14の噴射口14Aから2方向に噴射する燃料は、その
噴霧F,Fの中心間距離L1 がバルブステム12A間の
距離Lよりも小さくなるように構成しているので、噴射
弁14からの燃料を、図2に示す如く2方向の噴霧F,
Fとして各吸気バルブ12のバルブステム12Aと吸気
通路5の隔壁5Aとの間に噴射でき、各吸気バルブ12
のバルブステム12Aよりも内側となる位置に濃い混合
気を形成することができる。
きには、図4中に示す斜線部分20のように噴射燃料
を、吸気バルブ12,12の間から燃焼室10内でピス
トン7上のキャビティ15側に誘導でき、この斜線部分
20に濃い混合気を形成することができる。
ルブ12の外側(吸気バルブ12を挟んで斜線部分20
とは反対側)に濃い混合気の一部が流込むようなことは
なくなり、濃い混合気をキャビティ15の内側部分に確
保し続けることができる。そして、吸気行程または圧縮
行程の途中で混合気がシリンダ3内での空気流動の影響
を受けても、混合気がキャビティ15から流出するの抑
えることができる。
入ったときには、ピストン7のキャビティ15により濃
い混合気を点火プラグ11の周囲に導くことができ、点
火プラグ11による混合気への着火性を向上できる。
ばアルマイト処理またはセラミックコーティングによる
表面処理層16を形成し、燃焼室10内での火炎ガス等
に対する輻射率を高める構成としているので、燃焼行程
の初期段階ではキャビティ15の表面による既燃ガスの
輻射を利用して未燃混合気を加熱でき、混合気の燃焼を
促進することができる。
き、排気ガス中の有害成分を低減できると共に、燃料消
費量を減らしてリーンバーン制御等を安定して行うこと
ができる。また、エンジンの低温時には、例えば点火時
期の遅延化(遅角制御)が可能となり、排気ガス中の炭
化水素(HC)を低減でき、排気温度の上昇も図ること
ができる。
る燃料噴射の終了時期をクランク角の0度(上死点)を
基準として、クランク角の−100〜+100度の範囲
に亘り排気ガス中のHC濃度を実際に調べてみた。
ティ15の表面側に、例えばアルミナ等のセラミックコ
ーティングを表面処理層16として形成した本実施の形
態では、図7中に実線で示す特性線21の如くHC濃度
を、2500ppm以下まで低減できることが確認され
た。
を形成するだけで、例えばセラミックコーティングから
なる表面処理層16を省略した場合には、図7中に点線
で示す特性線22のようにHC濃度が、2500ppm
よりも高くなり、例えば燃料噴射の終了時期がクランク
角0度から100度の範囲では3000ppmを越える
値までHC濃度が高くなっている。
することなく従来品のピストンを用いた場合には、図7
中に一点鎖線で示す特性線23のようにHC濃度が、3
000ppmよりも高くなり、燃料噴射の終了時期がク
ランク角70度付近では、例えば3400ppm程度ま
でHC濃度が高くなってしまう。
7にキャビティ15を形成すると共に、例えばセラミッ
クコーティングからなる表面処理層16をキャビティ1
5の表面に形成することにより、図7中に実線で示す特
性線21のようにHC濃度を2500ppm以下まで低
減でき、排気ガス中の有害成分を減らしエミッション性
能を向上することができる。
も調べてみると、本実施の形態の場合には、実線で示す
特性線24の如く燃料噴射の終了時期がクランク角−1
00〜+100度の範囲に亘って排気温度を、例えば5
00℃に近い温度まで高めることができ、混合気の燃焼
効率を向上できることが確認された。
を形成するだけで、例えばセラミックコーティングから
なる表面処理層16を省略した場合には、図8中に点線
で示す特性線25のように排気温度が、例えば480℃
前,後の温度まで下がる。
することなく従来品のピストンを用いた場合には、一点
鎖線で示す特性線26のように排気温度が、例えば46
0℃以下まで低下してしまう。
7にキャビティ15を形成すると共に、例えばセラミッ
クコーティングからなる表面処理層16をキャビティ1
5の表面に形成することにより、図8中に実線で示す特
性線24のように排気温度を500℃に近い温度まで上
昇でき、混合気の燃焼効率を向上できると共に、高温の
排気ガスを排気管途中の触媒装置等に供給でき、触媒の
活性時間を短縮することができる。
噴射弁14から噴射した燃料を、燃焼室10の中心側寄
りの位置に2つの噴霧F,Fとして供給することがで
き、例えば点火プラグ11の周囲に濃い混合気を形成で
きると共に、混合気の着火性を向上でき、燃焼室10内
での混合気の燃焼効率を高めることができる。
