JP2009117463A - 薄膜光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明導電膜、光電変換ユニット、透明電極層、及び高反射電極層を備えた薄膜光電変換装置において、短絡電流密度および曲線因子が改善された変換効率の高い光電変換装置を提供すること。
【解決手段】 光入射側に位置する透光性絶縁基板上に、光入射側の反対面に透明導電膜、少なくとも1つの光電変換ユニット、酸化亜鉛に代表される導電性を有する透明電極層、ダイヤモンドライクカーボンに代表される導電性を有する硬質炭素層、高反射電極層の順に積層された光電変換装置であることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は薄膜光電変換装置の変換効率を改善可能な手段を提供するものであり、特に薄膜光電変換装置の裏面電極層の改良に関する。
近年では薄膜光電変換装置の典型例である薄膜太陽電池も多様化し、従来の非晶質薄膜太陽電池の他に結晶質薄膜太陽電池も開発され、これらを積層したハイブリッド型薄膜太陽電池も実用化されつつある。薄膜太陽電池は、一般に光入射側に位置する透光性絶縁基板上に順に積層された透明導電膜、少なくとも1つ以上の光電変換ユニット、透明電極層、及び高反射電極層とを含んでいる。そして1つの光電変換ユニットはp型層とn型層でサンドイッチされたi型層を含んでいる。
光電変換ユニットの厚さの大部分は、実質的に真性の半導体層であるi型層によって占められ、光電変換作用は主としてこのi型層内で生じる。従って、光電変換層であるi型層の膜厚は光吸収のためには厚いほうが好ましいが、必要以上に厚くすればその堆積のためのコストと時間が増大することになる。他方、p型やn型の導電型層は光電変換ユニット内に拡散電位を生じさせる役目を果たし、この拡散電位の大きさによって薄膜太陽電池の重要な特性の1つである開放端電圧の値が左右される。しかし、これらの導電型層は光電変換には寄与しない不活性な層であり、導電型層にドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与せず損失となる。したがって、p型とn型の導電型層の膜厚は、十分な拡散電位を生じさせる範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。
上記の光電変換ユニットは、それに含まれるp型とn型の導電型層が非晶質か結晶質かに関わらず、i型の光電変換層が非晶質なものは非晶質光電変換ユニットと称され、i型層が結晶質のものは結晶質光電変換ユニットと称される。尚、本願における「結晶質」との用語は、薄膜光電変換装置の技術分野で一般に用いられている様に、部分的に非晶質状態を含むものをも含むものとする。非晶質光電変換ユニットを含む薄膜太陽電池の一例として、i型の光電変換層に非晶質シリコンを用いた非晶質薄膜シリコン太陽電池が挙げられる。また結晶質光電変換ユニットを含む薄膜太陽電池の一例として、i型の光電変換層に微結晶シリコンや多結晶シリコンを用いた結晶質薄膜シリコン太陽電池が挙げられる。
ところで、薄膜太陽電池の変換効率を向上させる方法として、2以上の半導体薄膜光電変換ユニットを積層してタンデム型にする方法がある。この方法においては、薄膜太陽電池の光入射側に光電変換層のバンドギャップが大きい光電変換ユニットを配置し、その後ろに順に光電変換層のバンドギャップが小さい光電変換ユニットを配置することで、入射光の広い波長範囲にわたって光電変換を可能にし、これによって太陽電池全体としての変換効率の向上が図られる。このようなタンデム型薄膜太陽電池の中でも、非晶質光電変換ユニットと結晶質光電変換ユニットの両方を含むものは、特にハイブリッド型薄膜太陽電池と称されることもある。
例えば、バンドギャップの広いi型非晶質シリコンを光電変換層に使用した非晶質シリコン光電変換ユニットと、バンドギャップの狭いi型結晶質シリコンを光電変換層に使用した結晶質シリコン光電変換ユニットを積層したハイブリッド型薄膜太陽電池においては、i型非晶質シリコンが光電変換し得る光の波長は長波長側において800nm程度までであるのに対して、i型結晶質シリコンはそれより長い約1100nm程度までの光を光電変換し得るため、入射光のより広い範囲を有効に光電変換することが可能になる。
