JP2009120126A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の操安性を確保しながら、エンジンとモータとを併用すること。
【解決手段】
左右の駆動輪W2毎に設けられ、車幅方向に並設された一対の駆動ユニット110と、駆動ユニット110が、出力軸111cを有するモータ111と、出力軸111cに連結され、その回転数を変速させる変速ギヤ部112と、変速ギヤ部112の出力を駆動輪W2に伝達するドライブシャフト113と、を備えた車両用駆動装置100において、駆動ユニット110よりも車両Aの前後方向前方に配置されたエンジン211と、エンジン211から車両Aの前後方向後方に延びる排気管242と、を備え、一対の駆動ユニット110間に排気管242の通過スペースSを設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の駆動技術に関するものである。
エンジンとモータとを併用して車両を駆動させる、いわゆるハイブリッド自動車に用いられる技術として、例えば、特許文献1では、共通のケース内に2つのモータを車幅方向に並べて配設し、2つのモータの出力軸に両者の回転数の差を制限する差動制限機構や回転をロックするロック機構を設ける技術が開示されている。また、特許文献2では、サブフレームに2つのモータを並べて配設し、車両の旋回状態に応じて、サスペンションの特性を調整する技術が開示されている。
特開平05−116540号公報 特開2007−22276号公報
ここで、燃料の燃焼時に発生する排気ガスをエンジンから車両後方に排出する必要があるため、エンジンから車両後方にかけて排気管を配置する。従って、エンジンとモータとを併用する場合には、モータの下方を排気管が通過することになる。
しかしながら、特許文献1で開示されている技術では、モータの下方に排気管を通過させるスペースを創出しなければならないため、適切な地上高を確保するためには、車両の重心位置を高くする必要があり、操安性を悪化させる可能性が高い。なお、特許文献2で開示されている技術では、排気管のレイアウトについては、開示されていない。
従って、本発明の目的は、車両の操安性を確保しながら、エンジンとモータとを併用することにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、左右の駆動輪毎に設けられ、車幅方向に並設された一対の駆動ユニットと、前記駆動ユニットが、出力軸を有するモータと、前記出力軸に連結され、その回転数を変速させる変速ギヤ部と、前記変速ギヤ部の出力を前記駆動輪に伝達するドライブシャフトと、を備えた車両用駆動装置において、前記駆動ユニットよりも車両の前後方向前方に配置されたエンジンと、前記エンジンから前記車両の前後方向後方に延びる排気管と、を備え、該一対の駆動ユニット間に前記排気管の通過スペースを設けたことを特徴とする車両用駆動装置が提供される。
本発明によれば、前記一対の駆動ユニット間に前記排気管の通過スペースを設けたため、前記駆動ユニットの上下方向における配置の自由度を向上させることができる。これにより、前記車両の操安性を確保しながら、前記エンジンと前記モータとを併用することができる。
また、本発明においては、前記モータは、前記出力軸が車幅方向の外側を向いて配置されていてもよい。本発明によれば、前記ドライブシャフトを短くすることができるため、前記車両の応答性を高めることができる。
また、本発明においては、前記変速ギヤ部は、外歯歯車であるサンギヤと、内歯歯車であり、前記サンギヤを外側から囲むように配されるリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとの間に配され、該サンギヤ及び該リングギヤと歯合する複数の遊星ギヤと、を有する構成であってもよい。本発明によれば、前記変速ギヤ部をコンパクトに配設することができる。
また、本発明においては、前記駆動ユニット毎に設けられ、前記サンギヤ、前記リングギヤ、又は前記遊星ギヤのいずれかのギヤを係止して、該いずれかのギヤの回転を阻止可能である係止手段を更に備えていてもよい。本発明によれば、前記いずれかのギヤを係止することにより、前記変速ギヤ部の回転を簡易かつ確実に係止することができる。
また、本発明においては、前記駆動ユニット毎に設けられ、前記サンギヤ、前記リングギヤ、又は前記遊星ギヤのいずれかのギヤを係止して、いずれかのギヤの回転を阻止可能である係止手段と、前記駆動ユニット毎に設けられる前記係止手段の動作を同期させる同期手段と、を更に備える構成であってもよい。本発明によれば、前記駆動ユニット毎に設けられる前記係止手段の動作を同期させる同期手段を備えるため、前記変速ギヤ部毎に、同時に前記いずれかのギヤを係止することができる。これにより、前記駆動輪の回転を確実に阻止することができる。