すると共に、輻射率を高めるための表面処理層16をキ
ャビティ15の表面に形成することにより、排気ガス中
の有害成分(HC)を低減でき、燃料消費量を減らすこ
とができる。
火時期の遅延化(遅角制御)が可能となり、排気ガス中
のHCを減らし、排気温度の上昇化も図ることができ
る。また、エンジンの暖気後にはリーンバーン制御等を
安定して行うことができる。
ド4側に吸気通路5を一体に設ける構成とした場合を例
に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば吸
気マニホールド等からなる吸気管をシリンダヘッドの吸
気側に接続する構成としてもよいことは勿論である。
ルブ12と一対の排気バルブ13とを備えた4バルブエ
ンジンを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、例えば排気バルブ13を1個または3個以上備える
自動車用エンジン等の内燃機関に適用してもよい。
明によれば、噴射弁は、各吸気バルブのバルブステムよ
りも内側となる位置に2方向で燃料を噴射し、その噴霧
の中心間距離を前記バルブステム間の距離よりも小さく
する構成としたので、噴射弁から2方向に噴射された燃
料を、各吸気バルブの開弁時にバルブステムよりも内側
となる位置から燃焼室内に吸入でき、燃焼室の中心側に
近い位置に濃い混合気を形成することができる。従っ
て、燃焼室の中心側に設ける点火プラグの周囲に濃い混
合気を形成でき、混合気への着火性を高めることができ
ると共に、燃焼室内での混合気の燃焼効率を向上するこ
とができる。
射弁は噴射口を中心として各吸気バルブのバルブステム
間のなす角度θa よりも小さい噴霧角θb をもって燃料
を噴射する構成としているため、噴射口を中心として各
吸気バルブのバルブステム間のなす角度θa の範囲より
も外側部位に燃料が噴射され、噴霧が大きく拡がるのを
防止でき、燃焼室の中心側に濃い混合気を形成すること
ができる。
臨むピストンの頂部側に、直径がバルブステム間の距離
よりも大きい円形の凹窪部からなるキャビティを形成し
ているので、ピストンの頂部側に形成したキャビティ内
に向けて燃料と混合気を供給でき、キャビティの内側と
なる部分に濃い混合気を形成することができる。
ィの周壁部を、シリンダのヘッド側に設けられた点火プ
ラグの位置を基準として形成される凹湾曲状の円弧面に
より構成しているので、キャビティの内側となる部分に
は点火プラグの周囲を取り囲むように濃い混合気を確保
することができ、点火プラグによる混合気への着火性を
高めることができる。
ィの周壁部に形成した円弧面を、シリンダ内でピストン
が上死点位置にあるときに点火プラグを中心とした円弧
により形成しているので、シリンダ内でピストンが上死
点位置に達したときに点火プラグを中心とした円弧面と
してキャビティの周壁部を形成でき、点火プラグによる
着火時に濃い混合気を点火プラグ周囲に確保することが
できる。これにより、混合気への着火性を高めることが
でき、燃焼室内での混合気の燃焼効率を向上することが
できる。
ティの表面に、燃焼室内で発生する火炎の輻射率を高め
るための表面処理層を形成しているため、キャビティ表
面の輻射率を高めることができ、初期燃焼行程では火炎
の輻射を利用して未燃混合気を加熱できると共に、燃焼
を促進でき、混合気の燃焼効率を向上できる。これによ
り、排気ガス中の炭化水素(HC)を低減でき、燃料消
費率を向上することができる。そして、エンジンの低温
時には、例えば点火時期の遅延化が可能となり、排気ガ
ス中のHCを減らし、排気温度の上昇化も図ることがで
きると共に、エンジンの暖気後にはリーンバーン制御等
を安定して行うことができる。
要部を示す縦断面図である。
ブ等を図1中の矢示II−II方向から示す断面図である。
気バルブとの関係を示す説明図である。
る噴射燃料の流動状態を説明するための平面図である。
プラグとの関係を示す要部拡大断面図である。
の関係を示す特性線図である。
示す特性線図である。
示す特性線図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 機関の気筒となるシリンダと、該シリン
ダ内に往復動可能に設けられ該シリンダ内に燃焼室を画
成するピストンと、前記シリンダのヘッド側に設けられ
バルブステムと一体の弁体が前記燃焼室に対して吸気ポ
ートを開,閉する一対の吸気バルブと、前記吸気ポート
側に設けられ前記燃焼室内に向けて燃料を噴射する噴射
弁とからなる燃料噴射式内燃機関において、 前記噴射弁は、前記各吸気バルブのバルブステムよりも