薄膜光電変換装置においては、光電変換ユニットに入射した光をより有効に利用するため、光反射率の高い金属材料により構成される高反射電極層が形成される。光電変換ユニットに吸収されずに透過した光は、高反射電極層により反射され光電変換ユニットに再入射して光電変換が行われるため、薄膜光電変換装置の変換効率が向上する。
一方、光電変換ユニットと高反射電極層の間には透明電極層が設けられ、光電変換ユニットと高反射電極層の密着性向上を図ると共に、高反射電極層の金属材料が光電変換ユニットに拡散、混入することが防止される。
しかしながら、上記目的においては透明電極層の挿入は有効であるが、透明電極の形成条件によっては高反射電極層の膜質に大きく影響を与え反射層としての機能低下を引き起こすこととなる。また光電変換ユニットと高反射電極層の電気的接合における障壁となる場合があり、取り出し電極として十分機能しないために太陽電池としての特性が低下する場合がある。また透明電極層と高反射電極層界面における吸収ロスが生じ実質的にシリコン層に入射する光が減少し太陽電池の特性が減少する。
この問題に対し、特許文献1においては、透明電極層に導電率を制御するための元素を含有させ、かつこの元素を膜厚方向で変化させることで導電率を変化させ電気的接合の向上を図っている。しかしながら、本法では太陽電池の直列抵抗を減少させることは可能であるが、導電率を低下させるために元素の含有量を増やした場合には透過率が低下しシリコン層に入射する光が減少する。また透明電極層と高反射電極層間の界面吸収についての解決策は開示されていない。
また、特許文献2においては、透明電極層と高反射電極層の間に屈折率制御層を挿入することで界面吸収ロスを低減することを開示しているが、屈折率制御層は導電性を有する材料によって構成されておらず、絶縁体が開示されているのみであり、透明電極層と高反射電極層との電気的接合における障壁となり、直列抵抗の増加により特性が大きく低下する点については全く考慮されていない。
特開平5−110125号公報 特開2006−120737号公報
本発明は、従来技術が有していた上記の問題を解決し、透明電極層と高反射電極層との間に良好な接合界面を形成すると共に、高品質な高反射電極層を提供することで、短絡電流密度および曲線因子が改善された変換効率の高い光電変換装置を得るものである。
本発明による光電変換装置は、光入射側に位置する透光性絶縁基板上に、順に積層された透明導電膜、少なくとも1つ以上の光電変換ユニット、透明電極層、導電性を有する硬質炭素層、高反射電極層の順に積層されており、上記硬質炭素層がダイヤモンドライクカーボンであることを特徴としている。
前記透明電極層は、酸化亜鉛からなることを特徴とし、膜厚は50Å以上5000Å以下であり、さらに望ましくは150Å以上900Å以下であることを特徴としている。また前記硬質炭素層は膜厚が5Å以上2000Å以下であり、さらに望ましくは400Å以上1500Å以下であることを特徴とする光電変換装置を提供するものとする。
加えて前記光電変換ユニットはシリコンを主成分とすることを特徴とする光電変換装置を提供するものとする。
本発明では透明電極層と高反射電極層の間に導電性を有する硬質炭素層が挿入されているため透明電極層の表面状態が改質され、高反射電極層との良好な電気的接合が形成される。加えて反射特性の優れた高反射電極層が形成されるため発電層に入射する光が増大する。また高反射電極層界面における吸収ロスが低減され光散乱が増大する効果が生じる。本発明によれば、硬質炭素層はダイヤモンドライクカーボンにより構成され高い透過率と導電性により光電変換装置の変換効率を向上させることが出来る。