また、本発明においては、前記サンギヤは、前記出力軸に連結されており、前記複数の遊星ギヤは、前記モータの位置に対して、相対的に位置が固定されたキャリアに回転可能に保持されており、前記係止手段は、前記複数の遊星ギヤのうち、いずれかの遊星ギヤを係止する構成であってもよい。本発明によれば、前記係止手段は、前記いずれかの遊星ギヤを簡易かつ確実に係止することができる。
また、本発明においては、前記エンジンは、前記モータを駆動するための電力を発電するために設けられるものであり、前記駆動輪は、前記車両の後輪であってもよい。本発明によれば、前記車両の重心が車体上部や前部に偏ることがないため、前記車両の操安性を確保しながら、電力を発電するための前記エンジンと、前記車両の後輪を駆動させる前記モータとを併設することができる。
以上述べた通り、本発明によれば、車両の操安性を確保しながら、エンジンとモータとを併用することができる。
<第1の実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駆動装置100の周辺構成図であり、図2は、駆動装置100の上面図である。また、図3は、駆動装置100の正面図であり、図4は、駆動装置100の側面図であり、図5は、駆動装置100の拡大上面図である。
車両Aは、車両Aの前後方向後方に配された駆動装置100と、駆動装置100より車両Aの前後方向前方に配された発電装置200と、を備える。車両Aは、発電装置200でモータ111を駆動するための電力を発電することにより駆動装置100を駆動し、又はバッテリを充電する。すなわち、駆動装置100は、発電装置200で発電された電力、又は発電装置200で発電された電力を蓄電するバッテリの電力の少なくとも一方の電力を用いて、駆動装置100により後輪W2を駆動する、いわゆるシリーズ式のハイブリッド自動車である。また、駆動装置100は、後輪W2を駆動するものであるため、前輪W1は、非駆動輪であり、後輪W2は、駆動輪である。なお、駆動輪W2には、車両Aの上下方向の動きに従動させるために用いられるアーム1が接続され、駆動輪W2の近傍には、車両Aが地面から受ける振動を減衰させるサスペンション2が設けられている。
駆動装置100は、左右の駆動輪W2毎に設けられ、車幅方向に並設された一対の駆動ユニット110(左側を110a、右側を110bとする。)と、一対の駆動ユニット110a、110b間で動力を伝達可能な動力伝達部120と、係止部130と、同期部140と、を備える。なお、係止部130及び同期部140については、駆動装置100の詳細構成で説明する。
駆動ユニット110は、出力軸111cを有するモータ111(左側を111a、右側を111bとする。)と、出力軸111cに連結され、その回転数を変速させる変速ギヤ部112(左側を112a、右側を112bとする。)と、変速ギヤ部112の出力を駆動輪W2に伝達するドライブシャフト113(左側を113a、右側を113bとする。)と、を備える。モータ111は、本実施形態では、出力軸111cが車幅方向の外側を向いて配置される。変速ギヤ部112a、112bには、それぞれ駆動輪W2の回転速度を検出する車輪速センサ(例えば、角度センサ)11、12が取り付けられている(図3参照)。
動力伝達部120は、モータ111の側方において車幅方向に延設され、回転自在に支持された伝達シャフト121(左側を121a、右側を121bとする。)と、変速ギヤ部112aと伝達シャフト121aとの間で動力を伝達する伝達部122aと、変速ギヤ部112bと伝達シャフト121bとの間で動力を伝達する伝達部122bと、モータ111の側方において伝達シャフト121a、121b間に連結され、伝達シャフト121a、121bの回転数差を制御する制御部123と、を備える。制御部123は、伝達シャフト121a、121bを連結可能に保持するカップリング部123aを備える。
発電装置200は、発電部210と、発電部210を冷却する冷却部220と、発電部210にガソリン燃焼時に必要である空気を供給する吸気部230と、発電部210からガソリン燃焼後の空気を排気する排気部240と、を備える。
発電部210は、シリンダを有するエンジン211と、エンジン211に供給するためのガソリン等の燃料を貯蔵する燃料タンク212と、熱シール方式やフライホイール方式等によるジョイント213aを介して、エンジン211に固定される発電機213と、発電機213に並設されるインバータ214と、発電機213により発電された電力を蓄電するバッテリ215と、を備える。