内側となる位置に2方向で燃料を噴射し、その噴霧の中
心間距離を前記バルブステム間の距離よりも小さくする
構成としたことを特徴とする燃料噴射式内燃機関。 - 【請求項2】 前記噴射弁の噴射口を中心として前記各
吸気バルブのバルブステム間のなす角度をθa としたと
きに、前記噴射弁は角度θa よりも小さい噴霧角θb を
もって燃料を噴射する構成としてなる請求項1に記載の
燃料噴射式内燃機関。 - 【請求項3】 前記燃焼室に臨む前記ピストンの頂部側
には、直径が前記バルブステム間の距離よりも大きい円
形の凹窪部からなるキャビティを形成してなる請求項1
または2に記載の燃料噴射式内燃機関。 - 【請求項4】 前記キャビティは、平面形状が円形の底
部と、該底部の外周側から立上がり該底部の周囲を取囲
む周壁部とからなり、該周壁部は、前記シリンダのヘッ
ド側に設けられた点火プラグの位置を基準として形成さ
れる凹湾曲状の円弧面により構成してなる請求項3に記
載の燃料噴射式内燃機関。 - 【請求項5】 前記キャビティの周壁部に形成した円弧
面は、前記シリンダ内でピストンが上死点位置にあると
きに前記点火プラグを中心とした円弧により構成してな
る請求項4に記載の燃料噴射式内燃機関。 - 【請求項6】 前記キャビティの表面には、前記燃焼室
内で発生する火炎の輻射率を高めるための表面処理層を
形成してなる請求項3,4または5に記載の燃料噴射式
内燃機関。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001165517A JP2002364369A (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | 燃料噴射式内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001165517A JP2002364369A (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | 燃料噴射式内燃機関 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002364369A true JP2002364369A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19008175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001165517A Pending JP2002364369A (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | 燃料噴射式内燃機関 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002364369A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008202463A (ja) * | 2007-02-19 | 2008-09-04 | Hitachi Ltd | 内燃機関の燃料噴射装置、燃料噴射方法及び燃料噴射弁 |
JP2009121425A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-04 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関 |
JP2009185694A (ja) * | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Toyota Motor Corp | プラズマジェット点火内燃機関 |
US9816458B2 (en) | 2009-04-15 | 2017-11-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Engine combustion chamber structure and manufacturing method thereof |
-
2001
- 2001-05-31 JP JP2001165517A patent/JP2002364369A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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