以下に、本発明の実施の形態としての非晶質シリコン太陽電池を、図1を参照しつつ説明する。透光性絶縁基板1の上に透明導電膜2が形成される。透光性絶縁基板1としては、ガラス、透明樹脂等から成る板状部材やシート状部材が用いられる。透明導電膜2には酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物が用いられ、CVD、スパッタ、蒸着等の方法を用いて形成される。透明導電膜2は、形成条件の工夫によりその表面に微細な凹凸を生じさせて入射光の散乱を増大させる効果を有している。ヘイズ率は5〜30%程度であり、シート抵抗は5〜20Ω/□程度に設定される。透明導電膜2の上には非晶質シリコン光電変換ユニット3が形成される。非晶質シリコン光電変換ユニット3は非晶質p型シリコンカーバイド層3p、非晶質i型シリコン光電変換層3i、n型シリコン層3nから成り立っている。非晶質i型シリコン光電変換層3iの材料はシリコンのみならず、炭素、ゲルマニウム等のバンドギャップ調整元素を含んでいてもよい。n型シリコン層3nは、非晶質でもよく結晶質を含んでいてもよく、酸素、窒素、炭素等の元素を含んでいてもよい。
非晶質シリコン光電変換ユニット3の形成には高周波プラズマCVD法が適している。その形成条件としては、基板温度100〜250℃、圧力30〜1500Pa、高周波パワー密度0.01〜0.5W/cm2が好ましく用いられる。光電変換ユニット形成に使用する原料ガスとしては、SiH、Si等のシリコン含有ガスまたは、それらのガスと水素を混合したものが用いられる。光電変換ユニットにおけるp型またはn型層を形成するためのドーパントガスとしては、BまたはPH等が好ましく用いられる。また、n型層に酸素または窒素元素を含ませる場合には、上記のガスに加えて二酸化炭素またはアンモニアが好ましく用いられる。
n型シリコン層3nの上には、透明電極層4が形成される。透明電極層4は非晶質シリコン光電変換ユニット3と高反射電極層6との間に十分な密着性が得られると共に、膜の緻密性が保たれ、高反射電極層6の金属材料が非晶質シリコン光電変換ユニット3に拡散、混入することを防止することができる。また、裏面電極での光学反射において最適な反射特性を得ることが出来る。透明電極層4は、酸化錫、酸化亜鉛、ITO等を用いることが出来るが中でも酸化亜鉛が好ましい。何故なら酸化亜鉛は材料自体が豊富に存在し安価であること、高透過であり拡散防止層としても優れていることが挙げられる。形成方法は均一な薄膜が形成される手段であれば特に限定されない。例えば、スパッタリングや蒸着などのPVD法や、各種CVD法などの化学気相法などの他に、透明電極層の原料を含む溶液をスピンコート法やロールコート法、スプレー塗布やディッピング塗布などにより塗布した後に加熱処理などで透明電極層を形成する方法が挙げられるが、ナノメートルレベルの薄膜を形成しやすいという観点から化学気相法が好ましい。膜厚は50Å以上5000Å以下であり、さらに望ましくは150オングストローム以上900オングストローム以下であることが好ましい。透明電極層の膜厚が薄い場合は、透明電極層の導電性が極めて低く、有効な透明導電膜が得られない。また透明電極層の膜厚が厚い場合は、透明性が悪くなり、生産コストも高くなる可能性がある。
透明電極層4の上には、硬質炭素層5が形成される。上記硬質炭素層5には主に炭素原子からなる成分により構成されるものであれば特に限定されるものではないが、例えばダイヤモンドライクカーボンやグラファイトライクカーボン、カーボンナノチューブ類やフラーレン類が挙げられる。その内、高い導電性を有し透明性が高く、且つ生産性に優れているダイヤモンドライクカーボンが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンは、一般的に知られている手法により生産することができ、例えばプラズマCVD法や蒸着法、スパッタリング法などがあり、どの手法を用いても良い。プラズマCVD法で硬質炭素層を形成する場合、原料は通常使用されるものを使用でき、炭素源としてメタンやベンゼンなどがあり、例えばメタン又はメタンと水素を用いる方法により良好な硬質炭素膜を得ることができる。