バッテリ215は、モータ111を駆動するために用いられる。また、エンジン211は、駆動ユニット110よりも車両Aの前後方向前方に配置され、モータ111の駆動及びバッテリ215を充電するために設けられるものである。
冷却部220は、エンジン211を冷却させる冷却水の放熱を行うラジエータ221を有する。吸気部230は、エンジン211のシリンダヘッドに取り付けられ、シリンダ内に空気を供給する吸気マニホールド231を備える。排気部240は、エンジン211のシリンダヘッドに取り付けられ、シリンダ内から燃焼ガスや残った空気を排気する排気マニホールド241と、エンジン211に取り付けられた排気マニホールド241から車両の前後方向後方に延びる排気管242と、排気管242の途中で一酸化炭素等の大気汚染物質を除去する触媒コンバータ243と、排気管242から排出される直前で排気音を低減するマフラ244と、を備える。
ここで、一対の駆動ユニット110a、110b間には、排気管242の通過スペースSが設けられており、排気管242は、この通過スペースSを通過するように配置される。
上述の構成によれば、一対の駆動ユニット110a、110b間に排気管242の通過スペースSを設けたため、図4で示すように、駆動ユニット110a、110bと排気管242とが車両Aの側面視で重なるように、駆動ユニット110a、110bを配設することができる。これにより、車体重量の重心を下げて、車両Aの操安性を確保することができる。従って、車両Aの操安性を確保しながら、エンジン211とモータ111とを併用することができる。また、エンジン211及びモータ111を車体前部に配設する場合に比べて、車体重量の重心が車体前部に偏らないと共に、前輪の舵角を大きく確保できるため、足回りの効くスポーティーな操縦性を確保できる。
[駆動装置100の詳細構成]
図6において、(a)は駆動装置100の正面図であり、(b)は図6(a)のB部断面図である。変速ギヤ部112は、外歯歯車であるサンギヤ112cと、内歯歯車であり、サンギヤ112cを外側から囲むように配されるリングギヤ112dと、サンギヤ112cとリングギヤ112dとの間に配され、サンギヤ112c及びリングギヤ112dと歯合する複数(例えば、3つ)の遊星ギヤ112eと、を有する。なお、図6(a)では、サブフレーム116(詳細は後述する。)を破線で示し、その内部構造を示す。以下、これらのギヤをまとめて、プラネタリーギヤとも呼ぶ。
サンギヤ112cは、モータ111の出力軸111cに連結されている。また、複数の遊星ギヤ112eは、モータ111の位置に対して、相対的に位置が固定されたキャリア112fに回転可能に保持されている。
伝達部122a、122bは、伝達シャフト121a、121bに固定されたギヤ122a’、122b’を有する。ギヤ122a’、122b’は、本実施形態では、サブフレーム116の孔部116iを介して、遊星ギヤ112eに歯合する。
従って、伝達部122a、122bは、簡易な構造で変速ギヤ部112から伝達シャフト121a、121bに動力を伝達することができる。また、動力伝達部120が、モータ111の側方(外径方向の外側)に設けられるため、駆動ユニット110の車幅方向における配置の自由度を向上させることができる。
なお、伝達部122a、122bは、本実施形態では、遊星ギヤ112eに歯合することとしたが、プラネタリーギヤのいずれかのギヤに歯合するものであればよい。
図7は、サブフレーム116の外観斜視図である。モータ111a及び変速ギヤ部112aは、サブフレーム116a内に格納され、モータ111b及び変速ギヤ部112aは、サブフレーム116b内に格納される。サブフレーム116aとサブフレーム116bとは、クロスメンバ116cにより、モータ111aとモータ111bとの間に所望の距離を空けて固定される。
また、サブフレーム116は、ブラケット116dをボルト等で車体に固定することにより車体に連結される。さらに、サブフレーム116a、116bには、車幅方向外側の側面116eにドライブシャフト113を通過させるための孔部116fが設けられ、また、アーム1を支持するアーム支持部116gが設けられる。なお、図7では、動力伝達部120の図示を省略した。
図8(a)は、係止部130の構成及び動作手順を説明するための図であり、図8(b)は、図8(a)に示すC部からの矢視図である。また、図9は、係止部130及び同期部140の構成及び動作手順を説明するための図である。