また、透明電極層表面の安定性を上げる為にフッ素原子を導入してもよく、その際の炭素源としてテトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロメタンやフッ素置換ベンゼンなどが使用できる。メタンについては水素で希釈を行っても行わなくても良い。水素希釈を行うことでメタン濃度が低い場合は、製膜速度が低くなり生産性が悪くなる可能性があるが透明度が増す。希釈を行わずメタン濃度が高くなる場合には膜中にグラファイト構造をとる炭素原子の割合が多くなり透明性が悪くなる可能性がある。これらの理由よりメタンの濃度は0.5体積%以上あればよい。プラズマのパワーは特に制限はないが10W〜600Wが好ましい。低い場合には製膜されず、逆に高い場合はプラズマにより透明電極層4がエッチングされる可能性がある。硬質炭素層5の膜厚は5Å〜2000Åであり、さらに好ましくは400Å〜1500Åであることが透明導電層の特性上好ましい。膜厚が薄い場合は透明電極層表面の安定化が達成されない可能性があり又高反射電極層界面における吸収ロス低減の効果が減少する。膜厚が厚い場合は、硬質炭素層の導電性が低い場合には電気的接合における障壁となる可能性があり、また透明性が悪くなる可能性がある。蒸着法やスパッタリング法を用いて硬質炭素層を形成する場合、あらかじめ水素を含有させることにより、良好なダイヤモンドライクカーボン膜を得ることができる。
高反射電極層6としては、Ag、Alまたはそれらの合金による金属層がスパッタ法、蒸着法等の方法により形成される。
以上の説明は、非晶質シリコン光電変換ユニットのみの単層型太陽電池について行ったが、結晶質シリコン光電変換ユニットのみの単層型太陽電池でもよいし、非晶質シリコン光電変換ユニットと結晶質シリコン光電変換ユニットを積層したハイブリッド型の積層型太陽電池であってもよい。また、非晶質シリコン光電変換ユニット、結晶質シリコン光電変換ユニットの上に更に結晶質シリコン光電変換ユニットを積層した3段の積層型太陽電池としてもよい。さらに、光電変換ユニットの材料として、シリコン以外の銅インジウムガリウムセレナイド(CIGS)、カドミウムテルル(CdTe)等が主成分として含まれていてもよい。
上述のような実施の形態の具体的な例として、以下において、いくつかの実施例を比較例と共に説明する。
(実施例1)
図1は、実施例1で作製した非晶質シリコン太陽電池を模式的に示す断面図である。まず、透光性絶縁基板1として125mm×125mm×0.7mm厚の白板ガラスを用いた。透光性絶縁基板1の一主面上に、酸化錫からなる表面に微細な凹凸構造を有する、透明導電膜2を熱CVD法により形成した。得られた透明導電膜2の膜厚は0.8μm、日本電色社製ヘイズメーターNDH5000W型にて透明導電膜2側よりC光源で測定したヘイズ率は11%、シート抵抗は8Ω/□であった。
次に非晶質シリコン光電変換ユニット3を形成するために、透明導電膜2が形成された透光性絶縁基板1を高周波プラズマCVD装置内に導入し、膜厚150Åの非晶質p型シリコンカーバイド(p型a−SiC)層3pを形成した。p型a−SiC層3pの形成においては、SiH、水素、水素希釈されたB、CHを反応ガスとして用い、p型a−SiC層3pの膜厚が80Å相当となった時点で放電を維持したまま、水素希釈されたBおよびCHの供給を止めて残り70Åの製膜を行った。引き続いて膜厚0.27μmの非晶質i型シリコン光電変換層3iを、さらに、膜厚150Åのn型微結晶シリコン層3nを順次積層した。
非晶質光電変換ユニット3を形成した基板を高周波プラズマCVD装置から大気中に取り出した後で、スパッタ法により酸化亜鉛からなる透明電極層4を形成するスパッタ装置の製膜室に投入した。スパッタターゲットとして酸化亜鉛中に2wt%のAlを添加したものにおいて、スパッタガスとしてArガスを導入し、基板を150℃に加熱、圧力を0.27Paとした上で、DCスパッタ法により酸化亜鉛を膜厚900Åで形成した。