駆動装置100は、駆動ユニット110a、110b毎に設けられ、複数の遊星ギヤ112eのうち、いずれかの遊星ギヤ112eを係止して、遊星ギヤ112eの回転を阻止可能である係止部130(左側を130a、右側を130bとする。)と、駆動ユニット110a、110b毎に設けられる係止部130の動作を同期させる同期部140と、を更に備える。
すなわち、係止部130は、ドライバがシフトレバーをパーキングレンジ(Pレンジ)にシフトした際に、同期部140を介して、機械的に遊星ギヤ112eをロックするパーキングロック機構である。
係止部130は、図8で示すように、シフトレバーの操作に連動して、後述する係止部材133の一方端部133aを上方へ押し上げるカム部132と、カム部132の動作に連動して、係止部材133の他方端部133bを遊星ギヤ112eに係止する係止部材133と、を有する。
カム部132は、円柱形状の小径部132bと、小径部132bよりも大きい直径の円柱形状である大径部132cと、小径部132bと大径部132cとを接続した斜面部132cと、一方端部が大径部132cに接続され、他方端部がシフトレバーに連結されたロッド132dと、を有する。
まず、ドライバがシフトレバーをPレンジにシフトすると、ロッド132dが水平方向に押し出されると共に、カム部132が押し出される。ここで、ロッド132dが押し出される前には、係止部材133の一方端部133aは、小径部132bに支持されているが、ロッド132dが押し出された後には、係止部材133の一方端部133aは、大径部132cに支持されることになる。このため、係止部材133は、端部133aの位置が上昇するため、回転軸133cを中心に回転する。従って、他方端部133bの位置が下降し、係止部130は、遊星ギヤ112eに係止されることになる。
同期部140は、一方端部がシフトレバーに連結されたワイヤ141と、ワイヤ141の他方端部に連結され、ワイヤ141の引き込みや押し出しの動作を係止部130のカム部132に伝達するパンタグラフ部142と、を有する。
パンタグラフ部142は、4つの部材142a、142b、142c、142dから構成され、略方形状となるように、互いの端部同士が回転可能に連結されている。すなわち、部材142aは、一方端部で部材142bと連結され、その連結点bにおいて、ロッド132dと回転可能に連結されている。また、部材142aは、他方端部よりも僅かに中心寄りの位置(連結点a)で部材142dと連結され、他方端部には、ワイヤ141が連結されている。
部材142cは、一方端部で部材142bと連結され、その連結点cにおいて、サブフレーム116の台座116hと回転可能に連結されている。また、部材142cは、他方端部で部材142dと連結され、その連結点dにおいて、ロッド132dと回転可能に連結されている。
従って、ドライバがシフトレバーをPレンジにシフトした場合には、ワイヤ141が押し出され、部材142aは、傾斜角度が小さくなるように倒れ込む。それに伴って、連結点aが下方に下がるため、連結点b及びdが外側に押し出される。これにより、係止部130a、130bのカム部132が押し出されることになる。このようにして、前述の係止部130a、130bを同期させながら、遊星ギヤ112eを係止することができる。 以上述べた通り、本実施形態によれば、車両の操安性を確保しながら、エンジン211とモータ111とを併用することができる。
なお、本実施形態では、エンジン211は、発電用として設けられるものとしたが、一般に普及しているタイプのハイブリッド自動車、例えば、始動時には、モータを用いて駆動し、燃費効率の良い安定走行時には、エンジンを用いて駆動する車両においても、本発明を適用することができる。
また、係止部130は、本実施形態では、遊星ギヤ112eを係止することとしたが、プラネタリーギヤ(サンギヤ112c、リングギヤ112d、又は遊星ギヤ112e)のいずれかのギヤを係止して、いずれかのギヤの回転を阻止するものであってもよい。
<第2の実施形態>
図10は、第2の実施形態に係る駆動装置300の正面図である。上述の第1の実施形態では、モータ111a、111bを出力軸111cが水平となるように配設して、モータ111aとモータ111bとの間に排気管242の通過スペースSを設けた。一方、本実施形態では、図10で示すように、モータ111a、111bの車幅方向内側が外側よりも高い位置になるように、モータ111a、111bを傾斜させて、通過スペースS’を設ける点で異なる。