透明電極層4を形成した基板を製膜室から大気中に取り出した後で、CVD法により硬質炭素層5を形成するために高周波プラズマCVD装置に投入した。基板温度150℃、200Wの放電電力により、メタン(メタン濃度100体積%)を原料にして、プラズマCVD装置を用いてダイヤモンドライクカーボン膜を膜厚400Å形成した。硬質炭素層5を形成した基板を高周波プラズマCVD装置から大気中に取り出した後、スパッタ装置に投入し高反射電極層6として、Agからなる金属層をDCスパッタ法により膜厚2000Åで形成した。
以上のようにして得られた非晶質シリコン太陽電池から1cm角の受光面積を有する光電変換ユニットを分離し、その光電変換特性を測定した。すなわちAM1.5のスペクトル分布を有するソーラシミュレータを用いて、擬似太陽光を25℃の下で100mW/cmのエネルギー密度で照射して出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.84V、短絡電流密度が17.1mA/cm、曲線因子が71.0%、そして変換効率が10.19%であった。
(実施例2)
実施例2においては、透明電極層4の膜厚および硬質炭素層5の形成方法においてのみ実施例1と異なっていた。すなわち、実施例1と同様の方法で非晶質シリコン光電変換ユニット3を形成し膜厚150Åにて透明電極層4を形成した。続いてスパッタ法で硬質炭素層5を形成するためにスパッタ装置に投入した。スパッタターゲットとしてカーボンを用い、スパッタガスとしてH2ガスを導入し、基板を150℃に加熱、圧力を8Paとした上で、DCスパッタ法によりダイヤモンドライクカーボンを膜厚1500Åで形成した。以上のようにして得られた非晶質シリコン太陽電池から1cm角の受光面積を有する光電変換ユニットを分離し、その光電変換特性を測定した。すなわちAM1.5のスペクトル分布を有するソーラシミュレータを用いて、擬似太陽光を25℃の下で100mW/cmのエネルギー密度で照射して出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.85V、短絡電流密度が17.0mA/cm、曲線因子が70.9%、そして変換効率が10.24%であった。
(比較例1)
図2の比較例1においては、実施例1と同様の方法で非晶質シリコン光電変換ユニット3を形成した基板上に、酸化亜鉛からなる膜厚900Åの透明電極層4を同様の方法で形成した。引き続き実施例1と同様のAgからなる高反射電極層6を形成した。
以上のようにして得られた非晶質シリコン太陽電池から1cm角の受光面積を有する光電変換ユニットを分離し、その光電変換特性を測定した。すなわちAM1.5のスペクトル分布を有するソーラシミュレータを用いて、擬似太陽光を25℃の下で100mW/cmのエネルギー密度で照射して出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.86V、短絡電流密度が16.5mA/cm、曲線因子が70.3%、そして変換効率が9.98%であった。
実施例1と比較例1を比較すると、透明電極層4の膜厚は同じだが硬質炭素層5を挿入することで、短絡電流密度および曲線因子が改善し変換効率が向上している。これは、硬質炭素層が挿入されることにより透明電極層の表面状態が改質され、高反射電極層との良好な電気的接合が形成される。加えて反射特性の優れた高反射電極層が形成されると共に、界面における吸収ロスも低減されるため発電層に入射する光が増大する効果によるものと推定される。
(比較例2)
図2の比較例2においては、実施例1と同様の方法で非晶質シリコン光電変換ユニット3を形成した基板上に、酸化亜鉛からなる膜厚150Åの透明電極層4を同様の方法で形成した。引き続き実施例1と同様のAgからなる高反射電極層6を形成した。
以上のようにして得られた非晶質シリコン太陽電池から1cm角の受光面積を有する光電変換ユニットを分離し、その光電変換特性を測定した。すなわちAM1.5のスペクトル分布を有するソーラシミュレータを用いて、擬似太陽光を25℃の下で100mW/cmのエネルギー密度で照射して出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.86V、短絡電流密度が16.3mA/cm、曲線因子が70.8%、そして変換効率が9.92%であった。
実施例2と比較例2を比較すると、透明電極層4の膜厚は同じだが硬質炭素層5を挿入することで、短絡電流密度および曲線因子が改善し変換効率が向上している。これは、実施例1の時と同様に硬質炭素層が挿入されることにより透明電極層の表面状態が改質され、高反射電極層との良好な電気的接合が形成される。加えて反射特性の優れた高反射電極層が形成されると共に、界面における吸収ロスも低減されるため発電層に入射する光が増大する効果によるものと推定される。
(比較例3)
図3の比較例3においては、透明電極層4の膜厚が異なることおよび硬質炭素層5の代わりにSiO層7が挿入されていることのみにおいて実施例1と異なっていた。すなわち実施例1と同様の方法で非晶質シリコン光電変換ユニット3を形成した基板上に、膜厚400Åの酸化亜鉛からなる透明電極層4を同様の方法で形成した。そしてスパッタターゲットとしてSiOを用い、スパッタガスとしてArガスを導入し、基板を150℃に加熱、圧力を0.27Paとした上で、DCスパッタ法によりSiO層7を膜厚400Åで形成した。引き続き実施例1と同様のAgからなる高反射電極層6を形成した。
以上のようにして得られた非晶質シリコン太陽電池から1cm角の受光面積を有する光電変換ユニットを分離し、その光電変換特性を測定した。すなわちAM1.5のスペクトル分布を有するソーラシミュレータを用いて、擬似太陽光を25℃の下で100mW/cmのエネルギー密度で照射して出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.78V、短絡電流密度が15.2mA/cm、曲線因子が58.0%、そして変換効率が6.87%であった。
実施例1および2と比較例3を比較すると、SiO層を用いた場合、曲線因子を中心に特性が大きく低下している。これは、SiO層は絶縁膜であるため電気的な接合が形成できず直列抵抗となるのに対し、硬質炭素層は導電性を有しているため高反射電極層との良好な電気的接合を形成することが出来たことによるものと推定される。
本発明による非晶質シリコン太陽電池の模式的断面図である。 比較例1および2の非晶質シリコン太陽電池の模式的断面図である。 比較例3の非晶質シリコン太陽電池の模式的断面図である。
符号の説明
1 透光性絶縁基板
2 透明導電膜
3 非晶質シリコン光電変換ユニット
3p 非晶質p型シリコンカーバイド層
3i 非晶質i型シリコン光電変換層
3n n型シリコン層
4 透明電極層
5 硬質炭素層
6 高反射電極層
7 SiO

Claims (6)

  1. 光入射側に位置する透光性絶縁基板上に、光入射側の反対面に透明導電膜、少なくとも1つの光電変換ユニット、導電性を有する透明電極層、導電性を有する硬質炭素層、高反射電極層の順に積層された光電変換装置。
  2. 前記硬質炭素層が、ダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記透明電極層が、酸化亜鉛からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記透明電極層の膜厚が、50Å以上5000Å以下であり、且つ硬質炭素層の膜厚が5Å以上2000Å以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜光電変換装置。
  5. 前記透明電極層の膜厚が、150Å以上900Å以下であり、且つ硬質炭素層の膜厚が400Å以上1500Å以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換装置。
  6. 前記光電変換ユニットはシリコンを主成分とする請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換装置。
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