図11は、第2の実施形態に係る係止部230の構成及び動作手順を説明するための図である。第1の実施形態では、シフトレバーの動作に連動して、機械的に係止部130を作動させたが、本実施形態では、係止部330を作動させるか否かは、ECU10によって制御される点で異なる。従って、駆動ユニット110a、110b毎に設けられる係止部130の動作を同期させる同期部140は設けられていない。
すなわち、係止部330は、シフトレバーの操作状態を検出する検出部331と、カム部132を前後動させるアクチュエータ332と、を備える。検出部331がシフトレバーがPレンジに操作されたことを検出した場合には、アクチュエータ332を駆動させて、カム部132によって遊星ギヤ112eを係止する。
本実施形態によれば、モータ111a、111bを傾斜させることにより、確実に排気管242の通過スペースS’を創出することができる。
図12は、第2の実施形態の変形例に係る制御部123の動作手順を示すフローチャートである。本変形例では、モータ111の位相角度を検出する位相角度センサ11、12が左右のモータ111a、111bに設けられており、その検出結果に応じた制御を上述の第2の実施形態に追加するものである。
すなわち、係止部130は、遊星ギヤ112eの谷部112e’に係止部材133を係止させることにより、遊星ギヤ112eの回転を阻止するものであるため、モータ111の位相角度によっては、係止部材133が遊星ギヤ112eの山部112e”にのってしまい、適切に係止されない場合が生じる。すなわち、検出角度と目標角度とのずれ量が閾値以上である場合には、適切に係止されないことになる。このような場合に、モータ111の回転時に生じる微振動を用いて、位相角度のずれを低減させて、ずれ量を閾値より小さくする処理を行う。なお、図12で示すフローチャートは、各モータ111a、111bで独立して行われるものである。
まず、ステップS101において、モータ111の検出された位相角度情報を受信する。次に、ステップS102において、検出角度と目標角度とのずれ量を算出して、ステップS103において、ずれ量が閾値以上であるか否かを判定する。ステップS103でずれ量が閾値より小さいと判定された場合には、ステップS105に進む。ずれ量が閾値より小さければ、係止部130は、適切に係止することができるからである。
一方、ステップS103でずれ量が閾値以上であると判定された場合には、ステップS104において、モータ111を微小時間だけ駆動する。その後、ステップS105において、アクチュエータ332を駆動し、一連の処理を終了する。
<第3の実施形態>
上述の第1及び第2の実施形態では、モータ111は、出力軸111cが車幅方向の外側を向くように配置されたが、本実施形態では、モータ111は、出力軸111cが車幅方向の内側を向くように配置される点で異なる。なお、基本的な構成については、第1の実施形態と同様であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
図13は、第3の実施形態に係る駆動装置400の周辺構成図であり、図14は、駆動装置400の正面図であり、図15は、駆動装置400の側面図である。モータ111は、出力軸111cが車幅方向の内側を向いて配置され、変速ギヤ部112は、モータ111の更に内側に配置される。また、変速ギヤ部112は、モータ111よりも上下方向の下方位置まで延在し、ドライブシャフト113と連結されている。
本実施形態によれば、変速ギヤ部112がモータ111の車幅方向の内側に配設されるため、ドライブシャフト113の長さの制約を受けることが少なく、変速ギヤ部112a、112bを所望の距離だけ離間して配設することができる。これにより、一対の駆動ユニット110間に排気管242の通過スペースS”を設けることが可能となる。この場合には、図15で示すように、駆動ユニット110a、110bと排気管242とが車両Aの側面視で重なるように、駆動ユニット110a、110bを配設することができる。これにより、車体重量の重心を下げて、車両Aの操安性を確保することができる。また、モータ111は、図15で示すように、車室DとトランクルームEとの間において、ドライブシャフト113の前方かつ上方に配置される。これにより、車両Aの重量重心が中心位置に近接することになるため、車両AのトランクルームEを広く確保することができると共に、車両Aの操安性を更に向上させることができる。
また、その他の利点としては、モータ111をサブフレーム116a、116bよりも上方に配設するため、容易に地上高を確保することができる。また、ドライブシャフト113の長さに影響することなく、大型のモータ111を用いることができる。例えば、駆動輪W2を上下に大きく揺動する必要があるSUV(スポーツユーティリティービークル)タイプ等の車両では、駆動輪W2とドライブシャフト113とをつなぐジョイントの許容角度に対して、大きな揺動量を確保可能である長いドライブシャフト113を用いることができる。また、モータ111a、111b間には、モータ111a、111b間の差動を制限するカップリング部123aを配設して、スペースを有効に活用することができる。
従って、本実施形態によれば、車両Aの操安性を確保しながら、エンジン211とモータ111とを併用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る駆動装置100の周辺構成図である。 駆動装置100の上面図である。 駆動装置100の正面図である。 駆動装置100の側面図である。 駆動装置100の拡大上面図である。 (a)は駆動装置100の正面図であり、(b)は図6(a)のB部断面図である。 サブフレーム116の外観斜視図である。 (a)は係止部130の構成及び動作手順を説明するための図であり、(b)は図8(a)に示すC部からの矢視図である。 係止部130及び同期部140の構成及び動作手順を説明するための図である。 第2の実施形態に係る駆動装置300の正面図である。 第2の実施形態に係る係止部330の構成及び動作手順を説明するための図である。 第2の実施形態の変形例に係るECU10の動作手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る駆動装置400の周辺構成図である。 駆動装置400の正面図である。 駆動装置400の側面図である。
符号の説明
A 車両
S 通過スペース
W2 駆動輪
100 車両用駆動装置
110 駆動ユニット
111 モータ
111c 出力軸
112 変速ギヤ部
113 ドライブシャフト
211 エンジン
242 排気管

Claims (7)

  1. 左右の駆動輪毎に設けられ、車幅方向に並設された一対の駆動ユニットと、
    前記駆動ユニットが、出力軸を有するモータと、前記出力軸に連結され、その回転数を変速させる変速ギヤ部と、前記変速ギヤ部の出力を前記駆動輪に伝達するドライブシャフトと、を備えた車両用駆動装置において、
    前記駆動ユニットよりも車両の前後方向前方に配置されたエンジンと、
    前記エンジンから前記車両の前後方向後方に延びる排気管と、を備え、
    該一対の駆動ユニット間に前記排気管の通過スペースを設けたことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 前記モータは、前記出力軸が車幅方向の外側を向いて配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記変速ギヤ部は、外歯歯車であるサンギヤと、内歯歯車であり、前記サンギヤを外側から囲むように配されるリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとの間に配され、該サンギヤ及び該リングギヤと歯合する複数の遊星ギヤと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記駆動ユニット毎に設けられ、前記サンギヤ、前記リングギヤ、又は前記遊星ギヤのいずれかのギヤを係止して、該いずれかのギヤの回転を阻止可能である係止手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記駆動ユニット毎に設けられ、前記サンギヤ、前記リングギヤ、又は前記遊星ギヤのいずれかのギヤを係止して、該いずれかのギヤの回転を阻止可能である係止手段と、
    前記駆動ユニット毎に設けられる前記係止手段の動作を同期させる同期手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記サンギヤは、前記出力軸に連結されており、
    前記複数の遊星ギヤは、前記モータの位置に対して、相対的に位置が固定されたキャリアに回転可能に保持されており、
    前記係止手段は、前記複数の遊星ギヤのうち、いずれかの遊星ギヤを係止することを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記エンジンは、前記モータを駆動するための電力を発電するために設けられるものであり、
    前記駆動輪は、前記車両の後輪であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
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